JPH07177795A - モーター装置 - Google Patents

モーター装置

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JPH07177795A
JPH07177795A JP6262806A JP26280694A JPH07177795A JP H07177795 A JPH07177795 A JP H07177795A JP 6262806 A JP6262806 A JP 6262806A JP 26280694 A JP26280694 A JP 26280694A JP H07177795 A JPH07177795 A JP H07177795A
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Shigeto Suzuki
成人 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モーターの優れたトルク・回転数の特性を生
かしつつ、短所である、高トルクで、0回転時又は低速
回転時の過電流や損失を、電源電圧制御によらないで、
機械的構造でエネルギー損失を少なくできるモーター装
置を提供することを目的とする 【構成】第1モーター、第2モーターの2つのモーター
と、差動装置を備え、その差動装置は、差動回転する3
つの回転軸を有し、第1モーターの回転軸(2)と第2モ
ーターの回転軸(4)と駆動出力軸とは、各々、その3つ
の回転軸に固定されており、即ち、第1モーターの回転
軸(2)と第2モーターの回転軸((4)とは差動装置
を介して接続され、該差動装置の差動回転軸(3)から駆
動出力を得ることを特徴とするモーター装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力用のモーターとし
て広く産業全般に利用されるモーター装置に関する。特
に、乗り物用モーター装置に関する。更に、変速装置と
しても利用可能のモーター装置である。
【0002】
【従来の技術】出力回転数、出力トルクが広く範囲にわ
たり変化する動力用モーターは、特に、車両等の駆動源
としての電気モーター装置は、変速器を用いずにダイレ
クトに駆動するか変速器を用いるかして使用される。従
来技術で、電気モーターを変速器なしで、車軸にダイレ
クトに結合して用いた場合、高性能モーターほど、内部
抵抗が小さいため、低速での扱いが難しいものである。
【0003】モーター装置は、電圧を高めたり低めた
り、或いはON−OFFすることにより、ある回転数に
おけるモーター出力変化が起こる。電圧を高めるに伴い
モーター出力が高まり、下げることでモーター出力が低
くなる。即ち、同一回路に流れる電流は電圧に比例して
変化する。従って、電圧を高めることにより電流量が多
くなる。また、同じ電圧でも抵抗が少なければ、より多
くの電流を流すことができ、モーターの出力を高めるこ
とができる。モーター装置で得られるトルクは電流に比
例する。また、モーターにかける電圧は回転数と電流の
双方に関係する。このため、平地を走っていて速度を上
げたければ電圧を上げれば良いし、坂道に差しかかった
時に同一の速度で走りたければ電圧を上げて、回転数を
維持したまま電流を増加させトルクを増やすことができ
る。このように、モーターにかける電圧を加減すること
により、速度とトルクの双方が互いに関連しあいながら
変化する。これは、アクセルを踏むことによりエンジン
の回転数とトルクの双方を変えることができるのと同じ
である。
【0004】モーターは回転数が0のときに最も大きな
トルクを生じる。回転数が上昇するに伴いトルクは低下
し、無負荷状態で高回転になった場合、ほとんどトルク
を発生せずに0に近付く。このT−N関係をグラフにし
たのが、図1のT−Nカーブであり、トルクの増大に反
比例する形でNが減少する。これと同様に、モーター特
性を知る上で重要なものは、図2のT−Iカーブであ
る。即ち、Tの増大に比例してIが増大していく。つま
りトルクが大きくなる程電流の消費が高まり、同時に電
流を高めることでトルクも高められる。そして、高性能
のモーターは、T−Nカーブの勾配が非常に急激であ
り、高性能のモーターの最大トルクは定格トルクの4.
5倍以上という非常に大きなものになり、それだけ、大
量の電流が流れる。トルクは、T=KIで、即ち、Kは
トルク定数、Iは電流、Eは電流、モーター内の抵抗=
Rとする。
【0005】すると、I=E/Rであり、モーターに電
流が流れことにより発生する損失は、W=RI2 で、こ
れはコイル巻線で発生する熱となる。高性能のモーター
では、最大トルクのゼロ回転の場合、最大トルクを長時
間維持すると大きな電流が流れて、過熱し、やがてショ
ートして煙を出してしまう。特に、高性能モーターで
は、電気的抵抗が低いことにより電流が流れ易い性質を
備えているので、低回転域での使用は困難である。ま
た、電流がカットされるべき回転数以下での使用は、渦
電流や銅損による損失と過熱が大きくなる高性能なモー
ターほど取り扱いが困難である。その上回転数が下がっ
た場合、一層大きな電流が流れてしまう。従って、高性
能モーターでは負荷条件によって早く電流カットを行な
う必要がある。即ち、モータードライバーには、電流を
一定値以内に抑える制御回路が組み込まれる。従って、
うまく電流をカットできなかったり、電子回路にノイズ
が入って制御に失敗したときなど、過大な電流が流れて
モーターを破損してしまう可能性がなくなるわけではな
いので、取り扱いが困難である。
【0006】一般的に、動力用モーターを広い回転範囲
でしかも高負荷の状態で使用する場合、急激な外部負荷
の変化がある、例えば、むりやり逆回転させられたと
き、従来のモーターでは、過電流により破壊するか、電
源装置に負担が大きくかかる。電圧制御などにより、回
転速度及びトルクの制御が可能であるが、回転や電流を
常に検出して制御する必要があり、熱などにより制御装
置が暴走した場合も、モーターを破壊するか、電源装置
に過負荷をかけるか、また、制御応答性が悪いと、電力
消費も高くなる。また、大電力用モーターでは、電圧制
御による高トルク、”0”回転時の運転が困難で、大電
力を扱うので、熱対策や装置が複雑になり、また、制御
装置が高価になり、誤動作もしやすくなる。
【0007】1つのモーター装置を発電機としても利用
して、回生制動するようにした構成の装置は、特開平4
−185205号に開示されている。即ち、電動機、駆
動回路、走行用蓄電池、補機用蓄電池、制御回路を有す
る回生制動装置であり、回生選択手段、電動機の回生電
力を走行用蓄電池に回生する手段、電動機の回生電力を
補機用蓄電池に回生する手段を有することを特徴とする
回生制動装置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたもので、特に直流モーター
の場合は、モーターの優れたトルク・回転数の特性を生
かしつつ、短所である、高トルクで、0回転時又は低速
回転時の過電流や損失を、電源電圧制御によらないで、
機械的構造でエネルギー損失を少なくできるモーター装
置を提供することを目的とする。また、本発明は、モー
ター駆動中、出力の回転が外部の負荷により止められた
り、逆回転させられても、回転力を維持しながら、モー
ターの運転が続行できるモーター装置を提供することを
目的とする。
【0009】また、高性能のモーターほど、内部損失を
小さくするため、内部抵抗が小さい、そのため、回転
数”0”では、非常に過大な電流が流れ、モーターを破
損する。また、効率も悪くなる。従って、このような問
題を解決するモーターが望まれる。本発明は、電圧制御
などの電源制御に頼らず、機械的構造で、外部負荷の変
化に対応して、配分を調節でき、たとえ、出力軸が、む
りやり逆回転の方向に力を加えられても、モーターは運
転可能である。このため、熱対策や制御回路の誤動作に
よるモーターの破損を回避できる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の技術的
な課題の解決のためになされたもので、第1モーター、
第2モーターの2つのモーターと、差動装置を備え、そ
の差動装置は、差動回転する3つの回転軸を有し、第1
モーターの回転軸(2)と第2モーターの回転軸(4)と駆
動出力軸とは、各々、その3つの回転軸に固定されてお
り、即ち、第1モーターの回転軸(2)と第2モーター
の回転軸((4)とは差動装置を介して接続され、該差
動装置の差動回転軸(3)から駆動出力を得ることを特徴
とするモーター装置を提供する。
【0011】また、第1モーター、第2モーター及び差
動装置の回転軸を同軸上に配置し、1つのケースに納
め、一体化することができる。そして、第1モーター、
第2モーター及び差動装置の回転軸を同軸上に配置し、
一体化したものを、ホィール内に納めたものを利用でき
る。また、第1モーターを駆動モーターとして電源装置
と結合し、第2モーターを発電モーターとして発電回生
装置と結合し、該発電モーターから得られる発電力を、
該発電回生装置が昇圧及び発電量の制御を行ない、電力
の回生を行なうことが好適である。
【0012】また、第1モーターを駆動モーターとして
電源装置と結合し、第2モーターを発電モーターとして
利用し電源端子間に負荷抵抗器を配設し、該負荷抵抗器
で、消費させる構成とすることもできる。この場合、発
電回生装置の代用として、該負荷抵抗を用いることで、
発電力は回生されないが、最も簡単な回路構成であり、
汎用的に利用可能となる。また、第2モーターの発電力
を、電圧を上げる回生装置により、第1モーターへ直接
回生、駆動することができる。この場合は、駆動モータ
ーの余分な出力は、発電力として回生されるため、きわ
めて高効率の良いモーターとなる。
【0013】更に、本発明は、第1モーターの回転軸
(2)と第2モーターの回転軸(4)が差動装置を介して接
続され、該差動装置の差動回転軸(3)から駆動出力を
得、該第1モーターの回転軸(2)と該第2モーターの回
転軸(4)とは差動回転し、該駆動出力の差動回転軸(3)
と該第1モーターの回転軸(2)の回転速度差分に比例し
た回転速度差が、該駆動出力の差動回転軸(3)と該第2
モーターの回転軸(4)に生じ、該回転速度差がない場
合、各々の回転軸(2)、(3)、(4)は、同じ回転速度と
なる構成であり、更に、第1及び第2モーターには、各
々、電源装置或いは回生装置との結合を転換する転換装
置を備え、所定パターンに従って、転換装置を操作し
て、第1及び第2モーターは、各々、駆動モーター或い
は発電モーターとして作動することを特徴とするモータ
ー装置を提供する。
【0014】その差動装置は、プラネタリーギアを用い
ることができる。また、プラネタリーギアを用いた場
合、プラネタリーギアは、そのプラネタリーピニオンギ
アを、プラネタリーキャリアの両側に配し、該両側に配
置されたプラネタリーピニオンギアは、プラネタリーピ
ニオンシャフトに固定され、プラネタリーピニオンシャ
フトは、プラネタリーキャリアに回転可能に配置され
る。また、その差動装置として、差動歯車も利用でき、
左右2つのサイド歯車の軸が、各々、第1モーターの回
転軸(2)及び第2モーターの回転軸(4)に接続され、ピ
ニオン歯車よりなる公転する差動歯車の回転軸は、出力
軸(3)に接続されている構造にできる。また、第1モー
ター、第2モーター及び差動装置の回転軸を、同軸上に
配置することにより、モーター装置の構造にできる。
【0015】電気乗り物用モーターの性能は回転数に対
するトルク、効率、出力等が重要であるが、車に積んで
走行するために、車重量に対するこれらの性能が重要で
ある。モーターの特性はその種類によりことなるが、本
発明のモーター制御処理は、どの種類のモーターにも適
用できるが、直流モーターは起動時のトルクが大きく、
電流入力に対して出力トルクが直線的に変化するなど車
を走らせるためのモーターとしてすぐれた特性を備えて
いるこの直流モーターのなかでも、ブラシ直流モーター
が最も単純であるので、本明細書では、主に、このモー
ターを例にして説明する。然し乍ら、本発明は、その性
質からどの種類のモーターにも適用できることは明らか
である。
【0016】即ち、本発明のモーター装置は、モーター
装置自体の発明であり、その構造から電気乗り物用の動
力源として最適であるが、当然モーター駆動装置とし
て、あらゆる産業に利用できる。
【0017】
【作用】図3は、本発明のモーター装置の2つのモータ
ーを、第1モーターは駆動用、第2モーターは発電用に
利用して、2つのモーターが、互に逆回転し、その差動
出力を差動装置から得て出力とする場合の構成を示す。
その構造は、一般的に汎用動力用モーターとして最適で
あるが、電気乗り物用としても、利用できる。次に、モ
ーターの動作曲線との関係で説明すると、次のようにな
る。例えば、直流モーターでは、図6に示されるよう
に、回転数0の近い領域は、トルクの増大をカットして
ある。モーターにかける電圧をV、モーターの界磁の有
効面積が作る磁場の強さに界磁の有効面積をかけた総磁
束をφ、電機子の巻線数をZ、抵抗をRとすると、回転
数の最大値Nmax=V/φZで、トルクの最大値Tmax
φZV/Rとなる。図6の曲線で、回転数の軸上でN
maxの点と回転数軸上でTmaxの点を結んだ線が、このモ
ーターの回転数−トルク特性である。図示のように、ト
ルクは回転数とともに低下する。Vは電池の電圧に相当
し、電圧が2倍になると最大トルク、最高回転数ともに
2倍に増える。φは強い磁石であればあるほど、そし
て、大きなモーターであればあるほど大きくなる。同じ
サイズのモーターであれば巻線数を変えることにより最
大トルクや最高回転数を変化させることができる。
【0018】一方、トルクTは前述のように、電流Iが
小さいときには、電流に比例する。その比例定数はφと
Zをかけた値である。電流が大きくなるとトルクの伸び
は次第に小さくなる、即ち、飽和現象がある。本発明に
よる差動装置において、差動歯車の比率、即ち、差動比
をXとした。差動装置の比率は、1:1ならX=1で、
2:1ならX=2となる。第1モーター側Xで、第2モ
ーター側1としてある。第1モーターのトルクと回転数
をT1とN1とし、出力回転軸の出力トルクと回転数をT2
N2とし、第2モーターの消費トルクと回転数をT3とN3
すると、次のようになる。 (X+1)T1=T2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) (N1−XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(2) 従って、第1モーターによる機械出力は、摩擦等による
損失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとなり、T1・N1
であり、第2モーターからの機械入力は、回転数(rpm)
×トルクとなり、T3・N3である。よって、差動装置の出
力の機械出力は、回転数(rpm)×トルクとなり、T2・N2
ある。従って、 T2・N2=T1・N1−T3・N3・・・・・・・・・・・・・(3) となる。従って、駆動軸のトルクは、X=1のときは、
駆動モーター(第1モーター)のトルクの2倍になるが、
その回転数N2は、第2モーターの出力0のとき、即ち、
第2モーターが回転しないとき、第1モーターの回転数
の1/2(X=1)になる。また、第1モーターと第2モ
ーターの入出力トルクの関係は、 XT1=T3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) とな
る。
【0019】そして、第2モーターからの電気出力の増
減により、消費トルクが変化するため、ここでは、負荷
抵抗は一定とする。発進時(停止状態)での、回転数トル
クは、回転数”0”のため、式(3)から, 0 = T1・N1 − T3・N3・・・・・・・・・・・・・(A) 式(6)から T1 = T3・・・・・・・・・・・・・・・・(B) (A),(B)の2つの条件を満たす回転数トルクでバランス
する。
【0020】即ち、第1モーターと第2モーターを差動
装置を介して、接続し、差動装置から駆動出力を得る。
第1モーターと第2モーターは、差動回転し、駆動出力
と第1モーターの回転速度差分に比例した回転速度差
が、駆動出力と第2モーターにも生じる。例えば、第1
モーターが2000rpmで回転しているとして、差動装
置の比率を、1:1として、出力を1000rpmとする
と、第2モーターは、0rpmとなる。同様に、出力を0r
pmとすると、第2モーターは、逆回転の2000rpmと
なる。図1で説明すると、出力回転軸(3)は、(2)軸と
(4)軸の回転数の間の(2)−(3)間と(3)−(4)間で一
定の比率、即ち、このように差動装置の比率が1:1で
は、(2)−(3)間回転数差と(3)−(4)間回転数差が
1:1になる回転数が出力される。
【0021】電気モーター、特に高性能の直流モーター
の場合、内部抵抗が小さいために、”0”回転数のとき
では、過大電流が流れ、モーターを破壊してしまう可能
性がある。また、電力の損失も大きい。通常では、電流
を制限してしまう、即ち、図6の第1モーターでの曲線
aでなく、曲線bのようになるように、電流をカットし
てしまうことが、一般的に行なわれている。即ち、図6
に示されるように回転数0に近付くと、トルクは無限に
大きくなるが、回転数P1の点より低い範囲で、磁気飽
和などの関係して、図示のように、電流を制限して操作
している。この場合、最大トルクは、回転数P1で発生
しており、それより更に回転数を下げても、トルクは上
がらない。
【0022】従って、従来のモーター装置では、リニア
なトルク特性が得られなく、理論的には電流〜トルク上
昇となるべきが、磁気飽和してしまう。また、電流が過
大に流れて、モーターを破損する可能性がある。或い
は、電流を制限してしまうために、トルク特性に制限が
あり、効率的でない。また、高トルク低回転数では、銅
損失が大となり、エネルギー損失が大きくなる。
【0023】本発明のモーター装置では、第1モーター
を定常回転まで回転させ、このとき、第2モーターの負
荷を少なくするために、電力は取り出さないでおく。こ
の状態では、アイドリング状態である。出力もトルクが
あまり発生しない。即ち、第2モーターのトルクの大き
さが、出力トルクになるので、第2モーターを、回転さ
せず、機械的な抵抗によるトルクが多少発生する状態で
ある。ここでの出力回転は”0”としてトルクは無視す
る。このアイドリング状態では、第1モーターはトルク
0の回転数に近い状態にある。従って、ここから、実際
に高トルクの0回転数からの発進駆動をバランス良く行
なうことができる。
【0024】アイドリング状態では、出力回転を”0”
とすると第2モーターは、逆回転している。この第2モ
ーターから電力を取り出すことにより第2モーターに大
きなトルクが発生する。即ち、第1モーターは、第2モ
ーターを回すためのトルクになるまで、回転数が下が
る。第2モーターのトルクと第1モーターのトルクが、
バランスした回転数で安定する。このときの第1モータ
ーの回転数とトルクは、第2モーターの発電に利用され
る。駆動出力は、回転数”0”のため、駆動出力の回転
数は、”0”でも、トルクは第2モーターの回転数、消
費トルクと第1モーターのトルクを加算したトルクが発
生している。
【0025】即ち、出力の回転数”0”の状態では、ト
ルクは、加算した値が得られ、大きな始動トルクを得る
ことができる。しかも、この状態で第1モーターは、効
率の良い回転数になるように調整することができる。且
つ、第2モーターで電力を同時に生み出しているという
優れた特性を有する。また、出力が回転数”0”の状態
から発進した場合、回転数”0”から回転数が上昇する
ことに伴い、第1モーターの回転数と第2モーターの回
転数の比率が一定であるために、第1モーターの回転数
と出力回転数との間に、回転数差が縮まるため、第2モ
ーターの回転数が下がる。すると、下がった状態の第2
モーターの回転数が下がったトルクと、第1モーターの
トルクがバランスした回転数で、自動的に安定する。
【0026】従って、第1モーターの回転数は、出力の
負荷と回転数と、第2モーターのトルクと回転数が互い
に関連しあいながら変化する。そして、停止している状
態、即ち、出力の回転数が”0”の場合、第1モーター
の出力はすべて第2モーターに消費される。また、発進
時は、出力の負荷と回転数に応じた第1モーターの出力
が、差動装置により配分される。残りは、第2モーター
に配分される。また、減速時も同様で、第1モーターの
出力が差動装置により配分される。更に、減速時又は下
り坂などの場合、出力の負荷がマイナスになる場合もあ
る。この場合は、第1モーターの回転数を制限する、例
えば第1モーターを発電用ブレーキ、回生ブレーキとし
て使用することにより、第1モーター、第2モーター双
方からエネルギーを得ることも可能となる。この場合、
第2モーターの回転は逆回転でなく、順回転することと
なる。即ち、出力回転数が”0”の場合でも、駆動モー
ターは高い回転数を維持しながら順回転している。この
ため、駆動モーターは回転速度低下による過電流の防止
が可能であり、消費電力の増大を防ぐことができる。ま
た、駆動モーターと出力との回転速度差が発電モーター
と出力との回転速度差となり(差動比1:1の場合)、
発電モーターは発電を行ない、発電された電力を回生す
ることによりきわめて効率の良いモーター装置となる。
また、その電力を直接駆動モーターに回生すれば、発進
時及び低速走行時のトルクアップが可能となる。また、
構造から出力の回転速度の変動を発電モーターの回転速
度で吸収して駆動モーターの回転速度を定常回転範囲内
に納めることも可能であり、また、逆に駆動モーターの
回転速度で吸収して発電モーターの回転速度を一定にす
ることも可能である。即ち、発電量の制御によりトルク
が制御できるためである。
【0027】本発明のモーター装置は、駆動モーターの
駆動力を差動装置により出力と発電モーターとに分配さ
れ、駆動モーターの機械出力と出力軸の機械出力の差が
すべて発電モーターに分配される。この回生電力の量を
制御することにより出力のトルク特性を、強弱制御する
ことができる。このトルク特性は電流Iと磁束φに比例
するため、トルク制御は従来、電流を制御するか、磁束
を変化させるかして行なわれていたが、本発明では、回
生される電力の量により制御が可能となる。
【0028】次に、実際に数値を挙げて、グラフで説明
する。数値はあくまで説明のためであり、数値自体に何
ら意味がない。説明を簡単にするために、差動歯車の回
転差の比を、1:1として説明する。即ち、第1モータ
ーAのトルク−回転数の曲線を、説明のためのみ用いた
T−N曲線として示す図6として、第2モーターBの発
電時の必要となるトルクと回転数を説明のためのみ用い
た消費トルク−回転数の曲線として示す図7に示す。更
に、図8は、第2モーターBのトルク−回転数の曲線を
示す。図示のように、第1モーターAは、回転数の上昇
とともに、トルクは減少し、第2モーターBは、回転上
昇とともに、トルクは増大する。そして、図8に示すよ
うに、第2モーターを駆動するときは、回転上昇ととも
に、トルクが下がる。
【0029】駆動出力軸の回転数は、左から右へと上昇
する。各P点は、各グラフで示す点に相当している。
【表1】 (但し、機械的損失は考えないものとする)この時、出力
軸のトルクは、第1モーターAのトルク10kg・m(P1)
を2倍した20kg・mのトルク(P5)が発生する(式1、
(x+1)T1=T2より)。
【0031】また、第1モーターAの駆動エネルギー
は、第2モーターBの発電用エネルギーとなるために、
エネルギー損失も少なくて済む(式A、0=T1・N1
3・N 3より)。このとき、回転数”0”の高トルク2
0kg・m(P5)のトルクが発生していても、実際第1モー
ターAは回転しているので、過電流にならず、通常に運
転できる。
【0032】乗り物が発して、出力軸の回転数が100
0rpm(P9)になった場合、駆動モーターと発電モータ
ーの回転数とトルクは、差動歯車の比が、1:1のと
き、駆動モーター、発電モーターとも同じトルクで、バ
ランスするため、式(1)、(2)、(5)より、駆動モータ
ーは回転数3000rpm、トルク5kg−m(P7)で、
発電モーターは回転数(駆動モーターとは逆回転となる)
1000rpm、トルク7kg−m(P8)となる。この時
の出力軸のトルクは、駆動モーターのトルク5kg−m
(P7)を2倍した10kg−mのトルク(p9)が得られ
る。同様に、駆動モーターが(P3)の場合は、発電モー
ターは、(P4)、出力は、(P6)となる。このようにし
て、常に駆動モーター(図6のT−N曲線)と発電モータ
ー(図7のT−N曲線)と駆動出力(出力軸)がバランスし
て、図8のようなT−N曲線の出力が得られる。
【0033】図9は、本発明のモーター装置の2つのモ
ーターを、駆動用又は発電用に組合わせて使用する場合
の構成を示す。その構造は、電気乗り物の駆動源として
最適であるが、また、一般的なモーター駆動装置として
も、利用できる。即ち、第1モーターと第2モーターの
2つのモーターを差動装置を介して直結されて、各モー
ターを、駆動用モーターだけでなく、発電用モーターと
しても利用し、運転状態、走行状態に対して最適な駆動
力と効率を得ようとするものである。そして、効率的な
運転状態を確保する。
【0034】本発明のモーター装置においては、第1モ
ーターと第2モーターとは、差動装置から見て、機能的
にも構造的にも対称型であり、どちらのモーターを駆動
用としてもよく、また、発電用としてもよい。また、両
方のモーターを駆動用としてもよく、即ち、両方のモー
ターを同じ方向に回転させる。また、両方のモーターを
発電用として、即ち、両方同じ方向に回転させて、回生
ブレーキとして利用することもできる。本発明のモータ
ー装置は、従って、2つのモーターについて、発進時に
効率的な駆動−発電の第1モードとして、また、高速運
転時には、駆動−駆動の第2モードとして、減速時即
ち、ブレーキイング時には、発電−発電の第3モードと
して、運転することができる。このような3つのモード
を組合わせて、走行状態、運転状態に応じて切り替える
ことにより、その走行状態、運転状態における最適な駆
動力と効率を得ることが可能となる。
【0035】図9に示されるに、第1モーターA、第2
モーターBには、各々、駆動回生制御装置SWAとSW
Bを介して、電源装置SOAとSOBと接続され、ま
た、回生装置GAとGBに接続されている。そして、駆
動回生制御装置SWAとSWBは、各々、スイッチコン
トロールにより、コントロールされ、各々のモーターか
らの線が、電源装置に接続するか、回生装置に接続され
るかが、制御されている。即ち、各モーターの電気入力
端が、各駆動回生制御装置に接続されている。
【0036】そして、第1モーターと第2モーターと3
つのモードの関係は、次の表に示される。
【表2】
【0037】即ち、モード1では、第1モーターと第2
モーターとは逆方向に回転される。このモードでは、停
止状態から高トルクが必要となる低速域運転でのモータ
ー効率が良い。そして、モード2では、第1モーター、
第2モーターともに、電源からエネルギーが供給され、
同方向に回転され、即ち、駆動軸は、第1モーターと第
2モーターの合計の駆動回転で運転され、高速回転が可
能になる。即ち、出力回転が上がると、駆動モーターの
回転数も上がり、モード1の状態でなくても、モーター
の効率はある程度良くなる。従って、高い回転のとき
は、効率の差が少ないので、両モーターとも、駆動モー
ターとしての方がメリットが大きい。また、モード3で
は、第1モーター、第2モーター共に同方向に回転され
るが、発電モーターとして働かせ、ブレーキイング状態
のときに、作用させる。
【0038】本発明による差動装置において、差動歯車
の比率、即ち、差動比をXとした。差動装置の比率は、
1:1ならX=1で、2:1ならX=2となる。第1モ
ーター側Xで、第2モーター側1としてある。そして、
モード1のとき、第1モーターと第2モーターは、異な
る方向に回転して、第1モーターのトルクと回転数をT1
とN1とし、駆動出力の回転軸の出力トルクと回転数をT2
とN2とし、第2モーターの消費トルクと回転数をT3とN3
とすると、次のようになる。 (X+1)T1=T2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) (N1−XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(2)
【0039】従って、第1モーターによる機械出力は、
摩擦等による損失を考えないと、回転数(rpm)×トルク
となり、T1・N1であり、第2モーターからの機械入力
は、回転数(rpm)×トルクとなり、T3・N3である。よっ
て、差動装置の出力の機械出力は、回転数(rpm)×トル
クとなり、T2・N2である。従って、 T2・N2=T1・N1−T3・N3・・・・・・・・・・・・・(3) となる。従って、駆動軸のトルクは、X=1のときは、
駆動モーター(第1モーター)のトルクの2倍になるが、
その回転数N2は、第2モーターの出力0のとき、即ち、
第2モーターが回転しないとき、第1モーターの回転数
の1/2(X=1)になる。また、第1モーターと第2モ
ーターの入出力トルクの関係は、 XT1=T3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) とな
る。モード1では、出力側の回転軸の回転を、(N1−X
N3)/(X+1)にまで上げることができ、トルクは、(X+1)
T1にまでに上がる。
【0040】次に、モード2の場合、第1モーターと第
2モーターは、同方向に回転しており、 (N1+XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(4)となる。そ
して、第1モーターによる機械出力は、摩擦等による損
失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとなり、T1・N1
ある。従って、第2モーターの機械出力は、回転数(rp
m)×トルクとなり、T3・N3である。よって、差動装置の
出力の機械出力は、第1モーターの出力と第2モーター
の出力の合計であり、それは、回転数(rpm)×トルクと
なり、T2・N2であるので、 T2・N2=T1・N1+T3・N3・・・・・・・・・・・・・(5) となる。また、第1モーターと第2モーターの入出力ト
ルクの関係は、 XT1=T3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) とな
る。
【0041】また、モード3の場合、第1モーターと第
2モーターは、同方向に回転しておりが、両方とも発電
モーターである。 (N1+XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(4)となる。そ
して、第1モーターによる機械出力は、摩擦等による損
失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとなり、T1・N1
ある。従って、第2モーターの機械出力は、回転数(rp
m)×トルクとなり、T3・N3である。よって、差動装置の
出力の機械出力は、第1モーターの出力と第2モーター
の出力の合計であり、それは、回転数(rpm)×トルクと
なり、T2・N2であるので、 T2・N2=−(T1・N1+T3・N3)・・・・・・・・・・・・・(7) となる。これは、機械出力がマイナスであり、機械入力
となり、発電力が発生することを示す。
【0042】以上の式からも分かるように、モード2及
びモード3では、同一方向に回転(順回転)するために、
2つのモーターは、差動装置を介して、それらの回転エ
ネルギーは、トルク×回転数の合計となっている。従っ
て、モード2とモード3では、1つモーターを用いる機
構と等価であり、何ら技術的意味は見られない。然し乍
ら、モード1の運転と組合わせて、運転できることを考
えると、本発明のモーターの構成が、技術的意味を持つ
こととなる。即ち、モード1では、停止状態からの回転
開始まもなくでも、また、発進時でも高い効率を得るこ
とができる。
【0043】即ち、本発明のモーター装置において、モ
ード1が最も技術的な意味があるが、モード2、3と組
合わせて、全体として、モーターを有効活用するに適す
る構成も本発明のモーター装置である。そして、このよ
うなモード切り替えは、図3の駆動回生制御装置SWA
及びSWBを制御して行なうが、これは、手動式でも良
く、自動制御でも良い。そして、モード1は、低速モー
ドであり、モード2は高速モードであり、モード3は減
速モードとなる。
【0044】以上のモードを切り替える場合には、モー
ターの回転方向を変える必要があることがある。例え
ば、モード1から他のモード、即ち、モード2或いはモ
ード3に変えるとき、及び、モード2或いはモード3か
らモード1に変える場合には、一方のモーターの回転方
向を逆にする必要がある。モーターの回転軸は、駆動か
ら発電へ、或いは発電から駆動に転換し、回転方向が変
わるために、過大な電流が流れて、モーターを損失させ
る恐れがあるが、この状態を防止し、尚且つ切り替えを
円滑に行なわせるために、回転方向が替わるまで、該回
転方向が替わるモーターを電源から切り離された状態と
し、他方のモーターの回転力を変えることにより、モー
ターの回転方向を替えるようにする。このことにより、
切り替えが円滑に行なえる。
【0045】その他の場合、即ち、モード2からモード
3へ転換する場合と、モード3からモード2に転換する
場合、回転方向は同じであるから、駆動回生制御装置S
WA及びSWBのスイッチコントロールを駆動から回生
に、即ち、電源から回生装置に転換すれば、或いはその
逆に転換すれば、モード2から3或いはモード3から2
に転換することができる。図3は、本発明のモーター装
置の原理を説明するための図である。即ち、第1モータ
ー(A)と差動装置(C)と第2モーター(B)から基本的に
構成され、第1モーターAと第2モーターBの差動出力
が、差動装置の出力軸(3)から、出力される。基本的に
は、第1モーターAが駆動モーターとして、第2モータ
ーBが発電モーターとして、そして、その両者に介在す
る差動装置Cが設けられることを示す。即ち、上記のモ
ード1の場合で、本発明の構成を示すものである。そし
て、図9は、本発明のモーター装置の制御方法を説明す
るための図である。図9は、本発明のモーター装置の2
つのモーターを、駆動用又は発電用に組合わせて使用す
る場合の構成を示す。その構造は、電気乗り物の駆動源
として最適であるが、また、一般的なモーター駆動装置
としても、利用できる。即ち、第1モーターと第2モー
ターの2つのモーターを差動装置を介して直結されて、
各、モーターを、駆動用モーターだけでなく、発電用モ
ーターとしても利用し、運転状態、走行状態に対して最
適な駆動力と効率を得ようとするものである。そして、
効率的な運転状態を確保する。
【0046】ここで、図3の構成図によるモーター装置
と図9の構成図によるモーター装置の差異を簡単に述べ
る。
【0047】先ず.第1モーター(M1)を駆動用とし
て、第2モーター(M2)を発電用として使用する場合
を、図10に示す。図で、SCは電源を表わす。 1.第2モーター(M2)の電源端子に負荷抵抗を設け
る。即ち、発電側に負荷抵抗を入れたものである。発電
による電力は、抵抗により消費され損失は大きいが回路
が単純で汎用性があり(小型駆動モーターなどあらゆる
分野のモーター装置として利用可能)、また、モーター
の種類(交流、直流)を問わない。また、本発明の特徴で
ある出力0回転時からの使用が可能である。このため、
駆動側が直流モーターの場合、回転中に外部からの機械
的負荷により出力回転が止められても、駆動側モーター
にかかる負担は大きくならないので、過電流防止策を講
じなくてもよい。これに対し、駆動側が交流モーターの
場合、駆動モーターのトルクの高い回転域の範囲内で、
出力0回転時からの使用が可能となる。また、本発明の
モーター装置においては、モーターの回生電力の量(負
荷)を制御することにより、出力のトルク特性を、強弱
制御することができる。従来、トルク制御は、電流を制
御するか磁束を変化させるかして行なわれていたが、本
発明のモーター装置では、回生される電力の量により制
御が可能となる。このため、負荷抵抗の値を変えること
により、トルクの値も変えられる。勿論、負荷抵抗を可
変抵抗にしても良い。
【0048】次に、発電力を回生させる場合の制御方法
について説明する。昇圧回路を設けないで、発電力を回
生することもできる。そのためには、充電電圧又は駆動
側供給電圧よりも高い電圧になるように、第2モーター
(M2)の磁束を大きくするか、又は、回転速度を上げる
ための差動比の調整が必要となる。起電力Eと、回転数
Nと磁束Φの関係は、 E[V]=K・N・Φ である。(但し、Kは係数である。)従って、以下の方法
により昇圧しなくても回生することができる。先ず、差
動比を変えて出力0回転時に、M1よりM2の回転を大
きくする。或いは、M1よりM2の磁束を大きくする。
或いは、別電源に充電し、充電電流を低くしておく。
【0049】2.次に、図11Aに示す、逆流防止ダイ
オードD1を介して駆動モーター(M1)に直接回生する回
路である。M1、M2とも直流モーターである。ダイオ
ードD1は、逆流防止用のダイオードであり、回生電流
を直接駆動モーターに供給させる。図で、SCは電源を
表わす。
【0050】3.次に、図11Bに、M2が交流モータ
ーの場合の、逆流防止ダイオードが整流器RTに置き換
えた回路を示す。M1は直流モーターである。整流器R
Tとしては、トランジスタ素子を用いることができる
が、トランジスタ素子に限るものではなく、サイリス
タ、GTO、IGBT、FETなど種々の半導体素子を
用いることができる。
【0051】4.回生電力を充電器に充電する場合につ
いて、説明する。逆流防止ダイオード(M2が直流モー
ター)又は整流器(M2が交流モーター)と充電器の間
に、定電圧回路を設ける。これは、M2で発電される電
圧が一定でないために、電圧変動を定電圧回路で一定に
して充電器に充電する。従って、このための制御回路の
概略は、図12Aに示される。そのための一番簡単な定
電圧回路の具体例を、図12Bに示す。
【0052】5.前記の2.3.4で十分な起電力が得
られず、回生できない場合では、昇圧回路を、M2と逆
流防止ダイオード又は整流器の間に設け、M2の起電力
を昇圧して回生することができる。この制御回路の概略
を、図13Aに示す。ここで、M1は直流又は交流モー
ターであり、M2も直流又は交流モーターである。この
ような制御回路のための昇圧回路の具体例を、図13B
(M2が直流モーターの場合)、と図13C(M2が交流
モーターの場合)に示す。図13Bの回路では、チョッ
ピング信号活性器でチョッピング信号を発生させて、そ
れにより、発電電圧をチョッピングし、昇圧する。図1
3Cの回路では、昇圧トランスにより、M2からの発電
電圧を昇圧するものである。
【0053】6.前記の2.3.4.5の場合、出力の
回転上昇に伴い、M2の回転速度が下がり、それに伴
い、発電電圧が下がるため、ある速度以上になると発電
力が回生されなくなる。この状態では、M2の負荷はか
からなくなるので、出力のトルクは下がり、出力の速度
も上がらなくなる。これは、発電時の負荷と駆動側の負
荷とがバランスし、その負荷の和が出力トルクになるた
めである。そこで、回生されなくなった場合でも、負荷
トルクを発生させて、出力のトルクと回転速度を限界点
近くまで上昇可能にするための回路を、図14に示す。
ここで、限界点とは、差動比を1:1とした場合、最大
出力回転速度=駆動側回転速度/2である(即ち、発電
側の回転はない)。出力トルク=駆動側トルク+発電側
トルクとなる。
【0054】逆流防止ダイオード又は整流器とM1又は
定電圧回路の間には、図14の負荷回路を設ける。即
ち、図14の回路が、制御回路2.3.4.5に負荷さ
れる。オペアンプでダイオードの入力点と出力点との電
圧を比較して、出力点の方が電圧が高い場合、回生され
ていないと判断して、スイッチングトランジスタをON
にして、M2の回生電力が抵抗に流れるようにする。但
し、ダイオードの電圧降下分は考慮するものとする。ま
た、回生されている場合は、ダイオードの入力点の方が
電圧が高くなるので、スイッチングトランジスタはOF
Fのままで抵抗には流れないようにする。これにより、
回生されていないときも、負荷がM2にかかるようにで
きる。
【0055】次に、第1モーター(M1)を駆動用又は発
電用として、第2モーター(M2)を発電用又は駆動用と
して利用する場合を、説明する。図15に、そのための
制御回路の概要を示す。図15において、モーターM1
を制御する駆動回生制御1を制御するパターン制御信号
と、モーターM2を制御する駆動回生制御2を制御する
パターン制御信号があり、パターン制御信号により、駆
動制御が、ON状態となり、この状態を順回転時の状態
とすると、逆回転時の状態は、駆動制御1はOFF状態
で回生制御1はON状態で、駆動制御2はON状態で、
回生制御2はOFF状態となる。順回転のとき、駆動制
御1がON状態で、即ち、モーターM2が発電モーター
として働き、このとき、モーターM1とモーターM2は
逆回転している。順回転している出力の回転方向は、駆
動側即ち、モーターM1と同じ方向で回転する。
【0056】M1には、M1を制御する駆動回生制御1
が設けられる。それは、以下のような3パターンの制御
で行なわれる。 1.駆動状態:M1に電力供給を行なう;即ち、M1駆
動である。 2.回生状態:電源にM1の発電力を回生する;即ち、
M1回生である。 3.OFF状態:M1モーター電気回路を開いた状態に
する;即ち、M1電源切断である。
【0057】M2には、M2を制御する駆動回生制御2
が設けられる。それは、以下のように、5パターンによ
り駆動回生制御2を制御する。 1.駆動状態(順回転):M1と同相回転となるようにM
2に電力供給を行なう;以下M2順駆動とする。 2.駆動状態(順回転):M1と逆相回転となるようにM
2に電力供給を行なう:以下M2逆駆動とする。 3.回生状態(順回転):電源にM1と同相回転している
M2の発電力を回生する;以下M2順回生とする。 4.回生状態(逆回転):電源にM1と同相回転している
M2の発電力を回生する;M2逆回生とする。 5.OFF状態:M2モーター電気回路を開いた状態に
する;電源切断;以下M2切断とする。
【0058】図15の駆動回生制御1と駆動回生制御2
の制御パターンを組合わせることにより、走行状態に適
したモーター駆動制御が可能になる。この組合わせで
は、単純に組合わせを考えると、3パターン×5パター
ンで、15通りの組合わせが可能である。但し、矛盾又
は意味のない組合わせもあるので(即ち、例えば、M1
駆動で、M2逆回転駆動は不可能である)、実際に利用
する組合わせは以下の表2及び4に示されるようにな
る。また、その組合わせの制御において、どのような特
徴があるか簡単に表2に記述する。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】次に、M2の回転方向が変わるときのイン
ターバル制御(回転方向遷移制御)を説明する。前記制御
2は、M2の回転方向がパターンにより変わる。この回
転方向の変わり目で、無駄な電力を消費したり、モータ
ーに高負荷をかけてしまう。これを防止し、スムーズに
回転方向を切り替えることができるようにした制御回路
のブロック図を、図16に示す。即ち、制御1パターン
信号入力と制御2パターン信号入力が、各々、本発明に
よる回転方向遷移制御回路に入り、各々、パターン信号
変更回路1と同回路2に入力し、各々、回転方向変更ト
リガー出力からのトリガーパルスにより、変成されて、
各々制御1パターン信号及び制御2パターン信号とし
て、各々、制御1(即ち、駆動回生制御1)及び制御2
(駆動回生制御2)に入力し、モーターM1、M2を制
御する。
【0062】図16のブロック図において、回転方向変
更トリガー出力では、次のような制御2のパターン信号
入力により、1パルスだけでトリガー出力となる。(従
って、パルス幅は、任意に設定できる) 1.制御2パターン信号が、M2逆回生からM2順駆動
に変わるとき. 2.制御2パターン信号が、M2順回生からM2逆駆動
に変わるとき、そして、パターン信号変更回路1は、回
転方向変更トリガー出力からのトリガー信号が来る間だ
け、制御1パターン信号入力を、以下のように変化させ
る。 1.M1駆動の場合、M1回生にする。 2.M1回生の場合、M1駆動にする。 そして、パターン信号変更回路2は、回転方向変更トリ
ガー出力からのトリガーパルスが来る間だけ、制御2パ
ターン信号入力を、M2切断に変更する。
【0063】次に、具体的な制御について、両方のモー
ターとも、DCブラシモーターのときと、両方とも、D
Cブラシレスモーターについて、説明する。M1、M2
にDCブラスモーターを使用した場合、制御1、制御2
の回路に、以下のもの(図17A及び17B)を利用す
る。
【0064】図17Aの制御1回路では、トランジスタ
TR1とTR2によりスイッチングを行なう。即ち、 1.M1駆動のとき、TR2をOFFにし、TR1をO
Nにする。モーターM1に、電圧を掛けて、駆動する。 2.M1回生のとき、TR1をOFFにし、TR2にチ
ョッピングパルスをかけて、M1の起電力を昇圧し、ダ
イオードD1を通して、電源装置に電力を回生する。 3.M1切断のとき、TR1、TR2の両方とも、OF
Fにする。
【0065】図17Bの制御2回路では、4つのトラン
ジスタTR1、TR2、TR3、TR3と4つのダイオ
ードD1、D2、D3、D4により、第2モーターM2
に対してスイッチングを行なう。即ち、 1.M2順駆動のとき、TR2、TR3をOFFにし、
TR1、TR4をONにする。モーターM2に、電圧を
掛けて、順方向回転に駆動する。 2.M2逆駆動のとき、TR2、TR3をONにし、T
R1、TR4をOFFにする。モーターM2に、逆電圧
を掛けて、逆方向回転に駆動する。 3.M2順回生のとき、TR1、TR2、TR3をOF
Fにし、TR4にチョッピングパルスをかけて、M2の
起電力を昇圧し、ダイオードD1を通して、電源装置に
電力を回生する。 4.M2逆回生のとき、TR1、TR3、TR4をOF
Fにし、TR2にチョッピングパルスをかけて、M2の
起電力を昇圧し、ダイオードD2を通して、電源装置に
電力を回生する。 5.M1切断のとき、TR1、TR2、TR3、TR4
のすべてを、OFFにする。
【0066】次に、M1、M2ともにDCブラシレスモ
ーターを使用した場合、図18Aの制御回路を用いる。
図18Aの制御1(駆動回生制御1)でも、制御2(駆
動回生制御2)でも、モーターに対して、回転センサー
で、回転位置検出して、パターン制御信号を送り、正確
に制御することができる。そして、図18Bは、DCブ
ラシレスモーターの駆動装置で、図18Aの駆動装置の
詳細である。
【0067】図18Aの制御1(駆動回生制御1)で
は、3種類のパターンで制御する。 1.M1駆動:回転位置を検出して、該当位置に対応す
る駆動装置のトランジスタをON、OFF制御して、回
転力を与える(通常のブラシレスモーターの制御と同様
である)。 2.M1回生:S1、S3、S5をOFFにして、S
2、S4、S6をチョッピングして、電圧を昇圧し、D
1、D3、D5を通して、電源に回生させる。 3.M1切断:S1からS6まで全てOFFにする。
【0068】同様の制御2(駆動回生制御2)では、5
種類のパターンで制御する。 1.M2順駆動:回転位置を検出して、該当位置に対応
する駆動装置のトランジスタをON、OFF制御して、
M1と同相の回転力を与える(通常のブラシレスモータ
ーの制御と同様である)。 2.M2逆駆動:回転位置を検出して、該当位置に対応
する駆動装置のトランジスタをON、OFF制御して、
M1と逆相の回転力を与える 3.M2順回生:S1、S3、S5をOFFにして、S
2、S4、S6をチョッピングして、電圧を昇圧し、D
1、D3、D5を通して、電源に回生させる。 4.M2逆回生:M2順回生と同様。 5.M2切断:S1〜S6まで全てOFFにする。
【0069】出力が順回転時の制御駆動回路をONにし
モーターを駆動し、回生回路はOFFとする。これによ
りモーターは駆動モーターとして機能する。駆動制御回
路をOFFにしモーターに電力供給を行なわないで、回
生回路をONにし、モーターの回転(モーターM1の駆
動力による回転がモーターM2に逆回転の回転力として
生じる)により発生した起電力を、回生回路でチョッピ
ング信号を出して、チョッピングブースト型の昇圧を行
ない、昇圧された回生電流をダイオードD1、D3、D
5を通して、電源に回生するとともに、モーターの供給
電力にもなる。このとき、駆動回路はOFFにする。そ
して、出力が逆回転時の制御は、駆動制御回路をONに
し、モーターを駆動し、回生回路はOFFとし、モータ
ーは駆動モーターとして機能し、他のモーターの回生回
路をONにし、そのモーターの回転により発生した起電
力を回生回路でチョッピング信号を駆動回路M1のS
1、S3、S5により、チョッピングブースト型の昇圧
を行ない、昇圧された回生電流をダイオードD2、D
4、D6を通して、電源に回生する。
【0070】以上、一般的なブラシモーターと 一般的
なDCブラシレスモーターの駆動回生制御回路を示し
た。ここでは、スイッチ素子として、トランジスタ素子
を用いたが、トランジスタ素子に限ることなく、サイリ
スタ、GTO、IGBT、FETなどの種々の半導体素
子やリレーを用いることができる。
【0071】以上のモード即ち、低速モード、高速モー
ド、減速モードなどを手動で切り替えて走行することが
できるし、自動制御することもできる。次に、その自動
走行について、図19に、基づいて説明する。電子的に
制御する方式について、図19のブロック図で説明す
る。
【0072】即ち、本発明のモーター装置は、例えば、
自動車の駆動装置として用いる場合、図19のブロック
図に示すような走行命令信号により、本発明のモーター
装置が制御されて、適切に運転される。その場合の命令
入力信号と、モーター装置のモードの関係を、図20の
表に示す。ブレーキON、OFFの2通り、アクセルO
N、OFFの2通り、車速:高速、中速、低速の3通り
で、2×2×3=12通りについて、検討した。また、
Pは駐車、Bはバック、Nはニュ−トラルで、Dはドラ
イブ等である。ところで、ブレーキON、アクセルON
は無意味であり、また、高速、中速でのP、Bは意味な
い。本発明のモーター装置は、制御調整できる機構であ
る。
【0073】次に、本発明のモーター装置を具体的に実
施例により説明するが、本発明はそれらによって限定さ
れるものではない。
【0074】
【実施例1】図4は、本発明のモーター装置の差動装置
の1例を模式的に示す断面図である。第1モーターAの
回転軸(2)の差動装置の回転軸は、サイドギア7の回転
で、ピニオンギア9、10を回転させ、ピニオンギア
9、10にはピニオンシャフト(6)が貫通していて、ケ
ースとともにピニオンシャフト6が矢印のように、或い
は矢印と逆の回転に、回転する。この回転出力が、駆動
出力(B)となる。即ち、ピニオンシャフト6には、ピニ
オンギア9、10が組み込まれ、このピニオンギア9、
10はピニオンシャフト6とともに同回転(公転)する
が、図示のように自転することができる。そして、サイ
ドギア8と噛み合わされ、サイドギア8を回転させるこ
とができる。サイドギア8は、第2モーターBの回転軸
(4)に直結される。
【0075】従って、差動装置ケースごとに、同方向に
同回転する場合、第1モーターAの回転軸(2)と第2モ
ーターBの回転軸(4)と駆動出力軸(3)は、一緒に回転
する。そして、第2モーターBの回転軸(4)を”0”回
転にすると、駆動出力(3)は、第1モーターAの回転軸
(2)の回転数の半分の回転数で回転する(差動歯車の回
転差の比を、1:1とした場合)。駆動出力軸(2)が回
転数”0”とした場合、第2モーターBの回転軸(4)
は、第1モーターAの回転とは逆回転で、同回転数で回
転する。ここでは、差動歯車の回転差の比は、1:1と
なる。
【0076】
【実施例2】図5は、プラネタリーギアを利用した本発
明のモーター装置を示す。プラネタリーギアを、差動装
置として用いたものである。即ち、サンギア24を第1
モーター回転軸Aに結合し、プラネタリーキャリヤ21
を駆動出力回転軸(3)に結合し、インターナルギア23
を第2モーター回転軸Cと結合してあるものである。サ
ンギア24、プラネタリーキャリヤ(アーム)21、イン
ターナルギア23の3要素のうち、どれか1つを完全に
固定して、他の1つから入力すると、残った1つが減速
されたり、増速されたり、逆転する。即ち、図4での、
回転軸2が、サンギア24に相当し、回転軸4が、イン
ターナルギア23に相当し、回転駆動軸3が、プラネタ
リーキャリヤ21に相当している。
【0077】このプラネタリーギアを用いた本発明によ
るモーター装置の例を、図27の断面図に示す。第1モ
ーターAは、図示のようにモーター固定部(コイル)16
とモーター回転部(磁石)17よりなり、磁石17を固定
した回転軸2が、ベアリング10’を介して出力軸3の
周りを回転する。その回転軸2に固定されたサンギヤ1
4は、プラネタリーピニオンギア12に係合して、回転
しおり、プラネタリーピニオンギア12は、プラネタリ
ーアーム11に固定されている。そして、プラネタリー
アーム11は、出力軸3に固定されて、回転する。そし
て、プラネタリーピニオンギア12の他の一端歯には、
インターナルギア13の内歯が係合されている。
【0078】そして、インターナルギア13の背面に
は、磁石18とコイル19より基本的になる第2モータ
ーBの磁石18が固定されている。そして、このインタ
ーナルギア13は、ベアリング10”を介して出力軸3
の周りを回転する。従って、第1モーターAのコイル1
6とモーターBのコイル19は、図示のように、このモ
ーター装置のフレームDに固定されている。即ち、第1
及び第2のモーターは、DCブラシレスモーターであ
る。
【0079】
【実施例3】図21は、図27に示されるモーター装置
を簡単化して示したものである。図21では、第1及び
第2のモーター211、211’の各々のローターシャ
フト212、212’の中に出力回転軸216が同軸上
に挿入され、出力軸216にはプラネタリーキャリア2
15(プラネタリーピニオン腕)が固定される。このプ
ラネタリーキャリア215には、ピニオンシャフト21
4’を通してプラネタリーピニオンギア214が回転可
能な状態で配設される。このプラネタリーキャリア21
5は、ベアリング21を介して、回転軸中心軸217に
配設される。
【0080】このプラネタリーピニオンギア214と噛
み合うように、インターナルギア213’とサンギア2
13が設けられる。サンギア213は、第1のモーター
のローターシャフト212に固定されている。そして、
インタ−ナルギアギア213’は、第2のモーターのロ
ーターシャフト212’に固定されている。
【0081】サンギア213とインターナルギア21
3’も、出力軸216を通すために中空である。2つの
モーター211と211’は、サンギア213とインタ
ーナルギア213’を中に向けた状態でプラネタリーピ
ニオンギア214を挾むように向かい合って組み立てら
れ、第1、第2のモーターを固定するケース210内に
納められる。また、出力回転軸216は、ケース210
の両端にベアリング21’を介して回転可能なように固
定される。モーター211、211’は、DCブラシモ
ーターでも、DCブラスレスモーターでも交流モーター
でも良く、中空のローターシャフト212、212’に
したモーターである。また、DCブラシレスモーターの
場合、単体のDCモーターに回転位置を検出する手段が
内蔵されているものが好適である。そして、第1モータ
ーと第2モーターは、必要により、入れ換えることもで
きる。
【0082】
【実施例4】図22の装置は、図21の装置のプラネタ
リーピニオンギアを、2つのピニオンギア224、22
4’で置き替えて、差動比の自由度を高め(1:1でも
可能)る構造のものである。即ち、図22では、モータ
ー221、221’の各々のローターシャフト222、
222’の中に出力回転軸226が同軸上に挿入され、
出力軸226にはプラネタリーキャリア225が設けら
れる。このプラネタリーキャリア225は、出力軸22
6に固定されている。プラネタリーキャリア225に、
プラネタリーピニオンギア224、224’のシャフト
224”が、回転可能な状態で配設される。このシャフ
ト224”の両端にプラネタリーピニオンギア224、
224’が、固定される。このプラネタリーピニオンギ
ア224’と噛み合うように、インターナルギア22
3’が設けられ、プラネタリーピニオンギア224と噛
み合うように、サンギア223が設けられる。サンギア
223は、第1のモーターのローターシャフト222に
固定されている。そして、インターナルギアギア22
3’は、第2のモーターのローターシャフト222’に
固定されている。
【0083】サンギア223とインターナルギア22
3’は、出力軸226を通すために中空である。2つの
モーター221、221’は、サンギア223とインタ
ーナルギア223’を中に向けた状態でプラネタリーピ
ニオンギア224、224’を挾むように向かい合って
組み立てられ、第1及び第2のモーター221、22
1’を固定するケース220内に納められる。また、出
力軸226は、ケース220の両端にベアリング22’
を介して回転可能なように固定される。第1と第2のモ
ーターは、DCブラシモーターでも、DCブラスレスモ
ーターでも、交流モーターでも良く、各々、中空のロー
ターシャフト222、222’に固定したモーターであ
る。また、DCブラシレスモーターの場合、単体のDC
モーターに回転位置を検出する手段が内蔵されているも
のが好適である。
【0084】実施例3との違いは、プラネタリーピニオ
ンギアとして、歯数の違う2つの歯車224、224’
を用いた点である。そのために、第1モーターと第2モ
ーターとの伝達力の割合を変えることができる。即ち、
差動比の自由度を大きくとることができる。そして、第
1モーターと第2モーターは、必要により、入れ換える
こともできる。
【0085】
【実施例5】図23は、基本的に、図4の差動歯車を用
いた本発明によるモーター装置である。図23では、第
1と第2のモーター231、231’の各々のローター
シャフト232、232’の中に出力回転軸236が同
軸上に挿入され、出力軸236にはピニオンシャフト2
35が固定されており、このピニオンシャフト235に
は、その両端にピニオンギア234、234’が回転可
能に設けられ、そのピニオンギア234には、サイドギ
ア233、233’が噛み合わされて配置される。各々
のサイドギア233、233’は、第1、第2のモータ
ー231、231’の各々のローターシャフト232、
232’に固定されている。
【0086】サイドギア233、233’も、出力軸2
36を通すために中空である。2つのモーター231、
231’は、サイドギア233、233’を中に向けた
状態でピニオンギア234を挾むように向かい合って組
み立てられ、第1、第2モーター231、231’を固
定するケース230内に納められる。また、出力軸23
6は、ケース230の両端にベアリング23’を介して
回転可能なように固定される。第1、第2モーターは、
DCブラシモーターでも、DCブラスレスモーターで
も、交流モーターでも良く、各々中空のローターシャフ
ト232、232’に固定したモーターである。また、
DCブラシレスモーターの場合、単体のDCモーターに
回転位置を検出する手段が内蔵されているものが好適で
ある。
【0087】更に、以上の実施例3、4、5に対して、
各モーター装置に、更に、左右車輪に駆動出力を配分す
る差動歯車を同軸上に配設して、1つのケースに納めた
ものができる。このことにより、非常にコンパクトな自
動車駆動装置となる。従来の差動歯車ケースの位置に、
本発明のモーターを駆動装置として置くことができる。
【0088】
【実施例6】図24では、実施例2、図21のモーター
装置で、差動装置242、243、243’を同軸に設
けたものである。即ち、出力回転軸216とプラネタリ
ーキャリア215’の間に、左右輪駆動力分配用差動装
置242、243、243’を内蔵する。これにより、
出力回転軸Aと出力回転軸Bは、各々左右の駆動輪に直
結できる。差動装置242、243、243’は、駆動
軸Aに固定されるサイドギア243と駆動軸Bに固定さ
れるサイドギア243’と噛み合っているピニオンギア
242よりなる。このピニオンギア242が回転可能に
配されているピニオンシャフト245は、プラネタリー
キャリア215に回転可能に固定されている。
【0089】これに対して、実施例4に示す歯数の異な
る2つのプラネタリーピニオンギア224、224’を
用いることもできる。即ち、出力回転軸226とプラネ
タリーキャリア225’の間に、左右輪駆動力分配用差
動装置242、243、243’を内蔵する。これによ
り、出力回転軸Aと出力回転軸Bは、各々左右の駆動輪
に直結できる。差動装置242、243、243’は、
駆動軸Aに固定されるサイドギア243と駆動軸Bに固
定されるサイドギア243’と噛み合っているピニオン
ギア242よりなる。このピニオンギア242が回転可
能に配されているピニオンシャフト245は、プラネタ
リーキャリア225に回転可能に固定されている。プラ
ネタリーシャフト245を通して動力が伝達される。そ
して、サイドギア243、243’に各々タイヤホイ−
ルが固定され、動力は、左右にタイヤに伝達される。
【0090】
【実施例7】図25では、実施例5、図23のモーター
装置で、差動装置252、253、253’を同軸に設
けたものである。即ち、出力回転軸236とピニオンシ
ャフト235の間に、左右輪駆動力分配用差動装置25
2、253、253’を内蔵する。これにより、出力回
転軸Aと出力回転軸Bは、各々左右の駆動輪に直結でき
る。差動装置252、253、253’は、駆動軸Aに
固定されるサイドギア253と駆動軸Bに固定されるサ
イドギア253’と噛み合っているピニオンギア252
よりなる。このピニオンギア252が回転可能に配され
ているピニオンシャフト235、255は、ピニオンギ
ア234のピニオンシャフトにもなり、それより動力が
伝達される。そして、サイドギア253、253’に各
々タイヤホイ−ルが固定され、動力は、左右にタイヤに
伝達される。
【0091】
【実施例8】図26では、実施例4、図22のモーター
装置を、車輪ホイール中に同軸に組み込んだものであ
る。第1と第2のモーター221、221’の各々のロ
ーターシャフト222、222’の中に出力回転軸22
6が同軸上に挿入され、出力軸226にはプラネタリー
キャリア225’が設けられる。このプラネタリーキャ
リア225’は、出力軸226に固定されている。プラ
ネタリーキャリア225’に、プラネタリーピニオンギ
ア224、224’のシャフト224”が、回転可能な
状態で、に配設される。このシャフト224”の両端に
プラネタリーピニオンギア224、224’が、固定さ
れる。このプラネタリーピニオンギア224’と噛み合
うように、インターナルギア223’が設けられ、プラ
ネタリーピニオンギア224と噛み合うように、サンギ
ア223が設けられる。サンギア223は、第1のモー
ターのローターシャフト222に固定されている。そし
て、インターナルギアギア223’は、第2のモーター
のローターシャフト222’に固定されている。
【0092】サンギア223とインターナルギア22
3’は、出力軸226を通すために中空である。2つの
モーター221、221’は、サンギア223とインタ
ーナルギア223’を中に向けた状態でプラネタリーピ
ニオンギア222、222’を挾むように向かい合って
組み立てられ、第1及び第2のモーター221、22
1’を固定するケース220内に納められる。また、出
力軸226は、ケース220の両端にベアリング22’
を介して回転可能なように固定される。第1と第2のモ
ーターは、DCブラシモーターでも、DCブラスレスモ
ーターでも、交流モーターでも良く、各々、中空のロー
ターシャフト222、222’に固定したモーターであ
る。このプラネタリーシャフト225の最外周部にタイ
ヤ261を固定してある。
【0093】即ち、駆動出力は、プラネタリーシャフト
225の外周輪の回転出力から取り出せるようにし、本
発明のモーター装置を、ケース220に納めてある。そ
して、出力外周をタイヤホイール261とし、その外側
外周にタイヤ261を装着することにより、タイヤ、ホ
イール、駆動モーターを一体とすることができる。特
に、二輪車等に利用すると、本発明のすぐれた特徴を、
生かしつつ非常にコンパクトな自動車駆動装置となる。
また、これは、二輪車に限るものでなく、広く電気乗り
物に利用できる。即ち、左右の車輪に各々、図26の装
置を、独立して固定し、独立に制御するようにできる。
2つの本発明のモーターを対として、駆動装置として機
能させることができる。
【0094】更に、実施例5、図23のモーター装置
を、実施例8、図26のように、ピニオンシャフトの外
周にタイヤを付けて、同様な一体化モーター駆動装置を
提供することができる。
【0095】
【発明の効果】本発明のモーター装置は、図示のような
構造により、次のごとき技術的効果があった。即ち、第
1に、直流モーターのすぐれたトルク−回転数特性を生
かしつつ欠点である高トルクで”0”回転数のときの過
電流防止や、発電回生による消費電力の節約を行なうモ
ーター装置を提供した。即ち、高トルクの状態で車を発
進でき、運転を円滑に開始できる。即ち、出力回転が0
でも、モーターは回転している、このことは回転してい
ない場合に比べてモーターの効率が良いことになる。モ
ーターの駆動出力は差動装置を介して発電モーターと出
力に分配され、出力回転が0の場合、すべて発電モータ
ーに分配されるため発電モーターの起電力を回生させる
ことにより極めて消費電力が少なくてすむ。第2に、即
ち、第1モーターと第2モーターが互いに逆回転させ、
第1モーターを駆動用、第2モーターを発電用にしたと
き、駆動用の第1モーターを中〜高速回転を維持したま
ま、出力の回転範囲が0回転から中速回転まで変動して
利用することが可能であり、以下の効果をもたらす。即
ち、出力0回転からの高トルク発進や回転変動の大きい
場合でも、バッテリー及び制御回路の負担が軽減でき、
駆動モーターの回転数の変動が少ないので、電流変動が
少なくてすむ。また、モーターの許容回転数範囲が狭く
ても、その狭い範囲を利用して0回転からの使用が可能
であり、交流モーターなどの低速で低トルクのモーター
でも最高のトルクと効率の回転数の範囲で運転すること
ができる。更に、出力が0回転或いは低速回転のとき、
高トルクで、長時間にわたり、状態維持が可能である。
モーター自体は定常回転で回転可能なためである。更
に、直流モーターの磁気飽和を防止でき、モーター自体
は低速回転にする必要なない。そして、直流モーターの
過電流防止回路等の電流制限の回路が不要にできる。ま
た、モーター運転中、外部負荷の変動により出力回転が
止められても、また、外部負荷で逆回転させられても影
響なく、モーターの運転が可能である。
【0096】第3に、第1モーターと第2モーターが互
いに逆回転させたとき、第1モーターを駆動用、第2モ
ーターを発電用にし、発電用の第2モーターの発電量を
制御することにより、出力トルクを制御できることを意
味し、以下の効果をもたらす。モーターの種類を選ば
ず、トルク制御が可能となり、電圧制御できないモータ
ーでも、磁束制御できないモーターでも使用できること
になる。これは交流でも直流でもモーター本来の機能で
ある駆動又は発電ができるモーターであれば、トルク制
御が可能となる。また、第2モーターの発電量を0にす
ることにより、発電による負荷トルクはなくなり、発電
側は空回り状態として、駆動用モーターの駆動力が出力
に伝達されない状態となり(慣性トルクがあるのでその
分だけは伝達される)、丁度、クラッチが切った状態を
つくりだせ、このことは、クラッチと同じ機能が提供で
きるものとなる。
【0097】第4に、第1モーターと第2モーターが互
いに逆回転させたとき、第1モーターを駆動用、第2モ
ーターを発電用にし、発電用の第2モーターの発電力を
回生することにより、以下の効果をもたらす。即ち、出
力が発進(0回転時)及び低速回転域での発電側モーター
の発電力回生により電力節約ができる。また、発電力を
駆動側に直接回生させることにより、発進及び低速回転
域での出力トルクを増強できる。第5に、2つのモータ
ーを差動装置で接続している構造のため、モーターの発
電又は駆動の状態と回転方向を組合わせることにより、
走行状態にあった以下に示す各種の走行駆動が可能にな
る。即ち、発進及び低〜中速走行に有効な駆動(低速モ
ード):出力が高トルク0回転時の状態から低〜中速回
転域までは、第1モーターを駆動用、第2モーターを発
電用として、上記の効果を発揮させる。中〜高速走行に
有効な走行駆動(高速モード):第1モーターを駆動用、
第2モーターを駆動用に使用しすることにより、中〜高
速回転域では、第2モーターも駆動用に使用することに
より、駆動力のアップと回転速度のアップが可能とな
る。減速時に有効な回生制動(減速モード):第1モータ
ーを発電用に、第2モーターも発電用にする。走行エネ
ルギーを回生して電力を節約するとともにブレ−キング
作用により減速させる。バック発進を可能にする走行駆
動(バックモード):第1モーターを発電用、第2モータ
ーを駆動用にする。これは、低速モードの第1、第2モ
ーターの駆動、発電を逆転させることだけで、バックさ
せることができる。第6に、直流モーターの磁気飽和を
防止できる。第7に、構造的に変速機能をも兼ねる。第
8に、クラッチとしての機能をも兼ねる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のモーターのT−N曲線を示すグラフ
である。
【図2】従来技術のモーターのN−T曲線と電流の関係
を示すグラフである。
【図3】本発明のモーター装置の1例の構成を示す。
【図4】本発明のモーター装置の1例の構造を説明する
ための断面図である。
【図5】本発明のモーター装置の他の例の差動装置を示
す説明図である。
【図6】本発明のモーター装置での第1モーターのトル
ク−回転数の関係を示すグラフである。
【図7】本発明のモーター装置での第2モーターのトル
ク−回転数の関係を示すグラフである。
【図8】本発明のモーター装置での出力軸のトルク−回
転数の関係を示すグラフである。
【図9】本発明のモーター装置の1例の構成を示す。
【図10】本発明のモーター装置の制御回路の1例を模
式的に示した図である。
【図11】本発明のモーター装置の各モーターに対する
制御回路の例を示した図である。
【図12】本発明のモーター装置の回生制御回路の例を
示した図である。
【図13】本発明のモーター装置での、昇圧回路を設け
た回生制御回路例を示した図である。
【図14】本発明のモーター装置での、回生可能電圧以
下でも発電トルクを維持できる回路を設けた例を示した
図である。
【図15】本発明のモーター装置で駆動回生制御回路の
例を模式的に示した図である。
【図16】本発明のモーター装置での、回転方向遷移制
御回路の例を示した図である。
【図17】本発明のモーター装置での、ブラシモーター
のための駆動回生制御回路の例を示した図である。
【図18】本発明のモーター装置での、ブラシレスモー
ターのための駆動回生制御回路の例を示した図である。
【図19】本発明のモーター装置での自動走行のための
制御装置の例を示した図である。
【図20】本発明のモーター装置での自動走行のための
制御モードを示した表である。
【図21】本発明のモーター装置の1例を示す断面図で
ある。
【図22】本発明のモーター装置の他の例を示す断面図
である。
【図23】本発明のモーター装置の他の例を示す断面図
である。
【図24】図21のモーター装置に差動歯車を組み込ん
だ例を示す断面図である。
【図25】図23のモーター装置に差動歯車を組み込ん
だ例を示す断面図である。
【図26】図22のモーター装置を車輪のホイール内に
組み込んだ例を示す断面図である。
【図27】本発明のモーター装置の1例の断面図であ
る。
【符号の説明】
A、M1、211、221、231、 第1モータ
ー 2、212、222、232、 第1モータ
ー回転軸 C、218、228、238 差動装置 3、216、226、236 差動回転軸
(駆動出力軸) B、M2、211’、221’、231’ 第2モータ
ー 4、212’、222’、232’ 第2モータ
ー回転軸 9、10、234、242.252 ピニオンギ
ア 7、8、233、233’.243、243’、25
3、253’ サイドギア 11、21、215、225、225’ プラネタリ
ーキャリヤ(アーム) 12、22、214、224、224’ プラネタリ
ーピニオン 214’、224” プラネタリ
ーピニオンシャフト 13、23、213’、223’、 インターナ
ルギア 14、24、213、223 サンギア 6、235、245、255 ピニオンシ
ャフト 16 コイル(第
1モーター) 17 磁石(第1
モーター) 18 磁石(第2
モーター) 19 コイル(第
2モーター) 210、220、230 ケース 10’、10”、21’、22’、23’ 支持ベアリ
ング 261 タイヤ
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の技術的
な課題の解決のためになされたもので、第1モーター、
第2モーターの2つのモーターと、差動装置を備え、そ
の差動装置は、差動回転する3つの回転軸を有し、第1
モーターの回転軸(2)と第2モーターの回転軸(4)と駆
動出力軸とは、各々、その3つの回転軸に接続されてお
り、即ち、第1モーターの回転軸(2)と第2モーター
の回転軸(4)とは差動装置を介して接続され、該差動
装置の差動回転軸(3)から駆動出力を得ることを特徴と
するモーター装置を提供する。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】 モーター装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力用のモーターとし
て広く産業全般に利用されるモーター装置に関する。特
に、乗り物用モーター装置に関する。更に、変速装置と
しても利用可能のモーター装置である。
【0002】
【従来の技術】出力回転数、出力トルクが広く範囲にわ
たり変化する動力用モーターは、特に、車両等の駆動源
としての電気モーター装置は、変速器を用いずにダイレ
クトに駆動するか変速器を用いるかして使用される。従
来技術で、電気モーターを変速器なしで、車軸にダイレ
クトに結合して用いた場合、高性能モーターほど、内部
抵抗が小さいため、低速での扱いが難しいものである。
【0003】モーター装置は、電圧を高めたり低めた
り、或いはON−OFFすることにより、ある回転数に
おけるモーター出力変化が起こる。電圧を高めるに伴い
モーター出力が高まり、下げることでモーター出力が低
くなる。即ち、同一回路に流れる電流は電圧に比例して
変化する。従って、電圧を高めることにより電流量が多
くなる。また、同じ電圧でも抵抗が少なければ、より多
くの電流を流すことができ、モーターの出力を高めるこ
とができる。モーター装置で得られるトルクは電流に比
例する。また、モーターにかける電圧は回転数と電流の
双方に関係する。このため、平地を走っていて速度を上
げたければ電圧を上げれば良いし、坂道に差しかかった
時に同一の速度で走りたければ電圧を上げて、回転数を
維持したまま電流を増加させトルクを増やすことができ
る。このように、モーターにかける電圧を加減すること
により、速度とトルクの双方が互いに関連しあいながら
変化する。これは、アクセルを踏むことによりエンジン
の回転数とトルクの双方を変えることができるのと同じ
である。
【0004】モーターは回転数が0のときに最も大きな
トルクを生じる。回転数が上昇するに伴いトルクは低下
し、無負荷状態で高回転になった場合、ほとんどトルク
を発生せずに0に近付く。このT−N関係をグラフにし
たのが、図1のT−Nカーブであり、トルクの増大に反
比例する形でNが減少する。これと同様に、モーター特
性を知る上で重要なものは、図2のT−Iカーブであ
る。即ち、Tの増大に比例してIが増大していく。つま
りトルクが大きくなる程電流の消費が高まり、同時に電
流を高めることでトルクも高められる。そして、高性能
のモーターは、T−Nカーブの勾配が非常に急激であ
り、高性能のモーターの最大トルクは定格トルクの4.
5倍以上という非常に大きなものになり、それだけ、大
量の電流が流れる。トルクは、T=KIで、即ち、Kは
トルク定数、Iは電流、Eは電流、モーター内の抵抗=
Rとする。
【0005】すると、I=E/Rであり、モーターに電
流が流れことにより発生する損失は、W=RI2 で、こ
れはコイル巻線で発生する熱となる。高性能のモーター
では、最大トルクのゼロ回転の場合、最大トルクを長時
間維持すると大きな電流が流れて、過熱し、やがてショ
ートして煙を出してしまう。特に、高性能モーターで
は、電気的抵抗が低いことにより電流が流れ易い性質を
備えているので、低回転域での使用は困難である。ま
た、電流がカットされるべき回転数以下での使用は、渦
電流や銅損による損失と過熱が大きくなる高性能なモー
ターほど取り扱いが困難である。その上回転数が下がっ
た場合、一層大きな電流が流れてしまう。従って、高性
能モーターでは負荷条件によって早く電流カットを行な
う必要がある。即ち、モータードライバーには、電流を
一定値以内に抑える制御回路が組み込まれる。従って、
うまく電流をカットできなかったり、電子回路にノイズ
が入って制御に失敗したときなど、過大な電流が流れて
モーターを破損してしまう可能性がなくなるわけではな
いので、取り扱いが困難である。
【0006】一般的に、動力用モーターを広い回転範囲
でしかも高負荷の状態で使用する場合、急激な外部負荷
の変化がある、例えば、むりやり逆回転させられたと
き、従来のモーターでは、過電流により破壊するか、電
源装置に負担が大きくかかる。電圧制御などにより、回
転速度及びトルクの制御が可能であるが、回転や電流を
常に検出して制御する必要があり、熱などにより制御装
置が暴走した場合も、モーターを破壊するか、電源装置
に過負荷をかけるか、また、制御応答性が悪いと、電力
消費も高くなる。また、大電力用モーターでは、電圧制
御による高トルク、”0”回転時の運転が困難で、大電
力を扱うので、熱対策や装置が複雑になり、また、制御
装置が高価になり、誤動作もしやすくなる。
【0007】1つのモーター装置を発電機としても利用
して、回生制動するようにした構成の装置は、特開平4
−185205号に開示されている。即ち、電動機、駆
動回路、走行用蓄電池、補機用蓄電池、制御回路を有す
る回生制動装置であり、回生選択手段、電動機の回生電
力を走行用蓄電池に回生する手段、電動機の回生電力を
補機用蓄電池に回生する手段を有することを特徴とする
回生制動装置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたもので、特に直流モーター
の場合は、モーターの優れたトルク・回転数の特性を生
かしつつ、短所である、高トルクで、0回転時又は低速
回転時の過電流や損失を、電源電圧制御によらないで、
機械的構造でエネルギー損失を少なくできるモーター装
置を提供することを目的とする。また、本発明は、モー
ター駆動中、出力の回転が外部の負荷により止められた
り、逆回転させられても、回転力を維持しながら、モー
ターの運転が続行できるモーター装置を提供することを
目的とする。
【0009】また、高性能のモーターほど、内部損失を
小さくするため、内部抵抗が小さい、そのため、回転
数”0”では、非常に過大な電流が流れ、モーターを破
損する。また、効率も悪くなる。従って、このような問
題を解決するモーターが望まれる。本発明は、電圧制御
などの電源制御に頼らず、機械的構造で、外部負荷の変
化を吸収でき、たとえ、出力軸が、むりやり逆回転の方
向に力を加えられても、モーターは運転可能にできる。
このため、熱対策や制御回路の誤動作や過電流によるモ
ーターの破損を回避できる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の技術的
な課題の解決のためになされたもので、第1モーター、
第2モーターの2つのモーターと、差動装置を備え、そ
の差動装置は、差動回転する3つの回転軸を有し、第1
モーターの回転軸(2)と第2モーターの回転軸(4)と駆
動出力軸とは、各々、その3つの回転軸に固定されてお
り、即ち、第1モーターの回転軸(2)と第2モーター
の回転軸(4)とは差動装置を介して接続され、該差動
装置の差動回転軸(3)から駆動出力を得ることを特徴と
するモーター装置を提供する。
【0011】また、第1モーター、第2モーター及び差
動装置の回転軸を同軸上に配置し、1つのケースに納
め、一体化することができる。そして、第1モーター、
第2モーター及び差動装置の回転軸を同軸上に配置し、
一体化したものを、ホィール内に納めたものを利用でき
る。また、第1モーターを駆動モーターとして電源装置
と結合し、第2モーターを発電モーターとして発電回生
装置と結合し、該発電モーターから得られる発電力を、
該発電回生装置が昇圧及び発電量の制御を行ない、電力
の回生を行なうことが好適である。
【0012】また、第1モーターを駆動モーターとして
電源装置と結合し、第2モーターを発電モーターとして
利用し電源端子間に負荷抵抗器を配設し、該負荷抵抗器
で、消費させる構成とすることもできる。この場合、発
電回生装置の代用として、該負荷抵抗を用いることで、
発電力は回生されないが、最も簡単な回路構成であり、
汎用的に利用可能となる。また、第2モーターの発電力
を、電圧を上げる回生装置により、第1モーターへ直接
回生、駆動することができる。この場合は、駆動モータ
ーの余分な出力は、発電力として回生されるため、きわ
めて効率の良いモーターとなる。
【0013】更に、本発明は、第1モーターの回転軸
(2)と第2モーターの回転軸(4)が差動装置を介して接
続され、該差動装置の差動回転軸(3)から駆動出力を
得、該第1モーターの回転軸(2)と該第2モーターの回
転軸(4)とは差動回転し、該駆動出力の差動回転軸(3)
と該第1モーターの回転軸(2)の回転速度差分に比例し
た回転速度差が、該駆動出力の差動回転軸(3)と該第2
モーターの回転軸(4)に生じ、該回転速度差がない場
合、各々の回転軸(2)、(3)、(4)は、同じ回転速度と
なる構成であり、更に、第1及び第2モーターには、各
々、電源装置或いは回生装置との結合を転換する転換装
置を備え、所定パターンに従って、転換装置を操作し
て、第1及び第2モーターは、各々、駆動モーター或い
は発電モーターとして作動することを特徴とするモータ
ー装置を提供する。
【0014】その差動装置は、プラネタリーギアを用い
ることができる。また、プラネタリーギアを用いた場
合、プラネタリーギアは、そのプラネタリーピニオンギ
アを、プラネタリーキャリアの両側に配し、該両側に配
置されたプラネタリーピニオンギアは、プラネタリーピ
ニオンシャフトに固定され、プラネタリーピニオンシャ
フトは、プラネタリーキャリアに回転可能に配置され
る。また、その差動装置として、差動歯車も利用でき、
左右2つのサイド歯車の軸が、各々、第1モーターの回
転軸(2)及び第2モーターの回転軸(4)に接続され、ピ
ニオン歯車よりなる公転する差動歯車の回転軸は、出力
軸(3)に接続されている構造にできる。また、第1モー
ター、第2モーター及び差動装置の回転軸を、同軸上に
配置することにより、モーター装置をよりコンパクトな
構造にできる。
【0015】電気乗り物用モーターの性能は回転数に対
するトルク、効率、出力等が重要であるが、車に積んで
走行するために、車重量に対するこれらの性能が重要で
ある。モーターの特性はその種類によりことなるが、本
発明のモーター装置で使用するモーターは、どの種類の
モーターも適用できるが、ブラシ直流モーターが最も単
純であるので、本明細書では、主に、このモーターを例
にして説明する。然し乍ら、本発明は、その性質からど
の種類のモーターにも適用できることは明らかである。
【0016】即ち、本発明のモーター装置は、モーター
装置自体の発明であり、その構造から電気乗り物用の動
力源として最適であるが、当然モーター駆動装置とし
て、あらゆる産業に利用できる。
【0017】
【作用】図3は、本発明のモーター装置の2つのモータ
ーを、第1モーターは駆動用、第2モーターは発電用に
利用して、2つのモーターが、互に逆回転し、その差動
出力を差動装置から得て出力とする場合の構成を示す。
その構造は、一般的に汎用動力用モーターとして最適で
あるが、電気乗り物用としても、利用できる。次に、モ
ーターの動作曲線との関係で説明すると、次のようにな
る。例えば、直流モーターでは、図6に示されるよう
に、回転数0に近い領域は、トルクの増大がいちじるし
くこれに比例して電流も増大するため、通常電流制限し
てあるが使用しない。モーターにかける電圧をV、モー
ターの界磁の有効面積が作る磁場の強さに界磁の有効面
積をかけた総磁束をφ、電機子の巻線数をZ、抵抗をR
とすると、回転数の最大値Nmax=V/φZで、トルク
の最大値Tmax=φZV/Rとなる。図6の曲線で、回
転数の軸上でNmaxの点と回転数軸上でTmaxの点を結ん
だ線が、このモーターの回転数−トルク特性である。図
示のように、トルクは回転数とともに低下する。Vは電
池の電圧に相当し、電圧が2倍になると最大トルク、最
高回転数ともに2倍に増える。φは強い磁石であればあ
るほど、そして、大きなモーターであればあるほど大き
くなる。同じサイズのモーターであれば巻線数を変える
ことにより最大トルクや最高回転数を変化させることが
できる。
【0018】一方、トルクTは前述のように、電流Iが
小さいときには、電流に比例する。その比例定数はφと
Zをかけた値である。電流が大きくなるとトルクの伸び
は次第に小さくなる、即ち、飽和現象がある。本発明に
よる差動装置において、差動歯車の比率、即ち、差動比
をXとした。差動装置の比率は、1:1ならX=1で、
2:1ならX=2となる。第1モーター側Xで、第2モ
ーター側1としてある。第1モーターのトルクと回転数
をT1とN1とし、出力回転軸の出力トルクと回転数をT2
N2とし、第2モーターの消費トルクと回転数をT3とN3
すると、次のようになる。 (X+1)T1=T2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) (N1−XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(2) 従って、第1モーターによる機械出力は、摩擦等による
損失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとなり、T1・N1
であり、第2モーターからの機械入力は、回転数(rpm)
×トルクとなり、T3・N3である。よって、差動装置の出
力の機械出力は、回転数(rpm)×トルクとなり、T2・N2
ある。従って、 T2・N2=T1・N1−T3・N3・・・・・・・・・・・・・(3) となる。従って、駆動軸のトルクは、X=1のときは、
駆動モーター(第1モーター)のトルクの2倍になるが、
その回転数N2は、第2モーターの出力0のとき、即ち、
第2モーターが回転しないとき、第1モーターの回転数
の1/2(X=1)になる。また、第1モーターと第2モ
ーターの入出力トルクの関係は、 XT1=T3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) とな
る。
【0019】そして、第2モーターからの電気出力の増
減により、消費トルクが変化するため、ここでは、負荷
抵抗は一定とする。発進時(停止状態)での、第1、第2
モーターの回転数トルクは、出力回転数が”0”のた
め、式(3)から,0=T1・N1−T3・N3・・・・・・・・・・・・・(A) 式(6)から XT1 = T3・・・・・・・・・・・・・・・・(B) (A),(B)の2つの条件を満たす回転数トルクでバランス
する。
【0020】即ち、第1モーターと第2モーターを差動
装置を介して、接続し、差動装置から駆動出力を得る。
第1モーターと第2モーターは、差動回転し、駆動出力
と第1モーターの回転速度差分に比例した回転速度差
が、駆動出力と第2モーターにも生じる。例えば、第1
モーターが2000rpmで回転しているとして、差動装
置の比率を、1:1として、出力を1000rpmとする
と、第2モーターは、0rpmとなる。同様に、出力を0r
pmとすると、第2モーターは、逆回転の2000rpmと
なる。図3で説明すると、出力回転軸(3)は、(2)軸と
(4)軸の回転数の間の(2)−(3)間と(3)−(4)間で一
定の比率、即ち、このように差動装置の比率が1:1で
は、(2)−(3)間回転数差と(3)−(4)間回転数差が
1:1になる回転数が出力される。
【0021】電気モーター、特に高性能の直流モーター
の場合、内部抵抗が小さいために、”0”回転数のとき
では、過大電流が流れ、モーターを破壊してしまう可能
性がある。また、電力の損失も大きい。通常では、電流
を制限してしまう、即ち、図6の第1モーターでの曲線
aでなく、曲線bのようになるように、電流をカットし
てしまうことが、一般的に行なわれている。即ち、図6
に示されるように回転数0に近付くと、トルクは無限に
大きくなるが、回転数P1の点より低い範囲では、磁気
飽和などの影響や過電流によるモーター破そんを防止す
るため図示のように、電流を制限して操作している。こ
の場合、最大トルクは、回転数P1で発生しており、そ
れより更に回転数を下げても、トルクは上がらない。
【0022】従って、従来のモーター装置では、リニア
なトルク特性が得られなく、理論的には電流〜トルク上
昇となるべきが、磁気飽和してしまう。また、電流が過
大に流れて、モーターを破損する可能性がある。或い
は、電流を制限してしまうために、トルク特性に制限が
あり、効率的でない。また、高トルク低回転数では、銅
損失が大となり、エネルギー損失が大きくなる。
【0023】本発明のモーター装置では、第1モーター
を定常回転まで回転させ、このとき、第2モーターの負
荷を少なくするために、電力は取り出さないでおく。こ
の状態をアイドリング状態と呼ぶことにする。この状態
では、第2モーターが空転状態なので出力は、機械的な
抵抗によるトルクが多少発生する状態である。ここでの
出力回転は”0”とする。このアイドリング状態では、
第1モーターはトルク0の最高回転数に近い状態にあ
る。従って、すでに2つのモーターは回転しているので
高トルクの0回転数からの発進駆動を円滑に行なうこと
ができる。
【0024】アイドリング状態では、出力回転を”0”
とすると第2モーターは、逆回転している。この第2モ
ーターから電力を取り出すことにより第2モーターに大
きなトルクが発生する。即ち、第1モーターは、第2モ
ーターを回すためのトルクになるまで、回転数が下が
る。第2モーターのトルクと第1モーターのトルクが、
バランスした回転数で安定する。このときの第1モータ
ーの回転数とトルクは、第2モーターの発電に利用され
る。駆動出力は、回転数”0”のため、駆動出力の回転
数は、”0”でも、トルクは第2モーターの回転数、消
費トルクと第1モーターのトルクを加算したトルクが発
生している。
【0025】即ち、出力の回転数”0”の状態では、ト
ルクは、加算した値が得られ、大きな始動トルクを得る
ことができる。しかも、この状態で第1モーターは、効
率の良い回転数になるように調整することができる。且
つ、第2モーターで電力を同時に生み出しているという
優れた特性を有する。
【0026】従って、第1モーターの回転数は、出力の
負荷と回転数と、第2モーターのトルクと回転数が互い
に関連しあいながら変化する。そして、停止している状
態、即ち、出力の回転数が”0”の場合、駆動モーター
は高い回転数を維持しながら順回転している。このた
め、駆動モーターは回転速度低下による過電流の防止が
可能であり、消費電力の増大を防ぐことができる。ま
た、発電された電力を回生することによりきわめて効率
の良いモーター装置となる。また、その電力を直接駆動
モーターに回生すれば、発進時及び低速走行時のトルク
アップが可能となる。また、第1モーターの出力はすべ
て第2モーターに消費される。また、発進時は、出力の
負荷と回転数に応じた第1モーターの出力が、差動装置
により配分される。残りは、第2モーターに配分され
る。また、減速時も同様で、第1モーターの出力が差動
装置により配分される。更に、減速時又は下り坂などの
場合、出力の負荷がマイナスになる場合もある。この場
合は、第1モーターの回転数を制限する、例えば第1モ
ーターを発電用ブレーキ、回生ブレーキとして使用する
ことにより、第1モーター、第2モーター双方からエネ
ルギーを得ることも可能となる。この場合、第2モータ
ーの回転は逆回転でなく、順回転することとなる。ま
た、構造から出力の回転速度の変動を発電モーターの回
転速度で吸収して駆動モーターの回転速度を定常回転範
囲内に納めることも可能であり、また、逆に駆動モータ
ーの回転速度で吸収して発電モーターの回転速度を一定
にすることも可能である。即ち、発電量の制御によりト
ルクが制御できるためである。
【0027】本発明のモーター装置は、駆動モーターの
駆動力を差動装置により出力と発電モーターとに分配さ
れ、駆動モーターの機械出力と出力軸の機械出力の差が
すべて発電モーターに分配される。この回生電力の量を
制御することにより出力のトルク特性を、強弱制御する
ことができる。このトルク特性は電流Iと磁束φに比例
するため、トルク制御は従来、電流を制御するか、磁束
を変化させるかして行なわれていたが、本発明では、回
生される電力の量により制御が可能となる。
【0028】次に、実際に数値を挙げて、グラフで説明
する。数値はあくまで説明のためであり、数値自体に何
ら意味はない。説明を簡単にするために、差動歯車の回
転差の比を、1:1として説明する。即ち、第1モータ
ーAのトルク−回転数の曲線を、説明のためのみ用いた
T−N曲線として示す図6として、第2モーターBの発
電時の必要となるトルクと回転数を説明のためのみ用い
た消費トルク−回転数の曲線として示す図7に示す。更
に、図8は、駆動出力軸のトルク−回転数の曲線を示
す。図示のように、第1モーターAは、回転数の上昇と
ともに、トルクは減少し、第2モーターBは、回転上昇
とともに、トルクは増大する。そして、図8に示すよう
に、駆動出力軸は、回転上昇とともに、トルクが下が
る。
【0029】駆動出力軸の回転数は、左から右へと上昇
する。各P点は、各グラフで示す点に相当している。
【表1】 発進時出力回転数は”0”である。この時の第1モータ
ーと第2モーターの回転数とトルクは、(X=1)式
(A),(B)より、第1、第2モーターとも同じトル
ク、同じ回転数、P1,P2でバランスする。(但し、機械
的損失は考えないものとする)この時、出力軸のトルク
は、第1モーターAのトルク10kg・m(P1)を2倍した
20kg・mのトルク(P5)が発生する(式1、(x+1)T1
=T2より)。
【0031】また、この時出力回転は”0”なので第1
モーターAの駆動エネルギーは、第2モーターBの発電
用エネルギーとなるために、エネルギー損失も少なくて
済む(式A、0=T1・N1−T3・N3より)。このとき、
回転数”0”の高トルク20kg・m(P5)のトルクが発生
していても、実際第1モーターAは回転しているので、
過電流にならず、通常に運転できる。
【0032】乗り物が発進して、出力軸の回転数が10
00rpm(P9)になった場合、駆動モーターと発電モー
ターの回転数とトルクは、差動歯車の比が、1:1のと
き、駆動モーター、発電モーターとも同じトルクで、バ
ランスするため、式(1)、(2)、(6)より、駆動モータ
ーは回転数3000rpm、トルク5kg−m(P7)で、
発電モーターは回転数(駆動モーターとは逆回転となる)
1000rpm、トルク5kg−m(P8)となる。この時
の出力軸のトルクは、駆動モーターのトルク5kg−m
(P7)を2倍した10kg−mのトルク(p9)が得られ
る。同様に、駆動モーターが(P3)の場合は、発電モー
ターは、(P4)、出力は、(P6)となる。このようにし
て、常に駆動モーター(図6のT−N曲線)と発電モータ
ー(図7のT−N曲線)と駆動出力(出力軸)がバランスし
て、図8のようなT−N曲線の出力が得られる。
【0033】図9は、本発明のモーター装置の2つのモ
ーターを、駆動用又は発電用に組合わせて使用する場合
の構成を示す。その構造は、電気乗り物の駆動源として
最適であるが、また、一般的なモーター駆動装置として
も、利用できる。即ち、第1モーターと第2モーターの
2つのモーターを差動装置を介して直結されて、各モー
ターを、駆動用モーターだけでなく、発電用モーターと
しても利用し、運転状態、走行状態に対して最適な駆動
力と効率を得ようとするものである。そして、効率的な
運転状態を確保する。
【0034】本発明のモーター装置においては、第1モ
ーターと第2モーターとは、差動装置から見て、機能的
にも構造的にも対称型であり、どちらのモーターを駆動
用としてもよく、また、発電用としてもよい。また、両
方のモーターを駆動用としてもよく、即ち、両方のモー
ターを同じ方向に回転させる。また、両方のモーターを
発電用として、即ち、両方同じ方向に回転させて、回生
ブレーキとして利用することもできる。本発明のモータ
ー装置は、従って、2つのモーターについて、発進時に
効率的な駆動−発電の第1モードとして、また、高速運
転時には、駆動−駆動の第2モードとして、減速時即
ち、ブレーキイング時には、発電−発電の第3モードと
して、運転することができる。このような3つのモード
を組合わせて、走行状態、運転状態に応じて切り替える
ことにより、その走行状態、運転状態における最適な駆
動力と効率を得ることが可能となる。
【0035】図9に示される様に、第1モーターA、第
2モーターBには、各々、駆動回生制御装置A(SW
A)とB(SWB)を介して、電源装置SOAとSOB
と接続され、また、回生装置GAとGBに接続されてい
る。そして、駆動回生制御装置A(SWA)とB(SW
B)は、各々、スイッチコントロールにより、コントロ
ールされ、各々のモーターからの線が、電源装置に接続
するか、回生装置に接続されるかが、制御されている。
即ち、各モーターの電気入力端が、各駆動回生制御装置
に接続されている。
【0036】そして、第1モーターと第2モーターと3
つのモードの関係は、次の表に示される。
【表2】
【0037】即ち、モード1では、第1モーターと第2
モーターとは逆方向に回転される。このモードでは、停
止状態から高トルクが必要となる低速域運転でのモータ
ー効率が良い。そして、モード2では、第1モーター、
第2モーターともに、電源からエネルギーが供給され、
同方向に回転され、即ち、駆動軸は、第1モーターと第
2モーターの合計の駆動回転で運転され、高速回転が可
能になる。即ち、出力回転が上がると、駆動モーターの
回転数も上がり、モード1の状態でなくても、モーター
の効率はある程度良くなる。従って、高い回転のとき
は、効率の差が少ないので、両モーターとも、駆動モー
ターとしての方がメリットが大きい。また、モード3で
は、第1モーター、第2モーター共に同方向に回転され
るが、発電モーターとして働かせ、ブレーキイング状態
のときに、作用させる。
【0038】本発明による差動装置において、差動歯車
の比率、即ち、差動比をXとした。差動装置の比率は、
1:1ならX=1で、2:1ならX=2となる。第1モ
ーター側Xで、第2モーター側1としてある。そして、
モード1のとき、第1モーターと第2モーターは、異な
る方向に回転して、第1モーターのトルクと回転数をT1
とN1とし、駆動出力の回転軸の出力トルクと回転数をT2
とN2とし、第2モーターの消費トルクと回転数をT3とN3
とすると、次のようになる。 (X+1)T1=T2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) (N1−XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(2)
【0039】従って、第1モーターによる機械出力は、
摩擦等による損失を考えないと、回転数(rpm)×トルク
となり、T1・N1であり、第2モーターからの機械入力
は、回転数(rpm)×トルクとなり、T3・N3である。よっ
て、差動装置の出力の機械出力は、回転数(rpm)×トル
クとなり、T2・N2である。従って、 T2・N2=T1・N1−T3・N3・・・・・・・・・・・・・(3) となる。従って、駆動軸のトルクは、X=1のときは、
駆動モーター(第1モーター)のトルクの2倍になるが、
その回転数N2は、第2モーターの出力0のとき、即ち、
第2モーターが回転しないとき、第1モーターの回転数
の1/2(X=1)になる。また、第1モーターと第2モ
ーターの入出力トルクの関係は、 XT1=T3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) とな
る。モード1では、出力側の回転軸の回転を、(N1−X
N3)/(X+1)にまで上げることができ、トルクは、(X+1)
T1にまでに上がる。
【0040】次に、モード2の場合、第1モーターと第
2モーターは両方とも駆動モーターで、同方向に回転し
ており、 (N1+XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(4)となる。そ
して、第1モーターによる機械出力は、摩擦等による損
失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとなり、T1・N1
ある。従って、第2モーターの機械出力は、回転数(rp
m)×トルクとなり、T3・N3である。よって、差動装置の
出力の機械出力は、第1モーターの出力と第2モーター
の出力の合計であり、それは、回転数(rpm)×トルクと
なり、T2・N2であるので、 T2・N2=T1・N1+T3・N3・・・・・・・・・・・・・(5) となる。また、第1モーターと第2モーターの入出力ト
ルクの関係は、 XT1=T3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) とな
る。
【0041】また、モード3の場合、第1モーターと第
2モーターは両方とも発電モーターで、同方向に回転し
ており、 (N1+XN3)/(X+1) =N2・・・・・・・・・・(4)となる。そ
して、第1モーターによる機械出力は、摩擦等による損
失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとなり、T1・N1
ある。従って、第2モーターの機械出力は、回転数(rp
m)×トルクとなり、T3・N3である。よって、差動装置の
出力の機械出力は、第1モーターの出力と第2モーター
の出力の合計であり、それは、回転数(rpm)×トルクと
なり、T2・N2であるので、 T2・N2=−(T1・N1+T3・N3)・・・・・・・・・・・・・(7) となる。これは、機械出力がマイナスであり、機械入力
となり、発電力が発生することを示す。
【0042】以上の式からも分かるように、モード2及
びモード3では、同一方向に回転(順回転)するために、
2つのモーターは、差動装置を介して、それらの回転エ
ネルギーは、トルク×回転数の合計となっている。
【0043】そして、このようなモード切り替えは、図
9の駆動回生制御装置SWA及びSWBを制御して行な
うが、これは、手動式でも良く、自動制御でも良い。そ
して、モード1は、低速モードであり、モード2は高速
モードであり、モード3は減速モードとなる。
【0044】以上のモードを切り替える場合には、モー
ターの回転方向を変える必要があることがある。例え
ば、モード1から他のモード、即ち、モード2或いはモ
ード3に変えるとき、及び、モード2或いはモード3か
らモード1に変える場合には、一方のモーターの回転方
向を逆にする必要がある。モーターの回転軸は、駆動か
ら発電へ、或いは発電から駆動に転換し、回転方向が変
わるために、過大な電流が流れて、モーターを損失させ
る恐れがあるが、この状態を防止し、尚且つ切り替えを
円滑に行なわせるために、回転方向が変わるまで、該回
転方向が変わるモーターを電源から切り離された状態と
し、他方のモーターの回転力を変えることにより、モー
ターの回転方向を変えるようにする。このことにより、
切り替えが円滑に行なえる。
【0045】その他の場合、即ち、モード2からモード
3へ転換する場合と、モード3からモード2に転換する
場合、回転方向は同じであるから、駆動回生制御装置S
WA及びSWBのスイッチコントロールを駆動から回生
に、即ち、電源から回生装置に転換すれば、或いはその
逆に転換すれば、モード2から3或いはモード3から2
に転換することができる。図3は、本発明のモーター装
置の原理を説明するための図である。即ち、第1モータ
ー(A)と差動装置(C)と第2モーター(B)から基本的に
構成され、第1モーター(A)第2モーター(B)の差
動出力が、差動装置の出力軸(3)から出力される。基本
的には、第1モーター(A)が駆動モーターとして、第
2モーター(B)が発電モーターとして、そして、その
両者に介在する差動装置(C)が設けられることを示
す。即ち、上記のモード1の場合で、本発明の構成を示
すものである。そして、図9は、本発明のモーター装置
の2つのモーターを、駆動用又は発電用に組合わせて使
用する場合の構成を示す。その構造は、電気乗り物の駆
動源として最適であるが、また、一般的なモーター駆動
装置としても、利用できる。即ち、第1モーターと第2
モーターの2つのモーターを差動装置を介して直結され
て、各モーターを、駆動用モーターだけでなく、発電用
モーターとしても利用し、運転状態、走行状態に対して
最適な駆動力と効率を得ようとするものである。そし
て、効率的な運転状態を確保する。
【0046】ここで、図3の構成図によるモーター装置
と図9の構成図によるモーター装置の差異を簡単に述べ
る。
【0047】先ず、第1モーター(M1)を駆動用とし
て、第2モーター(M2)を発電用として使用する場合
を、図10に示す。図で、SCは電源を表わす。 1.第2モーター(M2)の電源端子に負荷抵抗を設け
る。即ち、発電側に負荷抵抗を入れたものである。発電
による電力は、抵抗により消費され損失は大きいが回路
が単純で汎用性があり(小型駆動モーターなどあらゆる
分野のモーター装置として利用可能)、また、モーター
の種類(交流、直流)を問わない。また、本発明の特徴で
ある出力0回転時からの使用が可能である。このため、
駆動側が直流モーターの場合、回転中に外部からの機械
的負荷により出力回転が止められても、駆動側モーター
にかかる負担は大きくならないので、過電流防止策を講
じなくてもよい。これに対し、駆動側が交流モーターの
場合、駆動モーターのトルクの高い回転域の範囲内で、
出力0回転時からの使用が可能となる。また、本発明の
モーター装置においては、モーターの回生電力の量(負
荷)を制御することにより、出力のトルク特性を、強弱
制御することができる。従来、トルク制御は、電流を制
御するか磁束を変化させるかして行なわれていたが、本
発明のモーター装置では、回生される電力の量により制
御が可能となる。このため、負荷抵抗の値を変えること
により、トルクの値も変えられる。勿論、負荷抵抗を可
変抵抗にしても良い。
【0048】次に、発電力を回生させる場合の制御方法
について説明する。昇圧回路を設けないで、発電力を回
生させることもできる。そのためには、充電電圧又は駆
動側供給電圧よりも高い電圧になるように、第2モータ
ー(M2)の磁束を大きくするか、又は、回転速度を上げ
るための差動比の調整が必要となる。起電力Eと、回転
数Nと磁束Φの関係は、 E[V]=K・N・Φ である。(但し、Kは係数である。)従って、以下の方法
により昇圧しなくても回生することができる。先ず、差
動比を変えて出力0回転時に、M1よりM2の回転を大
きくする。或いは、M1よりM2の磁束を大きくする。
或いは、別電源に充電し、充電電圧を低くしておく。
【0049】2.次に、図11Aに示す、逆流防止ダイ
オードD1を介して駆動モーター(M1)に直接回生する
回路である。M1、M2とも直流モーターである。ダイ
オードD1は、逆流防止用のダイオードであり、回生電
流を直接駆動モーターに供給させる。図で、SCは電源
を表わす。
【0050】3.次に、図11Bに、M2が交流モータ
ーの場合の、逆流防止ダイオードが整流器RTに置き換
えた回路を示す。M1は直流モーターである。整流器R
Tとしては、トランジスタ素子を用いることができる
が、トランジスタ素子に限るものではなく、サイリス
タ、GTO、IGBT、FETなど種々の半導体素子を
用いることができる。
【0051】4.回生電力を充電器に充電する場合につ
いて、説明する。逆流防止ダイオード(M2が直流モー
ター)又は整流器(M2が交流モーター)と充電器の間
に、定電圧回路を設ける。これは、M2で発電される電
圧が一定でないために、電圧変動を定電圧回路で一定に
して充電器に充電する。従って、このための制御回路の
概略は、図12Aに示される。そのための一番簡単な定
電圧回路の具体例を、図12Bに示す。
【0052】5.前記の2.3.4で十分な起電力が得
られず、回生できない場合では、昇圧回路を、M2と逆
流防止ダイオード又は整流器の間に設け、M2の起電力
を昇圧して回生することができる。この制御回路の概略
を、図13Aに示す。ここで、M1は直流又は交流モー
ターであり、M2も直流又は交流モーターである。この
ような制御回路のための昇圧回路の具体例を、図13B
(M2が直流モーターの場合)、と図13C(M2が交流
モーターの場合)に示す。図13Bの回路では、チョッ
ピング信号活性器でチョッピング信号を発生させて、そ
れにより、発電電圧をチョッピングし、昇圧する。図1
3Cの回路では、昇圧トランスにより、M2からの発電
電圧を昇圧するものである。
【0053】6.前記の2.3.4.5の場合、出力の
回転上昇に伴い、M2の回転速度が下がり、それに伴
い、発電電圧が下がるため、ある速度以上になると発電
力が回生されなくなる。この状態では、M2の負荷はか
からなくなるので、出力のトルクは下がり、出力の速度
も上がらなくなる。これは、発電時の負荷と駆動側の負
荷とがバランスし、その負荷の和が出力トルクになるた
めである。そこで、回生されなくなった場合でも、負荷
トルクを発生させて、出力のトルクと回転速度を限界点
近くまで上昇可能にするための回路を、図14に示す。
ここで、限界点とは、差動比を1:1とした場合、最大
出力回転速度=駆動側回転速度/2である(即ち、発電
側の回転はない)。出力トルク=駆動側トルク+発電側
トルクとなる。
【0054】逆流防止ダイオード又は整流器とM1又は
定電圧回路の間には、図14の負荷回路を設ける。即
ち、図14の回路が、制御回路2.3.4.5に負荷さ
れる。オペアンプでダイオードの入力点と出力点との電
圧を比較して、出力点の方が電圧が高い場合、回生され
ていないと判断して、スイッチングトランジスタをON
にして、M2の回生電力が抵抗に流れるようにする。但
し、ダイオードの電圧降下分は考慮するものとする。ま
た、回生されている場合は、ダイオードの入力点の方が
電圧が高くなるので、スイッチングトランジスタはOF
Fのままで抵抗には流れないようにする。これにより、
回生されていないときも、負荷がM2にかかるようにで
きる。
【0055】次に、第1モーター(M1)を駆動用又は発
電用として、第2モーター(M2)を発電用又は駆動用と
して利用する場合を、説明する。図15に、そのための
制御回路の概要を示す。図15において、モーターM1
を制御する駆動回生制御1を制御するパターン制御信号
と、モーターM2を制御する駆動回生制御2を制御する
パターン制御信号があり、パターン制御信号により、駆
動制御が、ON状態となり、この状態を順回転時の状態
とすると、逆回転時の状態は、駆動制御1はOFF状態
で回生制御1はON状態で、駆動制御2はON状態で、
回生制御2はOFF状態となる。順回転のとき、駆動制
御1がON状態で、即ち、モーターM2が発電モーター
として働き、このとき、モーターM1とモーターM2は
逆回転している。順回転している出力の回転方向は、駆
動側即ち、モーターM1と同じ方向で回転する。
【0056】M1には、M1を制御する駆動回生制御1
が設けられる。それは、以下のような3パターンの制御
で行なわれる。 1.駆動状態:M1に電力供給を行なう;即ち、M1駆
動である。 2.回生状態:電源にM1の発電力を回生する;即ち、
M1回生である。 3.OFF状態:M1モーター電気回路を開いた状態に
する;即ち、M1電源切断である。
【0057】M2には、M2を制御する駆動回生制御2
が設けられる。それは、以下のように、5パターンによ
り駆動回生制御2を制御する。 1.駆動状態(順回転):M1と同相回転となるようにM
2に電力供給を行なう;以下M2順駆動とする。 2.駆動状態(順回転):M1と逆相回転となるようにM
2に電力供給を行なう:以下M2逆駆動とする。 3.回生状態(順回転):電源にM1と同相回転している
M2の発電力を回生する;以下M2順回生とする。 4.回生状態(逆回転):電源にM1と同相回転している
M2の発電力を回生する;M2逆回生とする。 5.OFF状態:M2モーター電気回路を開いた状態に
する;電源切断;以下M2切断とする。
【0058】図15の駆動回生制御1と駆動回生制御2
の制御パターンを組合わせることにより、走行状態に適
したモーター駆動制御が可能になる。この組合わせで
は、単純に組合わせを考えると、3パターン×5パター
ンで、15通りの組合わせが可能である。但し、矛盾又
は意味のない組合わせもあるので(即ち、例えば、M1
駆動で、M2逆回転駆動は意味がない)、実際に利用す
る組合わせは以下の表2及び4に示されるようになる。
また、その組合わせの制御において、どのような特徴が
あるか簡単に表2に記述する。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】次に、M2の回転方向が変わるときのイン
ターバル制御(回転方向遷移制御)を説明する。前記制御
2は、M2の回転方向がパターンにより変わる。この回
転方向の変わり目で、無駄な電力を消費したり、モータ
ーに高負荷をかけてしまう。これを防止し、スムーズに
回転方向を切り替えることができるようにした制御回路
のブロック図を、図16に示す。即ち、制御1パターン
信号入力と制御2パターン信号入力が、各々、本発明に
よる回転方向遷移制御回路に入り、各々、パターン信号
変更回路1と同回路2に入力し、各々、回転方向変更ト
リガー出力からのトリガーパルスにより、変成されて、
各々制御1パターン信号及び制御2パターン信号とし
て、各々、制御1(即ち、駆動回生制御1)及び制御2
(駆動回生制御2)に入力し、モーターM1、M2を制
御する。
【0062】図16のブロック図において、回転方向変
更トリガー出力では、次のような制御2のパターン信号
入力により、1パルスだけでトリガー出力となる。(従
って、パルス幅は、任意に設定できる)1.制御2パタ
ーン信号が、M2逆回生からM2順駆動に変わるとき、
2.制御2パターン信号が、M2順回生からM2逆駆動
に変わるとき、そして、パターン信号変更回路1は、回
転方向変更トリガー出力からのトリガー信号が来る間だ
け、制御1パターン信号入力を、以下のように変化させ
る。 1.M1駆動の場合、M1回生にする。 2.M1回生の場合、M1駆動にする。 そして、パターン信号変更回路2は、回転方向変更トリ
ガー出力からのトリガーパルスが来る間だけ、制御2パ
ターン信号入力を、M2切断に変更する。
【0063】次に、具体的な制御について、両方のモー
ターとも、DCブラシモーターの場合と、両方とも、D
Cブラシレスモーターの場合について、説明する。M
1、M2にDCブラシモーターを使用した場合、制御
1、制御2の回路に、以下のもの(図17A及び17B)
を利用する。
【0064】図17Aの制御1回路では、トランジスタ
TR1とTR2によりスイッチングを行なう。即ち、 1.M1駆動のとき、TR2をOFFにし、TR1をO
Nにする。モーターM1に、電圧をかけて、駆動する。 2.M1回生のとき、TR1をOFFにし、TR2にチ
ョッピングパルスをかけて、M1の起電力を昇圧し、ダ
イオードD1を通して、電源装置に電力を回生する。 3.M1切断のとき、TR1、TR2の両方とも、OF
Fにする。
【0065】図17Bの制御2回路では、4つのトラン
ジスタTR1、TR2、TR3、TR4と4つのダイオ
ードD1、D2、D3、D4により、第2モーターM2
に対してスイッチングを行なう。即ち、 1.M2順駆動のとき、TR2、TR3をOFFにし、
TR1、TR4をONにする。モーターM2に、電圧を
かけて、順方向回転に駆動する。 2.M2逆駆動のとき、TR2、TR3をONにし、T
R1、TR4をOFFにする。モーターM2に、逆電圧
をかけて、逆方向回転に駆動する。 3.M2順回生のとき、TR1、TR2、TR3をOF
Fにし、TR4にチョッピングパルスをかけて、M2の
起電力を昇圧し、ダイオードD1を通して、電源装置に
電力を回生する。 4.M2逆回生のとき、TR1、TR3、TR4をOF
Fにし、TR2にチョッピングパルスをかけて、M2の
起電力を昇圧し、ダイオードD2を通して、電源装置に
電力を回生する。 5.M1切断のとき、TR1、TR2、TR3、TR4
のすべてを、OFFにする。
【0066】次に、M1、M2ともにDCブラシレスモ
ーターを使用した場合、図18Aの制御回路を用いる。
図18Aの制御1(駆動回生制御1)でも、制御2(駆
動回生制御2)でも、モーターに対して、回転センサー
で、回転位置を検出して、パターン制御信号を送り、正
確に制御することができる。そして、図18Bは、DC
ブラシレスモーターの駆動装置で、図18Aの駆動装置
の詳細である。
【0067】図18Aの制御1(駆動回生制御1)で
は、3種類のパターンで制御する。 1.M1駆動:回転位置を検出して、該当位置に対応す
る駆動装置のトランジスタをON、OFF制御して、回
転力を与える(通常のブラシレスモーターの制御と同様
である)。 2.M1回生:S1、S3、S5をOFFにして、S
2、S4、S6をチョッピングして、電圧を昇圧し、D
1、D3、D5を通して、電源に回生させる。 3.M1切断:S1からS6まで全てOFFにする。
【0068】同様の制御2(駆動回生制御2)では、5
種類のパターンで制御する。 1.M2順駆動:回転位置を検出して、該当位置に対応
する駆動装置のトランジスタをON、OFF制御して、
M1と同相の回転力を与える(通常のブラシレスモータ
ーの制御と同様である)。 2.M2逆駆動:回転位置を検出して、該当位置に対応
する駆動装置のトランジスタをON、OFF制御して、
M1と逆相の回転力を与える 3.M2順回生:S1、S3、S5をOFFにして、S
2、S4、S6をチョッピングして、電圧を昇圧し、D
1、D3、D5を通して、電源に回生させる。 4.M2逆回生:M2順回生と同様。 5.M2切断:S1〜S6まで全てOFFにする。
【0069】出力が順回転時の制御駆動回路をONにし
モーターを駆動し、回生回路はOFFとする。これによ
りモーターは駆動モーターとして機能する。駆動制御回
路をOFFにしモーターに電力供給を行なわないで、回
生回路をONにし、モーターの回転(モーターM1の駆
動力による回転がモーターM2に逆回転の回転力として
生じる)により発生した起電力を、回生回路でチョッピ
ング信号を出して、チョッピングブースト型の昇圧を行
ない、昇圧された回生電流をダイオードD1、D3、D
5を通して、電源に回生するとともに、モーターの供給
電力にもなる。このとき、駆動回路はOFFにする。そ
して、出力が逆回転時の制御は、駆動制御回路をONに
し、モーターを駆動し、回生回路はOFFとし、モータ
ーは駆動モーターとして機能し、他のモーターの回生回
路をONにし、チョッピング信号を出してチョッピング
ブースト型の昇圧を行ない、昇圧された回生電流をダイ
オードD2、D4、D6を通して、電源に回生する。
【0070】以上、一般的なブラシモーターと 一般的
なDCブラシレスモーターの駆動回生制御回路を示し
た。ここでは、スイッチ素子として、トランジスタ素子
を用いたが、トランジスタ素子に限ることなく、サイリ
スタ、GTO、IGBT、FETなどの種々の半導体素
子やリレーを用いることができる。
【0071】以上のモード即ち、低速モード、高速モー
ド、減速モードなどを手動で切り替えて走行することが
できるし、自動制御することもできる。次に、その自動
走行について、図19に、基づいて説明する。電子的に
制御する方式について、図19のブロック図で説明す
る。
【0072】即ち、本発明のモーター装置は、例えば、
自動車の駆動装置として用いる場合、図19のブロック
図に示すような走行命令信号により、本発明のモーター
装置が制御されて、適切に運転される。その場合の命令
入力信号と、モーター装置のモードの関係を、図20の
表に示す。ブレーキON、OFFの2通り、アクセルO
N、OFFの2通り、車速:高速、中速、低速の3通り
で、2×2×3=12通りについて、検討した。また、
Pは駐車、Bはバック、Nはニュ−トラルで、Dはドラ
イブ等である。ところで、ブレーキON、アクセルON
は無意味であり、また、高速、中速でのP、Bは意味な
い。本発明のモーター装置は、制御調整できる機構であ
る。
【0073】次に、本発明のモーター装置を具体的に実
施例により説明するが、本発明はそれらによって限定さ
れるものではない。
【0074】
【実施例1】図4は、本発明のモーター装置の差動装置
の1例を模式的に示す断面図である。第1モーターAの
回転軸(2)の差動装置の回転軸は、サイドギア7の回転
で、ピニオンギア9、10を回転させ、ピニオンギア
9、10にはピニオンシャフト(6)が貫通していて、ケ
ースとともにピニオンシャフト6が矢印のように、或い
は矢印と逆の回転に、回転する。この回転出力が、駆動
出力(B)となる。即ち、ピニオンシャフト6には、ピニ
オンギア9、10が組み込まれ、このピニオンギア9、
10はピニオンシャフト6とともに同回転(公転)する
が、図示のように自転することができる。そして、サイ
ドギア8と噛み合わされ、サイドギア8を回転させるこ
とができる。サイドギア8は、第2モーターBの回転軸
(4)に接続される。
【0075】従って、差動装置ケースごとに、同方向に
同回転する場合、第1モーターAの回転軸(2)と第2モ
ーターBの回転軸(4)と駆動出力軸(3)は、一緒に回転
する。そして、第2モーターBの回転軸(4)を”0”回
転にすると、駆動出力(3)は、第1モーターAの回転軸
(2)の回転数の半分の回転数で回転する(差動歯車の回
転差の比を、1:1とした場合)。駆動出力軸(2)が回
転数”0”とした場合、第2モーターBの回転軸(4)
は、第1モーターAの回転とは逆回転で、同回転数で回
転する。ここでは、差動歯車の回転差の比は、1:1と
なる。
【0076】
【実施例2】図5は、プラネタリーギアを利用した本発
明のモーター装置を示す。プラネタリーギアを、差動装
置として用いたものである。即ち、サンギア24を第1
モーター回転軸Aに結合し、プラネタリーキャリア21
を駆動出力回転軸(3)に結合し、インターナルギア23
を第2モーター回転軸Cと結合したものである。サンギ
ア24、プラネタリーキャリア(アーム)21、インター
ナルギア23の3要素のうち、どれか1つを完全に固定
して、他の1つから入力すると、残った1つが減速され
たり、増速されたり、逆転する。即ち、図4での、回転
軸2が、サンギア24に相当し、回転軸4が、インター
ナルギア23に相当し、回転駆動軸3が、プラネタリー
キャリア21に相当している。
【0077】このプラネタリーギアを用いた本発明によ
るモーター装置の例を、図27の断面図に示す。第1モ
ーターAは、図示のようにモーター固定部(コイル)16
とモーター回転部(磁石)17よりなり、磁石17を固定
した回転軸2が、ベアリング10’を介して出力軸3の
周りを回転する。その回転軸2に固定されたサンギア1
4は、プラネタリーピニオンギア12に係合して、回転
しおり、プラネタリーピニオンギア12は、プラネタリ
ーアーム11に固定されている。そして、プラネタリー
アーム11は、出力軸3に固定されて、回転する。そし
て、プラネタリーピニオンギア12の他の一端歯には、
インターナルギア13の内歯が係合されている。
【0078】そして、インターナルギア13の背面に
は、第2モーターBの磁石18が固定されている。第2
モーターBは、磁石18とコイル19よりなる。そし
て、このインターナルギア13は、ベアリング10”を
介して出力軸3の周りを回転する。従って、第1モータ
ーAのコイル16とモーターBのコイル19は、図示の
ように、このモーター装置のフレームDに固定されてい
る。即ち、第1及び第2モーターは、DCブラシレスモ
ーターである。
【0079】
【実施例3】図21は、図27に示されるモーター装置
を簡略化して示したものである。図21では、第1及び
第2モーター211、211’の各々のローターシャフ
ト212、212’の中に出力回転軸216が同軸上に
挿入され、出力軸216にはプラネタリーキャリア21
5(プラネタリーピニオン腕)が固定される。このプラ
ネタリーキャリア215には、ピニオンシャフト21
4’を通してプラネタリーピニオンギア214が回転可
能な状態で配設される。このプラネタリーキャリア21
5は、ベアリング21を介して、回転軸の中心軸217
に配設される。
【0080】このプラネタリーピニオンギア214と噛
み合うように、インターナルギア213’とサンギア2
13が設けられる。サンギア213は、第1のモーター
のローターシャフト212に固定されている。そして、
インタ−ナルギアギア213’は、第2のモーターのロ
ーターシャフト212’に固定されている。
【0081】サンギア213とインターナルギア21
3’も、出力軸216を通すために中空である。2つの
モーター211と211’は、サンギア213とインタ
ーナルギア213’を中に向けた状態でプラネタリーピ
ニオンギア214を挾むように向かい合って組み立てら
れ、第1、第2のモーターを固定するケース210内に
納められる。また、出力回転軸216は、ケース210
の両端にベアリング21’を介して回転可能なように固
定される。モーター211、211’は、DCブラシモ
ーターでも、DCブラスレスモーターでも交流モーター
でも良く、中空のローターシャフト212、212’に
したモーターである。また、DCブラシレスモーターの
場合、単体のDCモーターに回転位置を検出する手段が
内蔵されているものが好適である。そして、第1モータ
ーと第2モーターは、必要により、入れ換えることもで
きる。
【0082】
【実施例4】図22の装置は、図21の装置のプラネタ
リーピニオンギアを、2つのピニオンギア224、22
4’で置き換えて、差動比の自由度を高める(1:1で
も可能)構造のものである。即ち、図22では、モータ
ー221、221’の各々のローターシャフト222、
222’の中に出力回転軸226が同軸上に挿入され、
出力軸226にはプラネタリーキャリア225が設けら
れる。このプラネタリーキャリア225は、出力軸22
6に固定されている。プラネタリーキャリア225に、
プラネタリーピニオンギア224、224’のシャフト
224”が、回転可能な状態で配設される。このシャフ
ト224”の両端にプラネタリーピニオンギア224、
224’が、固定される。このプラネタリーピニオンギ
ア224’と噛み合うように、インターナルギア22
3’が設けられ、プラネタリーピニオンギア224と噛
み合うように、サンギア223が設けられる。サンギア
223は、第1のモーターのローターシャフト222に
固定されている。そして、インターナルギアギア22
3’は、第2のモーターのローターシャフト222’に
固定されている。
【0083】サンギア223とインターナルギア22
3’は、出力軸226を通すために中空である。2つの
モーター221、221’は、サンギア223とインタ
ーナルギア223’を中に向けた状態でプラネタリーピ
ニオンギア224、224’を挾むように向かい合って
組み立てられ、第1及び第2のモーター221、22
1’を固定するケース220内に納められる。また、出
力軸226は、ケース220の両端にベアリング22’
を介して回転可能なように固定される。第1と第2のモ
ーターは、DCブラシモーターでも、DCブラスレスモ
ーターでも、交流モーターでも良く、各々、中空のロー
ターシャフト222、222’に固定したモーターであ
る。また、DCブラシレスモーターの場合、単体のDC
モーターに回転位置を検出する手段が内蔵されているも
のが好適である。
【0084】実施例3との違いは、プラネタリーピニオ
ンギアとして、歯数の違う2つの歯車224、224’
を用いた点である。そのために、第1モーターと第2モ
ーターとの伝達力の割合を変えることができる。即ち、
差動比の自由度を大きくとることができる。そして、第
1モーターと第2モーターは、必要により、入れ換える
こともできる。
【0085】
【実施例5】図23は、基本的に、図4の差動歯車を用
いた本発明によるモーター装置である。図23では、第
1と第2のモーター231、231’の各々のローター
シャフト232、232’の中に出力回転軸236が同
軸上に挿入され、出力軸236にはピニオンシャフト2
35が固定されており、このピニオンシャフト235に
は、その両端にピニオンギア234、234’が回転可
能に設けられ、そのピニオンギア234には、サイドギ
ア233、233’が噛み合わされて配置される。各々
のサイドギア233、233’は、第1、第2のモータ
ー231、231’の各々のローターシャフト232、
232’に固定されている。
【0086】サイドギア233、233’も、出力軸2
36を通すために中空である。2つのモーター231、
231’は、サイドギア233、233’を中に向けた
状態でピニオンギア234を挾むように向かい合って組
み立てられ、第1、第2モーター231、231’を固
定するケース230内に納められる。また、出力軸23
6は、ケース230の両端にベアリング23’を介して
回転可能なように固定される。第1、第2モーターは、
DCブラシモーターでも、DCブラスレスモーターで
も、交流モーターでも良く、各々中空のローターシャフ
ト232、232’に固定したモーターである。また、
DCブラシレスモーターの場合、単体のDCモーターに
回転位置を検出する手段が内蔵されているものが好適で
ある。
【0087】更に、以上の実施例3、4、5に対して、
各モーター装置に、左右車輪に駆動出力を配分する差動
歯車を同軸上に配設して、1つのケースに納めたものが
できる。このことにより、非常にコンパクトな自動車駆
動装置となる。従来の差動歯車ケースの位置に、本発明
のモーターを駆動装置として置くことができる。
【0088】
【実施例6】図24では、実施例2、図21のモーター
装置で、差動装置242、243、243’を同軸に設
けたものである。即ち、出力回転軸216とプラネタリ
ーキャリア215’の間に、左右輪駆動力分配用差動装
置242、243、243’を内蔵する。これにより、
出力回転軸Aと出力回転軸Bは、各々左右の駆動輪に直
結できる。差動装置242、243、243’は、駆動
軸Aに固定されるサイドギア243と駆動軸Bに固定さ
れるサイドギア243’と噛み合っているピニオンギア
242よりなる。このピニオンギア242が回転可能に
配されているピニオンシャフト245は、プラネタリー
キャリア215に回転可能に固定されている。
【0089】これに対して、実施例4に示す歯数の異な
る2つのプラネタリーピニオンギア224、224’を
用いることもできる。即ち、出力回転軸226とプラネ
タリーキャリア225’の間に、左右輪駆動力分配用差
動装置242、243、243’を内蔵する。これによ
り、出力回転軸Aと出力回転軸Bは、各々左右の駆動輪
に直結できる。差動装置242、243、243’は、
駆動軸Aに固定されるサイドギア243と駆動軸Bに固
定されるサイドギア243’と噛み合っているピニオン
ギア242よりなる。このピニオンギア242が回転可
能に配されているピニオンシャフト245は、プラネタ
リーキャリア225に回転可能に固定されている。プラ
ネタリーシャフト245を通して動力が伝達される。そ
して、サイドギア243、243’に各々タイヤホイ−
ルが固定され、動力は、左右のタイヤに伝達される。
【0090】
【実施例7】図25では、実施例5、図23のモーター
装置で、差動装置252、253、253’を同軸に設
けたものである。即ち、出力回転軸236とピニオンシ
ャフト235の間に、左右輪駆動力分配用差動装置25
2、253、253’を内蔵する。これにより、出力回
転軸Aと出力回転軸Bは、各々左右の駆動輪に直結でき
る。差動装置252、253、253’は、駆動軸Aに
固定されるサイドギア253と駆動軸Bに固定されるサ
イドギア253’と噛み合っているピニオンギア252
よりなる。このピニオンギア252が回転可能に配され
ているピニオンシャフト235、255は、ピニオンギ
ア234のピニオンシャフトにもなり、それより動力が
伝達される。そして、サイドギア253、253’に各
々タイヤホイ−ルが固定され、動力は、左右にタイヤに
伝達される。
【0091】
【実施例8】図26では、実施例4、図22のモーター
装置を、車輪ホイール中に同軸に組み込んだものであ
る。第1と第2のモーター221、221’の各々のロ
ーターシャフト222、222’の中に出力回転軸22
6が同軸上に挿入され、出力軸226にはプラネタリー
キャリア225’が設けられる。このプラネタリーキャ
リア225’は、出力軸226に固定されている。プラ
ネタリーキャリア225’に、プラネタリーピニオンギ
ア224、224’のシャフト224”が、回転可能な
状態で、に配設される。このシャフト224”の両端に
プラネタリーピニオンギア224、224’が、固定さ
れる。このプラネタリーピニオンギア224’と噛み合
うように、インターナルギア223’が設けられ、プラ
ネタリーピニオンギア224と噛み合うように、サンギ
ア223が設けられる。サンギア223は、第1のモー
ターのローターシャフト222に固定されている。そし
て、インターナルギアギア223’は、第2のモーター
のローターシャフト222’に固定されている。
【0092】サンギア223とインターナルギア22
3’は、出力軸226を通すために中空である。2つの
モーター221、221’は、サンギア223とインタ
ーナルギア223’を中に向けた状態でプラネタリーピ
ニオンギア222、222’を挾むように向かい合って
組み立てられ、第1及び第2のモーター221、22
1’を固定するケース220内に納められる。また、出
力軸226は、ケース220の両端にベアリング22’
を介して回転可能なように固定される。第1と第2のモ
ーターは、DCブラシモーターでも、DCブラスレスモ
ーターでも、交流モーターでも良く、各々、中空のロー
ターシャフト222、222’に固定したモーターであ
る。このプラネタリーシャフト225の最外周部にタイ
ヤ261を固定してある。
【0093】即ち、駆動出力は、プラネタリーシャフト
225の外周輪の回転出力から取り出せるようにし、本
発明のモーター装置を、ケース220に納めてある。そ
して、出力外周をタイヤホイール261とし、その外側
外周にタイヤ261を装着することにより、タイヤ、ホ
イール、駆動モーターを一体とすることができる。特
に、二輪車等に利用すると、本発明のすぐれた特徴を、
生かしつつ非常にコンパクトな自動車駆動装置となる。
また、これは、二輪車に限るものでなく、広く電気乗り
物に利用できる。即ち、左右の車輪に各々、図26の装
置を、独立して固定し、独立に制御するようにできる。
2つの本発明のモーターを対として、駆動装置として機
能させることができる。
【0094】更に、実施例5、図23のモーター装置
を、実施例8、図26のように、ピニオンシャフトの外
周にタイヤを付けて、同様な一体化モーター駆動装置を
提供することができる。
【0095】
【発明の効果】本発明のモーター装置は、図示のような
構造により、次のごとき技術的効果があった。即ち、第
1に、直流モーターのすぐれたトルク−回転数特性を生
かしつつ欠点である高トルクで”0”回転数のときの過
電流防止や、発電回生による消費電力の節約を行なうモ
ーター装置を提供した。即ち、高トルクの状態で車を発
進でき、運転を円滑に開始できる。即ち、出力回転が0
でも、モーターは回転している、このことは回転してい
ない場合に比べてモーターの効率が良いことになる。モ
ーターの駆動出力は差動装置を介して発電モーターと出
力に分配され、出力回転が0の場合、すべて発電モータ
ーに分配されるため発電モーターの起電力を回生させる
ことにより極めて消費電力が少なくてすむ。第2に、即
ち、第1モーターと第2モーターが互いに逆回転し、第
1モーターを駆動用、第2モーターを発電用にしたと
き、駆動用の第1モーターを中〜高速回転を維持したま
ま、出力の回転範囲が0回転から中速回転まで変動して
利用することが可能であり、以下の効果をもたらす。即
ち、出力0回転からの高トルク発進や回転変動の大きい
場合でも、バッテリー及び制御回路の負担が軽減でき、
駆動モーターの回転数の変動が少ないので、電流変動が
少なくてすむ。また、モーターの許容回転数範囲が狭く
ても、その狭い範囲を利用して0回転からの使用が可能
となり、交流モーターなどの低速で低トルクのモーター
でも最高のトルクと効率の回転数の範囲で運転すること
ができる。更に、出力が0回転或いは低速回転のとき、
高トルクで、長時間にわたり、状態維持が可能である。
モーター自体は定常回転で回転可能なためである。更
に、直流モーターの磁気飽和を防止でき、モーター自体
は低速回転にする必要なない。そして、直流モーターの
過電流防止回路等の電流制限の回路が不要にできる。ま
た、モーター運転中、外部負荷の変動により出力回転が
止められても、また、外部負荷で逆回転させられても影
響なく、モーターの運転が可能である。
【0096】第3に、第1モーターと第2モーターを互
いに逆回転させたとき、第1モーターを駆動用、第2モ
ーターを発電用にし、発電用の第2モーターの発電量を
制御することにより、出力トルクを制御できることを意
味し、以下の効果をもたらす。モーターの種類を選ば
ず、トルク制御が可能となり、電圧制御できないモータ
ーでも、磁束制御できないモーターでもトルク制御でき
ることになる。これは交流でも直流でもモーター本来の
機能である駆動又は発電ができるモーターであれば、ト
ルク制御が可能となる。また、第2モーターの発電量を
0にすることにより、発電による負荷トルクはなくな
り、発電側は空回り状態として、駆動用モーターの駆動
力が出力に伝達されない状態となり(慣性トルクがある
のでその分だけは伝達される)、丁度、クラッチを切っ
た状態をつくりだせ、このことは、クラッチと同じ機能
が提供できるものとなる。
【0097】第4に、第1モーターと第2モーターを互
いに逆回転させたとき、第1モーターを駆動用、第2モ
ーターを発電用にし、発電用の第2モーターの発電力を
回生することにより、以下の効果をもたらす。即ち、出
力が発進(0回転時)及び低速回転域での発電側モーター
の発電力回生により電力野節約ができる。また、発電力
を駆動側に直接回生させることにより、発進及び低速回
転域での出力トルクを増強できる。第5に、2つのモー
ターを差動装置で接続している構造のため、モーターの
発電又は駆動の状態と回転方向を組合わせることによ
り、走行状態にあった以下に示す各種の走行駆動が可能
になる。即ち、発進及び低〜中速走行に有効な駆動(低
速モード):出力が高トルク0回転時の状態から低〜中
速回転域までは、第1モーターを駆動用、第2モーター
を発電用として、上記の効果を発揮させる。中〜高速走
行に有効な走行駆動(高速モード):第1モーターを駆動
用、第2モーターを駆動用に使用することにより、中〜
高速回転域では、第2モーターも駆動用に使用すること
により、駆動力のアップと回転速度のアップが可能とな
る。減速時に有効な回生制動(減速モード):第1モータ
ーを発電用に、第2モーターも発電用にする。走行エネ
ルギーを回生して電力を節約するとともにブレ−キング
作用により減速させる。バック発進を可能にする走行駆
動(バックモード):第1モーターを発電用、第2モータ
ーを駆動用にする。これは、低速モードの第1、第2モ
ーターの駆動、発電を逆転させるだけで、バックさせる
ことができる。第6に、直流モーターの磁気飽和を防止
できる。第7に、構造的に変速機能をも兼ね備える。第
8に、クラッチとしての機能をも兼ね備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のモーターのT−N曲線を示すグラフ
である。
【図2】従来技術のモーターのN−T曲線と電流の関係
を示すグラフである。
【図3】本発明のモーター装置の1例の構成を示す。
【図4】本発明のモーター装置の1例の構造を説明する
ための断面図である。
【図5】本発明のモーター装置の他の例の差動装置を示
す説明図である。
【図6】本発明のモーター装置での第1モーターのトル
ク−回転数の関係を示すグラフである。
【図7】本発明のモーター装置での第2モーターのトル
ク−回転数の関係を示すグラフである。
【図8】本発明のモーター装置での出力軸のトルク−回
転数の関係を示すグラフである。
【図9】本発明のモーター装置の1例の構成を示す。
【図10】本発明のモーター装置の制御回路の1例を模
式的に示した図である。
【図11】本発明のモーター装置の各モーターに対する
制御回路の例を示した図である。
【図12】本発明のモーター装置の回生制御回路の例を
示した図である。
【図13】本発明のモーター装置での、昇圧回路を設け
た回生制御回路の例を示した図である。
【図14】本発明のモーター装置での、回生可能電圧以
下でも発電トルクを維持できる回路を設けた例を示した
図である。
【図15】本発明のモーター装置で駆動回生制御回路の
例を模式的に示した図である。
【図16】本発明のモーター装置での、回転方向遷移制
御回路の例を示した図である。
【図17】本発明のモーター装置での、ブラシモーター
のための駆動回生制御回路の例を示した図である。
【図18】本発明のモーター装置での、ブラシレスモー
ターのための駆動回生制御回路の例を示した図である。
【図19】本発明のモーター装置での自動走行のための
制御装置の例を示した図である。
【図20】本発明のモーター装置での自動走行のための
制御モードを示した表である。
【図21】本発明のモーター装置の1例を示す断面図で
ある。
【図22】本発明のモーター装置の他の例を示す断面図
である。
【図23】本発明のモーター装置の他の例を示す断面図
である。
【図24】図21のモーター装置に差動歯車を組み込ん
だ例を示す断面図である。
【図25】図23のモーター装置に差動歯車を組み込ん
だ例を示す断面図である。
【図26】図22のモーター装置を車輪のホイール内に
組み込んだ例を示す断面図である。
【図27】本発明のモーター装置の1例の断面図であ
る。
【符号の説明】 A、M1、211、221、231 第1モータ
ー 2、212、222、232 第1モータ
ー回転軸 C、218、228、238 差動装置 3、216、226、236 差動回転軸
(駆動出力軸) B、M2、211’、221’、231’ 第2モータ
ー 4、212’、222’、232’ 第2モータ
ー回転軸 9、10、234、242、252 ピニオンギ
ア 7、8、233、233’、243、243’、25
3、253’ サイドギア 11、21、215、225、225’ プラネタリ
ーキャリア(アーム) 12、22、214、224、224’ プラネタリ
ーピニオン 214’、224” プラネタリ
ーピニオンシャフト 13、23、213’、223’ インターナ
ルギア 14、24、213、223 サンギア 6、235、245、255 ピニオンシ
ャフト 16 コイル(第
1モーター) 17 磁石(第1
モーター) 18 磁石(第2
モーター) 19 コイル(第2モーター) 210、220、230 ケース 10’、10”、21’、22’、23’ 支持ベアリ
ング 261 タイヤ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1モーター、第2モーターの2つのモ
    ーターと、差動装置を備え、その差動装置は、差動回転
    する3つの回転軸を有し、第1モーターの回転軸(2)と
    第2モーターの回転軸(4)と駆動出力軸とは、各々、そ
    の3つの回転軸に固定されており、即ち、第1モーター
    の回転軸(2)と第2モーターの回転軸((4)とは差
    動装置を介して接続され、該差動装置の差動回転軸(3)
    から駆動出力を得ることを特徴とするモーター装置。
  2. 【請求項2】 該差動装置は、プラネタリーギアであ
    り、そのサンギアとインターナルギアの回転軸が、各々
    第1、第2モーターの回転軸に接続され、公転するプラ
    ネタリーピニオンギアを支持するプラネタリーピニオン
    キャリアの回転軸が、駆動出力軸となることを特徴とす
    る請求項1に記載のモーター装置。
  3. 【請求項3】 該差動装置は、差動歯車であり、左右2
    つのサイド歯車の軸が、各々、第1モーターの回転軸
    (2)及び第2モーターの回転軸(4)に接続され、ピニオ
    ン歯車よりなる公転する差動歯車の回転軸が、出力軸
    (3)となることを特徴とする請求項1に記載のモーター
    装置。
  4. 【請求項4】 第1モーター、第2モーター及び差動装
    置の回転軸を同軸上に配置し、1つのケースに納め、一
    体化したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のモーター装置。
  5. 【請求項5】 第1モーター、第2モーター及び差動装
    置の回転軸を同軸上に配置し、一体化したものを、車輪
    ホィール内に納めたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のモーター装置。
  6. 【請求項6】 第1モーターを電源装置と結合し駆動モ
    ーターとして作動させ、第2モーターを回生装置と結合
    し、発電モーターとして作動させ、該回生装置は、第2
    モーターの発電力を回生させ、又は消費させる装置であ
    り、第1モーターと第2モーターは、互いに逆回転し
    て、出力の駆動力を得ることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載のモーター装置。
  7. 【請求項7】 第2モーターから得られる発電出力を、
    逆流防止回路を介して、直接第1モーターの電気入力と
    する請求項6に記載のモーター装置。
  8. 【請求項8】 第1モーター、第2モーターの2つのモ
    ーターと、差動装置を備え、その差動装置は、差動回転
    する3つの回転軸を有し、第1モーターの回転軸(2)と
    第2モーターの回転軸(4)と駆動出力軸とは、各々、そ
    の3つの回転軸に固定されており、即ち、第1モーター
    の回転軸(2)と第2モーターの回転軸((4)とは差
    動装置を介して接続され、該差動装置の差動回転軸(3)
    から駆動出力を得、更に、第1及び第2モーターには、
    各々、電源装置或いは回生装置との結合を転換する駆動
    回生制御装置を備え、所定パターンに従って、駆動回生
    制御装置を操作して、第1及び第2モーターは、各々、
    駆動モーター或いは発電モーターとして作動することを
    特徴とするモーター装置。
  9. 【請求項9】 第1モーター、第2モーターのどちらか
    を駆動モーターとした低速モードから、第1モーター、
    第2モーターの両方を駆動モーターとした高速モードへ
    移行するようにモード切り替えを行なうことを特徴とす
    る請求項10に記載のモーター装置。
  10. 【請求項10】 第1モーター、第2モーターの2つの
    モーターと、差動装置を備え、その差動装置は、差動回
    転する3つの回転軸を有し、第1モーターの回転軸(2)
    と第2モーターの回転軸(4)と駆動出力軸とは、各々、
    その3つの回転軸に固定されており、即ち、第1モータ
    ーの回転軸(2)と第2モーターの回転軸((4)とは
    差動装置を介して接続され、該差動装置の差動回転軸
    (3)から駆動出力を得、 更に、第1及び第2モーターには、各々、電源装置或い
    は回生装置との結合を転換する駆動回生制御装置を備
    え、所定パターンに従って、駆動回生制御装置を操作し
    て、第1及び第2モーターは、各々、駆動モーター或い
    は発電モーターとして作動し、ブレーキ信号、アクセル
    信号、車速レベル信号及びレンジ信号を入力情報にして
    該駆動回生制御装置をスイッチングするパターン信号を
    発生する自動走行制御装置を設け、その各パターン信号
    を、インターバル回路を中継して、その駆動回生制御装
    置に制御信号として入力させ、該インターバル回路は、
    第2モーターの回転方向が変わるときに、猶予時間をと
    る回路であることを特徴とする請求項8に記載のモータ
    ー装置。
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