JPH07196784A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JPH07196784A
JPH07196784A JP32494A JP32494A JPH07196784A JP H07196784 A JPH07196784 A JP H07196784A JP 32494 A JP32494 A JP 32494A JP 32494 A JP32494 A JP 32494A JP H07196784 A JPH07196784 A JP H07196784A
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aromatic polycarbonate
phosgene
hydroxyphenyl
bis
ppm
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JP32494A
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Genichi Hirao
元一 平尾
Yoshiyuki Totani
由之 戸谷
Tomomichi Itou
友倫 伊藤
Masakatsu Nakatsuka
正勝 中塚
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ホスゲンを使用する芳香族ポリカーボネート
の製造方法において、クロロメタンの含有量が50pp
m以下および/またはクロロホルムの含有量が50pp
m以下のホスゲンを使用することを特徴とする芳香族ポ
リカーボネートの製造方法。 【効果】 重合反応の再現性がよく、分子量のぶれが小
さい芳香族ポリカーボネート、および/または色調の良
好な芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ホスゲンを使用する芳香族ポ
リカーボネートの製造方法が知られている(例えば、米
国特許第3275601号)。特開昭62−29732
0号公報には、ホスゲンを原料として使用するカーボネ
ート結合を有する樹脂の製造方法が記載されている。こ
の方法は、四塩化炭素濃度が200ppm以下のホスゲ
ンを重合系に導入して重合することを特徴とするカーボ
ネート結合を有する樹脂の製造方法である。特開昭62
−297321号公報には、有機溶媒としてジクロロメ
タンを使用し、原料にホスゲンを使用するカーボネート
結合を有する樹脂の製造方法が記載されている。この方
法は、重合系内のホスゲンおよびジクロロメタン中の四
塩化炭素濃度が下記の式を満足するようにして重合する
ことを特徴とするカーボネート結合を有する樹脂の製造
方法である。 A+5B<200 A:ホスゲン中の四塩化炭素濃度(ppm) B:ジクロロメタン中の四塩化炭素濃度(ppm)
【0003】特開平1−275630号公報には、溶剤
の存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物にホスゲンを反応
させてポリカーボネートを製造する方法が記載されてい
る。この方法は、全硫黄濃度が30ppm(容積)以下
の一酸化炭素を塩素と反応させて得られるホスゲンを使
用することを特徴とするポリカーボネートの製造方法で
ある。また該公報には、クロロホルムが有機溶媒として
有用であることが記載されている。しかし、上記のいず
れの方法を用いても、重合反応の再現性がよく、分子量
のぶれが小さい芳香族ポリカーボネート、または/およ
び色調の良好な芳香族ポリカーボネートは得られていな
い。現在、重合反応の再現性がよく、分子量のぶれが小
さい芳香族ポリカーボネート、または/および色調の良
好な芳香族ポリカーボネートを製造する方法が要望され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、重合
反応の再現性がよく、分子量のぶれが小さい芳香族ポリ
カーボネート、または/および色調の良好な芳香族ポリ
カーボネートの製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の要
望に応えるべく、芳香族ポリカーボネートの製造方法に
関し鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った。す
なわち、本発明は、ホスゲンを使用する芳香族ポリカー
ボネートの製造方法において、クロロメタンの含有量が
50ppm以下および/またはクロロホルムの含有量が
50ppm以下のホスゲンを使用することを特徴とする
芳香族ポリカーボネートの製造方法に関するものであ
る。本発明の製造方法において使用されるホスゲンは、
クロロメタンの含有量が50ppm以下および/または
クロロホルムの含有量が50ppm以下のものである。
ホスゲン中のクロロメタンの含有量としては、より好ま
しくは、30ppm以下であり、さらに好ましくは、1
0ppm以下であり、最も好ましくは、5ppm以下で
ある。また、クロロホルムの含有量は、好ましくは、3
0ppm以下であり、さらに好ましくは、10ppm以
下であり、最も好ましくは、5ppm以下である。
【0006】クロロメタンの含有量が50ppmを越え
るホスゲンを使用すると、重合反応の再現性が悪く、分
子量のぶれが大きい芳香族ポリカーボネートしか製造で
きない。重合反応の再現性がよく、分子量のぶれが小さ
い芳香族ポリカーボネートとは、例えば、バッチ式で数
回続けて、または、連続式で、芳香族ポリカーボネート
を連続的に製造する場合に、各バッチごとに、または、
連続的に得られる芳香族ポリカーボネートの分子量のぶ
れ幅が小さいものを意味する。例えば、重量平均分子量
のぶれ幅が、3000未満、より好ましくは、1000
未満、さらに好ましくは、500未満のものである。
【0007】また、クロロホルムの含有量が50ppm
を越えるホスゲンを使用して製造される芳香族ポリカー
ボネートは、ペレット化時または成形時に着色し、色調
の悪いものとなる。従来、クロロホルムは、芳香族ポリ
カーボネートを製造する際、有機溶媒として有用である
と考えられていた。これに対し、本発明では、ペレット
化時または成形時における芳香族ポリカーボネートの着
色原因が、ポリマー中に残存するクロロホルムにあるこ
と、したがって、クロロホルムは、有機溶媒として不適
当であることを見いだした。そして、クロロホルム以外
の有機溶媒を使用しても、なおクロロホルムがポリマー
中に含まれることがあり、その原因は、ホスゲン中に含
まれるクロロホルムにあることを見いだした。クロロメ
タンの含有量が50ppm以下であり、かつクロロホル
ムの含有量が50ppm以下のホスゲンを使用すると、
重合反応の再現性がよく、分子量のぶれが小さく、か
つ、色調の良好な芳香族ポリカーボネートを製造するこ
とができ、さらに好ましい。
【0008】クロロメタンの含有量およびクロロホルム
の含有量が50ppm以下のホスゲンは、一酸化炭素と
塩素を活性炭触媒の作用により反応させて得られた粗製
ホスゲンを、好ましくは、蒸留精製することにより得ら
れる。蒸留装置としては、単蒸留または数段の蒸留段数
を有する蒸留装置が使用される。例えば、充填式の蒸留
塔、ビグルー分留管、スニーダー分留管、グリンスキー
分留管またはウィドマー分留管等である。中でも、充填
式の蒸留塔は、充填物を変えることにより、蒸留段数を
自由に変えることができるという点で、特に好ましい。
蒸留段数としては、好ましくは、3段以上、より好まし
くは、5段以上、最も好ましくは、8段以上の蒸留段数
を有する蒸留装置が有用である。また、蒸留は、任意の
圧力下で実施することができる。好ましくは、大気圧以
上、より好ましくは、大気圧〜(大気圧+3kg/cm2)、
さらに好ましくは、大気圧〜(大気圧+2kg/cm2)の条
件下で実施される。
【0009】蒸留温度は、その圧力下でのホスゲンの沸
点以上の温度で実施される。好ましくは、その圧力下で
のホスゲンの沸点〜沸点+20℃の範囲の温度であり、
より好ましくは、その圧力下でのホスゲンの沸点〜沸点
+10℃の範囲の温度であり、さらに好ましくは、その
圧力下でのホスゲンの沸点〜沸点+5℃の範囲の温度で
ある。ホスゲン中に含まれるクロロメタンの含有量およ
びクロロホルムの含有量は、ガスクロマトグラフィー等
の方法により調べることができる。
【0010】本発明の製造方法は、好ましくは、界面重
合法により、芳香族ポリカーボネートを製造する方法で
ある。例えば、水と有機溶媒の2相混合溶媒中で、ホス
ゲンおよび芳香族ジヒドロキシ化合物を、塩基の作用に
より、反応させることにより、芳香族ポリカーボネート
を製造することができる。その際、ポリカーボネート生
成触媒および/または末端封止剤を使用してもよい。芳
香族ジヒドロキシ化合物は、好ましくは、式(1)また
は式(2)で表される化合物である。 HO−Ar1−Y−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基
を、YはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す)
【0011】式(1)または式(2)において、Ar1
Ar2およびAr3は、各々2価の芳香族基であり、好まし
くは、置換または無置換のフェニレン基である。置換フ
ェニレン基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、アル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、アルコキシ基等である。Ar1とAr
2は、好ましくは、両方が、p−フェニレン基、m−フ
ェニレン基またはo−フェニレン基、または、一方がp
−フェニレン基であり一方がm−フェニレン基またはo
−フェニレン基である。Ar1とAr2は、特に好ましく
は、両方がp−フェニレン基である。Ar3は、p−フェ
ニレン基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基で
あり、好ましくは、p−フェニレン基またはm−フェニ
レン基である。Yは、Ar1とAr2を結び付ける連結基で
あり、単結合または2価の炭化水素基、または−O−、
−S−、−SO−、−SO2 −、−CO−等の炭素と水
素以外の原子を含む基である。2価の炭化水素基は、例
えば、メチレン基、エチレン基、2,2−プロピリデン
基、シクロヘキシリデン基等のアルキリデン基、アリー
ル基等で置換されたアルキリデン基、芳香族基やその他
の不飽和の炭化水素基を含有する炭化水素基である。
【0012】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例は、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチル
プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン〔”ビスフェノールA”〕、2−(4’−ヒド
ロキシフェニル)−2−(3”−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
【0013】2,2−ビス(3’−メチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−イソ
プロピル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3’−sec −ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3’−tert−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3’−シクロヘキシル−4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3’−アリル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3',5' −ジメ
チル−4’−ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2−
ビス(3’−クロロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3’,5’−ジクロロ−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−ブ
ロモ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリ
ール)アルカン類、
【0014】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3’−メチル
−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3’,5’−ジ
クロロ−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス (4’−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等のビ
ス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテル、エチレ
ングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル
等のビス(ヒドロキシアリール)エーテル類、
【0015】4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、3,3’−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のビ
ス(ヒドロキシアリール)スルフィド類、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメチ
ル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド等の
ビス(ヒドロキシアリール)スルホキシド類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン等のビス(ヒドロキシアリール)
スルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン等
のビス(ヒドロキシアリール)ケトン類、
【0016】更には、3,3,3’,3’−テトラメチ
ル−6,6’−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダ
ン〔”スピロビインダンビスフェノール”〕、3,
3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−
テトラメチル−2,2’−スピロビ(2H−1−ベンゾ
ピラン)−7,7’−ジオール〔”スピロビクロマ
ン”〕、トランス−2,3−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン、1,6−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、α,α,
α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’
−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−キシレン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ
−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレ
ン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10
−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6
−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシ
ジベンゾチオフェン、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒド
ロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシン等である。
また、ビスフェノールA2モルとイソフタロイルクロラ
イド又はテレフタロイルクロライド1モルとの反応によ
り製造されるエステル結合を含む芳香族ジヒドロキシ化
合物も有用である。これらは単独で、または複数併用し
てもよい。好ましく使用される芳香族ジヒドロキシ化合
物は、ビスフェノールAである。
【0017】芳香族ジヒドロキシ化合物の使用量は、ホ
スゲンに対し、約0.5〜約1.0倍モルが好ましく、
約0.7〜約1.0倍モルがより好ましい。芳香族ジヒ
ドロキシ化合物は、固体状態または液体状態で使用して
もよく、有機溶媒溶液、水溶液または塩基水溶液として
使用してもよい。水は、蒸留水、イオン交換水、または
芳香族ポリカーボネートを製造する際に生じる回収水等
であり、さらにそれらを混合したものであってもよい。
水の使用量は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モル
に対し、約0.5〜約5リットルである。芳香族ジヒド
ロキシ化合物の塩基水溶液を調整する場合、使用される
水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物と塩基を溶解させ
るのに必要な量以上あればよい。例えば、芳香族ジヒド
ロキシ化合物がビスフェノールAである場合、その量
は、ビスフェノールA1モルに対し、約0.8〜約2.
2リットルである。
【0018】有機溶媒は、反応に対して実質的に不活性
であり、水に対して実質的に不溶性であり、かつ、芳香
族ポリカーボネートを溶解するものであればよい。有機
溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエタン、
テトラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族塩素
化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳
香族塩素化炭化水素、またはそれらの混合物である。ま
た、それらの塩素化炭化水素またはそれらの混合物に、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水
素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭
化水素等を混合した有機溶媒でもよい。特に好ましい有
機溶媒は、ジクロロメタンである。また、有機溶媒は、
芳香族ポリカーボネートを製造する際に生じる回収有機
溶媒でもよい。さらにその回収有機溶媒と新しい有機溶
媒を混合した有機溶媒でもよい。有機溶媒の使用量は、
通常、重合終了時の芳香族ポリカーボネートを含有する
有機溶媒溶液中の芳香族ポリカーボネートの濃度が約5
〜約35重量%程度になるように使用するのが好まし
い。
【0019】塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類
金属塩基であり、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の水酸化物である。これらは単独で、または
複数併用してもよい。好ましい塩基は、水酸化ナトリウ
ムまたは水酸化カリウムである。塩基の使用量は、好ま
しくは、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、約1.0
〜約1.6倍当量である。塩基は通常、水溶液として使
用される。また、この水溶液にジヒドロキシ化合物を溶
解させて使用することもできる。この場合、酸化防止剤
として亜硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファ
イトあるいはナトリウムボロハイドライド等を添加して
もよい。
【0020】ポリカーボネート生成触媒は、3級アミ
ン、4級アンモニウム塩、3級ホスフィン、4級ホスホ
ニウム塩、含窒素複素環化合物及びその塩、イミノエー
テル及びその塩、アミド基を有する化合物等である。ポ
リカーボネート生成触媒の具体例は、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ
エチル−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N−ジメチルベン
ジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,
4−テトラメチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメ
チルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,
N’−ジメチルピペラジン、N−エチルピペリジン、N
−メチルモルホリン、1,4−ジアザビシクロ〔2,
2,2〕オクタン、ベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチ
ルアンモニウムブロマイド、メチルトリエチルアンモニ
ウムクロライド、フェニルトリエチルアンモニウムクロ
ライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ベン
ジルトリメチルアンモニウムフルオライド、ベンジルジ
メチルフェニルアンモニウムクロライド、テトラ−n−
ヘプチルアンモニウムアイオダイド、m−トリフルオロ
メチルフェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、ト
リエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェ
ニルブチルホスフィン、テトラ(ヒドロキシメチル)ホ
スホニウムクロライド、ベンジルトリエチルホスホニウ
ムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロ
ライド、4−メチルピリジン、1−メチルイミダゾー
ル、1,2−ジメチルイミダゾール、3−メチルピリダ
ジン、4,6−ジメチルピリミジン、1−シクロヘキシ
ル−3,5−ジメチルピラゾール、2,3,5,6−テ
トラメチルピラジン等である。これらは単独で、または
複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒は、好
ましくは、3級アミンであり、より好ましくは、総炭素
数3〜30の3級アミンであり、特に好ましくは、トリ
エチルアミンである。
【0021】末端封止剤は、1価の芳香族ヒドロキシ化
合物、1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート
誘導体、1価のカルボン酸または1価のカルボン酸のハ
ライド誘導体等である。1価の芳香族ヒドロキシ化合物
は、例えば、フェノール、p−クレゾール、o−エチル
フェノール、p−エチルフェノール、p−イソプロピル
フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オク
チルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−キシ
レノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキシルオキ
シフェノール、p−デシルオキシフェノール、o−クロ
ロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェ
ノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノー
ル、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフェノー
ル、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ジ(1’
−メチル−1’−フェニルエチル)フェノール、β−ナ
フトール、α−ナフトール、p−(2’,4’,4’−
トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4’−メト
キシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン等のフェノール類またはそれらのアルカリ金属塩
およびアルカリ土類金属塩である。1価の芳香族ヒドロ
キシ化合物のハロホーメート誘導体は、上記の1価の芳
香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体等であ
る。
【0022】1価のカルボン酸は、例えば、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カ
プリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、3−メチル
酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉草酸、3,
3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン酸、3,5−
ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪酸類また
はそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、
安息香酸、p−メチル安息香酸、p−tert−ブチル安息
香酸、p−ブトキシ安息香酸、p−オクチルオキシ安息
香酸、p−フェニル安息香酸、p−ベンジル安息香酸、
p−クロロ安息香酸等の安息香酸類またはそれらのアル
カリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。1価のカ
ルボン酸のハライド誘導体は、上記の1価のカルボン酸
のハライド誘導体等である。これらは単独で、または複
数併用してもよい。好ましく使用される末端封止剤は、
フェノール、p−tert−ブチルフェノール、または、p
−クミルフェノールである。
【0023】末端封止剤の使用量は、製造される芳香族
ポリカーボネートの重量平均分子量に応じて決定され
る。芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量は約15
000〜約150000であり、好ましくは、約200
00〜約100000である。上記の範囲の重量平均分
子量の芳香族ポリカーボネートを製造するために必要と
される末端封止剤の量は、ジヒドロキシ化合物のモル数
に対して、約1.0〜約10.0モル%であり、好まし
くは、約1.5〜約7.0モル%である。
【0024】本発明の製造方法は、分岐化剤の使用によ
り、分岐化された芳香族ポリカーボネートを製造するこ
ともできる。本発明の製造方法に適する分岐化剤は、芳
香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カルボン酸
基、カルボン酸ハライド基または活性なハロゲン原子等
から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種でもよ
い)有する化合物である。分岐化剤の具体例は、フロロ
グルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス
(4’−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6
−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロ
キシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4’−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス
(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α’
−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−
4−イソプロピルベンゼン、2,4−ビス〔α−メチル
−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェノー
ル、2−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(2”,
4”−ジヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−
ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,4−テ
トラキス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス〔4’,4’−ビス(4”−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキシル〕プロパン、α,α,
α’,α’−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)
−1,4−ジエチルベンゼン、2,2,5,5−テトラ
キス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1,
2,3−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,4−ビス(4’,4”−ジヒドロキシトリフ
ェニルメチル)ベンゼン、3,3’,5,5’−テトラ
ヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−ジヒドロキシ
安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニルオキシ)安
息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、4−クロロカル
ボニルオキシイソフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、
5−クロロカルボニルオキシフタル酸、トリメシン酸ト
リクロライド、シアヌル酸クロライド等である。分岐化
剤の使用量は、製造される芳香族ポリカーボネートの分
岐度に応じて決定される。好ましくは、芳香族ジヒドロ
キシ化合物のモル数に対して約0.05〜約2.0モル
%である。分岐化剤は、固体状態または液体状態で使用
してもよく、有機溶媒溶液、水溶液または塩基水溶液と
して使用してもよい。
【0025】本発明の製造方法は、通常、約10℃〜反
応に使用される有機溶媒の沸点温度で実施される。本発
明の製造方法は、通常、大気圧下で実施され、所望によ
り、大気圧以下、または大気圧以上の条件下でも実施で
きる。本発明の製造方法は、撹拌せずに界面重合反応を
行うことも可能であるが、重合時間を短縮できるという
点で、反応混合物を撹拌して界面重合反応を行うことが
好ましい。その際、有機相と水相の分離を防止する程度
に撹拌すればよい。通常、撹拌条件は、有機相と水相が
均一に混合する程度が好ましい。また場合により、激し
い撹拌条件下で、界面重合反応を行ってもよい。尚、本
明細書における界面重合反応とは、本発明の方法により
芳香族ポリカーボネートを製造する際に起こるすべての
反応がこれに含まれ、それらの反応は、主に、有機相と
水相の界面で起こる。
【0026】本発明の製造方法は、バッチ式で実施して
もよく、連続式で実施してもよい。本発明の製造方法に
使用される反応装置は、槽型反応器、管型反応器または
充填塔等の公知の反応装置、またはそれらの反応装置を
任意に組み合わせた反応装置等である。これらの反応装
置は、パドル、プロペラ、タービンまたはカイ型翼等の
単純な撹拌装置、ホモジナイザー、ホモミキサー、ミキ
サー等の高速撹拌機、スタティックミキサー、コロイド
ミル、オリフィスミキサー、フロージェットミキサー、
超音波乳化装置等の撹拌装置を任意に備えることができ
る。本発明の方法により製造された芳香族ポリカーボネ
ートを含む反応混合物は、次に、連続操作またはバッチ
操作により処理され、芳香族ポリカーボネートが回収さ
れる。反応混合物の処理としては、芳香族ポリカーボネ
ートを含む有機相と水相とを分液し、芳香族ポリカーボ
ネートを含む有機相を、必要に応じ、水または希薄アル
カリ水溶液により洗浄する。次に、希薄酸水溶液により
中和する。その際使用される酸は、塩酸、硫酸、燐酸等
の鉱酸等である。その後、実質的に電解質が存在しなく
なるまで、繰り返し水で洗浄する。そして、洗浄された
芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液から、公知の方
法により芳香族ポリカーボネートを回収する。
【0027】芳香族ポリカーボネートを回収する方法
は、蒸留または水蒸気蒸留により有機溶媒を除去する方
法、または芳香族ポリカーボネートを溶解しない有機溶
媒(貧溶媒)を芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液
に添加して、芳香族ポリカーボネートを固体状態とし、
得られた芳香族ポリカーボネートの有機溶媒スラリーか
らろ過等の方法により有機溶媒を分離する方法等があ
る。さらに具体的には、芳香族ポリカーボネートの有機
溶媒溶液から有機溶媒を蒸留除去し、芳香族ポリカーボ
ネートの有機溶媒溶液を飽和状態とすることにより芳香
族ポリカーボネートを結晶化させ、これを粉砕した後に
乾燥して含有する有機溶媒を除去する方法、芳香族ポリ
カーボネートの有機溶媒溶液から有機溶媒を除去しなが
ら加熱して、芳香族ポリカーボネートを溶融状態から直
接ペレット化する方法、芳香族ポリカーボネートの有機
溶媒溶液を温水中に供給して、有機溶媒を除去しながら
生成するゲル状物を粉砕する方法、芳香族ポリカーボネ
ートの有機溶媒溶液に貧溶媒または非溶媒、および水を
添加し、加熱濃縮し、固体状態の芳香族ポリカーボネー
トを水スラリーとして得る方法、芳香族ポリカーボネー
トの有機溶媒溶液を芳香族ポリカーボネートの粉体を含
む温水中に添加して有機溶媒を蒸発留去することにより
固体状態の芳香族ポリカーボネートを水スラリーとして
得る方法、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳
香族ポリカーボネートの粉体および貧溶媒を含む温水中
に供給しながら有機溶媒を蒸発留去し、固体状態の芳香
族ポリカーボネートを水スラリーとして得る方法等があ
る。貧溶媒または非溶媒の具体例は、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、オクタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族
炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエス
テル類等である。
【0028】本発明の方法により製造される芳香族ポリ
カーボネートは、単独で、または他のポリマーと混合し
て成形材料として使用することができる。他のポリマー
の具体例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリ
フルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
アセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシ
ベンゾイル系ポリエステル、ポリアリーレート、ポリス
ルフィド等である。
【0029】本発明の方法により製造される芳香族ポリ
カーボネートは、単独または他のポリマーと混合して、
芳香族ポリカーボネートの製造時または製造後に公知の
方法で、顔料、染料、加工および熱安定剤、酸化防止
剤、加水分解安定剤、耐衝撃安定剤、紫外線吸収剤、離
型剤、有機ハロゲン化合物、アルカリ金属スルホン酸
塩、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、硫酸バリウ
ム、TiO2 等の公知の添加剤を一種以上添加してもよ
い。本発明の方法により製造される芳香族ポリカーボネ
ートは、特定の有機溶媒(例えば、ジクロロメタン等の
ハロゲン化炭化水素系溶媒)に可溶であり、該有機溶媒
溶液よりフィルムのような成形加工品に加工することが
できる。本発明の方法により製造される芳香族ポリカー
ボネートは、熱可塑性であり、溶融物から射出成形、押
し出し成形、吹き込み成形、積層等の公知の成形法によ
り容易に成形加工することができる。また、本発明の方
法により製造される芳香族ポリカーボネートは、単独ま
たは他のポリマーと混合した状態で、所望により、上記
の添加剤を添加して、電気機器等のシャーシやハウジン
グ材、電子部品、自動車部品、ガラス代替えの建材、デ
ータ保存用ディスクまたはオーディオ用コンパクトディ
スク等の情報記録媒体の基盤、カメラまたは眼鏡のレン
ズ等の光学材料等に成形することが可能である。
【0030】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 ジャケット付きの3リットルのフラスコに液化したホス
ゲン4000g(クロロメタン濃度:100ppm、ク
ロロホルム濃度:100ppm)を入れた。ジャケット
温度を26℃とし、フラスコ内を1kg/cm2 に加圧し
て、ホスゲンを単蒸留した。初留を除去し、ホスゲン3
780g(クロロメタン濃度:26ppm、クロロホル
ム濃度:17ppm)を別のジャケット付きの3リット
ルのフラスコに得た。次いで、このホスゲンをさらに蒸
留精製した。8段の蒸留段数を有する充填式の蒸留塔を
取り付け、ジャケット温度を30℃とし、フラスコ内を
1kg/cm2 に加圧して、蒸留精製することにより、精製
ホスゲン3730g(クロロメタン濃度:1ppm以
下、クロロホルム濃度:1ppm以下)を得た。
【0031】この精製ホスゲンを使用して、芳香族ポリ
カーボネートを製造した。10リットルのバッフル付フ
ラスコに、三段六枚羽根の攪拌機および還流冷却管を取
り付けた。このフラスコに、ビスフェノールA912g
(4.0モル)、p−tert−ブチルフェノール20.7
g(ビスフェノールAに対して3.44モル%)、ジク
ロロメタン4リットル及び水4リットルを入れ、フラス
コ内の酸素を除去する為に窒素パージを行った。次に、
上記懸濁液にナトリウムハイドロサルファイト1.8g
および水酸化ナトリウム436g(10.91モル)の
水溶液1.5リットルを供給し、15℃でビスフェノー
ルAを溶解した。撹拌下、この混合物に精製ホスゲン4
67g(4.72モル)を30分間で供給した。その
後、トリエチルアミン0.32g(ビスフェノールAに
対して0.08モル%)を添加して60分間攪拌し、反
応を終結させた。その後、反応混合物を静置し、有機相
を分液し、塩酸により中和し、電解質が無くなるまで繰
り返し水で洗浄した。得られた芳香族ポリカーボネート
のジクロロメタン溶液にトルエン2リットルと水5リッ
トルを加え、98℃まで加熱し、ジクロロメタン及びト
ルエンを留去して、芳香族ポリカーボネートの粉体を得
た。以上の重合反応をさらに2回繰り返し、合計3回同
じ重合反応を行い、芳香族ポリカーボネートの粉体を得
た。
【0032】実施例2 ジャケット付きの3リットルのフラスコに液化したホス
ゲン4000g(クロロメタン濃度:100ppm、ク
ロロホルム濃度:100ppm)を入れた。これに10
段の蒸留段数を有する充填式の蒸留塔を取り付け、ジャ
ケット温度を25℃とし、フラスコ内を1kg/cm2 に加
圧して、ホスゲンを蒸留精製した。初留を除去し、精製
ホスゲン3740g(クロロメタン濃度:1.1pp
m、クロロホルム濃度:1ppm)を得た。この精製ホ
スゲンを使用して、実施例1と同様の操作により、芳香
族ポリカーボネートを製造した。
【0033】実施例3 ジャケット付きの3リットルのフラスコに液化したホス
ゲン4000g(クロロメタン濃度:100ppm、ク
ロロホルム濃度:100ppm)を入れた。このホスゲ
ンを、常圧下、ウィドマー分留管により、蒸留した。初
留を除去し、ホスゲン3770g(クロロメタン濃度:
7ppm、クロロホルム濃度:6ppm)を得た。この
ホスゲンを使用して、実施例1と同様の操作により、芳
香族ポリカーボネートを製造した。 実施例4 ジャケット付きの3リットルのフラスコに液化したホス
ゲン4000g(クロロメタン濃度:100ppm、ク
ロロホルム濃度:100ppm)を入れた。ジャケット
温度を26℃とし、フラスコ内を1kg/cm2に加圧
して、ホスゲンを単蒸留した。初留を除去し、ホスゲン
3780g(クロロメタン濃度:26ppm、クロロホ
ルム濃度:17ppm)を得た。このホスゲンを使用し
て、実施例1と同様の操作により、芳香族ポリカーボネ
ートを製造した。
【0034】実施例5 実施例1と同様の方法により得られた精製ホスゲンに、
クロロメタンおよびクロロホルムの含有量がそれぞれ4
0ppmとなるようにクロロメタンおよびクロロホルム
を添加し、実施例1と同様の操作により、芳香族ポリカ
ーボネートを製造した。 実施例6 実施例1と同様の方法により得られた精製ホスゲンに、
クロロメタンの含有量が100ppmとなるようにクロ
ロメタンを添加し、実施例1と同様の操作により、芳香
族ポリカーボネートを製造した。 実施例7 実施例1と同様の方法により得られた精製ホスゲンに、
クロロホルムの含有量が100ppmとなるようにクロ
ロホルムを添加し、実施例1と同様の操作により、芳香
族ポリカーボネートを製造した。
【0035】比較例1 クロロメタンの含有量およびクロロホルムの含有量がそ
れぞれ100ppmのホスゲンを蒸留せずに使用して、
実施例1と同様の操作により、芳香族ポリカーボネート
を製造した。 比較例2 実施例1と同様の方法により得られた精製ホスゲンに、
クロロメタンの含有量およびクロロホルムの含有量がそ
れぞれ100ppmとなるようにクロロメタンおよびク
ロロホルムを添加し、実施例1と同様の操作により、芳
香族ポリカーボネートを製造した。 比較例3 実施例1と同様の方法により得られた精製ホスゲンに、
クロロメタンの含有量およびクロロホルムの含有量がそ
れぞれ200ppmとなるようにクロロメタンおよびク
ロロホルムを添加し、実施例1と同様の操作により、芳
香族ポリカーボネートを製造した。
【0036】第1表(表1)に、各実施例および各比較
例における、ホスゲン中に含まれるクロロメタンの含有
量(ppm)、クロロホルムの含有量(ppm)、得ら
れた芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(M
w)、重量平均分子量のぶれ幅、および、芳香族ポリカ
ーボネートの1mmプレスシートのYI値を示した。な
お、測定方法は下記に示した通りである。 ・クロロメタンの含有量およびクロロホルムの含有量:
ガスクロマトグラフィー(島津製作所、GC−9A)に
より測定し、クロロメタンの含有量(ppm)およびク
ロロホルムの含有量(ppm)を求めた。 ・重量平均分子量および重量平均分子量のぶれ幅:芳香
族ポリカーボネート0.02gをクロロホルム10gに
溶解する。この溶液を、GPC〔ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー、昭和電工(株)社製、GPCシス
テム−11〕により測定し、重量平均分子量(Mw)を
求めた。重量平均分子量のぶれ幅は、各実施例および各
比較例の3回の重合反応のそれぞれの重量平均分子量を
測定し、最大のものと最小のものとの差として求めた。
この値が小さいほど、各バッチの重合反応の再現性がよ
く、分子量のぶれが小さいことを示している。 ・YI値:スガ試験機製の式差計により、透過測定法で
測定した。YI値は、その値が小さいほど、着色が少な
いことを表す。
【0037】
【表1】 以上の結果から、本発明の製造方法により、重合反応の
再現性がよく、分子量のぶれが小さい芳香族ポリカーボ
ネート、および/または色調の良好な芳香族ポリカーボ
ネートを好適に製造できることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明により、重合反応の再現性がよ
く、分子量のぶれが小さい芳香族ポリカーボネート、お
よび/または色調の良好な芳香族ポリカーボネートの製
造方法を提供することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 正勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスゲンを使用する芳香族ポリカーボネ
    ートの製造方法において、クロロメタンの含有量が50
    ppm以下および/またはクロロホルムの含有量が50
    ppm以下のホスゲンを使用することを特徴とする芳香
    族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 ホスゲンが、蒸留によって精製されたホ
    スゲンである請求項1記載の芳香族ポリカーボネートの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 ホスゲンが、充填式の蒸留塔によって蒸
    留精製されたホスゲンである請求項1または2記載の芳
    香族ポリカーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法により得られる芳香族ポリカーボネート。
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