JPH07183567A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

光電変換装置の製造方法

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JPH07183567A
JPH07183567A JP5325159A JP32515993A JPH07183567A JP H07183567 A JPH07183567 A JP H07183567A JP 5325159 A JP5325159 A JP 5325159A JP 32515993 A JP32515993 A JP 32515993A JP H07183567 A JPH07183567 A JP H07183567A
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JP5325159A
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English (en)
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Tadashi Ahei
忠司 阿閉
Hiroyuki Tokunaga
博之 徳永
Shigetoshi Sugawa
成利 須川
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光吸収層及びキャリア増倍層が非単結晶系材
料により構成される光電変換装置において、キャリア増
倍層の光電特性及びキャリア走行性を特に光学的禁制帯
幅の広い領域において改善し、一定の増倍特性及び応答
特性を得る。 【構成】 層厚方向に光学的禁制帯幅が変化する領域を
持つ半導体膜をキャリア増倍層として有する光電変換装
置の製造方法において、Siを含む原料ガスの流量とキ
ャリア増倍層の光学的禁制帯幅調整のための添加元素を
含む原料ガスの流量との和に対する希釈ガスの希釈率
を、Siとキャリア増倍層の光学的禁制帯幅調整のため
の添加元素との組成比によって決定される光学的禁制帯
幅の大きさに対応させて変化させてプラズマCVD法に
よりキャリア増倍層を形成することを特徴とする光電変
換装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は層厚方向に光学的禁制帯
幅(以下、単に禁制帯幅と称する)が変化する領域を持
つ半導体薄膜をキャリア増倍層として有する光電変換装
置及びその製造方法に関する。
【0002】また、本発明は上記光電変換装置を具備す
る回路に関する。
【0003】
【従来の技術】光電変換装置は、その光電変換特性に対
し高い信号対雑音比を持つことが要求され、なかでもア
バランシェ効果を利用したアバランシェフォトダイオー
ド(以下、APDと略する)を受光部に使用した光電変
換装置は、この要求を満たすものと期待され、近年盛ん
に開発が進められている。
【0004】従来、一般的に普及しているAPDは、強
電界を印加してアバランシェ効果を引き出しており、そ
の増倍過程に内在するゆらぎのために、過剰増倍雑音が
発生し、信号対雑音比を低下させてしまう。
【0005】この点を鑑みて、例えば、F.Capas
soらは、特開昭58−157179号公報やIEEE
Electron Device Letters
第EDL3版(1982年)の71〜73ページに、分
子線エピタキシー(MBE)法等を用いて、主に III−
V族に属する単結晶化合物半導体を用いて作成される、
光通信システムに使用可能な低雑音APDを提案してい
る。そこで提案されている従来のAPDの層構成を図7
に示す。図8はこのAPDの静止時のエネルギー帯構造
図である。ここでは、4つの層からなるI型禁制帯幅傾
斜半導体層401、403、405、407がキャリア
増倍層として、P型半導体層411及びN型半導体層4
15で挟まれ、電極413がP型半導体層411に、ま
た電極414がN型半導体層にそれぞれオーミック接触
されている。図9はこのAPDに強電界を印加して動作
状態にしたときのエネルギー帯構造図である。ここで禁
制帯幅が急峻にステップバックするヘテロ接合部40
2、404、406のエネルギー不連続がイオン化を助
勢するので、そのステップバック近傍で選択的にイオン
化が起こりキャリアが増倍される。
【0006】上記のようなキャリア増倍層を採用するこ
とにより、イオン化が起こる場所のゆらぎが少なくな
り、増倍過程に内在するゆらぎが少なくなる。したがっ
て過剰雑音が軽減された、信号対雑音比の改善された、
光通信システムに使用可能な低雑音APDが実現でき
る。
【0007】一方、非晶質シリコンの様な非単結晶半導
体材料によるAPDは、従来のプラズマCVD法により
容易に作製でき、作製温度が低温のために基板を選ば
ず、たとえば信号処理回路等が既に形成されている半導
体基板上にも積層が可能となる。
【0008】また非単結晶半導体材料では、たとえば非
晶質水素化シリコン(以下a−Si:H)にGe原子や
Sn原子などを添加すると禁制帯幅は狭くなり、C原子
やN原子などを添加していくと禁制帯幅は広がるなど、
単結晶半導体や結晶化合物半導体に比べて、所望の禁制
帯幅をもつ材料を自由に得ることができる。
【0009】特開平3−278482号公報等には、非
晶質水素化シリコン系材料を用いたAPD光電変換装置
が提案されている。その中ではa−Si:H、a−Si
Ge x :H、a−SiNx :H、a−SiCx :H等の
材料を用いてステップバックヘテロ接合を形成してい
る。
【0010】アバランシェ増倍をステップバックヘテロ
接合部で起こすためには禁制帯幅の大きな材料と小さな
材料とが必要である。たとえば禁制帯幅の小さい材料を
a−SiGex :Hとした場合、Si/Ge組成比を変
えることで1.2eV程度まで禁制帯幅を小さくするこ
とができる。一般に、1.4eV以下では禁制帯中の局
在準位が増加して、キャリアの走行性が悪化するという
問題があるが、近年では太陽電池等にa−SiGex
H膜が用いられるようになり、プラズマCVDのメカニ
ズムも徐々に解明され、製膜条件の最適化がなされて、
特に水素ガスの希釈法等により1.4eV以下でも高品
質な膜が得られるようになってきている。
【0011】一方、禁制帯幅の広い材料としては、プラ
ズマCVDによるアモルファス水素化窒化シリコン(以
下a−SiNX :H)や、アモルファス水素化炭化シリ
コン(以下a−SiCX :H)においてSi/N又はS
i/Cの組成比を変えることで禁制帯幅を変化させるこ
とができる。一般に、2.3eV以上の膜ではダングリ
ングボンド欠陥密度が急激に増加して1019cm-3程度
になり、キャリアはこれらの欠陥により再結合して消滅
する、という問題があるが、前述の水素希釈法などによ
り、太陽電池の窓層として禁制帯幅が2.1eV程度の
高品質なa−SiCx :H膜が得られている。しかしな
がら、さらに禁制帯幅の広い材料については、光電特性
としてキャリアの走行性を向上させる試みはなされてい
ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の単結晶APDは
強電界が印加されて動作する光通信用の個別受光素子と
しては有用であるが、III−V族、II−VI族等に属する
化合物半導体の単結晶により構成されているため、材料
の毒性、価格など工業材料としての問題点を有してい
る。
【0013】また、単結晶の形成は、超高真空装置を用
いて、約500℃以上の高温でなされるので、大面積の
光電変換装置への応用が困難であり、また、信号処理回
路等が既に形成されている半導体基板上への積層も不可
能であり、その応用範囲が限定されていた。
【0014】一方、非晶質シリコン系APDにおいて
は、キャリア増倍層の禁制帯幅が特に広い領域でダング
リングボンド欠陥密度が急増するために、増倍されたキ
ャリアが再結合により消滅する場合があるので、全体の
キャリア増倍特性としては低下してしまう、という問題
点があった。
【0015】またアバランシェ増倍をステップバックヘ
テロ接合部で起こすためにはこの禁制帯幅の大きな材料
と小さな材料とのヘテロ接合界面で、伝導帯側に大きな
不連続段差を形成して電子にエネルギーを与えてイオン
化させるか、あるいは価電子帯に大きな段差を形成して
正孔をイオン化させるかのどちらかの方法をとることに
なる。たとえば伝導帯側の段差で電子のイオン化により
キャリア増倍した場合は、価電子帯側に不連続段差があ
ると正孔の走行性が妨げられて、応答性が悪くなったり
増倍率が低下したりすることが予想される。
【0016】単結晶APDにおいては、図7〜図9で示
されるようにヘテロ接合界面での伝導帯側又は価電子帯
側どちらか一方のみに段差を形成することは達成されて
おらず、価電子帯側にも段差が生じている。
【0017】非晶質シリコン系APDにおいても、ヘテ
ロ接合界面の価電子帯や伝導帯の不連続段差については
まだ詳しく調べられていない。T.Hayashi e
tal(Jpn.J.Appl.Phys.21(19
82)L351)等によれば、禁制帯幅の広い材料であ
るa−SiNx :H膜と禁制帯幅の小さい材料であるa
−Si:H膜とのヘテロ接合界面では、伝導帯側と価電
子帯側でほぼ同程度の不連続段差が形成されているとさ
れている。
【0018】またa−SiCx :H膜とa−Si:H膜
とのヘテロ接合界面については、太陽電池の窓材に応用
されているような禁制帯幅が小さい範囲(2.3eV程
度まで)では不連続段差はほとんど伝導帯側に形成さ
れ、少数キャリアである正孔の輸送特性を妨げないとさ
れているが、禁制帯幅がさらに大きくなり3.5eV程
度までのa−SiCx :H膜については調べられていな
い。
【0019】また更にa−SiGex :H膜とa−S
i:H膜とのヘテロ接合界面については、全く調べられ
ていない。
【0020】従って、本発明は、上記従来技術の問題点
に鑑みて、光吸収層及びキャリア増倍層が非単結晶系材
料により構成される光電変換装置において、キャリア増
倍層の光電特性及びキャリア走行性を特に光学的禁制帯
幅の広い領域において改善し、一定の増倍特性及び応答
特性を得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、基板と、光エネルギーを吸収してキャリアを発生
させる光吸収層との間に、前記光吸収層で発生したキャ
リアを増倍させるキャリア増倍層を少なくとも有し、前
記光吸収層及びキャリア増倍層が非単結晶材料からな
り、キャリア増倍層が光吸収層側から基板側に向かって
層厚方向に光学的禁制帯幅が連続に増大する領域と、光
吸収層側から基板側に向かって層厚方向に光学的禁制帯
幅がヘテロ接合により不連続に減少する領域とを有し、
且つ、該禁制帯幅の変化が伝導帯側のエネルギー準位の
変化により達成される光電変換装置の製造方法におい
て、Siを含む原料ガスの流量とキャリア増倍層の禁制
帯幅調整のための添加元素を含む原料ガスの流量との和
に対する希釈ガスの希釈率を、Siとキャリア増倍層の
禁制帯幅調整のための添加元素との組成比によって決定
される禁制帯幅の大きさに対応させて変化させてプラズ
マCVD法によりキャリア増倍層を形成することを特徴
とする光電変換装置の製造方法である。
【0022】また、本発明の製造方法は、希釈ガスが水
素又は不活性ガスであることを含むものである。
【0023】また、本発明の製造方法は、キャリア増倍
層の禁制帯幅が2.2eV未満となる領域を形成する際
の希釈率が5より大きく、キャリア増倍層の禁制帯幅が
2.2eV以上となる領域を形成する際の希釈率が0〜
5であることを含むものである。
【0024】
【作用】本発明によれば、キャリア増倍層の禁制帯幅が
小さい領域では原料ガスの流量の和に対する、希釈ガス
の希釈率を大きくして、禁制帯幅の大きな領域では原料
ガスの和に対する希釈ガスの希釈率を小さくするか、あ
るいは希釈しないことでキャリア増倍層の光電特性が改
善され、同時にそのヘテロ接合部の不連続段差を伝導帯
側だけに形成して、この増倍領域におけるキャリアの走
行性を改善して、一定の増倍特性が得ることができるも
のである。また、このような構成により低電圧印加時に
も高増倍率で応答速度にすぐれた光電変換装置が作製で
きる。更に、本発明の製造方法は、光電変換装置を低温
で基板上に作製できるため、基板を選ばず、信号処理回
路等が既に形成された半導体基板上へも積層可能であ
り、しかも作製が容易で安全性などの面で工業的にも有
利である。
【0025】本発明において、希釈ガスの希釈率は次の
ように定義される。
【0026】(希釈率)=(希釈ガス流量)/{(Si
を含むガスの流量)+(禁制帯幅調整のための添加元素
を含むガスの流量)} 希釈率は、キャリア増倍層の禁制帯幅が小さい領域で
は、5以上とすることが好ましい。希釈率を5以上にし
て形成したキャリア増倍層は希釈率を5以下にして形成
したものに比べて、同じ禁制帯幅でキャリアの再結合中
心であるダングリングボンド欠陥密度が、約2分の1〜
5分の1に小さくなり改善される。
【0027】また逆に禁制帯幅が大きい領域では、希釈
率は0〜5とすることが好ましい。この領域において希
釈率0〜5で形成した膜は、希釈率5以上で形成した膜
に比べて、同じ禁制帯幅でダングリングボンド欠陥密度
が約1桁以上小さくなり改善され、特に禁制帯幅の広い
領域での改善が大きい。
【0028】禁制帯幅調整のための添加元素としては、
Ge、Sn、C、N等のこの分野で通常の添加元素とし
て使用されているものであればよい。
【0029】また、光吸収層側から基板側に向かって層
厚方向に禁制帯幅がヘテロ接合により不連続に減少する
領域は、その禁制帯幅の大きさの差は、減少前の大きさ
が減少後の大きさの2倍以上であることが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0031】まず各種禁制帯幅を有する半導体薄膜を作
製し、それらの性質を把握した。
【0032】半導体薄膜は平行平板型のRFグロー放電
プラズマCVD装置により作製した。作製条件として、
基板温度250℃、放電RF電力10W(0.03W/
cm 2 )、堆積圧力0.2Torrは一定として、Si
4 /CH4 またはGeH4/H2 の流量比を変化させ
た。
【0033】図10はプラズマCVDによる半導体薄膜
形成時における、SiH4 等のSiを含む原料ガスの流
量とGeH4 やCH4 等の禁制帯幅調整のための添加元
素を含む原料ガスの流量との和に対する、水素ガスによ
る希釈率を変化させた時の、ダングリングボンド欠陥密
度と禁制帯幅との関係を示したグラフである。
【0034】同図によれば禁制帯幅が2.2eV未満の
場合は希釈率を5以上として形成した膜は、希釈率を5
未満として形成したときに比べて、同じ禁制帯幅でキャ
リアの再結合中心であるダングリングボンド欠陥密度
が、約2分の1から5分の1程度に小さくなっているこ
とが判る。これは従来より提案されている水素希釈法に
より、膜中の不要な水素が引き抜かれて緻密な膜になる
ことと、堆積表面でのラジカルの拡散が促進され安定な
構造をとることによるものと思われる。また逆に禁制帯
幅が2.2eV以上の場合は希釈率を5未満として形成
した膜は、希釈率を5以上で形成した膜に比べて、同じ
禁制帯幅でダングリングボンド欠陥密度が約1桁以上小
さくなっており、特に禁制帯幅の広い領域でこの傾向が
著しいことが判る。この理由としては、a−SiCx
H膜において禁制帯幅の広い領域ではSi−Cネットワ
ークを形成する上で水素が緩和機構に重要な役割を果た
していると思われる。この結合水素が水素などの希釈に
より引き抜かれると、ネットワークの局所的な歪みが増
大して結合欠陥が増大するものと思われる。水素希釈率
を変化させたときの各禁制帯幅におけるC−Hn多重結
合水素量を図11に示した。
【0035】図11によれば、水素希釈を大きくすると
C−Hn多重結合は減少して、ネットワークを形成する
C原子の実質的な配位数は増加し、局所的な歪みを増加
させるものと思われる。一方、水素希釈をしない場合、
あるいは小さい場合は、C−Hn多重結合が膜中に多く
含まれ、C原子の配位数は小さくなり充分緩和されたS
i−Cネットワークを形成しているものと思われる。
【0036】以上の考察から禁制帯幅が小さくなるよう
な領域を作製するときは希釈率を大きく、禁制帯幅が大
きくなるような領域を作製するときは希釈しないか又は
希釈率を小さくすることにより、特に禁制帯幅の大きな
領域でキャリアの輸送特性が改善されることが知見され
る。
【0037】またここでは希釈ガスとして水素の場合に
ついてのみ述べたが、不活性ガスを希釈ガスとして用い
た場合も希釈効果により同様の変化を示す。不活性ガス
としては、Heガス、Neガス、Arガス等を挙げるこ
とができる。たとえばArガスやHeガスを希釈ガスと
して用いた場合、同じ希釈率でのスピン密度やC−Hn
結合の変化は水素の場合より小さくなり、水素よりも大
きな希釈率にすることで水素希釈と同様の効果が得られ
る。不活性ガスを用いることは、取扱いの容易さや安全
性の点から工業上も有用である。
【0038】水素ガスの希釈率を変化させてa−SiC
x:H膜を形成したときのa−Si:H膜とのヘテロ接
合界面における禁制帯幅の変化を図12〜15に示し
た。光学禁制帯幅の変化は、XPS(X線光電子分光)
によりSiの2P軌道の内殻レベルの変化から求めた。
【0039】禁制帯幅が小さいa−SiCx:H膜で
は、図12及び13にそれぞれ示したように原料ガスの
流量の和に対する水素ガスの希釈率を変化させても不連
続段差は伝導帯側にのみ形成され、価電子帯側の不連続
段差ΔEvはいずれも0.2eV以下である。
【0040】しかしながら禁制帯幅が大きいa−SiC
x:H膜では、図14に示したように原料ガスの流量の
和に対する水素ガスの希釈率を5以上として形成した膜
は、a−Si:H膜とのヘテロ接合界面で伝導帯側と価
電子帯側の両方に同程度の不連続段差が形成されてい
る。一方図15に示したように原料ガスのみを用いて希
釈ガスなしで形成した膜とa−Si:H膜とのヘテロ接
合界面では、不連続段差は伝導帯側だけに広がり、価電
子帯側での段差は0.2eV以下となった。a−SiC
x:H膜の光学禁制帯幅が大きい場合の価電子帯の不連
続段差ΔEvは希釈率が大きくなるほど大きくなってい
る。
【0041】上記a−SiCx:H膜の場合と同様にa
−SiGex :H膜についてもa−Si:H膜とのヘテ
ロ接合界面の禁制帯幅の段差について調べた。その結
果、価電子帯側の不連続段差ΔEはほぼ0eVであり、
a−Si:H/a−SiCx :Hのヘテロ接合と、a−
SiGex :H/a−SiCx :Hのヘテロ接合では、
価電子帯側の不連続段差については同様の結果が得られ
た。従って禁制帯幅が大きな領域の希釈ガスなしで作製
したa−SiCx :H膜とa−Si:H膜またはa−S
iGex :H膜とのヘテロ接合を用いると価電子帯の段
差が小さく形成でき、ヘテロ接合における伝導帯側の不
連続段差を利用してキャリアのイオン化を起こさせるよ
うな本発明の光電変換装置に最適の構造が得られる。
【0042】ΔEvについて、希釈ガスは水素について
述べたが、不活性ガスを用いても同様の結果で、禁制帯
幅の大きな領域では希釈率を小さくするか、あるいは希
釈しないことでa−Si:Hとの界面でのΔEvは小さ
くできる。
【0043】実施例1 図1は、本発明の光電変換装置の1態様を示す模式断面
図であり、光吸収層104と、キャリア増倍層103と
が電荷注入阻止層となるp型半導体層105とn型半導
体層102とで挟まれており、p型半導体層105と電
極106とが電気的に接続され、n型半導体層102と
電極101とが電気的に接続されている。キャリア増倍
層は3層の禁制帯幅傾斜層111、112、113によ
り構成されている。p型半導体層又はn型半導体層は隣
接する半導体層とショットキー接続されていても良い。
また、禁制帯幅傾斜層は3層に限定されず、1層又は2
層あるいは3層以上であってもよい。
【0044】電極101はEB(電子ビーム)蒸着装置
で形成したCr電極である。
【0045】n型半導体層102は厚さ約500オング
ストロームのn型μc−Si:Hからなり、正孔注入を
阻止するための正孔注入阻止層として機能するものであ
る。キャリア増倍層103は1.4eVの禁制帯幅を示
すa−SiGex :H膜100オングストローム上に禁
制帯幅層が3.0〜1.4eVまで連続的に変化するよ
うにa−SiCx :H〜a−SiGex :Hからなる組
成においてCとGeとの含有量を変化させた膜100オ
ングストロームを連続して形成した禁制帯幅傾斜層11
1、並びに111と同様の構成の層112、113から
成り立っている。
【0046】光吸収層104は光を吸収しキャリアを発
生させるための厚さ5000オングストロームのa−S
i:H膜である。
【0047】p型半導体層105は約100オングスト
ロームのp型μc−Si:Hからなり、電子注入を阻止
するための電子注入阻止層として機能するものである。
【0048】電極106はスパッタ装置で形成した酸化
インジウムを主体とする透明電極である。
【0049】本実施例では電子注入阻止層105、光吸
収層104、キャリア増倍層103及び正孔注入阻止層
102は反応室分離平行平板型RFプラズマCVD装置
で作製した。その際に用いた原料ガスは、正孔注入阻止
層102にはSiH4 、PH 3 、H2 を、キャリア増倍
層103にはSiH4 、GeH4 、CH4 、H2 を、光
吸収層104にはSiH4 、H2 を、電子注入阻止層1
05にはSiH4 、CH4 、B26 、H2 を用いた。
【0050】作製方法としては、まず基板上に下側電極
としてCrをEB蒸着により2000オングストローム
形成した後、反応室分離型RFグロー放電プラズマCV
D装置により正孔注入阻止層となるn型μc−Si:H
膜を作製した。作製条件としては、基板温度は250
℃、放電RF電力50W(0.15W/cm2 )、堆積
圧力0.2TorrでSiH4 /PH3 (5000pp
m・H2 希釈)/H2 の流量比を1.0/1.0/10
0sccmとした。
【0051】次に上述のプラズマCVD装置の別の反応
室に真空を破らずに基板を移動して、禁制帯幅傾斜層1
11を作製した。まず、1.4eVの禁制帯幅を示すa
−SiGex :H膜を100オングストローム形成し
た。その作製条件は、基板温度は250℃、放電RF電
力は10W(0.03W/cm2 )、堆積圧力0.2T
orrで、SiH4 /GeH4 /H2 の流量比を1.0
/1.0/100sccmとして形成した。次にキャリ
ア増倍を起こす禁制帯幅段差を形成するために、3.0
eVの禁制帯幅を示すa−SiCx :H膜から1.4e
Vの禁制帯幅を示すa−SiGex :H膜まで連続的に
CとGeの含有量を連続的に変化させた膜を同じ反応室
内で続けて作製した。その作製条件は、基板温度は25
0℃、放電RF電力は10W(0.03W/cm2 )、
堆積圧力0.2Torrと一定として放電を維持したま
まガス流量比を連続的に変化させた。まず3.0〜2.
5eVまでの禁制帯幅が広い領域では、H2 を添加せず
にSiH4 /CH4 流量比を2.5/100〜5.0/
100sccmまで変化させた。次いで、H2 ガスによ
り徐々に希釈するためにSiH4 、CH4 、H2 のマス
フローコントローラーをそれぞれ調節して、SiH4
CH4 /H2 流量が5.0/100/0から1.0/1
9/100へ変化するように徐々に調節して禁制帯幅を
2.5〜2.2eVまで変化させた。このときSiH4
とCH4 の流量の和に対するH2 希釈率は0〜5とな
り、2.2eV付近でH2 希釈率が5となるようにし
た。さらに放電を維持しながら、CH4 ガスのマスフロ
ーコントローラーのみを19〜0sccmまで徐々に減
少させていき、禁制帯幅を2.2eVから1.7eVの
a−Si:H膜まで変化させた。このときSiH4 とC
4 の流量の和に対するH2 希釈率は5〜100となっ
ている。さらにGeH4 ガスのマスフローコントローラ
ーを徐々に調節してGeH4 の流量を増加させて、Si
4 /GeH4 /H2 の流量比を1.0/0/100か
ら1.0/1.0/100sccmへと変化させて禁制
帯幅を1.7から1.4eVまで変化させた。このとき
SiH4 とGeH 4 の流量の和に対するH2 希釈率は1
00〜50となっている。
【0052】上記手順を繰り返して禁制帯幅傾斜層11
1と同様の構成の禁制帯幅傾斜層112及び113を作
製してキャリア増倍層を完成した。
【0053】次いで、プラズマCVD装置の別反応室に
移動して、光吸収層のa−Si:H膜を5000オング
ストローム形成した。作製条件は、基板温度は200
℃、放電RF電力10W(0.03W/cm2 )、堆積
圧力0.2Torrで、SiH 4 /H2 の流量比を10
/100sccmとした。
【0054】さらにプラズマCVD装置の別反応室に移
動して電子阻止層のp型μc−Si:H膜を100オン
グストローム形成した。作製条件は、基板温度は250
℃、放電RF電力50W(0.15W/cm2 )、堆積
圧力0.2Torrで、SiH4 /BF3 (0.1%・
2 希釈)/H2 の流量比を1.0/1.0/100s
ccmとした。そしてプラズマCVD装置から取り出し
た後、最後に透明電極をスパッタ装置により形成した。
【0055】比較例1 キャリア増倍層以外は上記実施例と同様の構成の光電変
換装置を上記実施例と同様の方法で作製した。但し、キ
ャリア増倍層は、上記実施例と同じ条件により禁制帯幅
1.4eVのa−SiGex :H膜を形成して、次にキ
ャリア増倍層を上記実施例と同じく基板温度は250
℃、放電RF電力は10W(0.03W/cm2 )、堆
積圧力0.2Torrの一定として、ガス流量比のH2
希釈率を上記実施例と異なる条件で作製した。まず禁制
帯幅3.0〜1.7eVの領域を、SiH4 とCH4
流量の和を20sccm、H2 を100sccmと一定
としてSiH4 /CH4 流量比を0.3/19.7から
20/0まで徐々に変化させてa−SiCx :H〜a−
Si:HにおいてCの含有量が変化する膜を形成した。
さらにSiH4 とGeH4 の流量の和を20sccm、
2 を100sccmと一定として、GeH4 ガスの流
量を徐々に増加させて、SiH4 /GeH4 流量比を2
0/0から10/10sccmへと変化させて禁制帯幅
1.7〜1.4eVとなる領域を作製した。すなわち比
較例では禁制帯幅3.0から1.4eVまで変化する領
域全てにわたって、原料ガスに対するH2 希釈率が常に
5倍になるようにした。
【0056】上記実施例1及び比較例1については、禁
制帯幅1.4eVのa−SiGex:H膜の膜厚を10
0オングストロームに一定して、禁制帯幅を連続的に変
化させる層のそれぞれの禁制帯幅を示す流量比における
堆積速度をあらかじめ求めた上で、それらを連続的に形
成した場合の堆積速度を想定して、膜厚が100オング
ストロームとなるように放電時間を調節した。
【0057】上記実施例により作製した光電変換装置の
静止時のエネルギー帯構造を図2に示す。また、該光電
変換装置に電界が印加された場合のエネルギー帯図を図
3に示す。
【0058】図2及び図3は、n型μc−Si:H層1
02の禁制帯幅がEg4、a−SiGex :H〜a−S
iCx :H禁制帯幅傾斜層111、112、113の3
つの層からなるキャリア増倍層の最小禁制帯幅がEg
2、最大禁制帯幅がEg3、a−Si:H層104の禁
制帯幅がEg1、p型μc−Si:H層105の禁制帯
幅がEg0であることを示している。また、114、1
15、116はステップバックヘテロ接合である。上記
実施例で作製したa−Si:H層104の禁制帯幅Eg
1は約1.72eVである。また、p型μc−Si:H
層105の禁制帯幅Eg0は約1.7eVである。キャ
リア増倍層103において最大禁制帯幅を与えるa−S
iCx :H膜におけるxは約1.1であり、その禁制帯
幅Eg3は、3.0eVであり、最小禁制帯幅を与える
a−SiGex :H膜におけるxは約0.9でありその
禁制帯幅Eg2は、1.4eVである。
【0059】キャリアのイオン化によるアバランシェ増
倍をステップバックヘテロ接合部で起こすためには、最
大禁制帯幅と最小禁制帯幅の差を大きくすることが必要
である。たとえば最小禁制帯幅を持つ材料をa−SiG
x :Hで1.4eVとした場合、キャリアのイオン化
を起こすにはa−SiGex :Hの禁制帯幅分の1.4
eVを不連続段差としてこのヘテロ接合で形成する必要
があるので、a−SiCx :Hの禁制帯幅は最低でも
2.8eV以上は必要である。
【0060】禁制帯幅が1.7eVであるa−Si:H
膜に隣接して水素希釈なしで禁制帯幅が3.0eVであ
るa−SiCx :H層を形成した場合、価電子帯側の不
連続段差ΔEvは0.1eV程度でエネルギー的に滑ら
かに接合しており、a−Si:H膜とa−SiGex
H膜とのヘテロ接合では価電子帯側の不連続段差は生じ
ない。
【0061】すなわち水素希釈なしで作製したa−Si
x :H膜と1.4eVのa−SiGex :Hとのヘテ
ロ接合でも価電子帯側の段差ΔEvは0.1eV程度
で、ヘテロ接合部における1.5〜1.6eVの禁制帯
幅の変化は伝導帯側の不連続段差ΔEcにより達成され
る。a−SiGex :H膜の禁制帯幅1.4eV程度の
イオン化エネルギーより、ヘテロ接合における不連続段
差のエネルギーが充分大きいために、段差エネルギーの
みでa−SiGex :H膜内でキャリアの増倍を起こす
ことが可能である。
【0062】一方比較例で水素希釈率を一定として作製
したSiCx :Hとa−Si:Hのヘテロ接合界面で
は、希釈率が大きいと価電子帯側の不連続段差ΔEvが
0.7eV、伝導帯側の不連続段差ΔEcが0.68e
Vで、伝導帯側の段差と価電子帯側の段差とが同程度で
ある。a−Si:Hを1.4eVのa−SiGex :H
に変えると、価電子帯側の不連続段差ΔEvは変化せ
ず、伝導帯側の不連続段差ΔEcは0.98eV程度に
なるが、禁制帯幅の段差のみでキャリアのイオン化を起
こさせるにはエネルギー的に不足して、印加電界による
加速が必要である。上記実施例における光電変換装置の
増倍率は、10V〜20Vのバイアス印加時にもほとん
ど変化が無く、約6倍が得られており、禁制帯幅傾斜層
1層当り約1.8倍が実現できている。また、増倍に伴
って発生した過剰雑音は約1.05と低く、暗電流は約
1.5nA/cm2 以下と低かった。
【0063】一方比較例では50V以上のバイアスを印
加しないと増倍が起こらなかった。この理由としては、
比較例ではヘテロ接合部で、イオン化を起こすための不
連続段差のエネルギーが不足していることが原因と思わ
れる。しかもこの比較例での増倍率はバイアス60Vで
も2〜3倍程度しか得られず、禁制帯幅傾斜層1層当り
では1.4倍程度であり、また、暗電流は数100nA
/cm2 程度と大きくなった。これは図10に示したよ
うに禁制帯幅が2.2eV以上の領域で希釈率5以上で
成膜した比較例では禁制帯幅の広い領域のa−SiC
x :H膜のダングリングボンド欠陥密度が、禁制帯幅が
2.2未満の領域で希釈率0〜5で成膜した実施例のa
−SiCx :H膜のダングリングボンド欠陥密度より1
桁程度大きいために、増倍したキャリアが欠陥を再結合
中心として消滅して増倍率の低下を招いたと思われる。
また暗電流の増加もダングリングボンド欠陥を介したホ
ッピング伝導成分により増加した可能性が大きい。
【0064】実施例の光電変換装置の応答速度はキャリ
ア増倍層の無いpin型光電変換装置と同等に高速であ
った。
【0065】比較例の光電変換装置については100V
程度まで高バイアスを印加すると、光電流は増加する
が、ここで増加した光電流の光応答性は非常に遅く、立
ち上がり、立ち下がりともに数msec〜数100ms
ecの遅れが生じている。これはやはりa−SiCx
H膜のスピン密度が大きいために高電界の印加によるエ
ネルギーバンド変調が起こり、電極からの注入電荷やバ
ンド間トンネリングにより増加した2次的な光電流と思
われる。
【0066】実施例2 次に、キャリア増倍層の構成以外は実施例1と同様の光
電変換装置を作製した。
【0067】実施例1では、キャリア増倍層においてa
−SiGex :Hとa−SiCx :H〜a−SiGe
x :Hとを連続して形成したものを1つの禁制帯幅傾斜
層としたが、本実施例ではGeを添加せずにa−Si:
Hとa−SiCx :H〜a−Si:Hとを連続に形成し
た層を1つの禁制帯幅傾斜層とした。
【0068】すなわち、本実施例ではキャリア増倍層1
03は3層の禁制帯幅傾斜層111、112及び113
からなり、それぞれの禁制帯幅傾斜層は禁制帯幅が1.
7eVである100オングストロームのa−Si:H膜
上に、禁制帯幅が3.6〜1.7eVまで変化するよう
にa−SiCx :H〜a−Si:H系において炭素含有
量を変化させた層を形成したものである。
【0069】本実施例のキャリア増倍層は以下のように
して作製した。
【0070】実施例1と同様に基板上にCr電極、n型
半導体層を形成した後、プラズマCVD装置の別の反応
室に真空を破らずに移動して、禁制帯幅層1.7eVの
a−Si:H膜を100オングストローム形成した。作
製条件は、基板温度は250℃、放電RF電力は10W
(0.03W/cm2 )、堆積圧力0.2Torrで、
SiH4 /H2 の流量比を10/100sccmとし
た。
【0071】次に増倍を起こす禁制帯幅段差を形成する
ために、最大禁制帯幅3.6eVを示すa−SiCx
H膜から最小禁制帯幅1.7eVを示すa−Si:H膜
まで連続的に組成を変化させた禁制帯幅傾斜層を同じ反
応室内で続けて作製した。その作製条件は、基板温度は
250℃、放電RF電力は10W(0.03W/cm
2 )、堆積圧力0.2Torrと一定として放電を維持
したままガス流量比を連続的に変化させた。まず3.6
〜2.5eVまでの広い禁制帯幅領域では、H2を添加
せずにSiH4 /CH4 流量比だけを2.0/100〜
5.0/100sccmまで変化させた。さらにH2
スにより徐々に希釈するためにSiH4 、CH4 、H2
のマスフローコントローラーをそれぞれ調節して、Si
4 /CH 4 /H2 流量が5.0/100/0から1.
0/19/100になるように徐々に調節して、禁制帯
幅が2.5〜2.2eVまで変化させた。このときSi
4とCH4 の流量の和に対するH2 希釈率は0〜5と
なり、2.2eV付近でH2希釈率が5となるようにし
た。さらに放電を維持しながら、CH4 ガスのマスフロ
ーコントローラーのみを19〜0sccmまで徐々に減
少させていき、禁制帯幅を2.2〜1.7eVのa−S
i:H膜まで変化させた。このときSiH4 とCH4
流量の和に対するH2 希釈率は5〜100となってい
る。
【0072】比較例2 実施例2と同じ条件により最小禁制帯幅層のa−Si:
H膜を形成して、次に禁制帯幅変化層の作製条件とし
て、実施例2と同じく基板温度は250℃、放電RF電
力は10W(0.03W/cm2 )、堆積圧力0.2T
orrの一定として、ガス流量比のH2 希釈率を実施例
2と異なる条件で作製した。まず禁制帯幅の3.6〜
1.7eVまでを、SiH4 とCH4 の流量の和を20
sccm、H 2 を100sccmと一定としてSiH4
/CH4 流量比を0.2/19.8から20/0まで徐
々に変化させてa−SiCx :H〜a−Si:Hにおい
て炭素濃度を徐々に減少させた膜を形成した。すなわち
禁制帯幅傾斜層形成時に禁制帯幅3.6〜1.7eVの
すべての領域にわたって、原料ガスに対するH2 希釈率
が常に5倍になるようにした。
【0073】実施例2と比較例2については、禁制帯幅
1.7eVのa−Si:H膜が100オングストローム
と一定として、禁制帯幅傾斜層はそれぞれの禁制帯幅を
示す流量比における堆積速度をあらかじめ求めた上で、
それらを連続的に形成した場合の堆積速度を想定して、
膜厚が100オングストロームとなるように放電時間を
調節した。この本実施例と比較例のようにして形成した
増倍層をそれぞれ繰り返し3層積層した後に、プラズマ
CVD装置の別反応室に移動して、光吸収層のa−S
i:H膜を5000オングストローム形成した。作製条
件は、基板温度は200℃、放電RF電力10W(0.
03W/cm2 )、堆積圧力0.2Torrで、SiH
4 /H2 の流量比を10/100sccmとした。さら
にプラズマCVD装置の別反応室に移動して電子阻止層
のp型μc−Si:H膜を100形成した。作製条件
は、基板温度は250℃、放電RF電力50W(0.1
5W/cm2 )、堆積圧力0.2Torrで、SiH4
/BF3 (0.1%・H2 希釈)/H2 の流量比を1.
0/1.0/100sccmとした。そしてプラズマC
VD装置から取り出した後、最後に透明電極をスパッタ
装置により形成した。実施例2の光電変換装置のエネル
ギー帯構造も実施例1と同様に図2及び図3に示され
る。実施例2で作製したa−Si:H層104の禁制帯
幅Eg1は約1.7eVである。また、p型μc−S
i:H層105の禁制帯幅Eg0は約1.7eVであ
る。禁制帯幅傾斜層111、112、113のうち最大
禁制帯幅を与えるa−SiCx :H層のC/Si組成比
xは約1.1であり、それらの禁制帯幅Eg3は、3.
6eVであり、最小禁制帯幅を与えるa−Si:H層の
禁制帯幅Eg2は、1.7eVである。
【0074】キャリアのイオン化によるアバランシェ増
倍をステップバックヘテロ接合部で起こすためには、最
大禁制帯幅と最小禁制帯幅の差を大きくすることが必要
である。たとえば最小禁制帯幅を持つ材料をa−Si:
Hで1.7eVとした場合、キャリアのイオン化を起こ
すにはa−Si:Hの禁制帯幅分の1.7eV以上を不
連続段差としてこのヘテロ接合で形成する必要があるの
で、a−SiCx :Hの禁制帯幅は最低でも3.4eV
以上は必要である。
【0075】水素希釈なしで作製した禁制帯幅が3.0
eVを持つa−SiCx :Hと禁制帯幅が1.7eVを
持つa−Si:Hは価電子帯側ではΔEvが0.1eV
程度でエネルギー的に滑らかに接合しており、水素希釈
なしでさらに禁制帯幅を3.6eVまで大きくすると
1.9〜1.8eVの禁制帯幅の不連続段差を伝導体側
の不連続段差によって達成できる。この場合a−Si:
H膜の禁制帯幅1.7eV程度のイオン化エネルギーよ
り、不連続段差のエネルギーが充分大きいために、段差
エネルギーのみでa−Si:H膜内でキャリアの増倍を
起こすことが可能である。一方比較例2で水素希釈率を
一定として作製した最大禁制帯幅をもつa−SiCx
Hとa−Si:Hのヘテロ接合界面では、水素希釈が大
きいとΔEvが0.7eV、ΔEcが0.68eVと両
側に広がっており、禁制帯幅が3.6eVまで大きくな
ったとしても禁制帯幅の段差のみでキャリアのイオン化
を起こさせるにはエネルギー的に不足して、印加電界に
よる加速が必要である。
【0076】上記実施例における光電変換装置の増倍率
は、10V〜20Vのバイアス印加時にもほとんど変化
が無く、約6倍が得られており、禁制帯幅傾斜層1層当
り約1.8倍が実現できている。また、増倍に伴って発
生した過剰雑音は約1.05と低く、暗電流は約1nA
/cm2 以下と低かった。
【0077】一方比較例では50V以上のバイアスを印
加しないと増倍が起こらなかった。この理由としては、
比較例ではヘテロ接合部で、イオン化を起こすための不
連続段差のエネルギーが不足していることが原因と思わ
れる。しかもこの比較例での増倍率はバイアス60Vで
も2〜3倍程度しか得られず、禁制帯幅傾斜層1層当り
では1.4倍程度であり、また、暗電流は数100nA
/cm2 程度と大きくなった。これは図10に示したよ
うに禁制帯幅が2.2eV以上の領域で希釈率5以上で
成膜した比較例では禁制帯幅の広い領域のa−SiC
x :H膜のダングリングボンド欠陥密度が、禁制帯幅が
2.2未満の領域で希釈率0〜5で成膜した実施例のa
−SiCx :H膜のダングリングボンド欠陥密度より1
桁程度大きいために、増倍したキャリアが欠陥を再結合
中心として消滅して増倍率の低下を招いたと思われる。
また暗電流の増加もダングリングボンド欠陥を介したホ
ッピング伝導成分により増加した可能性が大きい。
【0078】実施例の光電変換装置の応答速度はキャリ
ア増倍層の無いpin型光電変換装置と同等に高速であ
った。
【0079】比較例の光電変換装置については100V
程度まで高バイアスを印加すると、光電流は増加する
が、ここで増加した光電流の光応答性は非常に遅く、立
ち上がり、立ち下がりともに数msec〜数100ms
ecの遅れが生じている。これはやはりa−SiCx
H膜のスピン密度が大きいために高電界の印加によるエ
ネルギーバンド変調が起こり、電極からの注入電荷やバ
ンド間トンネリングにより増加した2次的な光電流と思
われる。
【0080】実施例3 次に、キャリア増倍層の構成と作製条件を以下のように
変えた以外は実施例1と同様に光電変換装置を作製し
た。
【0081】実施例1では、キャリア増倍層においてa
−SiGex :Hとa−SiCx :H〜a−SiGe
x :Hとを連続して形成したものを1つの禁制帯幅傾斜
層としたが、本実施例ではGeを添加せずにa−Si:
Hとa−SiCx :H〜a−Si:Hとを連続に形成し
た層を1つの禁制帯幅傾斜層とした。また、本実施例に
おいてはキャリア増倍層形成時の希釈ガスをHeとし
た。
【0082】本実施例のキャリア増倍層は以下のように
して作製した。
【0083】実施例1、2と同様にまず基板上に下側電
極としてCr電極2000オングストロームを形成し、
正孔注入阻止層のn型μc−Si:H膜を作製した。作
製条件としては、基板温度は250℃、放電RF電力5
0W(0.15W/cm2 )、堆積圧力0.2Torr
で、SiH4 /PH3 (5000ppm・H2 希釈)/
2 の流量比を1.0/1.0/100sccmとし
た。
【0084】次に上述のプラズマCVD装置の別の反応
室に真空を破らずに移動して、増倍層を作製した。増倍
層はまず最小禁制帯幅の1.7eVのa−Si:H膜を
100オングストローム形成した。その作製条件は、基
板温度は250℃、放電RF電力は10W(0.03W
/cm2 )、堆積圧力0.2Torrで、SiH4 /H
eの流量比を1.0/100sccmとして実施例1、
2と異なり希釈ガスとしてHe希釈により形成した。次
に増倍を起こす禁制帯幅段差を形成するために、最大禁
制帯幅の3.6eVのa−SiCx :H膜から最小禁制
帯幅の1.7eVのa−Si:H膜まで連続的に組成を
変化させた禁制帯幅変化層を同じ反応室内で続けて作製
した。その作製条件は、基板温度は250℃、放電RF
電力は10W(0.03W/cm2 )、堆積圧力0.2
Torrと一定として放電を維持したままガス流量比を
連続的に変化させた。まず3.6〜2.5eVまでの広
い禁制帯幅領域では、He希釈率を小さくしてSiH4
/CH4 /He流量比だけを3.0/100/100〜
7.0/100/100sccmまで変化させた。さら
にHeガスによる希釈率を徐々に変化させるためにSi
4 、CH4 、Heのマスフローコントローラーをそれ
ぞれ調節して、SiH4 /CH4 /He流量が7.0/
100/100から2.0/18/100になるように
徐々に調節して、禁制帯幅が2.5〜2.2eVまで変
化させた。このときSiH4 とCH4の流量の和に対す
るHe希釈率は0.9〜5となり、2.2eV付近でH
e希釈率が5となるようにした。さらに放電を維持しな
がら、CH4 ガスのマスフローコントローラーのみを1
8〜0sccmまで徐々に減少させていき、禁制帯幅を
2.2〜1.7eVのa−Si:H膜まで変化させた。
このときSiH4 とCH 4 の流量の和に対するHe希釈
率は5〜100となっている。
【0085】また実施例3についても、禁制帯幅1.7
eVのa−Si:H膜が100オングストロームと一定
として、禁制帯幅変化層はそれぞれの禁制帯幅を示す流
量比における堆積速度をあらかじめ求めた上で、それら
を連続的に形成した場合の堆積速度を想定して、膜厚が
100オングストロームとなるように放電時間を調節し
た。この時He希釈では水素希釈とダングリングボンド
欠陥密度とΔEvに対する効果は定性的に同じであるが
プラズマCVDにおいてはHeガスはイオン化エネルギ
ーが大きく気相反応における分解を促進する働きがある
と思われ、堆積速度は水素希釈に比べて大きくなった。
このようにして形成した増倍層を実施例1、2と同様に
それぞれ繰り返し3層積層した後に、プラズマCVD装
置の別反応室に移動して、光吸収層のa−Si:H膜を
5000オングストローム形成した。作製条件は、基板
温度は200℃、放電RF電力10W(0.03W/c
2 )、堆積圧力0.2Torrで、SiH4 /H2
流量比を10/100sccmとした。さらにプラズマ
CVD装置の別反応室に移動して電子阻止層のp型μc
−Si:H膜を100 形成した。作製条件は、基板温
度は250℃、放電RF電力50W(0.15W/cm
2 )、堆積圧力0.2Torrで、SiH4/BF3
(0.1%・H2 希釈)/H2 の流量比を1.0/1.
0/100sccmとした。そしてプラズマCVD装置
から取り出した後、最後に透明電極をスパッタ装置によ
り形成した。
【0086】かかる実施例における光電変換装置の増倍
率は、やはり実施例1、2と同様に10V〜20Vのバ
イアス印加時にもほとんど変化が無く、約6倍が得られ
ており、増倍層1層当り約1.8倍が実現できている。
また、増倍に伴って発生した過剰雑音は約1.05と低
く、暗電流は約1nA/cm2 以下と低かった。また、
本実施例の応答速度も実施例1、2と同様に増倍層の無
いpin型光電変換装置と同等に高速であった。
【0087】これはHe希釈においてもダングリングボ
ンド欠陥密度の変化とΔEvの変化が水素希釈による効
果と定性的には同じであることによると思われる。
【0088】本実施例では希釈ガスをHe希釈とした
が、他にもAr、Ne等の希ガスを用いてもやはり定性
的には同じ効果が得られる。この希釈ガスにより実際の
作製条件の流量比や希釈率は最適化する必要があるが、
禁制帯幅の広い領域で希釈率を小さく、禁制帯幅の小さ
い領域では希釈率を大きくするという作製方法は基本的
には同じである。
【0089】上記実施例1〜3の光電変換装置において
は、図2及び図3から判るように、強電界下において
も、弱電界下においても、スパイク及びノッチが発生し
ていない。
【0090】なお、実施例1〜3においては、増倍層の
禁制帯幅変化層が3層で増倍率が約6倍が得られたが、
これは単なる一例であり、その層数は幾つでもよく、本
実施例の条件を用いると4層で約10倍、5層で約19
倍が得られることになり、所望の増倍率に応じて決めれ
ばよい。
【0091】また、実施例1〜3においては、ステップ
バックヘテロ接合が急峻な接合になっているが、電子の
平均自由行程以内の範囲であれば接合がなだらかになっ
ていても、同様の効果が得られる。また、接合がさらに
なだらかであっても、所望の作用をもたらす範囲にあれ
ばよい。
【0092】また、実施例〜3では1つの禁制体幅傾斜
層の厚さを約200オングストロームとしたが、キャリ
アが再結合せずに走行できる範囲内の厚さであればよ
い。ただし、薄い方が印加バイアスを低くできるので好
ましい。また実施例1〜3では、光吸収層の厚さが約1
μmとしているが、入射光が光吸収層を通過して増倍層
まで達しない厚さであればよく、この厚さは光吸収係数
により決められる。
【0093】また、実施例1〜3の非晶質層の原料ガス
には、SiH4 、B26 、PH3、CH4 、GeH4
を用いたが、SiH4 のかわりにSi26 、Si3
8 、SiH4 、SiF4 、Si26 、SiH3 F、S
22 等の鎖状シラン化合物、Si48 、Si5
10、Si612等の環状シラン化合物等を使うことがで
き、B26 のかわりにB、Al、In、Tl等の第II
I 族原子を含むガスを使うことができ、PH3 のかわり
にP、As、Sb、Bi等の第V族原子を含むガスを使
うことができ、GeH4 のかわりにGeF4 等のゲルマ
ニウム化合物を使うことができる。さらに、禁制帯幅変
化層の組成比は、局在準位低減のため0〜約0.6の範
囲であることが好ましい。また非晶質層の作製にはRF
プラズマCVD法の他に、プラズマCVD法の他の一種
であるECRプラズマCVD法等も有用である。
【0094】また、実施例1〜3では半導体層に非晶質
層を用いたが、多結晶等の非単結晶を用いてもよい。
【0095】また、実施例1〜3では電荷注入阻止層に
p形、n形共にμc−Si:H層を用いたがa−Si:
H膜の電荷注入阻止層を用いてもよく、その禁制帯幅、
ドーピング量は、電極からの少数キャリアの注入が抑制
でき、かつ、多数キャリアの走行性が妨げられないよう
に調整されていればよい。
【0096】実施例4 次に、実施例1に示した光電変換装置を、特開昭63−
278269号公報に提案された走査回路、読出し回路
上に積層した実施例について具体的に説明する。
【0097】図4は、本実施例の走査回路における受光
部付近の概略的断面図、図5は一画素の等価回路図、図
6は本実施例に係る等価回路全図及びブロック全図であ
る。図4において、n型シリコン基板701上にエピタ
キシャル成長によりコレクタ領域となるn- 層702が
形成され、その中にpベース領域703、さらにn +
ミッタ領域704が形成されバイポーラトランジスタを
構成している。pベース領域703は隣接画素と分離さ
れており、また、水平方向に隣接するpベース領域との
間には酸化膜705を挟んでゲート電極706が形成さ
れている。したがって、隣接するpベース領域703を
各々ソース・ドレイン領域としてpチャネルMOSトラ
ンジスタが構成されている。ゲート電極706はpベー
ス領域703の電位を制御するためのキャパシタとして
も働いている。さらに、絶縁層707を形成した後、エ
ミッタ電極708、ベース電極708’を形成する。そ
の後、絶縁層709を形成し、続いて電極711を形成
し、画素ごとに分離する。電極711は電極708’と
電気的に接続している。続いて、a−SiGex:H、
a−SiCx :H〜a−SiGex :Hの禁制帯幅傾斜
層721、722、723、724を形成してキャリア
増倍層713を構成する。次に光吸収層a−Si:H層
714を形成し、p型μc−Si:H層715を形成
し、バイアスを印加するための透明電極716を形成す
る。また、コレクタ電極717が基板701の裏面にオ
ーミック接続されている。
【0098】したがって、一画素の等価回路は図5のよ
うに、結晶シリコンで構成されるバイポーラトランジス
タ731のベースに、pチャネルMOSトランジスタ7
32とキャパシタ733及び前記実施例と同様の光電変
換装置734が接続され、ベースに電位を与えるための
端子735と、pチャネルMOSトランジスタ732及
びキャパシタ733を駆動するための端子736と、透
明電極に電位を与えるための電極737とエミッタ電極
738、コレクタ電極739とで構成される。図6は図
4、図5で示した一画素セル740を3×3の2次元マ
トリックスに配置した回路構成図である。この例におい
ては、一画素セル740のコレクタ電極741は全画素
にそれぞれ設けられ、センサ電極742もそれぞれ設け
られている。また、PMOSトランジスタのゲート電極
及びキャパシタ電極は行ごとに駆動配線743、74
3’、743”と接続され、垂直シフトレジスタ(V.
S.R.)744と接続されている。またエミッタ電極
は、列ごとに、信号読出しのための垂直配線746、7
46’、746”と接続されている。垂直配線746、
746’、746”はそれぞれ垂直配線の電荷をリセッ
トするためのスイッチ747、747’、747”と読
出しスイッチ750、750’、750”に接続されて
いる。リセットスイッチ747、747’、747”の
ゲート電極は垂直配線リセットパルスを印加するための
端子748に共通接続され、また、ソース電極は垂直ラ
インリセット電圧を印加するための端子749に共通接
続されている。読出しスイッチ750、750’、75
0”のゲート電極はそれぞれ配線751、751’、7
51”を介して水平シフトレジスタ(H.S.R.)7
52に接続されており、またドレイン電極は水平読出し
配線753を介して出力アンプ757に接続されてい
る。水平読出し配線753は水平読出し配線の電荷をリ
セットするためのスイッチ754に接続されている。リ
セットスイッチ754は水平配線リセットパルスを印加
するための端子755と水平配線リセット電圧を印加す
るための端子756に接続される。最後にアンプ757
の出力は端子758から取り出される。
【0099】以下、図4〜図6を用いて動作を簡単に説
明する。図4に示される回路の受光部に光が照射される
と、入射された光が光吸収層714で吸収され、光吸収
層で発生したキャリアが増倍領域713で増倍されて、
ベース領域703に蓄積される。図6に示される垂直シ
フトレジスタから出力される駆動パルスが駆動配線74
3に現れると、キャパシタを介してベース電位が上昇
し、1行目の画素から光量に応じた信号電荷が垂直配線
746、746’、746”にそれぞれ取り出される。
次に、水平シフトレジスタ752から走査パルスが75
1、751’、751”に順次出力されると、スイッチ
750、750’、750”が順にオン、オフ制御さ
れ、信号が出力アンプ757を通じて出力端子758に
取り出される。この際、リセットスイッチ754は、ス
イッチ750、750’、750”が順番にオン動作す
る間にオン状態となり、水平配線753の残留電荷を除
去している。次に、垂直ラインリセットスイッチ74
7、747’、747”がオン状態となり、垂直配線7
46、746’、746”の残留電荷が除去される。そ
して、垂直シフトレジスタ744から駆動配線743に
負方向のパルスが印加されると、1行目の各PMOSト
ランジスタがオン状態となり、各画素のベ−ス残留電荷
が除去され、初期化される。次に、垂直シフトレジスタ
744から出力される駆動パルスが駆動配線743’に
現れ、2行目の画素の信号電荷が、同様にとり出され
る。次に、3行目の画素の信号取り出しも同様に行なわ
れる。以上の動作を繰返すことにより本装置は動作をす
る。
【0100】なお、以上説明した実施例では、本発明者
等の発明による回路例を示したが、本装置を一般的に知
られる光電変換装置の回路に適用しても構わない。
【0101】実施例6 以下、一般的な構成の光電変換装置に、本発明の光電変
換装置を用いた場合について説明する。図16は一般的
な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の構成を示
すブロック図である。同図において、801は複数の本
発明に係る光電変換部であり、例えば、実施例1、実施
例2に示した本発明の光電変換装置が用いられる。光電
変換部801は信号出力部805に接続される。信号出
力部805において、802は光電変換部801より発
生した信号電荷の蓄積手段、803は前記蓄積手段を駆
動するための走査手段、804は走査手段803により
転送された信号電荷の増幅・ノイズ補償等を行なう回路
等からなる読出し手段である。なお、蓄積手段802は
蓄積動作を行なう場合には必要となるが、蓄積動作を行
なわない場合にはなくてもよい。
【0102】
【発明の効果】アバランシェ効果を利用した本発明の光
電変換装置は次のような特徴を備えている。 (1)本発明の光電変換装置の光吸収層、増倍層の構成
材料は非単結晶材料から構成されるので、毒性の少な
い、安価な工業的に有利なものとなる。 (2)また、本発明の光電変換装置の構成材料である非
単結晶材料の形成においては、プラズマCVD法、スパ
ッタ法などの成膜方法が適用でき、大面積かつ低温(1
00〜300℃)で容易に形成できる。したがって、大
面積の光電変換装置への応用が容易であり、また、信号
処理回路等が既に形成されている半導体基板上への積層
も可能であり、その応用範囲は大いに広がる。 (3)また、非単結晶材料としてa−SiGex :Hや
a−Si:Hを用いているので、最小禁制帯幅が1.4
〜1.7eVとなり、キャリア走行性を悪化させること
なく、かつ、禁制体幅の大きなa−SiCx :Hを用い
ることでステップバックヘテロ接合部の伝導帯側のみの
エネルギー不連続量ΔEcで大きな増倍層を形成するこ
とが可能となる。したがって過剰雑音だけでなく暗電流
雑音も小さな低雑音で高効率な増倍動作が実現できる。 (4)さらに、蓄積動作を行なって、キャリア蓄積量の
増加にともない増倍層に印加される電界が低くなって
も、増倍層のステップバックヘテロ接合部分にはスパイ
ク及びノッチが生じない。したがって、低電界でもステ
ップバックヘテロ接合部のバンド不連続が維持され、高
電界印加時と同様な高イオン化率が達成できるだけでな
く、a−SiCx :Hとa−SiGex :Hやa−S
i:Hの界面ではキャリア走行を阻害する方向のエネル
ギー不連続も生ぜず、高増倍率で、入射光量対出力の直
線性のすぐれた、応答速度の早い蓄積動作を行なうこと
ができる。正孔の走行を阻害しないエネルギー不連続量
ΔEvは、好ましくは常温で0.2eV以下、より好ま
しくは0.1eV以下であり、本発明の製造方法によれ
ば、a−SiCx :H膜の禁制帯幅が最大3.6eVの
ときでもΔEvは、0.2eV程度である。
【0103】以上の光電変換装置により、本発明は光吸
収層及びキャリア増倍層が非単結晶系材料により構成さ
れる光電変換装置において、キャリア増倍層の光電特性
及びキャリア走行性を特に禁制帯幅の広い領域において
改善し、一定の増倍特性及び応答特性を得る、という所
期の目的を達成するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電変換装置の一態様を示す概略
的断面図である。
【図2】図1で示される光電変換装置の静止時のエネル
ギー帯図である。
【図3】図1で示される光電変換装置の電界印加動作時
のエネルギー帯図である。
【図4】本発明に係る回路の受光部付近の概略的断面図
である。
【図5】本発明回路に係る一画素等価回路図である。
【図6】本発明に係る回路の等価回路全図及びブロック
全図である。
【図7】従来のAPD型の光電変換装置の概略的断面図
である。
【図8】従来のAPD型の光電変換装置の静止時のエネ
ルギー帯図である。
【図9】従来のAPD型の光電変換装置の高電界印加動
作時のエネルギー帯図である。
【図10】水素ガスによる希釈率を変化させた時の、各
禁制帯幅におけるダングリングボンド欠陥密度の変化を
示したグラフである。
【図11】水素希釈率を変化させたときの、各禁制帯幅
におけるC−Hn多重結合水素量を示すグラフである。
【図12】半導体ヘテロ接合の禁制帯不連続を1例を示
す図である。
【図13】半導体ヘテロ接合の禁制帯不連続を1例を示
す図である。
【図14】半導体ヘテロ接合の禁制帯不連続を1例を示
す図である。
【図15】半導体ヘテロ接合の禁制帯不連続を1例を示
す図である。
【図16】一般的な構成の光電変換装置に本発明を用い
た場合の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 Cr電極(下側電極) 102 n型半導体層(電荷(正孔)注入阻止層) 103 キャリア増倍層 104 光吸収層(a−Si:H) 105 p型半導体層(電荷(電子)注入阻止層) 106 透明電極 111、112、113 禁制帯幅傾斜層 114、115、116 ステップバックヘテロ接合
部 401、403、405、407 i型禁制帯幅傾斜
半導体層 402、404、406 ステップバックヘテロ接合
部 411 p型半導体層 413、414 電極 415 n型半導体層 701 n型シリコン基板 702 コレクタ領域 703 pベース領域 704 n+エミッタ領域 705 酸化膜 706 ゲート電極 707、709 絶縁層 708 エミッタ電極 708’ ベース電極 711 電極 721、722、723、724 禁制帯幅傾斜層 713 キャリア増倍層 714 光吸収層(a−Si:H) 715 電荷注入阻止層(p型a−SiCy :H) 716 透明電極 717 コレクタ電極 731 バイポーラトランジスタ 732 pチャネルMOSトランジスタ 733 キャパシタ 734 光電変換装置 735、736 端子 737 電極 738 エミッタ電極 739 コレクタ電極 740 1画素セル 741 コレクタ電極 742 センサ電極 743、743’、743” 駆動配線 744 垂直シフトレジスタ 746、746’、746” 垂直配線 747、747’、747” 垂直配線電荷リセット
スイッチ 748 垂直配線リセットパルス印加端子 749 垂直ラインリセット電圧印加端子 750、750’、750” 読み出しスイッチ 751、751’、751” 駆動配線 752 水平シフトレジスタ 753 水平読み出し配線 754 配線電荷リセットスイッチ 755 水平配線リセットパルス印加端子 756 水平ラインリセット電圧印加端子 757 アンプ 758 出力端子 801 光電変換部 802 蓄積手段 803 走査手段 804 読み出し手段 805 信号出力部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、光エネルギーを吸収してキャリ
    アを発生させる光吸収層との間に、前記光吸収層で発生
    したキャリアを増倍させるキャリア増倍層を少なくとも
    有し、前記光吸収層及びキャリア増倍層が非単結晶材料
    からなり、キャリア増倍層が光吸収層側から基板側に向
    かって層厚方向に光学的禁制帯幅が連続に増大する領域
    と、光吸収層側から基板側に向かって層厚方向に光学的
    禁制帯幅がヘテロ接合により不連続に減少する領域とを
    有し、且つ、該禁制帯幅の変化が伝導帯側のエネルギー
    準位の変化により達成される光電変換装置の製造方法に
    おいて、Siを含む原料ガスの流量とキャリア増倍層の
    光学的禁制帯幅調整のための添加元素を含む原料ガスの
    流量との和に対する希釈ガスの希釈率を、Siとキャリ
    ア増倍層の光学的禁制帯幅調整のための添加元素との組
    成比によって決定される光学的禁制帯幅の大きさに対応
    させて変化させてプラズマCVD法によりキャリア増倍
    層を形成することを特徴とする光電変換装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 希釈ガスが水素又は不活性ガスである請
    求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 キャリア増倍層の光学的禁制帯幅が2.
    2eV未満となる領域を形成する際の希釈率が5より大
    きく、キャリア増倍層の光学的禁制帯幅が2.2eV以
    上となる領域を形成する際の希釈率が0〜5である請求
    項1に記載の製造方法。
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