JPH0717376A - 車両用制動装置 - Google Patents

車両用制動装置

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JPH0717376A
JPH0717376A JP16251993A JP16251993A JPH0717376A JP H0717376 A JPH0717376 A JP H0717376A JP 16251993 A JP16251993 A JP 16251993A JP 16251993 A JP16251993 A JP 16251993A JP H0717376 A JPH0717376 A JP H0717376A
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隆夫 森田
Tsutomu Matsukawa
勉 松川
Hiromichi Yasunaga
弘道 安永
Tadao Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪の回転により駆動される油圧ポンプ10を
利用することによって、摩擦力で制動力を得る摩擦ブレ
ーキ装置のブレーキ温度の上昇や摩擦材やブレーキロー
タ等の磨耗を極力防止すると共に、油圧ポンプが発生さ
せる油圧を摩擦ブレーキ装置12のブレーキ圧として有効
利用する。 【構成】 油圧ポンプ10の吐出側および吸入側の油路に
それぞれ吐出弁20と吸入絞り弁18とを配設し、油圧ポン
プから吐出される作動油圧を蓄えるアキュムレータ28を
備え、アキュムレータと摩擦ブレーキ装置12間の油路に
圧力制御弁32を配設し、ブレーキスイッチ、ブレーキペ
タルストロークセンサ等により検出した、車両の制動に
関わる状態量に応じて、吸入絞り弁、吐出弁及び圧力制
御弁を制御して、油圧ポンプの負荷仕事と摩擦ブレーキ
装置の作動とにより制動トルクを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用制動装置に関
し、特に、車輪の回転により駆動される油圧ポンプの負
荷仕事により制動トルクを発生させると共に、油圧ポン
プが発生させた作動油圧を摩擦ブレーキ装置のホイール
シリンダに供給して該摩擦ブレーキ装置にも制動トルク
を発生させる制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の制動装置としては、摩擦ブレー
キ装置が広く採用されている。この摩擦ブレーキ装置
は、各輪のブレーキロータやブレーキドラムに、摩擦材
であるパッドやシューをホイールシリンダによって押し
つけ、制動力を発生させるものが一般的である。
【0003】また、トラック等の車両では、補助ブレー
キ装置として、サービスブレーキング時にエンジンによ
りオイルポンプを駆動し、これをエンジン負荷としてエ
ネルギを吸収する流体式リターダ装置も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】摩擦ブレーキ装置は、
摩擦力で制動力を得るために、熱に変換された運動エネ
ルギはブレーキ温度を上昇させるという問題を有してい
る。ブレーキ温度が上昇すると、ブレーキの効きが低下
したり摩擦材やブレーキロータ等の磨耗や特性変化を誘
発し、ブレーキの「鳴き」やジャダも発生し易くなる。
【0005】摩擦ブレーキ装置の上述した問題は、車両
重量の大きいトラック等の大型車両では極めて重要な問
題であり、このため大型車両では摩擦ブレーキ装置に加
え、エンジンブレーキ、排気ブレーキ、上述した流体式
リターダ装置等の補助ブレーキ装置が併用されている。
従来の流体式リターダ装置は、サービスブレーキング時
におけるオイルポンプの駆動を単にエンジン負荷とする
もので、オイルポンプが発生させた油圧は、特開平4−
11546号公報に開示されるように、後輪のブレーキ
装置に供給されるブレーキ圧を調整するプロポーショニ
ングバルブのパイロット圧(制御圧)として使用される
例は有るが、これをブレーキ装置のホイールシリンダに
供給するブレーキ圧として積極的に利用するものは知ら
れていない。
【0006】本発明は、車輪の回転により駆動される油
圧ポンプを利用することによって、摩擦力で制動力を得
る摩擦ブレーキ装置のブレーキ温度の上昇や摩擦材やブ
レーキロータ等の磨耗を極力防止すると共に、油圧ポン
プが発生させる油圧を摩擦ブレーキ装置のブレーキ圧と
して有効利用し、簡単な構成で前後輪、左右輪の制動力
配分やABS制御等の木目の細かい制動力制御が出来る
車両用制動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、車輪の回転により駆動され
る油圧ポンプと、作動油を蓄えるオイルタンクと、前記
油圧ポンプの吐出側の油路に配設され、油圧ポンプの吐
出圧を制御する吐出弁と、前記油圧ポンプの吸入側の油
路に配設され、前記オイルタンクからの作動油量を制御
する吸入絞り弁と、摩擦力で車輪に制動トルクを発生さ
せるブレーキ装置の作動を制御する油圧アクチュエータ
と、前記油圧ポンプから吐出される作動油圧を蓄える蓄
圧手段と、該蓄圧手段と前記油圧アクチュエータ間の油
路に配設され、蓄圧手段から油圧アクチュエータへの作
動油圧の供給、油圧アクチュエータに供給された作動油
圧の保持、及び油圧アクチュエータから前記オイルタン
クへの作動油圧の排除を行なう圧力制御弁手段と、車両
の制動に関わる状態量を検出するセンサ手段と、該セン
サ手段が検出する状態量に応じて、前記吸入絞り弁、吐
出弁及び圧力制御弁手段を制御する制御手段とを備えて
なることを特徴とする車両用制動装置が提供される。
【0008】
【作用】本発明は、制動時に油圧ポンプを車輪の回転に
より駆動させることによって制動トルクを得ることが出
来ると共に、この油圧ポンプは、ブレーキペタルを踏み
込み倍力装置によってマスタシリンダに高いブレーキ液
圧を発生させる従来のものに比較して高いブレーキ液圧
(作動油圧)を容易に得ることが出来るという点に着目
してなされたものである。
【0009】すなわち、本発明の車両用制動装置は、セ
ンサ手段が検出する車両の制動に関わる状態量、例えば
ブレーキペタルの踏込みや踏込み量に応じ、吸入絞り弁
を開いて作動油量を大にし、吐出弁を絞って油圧ポンプ
の吐出圧を高くすると車輪の回転によって駆動される油
圧ポンプが負荷となって制動トルクが発生することにな
る。また、この油圧ポンプが発生させた作動油圧を蓄圧
手段に蓄え、圧力制御弁手段を制御して、蓄えた作動油
圧を油圧アクチュエータに供給したり、供給した油圧を
保持、或いは油圧アクチュエータからオイルタンクに排
除することにより摩擦ブレーキ装置が発生させる制動ト
ルクを木目細かく制御することを可能にする。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は、本発明に係る車両用制動装置の一
実施例の基本構成を示し、この実施例の場合、制御装置
を構成する油圧ポンプ10が後輪RWに連結され、摩擦
力で車輪に制動トルクを発生させるブレーキ装置12が
前輪に配置されている。
【0011】摩擦ブレーキ装置12は、車体側のキャリ
パ12aと、前輪(図示せず)のホイールロータ12b
とで構成され、キャリパ12aの、油圧アクチュエータ
として機能するピストン(ホイールシリンダ)によりパ
ッド(いずれも図示せず)をホイールロータ12bに押
しつけることによって摩擦力を発生させ、これによって
前輪に制動トルクを発生させる、従来公知のものであ
る。
【0012】油圧ポンプ10は、後輪RWの回転によっ
て駆動され、制動時には高圧の作動油圧を吐出し、この
油圧ポンプ10の駆動が負荷となって後輪RWに制動ト
ルクを発生させる。油圧ポンプ10の吸入側は、油路1
4を介してオイルタンク16に接続され、タンク16に
蓄えられる作動油が油路14を介して油圧ポンプ10に
供給される。油圧ポンプ10の吐出側は油路15を介し
てオイルタンク16に接続され、油圧ポンプ10から吐
出される作動油がこの油路15を介してタンク16に還
流する。
【0013】油路14の途中には、吸入絞り弁18が配
設されている。この絞り弁18は、タンク16からの作
動油量を制御する電磁開閉弁であり、後述するコントロ
ーラ(制御手段)40に接続され、コントロール40か
ら供給される駆動信号により油路14を開閉する。この
絞り弁18は、非制動時には閉位置に切り換えられ、タ
ンク16からの作動油量を制限してポンプ負荷を低減さ
せる。
【0014】油路15の途中には、油圧ポンプ10側か
ら順に吐出弁20とクーラ(冷却手段)22が配設さ
れ、吐出弁20はコントローラ40に接続されている。
吐出弁20は、コントローラ40から供給される指示電
圧Vxに応じて油路15の絞り面積を変化させ、油圧ポ
ンプ10の吐出圧を制御する。クーラ22は、タンク1
6に蓄えられる作動油を集中して冷却するものであり、
空冷用のファンを備えるものであってもよい。油圧ポン
プ10によって上昇した油温をクーラ22によって冷却
することによってブレーキ冷却を積極的に行なうことが
でき、温度に起因する従来の摩擦ブレーキ装置の欠点を
解消することができる。なお、タンク16の容量や、油
路14,15の引回し状態によってはこれらがクーラの
役割を果たすことができ、このような場合には、クーラ
22は省略してもよい。
【0015】油圧ポンプ10と吐出弁20との間の油路
15から分岐して油路24の一端が油路15に接続さ
れ、油路24の他端はブレーキ装置12のキャリパ12
aのピストン室(ホイールシリンダ)に接続されてい
る。油路24の前記分岐点15aから順にチェック弁2
6、アキュムレータ28、圧力制御弁32および圧力セ
ンサ42aが配設されている。また、チェック弁26と
圧力制御弁32との間の油路24から分岐して油路25
の一端が油路24に接続され、油路25の他端は吐出弁
20とクーラ22との間の油路15に接続されている。
そして、油路25にはリリーフ弁30が配設されてい
る。
【0016】チェック弁26は、油圧ポンプ10側から
アキュムレータ28への作動油の流れを許容し、逆方向
の流れを阻止するものである。アキュムレータ28に
は、移動可能な隔壁を介して空気室と油圧室とを有し、
空気室を圧縮することによって油圧室に蓄えた作動油を
高圧に保持する。リリーフ弁30は、アキュムレータ2
8に蓄えられる作動油圧を設定圧以下に保持するもの
で、これらのチェック弁26、アキュムレータ28及び
リリーフ弁30によって蓄圧手段を構成している。アキ
ュムレータ28の容量は、後述するように、アキュムレ
ータ28に蓄えられる作動油圧を急制動時や停車時の前
輪の制動圧力に使用するので、これらの制動時に予測さ
れる必要作動油量を考慮して設定すればよい。
【0017】圧力制御弁32は、コントローラ40の出
力側に接続され、コントローラ40から供給される制御
電圧Vfに応じて、アキュユレータ28に蓄えられた作
動油圧を上述したブレーキ装置12のホイールシリンダ
に供給する供給位置と、ホイールシリンダに供給された
作動油圧を保持する保持位置と、ホイールシリンダから
作動油圧をタンク16側に排除する全閉位置とに切り換
えられる。供給位置では、コントローラ40からの制御
電圧Vfによって油路24の開度が変化し、キャリパ1
2aのピストン移動速度を変化させたり、摩擦材(パッ
ド)の押圧力を調節することができる。
【0018】コントローラ40は、内蔵される制御プロ
グラムを実行することによって上述した吸入絞り弁1
8、吐出弁20及び圧力制御弁32の作動を制御して、
後述するような所定の制動制御を行なう。コントローラ
40の入力側には車両の制動に関わる状態量を検出する
センサ群42が接続されており、コントローラ40にそ
れぞれの検出信号を供給している。前述した圧力センサ
42aは、このセンサ群の一つであり、前輪ブレーキ装
置12に供給されるブレーキ圧Psを検出してコントロ
ーラ40に検出信号を供給している。その他センサ群4
2には、ブレーキペタル(図示せず)の踏み込みを検出
してオンオフ信号を発生するブレーキスイッチ(S
W)、同じくブレーキペタルの踏込み量(ストローク
量)Sを検出するペタルストロークセンサ、車速Vを検
出する車速センサ、車体の前後加速度Gを検出する加速
度センサ、スロットル弁の弁開度(アクセル開度)Aθ
を検出するスロットルセンサ、エンジン回転数Nを検出
する回転数センサ、変速装置の確立しているギア段SC
を検出する変速段センサ等が含まれ、その他制動力制御
の態様によっては、操舵角を検出する舵角センサ、車輪
速センサ、車間距離センサ、障害物検知センサ等がこれ
らに含まれる。
【0019】次に、上述したように構成される実施例の
制動装置の作用について、図2〜図4に示すフローチャ
ートを参照して説明する。先ず、コントローラ40は、
制動制御の実行の始めに吸入絞り弁18を閉位置に、吐
出弁20を全開位置に、圧力制御弁32を全閉位置に夫
々切り換える制御信号をこれらの弁に出力する(ステッ
プS10)。次いで、ブレーキスイッチ(SW)からオ
ン信号が出力しているか否かを検出する(ステップS1
2)。ブレーキスイッチは、運転者のブレーキペタル操
作の有無、すなわち運転者の制動意思を検出するもので
あり、運転者のブレーキペタル操作がある場合にはオン
信号を出力する。運転者がブレーキペタルを踏み込まな
い場合には、上述したステップS10,S12を繰り返
し実行して、ブレーキペタルが踏込まれるまで待機す
る。非制動時には、吸入絞り弁18が閉位置に切り換え
られ、吐出弁20が全開位置に切り換えられているの
で、油圧ポンプ10は実質的に仕事をせず、油圧ポンプ
10の作動による後輪に対する負荷は小さい。
【0020】運転者がブレーキペタルを踏み込むと、ス
テップS12の判別結果は肯定(YES)となり、ステ
ップS14に進んで、コントローラ40は直ちに吸入絞
り弁18を開位置に切り換え、油圧ポンプ10による制
動準備状態にする。この場合、吐出弁20は全開位置に
あるので、油路15は絞られた状態にはなく、油圧ポン
プ10は依然として実質的に負荷仕事をしない。
【0021】次に、ステップS16に進み、ペタルスト
ロークセンサが検出するブレーキペタルのストローク量
Sを読み込む。そして、読み込んだストローク量Sが所
定値So以上であるか否かを判別する(ステップS1
8)。この判別は、運転者がブレーキペタルをその遊び
領域を超えて踏み込んだか否かを判別するもので、運転
者がブレーキペタルを制動有効域まで踏み込まなければ
(ステップS18の判別結果が否定(No)の場合)、
ステップS12に戻り、再びブレーキスイッチからオン
信号が出力しているか否かの判別を行なうことになる。
【0022】運転者がブレーキペタルをその遊び領域を
超えて踏み込んだ場合、ステップS18の判別結果は肯
定となり、ステップS20に進んで車速Vを読み込み、
読み込んだ車速Vが所定値Vo以上であるか否かを判別
する(ステップS22)。ステップS22の判別は、車
両が停止しているか否かを判別するもので、所定値Vo
は、車両が実質的に停止状態にあるか否かを判別するこ
とが出来る値(例えば、0km/hr)に設定される。
【0023】車両が停止状態になく、ステップS22の
判別結果が肯定の場合には、ステップS16において読
み込んだストローク量Sに応じた目標減速度Gtを設定
する(ステップS26)。図5は、ストローク量Sと、
ストローク量Sに応じて設定される目標減速度Gtとの
関係を示すグラフである。検出したブレーキペタルのス
トローク量Sは、運転者の制動意思の大小を表してい
る。すなわち、運転者のブレーキペタルのストローク量
Sが大である程、運転者は車両を早く減速させたい、或
いは強い制動力を発生させたいとの意思の現れであると
見做す。従って、図5のグラフから、検出したブレーキ
ペタルのストローク量Sが大である程、目標減速度Gt
は大きな値に設定される。
【0024】次に、ステップS26で設定した目標減速
度Gtが所定値Go以上であるか否かを判別する(ステ
ップS28)。所定値Goは、走行時の一般制動におい
て、発生させた車両制動減速度の発生割合(頻度)を考
慮して適宜値、例えば、0.2g(gは重力加速度)に
設定するのがよい。運転者の制動意思が小であり、車両
の制動減速度を小に制御すべきとき(減速度で表して目
標減速度Gtが所定値Goより小であるとき)、コント
ローラ40は、油圧ポンプ10の負荷による制動トルク
のみを発生させる。すなわち、ステップS30に進み、
吐出弁20の制御電圧Vxを目標減速度Gtに応じた値
に設定して、その電圧Vxを吐出弁20に出力する。図
6のグラフは、目標減速度Gtと設定される吐出弁制御
電圧Vxとの関係を示し、目標減速度Gtが0の場合に
は、制御電圧Vxも0に設定され、吐出弁20は全開に
される。目標減速度Gtが0より大で所定値Goより小
の場合には、目標減速度Gtが大きくなる程、制御電圧
Vxも目標減速度Gtに対応して線型的に増加する値に
設定され、目標減速度Gtが所定値Go以上の場合に
は、制御電圧Vxは、吐出弁20を最大絞り位置に閉
じ、システムの定格最大圧力になるように絞り開度を小
さくする値に設定される。
【0025】コントローラ40は、吐出弁20に制御電
圧Vxを出力した後、前後加速度センサによって検出さ
れる前後加速度Gが目標減速度Gtに等しいか否かを判
別し(ステップS32)、検出される前後加速度Gが目
標減速度Gtに到達するまでステップS30,32を繰
り返し実行して待機する。このように、運転者の制動意
思が小である場合には、前輪のブレーキ装置12を作動
させず、油圧ポンプ10の負荷のみによって制動を掛け
るので、摩擦ブレーキ装置のブレーキ温度の上昇や摩擦
材の磨耗の防止が図られる。
【0026】前後加速度Gが目標減速度Gtに到達する
と、ステップS32の判別結果は肯定となり、コントロ
ーラ40はステップS12に戻る。一方、運転者の制動
意思が大であり、車両の制動減速度を大に制御すべきと
き(ステップS28における判別結果が肯定のとき)、
コントローラ40はステップS34に進み、吐出弁20
の制御電圧Vxを最大値に設定して、吐出弁20を最大
絞りにすると共に、圧力制御弁32の制御電圧Vfを目
標減速度Gtに応じた値に設定して、その電圧Vfを圧
力制御弁32に出力する。図7のグラフは、目標減速度
Gtと設定される圧力制御弁制御電圧Vfとの関係を示
し、目標減速度Gtが所定値Goより小の場合には、制
御電圧Vfを0に設定して圧力制御弁32を全閉位置に
保持し、目標減速度Gtが所定値Go以上の場合には、
所定値Goより大きくなる程、制御電圧Vxも目標減速
度Gtに対応して線型的に増加する値に設定され、目標
減速度Gtに応じた速度でブレーキ液圧が前輪のキャリ
パ12aに供給され、そのブレーキ液圧に対応する押圧
力でキャリパ12aがロータ12bを押圧することにな
る。
【0027】コントローラ40は、圧力制御弁32に制
御電圧Vfを出力した後、前後加速度センサによって検
出される前後加速度Gが目標減速度Gtに等しいか否か
を判別し(ステップS38)、検出される前後加速度G
が目標減速度Gtに到達するまでステップS36,38
を繰り返し実行して待機する。このように、運転者の制
動意思が大であり、目標減速度Gtが所定値Go以上で
ある場合には、油圧ポンプ10による負荷仕事を最大に
すると共に、アキュムレータ28に蓄えた作動油圧を前
輪ブレーキ装置12に供給するようにして前輪に制動ト
ルクを発生させる。
【0028】前後加速度Gが目標減速度Gtに到達する
と、ステップS38の判別結果は肯定となり、コントロ
ーラ40はステップS12に戻ってこのステップ以下の
各ステップを実行することになる。そして、検出される
ストローク量Sが前回検出された値と異なっておれば、
今回検出されたストローク量Sに応じた目標減速度Gt
が設定されて、車体の減速加速度がその目標減速度にな
るように制動トルクを発生させることになる。
【0029】制動により減速して車速Vが所定値Voよ
り小になると、すなわち、車両が停止すると、ステップ
S22の判別結果が否定となり、コントローラ40は、
図4に示すステップS40以下の各ステップを実行する
ことになる。コントローラ40は、先ず、運転者が踏み
込んでいるブレーキペタルのストローク量Sに応じて、
前輪ブレーキ装置12に供給すべきブレーキ圧の目標値
Poを設定する(ステップS40)。図8は、読み込ん
だストローク量Sと目標圧力Poとの関係を示し、スト
ローク量Sが遊び量Soを超えると、その値が大になる
程、目標圧力Poは大に設定される。例えば、車両が傾
斜路等で停車した場合には、運転者は車両を停車状態に
保持するために傾斜度合いに応じてブレーキペタルを踏
み込むものと予測され、このようにストローク量Sに応
じた目標ブレーキ圧値を設定することにより車両を停止
状態に保つに必要な制動トルクを得るものである。
【0030】次に、コントローラ40は、圧力センサ3
4からの前輪のブレーキ圧Psを読み込み(ステップS
42)、これと上述した目標値Poとを比較し、読み込
んだブレーキ圧Psが目標値Po以上であるか否かを判
別する(ステップS44)。前輪ブレーキ圧Psが既に
目標値Poを超えている場合には問題ないが、目標値P
oより小の場合には、圧力制御弁32に開弁指令信号を
出力してアキュムレータ28に蓄えられている作動油圧
を前輪ブレーキ装置12に供給させる(ステップS4
6)。そして、ステップS42乃至44を繰り返し実行
して前輪ブレーキ圧Psが目標値Poに到達するまで待
機することになる。
【0031】ステップS44の判別結果が肯定の場合に
は、ステップS48に進み、コントローラ40は圧力制
御弁32に制御信号を出力して、ブレーキ圧Psを目標
値Poに保持させる。より具体的には、ブレーキ圧Ps
が目標値Poに対して所定の許容範囲内でこれと一致す
る場合、又は目標値Poより所定の許容範囲を超えて大
の場合には、圧力制御弁32を前述した保持位置に切り
換えてホイールシリンダに供給された作動油圧を保持
し、駐車ブレーキの役目をする。また、液漏れ等により
ブレーキ圧Psが所定の許容範囲を外れて目標値Poよ
り小になると、圧力制御弁32を開弁させてアキュムレ
ータ28から油圧を補給する。
【0032】次いで、コントローラ40は、ステップS
50及びS52において車両を停車状態に保持するに必
要な制動トルクTNとエンジンが発生させる駆動トルク
TTとをそれぞれ演算する。先ず、制動トルクTNの演
算は、下式(C1)により行なわれる。 TN=W×G×R ……(C1) ここに、Wは車両質量(kg)、Rはタイヤ半径
(m)、Gは、前述した加速度センサから読み込んだ前
後加速度であり、車両が停止している場合には路面の傾
斜度に対応した値が検出されて読み込まれる。
【0033】一方、駆動トルクTTの演算には、スロッ
トルセンサからのアクセル開度Aθ、回転数センサから
のエンジン回転数N、変速装置において確立しているギ
ア段SCが必要であり、コントローラ40はこれらの検
出値を読み込み、下式(C2)により駆動トルクTTを演算
する。 TT=N×SC×Aθ×R×KT ……(C2) ここに、KTは演算係数である。
【0034】コントローラ40は、上述のようにして演
算した駆動トルクTTと必要制動トルクTNとを比較
し、エンジンが発生させた駆動トルクTTが必要制動ト
ルクTN以上であるか否かを判別する(ステップS5
4)。この判別が否定の場合には、ステップS50、S
52、及びS54を繰り返し実行して待機する。すなわ
ち、コントローラ40は、上述した駆動トルクTT等を
繰り返し演算することにより運転者の発進意思を常時監
視することになる。そして、車両を発進させるに必要な
駆動トルクが発生したら(ステップS54の判別結果が
肯定)、ステップS56に進み、圧力制御弁32を全閉
位置に切り換え、ホイールシリンダからブレーキ圧をタ
ンク16側に排除して前輪のブレーキ装置12による制
動を解除する。これにより、一連の制動力制御が終了し
たことになり、コントローラ40は再びスタートに戻っ
てステップS10から制御を開始し、運転者によるブレ
ーキ操作を待つことになる。
【0035】なお、上述の実施例では、停車時のブレー
キ目標圧力Poをストローク量Sに応じた値に設定する
ようにしたが、これを、想定される坂道発進等を考慮
し、一定値に固定して簡略化することもできる。また、
上述の実施例では、発進時にエンジン駆動トルクと制動
トルクとを比較してエンジン駆動トルクが制動トルクを
上回ったときに、摩擦ブレーキ装置の解除を行なうよう
にしたが、本発明装置の使用態様としてはこれに限定さ
れず、例えば、運転者がアクセルペタルを踏み込むと同
時に摩擦ブレーキ装置を解除するようにしてもよい。
【0036】本発明の車両用制動装置は、上述の実施例
に限定されず、種々の使用態様が考えられる。例えば、
油圧ポンプを駆動するのは後輪でなく、前輪であっても
よく、蓄圧手段に蓄えた作動油圧は、後輪に配設される
ブレーキ装置の油圧アクチュエータに供給してもよい。
また、各輪に配設されたブレーキ装置の油圧アクチュエ
ータに蓄圧手段に蓄えた作動油圧を個別に供給できるよ
うに構成し、各輪ごとに制動力を制御するようにしてA
BS装置として使用することもできるし、前後輪間、或
いは左右輪間の制動力配分を制御するようにしてもよ
い。また、制動時に蓄圧手段にブレーキ圧を蓄えてお
き、運転者がブレーキペタルを操作しなくても車輪に制
動トルクを自動的に発生させることもできる。たとえ
ば、旋回時のヨーモーメント制御や急発進時の駆動輪の
駆動力制御、更には走行時に車間距離を検出し、車両が
先行車に対して危険距離に近づいたとき、自動ブレーキ
を効かせる制御等、種々の制動力制御に適用することが
できる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
装置によれば、車輪の回転により駆動される油圧ポンプ
と、作動油を蓄えるオイルタンクと、油圧ポンプの吐出
側の油路に配設され、油圧ポンプの吐出圧を制御する吐
出弁と、油圧ポンプの吸入側の油路に配設され、オイル
タンクからの作動油量を制御する吸入絞り弁と、摩擦力
で車輪に制動トルクを発生させるブレーキ装置の作動を
制御する油圧アクチュエータと、油圧ポンプから吐出さ
れる作動油圧を蓄える蓄圧手段と、該蓄圧手段と油圧ア
クチュエータ間の油路に配設され、蓄圧手段から油圧ア
クチュエータへの作動油圧の供給、油圧アクチュエータ
に供給された作動油圧の保持、及び油圧アクチュエータ
からオイルタンクへの作動油圧の排除を行なう圧力制御
弁手段と、車両の制動に関わる状態量を検出するセンサ
手段と、該センサ手段が検出する状態量に応じて、吸入
絞り弁、吐出弁及び圧力制御弁手段を制御する制御手段
とを備えて構成されるので、制動時に油圧ポンプに負荷
仕事をさせて制動トルクを発生させることができ、摩擦
力で制動力を得る摩擦ブレーキ装置のブレーキ温度の上
昇や摩擦材やブレーキロータ等の摩耗を極力防止するこ
とができる。また、油圧ポンプが発生させる油圧を摩擦
ブレーキ装置のブレーキ圧として有効利用することがで
き、省エネルギーであり、従来の倍力装置を廃止するこ
とができる。更に、油圧ポンプは、制動時に蓄圧手段に
作動油圧を順次蓄圧することができるので、蓄圧手段の
作動油圧を摩擦ブレーキ装置のブレーキ圧として使用す
る場合、蓄圧量の不足を心配する必要がない。すなわ
ち、油圧アクチュエータから排除する作動油圧は再び蓄
圧手段に戻す必要はなく、オイルタンクへ排除すればよ
いので、作動油圧の制御が簡単になり、各輪の圧力制御
弁手段の制御を適宜組み合わせると、本発明の制動装置
を前後輪や左右輪の制動力配分制御装置として、或いは
ABS装置や自動ブレーキ装置として使用することがで
き、従来のものに比較して簡単な構成でこれらを実現さ
せることができる。
【0038】更にまた、本発明装置の使用態様として、
油圧ポンプを、後輪の回転により駆動させ、摩擦ブレー
キ装置を前輪に配置して前輪に該ブレーキ装置による制
動トルクを発生させ、センサ手段に、運転者の制動意思
を検出するブレーキ操作手段を含め、ブレーキ操作手段
により運転者の制動意思を検出したとき、制御手段が、
吸入絞り弁を開方向に作動させると共に吐出弁を閉方向
に作動させて油圧ポンプに負荷仕事をさせ、これにより
後輪に制動トルクを発生させることができ、更に好まし
くは、センサ手段に、運転者のペタル操作により制動意
思の大小を検出する操作量検出手段を含ませ、操作量検
出手段が検出する運転者の制動意思が小で、車両の制動
減速度を所定値より小に設定すべきとき、制御手段によ
り、油圧ポンプの負荷による制動トルクを後輪のみに発
生させ、操作量検出手段が検出する運転者の制動意思が
大で、車両の制動減速度を所定値以上に設定すべきと
き、油圧ポンプの負荷による後輪の制動トルクに加え
て、圧力制御弁手段を制御して油圧アクチュエータに作
動油圧を供給し、前輪に制動力を発生させるようにする
と、走行中の一般制動で最も使用頻度の高い制動は、車
両の制動減速度を所定値より小に設定すべき制動である
から、これらを油圧ポンプの負荷仕事によって賄うこと
ができ、従って、摩擦ブレーキ装置を作動させる割合を
減少させることができるので、摩擦ブレーキ装置のブレ
ーキ温度や摩擦材の磨耗(パッド磨耗)を大幅に低減で
き、安全性、耐久性、信頼性等が向上する。
【0039】また、センサ手段に、車両の停止状態を検
出する停止検出手段を含ませ、停止検出手段により車両
が停止したことを検出したとき、圧力制御弁手段を制御
して油圧アクチュエータに作動油圧を供給してこれを保
持させることもでき、更に、センサ手段に、車両停止時
の必要制動トルクを評価する制動トルク評価手段と、エ
ンジンの駆動トルクを検出する駆動トルク検出手段とを
含ませ、発進時のエンジン駆動トルクが制動トルクを上
回ると、油圧アクチュエータから作動油圧を排除して摩
擦ブレーキ装置を解除させることもでき、停車時のブレ
ーキングを自動的に行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用制動装置の一実施例を示
し、同実施例装置の油圧回路図である。
【図2】図1に示すコントローラによって実行される制
動力制御の手順を示すフローチャートの一部である。
【図3】図2のフローチャートに続く、制動力制御の手
順を示すフローチャートの他の一部である。
【図4】図3のフローチャートに続く、制動力制御の手
順を示す残余のフローチャートである。
【図5】運転者が操作するブレーキペタルのストローク
量Sと、それによって設定される車両の目標減速度Gt
との関係を示すグラフである。
【図6】目標減速度Gtと、それによって設定される吐
出弁制御電圧Vxとの関係を示すグラフである。
【図7】目標減速度Gtと、それによって設定される圧
力制御弁制御電圧Vfとの関係を示すグラフである。
【図8】運転者が操作するブレーキペタルのストローク
量Sと、それによって設定される、停車時の目標ブレー
キ圧Poとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 油圧ポンプ 12 摩擦ブレーキ装置 16 オイルタンク 18 吸入絞り弁 20 吐出弁 22 クーラ(冷却手段) 26 チェック弁(蓄圧手段) 28 アキュムレータ(蓄圧手段) 30 リリーフ弁(蓄圧手段) 32 圧力制御弁 40 コントローラ(制御手段) 42 センサ群(センサ手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 忠夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転により駆動される油圧ポンプ
    と、作動油を蓄えるオイルタンクと、前記油圧ポンプの
    吐出側の油路に配設され、油圧ポンプの吐出圧を制御す
    る吐出弁と、前記油圧ポンプの吸入側の油路に配設さ
    れ、前記オイルタンクからの作動油量を制御する吸入絞
    り弁と、摩擦力で車輪に制動トルクを発生させるブレー
    キ装置の作動を制御する油圧アクチュエータと、前記油
    圧ポンプから吐出される作動油圧を蓄える蓄圧手段と、
    該蓄圧手段と前記油圧アクチュエータ間の油路に配設さ
    れ、蓄圧手段から油圧アクチュエータへの作動油圧の供
    給、油圧アクチュエータに供給された作動油圧の保持、
    及び油圧アクチュエータから前記オイルタンクへの作動
    油圧の排除を行なう圧力制御弁手段と、車両の制動に関
    わる状態量を検出するセンサ手段と、該センサ手段が検
    出する状態量に応じて、前記吸入絞り弁、吐出弁及び圧
    力制御弁手段を制御する制御手段とを備えてなることを
    特徴とする車両用制動装置。
  2. 【請求項2】 前記オイルタンクに蓄えられる作動油を
    冷却する冷却手段を備えてなることを特徴とする、請求
    項1記載の車両用制動装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧ポンプは、後輪の回転により駆
    動され、前記ブレーキ装置は前輪に配置されて該前輪に
    制動トルクを発生させ、前記センサ手段には、運転者の
    制動意思を検出するブレーキ操作手段を含み、前記制御
    手段は、ブレーキ操作手段により運転者の制動意思を検
    出したとき、前記吸入絞り弁を開方向に作動させると共
    に前記吐出弁を閉方向に作動させて油圧ポンプの負荷に
    より後輪に制動トルクを発生させることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の車両用制動装置。
  4. 【請求項4】 前記センサ手段には、運転者のペタル操
    作により制動意思の大小を検出する操作量検出手段を含
    み、前記制御手段は、操作量検出手段が検出する運転者
    の制動意思が小で、車両の制動減速度を所定値より小に
    設定すべきとき、前記油圧ポンプの負荷による制動トル
    クを後輪のみに発生させ、操作量検出手段が検出する運
    転者の制動意思が大で、車両の制動減速度を所定値以上
    に設定すべきとき、前記油圧ポンプの負荷による後輪の
    制動トルクに加えて、前記圧力制御弁手段を制御して油
    圧アクチュエータに作動油圧を供給し、前輪に制動トル
    クを発生させることを特徴とする、請求項3記載の車両
    用制動装置。
  5. 【請求項5】 前記センサ手段には、車両の停止状態を
    検出する停止検出手段を含み、前記制御手段は、該停止
    検出手段により車両が停止したことを検出したとき、前
    記圧力制御弁手段を制御して油圧アクチュエータに作動
    油圧を供給してこれを保持させることを特徴とする、請
    求項1又は2に記載の車両用制動装置。
  6. 【請求項6】 前記センサ手段には、車両を停止状態に
    保つに必要な制動トルクを評価する制動トルク評価手段
    と、エンジンの駆動トルクを検出する駆動トルク検出手
    段とを含み、前記制御手段は、前記駆動トルク検出手段
    が検出するエンジン駆動トルクと前記制動トルク評価手
    段が評価する制動トルクとを比較し、エンジン駆動トル
    クが制動トルクを上回ったとき、前記圧力制御弁手段に
    制御信号を出力して油圧アクチュエータの作動油圧を排
    除させることを特徴とする、請求項5記載の車両用制動
    装置。
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