JPH07181562A - パワー視度調付カメラ - Google Patents

パワー視度調付カメラ

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JPH07181562A
JPH07181562A JP5327547A JP32754793A JPH07181562A JP H07181562 A JPH07181562 A JP H07181562A JP 5327547 A JP5327547 A JP 5327547A JP 32754793 A JP32754793 A JP 32754793A JP H07181562 A JPH07181562 A JP H07181562A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮影者の眼の特性を検出した結果から年齢を
推定し、その年齢に応じた最適な視度を自動的に補正す
る。 【構成】 遮光部材22をファインダー光学系の光路上
に挿入し、赤外発光LED17を点灯して撮影者の眼1
に光を照射し、反射光を集光レンズ19で集光して受光
素子18により受光する。次に、遮光部材22を22’
の位置に移動させ、撮影者は被写体を観察する。この状
態で被写体が所定値以上の高輝度ならばそのまま、所定
値未満ならば別光源から撮影者の眼に所定値以上の光を
照射し、撮影者の眼の瞳孔7の径を再度検出する。2回
の瞳孔7の径の検出値をCPU21に入力し、モーター
12、減速系ギア列13等を介してヘリコイド部15を
回転し、接眼レンズ保持枠11に設けられたファインダ
ー接眼レンズ10を撮影者の眼に対して遠近させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影者の眼の特性を考
慮して、自動的に視度補正を行うパワー視度調付カメラ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の自動視度補正に関して
は、特開昭63−206731号公報等に記載されてい
るように、撮影者の眼屈折力を検出して、この検出値か
ら、自動的に視度を補正するものが提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、視度補正量の検出手段として、ファインダー
内に配置した眼屈折計を使用している為、以下のような
困難な点及び欠点があった。
【0004】(1)眼屈折計の検出値からは、年齢や眼
の総合的特性の判別は困難であり、撮影者の眼に対応し
た木目細かな視度調整はできなかった。
【0005】(2)眼屈折計は、極めて高価である。高
輝度のLEDやレンズの特殊コーティング、さらには、
位置検出を行う為の高精度な受光センサーが必要な為で
ある。 (3)眼屈折計による視度調整は、消費エネルギーが大
きく、設定時間も長い。眼屈折力測定が、写真撮影の間
中行われないと正確な視度検出ができない為、高輝度L
EDの発光時間が伸び消費電力が大きくなる。また、生
体の調整作用とメカ駆動による視度調整が、交互に作用
して視度補正用のレンズの位置が決定する為に、視度が
完全に補正するまでに時間がかかり、また、レンズ駆動
の為のエネルギーが余分に消費される。
【0006】(4)眼屈折計をカメラに内蔵すること
は、精度面で困難である。網膜での反射率は0.2%と
低い為、検出の為には、不必要な部分からの入射光(ゴ
ースト)が問題となる。しかし、ファインダーは専用の
眼屈折計とは異なり、接眼部近傍で、外部からの入射光
があり(特にメガネ使用者の場合には、接眼部と眼の位
置が離れる為その影響が大きい)、ゴーストを完全に取
り除くことが困難である。また、外光が直接眼に入射す
る為、外部が明るい場合には瞳孔径が狭まり、正確な眼
屈折力の測定が極めて困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、撮影者
の眼の特性を検出し、この検出結果から、年齢を推定
し、その年齢に応じた最適な視度を自動的に補正するよ
うにしたことにより、撮影者に負担のかからない視度補
正を行うことが可能になった。
【0008】また、本発明によれば、眼の特性の検出に
より撮影者が老眼か否かを判断し、老眼の場合には、少
なくとも動的屈折で調整できない領域を自動的に補正す
ることにより、必要最小限のエネルギーで、撮影者の視
度ずれのない見やすいファインダーを実現したものであ
る。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例であり、カメラ
のファインダーを撮影者が覗いた状態を示している。カ
メラの他の部分は良くしられているので省略する。
【0010】同図において、1は撮影者の眼を示し、外
界からの光線は、透明体でできた角膜2から入射し、前
房水3、水晶体4、硝子体5などの透明媒質を通過して
網膜6に達する。
【0011】また7は、瞳孔であり、虹彩といわれる色
素に富んだ瞳で囲まれた孔でカメラの絞りに対応する。
瞳孔7は、瞳孔括約筋により小さくなったり、散大筋に
より大きく広げられたりする。
【0012】また、8は、カメラ本体のカバー、9は、
ファインダー接眼部に設けた透明樹脂で形成された接眼
窓、10は、ファインダー接眼レンズである。接眼レン
ズ10は、不図示のカメラ本体に設けたガイド部材によ
って、ファインダー光学系の光軸上を移動するように規
制された、接眼レンズ保持枠11によって保持されてい
る。
【0013】12は、接眼レンズ保持枠11を駆動する
為のモーターであり、減速ギア13を介して、減速させ
た後、最終段の減速ギア14に動力が伝達される。減速
ギア14には、接眼レンズ保持枠11を所定の位置に移
動させる為のヘリコイド部15が形成されており、この
ヘリコイド部15と接眼レンズ保持枠11に設けた係合
部11aが係合することによって、接眼レンズを所定の
位置に移動させることができる。モーター12、減速ギ
ア13,14はいずれも不図示のカメラ本体に固定され
ている。
【0014】一方、16は、接眼レンズ10の位置を検
出する為の位置検出基板であり、不図示の接眼レンズ保
持枠11に固定された位置検出接片を用いて接眼レンズ
10の絶対位置が検出できるように構成されている。
【0015】17は、撮影者の目の特性を検出する為の
赤外発光LEDであり、撮影者が、ファインダー像を観
察する位置において、瞳全体が均一に照射されるように
光軸中心、及び配光が調整されている。図示の例では、
LED形状そのままだが、必要に応じて、LEDの前面
に集光レンズ又は拡散板を配置しても良い。
【0016】18は、赤外発光LED17の光が、撮影
者の眼に当って反射した光を受光する受光素子であり、
19は、反射光を集光する為の集光レンズである。
【0017】20は、モーター駆動用のモータードライ
バー、21は、目の特性を検出し、視度調整を自動制御
する為のマイコンである。尚、赤外発光LED17及び
受光素子18、集光レンズ19は、不図示のカメラ本体
に固定されているものとする。
【0018】22は、ファインダー光路上に挿入、退避
可能に配置した遮光又は減光部材であり、図示の矢印の
方向に移動可能に構成されている。
【0019】上記構成において、まず、公知のアイ検出
手段によって、撮影者がカメラを構えたことを検知する
と、撮影者の眼の特性を検出するモードに入る。以下、
この眼の特性検出モードについて説明する。
【0020】まず、このモードに入ると、遮光又は減光
部材22がファインダー光学系の光路上に挿入され、一
時的にファインダー内部を一定以下の明るさに保つ。撮
影者の瞳孔径が十分に広がる時間経過後、赤外発光LE
D17を点灯させ、撮影者の瞳に均一な光を照射する。
この反射光を、ファインダー光軸に対して反対側に配置
した集光レンズ19で集光させた後、平面で形成された
受光素子18によって受光する。この時の受光パターン
は、瞳孔に対応する部分が、光線が眼球内部まで透過す
る為、反射光が少なく、瞳孔周辺の虹彩の部分は反射成
分が多い。
【0021】従ってこの反射光の少ない部分の面積又は
直径を検出することによってファインダーが暗い状態
(瞳に入る入射光量が少ない状態)における、瞳孔径を
検出することができる。次に、前述した遮光又は減光板
22をファインダーの光路外に退避させる。すなわち、
図示の22’の位置に遮光又は減光板を移動させる。こ
の遮光又は減光板22の移動により、ファインダー内の
像は正規の被写体を観察できる状態になる。この状態
で、被写体の測光値が一定以上の高輝度の状態であるか
を判断し、所定値以上ならばそのまま、所定値に満たな
い場合には、不図示の別光源により、撮影者の眼に所定
値以上の光を入射させるようにする。そして撮影者の眼
の瞳孔径が変化するのに十分な時間が経過後、再度、瞳
孔径の大きさを検出する。すなわち、赤外発光LED1
7を点灯させ、その反射光を受光素子18で検出する。
この2度の瞳孔径の検出により、外界輝度変化による瞳
孔径の変化を検出することができる。次に、上記一連の
瞳孔径の検出結果はCPU21に入力され、撮影者の眼
の特性、特に撮影者の年齢が判断される。たとえば、こ
こでの瞳孔径が、所定輝度値以下でφ2.0、また、本
来瞳孔径変化が行われるべき、所定輝度値以上の明るさ
の下での瞳孔径もφ2.0であれば、この撮影者の眼
は、明るさの変化に対して瞳孔径の変化がない、すなわ
ち老眼として判断することができる。このように、撮影
者の眼の特性から年齢が推定されると、次に、この眼の
特性に応じた視度補正を行うことになる。
【0022】ここで、たとえば、上述のように撮影者の
眼が老眼と判断された場合を考えてみると、図8に示す
ように、老眼になると遠視になる傾向があり、この視度
をまず補正する必要がある。通常カメラのファインダー
等で使用される視度は、光学機器の接眼レンズを覗き込
んだ時その間だけ近視になってしまう器械近視という現
象を考慮して−1ディオプター(D)に設定される場合
が多い。図示の例では、この状態での接眼レンズの位置
を10’で示している。
【0023】これに対し、本実施例に示すように、撮影
者の眼が老眼である場合には、遠視傾向となる為、図示
の実線の接眼レンズの位置10まで、撮影者の眼の方向
に移動させ、すなわち視度をプラス側へ補正する必要が
ある。この補正量としては、撮影者の個人差にもよる
が、図8からわかるように+0.5〜+1.0ディオプ
ター程度の調整量が必要となる。
【0024】図1において、この補正量がCPU21で
算出されると、モータードライバー20を介してモータ
ー12に電力が供給され、モーターの出力が減速系ギア
列13を介して、ギア14が駆動され、ギア14に形成
されたヘリコイド部15によって、接眼レンズ保持枠1
1がファインダー上を光軸方向を移動する。この移動量
は、位置検出基板16と不図示の位置検出接片によって
検出され、所定の視度調整が行われるとモーター12へ
の給電が中止され停止する。この一連の動作によって、
撮影者の年齢に応じた視度補正を自動的に行うことがで
きる。この一連の動作のフローチャートを図9に示す。
【0025】本実施例は、明るさの変化による瞳孔径の
変化から年齢、特に老眼であることを判断したが、眼の
年齢による変化特性は、この瞳孔径の変化だけでなく、
何種類かの要素があり、この要素を複数関連させて検出
することにより、正確で細かい年齢の推定が可能にな
る。以下、老眼の現象、及び眼の特性の年齢による変化
を説明し、本発明の特徴である目の特性の検出方法の妥
当性を説明する。
【0026】老眼とは、視機能の低下現象、特に距離の
異なる物体の像を網膜上に結像させる調節機能の低下が
原因となっている。この為、この老眼を補正する為の手
段として、眼鏡を使って、無限遠の物体を網膜上に結像
させる眼球光学系の屈折力を正常な状態に矯正する方法
がとられていた。しかし、本来の調整機能の低下を補う
手段ではない為、眼鏡をかけたままでは、逆に近距離が
調整範囲外になってしまい、近距離の物体を見る為に
は、眼鏡を外したり、別の眼鏡をかけなければならなか
った。
【0027】このような年齢による眼の調整力の変化を
定量的に示したのが、図8である。同図において、縦軸
は眼の調整力をディオプター(D)で表わしている。こ
の単位は、網膜上に結像する物点から眼球の物側主点ま
での距離をメートルで表わし、その逆数をとったもので
ある。尚、横軸には年齢をとっている。また、図中の遠
点とは、自然のままで調整機構を働かせない状態でピン
トの合う距離を示し、近点とは眼の調整機能により、最
も近くにピントが合う距離を示している。ここで、遠点
と近点の範囲を調整域あるいは調整幅という。また各人
の遠点から近点まで行われる調整の程度をその人の調整
力という。調整力は、主として水晶体の硬化により年齢
と共に減少し、近点距離が、いわゆる明視の距離(25
〜30cm)より遠くなっていることがわかる。
【0028】したがって、老眼の人に眼鏡を用いないで
写真撮影を行わせる為には、少なくとも以下の2点の補
正が必要である。
【0029】(1)少なくとも老眼の人の調整力(幅)
以上の視度変動を生じる場合には、ファインダーのフォ
ーカス手段により、不足量を自動的に補う。
【0030】(2)老眼特有の遠視傾向を老眼と判断し
た時点で補正する。
【0031】ここで(1)は、特に、高倍率のズーム変
化が可能で外部ファインダーを備えたカメラで特に問題
となる。この為、温度変化や被写体距離変化によって生
じる視度変化を検出して、その検出値が所定値を越えた
場合に、視度補正を細かく行うことが必要となる。また
(2)は、本発明の第1実施例で示したそのものであ
る。
【0032】次に、眼の特性の年齢的変化について説明
する。眼の特性、特に(検出が容易で)年齢によって、
徐々に変化していく特性としては、以下の様なものが考
えられる。
【0033】(1)角膜2と水晶体4の間(前房)の距
離;20才前後で最長となり、幼児や老人になると短く
なる。大体4.2mmから2.4mmの範囲で変化す
る。
【0034】(2)瞳孔径;正常状態で、新生児、老人
は直径2mm、成人で直径4〜6mmであり、明暗によ
って変化する。また光量のみでなく、感情や交感神経刺
激でも変化する。
【0035】(3)角膜は年齢と共に偏平化する傾向に
ある。
【0036】(4)水晶体4の形状変化;年をとるにつ
れて筋肉系による変形が効率良く行われなくなり、水晶
体前面の曲率が大きくなる(しかし、ピント調整時の形
状変化は少なくなる)。
【0037】(5)年齢により、水晶体を構成している
不溶性タンパク質が多くなり、(水晶体全体の屈折率が
低下すると共に)多層構造の境界面での光散乱が生じや
すくなり、像の鮮明度が低下する。
【0038】(6)年齢による動体視力の変化……車窓
などから外の景色を眺めていると、意識的に見ようとし
なくても、自然に目が動いてしまう現象がある。これは
視機性眼球運動と呼ばれ、物の動きを追う成分と、速い
速度で元の位置に戻そうとする動きが繰り返して行われ
る運動であり、この動体視力の変化は年齢と共に変化
し、年をとるにつれて、この動体視力が低下する。
【0039】(7)高齢者になると、ゲル状の硝子体が
液化しはじめ、眼球光学系の空間配置を保持する作用が
弱くなる。→(1),(3)とも関連する。
【0040】以上説明したように、眼の特性は年齢と共
に徐々に変化していく。個人差は多少あるものの傾向と
してはほぼ一致している為、ここに示したいくつかの特
性を検出し、その変化量を定量的に測定することによっ
て年齢の推定を精度良く行うことが可能である。
【0041】たとえば第1実施例に示した瞳孔径の検出
に関しても、単なる明るさによる瞳孔径の変化量だけで
はなく、瞳孔径が変化する速度を検出することにより、
年齢による反射速度の変化や眼精疲労の度合を検出して
精度を上げることができる。また、逆に検出機構をより
簡単にする為、ある所定以下の明るさのみで瞳孔径の大
きさを検出して年齢を推定するようにしても良い。
【0042】上記実施例では、目の特性を検出する為の
投受光系をファインダー光学系の近傍(左右)に配置し
ているが、必ずしも投受光系がこの構成に限定される必
要はなく、ファインダー光学系の一部を光分割し、受光
系もしくは投受光系を配置することも可能である。この
ことによって、撮影社の目がファインダーから離れた状
態でも、検出系の誤差が少なくなり、より効果的な検出
系を実現できる。
【0043】図2は、本発明の第2実施例であり、カメ
ラのファインダーを撮影者が覗いた状態を示している。
尚、図1と同一箇所については同一番号で示す。本実施
例の特徴は、目の特性の検出、及びファインダーの視度
調整に可動部を有しないこと、また、ファインダー系が
撮影系に対して独立に設けた実像式の外部ファインダー
系であることである。以下、図を用いて説明する。
【0044】23は、焦点距離可変レンズで形成された
接眼レンズである。すなわち、接眼レンズ23は、内部
に高屈折率の液体を封入し、外部からの圧力によってそ
の形状、特に曲面形状を変形させレンズの焦点距離を可
変できるように構成したものである。24は、上記接眼
レンズ23を保持すると共に接眼レンズの外周部の少な
くとも一部を押圧し、接眼レンズの形状を変化させるこ
とができる接眼レンズ保持枠である。25は、ファイン
ダーの像を反転させる為のポロプリズム、26は、ファ
インダー対物レンズによる被写体像の焦点、及び接眼レ
ンズ23のほぼ焦点位置に配置された透過型液晶装置で
あり、AF表示、パラ補正表示等のカメラの各種表示が
可能であるとともに、撮影者の眼の特性検出の為のパタ
ーン表示及び明るさの調整も可能である。
【0045】27は、ファインダー接眼部に設けられ、
接眼レンズ23を保護する為の透明樹脂で形成された接
眼窓、27aはこの接眼窓の一部に形成されたプリズム
部である。28は、赤外発光ダイオード、29は、眼の
反射光を検出する為の受光素子である。30は、受光素
子29の前面に配置され、撮影者の眼の反射光を検出す
る為のプリズムである。上記プリズム30は、接眼窓2
7と別に設け、スミ塗り等の処置を施すことにより赤外
発光ダイオードからの光が直接入射するのを防止してい
る。
【0046】31は、接眼レンズ保持枠24をレンズの
周方向から加圧する為の駆動装置であり、32は、撮影
者の眼の特性を検出し、視度を自動的に補正する光学系
を制御するマイコンである。また、33は、ファインダ
ーに視度変動を与える要素、たとえば、被写体距離等を
検出する検出装置である。
【0047】上記構成の第2実施例の動作を以下に説明
する。
【0048】撮影者がカメラのファインダーを覗くと、
まず赤外発光LED28が発光し、その反射光を受光素
子29で検出し、そのパターン認識結果から、人間の目
であると判断された場合に、撮影者の眼の特性検出を行
うモードに入る。以下、この眼の特性検出モードについ
て説明する。
【0049】まず、このモードに入るとファインダー光
学系焦点位置に配置された液晶装置26が駆動され、フ
ァインダー内の明るさが所定値以下で若い人の瞳孔が十
分に開く状態に一定時間保持される。この時のファイン
ダー内の表示を示したのが図3(a)の状態であり、フ
ァインダー上の各表示は消灯状態にあり、全体が暗くな
っている。図中のファインダー内の各表示を説明する
と、34は、パノラマ用表示部、35,36は、パラ補
正用表示部、37a〜fは、眼の動体視力検出用表示部
である。
【0050】一方、この状態における、受光素子29上
での眼の特性の検出結果を説明の為に簡単に示したのが
図4(a),(c)である。図4(a)は若い人が、所定
値以下の明るさのファインダーを覗いている状態の瞳孔
の状態を示し、図4(c)は、老眼の人の同一の状態を
示す。
【0051】図中、38は、眼球中央の反射光の少ない
部分、すなわち瞳孔部に対応し、39は、その次に反射
光の少ない虹彩の部分に対応する(この両者で黒目を形
成している)。一方、40は、その外部の白目の部分に
対応し反射光は最も多い部分を示す。図中、瞳孔対応部
38,38’の網目の度合を変えているのは、瞳孔対応
部での単位面積当りの反射光量に差があることを示し、
(a)に示す若い人の場合には反射光量が少なく、
(c)に示す老眼の人の場合には、単位面積当りの反射
光量がやや多いことを示している。
【0052】次に、ファインダー内の明るさを一定値以
上に明るくする。すなわち、透過型液晶装置26を透過
状態にする。この時、被写体輝度が低くファインダー上
での明るさが十分に得られないような場合には、不図示
の照明装置により、ファインダー焦点位置に置かれた透
過型液晶装置26を照明することにより、眼の特性検出
完了状態まで一定以上の明るさに保つようにする。この
状態における受光素子29上での眼の特性の検出結果を
示したのが、図4(b),(d)である。尚、図4(b)
は若い人、図4(d)は老眼の人の状態を示す。
【0053】このように、ファインダー内の明るさを調
整するとによって変わる撮影者の眼の特性の変化につい
て説明する。まず図4(a),(b)に示す若い人の場合
について説明する。暗い状態で検出結果を示す(a)で
は、瞳孔径が十分に広がっている(φ6程度)。また、
瞳孔に対応する部分は暗く、水晶体での光拡散がほとん
どないことを示している。一方、明るい状態での検出結
果を示す(b)では、瞳孔径が縮まっている(φ2程
度)。(a)同様、瞳孔径に対応する部分は暗くなって
いる。
【0054】次に図4(c),(d)に示す老眼の人の場
合を説明すると、暗い状態での検出結果を示す(c)で
は、瞳孔径は縮まっており(φ2程度)、瞳孔径対応部
は、若い人の場合に比べ、やや明るい、すなわち、水晶
体での光拡散が一定量あることを示している。一方、明
るい状態での検出結果である(d)についてみると、暗
い場合とまったく同一であり、瞳孔径は縮まっており
(φ2)、瞳孔径対応部の広拡散も一定量ある状態のま
まである。
【0055】このように眼の特性は年齢と共に変化し、
明るさによる瞳孔径の変化、水晶体の拡散状態、更に
は、瞳孔径の明るさに反応する速度等から年齢をある程
度推定することができる。
【0056】次に図3(b)及び図5を用いて、撮影者
の動体視力の測定方法について説明する。
【0057】図3(b)は、動体視力検出時のファイン
ダー像を示す。同図において、外界の被写体の影響を少
なくする為、パノラマ状態の視野枠となっている。すな
わち、ファインダー像のパノラマ用表示部34の上下の
部分は、透過型液晶装置26を駆動し透過度を調整する
ことにより、暗くなっている。このことによって撮影者
の視線を中央の表示部に集中しやすいようになってい
る。この状態で画面中央6箇所に配置された矢印状の表
示部37a〜37fを順次表示させていく。すなわち、
まず最初に左端の表示37aを表示、この消滅と同時に
37bを表示という順に左側の表示から右側の表示へと
1つずつ表示をずらしていき、一番右側の37fの表示
までくると、また37aの表示に戻るという動作を一定
の表示速度で繰り返す。図3(b)は2番目の表示37
bが表示状態にあることを示している。このように矢印
表示を1つずつずらしていくことにより、あたかも、矢
印が左側から右側に移動していくように見える。尚この
矢印の移動速度は、変更可能であり、この移動速度に視
線が追いついていけるかどうか、すなわち順応できるか
どうかで動体視力の検出を見極めようとするのが、この
表示の目的である。この時の撮影者の眼の動き(視線)
を検出している状態を示したのが、図5(a)〜(c)
である。これは図4同様、赤外発光LED28の眼での
反射光を受光素子29で検出した状態を示したものであ
る。
【0058】図3(b)で示した矢印の表示の移動に対
応して視線も(a)に示す左側の位置から(b)に示す
中央、(c)に示す右側へと順次移動していく。この
時、年齢や、眼の疲労度によっては、矢印の移動速度に
ついていけず、視線が、矢印の移動に対応できない状態
(視線固定の状態又は、目をつぶった状態)が存在す
る。この矢印の移動速度と視線が対応しているか否かを
判断して、撮影者の動体視力を検出することによって、
年齢を推定することが可能である。
【0059】以上のような方法で撮影者の眼の特性を検
出し、年齢が推定されるとそれぞれの年齢に応じた視度
補正が行われる。すなわち図2において、8図に基づく
年齢による視度変化量や、ファインダーの視度変動検出
装置33の出力に考慮して、CPU32で最適な視度が
算出される。この算出値を基にして、駆動装置31を介
して、接眼レンズ保持枠24をレンズの周方向から加圧
することにより、接眼レンズ23を所定の屈折力が得ら
れる形状に変形させ、視度の補正を行う。
【0060】以上の眼の特性の検出からレンズ変形に至
るまでの一連の動作をとることにより、撮影者に最も適
した視度補正を行うことができる。この一連の動作をフ
ローチャート図10に示す。尚、眼の検出方法について
は、上記第2実施例では、撮影者の眼の明暗による瞳孔
径の変化、瞳孔径の変化速度、瞳孔部での反射率、動体
視力検出等の方法について述べたが、以上の方法に限定
されることはなく、この中の複数の組合せ、または別な
方法との組合せによる検出方法をとっても良い。たとえ
ば角膜曲率半径測定等。また、視度調整を行う接眼レン
ズの屈折力の変化は、本実施例は、レンズ形状変化によ
って行ったが、必ずしもこの方法に限定されない。たと
えば、印加電圧によって屈折率が変化するような液晶を
用いたレンズを用いれば可動部なしに、視度変更をする
ことができ、またスペース効率を向上させることができ
る。
【0061】上記実施例の動体視力検査の為のファイン
ダーの矢印表示は、必ずしもこの形状に限定されること
はなく、任意の形状で良く、たとえば、しま模様のパタ
ーンの移動等でも良く、また方向に関しても、左から右
への移動に限定されるものではない。また表示方法も液
晶に限定されるものではなく、たとえばファインダー像
近傍に配置したLEDを選択的に発光するように構成し
ても良い。
【0062】また、本実施例の他の一つの別の特徴は、
眼の投受光系に複数の機能を持たせていることである。
すなわち、赤外LED28の発光とこの光を受ける受光
素子29によって、 (1)アイ検出…カメラ接眼部の背後に位置するものが
撮影者の眼であることを形状認識する。
【0063】(2)視線検出…フォーカスポイントの設
定、撮影モードの設定等の入力手段として視線を用いる
場合の検出手段として使用する。
【0064】(3)視度補正の為の眼の特性検出…瞳孔
径等、実施例で示した各項目の検出。の各種機能を同時
に検出することができる。
【0065】また、本実施例は、ファインダー情報の表
示手段として透過型の液晶を用いており、この液晶表示
を利用して、眼の特性検出を行う為のファインダー内の
明るさの制御及び、動体視力検出の為のパターン移動も
同時に行うことも大きな特徴になっている。
【0066】図6、図7に本発明の第3実施例を示す。
【0067】第1、第2実施例では、眼の特性の検出方
法として、比較的広い範囲を受光素子で検出し、その検
出値から瞳孔径の認識を行っていたが、精度よく検出で
きるものの、検出までの演算処理が複雑であった。本実
施例は、眼の特性の検出を簡易的に行う方法を示す。
【0068】図6において、41は、撮影者の眼、42
は、赤外発光LED、43は、ラインセンサーである。
【0069】一般的に外部ファインダーを用いたカメラ
は、小型化を指向したコンパクトカメラである場合が多
く、ファインダーの形状もより小型化されている。この
為、撮影者がファインダーを覗いた時に隅部がけられる
ことなく全域が見渡せる目の振り量(瞳径)が小さく、
また、光軸前後方向の量;アイポイントも短い為、ファ
インダー光学系に対する眼の位置の自由度が極めて少な
い。この為、ファインダー接眼レンズに対する撮影者の
目の位置は、ほぼ一義的に定義できる。そこで、撮影者
の眼の位置を予め想定し、光軸中心の水平断面における
眼の反射特性から、年齢を推定するようにしたのが本実
施例である。
【0070】図6に示すように、撮影者の眼の想定位置
に対し、赤外発光LED39及びラインセンサー40を
光軸の水平断面上に配置する。そしてファインダー内の
明るさを所定値以下の状態で保持し、瞳孔径を広げる。
このようにして得られた検出値の一例を図7に示す。
【0071】図7は、撮影者の眼の光軸中心を0にと
り、横軸を光軸中心からの距離、縦軸にその位置に対応
した反射光量の値をとった図である。図示の例では、瞳
孔径がφ6であり、その時の反射光量も同時に検出する
ことができる。この結果から若い人であることが判別で
きる。また、瞳孔径の径が小さく、瞳孔径対応部の反射
率が高い場合には、第1、第2実施例同様老眼と判別す
ることができる。
【0072】年齢検出以後の視度調整方法は、前記実施
例と同様な為省略する。本実施例は、受光センサーとし
てラインセンサーを利用している為、安価であり、検出
後の演算処理が容易であるという利点がある。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、撮影者の眼の特性
を検出し、この検出結果から年齢を推定し、その年齢に
応じた最適な視度を自動的に補正するようにしたことに
より、調整不可能な老眼の人に対しても自動的に視度補
正ができると共に、若い人でも過度の調整を必要としな
い為、目に対する負担を軽減することができる。また、
眼の特性の検出方法が、眼屈折計のような網膜反射を利
用したものでなく、眼の外側に近い要素の検出である
為、眼の特性の検出が容易であると共に安価に構成でき
るという利点がある。また、検出機構の小型化、複合化
も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の撮影者がファインダーを
覗いた状態を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例の撮影者がファインダーを
覗いた状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例のファインダー内の表示を
示す図である。
【図4】本発明の第2実施例における受光素子上での眼
の特性の検出結果の説明図である。
【図5】本発明の第2実施例における目の動きの検出結
果の説明図である。
【図6】本発明の第3実施例における眼の検出状態を示
す図である。
【図7】本発明の第3実施例における眼の検出結果を示
す図である。
【図8】年齢による眼の調整範囲の変化を示す図であ
る。
【図9】本発明の第1実施例のフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施例のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…撮影者の眼 4…水晶体 7…瞳孔 9…接眼窓 10,23…ファインダーの接眼レンズ 11,24…接眼レンズ保持枠 15…ヘリコイ
ド部 17,28,42…赤外発光LED 18,29,4
3…受光素子 19…集光レンズ 21…CPU
(マイコン) 22…遮光部材 26…透過型液
晶装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影者の目の特性を検出する検出手段
    と、 該検出値から、撮影者の視機能を推定する判断手段と、 該判断手段の出力から視機能に対応した視度補正を自動
    的に行うようにしたことを特徴とするパワー視度調付カ
    メラ。
  2. 【請求項2】 上記目の特性とは、所定の明るさでの瞳
    孔径の大きさであることを特徴とする請求項1記載のパ
    ワー視度調付カメラ。
  3. 【請求項3】 上記目の特性とは、輝度変化に伴う瞳孔
    径の変化量、変化速度等の変化であることを特徴とする
    請求項1記載のパワー視度調付カメラ。
  4. 【請求項4】 上記目の特性とは、水晶体等で発生する
    光線入射時の光拡散量であることを特徴とする請求項1
    記載のパワー視度調付カメラ。
  5. 【請求項5】 前記視機能は年齢に即応するとみなすこ
    とを特徴とする請求項1記載のパワー視度調付カメラ。
  6. 【請求項6】 ファインダー系を撮影系に対して独立に
    設けた外部式のファインダー系と、撮影者の目の特性を
    検出する検出手段と、該検出値から、撮影者の年齢を推
    定する判断手段と、予め入力された年齢に応じた視度補
    正値を記憶する記憶手段と、ファインダーのフォーカス
    部を駆動する駆動手段とからなることを特徴とするパワ
    ー視度調付カメラ。
  7. 【請求項7】 上記判断手段は、老眼であるかないかを
    判断し、老眼の場合には、遠視の補正を自動的に行うこ
    とを特徴とする請求項6記載のパワー視度調付カメラ。
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