JPH07181995A - 音声合成装置及び音声合成方法 - Google Patents

音声合成装置及び音声合成方法

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JPH07181995A
JPH07181995A JP5323648A JP32364893A JPH07181995A JP H07181995 A JPH07181995 A JP H07181995A JP 5323648 A JP5323648 A JP 5323648A JP 32364893 A JP32364893 A JP 32364893A JP H07181995 A JPH07181995 A JP H07181995A
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JP
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unit
environment
voice
speech
data
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JP5323648A
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English (en)
Inventor
Kaoru Tsukamoto
薫 塚本
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より肉声感のある自然音声に近い合成音声信
号を生成する。 【構成】 音韻環境を持たぬように1音1音はっきりと
発声された音声信号から分析生成された環境無関係の音
声素片データを格納している音声素片データ記憶部14
Bと、音韻環境を持つように発声された音声信号から分
析生成された抽出環境付の音声素片データを格納してい
る音声素片データ記憶部14Aとを用意している。音声
素片データの選択情報を音声単位の種類毎に格納してい
る選択情報格納手段16,18を用意している。そし
て、入力された文字情報が変換された音韻列における音
声単位毎に選択情報格納手段を参照し、この音韻列にお
ける音声単位との音韻環境の類似度が高く、直前の音声
素片データとの接続が良好な抽出環境付の音声素片デー
タがあればそれを選択し、なければ環境無関係な音声素
片データを選択する(13,17,19)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された文字列情報
を音声に変換して出力する音声合成装置及び音声合成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】文字情報(例えばテキストデータ)を入
力として、それを音声に変換して出力する音声合成装置
は、出力語彙の制限がないことから、録音・再生型の音
声合成技術にとって代わる音声合成技術として種々の利
用分野での応用が期待できる。例えば、ワードプロセッ
サ等で作成されたテキストデータを発音出力させたり、
翻訳処理で得られた目的言語のテキストデータを発音出
力させたりする際などに利用できる。
【0003】図2は、日本語(漢字かな混じり文)を入
力とした従来の音声合成装置(日本語テキスト音声変換
装置)の構成を示しており、以下、この図2を参照しな
がら従来装置の概要を説明する。
【0004】図2において、テキスト解析部101で
は、発音辞書102を利用して、文字情報入力部100
より入力された漢字かな混じり文から、音韻・韻律記号
列を生成する。ここで、音韻・韻律記号列とは、入力文
の読み、アクセント、イントネーション等を文字列とし
て記述したもの(中間言語)である。各単語の読みとア
クセントは、発音辞書102に登録されており、テキス
ト解析部101は、この辞書102を参照しながら音韻
・韻律記号列を生成する。
【0005】合成パラメータ生成部103では、音韻・
韻律記号列に基づき、音声素片(音の種類)、音韻継続
時間(音の長さ)、基本周波数(声の高さ)パターンと
いった音声合成用のパラメータ(合成パラメータと呼
ぶ)を生成する。このうち、音声素片は、接続して合成
波形をつくるための音声の基本単位であり、単語等を発
音したときの発声データから生成されるものである。な
お、以下では、CV(子音−母音)、VCV(母音−子
音−母音)等の音声の基本要素の組合わせ自体を音声単
位と呼び、その音声単位の波形を実現する要素を音声素
片と呼ぶ。1個の音声単位は、例えば複数の音声素片で
なる組に対応する。音声素片データは、ROM等でなる
音声素片データ記憶部104に格納されており、合成パ
ラメータ生成部103は、音韻・韻律記号列から音声単
位を認識して対応する音声素片データを取出す。
【0006】音声合成部105は、合成パラメータ生成
部103が生成した合成パラメータに基づいて、合成波
形を生成する。このような合成音声信号が、スピーカを
通して発音出力されたり、回線を介して他の装置に伝送
されたりする。
【0007】ところで、人間は様々な音韻を発声するた
め音韻に合わせて声道の形を調整しているが、会話音声
のように連続して発声された一般の音声では、声道の形
は急には変化できないために、前後の音韻の影響を受け
て、音韻と音韻との中間部においてその本来の周波数か
らずれるという性質がある。この音韻と音韻の中間部に
おいて音響的性質が連続的に変化することを調音結合と
言うが、近年、合成音の品質の向上を目指し、音声合成
装置においても、この調音結合を考慮した合成パラメー
タの生成方法が考えられている。
【0008】考えられる第1の合成パラメータの生成方
法は、同一のCV(子音−母音)、VCV(母音−子音
−母音)等でなる音声単位として、その音声単位に対応
する音声素片データの組合わせが異なるもの、すなわ
ち、異なった音韻環境(前後の音韻が異なっているよう
な環境)を持つ複数の音声単位を用意し、入力文中(従
って、音韻・韻律記号列)の音韻環境に合った音声単位
を選択して使用するものである。
【0009】また、考えられる第2の合成パラメータの
生成方法は、音声単位(従って音声素片)を接続して音
声を合成する場合において、音声単位間の接続点での歪
みは避けられないので、接続点そのものを減らすため
に、入力音韻列を接続歪みが大きくなるような場所での
接続を避けるように区切り、任意の長さの音声単位を選
択するものである(例えば、下記文献参照)。
【0010】文献『岩橋直人、匂坂芳典共著、「歪み最
小化音声合成方法の主観・客観評価」日本音響学会講演
論文集2−2−15、1992年3月』
【0011】
【発明が解決しようとする課題】音声の調音結合という
性質を考慮した上述した第1及び第2の合成パラメータ
の生成方法によれば、音声の自然性や肉声感といった点
から合成音声の品質を向上させることが期待できる。
【0012】しかしながら、音韻環境を考慮して第1の
合成パラメータの生成方法を適用し、かつ、接続による
歪み(接続箇所)を減らそうとして第2の合成パラメー
タの生成方法を適用した場合、1個の入力文に対して、
音声単位の何通りもの組合せの中から最適なものを求め
るという問題になり、多くの計算を要してしまうという
問題があった。
【0013】また、計算量の増大やメモリの制限から考
えて、それぞれの音声単位についてあらゆる音韻環境を
揃えることは不可能である。従って、音韻環境の合った
音声単位がない場合は、他の環境を持つもので代用する
ことになるが、異なった調音結合を起こしている音声単
位は音響的に異なったものであるので、これらが接続さ
れると接続歪みは大きくなり、合成音の音質を損なって
いた。
【0014】つまり、音質の向上には、音声単位の音韻
環境まで考慮することが必要であるが、記憶部に揃えら
れなかった音韻環境を持つ音声単位を入力文から要求さ
れた場合には、適切な対処ができない。
【0015】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、少ないメモリ容量及び処理量でより肉声感の
ある自然音声に近い合成音声信号を生成することが可能
な音声合成装置及び音声合成方法を提供しようとするも
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明においては、入力された文字情報を音
声信号に変換する音声合成装置において、以下の各手段
を設けた。
【0017】(1) 音韻環境を持たぬように1音1音はっ
きりと発声された音声信号から分析生成された環境無関
係の音声素片データを格納している環境無関係音声素片
データ記憶部と、(2) 音韻環境を持つように発声された
音声信号から分析生成された抽出環境付の音声素片デー
タを格納している抽出環境付音声素片データ記憶部と、
(3) これら音声素片データの選択情報を音声単位の種類
毎に格納している選択情報格納手段と、(4) 入力された
文字情報が変換された音韻列における音声単位毎に選択
情報格納手段を参照し、この音韻列における音声単位の
音韻環境に対して近似しており、直前の音声素片データ
との接続が良好な抽出環境付の音声素片データがあれば
それを選択し、なければ環境無関係な音声素片データを
選択する合成パラメータ生成手段とを設けた。
【0018】ここで、選択情報格納手段が、(3-1) 抽出
環境付の音声素片データの音韻環境を音声単位毎に格納
している音声単位辞書と、(3-2) 抽出環境付の音声素片
データの接続部情報を音声単位毎に格納している接続部
情報記憶部とからなり、合成パラメータ生成手段が、(4
-1) 入力された文字情報が変換された音韻列における音
声単位毎に音声単位辞書を参照し、この音韻列における
音声単位の音韻環境に対する近似度合から候補を絞り込
む音声単位選択チェック部と、(4-2) 絞り込まれた抽出
環境付の音声素片データと直前の音声素片データとの類
似度を接続部情報記憶部の格納内容から求める類似度計
算部と、(4-3) 音韻環境及び接続部の類似度に基づいて
抽出環境付の音声素片データの候補を1個に絞り込むと
共に抽出環境付の音声素片データを選択するか環境無関
係な音声素片データを選択するかを決定する合成パラメ
ータ生成部とからなることは好ましい。
【0019】また、第2の本発明においては、入力され
た文字情報を音声信号に変換する音声合成方法を、以下
のようにした。
【0020】すなわち、音韻環境を持たぬように1音1
音はっきりと発声された音声信号から分析生成された環
境無関係の音声素片データを格納している環境無関係音
声素片データ記憶部と、音韻環境を持つように発声され
た音声信号から分析生成された抽出環境付の音声素片デ
ータを格納している抽出環境付音声素片データ記憶部
と、これら音声素片データの選択情報を音声単位の種類
毎に格納している選択情報格納手段とを備えている。そ
して、入力された文字情報が変換された音韻列における
音声単位毎に選択情報格納手段を参照し、この音韻列に
おける音声単位の音韻環境に対して近似しており、直前
の音声素片データとの接続が良好な抽出環境付の音声素
片データがあればそれを選択し、なければ環境無関係な
音声素片データを選択する。
【0021】ここで、選択情報格納手段を、抽出環境付
の音声素片データの音韻環境を音声単位毎に格納してい
る音声単位辞書と、抽出環境付の音声素片データの接続
部情報を音声単位毎に格納している接続部情報記憶部と
で構成し、まず、入力された文字情報が変換された音韻
列における音声単位毎に音声単位辞書を参照し、この音
韻列における音声単位の音韻環境に対する近似度合から
候補を絞り込み、さらに、絞り込まれた抽出環境付の音
声素片データと直前の音声素片データとの類似度を接続
部情報記憶部の格納内容から求め、そして、音韻環境及
び接続部の類似度に基づいて抽出環境付の音声素片デー
タの候補を1個に絞り込んだ後、抽出環境付の音声素片
データを選択するか環境無関係な音声素片データを選択
するかを決定することは好ましい。
【0022】
【作用】本発明による音声合成装置及び音声合成方法に
おいては、音韻環境を持たぬように1音1音はっきりと
発声された音声信号から分析生成された環境無関係の音
声素片データを格納している環境無関係音声素片データ
記憶部と、音韻環境を持つように発声された音声信号か
ら分析生成された抽出環境付の音声素片データを格納し
ている抽出環境付音声素片データ記憶部とを用意してい
る。さらに、これら音声素片データの選択情報を音声単
位の種類毎に格納している選択情報格納手段を用意して
いる。
【0023】そして、入力された文字情報が変換された
音韻列における音声単位毎に選択情報格納手段を参照
し、この音韻列における音声単位の音韻環境に対して近
似しており、直前の音声素片データとの接続が良好な抽
出環境付の音声素片データがあればそれを選択し、なけ
れば環境無関係な音声素片データを選択する。
【0024】これにより、音声の調音結合という性質を
重視し、入力文(音韻列)と音声単位(従って音声素片
データ)の音韻環境を考慮して合成しているので、肉声
感のあるより自然音声に近い合成音声を得ることがで
き、適切な音韻環境にある音声単位がないときでも、標
準的な音声単位を用意しているので、接続による歪みが
大きくなるような不適切な音声単位が合成に用いられる
ことはない。また、高頻度の抽出環境付の音声素片デー
タを中心に用意すればよいので、メモリ容量を軽減でき
ると共に、処理量も軽減できるようになる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら詳述する。なお、この実施例も、日本語文(漢字かな
混じり文)を対象としたものである。
【0026】図1は、この実施例の機能的構成を示すブ
ロック図である。図1において、この実施例は、文字情
報入力部10、テキスト解析部11、発音辞書12、合
成パラメータ生成部13、音声素片データ記憶部14、
音声合成部15、音声単位辞書16、距離値計算部1
7、接続部音響パラメータデータ記憶部18及び音声単
位選択チェック部19からなる。
【0027】文字情報入力部10、テキスト解析部1
1、発音辞書12及び音声合成部15は、従来の対応構
成と同一の動作を行なうものである。
【0028】合成パラメータ生成部13も、基本的な機
能は、従来の合成パラメータ生成部103と同様であ
り、音韻・韻律記号列に基づき、音声素片、音韻継続時
間、基本周波数パターンといった音声合成用パラメータ
を生成するものである。
【0029】この実施例の場合、合成パラメータ生成部
13が利用する音声素片データ記憶部14には、自然に
発声された調音結合などの音声の性質が自然に含まれた
音声のデータから分析生成された抽出環境付の音声素片
データ14Aと、1音1音はっきりと発声された音声の
データから分析生成された環境無関係な音声素片データ
14Bとが格納されている。
【0030】また、この実施例の合成パラメータ生成部
13には、音声単位選択チェック部19及び距離値計算
部17が付随して設けられている。なお、これら合成パ
ラメータ生成部13、音声単位選択チェック部19及び
距離値計算部17が合成パラメータ生成手段を構成して
いるということができる。
【0031】音声単位選択チェック部19は、音韻列に
よって、音声単位辞書16を検索しながら、入力された
音韻列との音韻環境の類似度が高い音声単位を選択する
ものである。
【0032】図3は、音声単位辞書16の構成を示すも
のである。音声単位辞書16は、例えば抽出環境付音声
単位ポインタテーブル16Aと、抽出環境付音声単位記
憶部16Bと、環境無関係音声単位ポインタテーブル1
6Cと、環境無関係音声単位記憶部16Dとからなる。
【0033】抽出環境付音声単位記憶部16Bには、上
記抽出環境付音声素片データ14Aを生成した際の発声
音声についての音韻列(抽出環境)と共に音声単位(以
下、抽出環境付音声単位と呼ぶ)が記述されていて、そ
の抽出環境付音声単位の音韻環境が分かるようになされ
ており、また、その抽出環境付音声単位に対する抽出環
境付音声素片データ14Aが格納されている音声素片デ
ータ記憶部14のアドレスも記述されている。音韻環境
は異なるが同一の音声単位(以下、音声単位の種類が同
一と呼ぶ)に関する情報は、例えば連続的に格納されて
いる。抽出環境付音声単位ポインタテーブル16Aは、
音韻環境付音声単位記憶部16Bに記憶されている同一
種類の抽出環境付音声単位の情報群の先頭アドレスを、
入力された音声単位の種類(音声単位名)に基づいて取
出せるように構成されている。
【0034】図3において、“/i/iki”は“ii
ki”と発音された際の語頭用の音声単位/i/を意味
し、“/i/NdeaN”は“iNdeaN”と発音さ
れた際の語頭用の音声単位/i/を意味する(Nは
「ん」を「な行」と区別するために示している)。ま
た、P/i/は、語頭用の音声単位/i/についての音
韻環境付音声単位情報群の先頭アドレス(ポインタ)を
表している。
【0035】環境無関係音声単位ポインタテーブル16
C及び環境無関係音声単位記憶部16Dは、環境無関係
な音声素片データ14Bに対するものであり、抽出環境
付音声単位ポインタテーブル16A及び抽出環境付音声
単位記憶部16Bとほぼ同様な構成を有するのでその説
明は省略する。なお、環境無関係音声単位は、同一種類
の音声単位について1個しか存在しない。
【0036】距離値計算部17は、候補に挙がった抽出
環境付音声単位と、その直前位置の既に選択させた音声
単位(必ずしも抽出環境付音声単位とは限らない)との
間の接続部での距離値(この実施例では類似度として距
離値を利用している)を、接続部音響パラメータデータ
記憶部18から接続部音響パラメータデータを読み出し
てを計算するものである。発声された自然音声から抽出
環境付音声素片データ14Aを生成させる際に、音声単
位の接続部の音響パラメータデータを併せて生成され、
その接続部音響パラメータデータが接続部音響パラメー
タデータ記憶部18に格納されている。
【0037】合成パラメータ生成部13は、音韻列に基
づき、音声単位選択チェック部19が絞り込んだ各音声
単位の候補の音韻環境や、距離値計算部17が計算した
音声単位間の接続部の距離値(類似度)に基づいて、音
韻環境及び距離値が適当である抽出環境付音声単位があ
れば、その抽出環境付音声単位に対応した抽出環境付音
声素片データ14Aを音声素片データ記憶部14から取
出し、音韻環境及び距離値が適当である抽出環境付音声
単位がなければ、環境無関係な音声素片データ14Bを
音声素片データ記憶部14から取出す。
【0038】以上のように機能する各部よりなる実施例
の音声合成装置は、全体を通しては、図4に示すように
動作する。
【0039】まず、文字情報(テキストデータ)を取り
込み(ステップ201)、その文字情報を解析してフレ
ーズに分解し、各フレーズ毎に、音韻・韻律記号列に変
換する(ステップ202)。
【0040】そして、音韻・韻律記号列における音韻列
に沿って、ある音声単位の種類を対象とし、その音声単
位種類によって音声単位辞書16を検索してその音声単
位種類に係る抽出環境付音声単位を取出す(ステップ2
03)。
【0041】ここで、1個以上の抽出環境付音声単位が
取出せた場合には、入力音韻列と取出した各抽出環境付
音声単位との音韻環境を比較し、最も音韻環境が近い抽
出環境付音声単位を候補として残す(ステップ20
4)。なお、この選択の際に、直前に選択された抽出環
境付音声単位と同一の発声音声(抽出環境)に係る今回
の抽出環境付音声単位があればそれを優先する。また、
音韻環境の近似度合は、後続音韻の一致性だけでなく、
先行音韻の一致性をも考慮して行なうことが好ましい
が、後続音韻を先行音韻より優先させても良い。
【0042】そして、既に選択された直前の音声単位
(抽出環境付音声単位又は環境無関係音声単位)の接続
部と、候補の抽出環境付音声単位の接続部との距離値を
計算すると共に、ステップ204の処理によって複数の
抽出環境付音声単位が候補として残っているならば(音
韻環境が同じ候補が複数あったならば)、距離値が最も
小さい(類似度が最も大きい)1個の抽出環境付音声単
位に候補を絞り込む(ステップ205)。なお、語頭の
音声単位については距離値計算は実行されない。
【0043】そして、残った1個の抽出環境付音声単位
について、音韻環境及び接続部距離値が適当であるか否
か判断する(ステップ206)。音韻環境についてのこ
の判断条件は、音声単位辞書16に格納した抽出環境付
音声単位の数や目標音質等に応じて適宜設定すれば良い
ものであるが、例えば、音声単位の後続音韻(1又は2
以上)が入力音韻列の該当位置の音韻に一致しているこ
とを挙げることができる。また、接続部距離値について
の判断は所定閾値との比較で行なう。
【0044】候補として1個だけ残った抽出環境付音声
単位が適当であればその抽出環境付音声単位を選択し、
この抽出環境付音声単位に対応した抽出環境付音声素片
データ14Aを採用する(ステップ207)。
【0045】一方、候補として1個だけ残った抽出環境
付音声単位が不適当であれば、また、上記ステップ20
3の処理によって音声単位辞書16を検索しても抽出環
境付音声単位が見付からないときには、対象の音声単位
種類に対応した、調音結合を起こしていない発声音声デ
ータから形成された環境無関係音声素片データ14Bを
採用する(ステップ208)。
【0046】その後、対象フレーズに関する全ての音声
単位種類について(語尾の音声単位種類についても)採
用する音声素片データを決定したか否か判断し(ステッ
プ209)、決定していなければ上述したステップ20
3に戻る。
【0047】そして、音韻・韻律記号列の韻律情報と、
決定した音声素片データとに基づいて韻律パラメータ
(音韻継続時間、基本周波数パターン、パワー等を規定
するパラメータ)も設定する(ステップ210)。
【0048】以上のようなステップ203〜210でな
る一連の処理は、フレーズ毎の繰返しループ線を図示し
ていないが、フレーズに対して繰返し行なわれる。な
お、ステップ203〜210でなる一連の処理が、ステ
ップ202の処理や、後述するステップ211の処理と
並行して実行されるものであっても良い。
【0049】以上のようにして、合成パラメータ(韻律
パラメータや音声素片データ等)が決定されると、音声
信号を合成して出力する(ステップ211、212)。
出力方法は、スピーカからの発音出力でも良く、回線を
通じた他の装置への伝送でも良い。
【0050】次に、具体例によって、実施例の音声合成
動作、特に利用する音声素片データの決定動作を説明す
る。ここでは、入力文(フレーズ)が図5(1)に示す
“いられない”として説明する。また、音声単位がVC
V(母音−子音−母音)を基本としているものとして説
明する。
【0051】この入力文“いられない”は、図5(2)
に示すように、“irarenai”という音韻列に変
換される。
【0052】まず、語頭の音声単位種類[i]が対象と
なって、音声単位辞書16を検索し、語頭に音声単位/
i/を有する抽出環境付音声単位が取出される。すなわ
ち、音声単位辞書16の抽出環境付音声単位ポインタテ
ーブル部16Aを語頭の音声単位種類[i]の情報をア
ドレスとしてアクセスしてポインタ値P/i/を取出
し、このポインタ値P/i/で抽出環境付音声単位記憶
部16Bをアクセスすることで抽出環境付音声単位を取
出す。
【0053】図5(A)は、このとき取出された抽出環
境付音声単位を示す。1番目に検索された“/i/ik
i”と2番目の“/i/NdeaN”は、3番目の“/
i/rechigau”が音声単位/i/直後の音韻
“r”が入力音韻列の対応音韻と一致するので、3番目
の“/i/rechigau”が対象となったときに候
補からはずれ、この時点では3番目のものが候補とな
る。しかし、この後に検索された“/i/rassya
i”の方が入力音韻列との音韻環境が良くあっているの
で、この抽出環境付音声単位が候補に置き換わる。
【0054】このような動作を繰返し、ここでは、“/
i/rassyai”だけが候補として残ったとする。
語頭であるので距離値は計算されないが、この抽出環境
付音声単位“/i/rassyai”について音韻環境
からの妥当性が判断される。判断条件にもよるが、後続
音韻が2個一致しているので妥当と判断される。従っ
て、この語頭の音声単位種類[i]については、調音結
合された自然音“irassyai”が発声された際の
語頭の音声単位/i/についての抽出環境付音声素片デ
ータ14Aが採用される。
【0055】次に、語中の音声単位種類[ira]が対
象となって、音声単位辞書16を検索する。この場合、
図5(B)に示すように、“/ira/ssyai”及
び“s/ira/byouosi”が取出されたとす
る。ここで、前者“/ira/ssyai”の方が候補
として残るが、後続音韻が入力音韻列“irarena
i”と一致しないため妥当性判断で不適当と判断され
る。
【0056】そこで、環境無関係音声単位/ira/を
選択し、これに対応する環境無関係音声素片データ14
Bを採用することに決定する。この環境無関係音声素片
データ14Bの取出しは、単位辞書16の環境無関係音
声単位ポインタテーブル部16Cを音声単位種類[ir
a]の情報をアドレスとしてアクセスしてポインタ値を
取出し、このポインタ値で環境無関係音声単位記憶部1
6Dをアクセスして音声素片データ14Bの格納アドレ
スを取出し、このアドレスで音声素片データ記憶部14
をアクセスして行なう。
【0057】次に、語中の次の音声単位種類[are]
が対象となる。この場合には詳述は避けるが、図5
(C)に示す複数の抽出環境付音声単位の中から抽出環
境付音声単位“emoiw/are/nu”だけが候補
に絞り込まれ、妥当と判断され、調音結合された自然音
“emoiwarenu”が発声された際の音声単位/
are/についての抽出環境付音声素片データ14Aが
採用されたとする。
【0058】次に、語中の次の音声単位種類[ena]
が対象となり、音声単位辞書16の検索によって、図5
(D)に示す4個の抽出環境付音声単位が取出される。
入力音韻列との音韻環境の一致性による候補の絞り込み
では、“katajik/ena/i”と“a/ena
/i”とが残る。そこで、直前に選択された抽出環境付
音声単位“emoiw/are/nu”における音声単
位/are/と接続されたときの歪の大きさ(距離値)
を、両候補間で比較する。
【0059】図6は、距離値算出のイメージ的な説明図
である。抽出環境付音声単位“emoiw/are/n
u”における音声単位/are/の後部の接続部音響パ
ラメータデータCTを取出し、抽出環境付音声単位“k
atajik/ena/i”又は“a/ena/i”に
おける音声単位/ena/の前部の接続部音響パラメー
タデータCHを取出して距離値を求め、距離値の小さい
ものに候補を絞り込む。この場合、直前の音声単位/a
re/における最終音韻“e”は子音から移行したもの
であるので、当該音声単位/ena/の先頭音韻“e”
の前が子音である抽出環境付音声単位“katajik
/ena/i”の方が距離値が小さなって最終的な候補
として残る。
【0060】抽出環境付音声単位“katajik/e
na/i”については、妥当性は問題なかったとする。
従って、調音結合された自然音“katajikena
i”が発声された際の音声単位/ena/についての抽
出環境付音声素片データ14Aが採用される。
【0061】次に、語尾の音声単位種類[ai]が対象
となる。この場合には詳述は避けるが、図5(E)に示
す複数の抽出環境付音声単位の中から抽出環境付音声単
位“katajiken/ai/”だけが候補に絞り込
まれ、妥当と判断され、調音結合された自然音“kat
ajikenai”が発声された際の音声単位/ai/
についての抽出環境付音声素片データ14Aが採用され
る。
【0062】なお、音声素片データ記憶部14に格納さ
れた音声素片データ14Aは、単語等の発声から切り出
して生成されたもので、VCV単位が基本となっている
が、音声単位辞書16を参照することで、単語等の一続
きの発声から続けて抽出、生成された音声素片、つまり
音韻連接している音声素片群を選択し、組合せの計算の
手間を省いて素片間の接続歪みを抑えることもできる。
すなわち、この実施例では上述したようにこのような選
択ルールを設けているので、入力音韻列“iraren
ai”の音声単位種類[ena]と[ai]について
は、1つの単語発声“katajikenai”から抽
出された音声単位/ena/と/ai/が適用され、こ
の間の接続歪みをなくすことができる。
【0063】従って、上記実施例によれば、音声の調音
結合という性質を重視し、入力文(音韻列)と音声単位
の音韻環境を考慮して合成しているので、肉声感のある
より自然音声に近い合成音声信号を得ることができる。
【0064】また、適切な音韻環境にある音声単位がな
いときでも、標準的な音声単位を用意しているので、接
続による歪みが大きくなるような不適切な音声単位が合
成に用いられることはない。
【0065】さらに、標準的な音声単位を用意している
ので、音韻環境を考慮した音声単位をかなり多く用意す
る必要はなく、メモリ容量を軽減できると共に、処理量
も軽減できる。
【0066】さらにまた、肉声感のあるより自然音声に
近い合成音声信号を得るためには、音声単位の探索処理
が中心であり、距離値の計算は僅かに行なえば良いの
で、この点からも処理量を軽減できる。例えば、抽出環
境付音声素片データ(従って音声単位)を2倍に増やし
ても、音声単位辞書の探索に要する処理が2倍になるだ
けで、全体の処理量は決して2倍にはならない。その結
果、音質向上のために、音声素片データの拡張に対処す
ることが容易であり、装置の能力を最大限に生かした品
質の音声合成を行なうことができる。
【0067】また、音声単位の選択時において、直前の
音声単位と同じ発声から、抽出生成された音声単位を優
先的に選択するようにしているので、音声単位間の接続
歪みを減らすこともできる。
【0068】なお、上記実施例においては、音声単位間
(従って音声素片データ間)の接続部の類似度を距離値
で判断するものを示したが、他のパラメータで判断する
ようにしても良い。また、距離値の計算時点も、音韻環
境の近似度合に基づいて候補を置き換える際に確認の意
味で行なうようにしても良く、実施例のタイミングに限
定されるものではない。
【0069】さらに、本発明が対象とする入力文は、日
本語文に限定されるものでないことは勿論である。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、音韻環
境を持たぬように1音1音はっきりと発声された音声信
号から分析生成された環境無関係の音声素片データと、
音韻環境を持つように発声された音声信号から分析生成
された抽出環境付の音声素片データとを用意すると共
に、これら音声素片データの選択情報を音声単位の種類
毎に用意しておき、入力された文字情報が変換された音
韻列における音声単位毎に選択情報を参照し、この音韻
列における音声単位の音韻環境に近似していて、直前の
音声素片データとの接続が良好な抽出環境付の音声素片
データがあればそれを選択し、なければ環境無関係な音
声素片データを選択するようにしたので、肉声感のある
より自然音声に近い合成音声信号を、少ないメモリ容量
及び少ない処理量で得ることができる音声合成装置及び
音声合成方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の機能ブロック図である。
【図2】従来の機能ブロック図である。
【図3】実施例の音声単位辞書の構成を示す説明図であ
る。
【図4】実施例の音声合成動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】実施例の具体的入力文に対する動作の説明図で
ある。
【図6】実施例の距離値計算方法の概念図である。
【符号の説明】
13…合成パラメータ生成部、14…音声素片データ記
憶部、14A…抽出環境付音声素片データ、14B…環
境無関係音声素片データ、15…音声合成部、16…音
声単位辞書、17…距離値計算部、18…接続部音響パ
ラメータデータ記憶部、19…音声単位選択チェック
部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された文字情報を音声信号に変換す
    る音声合成装置において、 音韻環境を持たぬように1音1音はっきりと発声された
    音声信号から分析生成された環境無関係の音声素片デー
    タを格納している環境無関係音声素片データ記憶部と、 音韻環境を持つように発声された音声信号から分析生成
    された抽出環境付の音声素片データを格納している抽出
    環境付音声素片データ記憶部と、 これら音声素片データの選択情報を音声単位の種類毎に
    格納している選択情報格納手段と、 入力された文字情報が変換された音韻列における音声単
    位毎に上記選択情報格納手段を参照し、この音韻列にお
    ける音声単位の音韻環境に近似していて直前の音声素片
    データとの接続が良好な抽出環境付の音声素片データが
    あればそれを選択し、なければ環境無関係な音声素片デ
    ータを選択する合成パラメータ生成手段とを備えたこと
    を特徴とする音声合成装置。
  2. 【請求項2】 上記選択情報格納手段が、抽出環境付の
    音声素片データの音韻環境を音声単位毎に格納している
    音声単位辞書と、抽出環境付の音声素片データの接続部
    情報を音声単位毎に格納している接続部情報記憶部とか
    らなり、 上記合成パラメータ生成手段が、入力された文字情報が
    変換された音韻列における音声単位毎に上記音声単位辞
    書を参照し、この音韻列における音声単位の音韻環境に
    対する近似度合から候補を絞り込む音声単位選択チェッ
    ク部と、絞り込まれた抽出環境付の音声素片データと直
    前の音声素片データとの類似度を上記接続部情報記憶部
    の格納内容から求める類似度計算部と、音韻環境及び接
    続部の類似度に基づいて抽出環境付の音声素片データの
    候補を1個に絞り込むと共に抽出環境付の音声素片デー
    タを選択するか環境無関係な音声素片データを選択する
    かを決定する合成パラメータ生成部とからなることを特
    徴とする請求項1に記載の音声合成装置。
  3. 【請求項3】 入力された文字情報を音声信号に変換す
    る音声合成方法において、 音韻環境を持たぬように1音1音はっきりと発声された
    音声信号から分析生成された環境無関係の音声素片デー
    タを格納している環境無関係音声素片データ記憶部と、 音韻環境を持つように発声された音声信号から分析生成
    された抽出環境付の音声素片データを格納している抽出
    環境付音声素片データ記憶部と、 これら音声素片データの選択情報を音声単位の種類毎に
    格納している選択情報格納手段とを備え、 入力された文字情報が変換された音韻列における音声単
    位毎に上記選択情報格納手段を参照し、この音韻列にお
    ける音声単位の音韻環境に近似していて直前の音声素片
    データとの接続が良好な抽出環境付の音声素片データが
    あればそれを選択し、なければ環境無関係な音声素片デ
    ータを選択することを特徴とする音声合成方法。
  4. 【請求項4】 上記選択情報格納手段を、抽出環境付の
    音声素片データの音韻環境を音声単位毎に格納している
    音声単位辞書と、抽出環境付の音声素片データの接続部
    情報を音声単位毎に格納している接続部情報記憶部とで
    構成し、 入力された文字情報が変換された音韻列における音声単
    位毎に上記音声単位辞書を参照し、この音韻列における
    音声単位の音韻環境に対する近似度合から候補を絞り込
    み、 絞り込まれた抽出環境付の音声素片データと直前の音声
    素片データとの類似度を上記接続部情報記憶部の格納内
    容から求め、 音韻環境及び接続部の類似度に基づいて抽出環境付の音
    声素片データの候補を1個に絞り込んだ後、抽出環境付
    の音声素片データを選択するか環境無関係な音声素片デ
    ータを選択するかを決定することを特徴とする請求項3
    に記載の音声合成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7143038B2 (en) 2003-04-28 2006-11-28 Fujitsu Limited Speech synthesis system
JP2011231766A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 J Eberspecher Gmbh & Co Kg ピストン・エンジン、方法、および使用

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