JPH07188032A - インフルエンザ治療薬 - Google Patents
インフルエンザ治療薬Info
- Publication number
- JPH07188032A JPH07188032A JP33774593A JP33774593A JPH07188032A JP H07188032 A JPH07188032 A JP H07188032A JP 33774593 A JP33774593 A JP 33774593A JP 33774593 A JP33774593 A JP 33774593A JP H07188032 A JPH07188032 A JP H07188032A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glycyrrhizin
- influenza
- mice
- infection
- administered
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Steroid Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 インフルエンザ感染症を有効に治療し且つ副
作用の少ないインフルエンザ治療薬を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるグリチルリチン
及び/又はその薬理学上許容される塩をインフルエンザ
治療薬に有効成分として配合する。 【化1】
作用の少ないインフルエンザ治療薬を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるグリチルリチン
及び/又はその薬理学上許容される塩をインフルエンザ
治療薬に有効成分として配合する。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インフルエンザ治療薬
に関し、詳しくは、グリチルリチン及び/又はその薬理
学上許容される塩を有効成分として含有するインフルエ
ンザ治療薬に関する。
に関し、詳しくは、グリチルリチン及び/又はその薬理
学上許容される塩を有効成分として含有するインフルエ
ンザ治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】インフルエンザはインフルエンザウイル
ス(A型、B型、C型)の感染によって生ずる急性炎症
であり、上気道より更に気管支などの下気道の炎症に及
ぶことが多い。A型インフルエンザは他の2者に比べ、
約10年ごとにウイルス表面抗原の変化に基づく世界的
大流行を惹起することで知られている。また、A型、B
型インフルエンザでは、肺炎、気管支炎を併発すること
が著名であるが、特にわが国においては老齢者の増加に
伴い、A型、B型インフルエンザの流行の影響は大き
く、心・肺疾患保有者も同様に重症化する危険性が高
い。
ス(A型、B型、C型)の感染によって生ずる急性炎症
であり、上気道より更に気管支などの下気道の炎症に及
ぶことが多い。A型インフルエンザは他の2者に比べ、
約10年ごとにウイルス表面抗原の変化に基づく世界的
大流行を惹起することで知られている。また、A型、B
型インフルエンザでは、肺炎、気管支炎を併発すること
が著名であるが、特にわが国においては老齢者の増加に
伴い、A型、B型インフルエンザの流行の影響は大き
く、心・肺疾患保有者も同様に重症化する危険性が高
い。
【0003】従来、このようなインフルエンザに対し
て、インフルエンザワクチンの予防接種を行いウイルス
感染を防ごうとする試みが行われているが、ワクチンは
感染症の発病を防ぐ重要な方法ではあるものの、変化し
やすいウイルスの抗原性に対応仕切れず、十分に効果的
な手段とはなり得ていないのが実状である。
て、インフルエンザワクチンの予防接種を行いウイルス
感染を防ごうとする試みが行われているが、ワクチンは
感染症の発病を防ぐ重要な方法ではあるものの、変化し
やすいウイルスの抗原性に対応仕切れず、十分に効果的
な手段とはなり得ていないのが実状である。
【0004】また、インフルエンザ感染症患者に対する
有効な化学療法は、いまのところ全くないに等しいか、
あるいは非常に限られているといった状態であり、上記
ワクチンでウイルス感染を防ぎきれず一旦インフルエン
ザに感染してしまうと、インフルエンザの諸症状に対応
した鎮痛解熱剤、鎮咳剤等の投与を受ける等、専ら対症
療法に頼らざるを得ないのが現状であり、インフルエン
ザ感染症に対する有効な治療薬の開発が望まれていた。
有効な化学療法は、いまのところ全くないに等しいか、
あるいは非常に限られているといった状態であり、上記
ワクチンでウイルス感染を防ぎきれず一旦インフルエン
ザに感染してしまうと、インフルエンザの諸症状に対応
した鎮痛解熱剤、鎮咳剤等の投与を受ける等、専ら対症
療法に頼らざるを得ないのが現状であり、インフルエン
ザ感染症に対する有効な治療薬の開発が望まれていた。
【0005】一方、甘草の有効成分であるグリチルリチ
ンは、グリチルリチン酸と2分子のグルクロン酸との化
合物であり、抗炎症作用を有する物質として古くから知
られており、また、慢性活動性肝炎治療剤として広く臨
床領域で用いれている化合物である。
ンは、グリチルリチン酸と2分子のグルクロン酸との化
合物であり、抗炎症作用を有する物質として古くから知
られており、また、慢性活動性肝炎治療剤として広く臨
床領域で用いれている化合物である。
【0006】近年では、HIVの細胞内増殖抑制作用と
ともにグリチルリチンのAIDS患者に対する抗ウイル
ス効果、例えば、AIDS患者にグリチルリチンを毎日
400mg〜1600mg(7.2〜30.8mg/k
g/day)量を1ヶ月以上投与すると、HIV−1p
24抗原が著しく減少することが報告されている。ま
た、グリチルリチンのヘルペスウイルスに対する抗ウイ
ルス作用も知られており、更に、NK細胞活性亢進作用
や、インターフェロン誘起作用など宿主の免疫機能に対
する修飾作用を有することも報告されている。
ともにグリチルリチンのAIDS患者に対する抗ウイル
ス効果、例えば、AIDS患者にグリチルリチンを毎日
400mg〜1600mg(7.2〜30.8mg/k
g/day)量を1ヶ月以上投与すると、HIV−1p
24抗原が著しく減少することが報告されている。ま
た、グリチルリチンのヘルペスウイルスに対する抗ウイ
ルス作用も知られており、更に、NK細胞活性亢進作用
や、インターフェロン誘起作用など宿主の免疫機能に対
する修飾作用を有することも報告されている。
【0007】また、最近、火傷マウス由来抑制細胞の活
性が、グリチルリチンにより誘導されたコントラサプレ
ッサー細胞によって効果的に抑制され、更に、火傷マウ
スにおいて、抑制細胞が原因で誘発される単純ヘルペス
1型ウイルス(HSV−1)の日和見感染症に、グリチ
ルリチン及びグリチルリチン投与により誘導されるコン
トラサプレッサー細胞が著効を示すことが報告された。
性が、グリチルリチンにより誘導されたコントラサプレ
ッサー細胞によって効果的に抑制され、更に、火傷マウ
スにおいて、抑制細胞が原因で誘発される単純ヘルペス
1型ウイルス(HSV−1)の日和見感染症に、グリチ
ルリチン及びグリチルリチン投与により誘導されるコン
トラサプレッサー細胞が著効を示すことが報告された。
【0008】しかし、これまでにグリチルリチンのイン
フルエンザ感染症における治療薬としての検討はされて
おらず、その効果に関する報告も未だなされていない。
フルエンザ感染症における治療薬としての検討はされて
おらず、その効果に関する報告も未だなされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インフルエ
ンザ感染症を有効に治療し且つ副作用の少ないインフル
エンザ治療薬を提供することを課題とする。
ンザ感染症を有効に治療し且つ副作用の少ないインフル
エンザ治療薬を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、グリチルリチン
及び/又はその薬理学上許容される塩がインフルエンザ
の治療に有効であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、グリチルリチン
及び/又はその薬理学上許容される塩がインフルエンザ
の治療に有効であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0011】すなわち本発明は、下記一般式(I)で表
されるグリチルリチン及び/又はその薬理学上許容され
る塩を有効成分として含有するインフルエンザ治療薬で
ある。
されるグリチルリチン及び/又はその薬理学上許容され
る塩を有効成分として含有するインフルエンザ治療薬で
ある。
【0012】
【化2】
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
インフルエンザ治療薬は、グリチルリチン及び/又はそ
の薬理学上許容される塩を有効成分として含有する。グ
リチルリチンは、甘草から抽出することにより得られ
る。また市販されているものを使用してもよい。また、
その薬理学上許容される塩としては、グリチルリチンと
無機、有機の塩基とをモル比で作用させて得られるグリ
チルリチンアンモニウム塩、グリチルリチンアルカリ金
属塩、あるいはグリチルリチンコリン塩等が挙げられ
る。
インフルエンザ治療薬は、グリチルリチン及び/又はそ
の薬理学上許容される塩を有効成分として含有する。グ
リチルリチンは、甘草から抽出することにより得られ
る。また市販されているものを使用してもよい。また、
その薬理学上許容される塩としては、グリチルリチンと
無機、有機の塩基とをモル比で作用させて得られるグリ
チルリチンアンモニウム塩、グリチルリチンアルカリ金
属塩、あるいはグリチルリチンコリン塩等が挙げられ
る。
【0014】本発明のインフルエンザ治療薬の剤型は、
特に限定されないが、一般に製剤上許容される無害の一
種、或は数種のベヒクル、坦体、賦形剤、結合剤、崩壊
剤、分散剤、滑沢剤、被覆剤、防腐剤、安定剤、矯味矯
臭剤、着色剤等と共に混和して、錠剤、散剤、顆粒剤、
カプセル剤、水薬等の内服剤、および無菌溶液剤、懸濁
液剤等の注射剤とすることができる。これらは、従来公
知の技術を用いて製造することができる。
特に限定されないが、一般に製剤上許容される無害の一
種、或は数種のベヒクル、坦体、賦形剤、結合剤、崩壊
剤、分散剤、滑沢剤、被覆剤、防腐剤、安定剤、矯味矯
臭剤、着色剤等と共に混和して、錠剤、散剤、顆粒剤、
カプセル剤、水薬等の内服剤、および無菌溶液剤、懸濁
液剤等の注射剤とすることができる。これらは、従来公
知の技術を用いて製造することができる。
【0015】例えば、上記グリチルリチン及び/又はそ
の薬理学上許容される塩とコーンスターチ、ゼラチン等
の結合剤、微晶性セルロース等の賦形剤、馬鈴薯デンプ
ン、アルギン酸ナトリウム等の膨化剤、乳糖、ショ糖等
の甘味剤等を、配剤して散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル
剤とすることができる。また、注射剤とする場合は、溶
媒は注射用蒸留水、又はポリエチレングリコール等が使
用され、或はこれに分散剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤
等を必要に応じて添加してもよい。
の薬理学上許容される塩とコーンスターチ、ゼラチン等
の結合剤、微晶性セルロース等の賦形剤、馬鈴薯デンプ
ン、アルギン酸ナトリウム等の膨化剤、乳糖、ショ糖等
の甘味剤等を、配剤して散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル
剤とすることができる。また、注射剤とする場合は、溶
媒は注射用蒸留水、又はポリエチレングリコール等が使
用され、或はこれに分散剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤
等を必要に応じて添加してもよい。
【0016】投与方法としては、経口、非経口のいずれ
も選択できる。投与量は、患者の年齢、体重、症状等に
より異なるが、一般には経口投与では成人1人1日当た
り、グリチルリチンあるいはその塩の量として、好まし
くは、25〜500mgの範囲であり、更に好ましく
は、150〜225mgの範囲で用いることにより、所
期の効果が期待できる。また、非経口の場合の投与量は
成人1人1日当たり40〜400mgの量が適当であ
る。
も選択できる。投与量は、患者の年齢、体重、症状等に
より異なるが、一般には経口投与では成人1人1日当た
り、グリチルリチンあるいはその塩の量として、好まし
くは、25〜500mgの範囲であり、更に好ましく
は、150〜225mgの範囲で用いることにより、所
期の効果が期待できる。また、非経口の場合の投与量は
成人1人1日当たり40〜400mgの量が適当であ
る。
【0017】また、本発明のインフルエンザ治療薬は、
インフルエンザ感染症の治療に有効であるばかりでな
く、インフルエンザウイルス感染の予防にも有効に使用
できるものである。
インフルエンザ感染症の治療に有効であるばかりでな
く、インフルエンザウイルス感染の予防にも有効に使用
できるものである。
【0018】
【作用】グリチルリチンのインフルエンザ感染症治療作
用について、マウスインフルエンザ感染モデルを用いて
試験した。
用について、マウスインフルエンザ感染モデルを用いて
試験した。
【0019】なお、実験に用いたインフルエンザウイル
スは、マウス to マウスで継代したマウス馴化インフル
エンザウイルス(A2熊本株、H2N2)であり、実験前
に発育鶏卵で一度大量に増殖させ、最終標品のEID50
価(50%鶏卵感染価)を、2.6×108/mlとし
たものである。このEID50価の値は、経鼻噴射感染で
は104LD50価に相当する。また、グリチルリチンと
しては、グリチルリチンのアンモニウム塩(ミノファー
ゲン製薬本舗製)を用いた。
スは、マウス to マウスで継代したマウス馴化インフル
エンザウイルス(A2熊本株、H2N2)であり、実験前
に発育鶏卵で一度大量に増殖させ、最終標品のEID50
価(50%鶏卵感染価)を、2.6×108/mlとし
たものである。このEID50価の値は、経鼻噴射感染で
は104LD50価に相当する。また、グリチルリチンと
しては、グリチルリチンのアンモニウム塩(ミノファー
ゲン製薬本舗製)を用いた。
【0020】(1)グリチルリチンの抗ウイルス作用
(インビボ) グリチルリチンの抗ウイルス作用については、感染イ
ンフルエンザウイルスの量を変えた実験、グリチルリ
チン投与量依存性の実験、グリチルリチン投与スケジ
ュールに関する実験、肺のコンソリデーション(肺炎
時に、肺にみられる組織の固質化で、硬変ともいう)観
察、肺内増殖したウイルス量の測定を行った。
(インビボ) グリチルリチンの抗ウイルス作用については、感染イ
ンフルエンザウイルスの量を変えた実験、グリチルリ
チン投与量依存性の実験、グリチルリチン投与スケジ
ュールに関する実験、肺のコンソリデーション(肺炎
時に、肺にみられる組織の固質化で、硬変ともいう)観
察、肺内増殖したウイルス量の測定を行った。
【0021】なお、実験には、8週齢BALB/c雄マ
ウス(The Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)を用
いた。これらのマウスへのインフルエンザウイルスの感
染は、全て経鼻噴霧感染により行った。
ウス(The Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)を用
いた。これらのマウスへのインフルエンザウイルスの感
染は、全て経鼻噴霧感染により行った。
【0022】感染インフルエンザウイルスの量を変え
た実験 15匹づつ2群のマウスの1群には、生理食塩水に溶解
したグリチルリチンを10mg/kgづつ、他の1群
(対照群)には生理食塩水のみを0.2mlづつ、それ
ぞれ腹腔内投与し、その1日後、全てのマウスにインフ
ルエンザA2(H2N2)ウイルスを100LD50(50
%致死量)量、経鼻噴射感染させた。感染の1日後と4
日後に、感染前にグリチルリチンを投与した群には、生
理食塩水に溶解したグリチルリチンを10mg/kgづ
つ、生理食塩水のみを投与した群(対照群)には生理食
塩水のみを0.2mlづつ、それぞれ腹腔内投与した。
その後、ウイルス感染後21日目まで毎日マウスの生死
を観察した。
た実験 15匹づつ2群のマウスの1群には、生理食塩水に溶解
したグリチルリチンを10mg/kgづつ、他の1群
(対照群)には生理食塩水のみを0.2mlづつ、それ
ぞれ腹腔内投与し、その1日後、全てのマウスにインフ
ルエンザA2(H2N2)ウイルスを100LD50(50
%致死量)量、経鼻噴射感染させた。感染の1日後と4
日後に、感染前にグリチルリチンを投与した群には、生
理食塩水に溶解したグリチルリチンを10mg/kgづ
つ、生理食塩水のみを投与した群(対照群)には生理食
塩水のみを0.2mlづつ、それぞれ腹腔内投与した。
その後、ウイルス感染後21日目まで毎日マウスの生死
を観察した。
【0023】また、感染ウイルス量を100LD50量か
ら10LD50量に変えて、それ以外は上記実験と全く同
様の実験を行った。結果をそれぞれ図1、図2に示す。
図1は、感染ウイルス量が100LD50量のときのグリ
チルリチン投与群と対照群の生存率の経時変化を示すグ
ラフであり、図2は、感染ウイルス量が10LD50量の
ときのグリチルリチン投与群と対照群の生存率の経時変
化を示すグラフである。
ら10LD50量に変えて、それ以外は上記実験と全く同
様の実験を行った。結果をそれぞれ図1、図2に示す。
図1は、感染ウイルス量が100LD50量のときのグリ
チルリチン投与群と対照群の生存率の経時変化を示すグ
ラフであり、図2は、感染ウイルス量が10LD50量の
ときのグリチルリチン投与群と対照群の生存率の経時変
化を示すグラフである。
【0024】この結果から、100LD50という多量の
ウイルスを感染させた場合には、グリチルリチンの抗ウ
イルス作用は認められなかった(図1)が、10LD50
量のウイルス感染では、明確な防御作用が確認された。
すなわち、対照群では感染後9日目に50%、14日目
には全てのマウスが死亡したのに対し、グリチルリチン
投与群では全てのマウスが死を免れて21日以上生存し
た(図2)。
ウイルスを感染させた場合には、グリチルリチンの抗ウ
イルス作用は認められなかった(図1)が、10LD50
量のウイルス感染では、明確な防御作用が確認された。
すなわち、対照群では感染後9日目に50%、14日目
には全てのマウスが死亡したのに対し、グリチルリチン
投与群では全てのマウスが死を免れて21日以上生存し
た(図2)。
【0025】なお、本実験では、モデル実験ということ
もあり100LD50量という非常に多量のウイルス量を
感染させたマウスについても実験を行っているが、10
LD 50量のウイルス感染であっても通常の感染量に比較
すれば十分に多量であることから考えると、グリチルリ
チンは、インフルエンザウイルス感染症に十分に有効に
作用するといえる。
もあり100LD50量という非常に多量のウイルス量を
感染させたマウスについても実験を行っているが、10
LD 50量のウイルス感染であっても通常の感染量に比較
すれば十分に多量であることから考えると、グリチルリ
チンは、インフルエンザウイルス感染症に十分に有効に
作用するといえる。
【0026】グリチルリチン投与量依存性の実験 各群15匹づつのマウスの1群には、対照群として生理
食塩水のみを0.2mlづつ、他の各群には生理食塩水
に溶解したグリチルリチンを2.5mg/kg〜20m
g/kgの間で投与量を変えて、それぞれ腹腔内投与
し、その1日後、全てのマウスにインフルエンザA
2(H2N2)ウイルスを10LD50量、経鼻噴射感染さ
せた。感染の1日後と4日後に、対照群には生理食塩水
のみを0.2mlづつ、感染前にグリチルリチンを投与
した群には、感染前の投与量と同量のグリチルリチン
を、それぞれ腹腔内投与した。その後、ウイルス感染後
21日目まで毎日マウスの生死を観察した。
食塩水のみを0.2mlづつ、他の各群には生理食塩水
に溶解したグリチルリチンを2.5mg/kg〜20m
g/kgの間で投与量を変えて、それぞれ腹腔内投与
し、その1日後、全てのマウスにインフルエンザA
2(H2N2)ウイルスを10LD50量、経鼻噴射感染さ
せた。感染の1日後と4日後に、対照群には生理食塩水
のみを0.2mlづつ、感染前にグリチルリチンを投与
した群には、感染前の投与量と同量のグリチルリチン
を、それぞれ腹腔内投与した。その後、ウイルス感染後
21日目まで毎日マウスの生死を観察した。
【0027】結果を図3に示す。図3は、対照群のマウ
スが全て死亡したときのグリチルリチン投与量に対する
マウスの生存率の変化を示すグラフである。この結果か
ら、対照群のマウスが全て死亡したとき、2.5mg/
kg量のグリチルリチン投与群では全てのマウスが死亡
し、10mg/kg量以上のグリチルリチン投与群では
100%のマウスが生存したことがわかる。
スが全て死亡したときのグリチルリチン投与量に対する
マウスの生存率の変化を示すグラフである。この結果か
ら、対照群のマウスが全て死亡したとき、2.5mg/
kg量のグリチルリチン投与群では全てのマウスが死亡
し、10mg/kg量以上のグリチルリチン投与群では
100%のマウスが生存したことがわかる。
【0028】なお、上述した通り、本実験で用いた10
LD50量というウイルス感染量は、通常の感染量に比較
すれば十分に多量であるので、実使用に際しては、グリ
チルリチンの投与量は2.5mg/kgであっても、あ
るいはそれ以下であってもインフルエンザウイルス感染
症に対して有効に作用すると考えられる。
LD50量というウイルス感染量は、通常の感染量に比較
すれば十分に多量であるので、実使用に際しては、グリ
チルリチンの投与量は2.5mg/kgであっても、あ
るいはそれ以下であってもインフルエンザウイルス感染
症に対して有効に作用すると考えられる。
【0029】グリチルリチン投与スケジュールに関す
る実験 10LD50量のウイルスを感染させた各群のマウスに、
表1に示すような様々なスケジュールで、生理食塩水に
溶解したグリチルリチン10mg/kgを投与し、対照
群(感染1日前、1日後、4日後に生理食塩水を0.2
ml投与)とその生存率を比較した。結果を表1に示
す。なお、表1中の生存率は、対照群のマウスが全て死
亡したときの各群のマウスの生存率である。
る実験 10LD50量のウイルスを感染させた各群のマウスに、
表1に示すような様々なスケジュールで、生理食塩水に
溶解したグリチルリチン10mg/kgを投与し、対照
群(感染1日前、1日後、4日後に生理食塩水を0.2
ml投与)とその生存率を比較した。結果を表1に示
す。なお、表1中の生存率は、対照群のマウスが全て死
亡したときの各群のマウスの生存率である。
【0030】
【表1】
【0031】その結果、対照群のマウスが全て死亡した
とき、グリチルリチン投与群の中では感染の1日前と2
日前に投与した群と、感染後1日目と4日目に投与した
群の生存率がそれぞれ80%と70%で大変に高く、顕
著なグリチルリチンの抗インフルエンザ感染防御作用
は、予防時にも、治療時にも発現されることが判明し
た。また、グリチルリチンを感染1日前、1日後と4日
後に投与した群は100%生存し、予防、治療的投与が
最も効果的であった。一方グリチルリチンをウイルス感
染後1日目〜5日目まで連続的に投与した群では全ての
マウスが死亡し、グリチルリチンの抗インフルエンザ感
染防御作用発現には投与のタイミングが重要であること
が示された。
とき、グリチルリチン投与群の中では感染の1日前と2
日前に投与した群と、感染後1日目と4日目に投与した
群の生存率がそれぞれ80%と70%で大変に高く、顕
著なグリチルリチンの抗インフルエンザ感染防御作用
は、予防時にも、治療時にも発現されることが判明し
た。また、グリチルリチンを感染1日前、1日後と4日
後に投与した群は100%生存し、予防、治療的投与が
最も効果的であった。一方グリチルリチンをウイルス感
染後1日目〜5日目まで連続的に投与した群では全ての
マウスが死亡し、グリチルリチンの抗インフルエンザ感
染防御作用発現には投与のタイミングが重要であること
が示された。
【0032】肺のコンソリデーション観察 15匹づつ2群のマウスの1群には、生理食塩水に溶解
したグリチルリチンを10mg/kgづつ、他の1群
(対照群)には生理食塩水のみを0.2mlづつ、それ
ぞれ腹腔内投与し、その1日後、全てのマウスにインフ
ルエンザA2(H2N2)ウイルスを10LD50量、経鼻
噴射感染させた。感染の1日後と4日後に、感染前にグ
リチルリチンを投与した群には、生理食塩水に溶解した
グリチルリチンを10mg/kgづつ、生理食塩水のみ
を投与した群(対照群)には生理食塩水のみを0.2m
lづつ、それぞれ腹腔内投与した。
したグリチルリチンを10mg/kgづつ、他の1群
(対照群)には生理食塩水のみを0.2mlづつ、それ
ぞれ腹腔内投与し、その1日後、全てのマウスにインフ
ルエンザA2(H2N2)ウイルスを10LD50量、経鼻
噴射感染させた。感染の1日後と4日後に、感染前にグ
リチルリチンを投与した群には、生理食塩水に溶解した
グリチルリチンを10mg/kgづつ、生理食塩水のみ
を投与した群(対照群)には生理食塩水のみを0.2m
lづつ、それぞれ腹腔内投与した。
【0033】ウイルス感染後7日目に対照群とグリチル
リチン投与群のコンソリデーションを顕微鏡で観察し
た。マウスの肺コンソリデーションは、Horsfal
lの方法(Microbiol. Immunol,26,129,1982)により以
下の基準で判定した。
リチン投与群のコンソリデーションを顕微鏡で観察し
た。マウスの肺コンソリデーションは、Horsfal
lの方法(Microbiol. Immunol,26,129,1982)により以
下の基準で判定した。
【0034】 4 = 肺の全てにコンソリデーションが観察された 3 = コンソリデーション部位が肺の75〜99% 2 = コンソリデーション部位が肺のイン50〜74
% 1 = コンソリデーション部位が肺の25〜49% 0 = コンソリデーション部位は肺の25%未満
% 1 = コンソリデーション部位が肺の25〜49% 0 = コンソリデーション部位は肺の25%未満
【0035】結果を図4に示す。図4は、インフルエン
ザウイルスに感染した対照群とグリチルリチン投与群の
マウスの肺のコンソリデーションの成長(感染7日後)
を比較したグラフである。なお、各群のデータは、それ
ぞれ15匹の平均値である。
ザウイルスに感染した対照群とグリチルリチン投与群の
マウスの肺のコンソリデーションの成長(感染7日後)
を比較したグラフである。なお、各群のデータは、それ
ぞれ15匹の平均値である。
【0036】この結果から、対照群のマウスでは、肺に
コンソリデーションが広範囲に認められるが、グリチル
リチン投与群では肺にコンソリデーションはほとんど認
められないことがわかった。
コンソリデーションが広範囲に認められるが、グリチル
リチン投与群では肺にコンソリデーションはほとんど認
められないことがわかった。
【0037】肺内増殖したウイルス量の測定 上記のグリチルリチン投与群、対照群のインフルエン
ザ感染マウスについてそれぞれ、肺組織中のウイルス量
を、感染後8日目まで毎日、50%鶏卵感染価(EID
50)により定量した。
ザ感染マウスについてそれぞれ、肺組織中のウイルス量
を、感染後8日目まで毎日、50%鶏卵感染価(EID
50)により定量した。
【0038】結果を図5に示す。図5は、インフルエン
ザウイルスに感染した対照群とグリチルリチン投与群の
マウスの肺組織内のインフルエンザウイルス量の経時変
化を示すグラフである。
ザウイルスに感染した対照群とグリチルリチン投与群の
マウスの肺組織内のインフルエンザウイルス量の経時変
化を示すグラフである。
【0039】この結果から、対照群では感染3日後のウ
イルス量が2×108EID50量であったのに対し、グ
リチルリチン投与群では1×107EID50量とウイル
ス量が少ないことがわかった。また対照群では感染7日
目から8日目にかけて肺内のウイルス量の減少が認めら
れたが、グリチルリチン投与群では感染7日後には肺内
ウイルスは完全に消失していた。
イルス量が2×108EID50量であったのに対し、グ
リチルリチン投与群では1×107EID50量とウイル
ス量が少ないことがわかった。また対照群では感染7日
目から8日目にかけて肺内のウイルス量の減少が認めら
れたが、グリチルリチン投与群では感染7日後には肺内
ウイルスは完全に消失していた。
【0040】以上の各実験の結果より、グリチルリチン
がインフルエンザ感染防御作用を有することが確認され
た。また、このインフルエンザ感染防御作用は、予防的
投与においても治療的投与においても明らかに現れるこ
とが確認された。
がインフルエンザ感染防御作用を有することが確認され
た。また、このインフルエンザ感染防御作用は、予防的
投与においても治療的投与においても明らかに現れるこ
とが確認された。
【0041】(2)グリチルリチンの殺ウイルス作用及
びウイルス増殖抑制作用(インビトロ) 次に、その作用メカニズムを知るために、インビトロで
以下の2つの実験を行った。
びウイルス増殖抑制作用(インビトロ) 次に、その作用メカニズムを知るために、インビトロで
以下の2つの実験を行った。
【0042】グリチルリチンのインフルエンザウイル
スに対する直接的な不活化作用に関する実験 5本の培養試験管に2.6×106EID50のインフル
エンザA2(H2N2)ウイルスを含む1mlのリン酸緩
衝液(pH7.4)を各1ml入れ、このうち1本には
10%ホルマリン水溶液1mlを、別の1本には2%牛
胎児血清、1%グルタミン、100U/mlのペニシリ
ン、100μg/mlストレプトマイシンを含有するE
MEM(Eagl's Minimum Essential Medium)1ml
を、残りの3本には上記培地にグリチルリチンを10、
100、1000μg/mlの割合で混合したものを各
1mlそれぞれ加えて混合した後、培養槽に入れ37℃
で1時間の培養を行った。その後、各培養液のインフル
エンザウイルス残量を、MDCK(Madin Darby canine
kidney)細胞を用いてTCID50(50%組織培養細
胞感染価)/ml単位で測定した。
スに対する直接的な不活化作用に関する実験 5本の培養試験管に2.6×106EID50のインフル
エンザA2(H2N2)ウイルスを含む1mlのリン酸緩
衝液(pH7.4)を各1ml入れ、このうち1本には
10%ホルマリン水溶液1mlを、別の1本には2%牛
胎児血清、1%グルタミン、100U/mlのペニシリ
ン、100μg/mlストレプトマイシンを含有するE
MEM(Eagl's Minimum Essential Medium)1ml
を、残りの3本には上記培地にグリチルリチンを10、
100、1000μg/mlの割合で混合したものを各
1mlそれぞれ加えて混合した後、培養槽に入れ37℃
で1時間の培養を行った。その後、各培養液のインフル
エンザウイルス残量を、MDCK(Madin Darby canine
kidney)細胞を用いてTCID50(50%組織培養細
胞感染価)/ml単位で測定した。
【0043】分析結果を、図6に示す。なお、図6中、
黒の棒グラフは、10%ホルマリン水溶液1mlを加え
て培養したものの結果を、白の棒グラフは2%牛胎児血
清、1%グルタミン、100U/mlのペニシリン、1
00μg/mlストレプトマイシンを含有するEMEM
1mlを加えて培養したものの結果を示し、折れ線グラ
フは、グリチルリチン添加量と培養後のインフルエンザ
ウイルス残量との関係を示している。
黒の棒グラフは、10%ホルマリン水溶液1mlを加え
て培養したものの結果を、白の棒グラフは2%牛胎児血
清、1%グルタミン、100U/mlのペニシリン、1
00μg/mlストレプトマイシンを含有するEMEM
1mlを加えて培養したものの結果を示し、折れ線グラ
フは、グリチルリチン添加量と培養後のインフルエンザ
ウイルス残量との関係を示している。
【0044】この結果から明らかなように、グリチルリ
チンには、インフルエンザウイルスを直接的に不活化す
る作用は認められなかった。
チンには、インフルエンザウイルスを直接的に不活化す
る作用は認められなかった。
【0045】MDCK細胞を用いたグリチルリチンの
インフルエンザウイルス増殖抑制効果に関する実験 3個のプレート上で、MDCK細胞を2.6×104T
CID50のインフルエンザA2に感染させ、1時間後、
そのうち2個のプレートに、生理食塩水に溶解したグリ
チルリチンを細胞1mlに対して10μg、100μg
の割合でそれぞれ加えた。2日後、3個のプレート上の
MDCK細胞内のインフルエンザウイルス量をTCID
50/ml単位で測定した。結果を表2に示す。
インフルエンザウイルス増殖抑制効果に関する実験 3個のプレート上で、MDCK細胞を2.6×104T
CID50のインフルエンザA2に感染させ、1時間後、
そのうち2個のプレートに、生理食塩水に溶解したグリ
チルリチンを細胞1mlに対して10μg、100μg
の割合でそれぞれ加えた。2日後、3個のプレート上の
MDCK細胞内のインフルエンザウイルス量をTCID
50/ml単位で測定した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】この結果から、グリチルリチンによりイン
フルエンザウイルスの増殖は有意に抑制されず、グリチ
ルリチンがインフルエンザ感染マウスを生存に導くの
は、感染ウイルスの増殖がグリチルリチンによって直接
的に抑制された結果ではないことが判明した。
フルエンザウイルスの増殖は有意に抑制されず、グリチ
ルリチンがインフルエンザ感染マウスを生存に導くの
は、感染ウイルスの増殖がグリチルリチンによって直接
的に抑制された結果ではないことが判明した。
【0048】(3)免疫担当細胞のインフルエンザ感染
マウスへの移入実験 上記各実験の結果は、グリチルリチンの防御効果発現に
宿主の免疫作用が重要な役割を果たしていると示唆する
ので、次にグリチルリチンを投与した正常マウスから得
た様々の免疫担当細胞を、感染マウスに能動的に移入
し、そのマウスの生存率を観察した。
マウスへの移入実験 上記各実験の結果は、グリチルリチンの防御効果発現に
宿主の免疫作用が重要な役割を果たしていると示唆する
ので、次にグリチルリチンを投与した正常マウスから得
た様々の免疫担当細胞を、感染マウスに能動的に移入
し、そのマウスの生存率を観察した。
【0049】マウスから脾単核細胞を得る2日前と4日
前に、マウスの腹腔内に生理食塩水に溶解したグリチル
リチンを10mg/kg投与した。同様に、グリチルリ
チンの代わりに生理食塩水のみを脾単核細胞を得る2日
前と4日前に0.2mlづつ腹腔内投与したマウスも用
意した。
前に、マウスの腹腔内に生理食塩水に溶解したグリチル
リチンを10mg/kg投与した。同様に、グリチルリ
チンの代わりに生理食塩水のみを脾単核細胞を得る2日
前と4日前に0.2mlづつ腹腔内投与したマウスも用
意した。
【0050】次に、上記グリチルリチン投与マウス、及
び生理食塩水のみを投与したマウスからそれぞれ脾単核
細胞を取り出し、その脾単核細胞をそれぞれプラスチッ
ク付着性細胞(マクロファージ画分)、プラスチック非
付着性細胞(リンパ球画分)に分離し、得られた各画分
をそれぞれ10匹づつのマウスに、1匹当たり5×10
6個の割合で能動的に移入した。その2時間後全てのマ
ウスを10LD50量のインフルエンザウイルスに感染さ
せ、感染後21日目まで毎日生死を観察した。
び生理食塩水のみを投与したマウスからそれぞれ脾単核
細胞を取り出し、その脾単核細胞をそれぞれプラスチッ
ク付着性細胞(マクロファージ画分)、プラスチック非
付着性細胞(リンパ球画分)に分離し、得られた各画分
をそれぞれ10匹づつのマウスに、1匹当たり5×10
6個の割合で能動的に移入した。その2時間後全てのマ
ウスを10LD50量のインフルエンザウイルスに感染さ
せ、感染後21日目まで毎日生死を観察した。
【0051】この実験の対照群としては、10匹のマウ
スを10LD50量のインフルエンザウイルスに感染さ
せ、0.2ml生理食塩水の腹腔内投与(感染1日前、
1日後、4日後)を行ったものを用いた。
スを10LD50量のインフルエンザウイルスに感染さ
せ、0.2ml生理食塩水の腹腔内投与(感染1日前、
1日後、4日後)を行ったものを用いた。
【0052】結果を図7に示す。図7は、上記各種脾単
核細胞画分を移入したインフルエンザ感染マウスの生存
率の経時変化を示すグラフである。なお、図中、□は、
対照群を、○は、グリチルリチン投与マウス由来の脾単
核細胞リンパ球画分移入マウス群を、△はグリチルリチ
ン投与マウス由来の脾単核細胞マクロファージ画分移入
マウス群を、●は、生理食塩水投与マウス由来の脾単核
細胞のリンパ球画分移入マウス群を、▲生理食塩水投与
マウス由来の脾単核細胞のマクロファージ画分移入マウ
ス群をそれぞれ表す。
核細胞画分を移入したインフルエンザ感染マウスの生存
率の経時変化を示すグラフである。なお、図中、□は、
対照群を、○は、グリチルリチン投与マウス由来の脾単
核細胞リンパ球画分移入マウス群を、△はグリチルリチ
ン投与マウス由来の脾単核細胞マクロファージ画分移入
マウス群を、●は、生理食塩水投与マウス由来の脾単核
細胞のリンパ球画分移入マウス群を、▲生理食塩水投与
マウス由来の脾単核細胞のマクロファージ画分移入マウ
ス群をそれぞれ表す。
【0053】この結果から、生理食塩水投与マウス由来
の脾単核細胞のマクロファージ画分、リンパ球画分及び
グリチルリチン投与マウス由来の脾単核細胞のマクロフ
ァージ画分には全くインフルエンザ感染マウスに対する
生存延長効果が認められないにもかかわらず、グリチル
リチン投与マウス由来の脾単核細胞のリンパ球画分には
著しい防御効果が認められ、インフルエンザ感染の移入
マウスは、感染21日後でも全てが生存し死を免れたこ
とがわかる。
の脾単核細胞のマクロファージ画分、リンパ球画分及び
グリチルリチン投与マウス由来の脾単核細胞のマクロフ
ァージ画分には全くインフルエンザ感染マウスに対する
生存延長効果が認められないにもかかわらず、グリチル
リチン投与マウス由来の脾単核細胞のリンパ球画分には
著しい防御効果が認められ、インフルエンザ感染の移入
マウスは、感染21日後でも全てが生存し死を免れたこ
とがわかる。
【0054】更に、上記グリチルリチン投与マウス由来
の、及び生理食塩水のみを投与したマウス由来の脾単核
細胞のリンパ球画分を、それぞれナイロンウール付着性
画分(T細胞画分)、ナイロンウール非付着性画分(B
細胞画分)に分離し、各画分を10匹づつのマウスに1
匹当たり5×106個の割合で能動的に移入した。その
2時間後全てのマウスを10LD50量のインフルエンザ
ウイルスに感染させ、感染後21日目まで毎日生死を観
察した。この実験の対照群としては、10匹のマウスを
10LD50量のインフルエンザウイルスに感染させ、
0.2ml生理食塩水の腹腔内投与(感染1日前、1日
後、4日後)を行ったものを用いた。
の、及び生理食塩水のみを投与したマウス由来の脾単核
細胞のリンパ球画分を、それぞれナイロンウール付着性
画分(T細胞画分)、ナイロンウール非付着性画分(B
細胞画分)に分離し、各画分を10匹づつのマウスに1
匹当たり5×106個の割合で能動的に移入した。その
2時間後全てのマウスを10LD50量のインフルエンザ
ウイルスに感染させ、感染後21日目まで毎日生死を観
察した。この実験の対照群としては、10匹のマウスを
10LD50量のインフルエンザウイルスに感染させ、
0.2ml生理食塩水の腹腔内投与(感染1日前、1日
後、4日後)を行ったものを用いた。
【0055】結果を図8に示す。図8は、上記各種脾単
核細胞リンパ球画分を移入したインフルエンザ感染マウ
スの生存率の経時変化を示すグラフである。なお、図
中、□は、対照群を、○は、グリチルリチン投与マウス
由来の脾単核細胞リンパ球画分T細胞移入マウス群を、
△はグリチルリチン投与マウス由来の脾単核細胞リンパ
球画分B細胞移入マウス群を、●は、生理食塩水投与マ
ウス由来の脾単核細胞のリンパ球画分T細胞移入マウス
群を、▲生理食塩水投与マウス由来の脾単核細胞のリン
パ球画分B細胞移入マウス群をそれぞれ表す。
核細胞リンパ球画分を移入したインフルエンザ感染マウ
スの生存率の経時変化を示すグラフである。なお、図
中、□は、対照群を、○は、グリチルリチン投与マウス
由来の脾単核細胞リンパ球画分T細胞移入マウス群を、
△はグリチルリチン投与マウス由来の脾単核細胞リンパ
球画分B細胞移入マウス群を、●は、生理食塩水投与マ
ウス由来の脾単核細胞のリンパ球画分T細胞移入マウス
群を、▲生理食塩水投与マウス由来の脾単核細胞のリン
パ球画分B細胞移入マウス群をそれぞれ表す。
【0056】この結果からわかるように、生理食塩水投
与の対照群が感染後14日目で全て死亡し、他の3群
(生理食塩水投与マウス由来の脾単核細胞リンパ球画分
のB細胞及びT細胞、グリチルリチン投与マウス由来の
脾単核細胞リンパ球画分のB細胞を移入したインフルエ
ンザ感染マウス)も対照群とほとんど同様の結果しか得
られなかったのに対し、グリチルリチン投与マウス由来
の脾単核細胞リンパ球画分のT細胞を移入したインフル
エンザ感染マウスでは100%が死を免れた。
与の対照群が感染後14日目で全て死亡し、他の3群
(生理食塩水投与マウス由来の脾単核細胞リンパ球画分
のB細胞及びT細胞、グリチルリチン投与マウス由来の
脾単核細胞リンパ球画分のB細胞を移入したインフルエ
ンザ感染マウス)も対照群とほとんど同様の結果しか得
られなかったのに対し、グリチルリチン投与マウス由来
の脾単核細胞リンパ球画分のT細胞を移入したインフル
エンザ感染マウスでは100%が死を免れた。
【0057】以上の各実験結果より、グリチルリチンは
脾単核細胞リンパ球画分T細胞の活性化を通してマウス
のインフルエンザ感染症に顕著な防御効果を発現するこ
とが明らかになった。
脾単核細胞リンパ球画分T細胞の活性化を通してマウス
のインフルエンザ感染症に顕著な防御効果を発現するこ
とが明らかになった。
【0058】グリチルリチンは、マウスのインフルエン
ザ感染モデルにおいて顕著な感染防御効果を発現するこ
とが判明した。また、この効果は、グリチルリチン投与
により活性化されたTリンパ球機能を通して発現される
ことが判明した。
ザ感染モデルにおいて顕著な感染防御効果を発現するこ
とが判明した。また、この効果は、グリチルリチン投与
により活性化されたTリンパ球機能を通して発現される
ことが判明した。
【0059】<グリチルリチンの急性毒性試験>グリチ
ルリチンについてのLD50は、以下の通りであり低毒性
である。 (1)経口投与(ラット) 3g/kg< (2)皮下注射 5%水溶液(マウス) 1873.3mg/kg (3)静脈注射 2%水溶液(マウス) 682.5mg/kg (4)腹腔注射 0.2%水溶液(マウス) 225〜244mg/kg
ルリチンについてのLD50は、以下の通りであり低毒性
である。 (1)経口投与(ラット) 3g/kg< (2)皮下注射 5%水溶液(マウス) 1873.3mg/kg (3)静脈注射 2%水溶液(マウス) 682.5mg/kg (4)腹腔注射 0.2%水溶液(マウス) 225〜244mg/kg
【0060】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0061】
【製剤例1】 錠剤 表3に示す組成の混合物を常法により錠剤とする。
【0062】
【表3】
【0063】
【製剤例2】 糖衣錠 表4に示す組成の混合物を常法により糖衣錠とする。
【0064】
【表4】
【0065】
【製剤例3】 顆粒剤 表5に示す組成の混合物を常法により顆粒剤とする。
【0066】
【表5】
【0067】
【製剤例4】 注射剤 グリチルリチン200mgを生理食塩水に溶解して10
0mlとし、常法により注射剤とする。
0mlとし、常法により注射剤とする。
【0068】
【製剤例5】 注射剤 グリチルリチン200mg、日本薬局方アミノ酢酸20
00mg、システイン100mgを生理食塩水に溶解し
て100mlとし、常法により注射剤とする。
00mg、システイン100mgを生理食塩水に溶解し
て100mlとし、常法により注射剤とする。
【0069】
【発明の効果】本発明のインフルエンザ治療薬によれ
ば、インフルエンザ感染症を有効に治療することができ
且つ副作用も少ない。
ば、インフルエンザ感染症を有効に治療することができ
且つ副作用も少ない。
【図1】 感染ウイルス量が100LD50量のときのグ
リチルリチン投与群と対照群の生存率の経時変化を示す
グラフである。
リチルリチン投与群と対照群の生存率の経時変化を示す
グラフである。
【図2】 感染ウイルス量が10LD50量のときのグリ
チルリチン投与群と対照群の生存率の経時変化を示すグ
ラフである。
チルリチン投与群と対照群の生存率の経時変化を示すグ
ラフである。
【図3】 対照群のマウスが全て死亡したときのグリチ
ルリチン投与量に対するマウスの生存率の変化を示すグ
ラフである。
ルリチン投与量に対するマウスの生存率の変化を示すグ
ラフである。
【図4】 インフルエンザウイルスに感染した対照群と
グリチルリチン投与群のマウスの肺のコンソリデーショ
ンの成長(感染7日後)を比較したグラフである。
グリチルリチン投与群のマウスの肺のコンソリデーショ
ンの成長(感染7日後)を比較したグラフである。
【図5】 インフルエンザウイルスに感染した対照群と
グリチルリチン投与群のマウスの肺組織内のインフルエ
ンザウイルス量の経時変化を示すグラフである。
グリチルリチン投与群のマウスの肺組織内のインフルエ
ンザウイルス量の経時変化を示すグラフである。
【図6】 棒グラフは、各溶液を添加し培養した後のイ
ンフルエンザウイルス残量を示し、折れ線グラフはグリ
チルリチン添加量と培養後のインフルエンザウイルス残
量との関係を示す。
ンフルエンザウイルス残量を示し、折れ線グラフはグリ
チルリチン添加量と培養後のインフルエンザウイルス残
量との関係を示す。
【図7】 各種脾単核細胞画分を移入したインフルエン
ザ感染マウスの生存率の経時変化を示すグラフである。
ザ感染マウスの生存率の経時変化を示すグラフである。
【図8】 各種脾単核細胞リンパ球画分を移入したイン
フルエンザ感染マウスの生存率の経時変化を示すグラフ
である。
フルエンザ感染マウスの生存率の経時変化を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 真紀子 アメリカ合衆国 テキサス州 77550 ガ ルベストン市 フェリー ロード 500、 #414 (72)発明者 宇都宮 徳一郎 アメリカ合衆国 テキサス州 77551 ガ ルベストン市 セントラル シティ ブル バード 6315、#117 (72)発明者 宇都宮 恭三 神奈川県大和市下鶴間4260
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるグリチルリ
チン及び/又はその薬理学上許容される塩を有効成分と
して含有するインフルエンザ治療薬。 【化1】
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33774593A JPH07188032A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | インフルエンザ治療薬 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33774593A JPH07188032A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | インフルエンザ治療薬 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07188032A true JPH07188032A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18311566
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33774593A Pending JPH07188032A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | インフルエンザ治療薬 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07188032A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015535222A (ja) * | 2012-10-22 | 2015-12-10 | 北京大学 | トリテルペン誘導体とその抗インフルエンザへの使用 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33774593A patent/JPH07188032A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015535222A (ja) * | 2012-10-22 | 2015-12-10 | 北京大学 | トリテルペン誘導体とその抗インフルエンザへの使用 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| AU676491B2 (en) | Immunopotentiatory agents | |
| EP1484059B1 (en) | Antiviral compositions comprising phenylacetic acid derivatives | |
| EA020283B1 (ru) | Средство для профилактики и лечения высокопатогенных инфекционных заболеваний | |
| EA022840B1 (ru) | Фармацевтическая композиция, набор, их применение и способ профилактики и лечения симптома, состояния или заболевания, связанного с инфекцией вируса гриппа | |
| EP4161524A1 (en) | Methods of treating a coronavirus infection | |
| US20220305092A1 (en) | Medicament and food for preventing or treating novel coronavirus pneumonia covid-19 and use thereof | |
| CZ288382B6 (en) | Pharmaceutical preparation for treating viral infections | |
| US5491135A (en) | Compositions of N-(phosphonoacetyl)-L-aspartic acid and methods of their use as broad spectrum antivirals | |
| CA2109435C (en) | Compositions of n-(phosphonoacetyl)-l-aspartic acid and methods of their use as broad spectrum antivirals | |
| JP3250804B2 (ja) | 治療用ペプチド | |
| RU2071323C1 (ru) | Противовирусный препарат "полирем" | |
| Olsen et al. | Effect of treatment with exogenous interferon, polyriboinosinic-polyribocytidylic acid, or polyriboinosinic-polyribocytidylic acid-poly-L-lysine complex on Herpesvirus hominis infections in mice | |
| US5872151A (en) | Immunopotentiatory agents and physiologically acceptable salts thereof | |
| TW202203946A (zh) | 用於人或動物之慢性或急性之病毒感染症及/或敗血症之預防或治療的組成物 | |
| RU2005475C1 (ru) | Противовирусное средство | |
| JPS6333332A (ja) | エイズ・ウイルス増殖抑制剤 | |
| JPH07188032A (ja) | インフルエンザ治療薬 | |
| EP0762876A1 (en) | A pharmaceutical composition for the prevention and/or treatment of viral infections and optionally inflammations as well as a method for the treatment thereof | |
| US20080045482A1 (en) | Compositions and methods for the treatment of viral infections | |
| JP3002700B2 (ja) | 抗エイズウイルス剤 | |
| US4230725A (en) | Antiviral agent | |
| WO2022123323A1 (en) | A pharmaceutical composition of artesunate and mefloquine and method thereof | |
| WO2021224234A1 (en) | Antiviral use of cilengitide | |
| WO2022079496A1 (en) | A pharmaceutical composition of nitazoxanide, albendazole and pyrantel and method thereof | |
| US20230398090A1 (en) | Method of treating coronavirus infection by administration of ethyl mercury or thiol derivative thereof |