JPH07189347A - 建築・土木構造用継手 - Google Patents

建築・土木構造用継手

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JPH07189347A
JPH07189347A JP33619293A JP33619293A JPH07189347A JP H07189347 A JPH07189347 A JP H07189347A JP 33619293 A JP33619293 A JP 33619293A JP 33619293 A JP33619293 A JP 33619293A JP H07189347 A JPH07189347 A JP H07189347A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄骨の梁などの接合作業が簡易且つ迅速に行
なえるようにする。 【構成】 鉄骨の梁30に、それに対してほぼ直角に上
下方向に延びる係合用凸条12を有する雄継手部材10
を固定する。鉄骨の梁40に、それ対してほぼ直角に上
下方向に延びる係合用凹溝22を有する雌継手部材20
を固定する。係合用凸条12と係合用凹溝22を互いに
挿入・係合させて雄継手部材10と雌継手部材20を一
体化させ、重なり合った両部材10、20の固定具嵌合
用溝に固定具を挿入し、両部材10、20の上下移動を
防止する。 【効果】 鉄骨の梁などの接合作業がきわめて簡易且つ
迅速に行なえ、工期を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築・土木構造用継
手に関し、特に、鉄骨の梁を接続するのに好適な建築・
土木構造用継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、住宅などの鉄骨造建築におい
て鉄骨の梁を接合する場合、通常、高力ボルト接合が行
われている。高力ボルト接合では、まず、端部に複数の
ボルト孔が形成してある梁に、同様に複数のボルト孔が
形成してあるカバープレートを当てる。次に、接合する
梁の端部を突き合わせた状態で、複数のカバープレート
と梁の多数のボルト孔の位置合わせをしてそれらにボル
トを挿通するとともに、それらボルトにナットを螺合
し、位置の微調整をした後、ナットを締付ける。
【0003】この高力ボルト接合では、梁およびカバー
プレートにボルト孔をあけ、梁の端部を突き合わせた不
安定な状態で、複数のカバープレートと梁の多数のボル
ト孔の位置合わせをしてそれらすべてにボルトを挿通す
るとともに、それらボルトにナットを螺合し、位置の微
調整をした後、すべてのナットを締付ける、という工程
が必要である。このため、梁の接合作業に非常に手間を
要するだけでなく長時間を要するという問題がある。
【0004】この問題点を解消するため、本発明者は、
接続箇所に雄および雌の係合部を備えた建築・土木構造
用継手を考案し、特許出願(特願平4−128710
号)した。図11および図12は、特願平4−1278
10号に開示されている建築・土木構造用継手の一例を
示しており、図11(a)は雄継手部材の平面図、図1
1(b)はその正面図、図11(c)はその側面図、図
12(a)は雌継手部材の平面図、図12(b)はその
正面図、図12(c)はその側面図である。
【0005】図11において、雄継手部材110は、矩
形板状の本体111の片面に上下に延びる2本の凸条1
12を備えている。両凸条112は、互いに平行であ
り、また、上方から下方に向かって幅が徐々に減少する
テーパ状に形成してある。
【0006】両凸条112の中央付近には、それぞれ、
断面形状が楕円形のキー孔113が形成してある。キー
孔113は、雄継手部材110の厚さ方向に貫通してい
る。図12において、雌継手部材120は、矩形板状の
本体121の片面に上下に延びる2本の凹溝122を備
えている。両凹溝122は、互いに平行であり、また、
上方から下方に向かって幅が徐々に減少するテーパ状に
形成してある。両凹溝122の大きさおよびテーパの傾
斜は、雄継手部材110の2個の凸状112のそれと一
致しており、各凸状112が各係合用凹溝22に正確に
係合するようになっている。
【0007】両凹溝122の中央付近には、それぞれ、
断面形状が雄継手部材110のキー孔113と一致する
楕円形のキー孔123が形成してある。キー孔123
は、雌継手部材120の厚さ方向に貫通している。これ
らキー孔113、123には、キー孔113、123の
断面形状と同じ断面楕円形の柱状のキーが挿入・嵌合さ
れる。
【0008】上述した構成を持つ従来例の雄継手部材1
10および雌継手部材120は、次のようにして使用す
る。
【0009】図13は、雌継手部材110に雄継手部材
120を挿入・係合させている状態の要部斜視図であ
る。H形鋼の梁130の一端に溶接により雄継手部材1
10を接合する。雄継手部材110の後面には、梁13
0の上フランジ131、ウェブ132および下フランジ
133の端面が接触・接合される。他方、柱150に固
定されたH形鋼の短い梁140の一端に、溶接により雌
継手部材120を接合する。雌継手部材120の後面に
は、梁140の上フランジ141、ウェブ142および
下フランジ143の端面が接触・係合される。
【0010】柱150は、鋼製の角パイプ151から構
成され、梁140の接合箇所では、角パイプ151を切
断してその間に補強プレート152を介在して溶接して
ある。梁140の上下フランジ141、143は補強プ
レート152に溶接してあり、ウェブ142は角パイプ
151に溶接してある。◆柱150は、雌継手部材12
0の溶接後、ほぼ垂直に立設される。
【0011】次に、垂直方向を向いた雌継手部材120
の上方から、雄継手部材110を固定した梁130を水
平姿勢を保ちながら下降させ、2個の凸条112を2個
の凹溝122にそれぞれ挿入・係合させる。
【0012】この状態では、雄継手部材110のキー孔
113と雌継手部材120のキー孔123が重なり合う
ので、両キー孔113、123にキーを挿入・嵌合させ
る。これで梁130、140の接合作業は完了である。
【0013】なお、特願平4−127810号には、キ
ーの代りにボルトおよびナットにより接合するものある
いはキーとボルトおよびナットを併用して接合するもの
も、併せて開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】特願平4−12781
0号に開示された建築・土木構造用継手では、雄継手部
材および雌継手部材のキー孔あるいはボルト孔に、キー
の挿入・嵌合あるいはボルトの挿入およびナットの螺合
・締付けという作業を行う必要がある。この作業は、図
13より明らかなように、H型鋼の梁130の上下フラ
ンジ131、132の間の狭い場所で行わなければなら
ないため、必ずしも容易ではない。
【0015】また、キーを用いた場合は、キーおよびキ
ー孔の精密加工が必要であり、ボルトおよびナットを用
いた場合は、ボルト挿入後にナットの螺合・締付けとい
う作業が必要である。
【0016】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、梁などの部材の接合作業
が、特願平4−127810号に開示された建築・土木
構造用継手よりも簡易且つ迅速に行なえる建築・土木構
造用継手を低コストで提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の第1の観点の建築・土木構造用継手
は、第1の部材と第2の部材を接合する建築・土木構造
用継手であって、前記第1の部材に対してほぼ直角をな
す係合用凸条を有する、前記第1の部材に固定される雄
継手部材と、前記雄継手部材がその側面に第1の固定具
係合用溝を有していることと、前記第2の部材に対して
ほぼ直角をなし且つ前記係合用凸条に係合可能な係合用
凹溝を有する、前記第2の部材に固定される雌継手部材
と、前記雌継手部材がその側面に第2の固定具係合用溝
を有していることと、前記雄継手部材および前記雌継手
部材が前記係合用凸条および前記係合用凹溝に沿う方向
に移動するのを防止する固定具と、前記固定具が、前記
係合用凸条および前記係合用凹溝を互いに係合させた前
記雄継手部材および前記雌継手部材の側面において、前
記第1の固定具係合用溝および前記第2の固定具係合用
溝に係合されることとを具備してなることを特徴とす
る。
【0018】好ましくは、前記第1および第2の固定具
係合用溝がそれぞれ略半円形状であって、前記係合用凸
条および前記係合用凹溝を互いに係合させた時に一つの
円形を形成するものであり、前記固定具が前記円形に嵌
合する円筒体である。
【0019】好ましくは、前記第1および第2の固定具
係合用溝がそれぞれ略半矩形状であって、前記係合用凸
条および前記係合用凹溝を互いに係合させた時に一つの
矩形を形成するものであり、前記固定具が前記矩形に嵌
合する板状体である。
【0020】好ましくは、前記固定具の断面がコ字状で
あって、その両端が前記雄継手部材と前記雌継手部材に
それぞれ係止可能である。
【0021】好ましくは、前記固定具の両端に膨出部を
有しており、それら膨出部が前記雄継手部材と前記雌継
手部材にそれぞれ係止可能である。
【0022】前記係合用凸条および凹溝は、機械加工や
鋳造等によって前記雄継手部材または雌継手部材に一体
的に形成してもよいし、前記凸条または凹溝を形成する
部材を本体とは別個に形成し、その後に両者をボルト等
によって固定してもよい。
【0023】前記雄継手部材および前記雌継手部材は、
接合される2つの部材の一方の端部にそれぞれ1個取り
付ければ足りるが、2個以上取り付けてもよい。
【0024】(2) この発明の第2の観点の建築・土
木構造用継手は、第1の部材と第2の部材を接合する建
築・土木構造用継手であって、前記第1の部材に対して
ほぼ直角をなす係合用突起および係合用切欠を側面に有
する、前記第1の部材に固定される第1の継手部材と、
前記第2の部材に対してほぼ直角をなす係合用突起およ
び係合用切欠を側面に有する、前記第2の部材に固定さ
れる第2の継手部材と、前記第1の継手部材と前記第2
の継手部材とをそれらの対向面同士を対向させて相対移
動した時に、前記第1の継手部材の係合用突起および係
合用切欠が前記第2の継手部材の係合用切欠および係合
用突起にそれぞれ係合し、前記第1の継手部材と前記第
2の継手部材の相対移動が防止されることとを具備して
なることを特徴とする。
【0025】雄用と雌用の継手部材および固定具を用意
する必要がないので、第1の観点の場合よりも簡易且つ
迅速に接合作業を行うことができる。
【0026】(3) この発明は、建築構造および土木
構造における2つの部材を接合する箇所であれば、いず
れにも適用可能であり、例えば鉄骨構造以外の建築構造
や地下街やその道路などの土木構造にも適用可能であ
る。
【0027】
【作用】この発明の第1の観点の建築・土木構造用継手
では、第1の部材に固定した雄継手部材の係合用凸条
と、第2の部材に固定した雌継手部材の係合用凹溝とを
互いに係合させた後、雄継手部材および雌継手部材に設
けられた第1および第2の係合用溝に固定具を係合する
ことにより、両継手部材の相対移動が防止される。こう
して前記両部材の接合が完了する。第1および第2の係
合用溝は、雄継手部材と雌継手部材の側面に設けてある
ので、従来の場合よりも固定具の係合が容易である。こ
のため、鉄骨の梁などの部材接合作業を従来よりいっそ
う簡易且つ迅速に行なうことができる。
【0028】また、第1および第2の係合用溝および固
定具は加工が容易であるので、製造コストも低廉にする
ことが可能となる。
【0029】この発明の第2の観点の建築・土木構造用
継手では、第1の継手部材の係合用突起および係合用切
欠を第2の継手部材の係合用切欠および係合用突起にそ
れぞれ係合すれば、第1および第2の継手部材の相対移
動が防止される。また、係合用突起および係合用切欠の
製造も容易である。このため、第1の観点の場合と同様
の効果が得られる。
【0030】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。ここでは、この発明を鉄骨構造用継
手として適用した実施例について述べるが、これにより
この発明が限定されるものではない。
【0031】(第1実施例)図2および図3は、この発
明の建築・土木構造用継手の第1実施例を示しており、
図2(a)は雄継手部材の平面図、図2(b)はその正
面図、図2(c)はその側面図、図3(a)は雌継手部
材の平面図、図3(b)はその正面図、図3(c)はそ
の側面図である。
【0032】図2において、雄継手部材10は、矩形板
状の本体11の片面に上下に延びる係合用凸条12を備
えている。係合用凸条12は、上方から下方に向かって
幅が徐々に減少するテーパ状に形成してある。係合用凸
条12の水平断面は、その上端と下端では大きさが異な
るのみで同じ等脚台形(相似形)である。凸状12の高
さは、その全長にわたって一定であり、本体11の厚さ
もその全体にわたって一定である。
【0033】雄継手部材10の両側面には、後述のリン
グ4を嵌入するための半円状の固定具嵌合用溝13が形
成してある。嵌合用溝13は、雄継手部材10の厚さ方
向に垂直にリング4の厚さとほぼ同じ深さおよびリング
4とほぼ同じ幅で形成される。嵌合用溝13の深さは、
その全長にわたって一定である。また、切欠部14は、
半円状の嵌合用溝13の一部を露出させて形成してあ
る。この切欠部14により、リング4を嵌入する作業が
容易になる利点がある。
【0034】図3において、雌継手部材20は、矩形板
状の本体21の片面に上下に延びる係合用凹溝22を備
えている。係合用凹溝22は、上方から下方に向かって
幅が徐々に減少するテーパ状に形成してある。係合用凹
溝22の水平断面は、その上端と下端では大きさが異な
るのみで同じ等脚台形(相似形)である。係合用凹溝2
2の深さは、その全長にわたって一定である。係合用凹
溝22の大きさおよびテーパの傾斜は、雄継手部材10
の凸状12のそれと一致しており、凸状12が係合用凹
溝22に正確に係合するようになっている。
【0035】雌継手部材20の両側面には、後述のリン
グ4を嵌入するための半円状の固定具嵌合用溝23が形
成してある。嵌合用溝23は、雌継手部材20の厚さ方
向に垂直にリング4の厚さとほぼ同じ深さ、およびリン
グ4とほぼ同じ幅で形成される。嵌合用溝23の深さ
は、その全長にわたって一定である。嵌合用溝23は、
雄継手部材10と雌継手部材20が係合したときに、半
円状の嵌合用溝13と一致してリング4が正確に嵌合さ
れる一つの円を形成するようになっている。また、切欠
部24は、半円状の嵌合用溝23の一部を露出させて形
成してある。この切欠部24により、嵌合用リング4を
嵌入する作業が容易になる利点がある。
【0036】図4(a)は第1実施例の雄継手部材10
と雌継手部材20を係合させた状態の平面図、(b)は
リング4を挿入・係合させている状態の要部斜視図であ
る。嵌合用溝13、23に嵌入する固定具であるリング
4は、半円状の嵌合用溝13、23を一致させて形成さ
れる形状と同じ円形の上端および下端が開口された筒体
で、嵌入したときに嵌合用溝13、23に嵌合するよう
にしてある。リング4の厚さは、嵌合用溝13、23の
深さに等しい。嵌合用溝13、23を合致させ、その中
にリング4を嵌入・嵌合すると、雄継手部材10と雌継
手部材20が凸状12および係合用凹溝22に沿う方向
に移動するのを防止することができる。
【0037】雄継手部材10と雌継手部材20は、ほぼ
同じ大きさであり、それらの前面(対向面)を対向させ
て係合用凸条12と係合用凹溝22を係合させることが
可能である。図2および図3に示した状態を保ちながら
雄継手部材10を雌継手部材20の上方から下降させ、
あるいは雌継手部材20を雄継手部材10の上方から下
降させて、係合用凸条12を係合用凹溝22内に挿入し
て行くと、係合用凸条12と係合用凹溝22との隙間は
当初は大きいが、徐々に小さくなり、やがてゼロとな
る。 この最後の状態では、係合用凸条12の外周面の
ほぼ全体が係合用凹溝22の内周面に接触し、それ以上
の移動は不可能となる。こうして、停止位置の位置決め
が自動的に行なわれ、雄継手部材10と雌継手部材20
はそのままの状態で接合・一体化される。この最後の状
態では、雄継手部材10と雌継手部材20はほぼ正確に
重なり合う。
【0038】係合用凸条12と係合用凹溝22を上記の
ような断面形状にしているため、両者12、22を互い
に平行に相対移動させることにより容易に係合させるこ
とができ、しかも、両者12、22を係合させた時に両
者12、22がしっかりと接合される。また、係合用凸
条12の係合用凹溝22への挿入が容易になる。
【0039】接合・一体化された状態では、雄継手部材
10の嵌合用溝13と雌継手部材20の嵌合用溝23は
正確に合致し、一つの円を形成する。そこで、リング4
を嵌合用溝13、23に嵌入すると、リング4は両方の
嵌合用溝13、23に嵌合し、雄継手部材10と雌継手
部材20はそのままの状態で固定される。
【0040】第1実施例では、係合用凸条12および係
合用凹溝22がテーパ状になっていて、一体化した時に
係合用凸条12の外周面および係合用凹溝22の内周面
が接触するため、梁30、40の自重およびそれらに作
用する外力による荷重は、係合用凸条12および係合用
凹溝22の周縁部分並びにリング4により支持される。
したがって、前記自重および荷重に耐えられるように、
係合用凸条12および係合用凹溝22並びにリング4の
形状および寸法、さらには材質を設定する。
【0041】接合しようとする鉄骨は、雄継手部材10
および雌継手部材20の切欠部14および24が形成さ
れている面(後面)に溶接によって接合する。
【0042】雄継手部材10および雌継手部材20の材
質は、例えばSS400(JISG 3101 一般構
造用圧延鋼材)、SM490A(JIS G 3106
溶接構造用圧延鋼材)が好ましいが、その他の鋼材や鋼
材以外の材料も必要な強度に応じて適宜使用することが
できる。
【0043】雄継手部材10の係合用凸条12は、板材
を切削加工するあるいは鋳造するなどして一体的に形成
してもよいし、板材に棒材を溶接してもよい。雌継手部
材20の係合用凹溝22は、板材を切削加工するあるい
は鋳造するなどして形成してもよいし、板材に係合用凹
溝22以外の箇所を形成する棒材ないし板材を溶接して
もよい。
【0044】次に、上述した構成を持つ第1実施例の雄
継手部材10および雌継手部材20の使用方法を説明す
る。
【0045】図1に示すように、まず、H形鋼の梁30
の一端に溶接により雄継手部材10を接合する。すなわ
ち、係合用凸条12を上下方向に向けるとともに、係合
用凸条12の幅広部が上位に来るように雄継手部材10
を配置し、梁30の端部を雄継手部材10の切欠部14
が形成されている面に当接して適宜方法で溶接する。雄
継手部材10の切欠部14を設けることにより形成され
たH形の凸部を有する面と、梁30の上フランジ31、
ウェブ32および下フランジ33からなるH形の端面
は、それぞれ合致して接触・接合される。梁30と係合
用凸条12とは、できるだけ正確に直角になるようにす
る。
【0046】なお、梁30は実際はもっと長いが、説明
の都合により短く描いている。これは他の図でも同様で
ある。
【0047】他方、柱70に固定されたH形鋼の短い梁
40の一端に、溶接により雌継手部材20を接合する。
すなわち、係合用凹溝22を上下方向に向けるととも
に、係合用凹溝22の幅広部が上位に来るように雌継手
部材20を配置し、梁40の端部を雌継手部材20の切
欠部24が形成されている面に当接して適宜方法で溶接
する。雌継手部材20の切欠部24を設けることにより
形成されたH形の凸部を有する面と、梁40の上フラン
ジ41、ウェブ42および下フランジ43からなるH形
の端面は、それぞれ合致して接触・接合される。梁40
と係合用凹溝22とは、できるだけ正確に直角になるよ
うにする。
【0048】柱70は、鋼製の角パイプ71から構成さ
れ、梁40の接合箇所では、角パイプ71を切断してそ
の間に補強プレート72を介在して溶接してある。梁4
0の上下フランジ41、43は補強プレート72に溶接
してあり、ウェブ42は角パイプ51に溶接してある。
【0049】柱50は、雌継手部材20の溶接後、ほぼ
垂直に立設される。しかし、立設してから雌継手部材2
0を溶接してもよい。
【0050】次に、垂直方向を向いた雌継手部材20の
上方から、雄継手部材10を固定した梁30を水平姿勢
を保ちながら下降させ、係合用凸条12を係合用凹溝2
2に挿入・係合させる。そして、係合用凸条12の外周
面が係合用凹溝22の内周面に接触して自動的に位置決
めされるまで、そのまま梁30を下降させる。すると、
雄継手部材10と雌継手部材20は、両者が重なり合っ
たような状態で接合・一体化する。こうして、雄継手部
材10と雌継手部材20から成るこの発明の継手1が結
合される。
【0051】この状態では、雄継手部材10の嵌合用溝
13と雌継手部材20の嵌合用溝23が重なり合うの
で、両嵌合用溝13、23にリング4を挿入・嵌合させ
る。この時に目視によって、嵌合用溝13、23の合致
状況を外部から容易に調査することができる。両部材1
0、20の係合状態の微調整が用意に行える。
【0052】こうして両部材10、20がしっかりと固
定され、外れる恐れがなくなる。これで梁30、40の
接合作業は完了である。
【0053】以上の構成を持つ第1実施例では、雄継手
部材10および雌継手部材20に、それぞれリング4を
嵌合するための嵌合用溝13、23を設けただけである
ので、従来のように、精密さを必要とするキー孔を形成
する手間が除かれ、容易に雄継手部材10および雌継手
部材20を形成することができる。
【0054】また、雄継手部材10および雌継手部材2
0へのリング4の取り付けは、嵌合用溝13、23にリ
ング4を嵌入するだけで完了するので、従来のボルトを
使用して取り付ける場合に比べて、ボルトを螺合した後
に、ナットを締付けるという作業が除かれ、迅速に接合
作業を行うことができる。したがって、梁30、40の
接合作業が簡易にしかも迅速に行なえる。
【0055】さらに、立設した2本の柱50に梁30、
40を接続したときに、係合用凸条12と係合用凹溝2
2が係合することにより、仮止めされた柱50の垂直軸
周りの向きが継手1によって自動的に調整される利点が
ある。
【0056】(第2実施例)図5は、この発明の第2実
施例の建築・土木構造用継手の平面図である。
【0057】この第2実施例の建築・土木構造用継手1
は、第1実施例では1個のリング4により接合されてい
たところを、2個のリング4aを用いて接合してある他
は、第1実施例と同じ構成を持つ。図5に見るように、
雄継手部材10は、半円状の2個のの嵌合用溝13aを
有している。雌継手部材20は、半円状の2個の嵌合用
溝23aを有している。
【0058】第2実施例では、接合・一体化された状態
では、雄継手部材10の嵌合用溝13aと雌継手部材2
0の嵌合用溝23aはそれぞれ正確に合致して円を形成
するので、リング4aを嵌合用溝13aおよび23aに
嵌入・嵌合・嵌合すれば、雄継手部材10と雌継手部材
20はそのままの状態で固定される。
【0059】第2実施例はリングを2個用いて固定して
いるので、第1実施例と比べて耐力が増加する利点があ
る。
【0060】(第3実施例)図6は、この発明の建築・
土木構造用継手の第3実施例を示しており、図6(a)
は継手の平面図、図6(b)は、接合用板状体の正面
図、図6(c)は、接合用板状体の側面図、図7は、こ
の継手の斜視図である。
【0061】この第3実施例の建築・土木構造用継手1
は、第1実施例ではリング4により接合されていたとこ
ろを、接合用板状体5により接合してある他は、第1実
施例と同じ構成を持つ。
【0062】雄継手部材10は、矩形状の嵌合用溝13
cを有している。雌継手部材20は、矩形状の嵌合用溝
23cを有している。板状体5は、本体51とその両端
に直交して設けられた突起52a、52bから構成され
る。これらの突起52a、52bは、断面形状が矩形で
ある。突起52aは、雄継手部材10の切欠部14に係
止され、突起52bは、雌継手部材20の切欠部24に
係止される。突起52a、52bを設けることにより、
雄継手部材10と雌継手部材20がよりしっかりと固定
される。
【0063】第3実施例では、接合・一体化された状態
では、雄継手部材10の嵌合用溝13cと雌継手部材2
0の嵌合用溝23cは正確に合致して矩形を形成するの
で、板5を嵌合用溝13cおよび23cに嵌入・嵌合す
れば、雄継手部材10と雌継手部材20はそのままの状
態で固定される。
【0064】(第4実施例)図8は、この発明の建築・
土木構造用継手の第3実施例を示しており、図8(a)
は継手の平面図、図8(b)は、その斜視図である。
【0065】この第4実施例の建築・土木構造用継手1
は、第3実施例では矩形の突起52a、52bを有する
接合用板状体5により接合されていたところを、半円状
の突起82を有する接合用板状体8により接合した他
は、第1実施例と同じ構成を持つ。
【0066】板状体8は、本体81とその両端に設けら
れた突起82aおよび82bから構成される。これらの
突起82aおよび82bは半円形状である。突起82a
は、雄継手部材10の切欠部14および本体11に係止
され、突起82bは、雌継手部材20の切欠部24およ
び本体21に係止される。突起82a、82bを設ける
ことにより、雄継手部材10と雌継手部材20がよりし
っかりと固定される。第4実施例では、接合・一体化さ
れた状態では、雄継手部材10の嵌合用溝13と雌継手
部材20の嵌合用溝23は正確に一致して矩形を形成す
るので、板8を嵌合用溝13cおよび23cに嵌入・嵌
合すれば、雄継手部材10と雌継手部材20はそのまま
の状態で固定される。
【0067】(第5実施例)図9は、第5実施例を示
す。第5実施例は、第1実施例(図2参照)の雄継手部
材10を柱70に直接固定したものに相当する。
【0068】雄継手部材10の本体11は、図9に示す
ように、補強プレート72と一体にされて柱70に直接
固定される。すなわち、雄継手部材70の本体は柱70
に埋め込まれ、凸部12が柱70から突出した形状にな
っている。
【0069】このように、この発明の継手1は、雌継手
部材20を柱70に固定された短い梁40に固定する他
に、柱70に直接固定する方法でも使用することができ
る。なお、雄継手部材10を補強プレート72ではな
く、角パイプ71に直接固定してもよい。
【0070】上記第1〜第5実施例では、リングおよび
板状体を用いて雄・雌両継手部材を接合しているが、雄
継手部材10および雌継手部材20がそれら係合用凸条
12および係合用凹溝22に沿う方向に移動するのを防
止する固定具であれば、リング4、接合用板状体5、8
および嵌合用溝13、23の数および形状も任意に変更
可能である。
【0071】(第6実施例)図10は、この発明の建築
・土木構造用継手の第6実施例を示しており、図10
(a)は継手の平面図、図10(b)はその側面図、図
10(c)はその斜視図である。
【0072】この第6実施例の建築・土木構造用継手1
は、上記第1〜第5実施例に示したような固定具を使用
せずに、同じ構造を持つ継手部材61a、61bを係合
させるものである。
【0073】図10(a)において、継手部材61a
は、矩形板状の本体61aの上端の両角部に係合用切欠
部63aを有し、下端の両角部に係合用突起62aを備
えている。突起62aの垂直断面は、図2(b)から理
解されるように、鋭角を備えた台形状である。係合用突
起62aの高さおよび厚さは、その全長にわたって一定
である。係合用切欠部63aは、係合用突起62aの向
きを上下逆にした同じ形状である。継手部材60bは、
継手部材60aと同じ構成を持つ。
【0074】図2(b)および(c)に示されるよう
に、継手部材60aと継手部材60bの係合用突起が形
成されている面を対向させて、継手部材60aの係合用
突起62aと継手部材60bの係合用切欠部63b、お
よび、継手部材60aの係合用切欠部63aと継手部材
60bの係合用突起62bを係合させることが可能であ
る。
【0075】継手部材60aを継手部材60bの上方か
ら下降させ、あるいは継手部材60bを継手部材60a
の上方から下降させて、継手部材60aの係合用突起6
2aを継手部材60bの係合用切欠部63b内に挿入
し、継手部材60aの係合用切欠部63a内に継手部材
60bの係合用突起62bを挿入して行く。この状態で
は、係合用突起62a、62bの外周面のほぼ全体が係
合用切欠部63a、63bの内周面に接触し、それ以上
の移動は不可能となる。
【0076】こうして、停止位置の位置決めが自動的に
行なわれ、継手部材60aと継手部材60bはそのまま
の状態で接合・一体化される。この状態では、継手部材
60aと継手部材60bはほぼ正確に重なり合う。
【0077】突起62と切欠部63を上記のような断面
形状にしているため、両者62、63を互いに平行に相
対移動させることにより容易に係合させることができ、
しかも、両者62、63を係合させた時に両者62、6
3がしっかりと接合される。また、突起62の切欠部6
3への挿入が容易である。
【0078】第6実施例も、第1実施例と同様に、建築
・土木構造用継手1が梁30、40の自重およびそれら
に作用する外力による荷重に耐えられるように、突起6
2および切欠部63の形状および寸法、さらには材質を
設定する。なお、突起62の形状は適宜、変更可能であ
る。
【0079】この発明の継手部材10、20の形状およ
び材質は、所望の剛性を持つものであれば特に限定され
ない。
【0080】なお、この発明の継手は、ここで例示した
梁の継手に適用するのが好ましいが、鉄骨を接合する箇
所であればその他の箇所(例えば橋、高架道路)にも適
用することができる。さらに、2つの部材を接合するも
のであれば、建築・土木構造以外の建築構造、および例
えば地下街やその道路などの土木構造にも適用可能であ
る。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の建築・
土木構造用継手によれば、梁などの部材の接合作業が、
従来よりも簡易且つ迅速に行なえる。このため工期を短
縮することができる。また、低廉に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の建築・土木構造用継手の第1実施例
の雌継手部材に、雄継手部材を挿入・係合させている状
態の要部斜視図である。
【図2】(a)はこの発明の建築・土木構造用継手の第
1実施例の雄継手部材の平面図、(b)はその正面図、
(c)はその側面図である。
【図3】(a)はこの発明の建築・土木構造用継手の第
1実施例の雌継手部材の平面図、(b)はその正面図、
(c)はその側面図である。
【図4】(a)は第1実施例の雄継手部材と雌継手部材
を係合させた状態を示す平面図、(b)はリングを挿入
・係合させている状態の要部斜視図である。
【図5】この発明の建築・土木構造用継手の第2実施例
の雄継手部材と雌継手部材を係合させた状態を示す平面
図である。
【図6】(a)は第3実施例の雄継手部材と雌継手部材
を係合させた状態を示す平面図、(b)は接合用板の正
面図、(c)は接合用板の側面図である。
【図7】第3実施例の雄継手部材と雌継手部材を係合さ
せた状態を示す要部斜視図である。
【図8】(a)は第4実施例の雄継手部材と雌継手部材
を係合させた状態を示す平面図、(b)はその斜視図で
ある。
【図9】この発明の建築・土木構造用継手の第5実施例
の雌継手部材に、雄継手部材を挿入・係合させている状
態の要部斜視図である。
【図10】(a)はこの発明の建築・土木構造用継手の
第6実施例の継手部材の平面図、(b)は各継手部材の
正面図、(c)はそれら両継手部材を組合わせた状態の
斜視図である。
【図11】従来例の建築・土木構造用継手を示す(a)
は雄継手部材の平面図、(b)はその正面図、(c)は
その側面図である。
【図12】従来例の建築・土木構造用継手を示す(a)
は雌継手部材の平面図、(b)はその正面図、(c)は
その側面図である。
【図13】従来例の建築・土木構造用継手の雌継手部材
に、雄継手部材を挿入・係合させている状態の要部斜視
図である。
【符号の説明】
1 建築・土木構造用継手 4 リング 10 雄継手部材 11 本体 12 係合用凸条 13、13a、13c 固定具嵌合用溝 14、14a、14c 切欠部 20 雌継手部材 21 本体 22 係合用凹溝 23、23a、23c 固定具嵌合用溝 24、24a、24c 切欠部 30 梁 31 上フランジ 32 ウェブ 33 下フランジ 40 梁 41 上フランジ 42 ウェブ 43 下フランジ 70 柱 71 パイプ 72 補強プレート 5、 接合用板 51 本体 52a、52b 突起 8、 接合用板 81 本体 82a、82b 突起 60、60a、60b 継手部材 61、61a、61b 本体 62、62a、62b 係合用突起 63、63a、63b 係合用切欠部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の部材と第2の部材を接合する建築
    ・土木構造用継手であって、 前記第1の部材に対してほぼ直角をなす係合用凸条を有
    する、前記第1の部材に固定される雄継手部材と、 前記雄継手部材がその側面に第1の固定具係合用溝を有
    していることと、 前記第2の部材に対してほぼ直角をなし且つ前記係合用
    凸条に係合可能な係合用凹溝を有する、前記第2の部材
    に固定される雌継手部材と、 前記雌継手部材がその側面に第2の固定具係合用溝を有
    していることと、 前記雄継手部材および前記雌継手部材が前記係合用凸条
    および前記係合用凹溝に沿う方向に移動するのを防止す
    る固定具と、 前記固定具が、前記係合用凸条および前記係合用凹溝を
    互いに係合させた前記雄継手部材および前記雌継手部材
    の側面において、前記第1の固定具係合用溝および前記
    第2の固定具係合用溝に係合されることとを具備してな
    ることを特徴とする建築・土木構造用継手。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の固定具係合用溝が
    それぞれ略半円形状であって、前記係合用凸条および前
    記係合用凹溝を互いに係合させた時に一つの円形を形成
    するものであり、前記固定具が前記円形に嵌合する円筒
    体である請求項1に記載の建築・土木構造用継手。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の固定具係合用溝が
    それぞれ略半矩形状であって、前記係合用凸条および前
    記係合用凹溝を互いに係合させた時に一つの矩形を形成
    するものであり、前記固定具が前記矩形に嵌合する板状
    体である請求項1に記載の建築・土木構造用継手。
  4. 【請求項4】 前記固定具の断面がコ字状であって、そ
    の両端が前記雄継手部材と前記雌継手部材にそれぞれ係
    止可能である請求項3に記載の建築・土木構造用継手。
  5. 【請求項5】 前記固定具の両端に膨出部を有してお
    り、それら膨出部が前記雄継手部材と前記雌継手部材に
    それぞれ係止可能である請求項3に記載の建築・土木構
    造用継手。
  6. 【請求項6】 第1の部材と第2の部材を接合する建築
    ・土木構造用継手であって、 前記第1の部材に対してほぼ直角をなす係合用突起およ
    び係合用切欠を側面に有する、前記第1の部材に固定さ
    れる第1の継手部材と、 前記第2の部材に対してほぼ直角をなす係合用突起およ
    び係合用切欠を側面に有する、前記第2の部材に固定さ
    れる第2の継手部材と、 前記第1の継手部材と前記第2の継手部材とをそれらの
    対向面同士を対向させて相対移動した時に、前記第1の
    継手部材の係合用突起および係合用切欠が前記第2の継
    手部材の係合用切欠および係合用突起にそれぞれ係合
    し、前記第1の継手部材と前記第2の継手部材の相対移
    動が防止されることとを具備してなることを特徴とする
    建築・土木構造用継手。
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