JPH07188122A - 光学活性トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン製造法 - Google Patents

光学活性トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン製造法

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JPH07188122A
JPH07188122A JP33118393A JP33118393A JPH07188122A JP H07188122 A JPH07188122 A JP H07188122A JP 33118393 A JP33118393 A JP 33118393A JP 33118393 A JP33118393 A JP 33118393A JP H07188122 A JPH07188122 A JP H07188122A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学分割で得られたジアステレオマー塩から
工業的製造に適した光学活性DACHの製造法を提供す
る。 【構成】 (R,R)−1,2−ジアミノシクロヘキサ
ン・L−酒石酸塩、または(S,S)−1,2−ジアミ
ノシクロヘキサン・D−酒石酸塩から(R,R)−1,
2−ジアミノシクロヘキサンまたは(S,S)−1,2
−ジアミノシクロヘキサンを得るに当たり、無機アルカ
リと接触させて遊離状態になった(R,R)−1,2−
ジアミノシクロヘキサンまたは(S,S)−1,2−ジ
アミノシクロヘキサンをアルコール中に移行せしめるこ
とを特徴とする光学活性トランス−1,2−ジアミノシ
クロヘキサン製造法。 【効果】 光学分割で得られたジアステレオマー塩から
光学純度の高い光学活性DACHが高収率で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬原料や不斉合成触媒
として重要な光学活性トランス−1,2−ジアミノシク
ロヘキサン(以下1,2−ジアミノシクロヘキサンをD
ACHと略記する)の工業的に有利な製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性なトランスDACHの製
造法として、トランスDACHを光学活性酒石酸で光学
分割した後、光学活性トランスDACH・光学活性酒石
酸塩(以下、ジアステレオマー塩と略称する。)を水酸
化カリウム水溶液で解塩してからエーテルで抽出する方
法(Acta.Chemica.Scandinavi
ca,26(1972)3605)や、アミン混合物中
にあるトランスDACHを光学活性酒石酸で光学分割し
た後、ジアステレオマー塩を水酸化ナトリウム水溶液で
解塩してからベンゼンで連続抽出する方法(米国特許第
4085138号)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、DAC
Hは水に対する溶解度が高く、通常の操作で水から分離
することが難しい為に、前者は解塩して遊離してきた光
学活性トランスDACHを工業的に使用することが難し
いエーテルで抽出していること、また後者は遊離してき
た光学活性DACHをベンゼンで連続抽出するなど工夫
しているが、ベンゼンは毒性の高いこと等、いずれも工
業的に有利な製造法とはいい難い。
【0004】従って、本発明の目的は、光学分割で得ら
れたジアステレオマー塩から工業的製造に適した光学活
性DACHの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光学分割
で得られたジアステレオマー塩から光学純度の高い光学
活性DACHを高収率で得る方法を鋭意検討した結果、
上記目的を達成できることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0006】すなわち、本発明は光学分割で得られた
(R,R)−1,2−ジアミノシクロヘキサン・L−酒
石酸塩、または(S,S)−1,2−ジアミノシクロヘ
キサン・D−酒石酸塩から(R,R)−1,2−ジアミ
ノシクロヘキサンまたは(S,S)−1,2−ジアミノ
シクロヘキサンを得るに当たり、アルコール溶液中で無
機アルカリと接触させて遊離状態になった(R,R)−
1,2−ジアミノシクロヘキサンまたは(S,S)−
1,2−ジアミノシクロヘキサンをアルコール中に移行
せしめることを特徴とする光学活性1,2−ジアミノシ
クロヘキサンの製造法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の原料である(R,R)−1,2−
ジアミノシクロヘキサン・L−酒石酸塩、または(S,
S)−1,2−ジアミノシクロヘキサン・D−酒石酸塩
は、ラセミDACHを光学活性酒石酸で光学分割するこ
とによって得られる。
【0009】本発明は、ジアステレオマー塩を無機アル
カリと接触させて塩交換を行い、遊離した光学活性DA
CHをアルコールに移行させ、酒石酸を無機アルカリの
塩として分離することからなる。ここで使用される無機
アルカリとしてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類
金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属
炭酸塩、或いはアンモニア等が使用されるが、特に好ま
しくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。無機
アルカリの使用量はジアステレオマー塩に含まれる酒石
酸を理論的に中和する量でよいが、操作性を加味すると
反応方法によっても多少異なるので、後述する。
【0010】本発明では塩交換して遊離してきた光学活
性DACHをアルコール層に移行させると同時に、アル
コールに難溶性である酒石酸のアルカリ塩を固液分離で
系外に除去することからなる。アルコールとしては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、ま
たはそれらの任意の混合物が使用できるが、DACHを
蒸留精製する場合には、DACHの沸点に近いアルコー
ル類を使用すると分離効率が落ち、DACHの化学純度
が低下する原因になる。ジアステレオマー塩と無機アル
カリの接触方法は、アルコールに無機アルカリを溶解、
或いは分散させ、ジアステレオマー塩と接触させればよ
い。しかしながら、ジアステレオマー塩はアルコールに
対する溶解度が低いので、アルコール溶媒だけで塩交換
させた場合には長時間を要する。ここに水を存在させれ
ばジアステレオマー塩の一部が溶解して、塩交換速度を
速くすることが出来る。存在させる水量はジアステレオ
マー塩重量に対して40重量%以下、好ましくは20重
量%以下である。水量がこれ以上多いと塩交換速度は高
く、遊離したDACHがアルコールに溶解する点では問
題ないが、析出する酒石酸アルカリ塩が溶液中の水分で
粘調性を増し、操作性が悪くなったり、アルコール層の
含水量が増加してDACHの蒸留精製効率が低下するの
で好ましくない。この方法で塩交換する場合には、使用
するアルカリ量は酒石酸を中和するに必要な理論量以上
であればよいが、経済性や操作性を考慮すると、通常は
1.01〜1.1当量、好ましくは1.02〜1.06
当量である。 塩交換速度を更に増加する場合には、始
めに濃アルカリ水溶液とジアステレオマー塩を接触さ
せ、分離してきた酒石酸アルカリ塩水溶液を分液で除去
した後に、アルコールを加えればよい。遊離したDAC
Hはアルコールに溶解し、一方難溶性で析出してきた酒
石酸アルカリ塩を固液分離で除去する方法も採用でき
る。ここで使用する濃アルカリ水溶液とは水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウム水溶液を意味し、濃度は18〜4
5重量%、好ましくは20〜30重量%である。アルカ
リ水溶液の濃度が低すぎるとDACHが水層に溶解し
て、回収率が低下する。またこれ以上濃いとアルカリ水
溶液の粘度が高くなり操作性が悪くなったり、また生成
した酒石酸アルカリ塩が析出して分離が困難となる。こ
こで使用するアルカリ量は、ジアステレオマー塩に含ま
れる酒石酸を中和するに必要な理論量以上であればよい
が、通常は1.1〜1.8当量、好ましくは1.2〜
1.6当量である。アルカリ量が少なすぎると界面が分
かりにくくなり、また多すぎると経済性が悪化するだけ
でなく、回収した酒石酸のリサイクルの効率も低下させ
るので好ましくない。
【0011】かくしてアルコール層に移行させた光学活
性DACHは通常の方法、例えば濃縮・蒸留で精製する
ことが出来る。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0013】なお、実施例中、トランスDACHの光学
純度は以下に示す方法で測定した。
【0014】約0.025%DACHのアセトニトリル
溶液0.1ml(ジアステレオマ−塩を直接分析する場
合には、予めジアステレオマー塩約0.06%水溶液
0.1mlに、約0.4%テトラメチルヘキサメチレン
ジアミンのアセトニトリル溶液0.1mlを添加する)
に0.4%GITCのアセトニトリル溶液0.2mlを
添加し、室温で10分間反応させた後、0.2%エタノ
ールアミンのアセトニトリル溶液 0.1mlを加えて
3分間放置し、0.05%リン酸水溶液 2.0mlで
希釈して試料溶液とする。5時間以内に10μlをHP
LCに注入し、面積比で光学純度を測定する。 GITC:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β
−D−グルコピラノシルイソチオシアナ−ト <HPLC条件> カラム :CAPCELL PAK SG120 4.6m
m*150mm 溶離液 :0.05% リン酸/アセトニトリル=55/45
1.0ml /min 検出 :254nm 保持時間:(S,S)−DACHのGITC誘導体化物
8.6分 シス−DACHのGITC誘導体化物 10.4
分 (R,R)−DACHのGITC誘導体化物 11.9
分
【0015】実施例1 温度計、滴下ロ−ト、撹拌機を備えた500mlの4つ
口フラスコにシスDACHとトランスDACHの比が
1:2である混合物102.4g(0.90モル)、水
118.0gを仕込み、撹拌しながらL−酒石酸44.
8g(0.30モル)を添加すると自然発熱して溶解し
た。次いで、撹拌しながら80℃に保ち、酢酸71.8
g(1.20モル)を滴下ロ−トより0.5時間で滴下
した。滴下の途中で結晶が析出してくるが、滴下終了後
のpHは6.5であった。さらに95℃で2時間加熱撹
拌した後、6時間かけて15℃まで冷却した。15℃で
2時間撹拌した後、遠心濾過、リンス、乾燥して65.
7g(0.25モル)の(R,R)−DACH・L−酒
石酸の塩を得た。(R,R)−DACHに対して収率8
3%、光学純度は97.2%ee、トランス/シス比は
40であった。得られた結晶に水479.2gを添加し
て100℃で4時間加熱撹拌した。徐々に冷却して5℃
で遠心濾過、リンスして52.7g(含液率3%)のw
et結晶を得た。収率78%、光学純度は99.6%e
eで、シス体は検出されなかった。得られたwet結晶
52.7gに25%水酸化ナトリウム水溶液80.6g
を加えて70〜80℃に保ちながら解塩し、分液してき
た上層40.0gを分離した。この上層に室温中で撹拌
しながらイソプロパノ−ル145.6gを添加し、更に
30分間撹拌した。次いで、析出したL−酒石酸ジナト
リウムの2水和物を濾過した。一方、濾液を濃縮し、蒸
留することにより沸点82℃/28mmHgの留分とし
て(R,R)−DACH20.0gを得た。光学純度は
99.6%ee、化学純度は99.6%であった。
【0016】実施例2 温度計、撹拌機を備えた200mlの4つ口フラスコに
エタノ−ル78.0g、水3.1gと水酸化カリウム1
6.0g(0.29モル)gを仕込み、室温中で撹拌し
て水酸化カリウムを溶解させた。次いで光学純度99.
5%eeの(R,R)−DACH・L−酒石酸塩34.
4g(0.13モル)を4回に分けて添加し、20〜3
0℃で3時間撹拌して解塩した。析出したL−酒石酸ジ
カリウム33.3g(0.13モル)を濾過した。L−
酒石酸ジカリウムの回収率は99%であった。濾液には
(R,R)−DACH14.6gが含まれていた。
【0017】実施例3 温度計、撹拌機を備えた200mlの4つ口フラスコに
メタノ−ル77.4g、水4.2gと粉末水酸化ナトリ
ウム10.7g(0.27モル)を仕込み、20〜30
℃にて撹拌し、水酸化ナトリウムを溶解させた。次いで
光学純度99.5%eeの(S,S)−DACH・D−
酒石酸塩34.4g(0.13モル)を添加し、20℃
で2.5時間撹拌して解塩した。析出したD−酒石酸ジ
ナトリウムの2水和物29.3g(回収率は98%)を
濾過した。濾液には(S,S)−DACH14.3gが
含まれていた。
【0018】実施例4 温度計、撹拌機を備えた200mlの4つ口フラスコに
イソプロパノ−ル77.3gと水酸化ナトリウム10.
9g(0.27モル)を水12.4gに溶かした溶液を
仕込んだ。次いで光学純度99.5%eeの(R,R)
−DACH・L−酒石酸塩34.4g(0.13モル)
を3分割添加して、室温で3時間撹拌して解塩した。析
出したL−酒石酸ジナトリウム2水塩29.8gを濾過
した。回収率は99.6%であった。濾液には(R,
R)−DACH14.8gが含まれており、解塩率は9
9.8%であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば光学分割で得られたジア
ステレオマー塩から光学純度の高い光学活性DACHを
高収率で得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (R,R)−1,2−ジアミノシクロヘ
    キサン・L−酒石酸塩、または(S,S)−1,2−ジ
    アミノシクロヘキサン・D−酒石酸塩から(R,R)−
    1,2−ジアミノシクロヘキサンまたは(S,S)−
    1,2−ジアミノシクロヘキサンを得るに当たり、アル
    コール溶液中で無機アルカリと接触させて遊離状態にな
    った(R,R)−1,2−ジアミノシクロヘキサンまた
    は(S,S)−1,2−ジアミノシクロヘキサンをアル
    コール中に移行せしめることを特徴とする光学活性トラ
    ンス−1,2−ジアミノシクロヘキサン製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、光学活性1,2−ジ
    アミノシクロヘキサンの光学活性酒石酸塩の結晶に対し
    て5〜40wt%の水を共存させることを特徴とする光
    学活性トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン製造
    法。
  3. 【請求項3】 前記、アルコールがメタノール、エタノ
    ール、プロパノール類、ブタノール類から選ばれる一種
    以上のアルコールであることを特徴とする請求項1記載
    の光学活性トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン
    製造法。
  4. 【請求項4】 前記、無機アルカリが水酸化ナトリウム
    および/または水酸化カリウムであることを特徴とする
    請求項1記載の光学活性トランス−1,2−ジアミノシ
    クロヘキサン製造法。
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