JPH07198901A - プラスチックレンズ用ポリエステル樹脂 - Google Patents

プラスチックレンズ用ポリエステル樹脂

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JPH07198901A
JPH07198901A JP35193493A JP35193493A JPH07198901A JP H07198901 A JPH07198901 A JP H07198901A JP 35193493 A JP35193493 A JP 35193493A JP 35193493 A JP35193493 A JP 35193493A JP H07198901 A JPH07198901 A JP H07198901A
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JP
Japan
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bis
fluorene
resin
hydroxyethoxy
acid
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JP35193493A
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English (en)
Inventor
Michiaki Fuji
通昭 藤
Kenji Yao
健二 八百
Mitsuhisa Igarashi
光永 五十嵐
Mina Kubo
三奈 久保
Kazuro Sakurai
和朗 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い屈折率を持ち、耐熱性があり、光学異方性
が小さく、しかも成形性に優れるプラスチックレンズ用
ポリエステル樹脂を提供する。 【構成】芳香族ジカルボン酸またはそのジエステル誘導
体と一般式(1) 【化1】 (R1 は炭素数2から4のアルキレン基、R2 、R3
4 、及びR5 は水素または炭素数1から4のアルキル
基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
なっていてもよい)で示されるジヒドロキシ化合物と、
エチレングリコ−ルを代表例とする脂肪族ジオ−ルとを
共重合したポリエステル重合体であって、屈折率が1.
60以上のプラスチックレンズ用ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐熱性に優
れ、光学的異方性が小さく、成形性が優れており、さら
に高屈折率のプラスチックレンズ用ポリエステル材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックはその軽量性、割れ難さ、
安全性から光学製品に広く用いられている。従来、プラ
スチックレンズの材料として、視力矯正用レンズとして
は、ジエチレングリコールアリルカーボネート樹脂(C
R−39)等の熱硬化性樹脂が使用されている。また熱
可塑性樹脂も成形技術の進歩と供に、需要が伸びてお
り、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリスチレン等が使用されている。
【0003】ジエチレングリコールアリルカーボネート
を用いたレンズは光学的異方性が小さく、表面硬度高く
また安全性が高いので眼鏡用によく使用されているが、
屈折率が1.50とガラスに比べ屈折率が小さく、同じ
度数のレンズを作ろうすると、レンズ厚みが厚くなる欠
点がある。ポリメチルメタクリレートも光学異方性が小
さくよく利用されている樹脂だが、屈折率が1.49と
小さく、また吸湿性が大きく、湿度変化に対して、屈折
率の変化が大きく、耐熱性も比較的低く使用が制限され
る場合があった。この様な欠点を改善する事を目的にメ
チルメタクリレートの側鎖に嵩高く、疎水性の置換基を
有するメタクリレートモノマーを共重合する等の方法が
数多く報告されているが、未だプラスチックレンズとし
て使用するには、成形性、吸水性、経済性で満足できる
ものではなかった。
【0004】ポリカーボネートは、屈折率1.59と比
較的大きく、耐熱性に優れ、吸湿性は比較的小さく、レ
ンズ、光ディスクに用いられているが、溶融粘度が高
く、成形時に歪が残り易い。またベンゼン環が分子配向
を起こし易く、成形後に複屈折が生じ易いという欠点が
ある。この欠点を解決する為に、分子量を小さくして溶
融粘度を低下させて成形性を向上させたり、分子配向を
軽減させる目的で、側鎖にベンゼン環をもつポリスチレ
ンとのブロック共重合をしたり、側鎖にベンゼン環を有
するモノマーを用いる等の方法が開示されている。しか
し、成形樹脂の強度低下や相分離の為に光学的な不均一
性が生じ易かったり、流動性が改善せれなかったりで必
ずしも満足し得るものではなかった。
【0005】側鎖に芳香環をもつ化合物として、9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを用いた
技術が開示されている。ポリエステルとしてはテレフタ
ル酸、イソフタル酸との重合体をその酸クロリド法から
得ることが米国特許第3、546、165号明細書に示
されている。このものの成形性を改良するものとして、
特公平4−22931号公報には9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレンとテレフタル酸、イソフ
タル酸及び脂肪酸とを特定の比率で混合したものを用い
た耐熱性ポリエステルが示されている。可溶性耐熱ポリ
アリレ−トの製造方法が特開昭63−152622号公
報に、また9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレンと、テレフタル酸及びイソフタル酸との特定組
成比との共重合体の特定粘度の材料について特開昭57
−192432号公報、特開昭62ー292830号公
報に示されている。またこの9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレンとテレフタル酸、イソフタル
酸、及び脂肪族ジカルボン酸との混合物とを用いたポリ
エステルも示されている。
【0006】しかし、これらは全て9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンを用いるのであって、
その際の重合方法も特殊条件が必要である。即ち9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの両端に
はフェノ−ル性基があるために、脂肪族アルコ−ルとは
異なり、非常に反応させにくく、その為溶融重合法では
より高温度での反応条件が必要で、得られるポリマ−の
熱分解が生じやすくなり、着色し、品質低下となる。ま
た、ジカルボン酸の側の末端基を酸クロリドにした後
に、溶媒中にて脱塩酸の重合方法を用いる条件では、均
一な反応が困難で、その為分子量分布の大きいものが一
般的に得られると言われており、また大量に必要な触媒
化合物の後処理も必要となるなど、製造方法が複雑とな
り、コストアップとなる。また種々の改良にもかかわら
ず、得られる材料はガラス転移点が高すぎ、射出成形が
しにくく成形性は未だ満足とは言えない。
【0007】さらに、特開平5−25268号公報では
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレンを用い、ポリエーテルの共重合体が開示
されている。屈折率が大きく、耐衝撃強度の改善を図っ
ているが、未だ満足できる物ではない。また、製造工程
が溶液重合法であり、溶媒除去等工程が多く、さらに製
造原料に、ジハロメタンを使用しており、できた樹脂中
にハロゲン化合物が残留し易く、除去工程が必要で、工
程が複雑となりコストアップとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる従
来技術の諸欠点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定の構
造を有するポリエステル重合体を見いだし、本発明を完
成したものであって、その目的とするところは、透明性
に優れており、実用上十分な耐熱性を有し、光学的異方
性が小さく、成形性、寸法安定性に優れ、高屈折率を保
有し生産性に優れたプラスチックレンズを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の欠点
を解決する為検討を重ねた結果本発明を完成させた。即
ち、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体と一般式(1)
【化2】 (R1は炭素数2から4のアルキレン基、R2、R3
4、及びR5は水素または炭素数1から4のアルキル
基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
なっていてもよい)で示されるジヒドロキシ化合物と、
炭素原子数が2から4の脂肪族グリコールからなる実質
的に線状のポリエステル重合体であって、屈折率が1.
60以上である事を特徴とするプラステチックレンズ材
料に関するものである。以下、本発明を詳しく説明す
る。
【0010】本発明のプラスチックレンズ材料は、ガラ
ス転移温度(Tg)が90℃〜160℃、極限粘度が
0.3以上の重合度であり、その溶融体の流動性は優れ
ている。用途に応じて9,9−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]フルオレン類の組成を変える
ことで、適正な成形体とすることができる。
【0011】前記ポリエステルの一般式(1)
【化3】 で表されるジヒドロキシ化合物を共重合成分として使用
することが本発明の鍵となる部分である。これを用いる
ことでポリエチレンテレフタレ−ト樹脂の成形性を損な
わずに耐熱性を向上させ、光学的異方性を低減させるこ
とを見いだした。特に後者については、フルオレン部分
と2つのフェノ−ル基との相対的特殊な分子構造に起因
すると考えられる。全ジヒドロキシ成分に対してこの成
分が10モル%より少ないと、成形体が熱により変形し
やすくなり、耐熱性が不十分であり、光学的異方性も大
きく、屈折率も1.60未満となり、成形体の安定性も
低下する。
【0012】また、本発明のポリエスエル重合体はフェ
ノール60重量%、1,1,2,2,−テトラクロロエ
タン40重量%の混合溶液中、20℃で測定した極限粘
度が0.3以上であり、好ましくは0.3〜0.6であ
る。極限粘度が0.3未満では成形品の機械的強度が不
十分となる。しかし、極限粘度が0.3以上であれば十
分な機械的強度を有する成形品が得られる。極限粘度が
大きくなるほど成形時に応力歪や分子配向し易くなるた
め、0.6以上になると成形品の複屈折が大きくなり易
い。かかる目的とする極限粘度を有するポリエステル重
合体は、分子量調節剤、重合時間、重合温度等の重合条
件を調節する事により容易に得られる。
【0013】本発明のポリエステル重合体に供する芳香
族ジカルボン酸またはそのアルキルエステル、フェノー
ルエステルの様なエステル形成性誘導体となるジカルボ
ン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2、6ー
ナフタレンジカルボン酸、1、8ーナフタレンジカルボ
ン酸、1、4ーナフタレンジカルボン酸、1、2ーナフ
タレンジカルボン酸、1、3ーナフタレンジカルボン
酸、1、5ーナフタレンジカルボン酸、1、6ーナフタ
レンジカルボン酸、1、7ーナフタレンジカルボン酸、
2、3ーナフタレンジカルボン酸、2、7ナフタレンジ
カルボン酸、2、2’ービフェニルジカルボン酸、3、
3’ービフェニルジカルボン酸、4、4’ービフェニル
ジカルボン酸、9、9ービス(4ーカルボキシフェニレ
ン)フルオレン等の芳香族ジカルボン酸またはそのエス
テル形成性誘導体が挙げられる。それぞれ単独で用いて
も良いし、必要に応じて2種以上用いても良い。これら
の中でもテレフタル酸、イソフタル酸、2、6ーナフタ
レンジカルボン酸、4、4’ービフェニルジカルボン酸
が好適に用いられる。特にテレフタル酸、イソフタル酸
が光学特性の面からさらに好適に用いられる。また必要
に応じて、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカ
メチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体を少なくとも1種以上を全酸成
分の10モル%を限度として小量併用することができ
る。
【0014】本発明において、一般式(1)で表される
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、 9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3,5−ジエチルフェニル]フルオレン、9,9−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフ
ェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソ
プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニ
ル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3,5−ジ−n−ブチルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3−イソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブ
チルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フ
ェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)
フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレ
ン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジフェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフ
ェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル]フルオレン9,9−ビス[4−(4−ヒ
ドロキシブトキシ)フェニル]フルオレン 等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合
わせて使用しても良い。これらの中でも9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
ンが光学特性、成形性の面から好ましい。
【0015】9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]フルオレンは、例えば、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンにエチレンオキ
サイド(以下、EO)を付加して得られる。この際、フ
ェノールの両水酸基にエチレンオキサイドが1分子づつ
付加した2EO付加体(9,9−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)の他に、さら
に数分子過剰に付加した、3EO付加体、4EO付加体
等の不純物が含まれる事がある。3EO、4EOなどの
不純物が多くなると、ポリエステル重合体の耐熱性を低
下させる事になる。このときの2EO付加体の純度は8
5%以上有れば良いが、好ましくは95%以上である。
【0016】本発明において、脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1、2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1、5ーペンタンジオール、1、4ーペンタンジオー
ル、1、3ーペンタンジオール等のグリコール類、シク
ロヘキサンジメタノール、シクロペンタンジメタノール
等の脂環族ジメタノール類が挙げられるが、中でもエチ
レングリコール、1,4−ブチレングリコールが好まし
く、特にエチレングリコールが耐熱性の面から好まし
い。また、これらは単独でもよく、また2種以上を組み
合わせて用いても良い。
【0017】また、必要に応じて1、1−ビス[4ー
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−フェニル
エタン等の主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキシ
化合物、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]スルフォン等の主鎖に芳香環と硫黄を有する化合
物、あるいはその他のジヒドロキシ化合物を少なくとも
1種以上を全ジオール成分の10モル%を限度として併
用することができる。
【0018】本発明のポリエステル重合体は、例えば、
エステル交換法、直接重合法等の溶融重合法、溶液重合
法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択し
て製造できる。またその際の重合触媒等の反応条件につ
いても従来通りで良く、公知の方法を用いる事ができ
る。
【0019】本発明のポリエステル重合体を溶融重合法
のエステル交換法で製造するには、一般式(1)で表さ
れるジヒドロキシ成分は樹脂中のグリコール成分の10
から95モル%であることが好ましい。これが、95モ
ル%より多くなると、溶融重合反応が進まなかったり重
合時間が著しく長くなる等の問題を生じる場合がある。
95モル%より多い場合は、溶液重合法または界面重合
法で製造することができる。
【0020】本発明のプラスチックレンズ材料は、成形
する目的により滑剤、耐熱剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、顔料、酸化防止剤等を配合することができる。ま
た、本発明のプラスチックレンズ用ポリエステル樹脂を
製造する際、原料の投入工程を初め、重合工程、重合体
をペレット状にする工程、射出成形やシート状あるいは
フィルム状に成形する工程等、塵埃が混入しないように
留意することが好ましい。このような場合は、通常コン
パクトディスク(以下CDと呼ぶ)用の場合はクラス1
000以下、更に高度な情報記録用の場合はクラス10
0以下が好ましい。
【0021】本発明のプラスチックレンズ用ポリエステ
ル樹脂は非晶性であるので、透明性に優れ、またガラス
転移温度が90℃以上と耐熱性に優れており、更に、優
れた溶融粘度特性を有するので成形加工性に優れ、成形
加工時に残留応力歪、分子配向が起こりにくい上、たと
えそれらが残存していても光学異方性が極めて少ないと
いう特性を有している。従って、プラスチックレンズ材
料として極めて有用で且つ良く適合する樹脂である。
【0022】本発明におけるプラスチックレンズは、射
出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法等の方法により
得る事ができる。成形に際してはこれらの成形法からよ
り適合する成形法を選択すれば良い。
【0023】プラスチックレンズの成形には射出圧縮成
形法や射出成形法がよく適合し、樹脂温度、金型温度、
保持圧力等の成形条件を適正に選定することにより、プ
ラスチックレンズの複屈折が小さく且つ、成形歪の小さ
い。このような成形条件は、組成、重合度等により一概
に規定できないが、金型温度は熱変形温度付近が好まし
く、従って70℃以上130℃である。また、樹脂温度
は270℃以上360℃以下が好ましい。270℃未満
では、樹脂の流動性と転写性が悪くなり、成形性時に応
力歪が残り複屈折を大きくする。また360℃を越える
と樹脂の熱分解が起こり易く、成形品の強度低下、着色
の原因となったり、金型鏡面を汚したり、離型性が悪く
なったりすることがあるので好ましくない。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例における共重合体の極限粘度、ガラス転移温
度、複屈折率、全光線透過率は以下に示す方法で測定し
た。
【0025】1.極限粘度 フェノール60重量%、1,1,2,2,−テトラクロ
ロエタン40重量%の混合溶液50mlに共重合体0.
15〜0.5gを80℃で溶解後、20℃で粘度を測定
し決定した。
【0026】2.ガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電気DSC−8230)に試料約
10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱し
て測定した。JIS K 7121-1987で定義されて
いる様にして、ガラス転移温度Tmgを求めた。
【0027】3.複屈折率 カールツアイス社製偏光顕微鏡にて、セラルモン、ベレ
ック、ブレースケラー式コンペンセーターを装着し、5
46nmの単色光で測定した。測定片は樹脂を260〜
300℃で溶融、押し出し成形で、直径30mm、厚さ
1mmの円盤状の試験片を作製し、さらにその成形試験
片を160〜240℃でプレス成形し、厚み80〜15
0μのフィルムを得た。得られたフィルムを4×40m
mの短冊状に切り出し、測定試験片を得た。Tmg+1
0℃の温度で測定試験片を20%/secで40%延伸
後、急冷し、延伸フィルムを得た。これらのフィルムの
複屈折率を測定した。
【0028】レンズの作成 直径30mm肉厚2から4mmの球面凸レンズを射出成
形で作成し、肉眼で外観を判断した。
【0029】実施例1 テレフタル酸ジメチルエステル 55mol、10.6
8kg、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]フルオレン 38.5mol、16.8
8kg、エチレングリコール 116mol、7.2k
gを原料とし、触媒として、酢酸カルシルム 0.09
1mol、15.99gを用い、これらを反応槽に投入
し、攪拌しながら常法に従って190℃から230℃に
徐々に加熱してエステル交換反応を行った。所定量のメ
タノールを系外へ抜き出した後、重合触媒である酸化ゲ
ルマニウム 0.066mol、6.9gと、着色を防
止するため、リン酸トリメチルエステル 0.1mo
l、14gとを投入して、昇温と減圧を徐々に行い、発
生するエチレングリコールを抜きながら、加熱槽温度を
280℃、真空度を1Torr以下に到達させる。この
条件を維持し、粘度の上昇を待ち、所定の撹拌トルクに
到達後(約2時間後)反応を終了し、反応物を水中に押
し出してペレットを得た。
【0030】この共重合体の諸物性を表1に示す。この
樹脂を290℃で溶融成形して、円盤上のサンプルを得
た後、220℃でプレスし、厚さ120μのフィルムを
得た。144℃で延伸を行うと複屈折率は25×10-4
であった。
【0031】実施例2〜4 原料組成比を変えた他は実施例1と同様にした結果を表
1に示す。いずれも均一透明なものが得られた。
【0032】比較例1 テレフタル酸ジメチルエステル 120mol、23.
3kg、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]フルオレン 6mol、2.63kg、
エチレングリコール 252mol、15.6kgを原
料とし、酢酸カルシウム 0.198mol、34.9
g、酸化ゲルマニウム 0.144mol、15.1
g、リン酸トリメチルエステル 0.218mol、3
0.5gとした他は、実施例1と同様にして反応を行い
ポリマーを得た。この物質の評価結果は表1に示した
が、Tmgが低く耐熱性が良くないのでレンズには適し
ていない事がわかった。
【0033】比較例2 テレフタル酸ジメチルエステル 104mol、20.
2kg、イソフタル酸ジメチルエステル 26mol、
5kg、エチレングリコール 273mol、16.9
kg、酢酸カルシルム 0.215mol、37.8
g、酸化ゲルマニウム 0.156mol、16.3
g、リン酸トリメチルエステル 0.234mol、3
3.1gとした他は実施例1と同様にしてペレットを得
た。このポリマ−の評価結果を表1に示したが、Tmg
が低く、耐熱性がよくない。また、複屈折が大きく、レ
ンズには適していないことが分かった。
【0034】比較例3 実施例1に於いて、撹拌トルクが低い時点(1Torr
に到達後約30分)で反応を終了し、反応物を水中に押
し出したがペレットにならなかった。この樹脂の極限粘
度を測定したところ、0.25であった。このようなペ
レットは、比較例2で示したと同様に本発明の目的には
適していない。なお更に比較例としては、市販されてい
るポリカ−ボネ−ト(三菱化成工業(株)製ノバレック
スAD3)を用いて実施例1と同様にしてフィルムを作
成して複屈折を評価した結果とレンズを成形した結果を
表1に示した。これらの実施例と比較例との比較により
本発明品が光学的に透明で、且つ複屈折が小さく、屈折
率が大きく、耐熱性、成形性などの点で優れていること
が分かった。
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のプラスチック
レンズ用ポリエステル重合体は、屈折率が1.60以上
と大きく、透明性、耐熱性が良く、光学的異方性が小さ
く、成形性、寸法安定性、耐薬品性に優れており産業上
有用なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
    形成性誘導体と10mol%以上の一般式(1) 【化1】 (R1は炭素数2から4のアルキレン基、R2、R3
    4、及びR5は水素または炭素数1から4のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
    なっていてもよい)で示されるジヒドロキシ化合物と、
    炭素原子数が2から4の脂肪族グリコールからなる実質
    的に線状のポリエステル重合体であって、屈折率が1.
    60以上である事を特徴とするプラステチックレンズ用
    ポリエステル樹脂。
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