JPH0717749B2 - 改良された溶融安定性を有するポリ(アリーレンスルフィドケトン)の製法 - Google Patents

改良された溶融安定性を有するポリ(アリーレンスルフィドケトン)の製法

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JPH0717749B2
JPH0717749B2 JP63090157A JP9015788A JPH0717749B2 JP H0717749 B2 JPH0717749 B2 JP H0717749B2 JP 63090157 A JP63090157 A JP 63090157A JP 9015788 A JP9015788 A JP 9015788A JP H0717749 B2 JPH0717749 B2 JP H0717749B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリ(アリーレンスルフイドケトン)の製造
法に関する。本発明は、溶融安定な高分子量ポリ(アリ
ーレンスルフイドケトン)にも関する。本発明は、他の
面においては、前記ポリ(アリーレンスルフイドケト
ン)から製造される繊維及びその他の物品に関する。
(従来の技術) ポリ(アリーレンスルフイドケトン)(PASK)は、その
高融点のために、フイルム、繊維、成形及び複合用途に
有用なエンジニアリングサーモプラスチックスである。
ポリ(アリーレンスルフイドケトン)を製造する一方法
に、極性有機溶媒中における、ジクロロベンゾフエノン
等のポリハロベンゾフエノンとアルカリ金属硫化物との
反応がある。アルカリ金属硫化物は、それ自身で加える
ことができるか、又は、等モル量のアルカリ金属水硫化
物とアルカリ金属水酸化物を使用する、アルカリ金属水
硫化物とアルカリ金属水酸化物との反応から調製するこ
とができる。しかしこうして製造されるポリ(アリーレ
ンスルフイドケトン)は、低分子量であり、かつ溶融安
定性が低いという大きな不利点がある。
高分子量のポリ(アリーレンスルフイドケトン)は、良
好な機械特性を有するために望ましい。重合反応工程中
にわたつて過剰のアルカリ金属水硫化物が存在する場
合、高分子量のポリ(アリーレンスルフイドケトン)を
製造できる。これは、アルカリ金属硫化物を調製すると
き、アルカリ金属水酸化物に対するアルカリ金属水硫物
のモル過剰量が存在することを意味するか、又は、一定
量のアルカリ金属水硫化物をアルカリ金属硫化物と共に
加えることを意味する。
高分子量であることに加えて、加工性はポリ(アリーレ
ンスルフイドケトン)が有するべき別の望ましい特性で
ある。加工性とは、ポリマーを通常の手段によつて加工
でき、従つて工業的に用いることができることを意味す
る。ポリマーの加工性は、ポリマーの溶融安定性に依存
する。これは、ポリマーが溶融安定である場合、ポリマ
ーが概して加工容易でもありうることを意味する。従来
の方法によつて製造されるポリ(アリーレンスルフイド
ケトン)は、非常に溶融安定性が悪く、従つて、加工性
が悪い。過剰のアルカリ金属水硫化物で製造される高分
子量のポリ(アリーレンスルフイドケトン)であつて
も、そんなに溶融安定性は良くない。
(発明が解決しようとする課題) 高分子量の溶融安定なポリ(アリーレンスルフイドケト
ン)を製造できることが最も望ましいであろう。
本発明の目的は、高分子量ポリ(アリーレンスルフイド
ケトン)の製造法を提供することにある。更に、本発明
の目的は、溶融安定なポリ(アリーレンスルフイドケト
ン)の製造法を提供することにある。更に、本発明の目
的は、新規な溶融安定なポリ(アリーレンスルフイドケ
トン)を製造することにある。尚、本発明の更なる目的
は、新規な溶融安定な、高分子量ポリ(アリーレンスル
フイドケトン)を製造することにある。
すなわち、本発明は、極性有機化合物、ポリハロベンゾ
フエノン、アルカリ金属硫化物、及び水を、重合条件下
で接触させることからなる、改良された溶融安定性を有
するポリ(アリーレンスルフイドケトン)の製法であっ
て、この際に使用する水の量はアルカリ金属硫化物と対
比してモル過剰量であり、反応混合物中の当該モル過剰
量の水対アルカリ金属硫化物のモル比が3.5:1〜7:1の範
囲内であり、かつ、ポリハロベンゾフエノン対アルカリ
金属硫化物のモル比が約0.95:1乃至約1.05:1であること
を特徴とする前記方法である。
(課題を解決するための手段) 反応混合物状態で、ポリハロベンゾフエノン、アルカリ
金属水硫化物、アルカリ金属水酸化物、極性有機化合
物、及び水を、使用する水の量がポリマーの溶融安定性
を改良するのに足る量であるが、分子量を制限する相分
離をもたらすのにはなお足らない量で存在させ、接触す
ることによつて、新規な溶融安定な高分子量ポリ(アリ
ーレンスルフイドケトン)が製造されることが見いださ
れた。大略、水対アルカリ金属水硫化物のモル比が約3.
5:1乃至約7:1の範囲内である。
本発明に従つて製造されるポリマーは、本発明前に溶融
安定なポリ(アリーレンスルフイドケトン)が知られて
いなかつたので新規である。
本発明では、反応混合物状態で、ポリ(アリーレンスル
フイドケトン)を生成するのに有効な重合条件下で、ポ
リハロベンゾフエノン、アルカリ金属硫化物、極性有機
化合物及び水を接触させることによつて製造する。本発
明の一方法によれば、アルカリ金属水硫化物とアルカリ
金属水酸化物とを、約0.95:1乃至約1.05:1の範囲内のモ
ル比で、合わせることによつて調製する。アルカリ金属
水硫化物に関して、水は、ポリマーの溶融安定性を改良
するのに足る量であるが、分子量を制限する相分離をも
たらすのにはなお足らない量で存在する。大略、前記水
の有効量は、水:アルカリ金属水硫化物のモル比が約3.
5:1乃至約7:1の範囲内にある。
ポリ(アリーレンスルフイドケトン)を製造するための
方法におけるアルカリ金属水硫化物、アルカリ金属水酸
化物及び水の前記比率の使用によつて、溶融安定な、高
分子量ポリ(アリーレンスルフイドケトン)が生成す
る。
本発明に従つて製造されるポリ(アリーレンスルフイド
ケトン)は、反応混合物状態で前記化合物の前記比率を
用いない方法から製造されるポリ(アリーレンスルフイ
ドケトン)と比較するとき、柔軟性、強さ、強靭性、減
少した発ガス性、及びより一層均質な外観特性のうち、
少なくとも1又はそれ以上の改良点をも示す。
本発明に従つて製造されるポリ(アリーレンスルフイド
ケトン)は、分子量及び溶融安定性に無関係と思われる
特性である色調(特に加工後の)における改良も又示
す。
フエニレンスルフイドケトンの「n」反復単位のポリ
(フエニレンスルフイドケトンを形成するように、4,
4′−ジクロロベンゾフエノン等のジハロベンゾフエノ
ンと;水硫化ナトリウム等のアルカリ金属水硫化物及び
水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物から調製さ
れるアルカリ金属硫化物並びに水と;のN−メチル−2
−ピロリドン等の極性有機化合物中における反応は、次
式: によつて表わすことができる。
アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物とを合わ
せることによつて、アルカリ金属硫化物が調製される本
発明の方法において、アルカリ金属水硫化物対アルカリ
金属水酸化物のモル比をいくらか変更できるが、しか
し、そのモル比が約1:1であることが重要である。概し
て、アルカリ金属水硫化物対アルカリ金属水酸化物のモ
ル比は、約0.95:1乃至約1.05:1の範囲、好ましくは、約
1:1乃至約1.01:1の範囲でありうる。アルカリ金属水硫
化物がアルカリ金属水酸化物に対して僅かなモル過剰量
存在することがより一層好ましく、約1.005:1が最も好
ましい。
アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物からア
ルカリ金属硫化物が調製される場合、生成するアルカリ
金属硫化物のモル当り、1モルの水が生成する。これ
は、本方法によつてアルカリ金属硫化物が調製される場
合、添加される水に加えて、水がすでに存在しているこ
とを意味する。本反応によつて生成される水は、アルカ
リ金属硫化物及び水が生成する前にアルカリ金属水硫化
物に関して水の量を計算するので、比率の計算に含まれ
ない。もし比率がアルカリ金属硫化物に関する水として
報告されるべきであるならば、1モルを水側の比率に加
えられることが必要であろう。
本発明では、重合工程中にわたつてアルカリ金属水硫化
物に関してモル過剰量(化学量論的過剰量)の水が存在
することが必須である。これは、アルカリ金属水硫化物
とアルカリ金属水酸化物とから1モルのアルカリ金属硫
化物を調製する際に生成される丁度1モルの水よりも、
より多くの水が存在することを意味する。アルカリ金属
水酸化物に対するモル過剰の水はいくらか変更できるけ
れども、大略、水対アルカリ金属水硫化物の(アルカリ
金属硫化物及び水を調製する前の)モル比は、約3.5:1
乃至7:1、好ましくは約4.5:1乃至約6:1、より一層好ま
しくは約4.7:1乃至約5.7:1の範囲内でありうる。水対ア
ルカリ金属水硫化物のモル比は約5:1であること、好ま
しくは5.13:1であることがより一層好ましい。しかし、
あまりに多くの水が重合工程中にわたつて存在しないこ
と、又は反応物を分離し、それによつて重合を遅らせ、
ポリマーの分子量を制限するであろう相分離を起こさせ
ないことが重要である。
本発明では、必須ではないが、過剰の水に加えて、反応
混合物中にアルカリ金属水酸化物に対して過剰のアルカ
リ金属水硫化物が存在することも好ましい。しかし、本
発明では、アルカリ金属水硫化物対アルカリ金属水酸化
物のモル比が、これらの二種の反応物からアルカリ金属
硫化物が調製されるときに、約0.95:1乃至約1.05:1の範
囲内であることが重要である。
本発明では、過剰量の水の存在下に生成されるポリマー
が別にカルシウムで処理され、ポリマー中にカルシウム
カチオンを配合することも好ましい。カルシウムでのか
かる処理は、更に、ポリマーを溶融安定化し、ポリマー
を一層加工しやすくする。カルシウムカチオンをポリマ
ーに接触させるどんな方法も、この好適な別異の処理;
例えば、カルシウム化合物とポリマーを溶融混合するか
又はポリマーをカルシウム化合物の水溶液で処理する等
の処理の範囲内であると思われる。
本発明では、ポリマーが加工性の良いことが重要であ
る。これは、本発明で製造されるポリ(アリーレンスル
フイドケトン)(PASK)が溶融安定でなければならない
ことを意味する。溶融安定なPASKは、最終品の特性に依
存して、所望の分子量を有することができる。しかし、
本発明のポリマーは高分子量PASKであることが好まし
い。ポリマーの分子量は、その内部粘度によつて表わさ
れる。内部粘度の高いことは、ポリマーが高分子量であ
ることを示す。内部粘度は、ASTMD2857に準じて、30℃
で濃硫酸中で決定される。
本発明の方法によつて製造されるポリ(アリーレンスル
フイドケトン)は、内部粘度によつて示されるように、
高分子量を有しうる。該ポリ(アリーレンスルフイドケ
トン)は、少なくとも約0.3dl/g、好ましくは少なくと
も約0.4dl/g、最適には約0.5〜1dl/gの内部粘度を有す
ることが実質的に期待しうる。
ポリマーの分子量の別の測定にメルトフローがある。明
細書中で使用されるように、メルトフローは、異なる時
間で測定されるメルトフロー測定値間のメルトフローの
変化を記録することによつて、ポリマーの溶融安定性を
も示すことができる。溶融安定であるとは、ポリマーの
メルトフローが、或るメルトフロー測定時点と次のメル
トフロー測定時点との間で有意に変化しないことを意味
する。
本発明の方法で製造されるポリ(アリーレンスルフイド
ケトン)は、その高融点高分子量及び溶融安定性のた
め、フイルム、繊維、成形及び複合用途に対して現在の
対象がある。
本発明の方法では、ポリハロベンゾフエノンを使用す
る。ジハロベンゾフエノンを使用することが好ましい、
本方法では、式: (式中、Xは塩素、臭素、フツ素及びヨウ素からなる群
から選択される。)のジハロベンゾフエノンを使用する
ことが好ましい。
本発明の方法で使用できるポリハロベンゾフエノンの例
に、4,4′−ジクロロベンゾフエノン、4,4′−ジフルオ
ロベンゾフエノン、2,4,4′−トリクロロベンゾフエノ
ン、2,4,4′−トリフロロベンゾフエノン、2,4,4′−ト
リブロモベンゾフエノン、2,4,4′−トリヨードベンゾ
フエノン、4,4′−ジブロモベンゾフエノン、4,4′−ジ
ヨードベンゾフエノン、2,4′−ジクロロベンゾフエノ
ン等、及びこれらの2種若しくはそれ以上の混合物があ
る。現在好ましいポリハロベンゾフエノンは、その有効
性及び商業的入手性のため、4,4′−ジクロロベンゾフ
エノンである。
本発明で、使用されるポリハロベンゾフエノンの量は、
使用されるアルカリ金属硫化物(現場で製造されるか添
加される)の量に依存するが、概して、これらはほぼ等
モル量で存在しうる。好ましいポリハロベンゾフエノン
対アルカリ金属硫化物のモル比は、約0.95:1乃至約1.0
5:1の範囲内である。
重合工程の最終時に、反応内容物を冷却し、4,4′−ジ
クロロベンゾフエノン(DCBP)又は4−クロロベンゾフ
エノン(CBP)等の末端封止用(endcapping)モノマー
を添加することにより、ポリマーを末端封止できる。ポ
リマーの末端封止はポリマーの溶融安定性を変化させな
いで、本発明では、ポリマーを末端封止することは必須
でない。
アルカリ金属硫化物を、約1モルの硫化水素と約2モル
のアルカリ金属水酸化物と反応させることによって調製
できる。アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物
との、水性溶液中での反応生成物からも、アルカリ金属
硫化物を調製できる。アルカリ金属水硫化物には、水硫
化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫
化ルビジウム、水硫化セシウム、及びこれらの混合物が
ある。アルカリ金属水酸化物には、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、
水酸化セシウム、及びこれらの混合物がある。好ましい
アルカリ金属水硫化物は、その有効性から、水硫化ナト
リウム(NaSH)である。好ましいアルカリ金属水酸化物
は、その有効性から、水酸化ナトリウム(NaOH)であ
る。従つて、生成される好ましいアルカリ金属硫化物は
硫化ナトリウム(Na2S)である。
ポリ(アリーレンスルフイドケトン)の製造の際に、ポ
リハロベンゾフエノン及びアルカリ金属硫化物と共に使
用できる極性有機化合物には、アミド類及びスルホン類
がある。その例には、ヘキサメチルホスホルアミド、テ
トラメチルウレア、N,N′−エチレンジピロリドン、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−
ピロリドン(NMP)、ピロリドン、カプロラクタム、N
−エチルカプロラクタム、スルホラン、N,N′−ジメチ
ルアセトアミド、ジフエニルスルホン等及びこれらの混
合物がある。好ましい極性有機化合物は、その有用性及
び商業的入手性から、NMPである。
本発明で使用される極性有機化合物のモル比は、反応混
合物中のアルカリ金属硫化物の量に関して、大概約4:1
乃至24:1、好ましくは約12:1である。
ポリ(アリーレンスルフイドケトン)を製造するのに使
用される成分の添加順序を、所望により変更しうる。概
して、NaSH等のアルカリ金属水硫化物、NaOH等のアルカ
リ金属水酸化物、4,4′−ジクロロベンゾフエノン等の
ジハロベンゾフエノン及び水を、任意の順序で反応容器
へ添加できる。NMP等の極性有機溶媒を、前述の成分を
反応容器に入れるのに続いて、反応混合物へ添加しう
る。
重合を実施する反応温度は広範囲にわたつて変更できる
が。概して、約125℃〜約450℃、好ましくは、約175℃
〜約350℃、最適には約225℃〜約275℃の範囲内であり
うる。反応時間は、ある程度反応温度に依存して、広く
変更できるが、概して、約10分〜約72時間、好ましくは
約1時間〜約20時間の範囲内でありうる。圧力は、反応
混合物を実質的に液相に維持するのに足る圧力にすべき
である。圧力は概して、約0psig〜約400psig、好ましく
は約150psig〜約250psigの範囲内でありうる。
所望に応じてポリマーを回収できるが、好ましくは、冷
却済反応容器から重合用溶媒及び重合の沈殿生成物を取
り出し、過装置で過することによりポリマーを回収
できる。続いて、ポリマーを水洗し、真空オーブン中で
乾燥しうる。
本発明により与えられたポリマーの溶融安定性を、371
℃(700゜F)で約5分乃至約30分の範囲で、ASTM試験法D
1238に準拠したメルトインデツクス装置のバレル中にポ
リマーを保持した後、時間に伴うメルトフローの速度の
変化を観察することにより評価できる。本明細書中で使
用されているように、ポリ(アリーレンスルフイドケト
ン)の融点を越える371℃に、操作温度を増加すること
によつてASTM D1238の標準試験条件を修正している。
メルトインデツクス装置のバレル中のピストンに5kgの
おもりを加え、冷却済押出物の重量を測ることによつ
て、任意に選択した複数の時間におけるメルトフローを
決定する。5分乃至30分の間で、バレルから押出される
ポリマーの量に少しの変化しか又は変化が起こらない場
合、相対的に安定なメルトフロー生成物が試験されてい
るということは明らかである。概して、バレルから予め
決められた量のポリマーを押し出すのに要求される押出
時間がより長くなればメルトフローの減少が起こつたこ
とになる。しかし、ある場合には、バレルから予め決め
られた量のポリマーを押し出すのに要求される時間がよ
り一層短かくなることを示せば、メルトフローの増加が
起こつたことになる。本発明の目的に対して、10分のメ
ルトフローを、5分のメルトフローと比較したとき、約
±50%を越えるポリマー押出(メルトフロー)の速度に
変化があれば、任意的に許容できない(ポリマーが溶融
安定でない)とみなす。
(実施例) 示した実施例は、本発明のなお一層の理解を助けること
を目的とする。使用した特定の材料、種類及び条件は、
本発明の例示のためであり、本発明の範囲を制限するも
のではない。
実施例1. 本実施例では、対照のPASKポリ(フエニレンスルフイド
ケトン)(PPSK)の調製について記載する。アンカー型
攪拌機及び窒素導入管を備えた2ガロンのステンレスス
テール製反応器に、2.01モルの硫化水素ナトリウム(Na
SH)の水溶液(58.75重量%のNaSHを含む水溶液191.8
g)、2.00モルの水酸化ナトリウム(80gのNaOHペレツ
ト、マリンクロツト社供給、セントルイス)、2.00モル
の4,4′−ジクロロベンゾフエノン(502gのDCBP、イハ
ラケミカル社供給)及び24.84モルのN−メチル−2−
ピロリドン(2400cc.のNMP、BASF供給)を入れた。
反応器を密封し、100psigのN2で数回フラツシユし、次
いで室温で反応混合物を撹拌しながら、ガス抜きをして
空気を除去した。次いで、反応混合物を約250℃に加熱
した。該温度を4時間維持した。反応器内の圧力は約18
0psigに達した。次いで、反応器を約200℃に冷却し、反
応器に0.025モル(6.27g)の4,4′−ジクロロベンゾフ
エノン(DCBP)を入れた。生成されるPPSKをDCBPで末端
封鎖するために反応器に700cc.のN−メチル−2−ピロ
リドンを更に入れた。反応器を更に1時間250℃で加熱
し、室温で一夜冷却した。過後、ポリマーを6回熱水
洗浄し、強制対流式の空気炉内で約110℃で約6時間乾
燥した。本手順から調製されるPPSKは、まずまずの溶融
安定性(371℃(700゜F)の加熱バー上で5分後少量のガ
スを発生しながらゲル化した)を示すが相対的に低分子
量(内部粘度:0.42dl/g)であつた。H2O対NaSHのモル比
は2.2:1であつた(実験1)。
実施例2. 本実施例では、実質的には実施例1の方法に従う、NaSH
対NaOHの比が約1.005:1を使用するPPSKの調製を記載す
る。本実施例では、実質的には実施例1に従う、生成さ
れるポリマーの内部粘度の増加及び溶融安定性を改良す
るように反応混合物にさらにNaSH1モル当り約5.2モルの
水を加えることによつて、PPSKを調製した。過剰の水
を、NaOH、NaSH及びDCBPと共に反応容器に加えることが
できた。水の添加の順序はポリマーの調製に重要でなか
つた。
表Iに結果を要約する。
表Iでは、重合工程中に存在する水の量が重要な変化を
もたらす。実験6〜14は、水対NaSHの好ましい比におけ
るものである。該実験では、本発明の比で生成されたポ
リマーが水対NaSHの好ましい比よりも低い比で生成され
たポリマーより、一層溶融安定でありかつ高分子量を有
することを示す。該実験では、更に、NaOHに対して小モ
ル過剰のNaSHが、NaSHに対して最適モル過剰の水と合わ
せて使用される場合、反応混合物中に水を添加しない方
法から生成されたポリ(アリーレンスルフイドケトン)
と比較すると、得られた生成物は内部粘度が高く、良好
な溶融安定性を発揮することを示す。ポリ(アリーレン
スルフイドケトン)の製造法に、本発明に係る一定量の
水を添加することは、溶融安定な、高分子量ポリ(アリ
ーレンスルフイドケトン)を生成する。
本発明のポリ(アリーレンスルフイドケトン)は、反応
混合物に本発明のような水を添加しない方法から得られ
るポリ(アリーレンスルフイドケトン)と比較すると
き、柔軟性、強さ、強靭さ、色調、発生ガスの減少、及
び均質な外観のうちの少なくとも1又はそれ以上の改良
点を示す。換言すれば、上述の結果は、本発明により生
成されるポリマーが改良した諸特性を持ち、該ポリマー
を加工できることを示す。
実施例3. 本実施例では、分子量(内部粘度)におけるNaSH対NaOH
の比の影響を示すために、該比率を変化させること以外
実質的に実施例1に従つて、PPSKを調製した。特記しな
い限り、反応を、二重らせん攪拌機及び等モル比のDCBP
対NaOHとNaSHを使用して実施し、250℃に加熱し、3時
間約250℃に維持し、3gのDCBPで末端封鎖した。
表IIの結果は、得られたポリ(アリーレンスルフイドケ
トン)の内部粘度における、反応混合物中の過剰の水硫
化ナトリウムの影響を示す。内部粘度は、過剰水硫化ナ
トリウムの約3%過剰までの増加に伴つて増加し、次い
で、約4%過剰量で過剰でないのと同程度に減少した。
前述の実施例2及び3は、得られたポリマーの内部粘度
(分子量の指標)を増加するために、水硫化ナトリウム
及び水の両方共、重合用混合物に添加すべき最適量は独
立していることを示す。しかし、過剰の水を伴つて合成
されるポリマーは、過剰の水硫化ナトリウムを伴つて合
成されるポリマーよりも卓越した溶融安定性をもたら
す。これは、約0.6dl/gの内部粘度を有するポリマーに
対して特に顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、1モルのNaOH当りのNaSHの種々の過剰モル%
において調製したPASKの内部粘度を示す図表である。こ
こで縦軸は内部粘度(dl/g)を表わし、横軸は1モルの
NaOH当りのNaSHの過剰モル%を表わす。曲線は、得られ
たポリ(アリーレンスルフイドケトン)の内部粘度にお
ける、反応混合物中の過剰の水硫化ナトリウムの影響を
示す(表IIに基づくデータ)。 第2図は、種々のH2O/NaSH比において調製したPASKの内
部粘度を示す図表である。ここで、縦軸は内部粘度(dl
/g)を表わし、横軸はH2O/NaSH比を表わす。曲線は、得
られたポリ(アリーレンスルフイドケトン)の内部粘度
における、反応混合物中の過剰のH2Oの効果を示す(表
Iに基づくデータ)。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極性有機化合物、ポリハロベンゾフエノ
    ン、アルカリ金属硫化物、及び水を、重合条件下で接触
    させることからなる、改良された溶融安定性を有するポ
    リ(アリーレンスルフイドケトン)の製法であって、こ
    の際に使用する水の量はアルカリ金属硫化物と対比して
    モル過剰量であり、反応混合物中の当該モル過剰量の水
    対アルカリ金属硫化物のモル比が3.5:1〜7:1の範囲内で
    あり、かつ、ポリハロベンゾフエノン対アルカリ金属硫
    化物のモル比が約0.95:1乃至約1.05:1であることを特徴
    とする前記方法。
  2. 【請求項2】モル過剰量の水対アルカリ金属硫化物が約
    4.5:1乃至約6:1のモル比の範囲であり、ポリ(アリーレ
    ンスルフイドケトン)が構造式: (式中、nは反復単位の数を表す。)の反復単位によっ
    て表される特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】ポリハロベンゾフエノンがジハロベンゾフ
    エノンを包含する特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の方法。
  4. 【請求項4】アルカリ金属硫化物がアルカリ金属水硫化
    物及びアルカリ金属水酸化物より調製され、反応混合物
    中のアルカリ金属水硫化物対アルカリ金属水酸化物のモ
    ル比が約0.95:1乃至約1.05:1の範囲内である特許請求の
    範囲第1〜3項のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】アルカリ金属水硫化物が水硫化ナトリウム
    を包含し、アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムを
    包含し、ポリハロベンゾフエノンが4,4′−ジクロロベ
    ンゾフエノンを包含し、そして極性有機溶媒がN−メチ
    ル−2−ピロリドンを包含する特許請求の範囲第4項記
    載の方法。
  6. 【請求項6】水硫化ナトリウム対水酸化ナトリウムのモ
    ル比が約1:1乃至約1.01:1の範囲内である特許請求の範
    囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】反応混合物中の水対水硫化ナトリウムのモ
    ル比が約4.7:1乃至約5.7:1の範囲内である特許請求の範
    囲第4〜6項のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】ポリ(アリーレンスルフイドケトン)をカ
    ルシウムカチオンと接触させる特許請求の範囲第1〜7
    項のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】得られたポリ(アリーレンスルフイドケト
    ン)がポリ(フエニレンスルフイドケトン)を包含する
    特許請求の範囲第1〜8項のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】得られたポリ(フエニレンスルフイドケ
    トン)が約0.3乃至約1dl/gの内部粘度を示す特許請求の
    範囲第1〜9項のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】得られたポリ(フエニレンスルフイドケ
    トン)が少なくとも約0.4dl/gの内部粘度を示す特許請
    求の範囲第1〜10項のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】得られたポリ(アリーレンスルフイドケ
    トン)が約0.5乃至1dl/gの内部粘度を示し、かつ約700
    °Fにおける前記ポリ(アリーレンスルフイドケトン)
    のメルトフローが、5分でのメルトフローに対して10分
    でのメルトフローを比較するとき、その変化が±50%未
    満である特許請求の範囲第1〜11項のいずれかに記載の
    方法。
  13. 【請求項13】ポリ(アリーレンスルフイドケトン)が
    繊維又はフイルムの形態に製造される特許請求の範囲第
    1〜12項のいずれかに記載の方法。
JP63090157A 1987-04-15 1988-04-12 改良された溶融安定性を有するポリ(アリーレンスルフィドケトン)の製法 Expired - Lifetime JPH0717749B2 (ja)

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