JPH07172995A - 超伝導酸化物の単結晶及びその使用方法 - Google Patents

超伝導酸化物の単結晶及びその使用方法

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JPH07172995A
JPH07172995A JP6277299A JP27729994A JPH07172995A JP H07172995 A JPH07172995 A JP H07172995A JP 6277299 A JP6277299 A JP 6277299A JP 27729994 A JP27729994 A JP 27729994A JP H07172995 A JPH07172995 A JP H07172995A
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Hironao Kojima
弘直 兒嶋
Isao Tanaka
功 田中
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Seiko Epson Corp
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶方位の確定した超伝導酸化物の単結晶を
得ること、及びその使用方法を提供する。 【構成】 La−Sr−Cu−O系、Nd−Ce−C
u−O系、Y−Ce−Cu−O系、Y−Ba−Cu−O
系又はBi−Ca−Ba−O系等の結晶であって、結晶
が正方晶系で、かつ結晶の成長方向がa軸である超伝導
酸化物の単結晶、さらに、この単結晶のc軸方向に電流
を流す使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温に臨界温度を持つ超
伝導酸化物、特にLa2−xCuO(A:Sr,
Ba)、Nd2−xCeCuO、YBaCu
7−x、BiSrCaCu、TlBaCa
Cu等の単結晶及びその使用方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】1986年、J.G.Bedonorz
とK.A.Muller両博士によって金属酸化物でも
高温で超伝導性を示すことが発見されて以来、世界中で
数多くの超伝導酸化物の研究が行われてきた。ある種の
酸化物例えばLa2−xCuO(A:Sr,B
a)、Nd2− CeCuO、YBaCu
7−x、BiSrCaCu、TlBaCa
Cu等は電子の状態密度が極めて低いにもかかわ
らず、従来の金属系超伝導物質よりも高い臨界温度で超
伝導性を示すことが知られている。
【0003】これらの酸化物に関する多くの研究は、主
に焼結物質や薄膜を取り扱っており、結晶構造,化学組
成と臨界温度との関係については、かなり詳細な研究が
行われている。しかし、これらの酸化物超伝導物質の超
伝導機構については、まだ確定された原理は見出だされ
ていない。現在までに報告されている酸化物超伝導物質
は、ほとんどがペロブスカイト格子を基本構造としてお
り、金属或いは合金超伝導物質と異なり、立方晶ではな
く正方晶或いは斜方晶に属している。そのため、多結晶
体の集合である焼結物質からの物性からでは異方性の情
報が得られず、薄膜では厚み方向の情報を得るのが難し
く、超伝導発現の機構の構築が難しいと思われる。
【0004】酸化物の磁気的及び電気的性質の異方性等
の物性を厳密に測定し、異方性の情報を得て、その超伝
導性を解明するには、良質で大型の単結晶体が必要とさ
れ、このためにも良質で大形結晶の育成が望まれてい
る。現在まで、育成されたと報告されている酸化物の高
温超伝導物質の単結晶は、La−Sr−Cu−O系、N
d−Ce−Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系及びBi
−Ca−Ba−O系等である。これらの物質のほとんど
が分解溶融化合物であると考えられるので、単結晶を育
成するのに、一般の酸化物単結晶に用いられている引上
げ法、ブリッジマン法など溶融固化という方法は適用で
きない。主に用いられている方法は、フラックス法及び
フラックス法を工夫したトップシード法であり、Bi系
単結晶については、竹川らによって浮游帯域法(flo
ating zone method)を用いての試み
が、J.Cryst.Growth,92(1988)
p.687に報告されている。また、LaCuO
CuOの共晶組成のものについても、後述する表1に示
すように、L.Trouilleux,G.Dhale
nne and A.Revcolevschi:Cr
yst.Growth,91(1988)p.268に
報告されている。
【0005】フラックス法で用いられている溶媒は、多
くの場合、CuOでセルフフラックスと呼ばれているも
のであり、結晶育成後、フラックスと生成結晶の分離を
機械的に行っており、溶媒と育成結晶の分離が難しい。
しかしランタン系のLa2−xCuOの例では、
フラックス中で成長し、るつぼの底に沈んだ結晶をすく
いあげ、溶媒との分離を試みている。いずれの場合で
も、フラックス法により育成された結晶の大きさは、余
り大きくなく、大きいものではフラックスの含有がみら
れる。またc軸方向に薄い板状結晶が一般的に育成され
ている。
【0006】ランタン系単結晶について、現在まで報告
されている育成結晶の大きさ、用いられた溶媒及び育成
方法、臨界温度等を表1に示す、
【0007】
【表1】 表1から、育成された結晶は前述のように、ほとんどが
板状結晶であることが分かる。トップシード法で育成さ
れた結晶の大きさは、25×25×5mmと比較的に大
きいが、臨界温度が非常に低い。固溶しているSr(B
a)が原料組成より少ないためではないかと考えられ
る。また表1の最後に示してある浮游帯域法による例で
は、結晶も大きくて、臨界温度も他の方法よりも高めで
あるが、原料組成がCuOとの共晶組成であり、育成さ
れた結晶もCuOを含む共晶物であり、単一相の結晶と
はいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
超伝導酸化物の結晶の大きさは余り大きくなく、大きい
ものではフラックスの含有がみられる。また、c軸方向
に薄い板状結晶であるので、酸化物の磁気的及び電気的
性質の異方性等の物性を厳密に測定することによって、
異方性の情報を得るのが難しく、超伝導発現の機構の構
築に対して寄与することが難しいという問題があった。
【0009】本発明は上述のような問題点を解決するた
めになされたもので、酸化物の超伝導性の解明に役立て
得るような良質で、結晶方位の確定した単結晶で超伝導
性を有する大形結晶の酸化物単結晶を得ることと、この
単結晶のc軸方向に電流を流す使用方法を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る超伝導酸化
物の単結晶は、La−Sr−Cu−O系、Nd−Ce−
Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系又はBi−Ca−B
a−O系の結晶であって、結晶が正方晶系であり、かつ
結晶の成長方向がa軸であることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、本発明に係る超伝導酸化物の単結晶
の使用方法は、La−Sr−Cu−O系、Nd−Ce−
Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系又はBi−Ca−B
a−O系の結晶の内の正方晶系の超伝導酸化物の単結晶
のc軸方向に電流を流すことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明の超伝導酸化物の単結晶は、結晶が正方
晶系であり、かつ結晶の成長方向がa軸であるようなL
a−Sr−Cu−O系、Nd−Ce−Cu−O系、Y−
Ba−Cu−O系又はBi−Ca−Ba−O系の結晶で
あり、この超伝導酸化物の単結晶のc軸方向に電流を流
すことによって良好な超伝導特性が得られる。そして、
この大形単結晶は、溶媒移動浮游帯域法:Travel
ling Solvent Floating Zon
e Method(TSFZ法という)により、大形育
成されるものである。このTSFZ法については、G.
A.Wolff:“CRYSTAL GROWTH T
heory and Techniques pp19
4−230”G.H.L.Goodman Ed,(P
renum,1974))に詳述されている。このTS
FZ法は一般的には分解溶融化合物及び固溶体単結晶に
適用されている。例えば、図12の(a)に示すような
状態図が化合物ABについて明らかになっていると、こ
の化合物は温度Tで分解し、固相のAとpの液相組成
になる。従って、この化合物の単結晶を育成するとすれ
ば、温度T以下の温度で育成しなければならない。
【0013】温度T以下では、固体ABは共晶温度ま
での液相線上の組成の液相と平衡にある。この点を利用
したのがTSFZ法である。すなわち、固体ABと平衡
にあるsの組成物を、図12の(b)に示したように、
原料焼結棒と種結晶との間にサンドイッチ状にはさみ、
このsの組成物をまず溶融させ、原料焼結棒と種結晶に
融合させる。その後全体をゆっくり下げていくと、種結
晶上に組成ABが析出し始める。これが定常的になれば
原料の組成ABが溶解し、種結晶上に組成ABが析出
し、組成ABの単結晶が育成できるようになる。つまり
TSFZ法は、溶媒を用いて、原料を溶媒中に溶解さ
せ、溶媒から所定のものを析出させるものである。一
方、徐冷浮游帯域溶融法(Slow Cooling
Floating Zone Method;SCFZ
法という)は状態図作成に利用するが、このSCFZ法
は、ある組成のものを溶融し、その溶融帯を冷却しなが
ら切り離していくと、融点の高いものから順次に固まっ
ていくので、後でそれを分析すると、どの相が最初に出
て、次には何がということで状態図を作ることができ
る。
【0014】本発明による超伝導酸化物の単結晶は、前
記のTSFZ法を利用して形成したものである。そし
て、このTSFZ法による単結晶の育成に当たって用い
る加熱炉は、赤外線集中加熱炉、特に後述の実施例の図
1及び図2に示すような単楕円型或いは双楕円型の回転
楕円面鏡を備えた赤外線集中加熱炉を使用するのが望ま
しい。そして、本発明者等は、図13に示すLa
−CuO系の状態図より、固溶させた場合、SrはLa
の所に置換すると考えると、La2−xSrCuO
の結晶の育成は、La−CuO系状態図を参考に
すればよいことを知見した。例えば、図14はLaO
1.5−CuO系状態図である。
【0015】ここで、本発明に当たっての予備実験的な
検討結果についてのべる。まず、La80mol
%,CuO20mol%の組成物を0.1MPaの酸素
雰囲気中で溶解させて、溶融生成物を同定してみた。そ
の結果はLaCuOとLaの混合物が生成して
いた。状態図からはこの組成ではLaCuOとCu
Oの混合物が生成する筈であるが、CuOが蒸発し組成
がLa側へずれたために、Laの生成が認
められたものと思われる。そこで、CuOの蒸発を防ぐ
目的をもって、酸素ガス圧を0.2MPaにした所、溶
融生成物はLaCuOとCuOの混合物であること
が確認された。このことから、単結晶育成に当たって、
育成時の酸素ガス雰囲気を0.2MPa以上に加圧する
と良好な単結晶が生成されることが知見された。
【0016】酸素ガスを0.2MPa以上に加圧したと
きの蒸発は0.1MPaの時よりかなり抑えられ、La
CuOとCuOが生成していることが実験により明
らかになった。この結果から、本発明では赤外線集中加
熱炉を用いて、炉内の雰囲気を0.15MPa以上好ま
しくは0.2〜0.25MPaの加圧酸素雰囲気中で結
晶育成を行うようにした。但し、長時間にわたって結晶
育成を行うと、CuOが蒸発してシャフトや石英管に付
着する。育成速度は0.5〜3mm/hが好ましい。育
成温度は、1100℃未満では溶融が不十分であり、1
300℃を越えると他の相が析出するようになるので、
1100〜1300℃が好ましい。
【0017】以上の実験結果から本発明では、La−S
r−Cu−O系、Nd−CeCu−O系、Y−Ba−C
u−O系又はBi−Ca−Ba−O系の結晶の育成条件
を、 酸素圧:0.15MPa以上 育成温度:1100〜1300℃ 育成速度:0.3〜3mm/h とした。以上の形成条件により、本発明の超伝導酸化物
の単結晶は、直径5mm以上、長さ40mm以上のもの
が得られ、得られた単結晶を用いてこれら超伝導酸化物
の物性を調査研究することが可能となった。以下、実施
例に基づいてより詳細に説明する。
【0018】
【実施例】図1及び図2は本発明の超伝導酸化物単結晶
の製造に使用するそれぞれ単楕円型及び双楕円型の回転
楕円面鏡を有する赤外線集中加熱炉の説明図である。両
図において、1は単楕円回転面鏡、1aは双楕円回転面
鏡、2は赤外線ランプ(ハロゲンランプ又はキセノンラ
ンプ)、3は溶媒、4は焼結原料棒、5は上部回転軸、
6は種結晶、7は下部回転軸、8は透明石英管、9はレ
ンズ、10はスクリーン、11は雰囲気ガス入口、12
は雰囲気ガス出口である。
【0019】ここで、図2を参照しながら、本発明によ
る結晶成長の一実施例を説明する。双楕円回転面鏡1a
は、赤外線を効率よく反射させると共に耐久性を持たせ
るために金めっきを施してあり、双楕円回転面鏡1aの
外側焦点の加熱光源として、1.5kWのハロゲンラン
プ又はキセノンランプからなる赤外線ランプ2が配置さ
れ、これから発した赤外線は中心部の他の焦点位置に集
光する。この焦点位置には溶媒3が配置されていて、集
光された赤外線により加熱される。温度調整は赤外線ラ
ンプ2の電圧の昇降により0℃〜2150℃に調整可能
である。
【0020】溶媒3の上部には焼結原料棒4が上部回転
軸5に吊り下げられている。また、溶媒3の下部には種
結晶6が下部回転軸7に支えられ、上部回転軸5及び下
部回転軸7は同時に移動させることができ、さらに上部
回転軸5を移動させて上下回転軸の間隔を自由に調整で
き、各回転軸は夫々回転できるようになっている。そし
て、透明石英管8により、これら溶媒3の周辺は外気か
ら遮断されているので、雰囲気及びその圧力を変えるこ
とができる。雰囲気ガス入口11より例えば酸素を封入
し、酸素圧を印加することができる。また、レンズ9に
より、溶融帯域の状況がスクリーン10上に写し出され
るので、結晶の溶融状況を観察しながら成長させること
ができる。その外、双楕円回転面鏡1a内に圧縮空気を
吹き込んで加熱源のランプを冷却したり、楕円面鏡の過
熱防止のため、また回転軸の保持部は溶融帯域の伝導熱
や対流熱を防止するために、水冷するようになってい
る。以下、図2の装置を用いて単結晶を育成した実施例
についてのべる。
【0021】[実施例1]出発原料として、純度99.
9%のLa、SrCO及びCuO(いずれもフ
ルウチ化学製:純度99.9%)を用い、これらの試薬
をLa2−xSrCuO(x=0.15)の化学量
論組成比に秤量し、エタノールで湿式混合した後、空気
中で850℃、12時間焼成した。次に、焼成原料を粉
砕して、市販のゴム風船に詰め、これに1ton/cm
の圧力をかけて、径5mm、長さ50mm程度の丸棒
状に成形するいわゆるラバープレス法により成形した
後、酸素中1100〜1200℃で12時間焼結し、こ
れをLa1.85Sr0.15CuOの組成の焼結原
料棒4とした。溶媒はSr/(La+Sr)比が0.0
75〜0.10で、55〜80mol%CuOの組成に
秤量し、CuOが78mol%、Laが21.8
mol%、及びSrが0.02mol%の組成にしたも
のを焼結原料棒4と同様の方法で作製した。
【0022】単結晶育成には、2個の1.5kWのハロ
ゲンランプを赤外線ランプ2とした図2に示す双楕円型
赤外線集中加熱炉を使用した。育成条件は、育成速度を
1.0mm/hとし、さらにCuO(酸化銅)の蒸発を
防ぐため、育成雰囲気をガス圧2kg/cm(0.2
MPa)の純粋な加圧酸素中で育成した。また、融液を
細くし結晶の核の生成を小数にし核を少なくするため、
ネッキング育成により種結晶を育成し、a軸方向に結晶
育成を行った。
【0023】生成結晶の外観写真を図3に示す。図3か
ら明らかなように、直径6mmで長さ40mm大の黒色
の単結晶であり、金属光沢を示す丸棒状のものが得られ
た。また、育成結晶表面上に成長方向にファセットが観
察されている。図5にファセットの背面ラウエ写真を示
す。育成結晶をX線背面ラウエ法で評価した所、図5に
みられるように、シャープな斑点がみられ、単結晶であ
ることが確認された。育成結晶表面にみられたファセッ
トは(001)面であることも確認されている。
【0024】その他、中性子散乱実験によるモザイク構
造の分布測定結果は、0.2度以下であり、良質の単結
晶であることを示した。また、育成結晶をEPMAで直
径方向及び成長方向の組成分析を行ったところ、組成は
ほとんど変わらず均一であった。EPMAを用いての定
量分析結果と粉末X線回折法による格子定数の測定結果
を表2に示す。
【0025】
【表2】 表2にみられるように、育成結晶の組成は、La
1.86Sr0.14CuOであり、Laの量は原料
棒より多く、またSrとCuの量は結晶中には原料棒よ
り少なかった。
【0026】次に、得られた単結晶の超伝導性について
評価した結果についてのべる。育成結晶の電気抵抗測定
結果を図4に示す。図4にみられるように、臨界温度T
conset(超伝導転移の開始温度Tという)が3
7K位で、完全に電気抵抗が0オームとなる温度ΔT
end(ΔTという)は30Kであり、超伝導性を示
した。また、育成結晶のa軸及びc軸方向の電気抵抗の
温度変化特性を図6に示す。図6から明らかなように、
a軸方向(Cu−O面)の電気抵抗がc軸方向のそれと
比較して数百倍も小さく、温度変化と共に金属的挙動を
示している。しかしながら、c軸方向の抵抗の温度変化
は200K付近までは金属的であるが、それ以下の温度
では半導体的挙動を示している。また、200K付近の
挙動はテトラ→オルソ転移に対応しているのではないか
と思われる。このように育成結晶は大きな異方性を示す
ことが明らかになった。
【0027】[実施例2]実施例1と同様な方法で得ら
れた育成結晶(a)及びこの育成結晶(a)を酸素中で
500℃、50時間アニールして得られた育成結晶
(b)とについて、マイスナー効果の測定を行った。そ
の結果を図7及びそのまとめを下記に示す。 T ΔT 育成結晶(a) 31.5K 18.0K 育成結晶(b) 35.0K 23.5K 図7にみられるように、いずれも良好な超伝導性を示す
が、育成結晶(b)の方が、開始温度T、ΔT共に
高くなり、アニール効果が認められた。
【0028】[実施例3]初めにNd−Ce−Cu−O
系の単結晶を合成する上に不可欠なNd−CuO
系、Nd−CeO−CuO系の2つの状態図に
ついて調べた。Nd、CeO及びCuOの粉末
の夫々を、所定の組成になるように秤量し、約30分間
乳鉢で混合し、850℃で24時間焼成した。焼成した
試料は、示差熱天秤TG−DTAによって高温における
相変化を調べた。測定条件は、加熱及び冷却を速度5℃
/minで行い、標準試料としてAl粉末を用
い、雰囲気は0.1MPa酸素中で行った。また、焼成
した試料は、直径8mmの丸棒状にして100MPaで
静水圧プレスを施した後、Nd:CuO=1:1
の試料は1200℃で、それ以外の組成の試料は100
0℃で焼結した。溶融試験には、1.5kWハロゲンラ
ンプを加熱光源2とした図1に示す単楕円赤外線集中加
熱炉を用い、前述のSCFZ法により種々の組成の試料
を溶融固化した。
【0029】このSCFZ法によって得られた試料は、
EPMAにより観察し、かつ組成分析を行った。Nd
/CuO=1/1の組成の試料をTG−DTAで分
析した結果、昇温時に1050℃と1270℃に吸熱ピ
ークが現れた。また、この溶融した試料を粉末X線回折
法で調べたところ、NdCuOの他にNd
認められた。そして、60mol%CuOの焼結体をS
CFZ法により溶融・固化し、EPMAにより観察した
ところ、初晶部にNdが、そして、先端部にCu
OとCuOが夫々多く存在していた。このことから、
NdCuOは1270℃以上で、Nd+Li
quidに分解溶融し、NdCuOの共晶点は10
50℃であることが判った。
【0030】次に、NdCuOと平衡共存する液相
組成を決定するために、CuO rich組成の試料に
ついてTG−DTAを行ったところ、79mol%Cu
O以上の試料から融液が固化する温度が下がり始め、9
1mol%CuOの時、最も共晶点に近付いた。そし
て、85mol%CuOの試料をSCFZ法により溶融
・固化してEPMAにより観察したところ、Nd
は生成せず、初晶はNdCuOであった。つまり、
79〜91mol%CuOの時にNdCuOと融液
が平衡にある液相線が存在することが判った。また、C
uO rich組成にしたところ、昇温時は二つの吸熱
ピークであったが、溶融後の降温時には三つの発熱ピー
クになっていた。この三つピークのうち高温側の二つは
昇温時の吸熱ピークにそれぞれ対応していたが、100
0℃付近の第三のピークに対応するものがない。さら
に、このピークは、溶媒であるCuOが増えれば増える
ほどその強度が大きくなることから、試料が融解する時
にはCuOが分解することによって生成するCuOに
よるものではないかと思われる。これらのことから導か
れたNd−CuO系の状態図を図8に示す。
【0031】次に、(92.5%Nd+7.5%
CeO)/CuO=30/70と15/85の2つの
焼結体をSCFZ法により溶融・固化した部分をEPM
Aにより観察した。70mol%CuOの試料は初晶と
して、Nd2−xCe +δの固溶体が析出した。
また、85mol%CuOの試料の場合には、固溶体の
析出はなく、Nd1. 85Ce0.15CuO4−y
相が最初に析出した。また、TG−DTAの結果より、
共晶点には変化がなかったが、包晶点は1315℃とな
り、Nd−CuO系よりも45℃程度高くなっ
た。そして、Nd1.85Ce0.15CuO4−y
融液が平衡にある液相線の組成範囲が、78mol%C
uOから91mol%CuOと、多少広がったことが判
った。また、Ce添加の試料においても、1000℃付
近にCuOが固化する時の発熱ピークが見られた。以
上の結果から、図9にNd−CeO−CuO系
の状態図を、Nd −xCe3+δ−CuO系の疑
似二成分系で表した。
【0032】この図9は、TSFZ法により、79〜9
1mol%CuOの溶媒を用いることにより、Nd
2−xCeCuOの単結晶の育成が可能であること
を示している。以下、Ce=0.15としたNd2−x
CeCuOの単結晶の育成をTSFZ法により行っ
た結果を示す。実施例1と同様な装置で、Nd2−x
CuOの化学量論組成比の割合に、Nd
CeO及びCuOの夫々の酸化物粉末を秤量し、混合
して850℃、24時間焼成した後、実施例1と同様に
ラパープレス法で径6mm、長さ50mm程度の丸棒状
に成形した後、酸素中1100〜1200℃で12時間
焼結したものを焼結原料棒4とした。次に、溶媒は80
mol%CuOの組成に秤量した後、焼結原料棒4と同
様の方法で合成した。
【0033】単結晶育成には、実施例1と同様の双楕円
赤外線集中加熱炉を使用した。育成条件は、育成速度を
0.5〜3.0mm/h、育成雰囲気を純粋な酸素ガス
圧0.1〜0.25MPaで行った。また、ネッキング
育成により種結晶を育成し、a軸方向に結晶育成を行っ
た。その結果、育成されたNd2−xCeCuO
単結晶には、大量のNd .48Ce0.523+δ
の固溶体を含有し、脆弱であった。図10に85mol
%CuOを用いて育成した場合のNd2−xCeCu
の育成単結晶の構造写真を示す。育成結晶は5mm
直径50mm長さの金属光沢のない黒色で、c−平面に
沿って平行なへき開面を有していた。
【0034】単結晶は微量の亜粒界組織及びCuOを幾
らか含んでいたが、約2×3×5mmの単結晶が得ら
れた。この結晶の組成は、EPMAによる定量分析の結
果、組成はNd1.86Ce0.14CuOと決定さ
れ、それは供給のNd1.8 Ce0.15CuO
りCeが僅かながら少なかった。CuOの沈澱が、溶融
帯の組成変化の結果として起り、よりCu rich側
の組成に変わったものである。従って、溶液の最適な組
成は、80〜85mol%CuOであることが判る。
【0035】次に、育成結晶の磁性の評価を行った。育
成されたNd1.86Ce0.14CuOの結晶から
はマイスナー効果は得られなかった。還元状態でアニー
ルされたNd2−xCeCuOの単結晶は超伝導体
となり、また、脱酸素圏内でTSFZ法で育成されたN
2−xCeCuOの単結晶はTcが10K以下の
超伝導性を持つことが報告されているが、本試験による
単結晶は、CuOの蒸発を防ぐために酸素圏内で育成さ
れたので、超伝導性とはならなかった。以上の結果を勘
案して、得られたNd1.86Ce0.14CuO
結晶を気体窒素中で900℃,70時間アニールしたの
ち、マイスナー効果を調べた。その結果を図11に示
す。図11はNd1.86Ce0.14CuOのアニ
ール結晶の磁性化の温度依存性を示す特性図である。図
11が示すように、Nd1.86Ce0.14CuO
のアニール結晶のTcは19Kであり、その温度は先に
報告されたNd2−xCeCuOの単結晶よりも低
かった。その温度降下は、育成された結晶中のCuOの
沈澱及びアニール条件に原因があるものと思われる。
【0036】以上の説明から、本発明による製造条件に
よって、超伝導性を示すLa2−xSrCuO及び
Nd2−xCeCuOは、単結晶の大型育成化が可
能であることを示したが、YBaCu7−x、B
iSrCaCu、TlBaCaCu
等についても、同様の製造条件で超伝導性単結晶が得ら
れる。
【0037】さらに、本発明による超伝導酸化物の単結
晶は、結晶が正方晶系であり、かつ結晶の成長方向がa
軸であることが特徴であるが、これによって、c軸方向
に電流を流すことによって半導体的挙動をする特性が発
現されたので、極低温系におけるスイッチング素子等へ
の展開が期待できる。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超伝導酸
化物の超伝導性を解明できるような良質で、大型の単結
晶であり、本発明により、超伝導酸化物の磁気的及び電
気的性質の異方性等の物性が厳密に測定でき、異方性の
情報からその超伝導性を解明し超伝導発現の機構の研究
に寄与し得る大きな効果がある。さらに、本発明による
超伝導酸化物の単結晶は、結晶が正方晶系であり、かつ
結晶の成長方向がa軸であることから上述の異方性が確
実に同定されているので、これによって、c軸方向に電
流を流せば、半導体的挙動をする特性が発現されている
ので、例えば極低温系におけるスイッチング素子等への
展開が期待できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単結晶を製造する単楕円型の赤外線集
中加熱炉の説明図である。
【図2】本発明の単結晶を製造する双楕円型の赤外線集
中加熱炉の説明図である。
【図3】本発明の実施例1における育成単結晶の構造写
真図である。
【図4】育成結晶の超伝導性を示す電気抵抗−温度特性
図である。
【図5】ファセットの背面ラウエ結晶写真図である。
【図6】育成結晶のa軸及びc軸方向の電気抵抗の温度
変化特性を示す特性図である。
【図7】実施例2の単結晶のマイスナー効果を示す特性
図である。
【図8】Nd−CuO系の状態図である。
【図9】Nd−CeO−CuO系の状態図を、
Nd2−xCe3+δ−CuO系の疑似二成分系で
表した状態図である。
【図10】実施例3の単結晶の育成単結晶の構造写真図
である。
【図11】実施例3の単結晶のマイスナー効果を示す線
図である。
【図12】分解溶融化合物ABの模式状態図及びTSF
Z法の原理説明図である。
【図13】空気中のLa−CuO系の状態図であ
る。
【図14】LaO1.5−CuO系状態図である。
【符号の説明】
1 単楕円回転面鏡 7 下部回転
軸 1a 双楕円回転面鏡 8 透明石英
管 2 赤外線ランプ 9 レンズ 3 溶媒 10 スクリ
ーン 4 焼結原料棒 11 雰囲気
ガス入口 5 上部回転軸 12 雰囲気
ガス出口 6 種結晶
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 12/00 ZAA 13/00 565 D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 La−Sr−Cu−O系、Nd−Ce−
    Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系又はBi−Ca−B
    a−O系の結晶であって、前記結晶が正方晶系であり、
    かつ前記結晶の成長方向がa軸であることを特徴とする
    超伝導酸化物の単結晶。
  2. 【請求項2】 La−Sr−Cu−O系、Nd−Ce−
    Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系又はBi−Ca−B
    a−O系の結晶の内の正方晶系の超伝導酸化物の単結晶
    のc軸方向に電流を流すことを特徴とする超伝導酸化物
    の単結晶の使用方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004276284A (ja) * 2003-03-13 2004-10-07 Yamatake Corp 樹脂成形体の成形方法
WO2005042669A1 (ja) * 2003-10-30 2005-05-12 Japan Science And Technology Agency 電界発光材料及びそれを用いた電界発光素子

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