JPH07179318A - 天然ヒバ油系防カビ剤及びその製造方法 - Google Patents

天然ヒバ油系防カビ剤及びその製造方法

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JPH07179318A
JPH07179318A JP34465993A JP34465993A JPH07179318A JP H07179318 A JPH07179318 A JP H07179318A JP 34465993 A JP34465993 A JP 34465993A JP 34465993 A JP34465993 A JP 34465993A JP H07179318 A JPH07179318 A JP H07179318A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ヒバ油が希釈した状態で存在するにかかわら
ず、防カビ性を発揮する天然ヒバ油系防カビ剤及びその
製造方法を得る。 【構成】ヒバ油に苛性アルカリを加えて加熱し、次いで
水とアルコールを加えて希釈し防カビ剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然のヒバ油を主成分
とする防カビ、防菌性を有する広義には防腐剤と言われ
る食品等に用いられる処理剤(以下防カビ剤という)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品等の製造、保存にあたりカビの発生
や各種有害菌の発生、拡がりを防止するため広義に防腐
剤といわれる処理剤を添加し、カビの発生を防止し、或
は各種有害菌の発生、拡がりを防止することは広く行わ
れている。この際使用される処理剤すなわち防カビ剤と
しては、天然の材料をそのまま使用するもの、あるいは
その加工品、又は各種薬品の中から選ばれたもの等が使
用目的に応じて選択されている。各種薬品としては分子
内に硫黄、窒素、酸素などを含有する合成化合物、ある
いはヒ素を含む合成化合物などがよく知られ広く用いら
れている。
【0003】また、天然の材料をそのまま、あるいは若
干の加工を施して使用するものとしては、多くの天然材
料が使用されている。例えば、一般的にスパイスと呼ば
れるもの、あるいはある種の植物等である。しかしなが
ら、これら天然の材料を使用するものはよく知られては
いるが、工業的に実用されているものは例が少ない。防
カビ性があることが知られながら、実用されていないこ
との原因は多岐にわたることが考えられるが、その重要
な原因として、天然材料そのままでは十分な防カビ性を
示すが、一度加工したりあるいは希釈したりすると薬効
が実質的になくなることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は上述の如き実
情に対し、防カビ性を有することが明らかな天然材料の
一つであるヒバ油に関し、防カビ性を確保したまま乳化
剤を使用すること無く希釈し、有効成分を有効に使用す
る天然ヒバ油系防カビ剤及びその製造方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1.ヒバ油に苛性アルカリを加え加熱処理し、水とアル
コールを用いて希釈したことを特徴とする天然ヒバ油系
防カビ剤。 2.ヒバ油の含有量が、10%以下であることを特徴と
する上記1記載の天然ヒバ油系防カビ剤。 3.アルコールの含有量が40%以上であることを特徴
とする上記1又は及び上記2記載の天然ヒバ油系防カビ
剤。 4.アルコールが、炭素数4以下の低級アルコールであ
ることを特徴とする上記1又は及び上記2又は及び上記
3記載の天然ヒバ油系防カビ剤。 5.ヒバ油に苛性アルカリを加え、加熱した後、水とア
ルコールを加え撹拌し、pH調節を行い又は行わずに、
略均一な溶液とすることを特徴とする天然ヒバ油防カビ
剤の製造方法。 6.使用する水の量がヒバ油に対し少なくとも同じ又は
それ以上であることを特徴とする上記5記載の天然ヒバ
油系防カビ剤の製造方法。 7.使用するアルコールの量がヒバ油に対し2倍又はそ
れ以上であることを特徴とする上記5又は及び上記6記
載の天然ヒバ油系防カビ剤の製造方法。とすることによ
って目的を達成するものである。
【0006】以下詳細説明する。天然物系防カビ剤の有
効成分としてよく知られているものにヒノキチオールが
ある。このりヒノキチオールは台湾檜に含有されており
有効性を認められたとされているが、現在では青森県を
主産地とする天然青森ヒバの材部を水蒸気蒸留して得ら
れるヒバ油に最も多く含まれるとされている。ヒバ油に
はヒノキチオール以外にも有効な成分が含まれていると
言われているが、いずれにせよ有効成分の全部の含有料
は多いものではなく、微量にすぎない。従って微量の有
効成分を含むにすぎないヒバ油を単純に希釈しても防カ
ビ性は低下し、実質的効果をあげることはできないと考
えられる。
【0007】実際に、ヒバ油は各種の油分の集合体であ
るが、単純に水で希釈することは困難である。希釈のた
めに乳化剤を用いて希釈を試みても、乳化が困難であ
り、乳化が成功した場合でも効果が減少してしまった。
これは、乳化剤がヒバ油の有効成分を多分子層で覆って
しまうためと考えられる。乳化剤の中には食用に適しな
いものもあり、乳化が成功した場合でも必ずしも何時も
使用できるとは限らない。さらに乳化剤を使用して乳化
に成功した場合でもヒバ油の持っている独特の匂いは減
少しにくく、用途によっては使用することができない。
ヒバ油はエタノールのような低級アルコールには可溶で
あるが、低級アルコールによる希釈ではヒバ油の持って
いた防カビ性の持続は困難であった。このような状態に
あっては、ヒバ油はそのまま使用する以外に方法はな
く、多量の処理を行うためには多量のヒバ油を必要と
し、ヒバ油の入手の困難さや、経済的問題もあり、実用
的には使用困難である。
【0008】本発明は、ヒバ油を防カビ性を確保したま
ま希釈することに着目し、希釈されたヒバ油を主成分と
する防カビ剤を得ることに成功したものである。しかも
得られた防カビ剤は、ヒバ油独特の匂いを極めて軽微な
ものとすることができるものである。本発明は、ヒバ油
をアルカリを添加して加熱処理することと、次ぎにアル
コール特に低級アルコールと水とを加えて溶解すること
によって、ヒバ油の防カビ性を確保したまま希釈するこ
とに成功したものである。この場合、使用するアルカリ
としては苛性ソーダ、水酸化カリ等一般的に使用される
アルカリ化合物の使用が許される。
【0009】アルカリの添加と加熱により、ヒバ油の一
部の成分油分には鹸化可能の成分が含まれているので、
鹸化作用を受けることが期待され、その結果、処理され
たヒバ油は水親和性が増加していると考えられる。この
ため、乳化剤を用いていないにかかわらず処理物はヒバ
油自体に含有されるアニオン活性剤として親水性を与
え、乳化作用があってもヒバ油の防カビ性を損なわずに
水分散液となる可能性を持つものと考えられる。あるい
は、アルカリ処理により別に防カビ性を加える可能性も
考えられる。
【0010】ところが、アルカリを加えて加熱処理した
ものは、若干の水が加えられたとき油層と水層とは分か
れている。そこでエタノールの如き低級アルコールを加
え略均一な溶液とすることができた。例えば20倍に薄
めた溶液でも十分な防カビ性を発揮することを確認でき
たのである。しかもヒバ油固有の匂いは非常に弱められ
たものとなる。得られた防カビ剤においてアルコール分
は特に限定されないが、40%以上であることがヒバ油
の分散性、均一性の確保の点から特に好ましい。また、
ヒバ油分は多くても少なくてもよいが、多いことは希釈
の意義を失うことになり、あまり少ないと防カビ性の確
保に問題を生ずる。使用目的にもよるが下限は2〜3%
であり、5%であれば、殆どの使用目的において有用で
ある。上限は特に無いが、強いて言えば、希釈するとい
うことから一般的には30〜40%といえる。ここで低
級アルコールとは炭素数4以下の極めて一般的によくし
られているアルコールの意味である。
【0011】製造にあたり使用する水の量はヒバ油に対
し少なくとも同じ又はそれ以上であるのが好ましく、上
限は他の成分との関係もあり約25,26倍である。一
般的には特に2〜15倍の範囲が好ましい。水の量がこ
の範囲を逸脱するとヒバ油の均一な希釈に問題を生ずる
可能性がある。また製造におけるアルコールの使用量は
ヒバ油に対し2〜40倍の範囲が好ましく、特に4〜4
0倍の範囲が好ましい。アルコールの量がこの範囲より
少ないとヒバ油の希釈が少なくなり、有効な目的物が得
られなくなる。またあまりに多いと希釈が大きすぎて、
ヒバ油の含有量が希薄になりすぎるからである。
【0012】
【実施例1】青森産のヒバ油30グラムを冷却管付きフ
ラスコに入れ、これに3%苛性ソーダ水溶液15.5グ
ラムを加え、かき混ぜながらオーターバスにより加熱し
た。加熱は40℃から90℃を超え大部分96〜98℃
の温度で90℃を超えてから90分間加熱した。次ぎに
水100グラムを加えた。水を加えたままでは2層にな
っていたものをよく撹拌した後、89.5%エタノール
を432.4グラム加えた。エタノールを加えたものは
pH9.5であったが、1.54%塩酸水溶液で中和
し、pH7.5のものとpH6.1のものを調整した。
水で最終調整しヒバ油5%、エタノール約64.5%の
ものを得た。得られたものは黄色透明液であるが、底部
に微量の油滴が見られた。ヒバ油独特の匂いは、わずか
に感じられる程度であった。上澄液を防カビ剤として使
用した。
【0013】得られた黄色透明液を用いて防カビテスト
を行った。ブドウ糖とハチミツを含有する寒天熱水溶液
を作り、シャーレ内に冷却固化の後、これを培養体とし
た。培養テストは上記5%ヒバ油系防カビ剤を処理し、
風乾してエタノールをとばした後、培養ベッドに青カビ
を植えて、比較のため白試験を加えて比較テストした。
室温で放置したところ、白試験は7〜10日で全面にカ
ビの繁殖が見られたが、処理した培養体には30日経っ
ても青カビの繁殖は全く見られなかった。
【0014】
【実施例2】実施例1と同様のヒバ油30グラムをフラ
スコにとり、1.54%苛性ソーダ25グラムを加え直
火で加熱した。突沸しないようにかき混ぜながら加熱を
続けると、水分は次第に蒸発し、水層が褐色で下層にな
っていたものが、約30分で全体が均一層になり油層の
みになった。そこで加熱を止め、自然冷却し、水100
グラムを加えよく撹拌した後放置した。1.54%の塩
酸で中和しpH7.5に調整した。次ぎに89.5%の
エタノール432.4グラムを加え、さらに若干の水を
加えて全体を600グラムとした。得られたものは、ヒ
バ油分5%、エタノール分64.5%の黄色透明液であ
った。匂いは実施例1と同様わずかに感ずる程度であっ
た。得られた液を防カビ剤として使用し、実施例1と同
様の培養体、青カビを用い実施例1と同様のテストを行
った。テストの結果は実施例1の場合と同様30日経過
後も青カビの繁殖が見られなかった。
【0015】〔比較例1〕比較のため、ヒバ油をその1
0%のノニルフェニルエチレンオキサイドエーテル型の
非イオン活性剤を用いて水乳化液を作った。(比較A)
さらにヒバ油をそのまま89.5%のエタノールを用い
て5%溶液を作った。(比較B)比較A、比較B共匂い
は実施例1,2に比べて明らかにヒバ油独特のものを示
した。比較A、比較Bを使用し、実施例1と同様の条件
でテストを行った。比較A、比較B共、白試験よりは良
好であったが、15日頃から青カビの繁殖が見られ、防
カビ性は発揮されなかった。
【0016】実施例1、実施例2、比較例の評価結果を
表1に示す。
【表1】 注:評価結果の記号の意味は次ぎの通りである。 ○:効果あり △:効果不十分 ×:効果なし
【0017】
【発明の効果】上述の如く、本発明は、従来は希釈して
使用することは困難であった天然物系の防カビ剤の一種
であるヒバ油を、或は限られた乳化剤によって乳化に成
功しても防カビ性を確保できず、かつ、ヒバ油独特の匂
いを持ったままであったものを、乳化剤を使用せずに、
希釈して使用することを可能にし、かつ、独特の匂いを
極めてすくなくすることを可能にしたものであり、希釈
された状態で十分な防カビ性を有する天然ヒバ油系防カ
ビ剤を得ることができたものである。従って、従来、薬
効は確認されながら実質的に供給困難であり、あるいは
使用用途が妨げられていた分野まで、天然物系防カビ剤
であるヒバ油を使用可能としたものであり、優れた工業
的効果を挙げることができるものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒバ油に苛性アルカリを加え加熱処理し、
    水とアルコールを用いて希釈したことを特徴とする天然
    ヒバ油系防カビ剤。
  2. 【請求項2】ヒバ油の含有量が10%以下であることを
    特徴とする請求項1記載の天然ヒバ油系防カビ剤。
  3. 【請求項3】アルコールの含有量が40%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1又は及び請求項2記載の天然ヒ
    バ油系防カビ剤。
  4. 【請求項4】アルコールが、炭素数4以下の低級アルコ
    ールであることを特徴とする、請求項1又は及び請求項
    2又は及び請求項3記載の天然ヒバ油系防カビ剤。
  5. 【請求項5】ヒバ油に苛性アルカリを加え、加熱した
    後、水とアルコールを加え撹拌し、pH調節を行い又は
    行わずに、略均一な溶液とすることを特徴とする天然ヒ
    バ油系防カビ剤の製造方法。
  6. 【請求項6】使用する水の量が、ヒバ油に対し少なくと
    も同じ量又はそれ以上であることを特徴とする請求項5
    記載の天然ヒバ油系防カビ剤の製造方法。
  7. 【請求項7】使用するアルコールの量がヒバ油に対し2
    倍又はそれ以上であることを特徴とする請求項5又は及
    び請求項6記載の天然ヒバ油系防カビ剤の製造方法。
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