JPH07197155A - TiAl系部材及びその製造方法 - Google Patents
TiAl系部材及びその製造方法Info
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- JPH07197155A JPH07197155A JP6285794A JP28579494A JPH07197155A JP H07197155 A JPH07197155 A JP H07197155A JP 6285794 A JP6285794 A JP 6285794A JP 28579494 A JP28579494 A JP 28579494A JP H07197155 A JPH07197155 A JP H07197155A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、これら問題を解決するためにな
されたもので、耐酸化性に優れた、高い寸法精度の金属
間化合物TiAlを主成分とする部材を提供するもの
で、更には、耐酸化性を改善するTiAlを主成分とす
る部材の表面処理方法を提供するものである。 【構成】 Ti及びAl以外の第3の元素を少なくと
も一つ含有するTiAl系部材であって、前記部材外表
面の第3の元素の含有量が、前記部材の内部の第3の元
素の含有量より多いことを特徴とするTiAl系部材で
ある。
されたもので、耐酸化性に優れた、高い寸法精度の金属
間化合物TiAlを主成分とする部材を提供するもの
で、更には、耐酸化性を改善するTiAlを主成分とす
る部材の表面処理方法を提供するものである。 【構成】 Ti及びAl以外の第3の元素を少なくと
も一つ含有するTiAl系部材であって、前記部材外表
面の第3の元素の含有量が、前記部材の内部の第3の元
素の含有量より多いことを特徴とするTiAl系部材で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属間化合物TiAl
(チタンアルミ)を主成分とする部材、更に詳しくは耐
酸化性に優れた金属間化合物TiAlを主成分とする部
材に関するものである。更に本発明は、金属間化合物T
iAlを主成分とする部材のその表面処理方法に関し、
さらに詳しくは耐酸化性を改善するTiAlを主成分と
する部材の表面処理方法に関するものである。
(チタンアルミ)を主成分とする部材、更に詳しくは耐
酸化性に優れた金属間化合物TiAlを主成分とする部
材に関するものである。更に本発明は、金属間化合物T
iAlを主成分とする部材のその表面処理方法に関し、
さらに詳しくは耐酸化性を改善するTiAlを主成分と
する部材の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiAl系部材は、一般の金属材料に比
べると靭性に劣るものの、セラミックスに比べると一桁
高い靭性値を有する。更に比重が小さいこと、高温での
強度に優れることから主として高温、高速で回転するガ
スタービン、ターボチャージャ等のタービン材を始めと
して高温構造材料として極めて有望である。しかし、T
iAl系部材は耐酸化性に劣るため、高温で使用したと
きに酸化スケールが厚く生成し、高温の大気中では実用
に耐えない。一般に金属材料は酸化雰囲気で用いた場
合、表面に酸化物層が生成する。多くの場合この酸化物
層が時間と共に成長し、母材を浸食する。すなわち酸化
腐食である。ところが場合によっては表面に薄い酸化物
層が生成してこれが保護被膜として作用し、母材の耐酸
化性を高めることがある。保護被膜として作用するもの
は例えばNiを母材に含有する場合のNiO、Alを含
有する場合のAl2O3 などである。TiAlの場合、
酸化雰囲気であっては母材表面にTiO2(ルチル)層
が生成し、その後TiO2+Al2O3 混合層が生成され
ることが知られている。このルチル層は保護被膜として
は作用しないため、TiAlの耐酸化性を低下させる原
因となっていた。そして近年、TiAlは耐酸化性に劣
るため、その耐酸化性向上について種々の方法が提案さ
れている。例えば表層に耐酸化性の優れたTiAl3 層
を被覆する方法(特開平1−111858号公報)や、
Si、Y、Nb、W、Moなどの第3の元素を添加する
方法(特公平1−29858号公報、特開平1−259
13号公報、特開平4−285138号公報)などが提
案されている。
べると靭性に劣るものの、セラミックスに比べると一桁
高い靭性値を有する。更に比重が小さいこと、高温での
強度に優れることから主として高温、高速で回転するガ
スタービン、ターボチャージャ等のタービン材を始めと
して高温構造材料として極めて有望である。しかし、T
iAl系部材は耐酸化性に劣るため、高温で使用したと
きに酸化スケールが厚く生成し、高温の大気中では実用
に耐えない。一般に金属材料は酸化雰囲気で用いた場
合、表面に酸化物層が生成する。多くの場合この酸化物
層が時間と共に成長し、母材を浸食する。すなわち酸化
腐食である。ところが場合によっては表面に薄い酸化物
層が生成してこれが保護被膜として作用し、母材の耐酸
化性を高めることがある。保護被膜として作用するもの
は例えばNiを母材に含有する場合のNiO、Alを含
有する場合のAl2O3 などである。TiAlの場合、
酸化雰囲気であっては母材表面にTiO2(ルチル)層
が生成し、その後TiO2+Al2O3 混合層が生成され
ることが知られている。このルチル層は保護被膜として
は作用しないため、TiAlの耐酸化性を低下させる原
因となっていた。そして近年、TiAlは耐酸化性に劣
るため、その耐酸化性向上について種々の方法が提案さ
れている。例えば表層に耐酸化性の優れたTiAl3 層
を被覆する方法(特開平1−111858号公報)や、
Si、Y、Nb、W、Moなどの第3の元素を添加する
方法(特公平1−29858号公報、特開平1−259
13号公報、特開平4−285138号公報)などが提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記TiAl
3 を被覆する方法は、酸化雰囲気で保護的Al2O3被膜
を形成するため、比較的良好な耐酸化性を有するが、下
記の課題を有する。被膜(TiAl3 )は基材(TiA
l)に比べてAl濃度が高いが、高温での使用中にAl
が基材中へと拡散浸透してしまい、被膜が徐々に薄くな
る。最悪の場合被膜が消失し、TiAl単相となる。こ
うなると酸化雰囲気で酸化作用によりTiO2(ルチ
ル)が生成し、いわゆる高温腐食が進行する。一方、T
iAl3 層を生成させるため、従来は、Al浸透法を用
いていた。これは通常Al粉、アルミナ粉と浸透促進剤
である塩化アンモニウム粉を混合してなるAl浸透材中
にTiAlを埋めこんで600℃〜1000℃、5〜1
5時間加熱することにより行なわれる。このAl浸透法
の問題点は、処理時間が長いため製造コスト上不利であ
ること、更にAl浸透層は処理面に対して垂直外方に成
長するため、角部を有する基材の場合、図6(a)に示
す様に角部4の被膜が極端に薄くなるか、あるいは図6
(b)の様に被膜にクラックが発生してしまうことであ
る。更に、高い寸法精度を要求される部材であっては、
Al浸透層は処理面に対して垂直外方に成長するため
に、Al浸透層を被覆後の部材の寸法を管理(制御)す
るのが困難であった。
3 を被覆する方法は、酸化雰囲気で保護的Al2O3被膜
を形成するため、比較的良好な耐酸化性を有するが、下
記の課題を有する。被膜(TiAl3 )は基材(TiA
l)に比べてAl濃度が高いが、高温での使用中にAl
が基材中へと拡散浸透してしまい、被膜が徐々に薄くな
る。最悪の場合被膜が消失し、TiAl単相となる。こ
うなると酸化雰囲気で酸化作用によりTiO2(ルチ
ル)が生成し、いわゆる高温腐食が進行する。一方、T
iAl3 層を生成させるため、従来は、Al浸透法を用
いていた。これは通常Al粉、アルミナ粉と浸透促進剤
である塩化アンモニウム粉を混合してなるAl浸透材中
にTiAlを埋めこんで600℃〜1000℃、5〜1
5時間加熱することにより行なわれる。このAl浸透法
の問題点は、処理時間が長いため製造コスト上不利であ
ること、更にAl浸透層は処理面に対して垂直外方に成
長するため、角部を有する基材の場合、図6(a)に示
す様に角部4の被膜が極端に薄くなるか、あるいは図6
(b)の様に被膜にクラックが発生してしまうことであ
る。更に、高い寸法精度を要求される部材であっては、
Al浸透層は処理面に対して垂直外方に成長するため
に、Al浸透層を被覆後の部材の寸法を管理(制御)す
るのが困難であった。
【0004】また一方、TiAlに第3元素を添加する
方法は、上記の様な問題は発生しないが、耐酸化性向上
効果はTiAl3で被覆した場合に及ばない。例えば、
900℃×100時間の酸化試験であって、TiAl3
で被覆した場合は、被覆しない場合に比べて2%以下に
酸化増量を低減できるが、第3元素を添加した場合のそ
れは約10〜50%程度である。本発明は、これら問題
を解決するためになされたもので、耐酸化性に優れた、
高い寸法精度の金属間化合物TiAlを主成分とする部
材を提供するもので、更には、耐酸化性を改善するTi
Alを主成分とする部材の表面処理方法を提供するもの
である。
方法は、上記の様な問題は発生しないが、耐酸化性向上
効果はTiAl3で被覆した場合に及ばない。例えば、
900℃×100時間の酸化試験であって、TiAl3
で被覆した場合は、被覆しない場合に比べて2%以下に
酸化増量を低減できるが、第3元素を添加した場合のそ
れは約10〜50%程度である。本発明は、これら問題
を解決するためになされたもので、耐酸化性に優れた、
高い寸法精度の金属間化合物TiAlを主成分とする部
材を提供するもので、更には、耐酸化性を改善するTi
Alを主成分とする部材の表面処理方法を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】その第1の手段は、Ti
及びAl以外の第3の元素を少なくとも一種を含有する
TiAl系部材であって、部材表面の第3の元素の含有
量が、部材内部の第3の元素の含有量より多いTiAl
系部材である。その第2の手段は、Ti及びAl以外の
第3の元素を少なくとも一種を含有する基材部上にAl
60〜70重量%を含有する被覆部を有するTiAl系
部材であって、被覆部の第3の元素の含有量が、基材部
の第3の元素の含有量より多いTiAl系部材である。
その第3の手段は、Ti及びAl以外の第3の元素を少
なくとも一種を含有するTiAl系部材であって、部材
表面の被覆部の厚さが角部と角部近傍とで近似している
TiAl系部材である。その第4の手段は、Ti及びA
l以外の第3の元素を少なくとも一種を含有する基材部
上にTiAl3からなる被覆部を有するTiAl系部材
であって、前記被覆部の第3の元素の含有量が、前記基
材部の第3の元素の含有量より多いTiAl系部材であ
る。その第5の手段は、Ti及びAl以外の第3の元素
を少なくとも一種を含有する部材を、前記基材のTiと
反応物を生成する雰囲気中で熱処理する表面処理された
TiAl系部材の製造方法である。
及びAl以外の第3の元素を少なくとも一種を含有する
TiAl系部材であって、部材表面の第3の元素の含有
量が、部材内部の第3の元素の含有量より多いTiAl
系部材である。その第2の手段は、Ti及びAl以外の
第3の元素を少なくとも一種を含有する基材部上にAl
60〜70重量%を含有する被覆部を有するTiAl系
部材であって、被覆部の第3の元素の含有量が、基材部
の第3の元素の含有量より多いTiAl系部材である。
その第3の手段は、Ti及びAl以外の第3の元素を少
なくとも一種を含有するTiAl系部材であって、部材
表面の被覆部の厚さが角部と角部近傍とで近似している
TiAl系部材である。その第4の手段は、Ti及びA
l以外の第3の元素を少なくとも一種を含有する基材部
上にTiAl3からなる被覆部を有するTiAl系部材
であって、前記被覆部の第3の元素の含有量が、前記基
材部の第3の元素の含有量より多いTiAl系部材であ
る。その第5の手段は、Ti及びAl以外の第3の元素
を少なくとも一種を含有する部材を、前記基材のTiと
反応物を生成する雰囲気中で熱処理する表面処理された
TiAl系部材の製造方法である。
【0006】ここで角部は、主に2面より形成される稜
線部であるが、その稜線部は、なめらかに連なっても、
鋭利に連なってもどちらでもよい。ここで、Ti及びA
l以外の第3の元素とは、不可避不純物ではなく、耐酸
化性を向上させる元素である。例えば、Si、Nb、
Y、W、Mo等である。この第3の元素は、その部材の
使用される条件に合わせ、1つでも複数でもよく適宜選
択する。前記基材のTiと反応物を生成する雰囲気と
は、TiAlのTiと反応して、表面のTiの含有量を
減らすことができれば、どのような雰囲気でもよい。そ
して、「還元性でかつ硫黄を含む雰囲気」とは、たとえ
ばH2S雰囲気、H2−H2S混合雰囲気などであり、H2
とS(硫黄)の割合は、TiAlと反応してTiSを生
成できれば、どのような割合でもよい。また、「熱処
理」とは、雰囲気成分とTiAlの反応が始まる温度以
上、TiAlの融点(1460℃)以下の温度で加熱す
ることをいう。安定した効果を得るためには800℃〜
1200℃程度が好ましく、特に好ましくは900℃〜
1100℃の範囲である。処理時間は温度により異なる
が、10分間以上が好ましい。
線部であるが、その稜線部は、なめらかに連なっても、
鋭利に連なってもどちらでもよい。ここで、Ti及びA
l以外の第3の元素とは、不可避不純物ではなく、耐酸
化性を向上させる元素である。例えば、Si、Nb、
Y、W、Mo等である。この第3の元素は、その部材の
使用される条件に合わせ、1つでも複数でもよく適宜選
択する。前記基材のTiと反応物を生成する雰囲気と
は、TiAlのTiと反応して、表面のTiの含有量を
減らすことができれば、どのような雰囲気でもよい。そ
して、「還元性でかつ硫黄を含む雰囲気」とは、たとえ
ばH2S雰囲気、H2−H2S混合雰囲気などであり、H2
とS(硫黄)の割合は、TiAlと反応してTiSを生
成できれば、どのような割合でもよい。また、「熱処
理」とは、雰囲気成分とTiAlの反応が始まる温度以
上、TiAlの融点(1460℃)以下の温度で加熱す
ることをいう。安定した効果を得るためには800℃〜
1200℃程度が好ましく、特に好ましくは900℃〜
1100℃の範囲である。処理時間は温度により異なる
が、10分間以上が好ましい。
【0007】
【作用】本願発明のTiAl系部材は、部材の表面に第
3の耐酸化性を向上させる元素が、部材の表面の内部よ
り多く存在するため、TiAl系部材の高靭性、低比
重、高温を維持しつつ、部材の表面の耐酸化性を向上さ
せることができる(図4)。 また、被覆部がAl60
〜70重量%又はTiAl3 からなるため、一層耐酸化
性が向上する(図4)。本願発明のTiAl系部材は、
被覆部の厚さが角部と角部近傍とで近似しているため、
一般的に酸化しやすい角部4でも酸化しにくい(図
1)。更に、表面のTiAl3 層は酸化雰囲気で表面に
Al2O3 層を生成し、ルチル層の生成はみられない。
従って、表面のAl2O3 被膜が保護被膜として作用
し、耐酸化性が向上するものである。
3の耐酸化性を向上させる元素が、部材の表面の内部よ
り多く存在するため、TiAl系部材の高靭性、低比
重、高温を維持しつつ、部材の表面の耐酸化性を向上さ
せることができる(図4)。 また、被覆部がAl60
〜70重量%又はTiAl3 からなるため、一層耐酸化
性が向上する(図4)。本願発明のTiAl系部材は、
被覆部の厚さが角部と角部近傍とで近似しているため、
一般的に酸化しやすい角部4でも酸化しにくい(図
1)。更に、表面のTiAl3 層は酸化雰囲気で表面に
Al2O3 層を生成し、ルチル層の生成はみられない。
従って、表面のAl2O3 被膜が保護被膜として作用
し、耐酸化性が向上するものである。
【0008】本願発明の製造方法は、短時間で、容易に
第3の元素の含有量を減少させることなくTiAl上に
TiAl3 を皮覆し、更に角部であっても均一な厚みを
有するTiAl3 を生成させ、耐酸化性に優れたTiA
l系部材を得ることができる。本願発明の製造方法は、
TiAlの表面に簡便にTiAl3 層を得ることがで
き、更に第3の元素の含有量を部材内部より部材外表面
の方を多くすること若しくは更に第3の元素の含有量を
減らすことなく、TiAlの耐酸化性を簡単に向上させ
ることができる。またTiの欠乏によりTiAl3 を生
成させるのであるから、TiAl3 の成長は基材表面に
対して垂直に内方へ進行する。このためAl拡散浸透法
でみられた角部の皮膜欠乏、クラック等の発生もなく、
良好な厚さの被膜を生成することができる。更に、部材
の寸法を管理(制御)し易い。還元性硫化雰囲気で熱処
理すると、Tiが選択的に表面に拡散して硫化し、表面
にTi硫化物(TiS)5(反応物)が生成される(図
2、図3)。この結果TiAl基材部表面近傍ではTi
が欠乏し、基材の内側よりAlが見かけ上移動し、Ti
Al3 3が生成される。また、表面にTiS層が付着し
たままだと実用に適さないが、TiSは脆く、密着も弱
いので簡単に除去できる。例えば単純形状であればサン
ドペーパーで磨く、また複雑形状であればサンドブラス
トなどで表面の硫化物を除去することができる。中間組
成層6は、TiAl基材部のAl36重量%からTiA
l3 被覆部Al60重量%に至る中間組成であり、Al
36重量%〜60重量%の合金層である。図2及び図3
のTiSの左側は、試料観察のために使用する埋め込み
樹脂7である。また、被覆部が基材表面より内側に生成
されていくため、部材の寸法管理が容易で、寸法精度の
要求の高い部材を得るのに好適である。
第3の元素の含有量を減少させることなくTiAl上に
TiAl3 を皮覆し、更に角部であっても均一な厚みを
有するTiAl3 を生成させ、耐酸化性に優れたTiA
l系部材を得ることができる。本願発明の製造方法は、
TiAlの表面に簡便にTiAl3 層を得ることがで
き、更に第3の元素の含有量を部材内部より部材外表面
の方を多くすること若しくは更に第3の元素の含有量を
減らすことなく、TiAlの耐酸化性を簡単に向上させ
ることができる。またTiの欠乏によりTiAl3 を生
成させるのであるから、TiAl3 の成長は基材表面に
対して垂直に内方へ進行する。このためAl拡散浸透法
でみられた角部の皮膜欠乏、クラック等の発生もなく、
良好な厚さの被膜を生成することができる。更に、部材
の寸法を管理(制御)し易い。還元性硫化雰囲気で熱処
理すると、Tiが選択的に表面に拡散して硫化し、表面
にTi硫化物(TiS)5(反応物)が生成される(図
2、図3)。この結果TiAl基材部表面近傍ではTi
が欠乏し、基材の内側よりAlが見かけ上移動し、Ti
Al3 3が生成される。また、表面にTiS層が付着し
たままだと実用に適さないが、TiSは脆く、密着も弱
いので簡単に除去できる。例えば単純形状であればサン
ドペーパーで磨く、また複雑形状であればサンドブラス
トなどで表面の硫化物を除去することができる。中間組
成層6は、TiAl基材部のAl36重量%からTiA
l3 被覆部Al60重量%に至る中間組成であり、Al
36重量%〜60重量%の合金層である。図2及び図3
のTiSの左側は、試料観察のために使用する埋め込み
樹脂7である。また、被覆部が基材表面より内側に生成
されていくため、部材の寸法管理が容易で、寸法精度の
要求の高い部材を得るのに好適である。
【0009】
【実施例】表1に示す組成の合金を真空アーク溶解で作
成した。尚、組成均質化のため、真空中で1100℃×
50時間の均質化焼鈍を行なった。得られたインゴット
から10mm×10mm×1mmの試験片を切り出し、
酸化試験片とした。これをH2 −H2 S混合ガス(混合
比はH2 S10体積%)気流中で1000℃×4時間保
持して熱処理を行った。なお、生成した硫化物はサンド
ペーパーで除去した。
成した。尚、組成均質化のため、真空中で1100℃×
50時間の均質化焼鈍を行なった。得られたインゴット
から10mm×10mm×1mmの試験片を切り出し、
酸化試験片とした。これをH2 −H2 S混合ガス(混合
比はH2 S10体積%)気流中で1000℃×4時間保
持して熱処理を行った。なお、生成した硫化物はサンド
ペーパーで除去した。
【表1】 このようにして得られた試験片を大気中で900℃×1
00時間保持し、前後の重量を測定して酸化増量を測定
した。尚、比較例として、実施例と同一のインゴットか
ら採取して上記処理をしないものについても同様に酸化
試験を行った。また、酸化試験終了後、実施例の試験片
を切断し、断面の元素分布をEPMA(電子プローブマ
イクロアナライザ)にて測定した。Ti−Al2元合金
の未処理の試験片(No.16)は、酸化増量が極めて
大きく、第3元素を添加した試験片(No.11〜No.
16)も大きな酸化増量を示した。一方、硫化処理した
試験片は、酸化(No.1〜No.6)増量が著しく低下
しており、また第3元素を添加した硫化処理した試験片
は、更に酸化増量が少ないことがわかる。No.1〜N
o.6結果を図5(1)〜(6)に示す。いずれも外層
部でAl濃度が高くなっており、定量分析の結果TiA
l3 相であることが確認できた。また、第3元素の濃度
も外層部で高くなっており、これが耐酸化性向上に寄与
した。また試料端部を観察、分析したところ、TiAl
3 相は角部でも均一に生成されており、皮膜の欠乏、脱
落、クラック等は認められなかった。
00時間保持し、前後の重量を測定して酸化増量を測定
した。尚、比較例として、実施例と同一のインゴットか
ら採取して上記処理をしないものについても同様に酸化
試験を行った。また、酸化試験終了後、実施例の試験片
を切断し、断面の元素分布をEPMA(電子プローブマ
イクロアナライザ)にて測定した。Ti−Al2元合金
の未処理の試験片(No.16)は、酸化増量が極めて
大きく、第3元素を添加した試験片(No.11〜No.
16)も大きな酸化増量を示した。一方、硫化処理した
試験片は、酸化(No.1〜No.6)増量が著しく低下
しており、また第3元素を添加した硫化処理した試験片
は、更に酸化増量が少ないことがわかる。No.1〜N
o.6結果を図5(1)〜(6)に示す。いずれも外層
部でAl濃度が高くなっており、定量分析の結果TiA
l3 相であることが確認できた。また、第3元素の濃度
も外層部で高くなっており、これが耐酸化性向上に寄与
した。また試料端部を観察、分析したところ、TiAl
3 相は角部でも均一に生成されており、皮膜の欠乏、脱
落、クラック等は認められなかった。
【0010】
【発明の効果】本発明により、耐酸化性に優れた、高い
寸法精度の金属間化合物TiAlを主成分とする部材を
得ることができ、更には、耐酸化性を改善するTiAl
を主成分とする部材の表面処理方法を得ることができ
る。
寸法精度の金属間化合物TiAlを主成分とする部材を
得ることができ、更には、耐酸化性を改善するTiAl
を主成分とする部材の表面処理方法を得ることができ
る。
【図1】本願発明のTiAl系部材の断面模式図であ
る。
る。
【図2】本願発明のTiAl系部材の断面をEPMA
(電子プローブマイクロアナライザ)にて測定した金属
組織の写真図である。
(電子プローブマイクロアナライザ)にて測定した金属
組織の写真図である。
【図3】図2の模式図である。
【図4】本願発明のTiAl系部材におけるTiとAl
の分布を表すグラフである。
の分布を表すグラフである。
【図5】実施例No.1〜No.6のTiとAlの分布を
表すグラフである。
表すグラフである。
【図6】従来のAl浸透法で表面処理したTiAl系部
材の断面模式図である。
材の断面模式図である。
1 TiAl系部材 2 基材部(TiAl),部材内部 3 被覆部(TiAl3 ,Al60〜70重量%のTi
Al金属間化合物)部材表面 4 角部(2面より形成される稜線部) 5 Ti硫化物(TiS) 6 中間組成層
Al金属間化合物)部材表面 4 角部(2面より形成される稜線部) 5 Ti硫化物(TiS) 6 中間組成層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正也 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 Ti及びAl以外の第3の元素を少なく
とも一種を含有するTiAl系部材であって、部材表面
の第3の元素の含有量が、部材内部の第3の元素の含有
量より多いことを特徴とするTiAl系部材。 - 【請求項2】 Ti及びAl以外の第3の元素を少なく
とも一種を含有する基材部上にAl60〜70重量%を
含有する被覆部を有するTiAl系部材であって、被覆
部の第3の元素の含有量が、基材部の第3の元素の含有
量より多いことを特徴とするTiAl系部材。 - 【請求項3】 Al60〜70重量%を含有する被覆部
の厚さが、TiAl系部材の角部と角部近傍とで近似し
ていることを特徴とする請求項2記載のTiAl系部
材。 - 【請求項4】 Ti及びAl以外の第3の元素を少なく
とも一種を含有するTiAl系部材であって、部材表面
の被覆部の厚さが角部と角部近傍とで近似していること
を特徴とするTiAl系部材。 - 【請求項5】 Ti及びAl以外の第3の元素を少なく
とも一種を含有する基材部上にTiAl3からなる被覆
部を有するTiAl系部材であって、前記被覆部の第3
の元素の含有量が、前記基材部の第3の元素の含有量よ
り多いことを特徴とするTiAl系部材。 - 【請求項6】 TiAl3からなる被覆部の厚さが、T
iAl系部材の角部と角部近傍とで近似していることを
特徴とする請求項5記載のTiAl系部材。 - 【請求項7】 Ti及びAl以外の第3の元素を少なく
とも一種を含有する部材を、前記部材のTiと反応物を
生成する雰囲気中で熱処理することを特徴とする表面処
理されたTiAl系部材の製造方法。 - 【請求項8】 基材のTiと反応物を生成する雰囲気中
が、還元性でかつ硫黄を含む雰囲気中であることを特徴
とする請求項7記載の表面処理されたTiAl系部材の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6285794A JPH07197155A (ja) | 1993-08-27 | 1994-08-26 | TiAl系部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5-235331 | 1993-08-27 | ||
| JP23533193 | 1993-08-27 | ||
| JP6285794A JPH07197155A (ja) | 1993-08-27 | 1994-08-26 | TiAl系部材及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07197155A true JPH07197155A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=26532057
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6285794A Pending JPH07197155A (ja) | 1993-08-27 | 1994-08-26 | TiAl系部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07197155A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000045973A1 (en) * | 1999-02-02 | 2000-08-10 | Metal Casting Technology, Incorporated | Passivated titanium aluminide tooling |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP6285794A patent/JPH07197155A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000045973A1 (en) * | 1999-02-02 | 2000-08-10 | Metal Casting Technology, Incorporated | Passivated titanium aluminide tooling |
| US6283195B1 (en) * | 1999-02-02 | 2001-09-04 | Metal Casting Technology, Incorporated | Passivated titanium aluminide tooling |
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