JPH07184543A - 食品用w/o型乳化組成物 - Google Patents

食品用w/o型乳化組成物

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JPH07184543A
JPH07184543A JP5346864A JP34686493A JPH07184543A JP H07184543 A JPH07184543 A JP H07184543A JP 5346864 A JP5346864 A JP 5346864A JP 34686493 A JP34686493 A JP 34686493A JP H07184543 A JPH07184543 A JP H07184543A
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dibasic acid
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Atsushi Obara
淳志 小原
Satoshi Negishi
聡 根岸
Seiki Kawasaki
成輝 川崎
Seiichi Shirasawa
聖一 白沢
Junko Suzuki
順子 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の(A)または(B)で示される反応生
成物、油脂および水を少なくとも含有してなる食品用W
/O型乳化組成物。(A)炭素数28の飽和直鎖脂肪族
二塩基酸と、炭素数6〜12の脂肪酸と、グリセリンと
のオリゴエステル化反応生成物、または(B)前記二塩
基酸もしくはそのエチルエステルと、炭素数6〜12の
脂肪酸のトリグリセリドとのエステル交換反応生成物。 【効果】 本発明のW/O型乳化組成物は、その物性が
固体脂に依存せず、広い温度範囲で硬さの変化が少な
く、良好な展延性、組織の滑らかさを有し、相分離も生
じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のエステル化反応
生成物またはエステル交換反応生成物を配合してなる食
品用W/O型乳化組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のマーガリンやファットスプレッド
に代表される食品用W/O型乳化組成物は、保型性や硬
さ等の物性を付与するために一般的に油分中の20〜3
0重量%以上の割合で、常温で固体状を呈する油脂類例
えば水添硬化油もしくは固形脂(以下、固体脂という)
を配合しているが、場合によっては保存期間中に固体脂
の粗大結晶が生じ、風味や食感等を損ねるといった欠点
がある。また、マーガリンやファットスプレッド等の製
造においては、微細な油脂結晶を作ると同時に安定な乳
化状態を形成させるために、乳化後、急冷に練り合わせ
する操作を必須条件としている。
【0003】一方、固体脂を配合することにより必然的
に油分中の飽和脂肪酸含量が高くなるため、近年の健康
志向の面からマイナスイメージが強く、これを改善する
ため飽和脂肪酸含量の少ないサラダ油等の油脂(以下、
液状油という)の含量を増やす試みがなされてきた(特
公昭51−33922号、特公昭58−53895号各
公報)。しかし、従来の技術では乳化物の前記物性等の
維持のために固体脂の利用は必須であり、上述した諸問
題の根本的な解決には至っていない。
【0004】さらに従来のマーガリンやファットスプレ
ッド等は、その物性が固体脂に依存しているため硬さが
温度に左右されやすく、高温時には液状油の分離等が生
じやすいという欠点もある。そのため夏季および冬季の
品質を一定に保つために、製品に配合する油脂類の融点
を変えたり、保存や流通時の温度管理を厳密に行うとい
った煩雑な作業が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、前記
物性が実質的に固体脂に依存しない食品用W/O型乳化
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定のエステ
ル類を用いることにより良好な性状を示すW/O型乳化
組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち本発明は、下記の(A)または(B)で
示される反応生成物(以下、両者を合わせ単に二塩基酸
グリセリドということがある)、油脂および水を少なく
とも含有してなる食品用W/O型乳化組成物である。 (A)炭素数28の飽和直鎖脂肪族二塩基酸と、炭素数
6〜12の脂肪酸と、グリセリンとのオリゴエステル化
反応生成物。 (B)炭素数28の飽和直鎖脂肪族二塩基酸もしくはそ
のエチルエステルと、炭素数6〜12の脂肪酸のトリグ
リセリドとのエステル交換反応生成物。
【0007】炭素数28の飽和直鎖脂肪族二塩基酸すな
わちオクタコサジカルボン酸は、例えばゴマ種子をはじ
めとする油糧種子を原料として、本出願人が先に出願し
た特願平5−230734号に記載の方法により入手す
ることができる。すなわちゴマ種子から油分を抽出した
残渣にエタノールを加えて加熱し、不溶分を分離して得
られる溶液を冷却することによりオクタコサジカルボン
酸を結晶物として調製することができる。
【0008】炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリド
は、好ましくは飽和かつ直鎖状の脂肪酸、例えばカプロ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸のうちの単
一もしくは複数を構成脂肪酸とするトリグリセリドであ
って、具体的には中鎖脂肪酸トリグリセリド(例えばカ
プリル酸75%、カプリン酸25%からなるトリグリセ
リド:日清製油(株)製、商品名「ODO」等)が好適
である。
【0009】本発明において必須成分とする二塩基酸グ
リセリドは、(A)炭素数28の飽和直鎖脂肪族二塩基
酸と、炭素数6〜12の脂肪酸と、グリセリンとのオリ
ゴエステル化反応生成物、または(B)炭素数28の飽
和直鎖脂肪族二塩基酸もしくはそのエチルエステルと、
炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリドとのエステル
交換反応生成物である。
【0010】このうちオリゴエステル化反応生成物は、
前記二塩基酸、炭素数6〜12の脂肪酸およびグリセリ
ンを、酸、アルカリまたは金属触媒の存在下もしくは非
存在下、約150〜250℃に加熱、脱水せしめてオリ
ゴエステル化反応することにより得られる。また、前記
二塩基酸もしくはそのエチルエステルを用いたエステル
交換反応生成物については、本出願人が先に出願した特
願平5−231629号に記載の方法により得ることが
できる。具体的には前記二塩基酸もしくはそのエチルエ
ステルと炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリドとを
混合し、リパーゼ、好ましくはグリセリドの1,3位に
特異性を有するリパーゼ、さらに好ましくは80℃を超
える温度で活性を有する耐熱性の1,3位特異性リパー
ゼ、もしくは金属アルコラート等の触媒を用いて40〜
120℃でエステル交換反応を行うことにより得られ
る。
【0011】この際、1,3位特異性リパーゼとしてア
スペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)
属、ムコール(Mucor)属等の微生物に由来するものが使
用でき、また1,3位特異性かつ耐熱性リパーゼとして
例えばアルカリゲネス エスピー(Alcaligenes sp.)由
来のリパーゼ(名糖産業(株)製、商品名「リパーゼQ
L」)は実質的に水分を含まない反応系で80℃を超え
る高温域、好ましくは90℃を超え120℃まででエス
テル交換反応を行わせることができるので好適である。
なお、いずれの場合も前記反応工程を経た後に必要に応
じて溶剤分別、カラムクロマトグラフィー等、あるいは
脱色、脱臭等の精製を行い、副生する脂肪酸および/ま
たはそのエチルエステル、脂肪酸のみからなるグリセリ
ド、未反応物等を除去する。
【0012】かくして得られる二塩基酸グリセリドは、
融点が約50〜85℃の、前記二塩基酸と脂肪酸とグリ
セリンとが直鎖状、環状または網目状にオリゴエステル
化された組成物であり、モデル化学構造式的には1分子
中に少なくとも前記三成分に基づく残基を有する種々の
化学構造式で表される分子の混合物である。かかる二塩
基酸グリセリドを本発明のW/O型乳化組成物の必須成
分として使用する。
【0013】本発明のW/O型乳化組成物は、油相中に
前述の二塩基酸グリセリドを含有させ、水相とともに乳
化後、冷却して速やかに固化させて得ることができる。
このW/O型乳化組成物は油脂成分として固体脂を必須
とすることなくマーガリン、ファットスプレッド等に代
表される食用W/O型乳化組成物の必要な物性を作りだ
すことができ、同時に固体脂を配合することに由来する
問題点を解消もしくは著しく低減することができる。ま
た、最終製品の風味等の面から固体脂を必要とする場合
は任意の種類および量の固体脂を配合できるが、その配
合においては、できるだけ本発明の目的とするW/O型
乳化組成物全体の物性に影響を及ぼさないように考慮す
べきである。
【0014】以下に本発明の食品用W/O型乳化組成物
およびその製造法について詳述する。本発明のW/O型
乳化組成物を製造するにあたり、二塩基酸グリセリドを
乳化組成物全体の0.1〜10重量%、好ましくは1〜
4重量%使用する。0.1重量%未満では所望の物性が
得られず、逆に10重量%を超えると硬くなりすぎて好
ましくない。なお必要に応じてレシチン、グリセリン脂
肪酸エステル、シュガーエステル等の公知の乳化剤を併
用すればさらに良好な性状のW/O型乳化組成物を調製
することができる。
【0015】油相成分として、油脂は乳化組成物全体の
90〜30重量%を使用できる。この範囲を外れると風
味や乳化安定性が悪くなるので好ましくない。本発明に
おいて使用できる油脂としては、一般に食用に供せられ
ている液状油および/または固形脂のいずれでもよく、
例えば大豆油、菜種油、コーン油、サフラワー油、ひま
わり油、綿実油、オリーブ油、パーム油、カカオ脂、ラ
ード、牛脂、魚油、これらの分別、水素添加およびエス
テル交換等の処理を施した加工油脂を例示することがで
きる。これらの油脂類のうち、本発明では固体脂を多量
に配合することによる弊害を排除することを狙いとする
ものであるから、5℃以上で液体状を呈するもの例えば
サラダ油が好ましい。
【0016】水の配合量は乳化組成物全体の5〜60重
量%である。水相と油相との比率は得られる乳化組成物
の使用目的に応じて、また乳化剤の種類や添加量等を調
節することによって任意に配分できるが、通常、水相/
油相=1/9〜6/4好ましくは2/8〜5/5であ
る。なお本発明のW/O型乳化組成物には、使用目的に
応じて糖類、塩類、調味料類、乳製品などの呈味剤、乳
化剤、香料、抗酸化剤、防腐剤等を適宜に水相もしくは
油相に添加して用いることができる。
【0017】本発明のW/O型乳化組成物を製造するに
は、油相に必要量の二塩基酸グリセリドを添加し二塩基
酸グリセリドが溶融する約70〜85℃まで加熱し、攪
拌しながら同温度に加熱した水相を徐々に加えW/O型
に乳化させ、その後40℃以下まで冷却して目的のW/
O型乳化組成物を得る。冷却速度は水相の合一、分離が
生じない範囲で行い、特に急冷操作を採用する必要はな
い。
【0018】
【実施例】以下の製造例および実施例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお%は重量基準である。 製造例1 ゴマ種子の圧搾残渣に10重量倍のエタノールを加えて
70℃に30分間加熱し、同温度で不溶物を濾別して濾
液を得、これを室温まで冷却して結晶物を濾別した。該
結晶物に5重量倍のエタノールを加え同様に加熱、冷却
および濾別を繰り返し、炭素数28の飽和直鎖脂肪族二
塩基酸(オクタコサジカルボン酸、純度98%)を得
た。該二塩基酸のジエチルエステル化物50gと、カプ
リル酸/カプリン酸=75/25からなる中鎖脂肪酸ト
リグリセリド(日清製油(株)製、商品名「ODO」)
50gとを混合し、リパーゼ(名糖産業(株)製、商品
名「リパーゼQL」)1gを加え、95℃で5時間攪拌
してエステル交換反応を行った。該反応物をヘキサンに
溶解し、シリカゲルカラムに通じ、未反応物および副生
物を除き、二塩基酸グリセリド(前記二塩基酸エチルエ
ステルと中鎖脂肪酸トリグリセリドとのエステル交換反
応生成物)70gを得た。酸価:0.1。
【0019】製造例2 製造例1で得た二塩基酸50gとカプリル酸トリグリセ
リド(関東化学(株)製、試薬)50gとを混合し、ナ
トリウムメトキシド0.1gを加え、減圧下に乾燥し、
80℃で1時間攪拌してエステル交換反応を行った。水
洗により触媒を除去した後、乾燥して二塩基酸グリセリ
ド(前記二塩基酸とカプリル酸トリグリセリドとのエス
テル交換反応生成物)72gを得た。酸価:0.3。
【0020】製造例3 製造例1で得た二塩基酸227gと、ラウリン酸400
gと、グリセリン92gとを混合し、p−トルエンスル
ホン酸0.7g、還流溶媒としてキシレン50mlを加
え、窒素ガス気流中、150〜210℃で8時間攪拌し
てオリゴエステル化反応を行った。該反応物にアルカリ
による脱酸、活性炭による脱色および水蒸気吹き込みに
よる脱臭処理を施し、二塩基酸グリセリド(前記二塩基
酸とラウリン酸とグリセリンとのオリゴエステル化反応
生成物)573gを得た。酸価:0.1。
【0021】実施例1 以下の配合によりW/O型乳化組成物を調製した。 菜種サラダ油 65.45
% 製造例1の二塩基酸グリセリド 4.0 % レシチン 0.5 % 香料 0.05% 水 28.8
% 食塩 1.2 % に示した油相とに示した水相とをそれぞれ70℃に
調温した後、攪拌しながらにを徐々に加え乳化し
た。これを乳化攪拌しながら50℃まで冷却し、その後
氷水中で静置固化させて本発明のW/O型乳化組成物を
得た。
【0022】実施例2 以下の配合によりW/O型乳化組成物を調製した。 菜種サラダ油 46.65
% 製造例2の二塩基酸グリセリド 2.8 % レシチン 0.5 % 香料 0.05% 水 48.8
% 食塩 1.2 % 方法は実施例1に同じ。
【0023】実施例3 以下の配合によりW/O型乳化組成物を調製した。 菜種サラダ油 57.45
% 大豆硬化油(34℃) 10.00% 製造例3の二塩基酸グリセリド 2.0 % レシチン 0.5 % 香料 0.05% 水 28.8
% 食塩 1.2 % 方法は実施例1に同じ。
【0024】実施例1〜3で調製したW/O型乳化組成
物を市販のファットスプレッド(油相70%、水相30
%、油脂の融点30℃)と比較して以下の項目について
評価した。 (評価方法) ・硬さ:レオメーターを用いてプランジャー15mmφ、
針入速度6cm/分の条件で測定した。 ・スプレダビリティー:食パン上に5℃に調温したサン
プルを5gとり、バターナイフで塗り広げ、目視で評価
した。 ・組織の滑らかさ:5℃において目視で評価した。 なおスプレダビリティー、組織の滑らかさの評価は◎:
非常に良い、○:良い、△:悪い、×:非常に悪いと
し、以上の評価結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】二塩基酸グリセリドを添加したW/O型乳
化組成物(実施例1、2、3)は、市販のファットスプ
レッドに比べて、温度による硬さの変化が少なく、5℃
においても良好なスプレダビリティーを有していた。二
塩基酸グリセリドの添加量が少ないもの(実施例2)
は、全ての温度域において柔らかい。このことは、所望
の硬さのW/O型乳化組成物が、二塩基酸グリセリドの
添加量を適宜調節することによって得られることを示
す。
【0027】
【発明の効果】本発明のW/O型乳化組成物は、その物
性が固体脂に依存するものではないため、広い温度領域
において硬さの変化が少なく、良好なスプレダビリティ
ーおよび組織の滑らかさを有する。固体脂を用いること
なく本発明のW/O型乳化組成物を調製した場合、約0
℃の低温から35〜40℃の比較的高温まで硬さ、SF
C(固体脂含量)にほとんど変化を示さず、オイルオ
フ、ウオーターオフも生じにくい。このため、流通およ
び保存時の温度管理において厳密さを要求されず、また
例えば使用時に冷蔵庫から取り出して直ちに塗り広げる
こともできる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)または(B)で示される反
    応生成物、油脂および水を少なくとも含有してなる食品
    用W/O型乳化組成物。 (A)炭素数28の飽和直鎖脂肪族二塩基酸と、炭素数
    6〜12の脂肪酸と、グリセリンとのオリゴエステル化
    反応生成物。 (B)炭素数28の飽和直鎖脂肪族二塩基酸もしくはそ
    のエチルエステルと、炭素数6〜12の脂肪酸のトリグ
    リセリドとのエステル交換反応生成物。
  2. 【請求項2】 エステル交換反応生成物がグリセリドの
    1,3位に対して特異性のあるリパーゼを用いて得られ
    るものである請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 【請求項3】 油脂が5℃以上で液体状を呈するもので
    ある請求項1に記載の乳化組成物。
  4. 【請求項4】 反応生成物を0.1〜10重量%、油脂
    を90〜30重量%、水を5〜60重量%含有してなる
    請求項1〜3のいずれかに記載の乳化組成物。
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