JPH0717670B2 - ヌクレオシド誘導体の製造方法 - Google Patents

ヌクレオシド誘導体の製造方法

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JPH0717670B2
JPH0717670B2 JP63048425A JP4842588A JPH0717670B2 JP H0717670 B2 JPH0717670 B2 JP H0717670B2 JP 63048425 A JP63048425 A JP 63048425A JP 4842588 A JP4842588 A JP 4842588A JP H0717670 B2 JPH0717670 B2 JP H0717670B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2′:、3′位(又は3′位、2′位)にア
シルオキシ基とハロゲン原子を付したヌクレオシド誘導
体の新規製造方法及び、必要により更に上記誘導体を経
てジデオキシヌクレオシドに変換せしめる方法に関する
ものである。
2′位、3′位(又は3′位、2′位)にアシルオキシ
基とハロゲン原子を付したヌクレオシド誘導体は、薬理
活性を示す各種物質の製造中間体として重要なものであ
る。
また、ジデオキシヌクレオシドも公知化合物ではある
が、抗ウィルス活性があることから、医薬分野への適用
が期待されている(例えば、H.Mitsuya and S.Broader,
Proc.Natl.Acad.Soi.USA,Vol.83,1911,1986年参照)。
〔従来の技術〕
ヌクレオシドを原料とするジデオキシヌクレオシド等の
ヌクレオシド誘導体の製造方法に関しては、既に幾つか
知られているか、いずれものその重要な製造中間体は、
式(I)または、式(II)の化合物である。
但し、 Base=プリン塩基もしくは、ピリミジン塩基 X=Cl,Br,I R1=Hもしくは、容易に脱離可能な保護基。
R2=アシル基 式(I)及び式(II)の化合物は、水素気流下におい
て、Pd/Cにより還元後、更に必要ならば、加水分解また
は、エステル交換するという公知の方法により、ジデオ
キシヌクレオシドに導くことができる。
現在知られている、式(I)または、式(II)の化合物
の製造方法は、以下の通りである。
(1) ヌクレオシドと2−アセトキシイソ酪酸ブロミ
ドを反応させる、John.G.Moffatt等の方法。(J.Am.C
hem.Soc.,Vol.95,4025,1973年US Patent 3658787) (2) 2′,3′−O−(1−メトキシエチリデン)−
ヌクレオシドを、ヨウ化ナトリウム存在下、ビバリン酸
クロリドと反応させる、Morris J.Robins等の方法。
(J.Am.Chem.Soc.Vol.98,8213,1976年) (3) 2′,3′−O−(1−エトキシエチリデン)−
アデノシン誘導体を、トリフルオロホウ素・ジエチルエ
ーテルコンプレックス存在下、ヨウ化ナトリウムと反応
させる、Engels等の方法。(Tetrahedron Letters,Vol.
21,4339,1980年) (4) 2′,3′−O−(1−エトキシエチリデン)−
アデノシンを、アセトニトリル中、トリフルオロホウ素
・ジエチルエーテルコンプレックス存在下、臭化リチウ
ムと反応させる、John G.Moffatt等の別法。(J.Org.Ch
em.,Vol.39,30,1974年) (5) 2′,3′−O−(1−エトキシエチリデン)−
アデノシンを、ジクロロエタン中、臭化アセチルと反応
させる、Colin B.Reese等の方法。(Synthesis,304,198
3年) ヌクレオシド誘導体製造のための重要中間体である式
(I)及び式(II)の化合物の製造方法は、前項で述べ
たものが知られているが、工業的製法として考えた場合
次に述べるような問題点を有する。
(1) 高価な反応試剤を用いた場合のみ、反応が高収
率で進行する。
(2) 数多くの生成物が生成する。
(3) 反応に関与しない官能基を保護する必要のある
場合もある。
いずれの問題点もジデオキシヌクレオシド等のヌクレオ
シド誘導体の工業的製法として考えた場合、高コストの
原因となるものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記課題を解決する、2′位、3′位(又は3′位、
2′位)にアシルオキシ基、ハロゲン原子を有するヌク
レオシド誘導体及びジデオキシヌクレオシドの工業的に
有利な製法開発が望まれている。本発明は、抗ウィルス
活性等の薬理作用を有するヌクレオシド中間体及びジデ
オキシヌクレオシドの工業的に実用性のある新規製造方
法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、従来技術の項で述べた既知法をすべて追
試し、その反応収率、操作性、経済性を評価した上で、
更に新たな検討を加えた結果、既知法に優る製法をここ
に見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 有機酸を含む有機溶媒中において、その2′位、3′位
が1−アルコキシアルキリデン化又は、1−アルコキシ
アリールアルキリデン化されたヌクレオシドと、 (1) ハロゲン化アシル;又は、 (2) 有機酸無水物及びハロゲン化水素 とを反応せしめ、アシルオキシ基とハロゲン原子を2′
位、3′位(又は、3′位、2′位)に導入することを
特徴とするヌクレオシド誘導体の製造方法、である。
有機溶媒中に含有する有機酸は、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸等、炭素数が1〜12の有機酸である。
使用する有機溶媒は、例えばアセトニトリル、ジオキサ
ン、リン酸トリメチル或いは、ジクロルメタン等の有機
溶媒である。
前記1−アルコキシアルキリデン化又は1−アルコキシ
アリールアルキリデン化における、アルコキシ基の炭素
数は1〜12である。例えば、メトキシ又はエトキシ基が
採用される。
1−アルコキシアルキリデン基のアルキリデン基は、例
えばメチリデンやエチリデン基である。1−アルコキシ
アリールアルキリデン基のアリールアルキリデン基は、
例えばベンジリデンである。
ハロゲン化アシルのハロゲン原子は、例えば塩素、臭素
又はヨウ素である。
前記ハロゲン化アシルのアシル基は、アセチル、ベンゾ
イル等、炭素数は2〜12である。
有機酸無水物を構成する有機酸は酢酸、プロピオン酸
等、炭素数が2〜12である。有機酸無水物としては無水
酢酸が好適である。
ハロゲン化水素としては、例えば塩化水素、臭化水素、
ヨウ化水素が採用される。
ヌクレオシドを構成する塩基は例えばプリン塩基やピリ
ミジン塩基であり、プリン塩基としては、アデニン、ヒ
ポキサンチン、グアニン、キサンチン等が例示される。
ピリミジン塩基としては、ウラシル、チミン、シトシン
等が採用される。
前記本発明方法によりアシルオキシ基と臭素原子が2′
位、3′位(又は、3′位、2′位)に導入されたヌク
レオシド誘導体は、更に、例えば、水素添加反応に付し
た後、加水分解又はエステル交換反応工程に付し、脱ア
シルオキシ及び脱臭素化せしめることによりジデオキシ
ヌクレオシドを製造することができる。アシルオキシ基
はアセトキシ基やベンゾイルオキシ基等で炭素数は2〜
12程度が採用される。
又ヌクレオシド誘導体を構成する塩基はプリン塩基であ
り、この場合、アデニン、ヒポキサンチン、グアニン、
キサンチン等が採用される。
本発明の出発物質は、リボヌクレオシドを1−アルコキ
シアルキリデン化反応又は1−アルコキシアリールアル
キリデン化反応に付して取得されるヌクレオシドを採用
すれば良い。それらアルキリデン化反応はそれ自体慣用
の方法(例えば、H.P.M.Fromageot et al,Tetrahedron,
Vol.23,2315,1967年)を採用すれば良い。更に、ジデオ
キシヌクレオシドを製造する場合の上記リボヌクレオシ
ドは、その構成する塩基がプリン塩基であり、アデニ
ン、ヒポキサンチン、グアニン、キサンチン等が採用さ
れる。
以上の本発明を更に具体的に説明すると次の通りであ
る。
すなわち、上記で述べたアシルオキシ基とハロゲン原子
を2′位、3′位(又は、3′位、2′位)に付したヌ
クレオシド誘導体の製造に関して、有機溶媒中に含有せ
しめる有機酸の炭素数は1〜12の範囲内であれば酢酸、
プロピオン酸、酪酸等いずれであっても良い。その中で
も、蟻酸、酢酸の使用がより好ましい。
また、有機溶媒については、アセトニトリル、ジオキサ
ン、リン酸トリメチル等が好ましい。なお、上記溶媒を
含む溶液中に、例えば、2′,3′−O−(1−メトキシ
エチリデン)−アデノシン製造の際に用いられる酸触媒
−例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、トリクロロ酢酸等−が残留していても、アシルオキ
シ基及びハロゲン原子の導入反応に対する影響はない。
更に、1−アルコキシアルキリデン化又は、1−アルコ
キシアリールアルキリデン化されたヌクレオシドは公知
物質であり、容易に製造できるものであるが、ここで、
アルコキシ基の炭素数は、1〜12の範囲であれば、特に
限定されない。すなわち、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が
ある。これらのうち、メトキシ、エトキシが経済上の点
から特に好ましい。また、アルコキシアルキリデン基の
アルキリデン基は、実用上の観点からメチリデン又はエ
チリデン基が好んで用いられる。更に、アリールアルキ
リデン基の場合においては、ベンジリデン基が実用的で
ある。
また、出発物質のヌクレオシドを構成する塩基は、プリ
ン塩基又はピリミジン塩基のいずれであっても良い。こ
のうち、プリン塩基であればアデニン、ヒポキサンチ
ン、グアニン、キサンチンのいずれでも良く、ピリミジ
ン塩基であれば、ウラシル、チミン、シトシンが好まし
い。
次に、反応試薬の一つとして用いられるハロゲン化アシ
ルのハロゲン原子は塩素、臭素又はヨウ素のいずれも使
用可能である。又、ハロゲン化アシルのアシル基は炭素
数が2〜12の範囲内であれば特に限定されない。例え
ば、アセチル、プロピオニル、オキサリル、マロニル、
ベンゾイル、トリオイル等がある。このうち、アセチル
基やベンゾイル基が最も好ましい。
同じく、反応試薬の一つである有機酸無水物について
は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等が使用可
能であるが、このうち、容易に入手でき、反応効率も良
い無水酢酸がより好ましい。
更に、反応試薬となるハロゲン化水素は、塩化水素、臭
化水素又はヨウ化水素のいずれかが用いられる。この場
合、ハロゲン化水素はガスで用いても良いし、系中で製
造しても良い。
本発明において用いるハロゲン化アシル又は有機酸無水
物とハロゲン化水素の必要量は、最初の出発物質である
1−アルコキシアルキリデン又は1−アルコキシアリー
ルアルキリデン化されたヌクレオシドに対して、1倍か
ら5倍モル当量用いる。最も好ましくは、3倍から4倍
モル当量である。
ここで用いる反応温度は、一般に、0℃から75℃の範囲
で用いることができるが、最も好ましくは0℃〜20℃で
ある。
また、反応時間は、温度により異なるが、15℃から20℃
においては0.5時間から3.0時間が好ましい。
以上の条件に基づき、1−アルコキシアルキリデン化又
は1−アルコキシアリールアルキリデン化されたヌクレ
オシドを出発原料として、上記反応を行うことにより、
従来考えられなかった高収率、高純度のアルキルオキシ
基とハロゲン原子が結合したヌクレオシド誘導体を製造
することができる。
以下、具体的事例で述べる。すなわち、出発原料である
2′,3′−O−(1−メトキシエチリデン)−アデンノ
シン(式(III))を臭化アセチルを含有する酢酸中に
加え、反応させることにより、目的とするヌクレオシド
誘導体式(IV)及び式(V)の化合物を主生成物とする
混合物を得た。
但し、Ade:アデニン Ac:アセチル基 ここで強調されるべきことは、反応溶媒に酢酸を用いた
本反応は、82%の高収率で進行するばかりでなく、生成
物の純度が従来と比較して高いということである。副生
成物である2′,3′,5′−O−トリアセチル−アデノシ
ンは5〜10%程度しか生成されない。これは、前記のMo
ffatt等の方法と比較して生成物の数が少ない為、工業
的製法として極めて有利なものである。更に、主生成物
である式(IV)と式(V)は、ロスなく有機溶媒(例え
ば、アセトニトリル、酢酸エチル等)で抽出される。そ
して、この抽出液は、後述の如く、次行程において主生
成物式(IV)、式(V)をジデオキシアデノシン(略し
て、DDA)に変換する時に問題となる親水性不純物をほ
とんど含まないという利点を有するものである。
また、2′3′−O−(1−エトキシエチリデン)−ア
デノシンを臭化アセチルを含む酢酸中で反応させた場合
は、前述の具体例と同様の収率、純度が得られた。しか
し、Reeseらの方法(Synthesis,304,1983年)−反応条
件;ジクロロエタン中、加熱還流15分−は、収率(式
(IV)53%)、純度共に低く、反応制御の困難な方法で
あることからも本発明の新規性の明白である。しかし、
従来技術の観点からすれば、ヌクレオシド誘導体の反応
を酢酸のような酸性溶媒中で行うことは、驚くべきこと
とみなされる。
次に、上記の新規製造法を用いて、アシルオキシ基とハ
ロゲン原子が2′位、3′位(又は3′位、2′位)に
導入されたヌクレオシド誘導体を水素添加反応に付し、
続いて加水分解又はエステル交換せしめることを特徴と
する脱アシルオキシ化及び脱ハロゲン化されたジデオキ
シヌクレオシドの製造方法について述べる。
すなわち、上記反応液を無機塩基で中和後、有機溶媒で
生成物を抽出する。この場合、用いる塩基は、炭酸水素
ナトリウム、炭酸ナトリウム等の水溶液、アンモニア水
等の弱塩基を使用しなければならない。抽出用の有機溶
媒としては、アセトニトリル、酢酸エチル等を用いるこ
とができる。生成物抽出液の溶媒を、減圧下、留去し、
残留物をメタノールに溶解する。この溶液を、水素気流
下、Pd/C及びトリエチルアミン存在下に接触水素添加
し、触媒除去後、反応液にそのままナトリウムメトキシ
ドのメタノール溶液を加えてエステル交換することによ
り、ジデオキシヌクレオシドを得ることができる。
また、上記反応に用いるヌクレオシド誘導体を構成する
塩基は、プリン塩基が好ましい。そして、プリン塩基の
中でもアデニン、ヒポキサンチン、グアニン、キサンチ
ンのいずれかであれば良い。
更に、本発明の出発物質は、リボヌクレオシドを1−ア
ルコキシアルキリデン化反応又は1−アルコキシアリー
ルアルキリデン化反応に付して取得されるヌクレオシド
を採用することができる。これらアルキリデン化反応
は、後述の実施例で述べる如く、Fromageotらの方法を
採用すれば良い。また、ジデオキシヌクレオシドを製造
する場合には上記リボヌクレオシドは、その構成する塩
基がプリン塩基であることが好ましく、アデニン、ヒポ
キサンチン、グアニン、キサンチン等が採用される。
具体的には、例えば後述の実施例で述べる如く、アデノ
シンから、公知の方法により、2′,3′−O−(1−メ
トキシエチリデン)−アデノシンを製造し、それを単離
することなく、又は、単離し、酢酸を含む有機溶媒中に
おいて臭化アセチルと反応させる方法、又は、無水酢酸
中において臭化水素と反応させる方法により、高収率
で、式(IV)の化合物と式(V)の化合物の混合物が得
られることが見いだされた。なお、この場合、反応溶媒
は、酢酸と、2′,3′−O−(1−メトキシエチリデ
ン)−アデノシンの製造時に用いた有機溶媒の混合系と
なる。そして、更に必要に応じて、式(IV)及び式
(V)の化合物を水素添加反応後、加水分解又はエステ
ル交換せしめる既出の方法によりジデオキシヌクレオシ
ドであるDDAを取得することができるものである。
〔実施例〕
以下、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例 1 (1)臭化アセチル0.27ml(4mmol)を酢酸2mlに溶かし
た液に2′、3′−O−(1−メトキシエチリデン)ア
デノシン323mg(1mmol)を徐々に加えた。室温で2時間
撹拌した後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に
あけ、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を高速液体ク
ロマトグラフィー(以下、HPLCと略す)で定量したとこ
ろ9−{(3′−ブロモ−3′−デオキシ−2′、5′
−ジ−O−アセチル)−β−D−キシロフラノシル}−
アデニンおよび9−{2′−ブロモ−2′−デオキシ−
3′−5′−ジ−O−アセチル)−β−D−キシロフラ
ノシル}−アデニンの混合物(以下、Br−AcO−ARと略
す)が341mg(0.824mmol)収率82%で生成していた。単
に単離した生成物の、300MHz核磁気共鳴吸収スペクトル
は、本品の構造を支持した。
(2)メタノール30mlにBr−AcO−AR307mg(0.741mmo
l)、トリエチルアミン0.18mlを溶解した。2%パラジ
ウム炭素620mgを加え、室温で撹拌しつつ水素ガスを40m
l/分の流量で通じた。パラジウム炭素を濾別しエタノー
ルで洗浄した後、溶媒を減圧留去した。残渣をメタノー
ル8mlに溶かし28%ナトリウムメチラート(メタノール
溶液)0.4mlを加え室温で30分間撹拌した。反応液をHPL
Cで定量したところ2′、3′−ジデオキシアデノシン7
7.8mg(0.33mmol)収率45%、3′−デオキシアデノシ
ン32.4mg(0.30mmol)収率17%で生成していた。精製分
離した。2′、3′−デオキシアデノシン及び、3′−
デオキシアデノシンの、300MHz核磁気共鳴吸収スペクト
ルは、本品の構造を支持した。
実施例 2 無水酢酸0.4ml(4.2mmole)と25%臭化水素/酢酸溶液1
mlを酢酸1mlに加えた液に、2′、3′−O−(1−メ
トキシエチリデン)アデノシン323mg(1mmole)を徐々
に加えた。室温で2時間撹はんした後、反応液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出し
た。有機層をHPLCで定義したところ、Br−AcO−ARが、3
30mg(0.80mmole)収率80%で生成していた。
実施例 3 アデノシン10g(37.4mmole)を、アセトニトリル70mlに
懸濁させ、これにトリクロロ酢酸6.73g(42mmole)、次
いでトリメチル オルトアセテート6.0ml(46mmole)を
加えた。混合物を50℃、1時間40分、加熱撹はんした。
反応後、溶媒を減圧下、残留液が、35mlになるまで留去
した。この溶液を、臭化アセチル12.3mlを含む酢酸72ml
中に、0℃、撹はん下、ゆっくり添加した。添加終了
後、更に混合物を15−20℃において、50分撹はんし、最
終的に、均一な溶液を得た。これを、20%炭酸ナトリウ
ム水溶液で中和し、アセトニトリル140mlで抽出した。
この抽出液には、HPLC分析によれば、目的とする、9−
{(3′−ブロモ−3′−デオキシ−2′、5′−ジ−
O−アセチル)−β−D−キシロフラノシル}−アデニ
ン、及び9−{(2′−ブロモ−2′−デオキシ−
3′、5′−ジ−O−アセチル)−β−D−アラビノフ
ラノシル}−アデニンの混合物12.77g(アデノシンから
の収率82.1%)が含まれていた。
実施例 4 最初の反応溶媒を、アセトニトリルからリン酸トリメチ
ルに変換して、実施例 2と同様に反応を実施し、目的
とする混合物をアデノシンからの収率84.9%で得た。
実施例 5 (1)イノシン10g(37.2mmole)を、DMF100mlに懸濁さ
せ、これにトリメチル オルトアセテート33.2ml(260m
mole)、次いで、p−トルエンスルホン酸・一水和物1
0.64g(56.0mmole)を加えた。混合物を、15−20℃で、
30分間、撹はんした。反応後、ナトリウムメチラートの
28%メタノール溶液で中和し、溶媒を減圧下、留去し
た。残さを、アセトニトリル130mlに懸濁し、これを、
臭化アセチル11.0ml(149mmole)を含む酢酸71ml中に0
℃、撹はん下、ゆっくり添加した。添加終了後更に、混
合物を、15−20℃において、30分間撹はんした。10%炭
酸ナトリウム水溶液で中和し、アセトニトリル140mlで
抽出した。この抽出液には、HPLC分析によれば、目的と
する、9−{(3′−ブロモ−3′−デオキシ−2′、
5′−ジ−O−アセチル)−β−D−キシロフラノシ
ル}−ヒポキサンチン、及び9−{(2′−ブロモ−
2′−デオキシ−3′、5′−ジ−O−アセチル)−β
−D−アラビノフラノシル}−ヒポキサンチンの混合物
(以下、Br−AcO−Hxと略す。)、11.60g(イノシンか
らの収率,75.1%)が含まれていた。単離した生成物
の、300MHz核磁気共鳴吸収スペクトルは、本品の構造を
支持した。
(2)Br−AcO−Hx415mg(1.0mmole)をトリエチルアミ
ン0.24mlを含むメタノール30mlに溶解した。10%パラジ
ウム炭素170mgを加え、室温で撹はんしつつ、水素ガス
を40ml/分の流量で通じた。パラジウム炭素を濾別しエ
タノールで洗浄した後、溶媒を減圧下、留去した。残さ
をメタノール8mlに溶かし28%ナトリウムメチラート
(メタノール溶液)0.54mlを加え、室温で30分間撹はん
した。反応液をHPLCで定量したところ、2′,3′−ジデ
オキシイノシン63.7mg(0.27mmole)収率27%、3′−
デオキシイノシン93.2mg(0.37mmole)収率37%で生成
していた。精製分離した、2′,3′−デオキシイノシン
及び、3′−デオキシイノシンの、300MHz核磁気共鳴吸
収クペクトルは、本品の構造を支持した。
実施例 6 ウリジン(1.0g,4.10mmole)をアセトニトリル(5.0m
l)に懸濁し、これに、トリクロロ酢酸(0.737g,4.51
g)及びトリメチル オルトアセテート(0.63ml,4.92mm
ole)を加えた。混合物を15−20℃で、1時間、撹はん
した。反応後、溶媒を減圧下、留去し、残さを再びアセ
トニトリル(5ml)に溶解た。これを、臭化アセチル
(1.21ml,16.4mmole)を含む酢酸中に、氷冷下、激しい
撹はんの下に、ゆっくり添加した。添加終了後、混合物
を、更に、15−20℃で、2時間撹はんした。10%炭酸ナ
トリウム水溶液で中和し、酢酸エチル20mlで抽出した。
この抽出液には、HPLC分析によれば、目的とする、1−
{(2′−ブロモ−2′−デオキシ−3′,5′−ジ−O
−アセチル)−β−D−リボフラノシル}−ウラシル
が、0.561g(ウリジンからの収率 35.0%)が含まれて
いた。
〔発明の効果〕
以上から明らかな如く、本発明によれば、ヌクレオシド
誘導体の製造に関し、収率及び純度が一段と向上し、工
業化が非常に有利となった。これにより、本発明は薬理
活性を示すジデオキシヌクレオシド等の各種物質の製造
が容易となり、医薬産業上の貢献が大いに期待されるも
のである。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機酸を含む有機溶媒において、その2′
    位、3′位が1−アルコキシアルキリデン化又は、1−
    アルコキシアリールアルキリデン化されたヌクレオシド
    と、 (1)ハロゲン化アシル;又は、 (2)有機酸無水物及びハロゲン化水素 とを反応せしめ、アシルオキシ基とハロゲン原子を2′
    位、3′位(又は、3′位、2′位)に導入することを
    特徴とするヌクレオシド誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】有機溶媒中に含有する有機酸の炭素数が1
    〜12である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】有機溶媒中に含有する有機酸が蟻酸又は酢
    酸である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】有機溶媒がアセトニトリル、ジオキサン、
    リン酸トリメチル、又は、ジクロルメタンである請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】アルコキシ基の炭素数が1〜12である請求
    項1記載の方法。
  6. 【請求項6】アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基
    である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】1−アルコキシアルキリデン基のアルキリ
    デン基がメチリデン又はエチリデン基である請求項1記
    載の方法。
  8. 【請求項8】1−アルコキシアリールアルキリデン基の
    アリールアルキリデン基がベンジリデン基である請求項
    1記載の方法。
  9. 【請求項9】ヌクレオシドを構成する塩基がプリン塩基
    又はピリミジン塩基である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】プリン塩基が、アデニン、ヒポキサンチ
    ン、グアニン、及びキサンチンのいずれかである請求項
    9記載の方法。
  11. 【請求項11】ピリミジン塩基が、ウラシル、チミン、
    及びシトシンのいずれかである請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】ハロゲン化アシルのハロゲン原子が塩
    素、臭素又は、ヨウ素原子である請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】ハロゲン化アシルのアシル基の炭素数が
    2〜12である請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】ハロゲン化アシルのアシル基がアセチル
    基又はベンゾイル基である請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】有機酸無水物を構成する有機酸の炭素数
    が2〜12である請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】有機酸無水物が無水酢酸である請求項1
    記載の方法。
  17. 【請求項17】ハロゲン化水素が塩化水素、臭化水素又
    はヨウ化水素である請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】有機酸を含む有機溶媒において、その
    2′位、3′位が1−アルコキシアルキリデン化又は、
    1−アルコキシアリールアルキリデン化されたヌクレオ
    シドと、 (1)臭化アシル;又は、 (2)有機酸無水物及び臭化水素 とを反応せしめ、アシルオキシ基と臭素原子を2′位、
    3′位(又は、3′位、2′位)に導入して得られるヌ
    クレオシド誘導体を水素添加反応に付した後、加水分解
    又は、エステル交換反応に付し脱アシルオキシ化及び脱
    臭臭化せしめることを特徴とするジデオキシヌクレオシ
    ドの製造方法。
  19. 【請求項19】ヌクレオシド誘導体を構成する塩基がプ
    リン塩基である請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】プリン塩基がアデニン、ヒポキサンチ
    ン、グアニン及びキサンチンのいずれかである請求項19
    記載の方法。
  21. 【請求項21】2′位、3′位が1−アルコキシアルキ
    リデン化又は1−アルコキシアリールアルキリデン化さ
    れたヌクレオシドが、リボヌレオシドを2′位、3′位
    アルキリデン化工程に付すことにより得られる請求項1
    記載の方法。
  22. 【請求項22】ジデオキシヌクレオシドが請求項21記載
    により得られたヌクレオシド誘導体を脱アシルオキシ化
    及び脱臭素化せしめることより得られる請求項18記載の
    方法。
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