JPH0720140A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH0720140A
JPH0720140A JP5188854A JP18885493A JPH0720140A JP H0720140 A JPH0720140 A JP H0720140A JP 5188854 A JP5188854 A JP 5188854A JP 18885493 A JP18885493 A JP 18885493A JP H0720140 A JPH0720140 A JP H0720140A
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JP
Japan
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angular velocity
vibrating body
oscillator
velocity sensor
vibration
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Application number
JP5188854A
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English (en)
Inventor
Tadahiko Kobayashi
忠彦 小林
Isao Sakai
勲 酒井
Tomoki Funayama
知己 船山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で精密に角速度を検出できる実用的な角
速度センサを提供する。 【構成】 希土類金属と遷移金属との金属間化合物を主
相とする超磁歪材料からなる振動体11と、振動体11
に磁界を印加して磁歪により振動を発生させる駆動コイ
ル12と、振動体11に角速度が加わったときの振動変
化に相当する磁化変化を検出する検出コイル13a,1
3b及び検出回路とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動体として超磁歪材料
を用いた角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から角速度の検出には多くの方式が
実用化されている。例えば、圧電型、導電型、歪ゲージ
型、半導体ゲージ型などの方式が挙げられる。これらの
うちでも、圧電セラミックを用いた角速度センサは、構
造が簡単であることから、各種機械の振動検出に広く使
用されている。
【0003】図11を参照して従来の圧電型角速度セン
サについて説明する。この角速度センサは、高弾性金属
材料からなる4角柱状の振動体1の4つの側面に、それ
ぞれ短冊状の圧電素子2を接着した構造を有する。この
角速度センサでは、互いに対向する2対の圧電素子2の
うち、一方の圧電素子2対に駆動信号を印加し、これに
よって振動体1を屈曲振動させる。いま、図中矢印で示
すようにこの振動体1の軸を中心として回転角速度が加
わると、振動体1の振動方向に直交する方向にコリオリ
力が生じる。この結果、無回転時の振動方向と比較し
て、回転角速度に見合う新たな振動の作用によって振動
体1の振動方向にずれが生じる。この新たな振動成分
を、他方の圧電素子2対によって検知する。なお、図1
1に示したもの以外にも、スペイリ音叉型又はワトソン
音叉型などの角速度センサもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の圧電型
角速度センサには、以下のような種々の欠点がある。す
なわち、この角速度センサは構造的には振動体に圧電素
子を接着したものであるため、小型化が困難である、再
現性が悪い、振動体と圧電素子との熱膨張係数の差に起
因して温度変動が生じるなどの問題がある。また、圧電
素子に接続されたリード線から電圧を印加して動作させ
る必要があるため、リード線を通じて振動漏洩が生じ、
角速度を精密に検出することができない。さらに、圧電
素子自体に関しても、動作させるために高電圧を要す
る、電極の作製に煩雑な工程が必要となる、材質が脆い
などの問題がある。本発明は上記問題点を解決するため
になされたものであり、小型で精密に角速度を検出でき
る実用的な角速度センサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の角速度センサ
は、希土類金属と遷移金属との金属間化合物を主相とす
る超磁歪材料からなる振動体と、前記振動体に磁界を印
加して磁歪により振動を発生させる手段と、前記振動体
に角速度が加わったときの振動変化に相当する磁化変化
を検出する手段とを具備したことを特徴とするものであ
る。
【0006】本発明に用いられる超磁歪材料を構成する
希土類金属−遷移金属系の金属間化合物としては、磁歪
量が大きい希土類・鉄系ラーベス相金属間化合物が好ま
しい。希土類・鉄系ラーベス型金属間化合物は、100
0ppmを超える飽和磁歪(λs )を有することが報告
されている(特公昭61−33892号など)。このよ
うな超磁歪材料は、一般的に下記(I)式で表される。
【0007】 RFez (I) (RはYを含む希土類金属すなわちLa,Ce,Pr,
Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Lu,Yからなる群より選択される少
なくとも1種であり、1.5≦z≦2.5を満足す
る)。本発明に用いられる超磁歪材料では、Feの一部
をCoで置換してもよい。Feの一部をCoで置換する
と、低温での使用が可能になり、また耐食性も改善でき
る。ただし、磁歪特性の観点から、CoによるFeの置
換量は95at%以下であることが好ましい。
【0008】また、Feの一部をMnで置換してもよ
い。Feの一部をMnで置換すると、高磁界から低磁界
までの広い磁界領域で大きな磁歪値を示す。Mnによる
Feの置換量は0.5〜50at%であることが好まし
い。置換量が0.5at%未満では添加効果がなく、置
換量が50at%を超えるとキュリー温度が低下して実
用温度領域での磁歪特性が劣化する。
【0009】さらに、Feの一部を、Ni,Mg,A
l,Ga,Zn,V,Zr,Hf,Ti,Nb,Cu,
Ag,Sn,Mo,Cr,Ta,Pd,In,Sb,I
r,Pt,Au,Pb,Si,Ge,B,P,Cなどの
元素で置換してもよい。これらの元素は、材料強度、耐
食性、飽和磁歪、電気機械結合係数などの向上又は弾性
率の調整を目的として添加される。これらの元素による
Feの置換量は、Mnによる置換量との合計で0.5〜
50at%であることが好ましい。置換量が0.5at
%未満では添加効果がなく、置換量が50at%を超え
ると磁歪値などの特性が劣化する。
【0010】希土類金属とFeとの原子比zは、1.5
≦z≦2.5に設定される。1.5未満又は2.5を超
えると、磁歪特性を担うラーベス相が減少するため十分
な磁歪特性が得られない。zは1.7≦z≦2.2の範
囲がより好ましい。(I)式で表される超磁歪材料のう
ちでも、磁歪が大きく保磁力の小さいものは下記(II)式
で表される。
【0011】 R1-x Zrx (Fe1-y Mny z (II) (RはYを含む希土類元素のうち少なくとも1種、0.
005≦x≦0.5、0.005≦y≦0.5、1.5
≦z≦2.5)。Zrは保磁力を低下させる効果を有す
る。なお、Sc,Hfを用いてもZrと同様の効果が得
られることから、同程度の量まで添加してもよい。xが
0.005未満では添加効果が得られず、xが0.5を
超えると磁歪量が低下する。Mnの作用及びy、zの限
定理由は前記の通りである。
【0012】表1に、(II)式で表される超磁歪材料(N
o.1〜10)と(II)式の範囲外の超磁歪材料(No.
11〜16)とについて、保磁力などの特性をまとめて
示す。
【0013】
【表1】
【0014】また、(I)式で表される超磁歪材料のう
ちでも、特に良好な磁歪特性を有するものは下記(III)
式で表される。 Tb1-a Dya (Fe1-y Mny z (III) ここで、0.3≦a≦0.7より好ましくは0.5≦a
≦0.6、0.005≦y≦0.5より好ましくはyは
0.1近傍、1.5≦z≦2.5より好ましくは1.7
≦z≦2.2さらに好ましくは1.9≦z≦1.95で
ある。
【0015】本発明において、超磁歪材料からなる振動
体の形状は、円筒形、又は3角柱・4角柱・多角柱など
の角柱形でもよいが、特に振動の発生及び検出が容易な
コの字型又は十字型が好ましい。コの字型の振動体は、
2つの脚部を屈曲振動するように節(連結部)を設けて
連結したものとみなすことができる。十字型の振動体
は、2つの軸を屈曲振動するように節(連結部、交点)
を設けて連結したものとみなすことができる。
【0016】本発明において、振動体に磁界を印加して
磁歪により振動させる手段としては、例えば振動体の一
部の周囲に非接触で設けられた駆動コイル及びこの駆動
コイルに接続された交流電源が用いられる。なお、線電
流によって発生する周回磁界により振動体を駆動するよ
うにしてもよい。本発明において、振動体に角速度が加
わったときの振動変化に相当する磁化変化を検出する手
段としては、例えば振動体の一部の周囲に非接触で設け
られた検出コイル及びこの検出コイルに接続された検出
回路が用いられる。
【0017】駆動コイル及び検出コイルとしては、ソレ
ノイドコイル、平面コイルなどが用いられる。検出回路
は、同期検波回路、ブリッジ回路、整流回路などの回路
で構成される。コの字型振動体に対しては、例えば節
(連結部)の周囲に駆動コイルを、脚部の周囲に検出コ
イルを配置する。また、2個のコの字型振動体を振動が
伝わるように互いに重ねて、一方のコの字型振動体の周
囲に駆動コイルを、他方のコの字型振動体の周囲に検出
コイルを配置してもよい。十字型振動体に対しては、例
えば一方の軸の周囲に駆動コイルを、他方の軸の周囲に
検出コイルを配置する。
【0018】以下、本発明の角速度センサの動作を説明
する。まず、振動体の一部の周囲に非接触で配置された
駆動コイルに所定周波数の交流電流を印加して振動体を
励磁する。超磁歪材料からなる振動体は、磁歪効果によ
り屈曲振動するので、これを基本振動とする。いま、振
動体に回転角速度が加わると、それに対応してコリオリ
力が発生し、振動体の振動は基本振動からずれる。この
ような振動変化が生じると、振動体の一部の周囲に非接
触で配置された検出コイルには逆磁歪効果によりインピ
ーダンス変化が生じる。この変化量を検出回路により電
気信号に変換する。ここで得られた信号の振幅及び位相
差により角速度の大きさあるいは方向を識別することが
できる。
【0019】本発明の角速度センサにおいては、コの字
型又は十字型の振動体に、希土類磁石、フェライト磁
石、金属磁石などにより磁気バイアスを加えてもよい。
このような構成では、磁歪と磁界(電流)との関係が直
線的でありかつ最大磁歪率を示す領域で振動体を動作さ
せることができるため、センサ特性の直線性及びセンサ
感度が向上する。
【0020】本発明の角速度センサは、以下に説明する
ように、圧電型角速度センサで生じる各種の問題を容易
に回避できる。まず、本発明の角速度センサでは、屈曲
振動時の共振周波数を低減したり、振動体を小さくする
ことができるという利点がある。ここで、棒状の振動体
が縦振動する場合の共振周波数は、下記の式で与えられ
る。
【0021】ω=(iπ/l)×(E/ρ)1/2 上式において、ωは振動数、iは振動の次数、lは長
さ、Eは材料の弾性率、ρは密度である。超磁歪材料の
弾性率(E=2〜3×1010N/m2 )は、圧電材料の
弾性率(E=7×1010N/m2 )に比べ約1/2〜1
/3の小さい値である。上式からもわかるように、Eが
小さいと振動数を低減でき、実用的な周波数帯域で動作
させることができる。逆に、振動数を一定にした場合、
棒状の振動体の長さを短くすることができるため、全体
を小型化することができる。
【0022】また、低インピーダンスのコイルを用いて
振動を発生させるため低電圧駆動が可能である。駆動コ
イル及び検出コイルが振動体に非接触であるため、リー
ド線を通じた振動漏洩を絶縁することができ、検出精度
を向上することができる。振動体に圧電素子を接着する
ような工程がなくなるため、製作工程を簡略化でき、再
現性も高い。圧電素子の場合のように、振動体との熱膨
張差に起因する温度変動も解消できる。さらに、超磁歪
材料は圧電材料に比べ、機械強度にも優れている。
【0023】なお、本発明に用いられる超磁歪材料は、
一般的に磁歪の異方性が大きい。そこで、高性能の素子
を得るためには、超磁歪材料の結晶方位を制御し、素子
の動作方向と大きな磁歪値が得られる結晶方位とを一致
させることが好ましい。本発明の素子に関しては、振動
発生方向が超磁歪材料の<111>〜<110>の範囲
になるように動作させることが好ましい。これは、超磁
歪材料の磁化容易軸方向及び磁歪による変形方向が<1
11>であることによる。超磁歪材料の結晶方位を制御
するために、浮遊帯域溶解法(Floating Zo
ne法)(特開昭62−109946号公報、米国特許
4609402号明細書)や、改良ブリッジマン法(特
開昭63−242442号公報、ヨーロッパ公開特許2
82059)を用いてロッドを作製する方法が知られて
いる。
【0024】しかし、これらの方法によって作製された
超磁歪ロッドは、保磁力(Hc)が大きく、素子に組み
込んだときの変位特性のヒステリシスが大きいため、微
小変位の制御性や周波数特性などに劣っている。この材
料系での保磁力増加の原因は、結晶粒界や異相などの介
在物でのピン止めによるものである。また、浮遊帯域溶
解法で得られる超磁歪合金の最大ロッド径は10mmが
限界であり、大型化が困難である。さらに、ブリッジマ
ン法ではルツボ内で合金を溶解するため、合金とルツボ
との反応を回避することが困難であり、しかも量産化に
適していない。
【0025】以上のような問題を解決するためには、超
磁歪材料に最適な熱処理を施すことが考えられる。例え
ば、超磁歪材料を共晶温度以上かつ融点未満の温度に加
熱して所定時間保持した後、500℃/h以下の冷却速
度で徐冷する方法を好ましく用いることができる。この
熱処理方法についてさらに説明する。
【0026】まず、所望の組成が得られるように各構成
元素を調合し、高周波誘導溶解などにより溶解する。得
られたインゴット、又はインゴットから切削加工などに
より適当な形状に加工した試料を、その合金の共晶温度
以上、融点未満の温度まで速やかに加熱して所定時間保
持する。このときの保持時間は、0.01〜500hが
好ましい。その後、500℃/h以下の冷却速度で徐冷
する。冷却速度は200℃/h以下がより好ましい。こ
れらの熱処理は、真空中、又は窒素、アルゴンなどの不
活性ガス雰囲気中で施すことが好ましい。
【0027】このような熱処理が施された超磁歪材料は
保磁力が著しく低下する。これは以下に示すように保磁
力増加の原因となる異相などの介在物を除去でき、かつ
結晶粒成長により結晶粒界を減少できるためである。ま
ず、共晶温度以上に加熱すると、異相などの介在物を除
去できる。加熱温度が共晶温度未満であると、異相など
の介在物を除去することができない。しかも、後の徐冷
工程においても、これらの介在物が結晶粒成長を阻害す
るため、所望の効果が得られない。次に、500℃/h
以下の冷却速度で徐冷すると結晶粒が成長するため、保
磁力増加の原因となる結晶粒界が相対的に減少する。な
お、冷却速度が500℃/hよりも速い場合には、十分
な結晶粒成長が起こらない。
【0028】以下、この熱処理方法の具体例を説明す
る。まず、アルミナるつぼを使用しアルゴン雰囲気中で
高周波誘導溶解を行い、共晶温度が890℃であるDy
Fe2を作製した。この合金を、アルゴンガス中で共晶
温度以上の温度である1000℃に加熱して1時間保持
した後、100℃/h、200℃/h、500℃/h、
又は1000℃/hの冷却速度で冷却した。この後、5
mm径、1mm厚さに切り出して、保磁力測定用の試料
を作製した。各試料について、振動試料型磁力計を用い
て磁化−磁界曲線を測定し、保磁力を求めた。これらの
結果を図9に示す。図9から、冷却速度が500℃/h
以下の場合には、10〜30Oeの低保磁力を示すこと
がわかる。比較のために、DyFe2 合金の加熱温度を
共晶温度未満の温度である750℃とした以外は、前記
と同様な実験を行った。これらの結果を図10に示す。
図10から、加熱温度が共晶温度未満である場合には、
冷却速度にかかわらず80〜120Oeと保磁力が高い
ことがわかる。
【0029】また、別の熱処理として、所望の組成を有
する多結晶超磁歪合金インゴットを作製し、融点未満の
温度範囲で20℃/cm以上の温度勾配を有する炉中に
おいて、合金インゴットと加熱炉との相対的な移動速度
を5〜400mm/hに設定して相対移動させて冷却す
る方法を用いてもよい。熱処理条件を規定した理由は以
下の通りである。加熱温度が融点以上ではルツボとの反
応が生じる。また、温度勾配が20℃/cm未満では合
金インゴットと加熱炉との相対的な移動速度を5mm/
h未満の低速にしなければならず、生産性に問題が生じ
る。合金インゴットと加熱炉との相対的な移動速度が5
mm/h未満では生産性に問題が生じ、一方400mm
/hを超えると結晶方位を制御することができない。こ
の方法では、ルツボを用いずに加熱炉中で合金インゴッ
トの片端又は両端を固定して保持してもよいし、安価な
ルツボ材料を選択したりルツボを再利用することもでき
る。
【0030】なお、合金インゴットとして、500℃以
上、融点未満の温度範囲で押出加工、引き抜き加工、圧
延などの塑性変形加工を施したものを用いてもよい。ま
た、合金インゴットを金属パイプに入れ、両者を同時に
塑性変形加工したものを用いてもよい。この場合、被覆
用の金属パイプとしては、加工温度以上の融点を有する
金属又は合金(例えばステンレスなど)を用いる。塑性
変形加工の温度については、500℃未満では十分な塑
性変形能が得られず、融点以上では合金の形状を保てな
くなる。より好ましい温度範囲は、800〜1200℃
である。このように塑性変形加工を施すと結晶粒が微細
化し、引き続き熱処理を施すと結晶粒が粗大化するの
で、結晶方位の制御が容易になる。また、塑性変形加工
を複数回行うことにより、大きな形状のインゴットから
細いワイヤー状のロッドを作製することも可能となる。
なお、塑性変形加工及び熱処理は、真空中又はアルゴ
ン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好
ましい。
【0031】以下、この熱処理方法の具体例を説明す
る。 例1:原子比でTb0.4 Dy0.6 (Fe0.95Mn0.05
1.93となるように、各元素を配合し、アルゴン雰囲気中
でアルミナルツボを使用して高周波誘導溶解した後、石
英ルツボに鋳込むことにより、外径15mm、長さ20
0mmの合金ロッドを得た。得られた合金ロッドをアル
ミナルツボ中に保持し、1130℃から980℃の範囲
の温度勾配を50℃/cmとした加熱炉中を70mm/
hの速度で下降させた。熱処理後の合金ロッドを7mm
の立方体に加工し、室温下で歪みゲージを用いてロッド
軸方向とその直交方向の磁歪特性を評価した。磁界は対
極型磁石により発生させ、2kOe磁界での磁歪(λ
2kOe)を測定した。その結果、ロッド軸方向では950
ppm、その直交方向では380ppmという低い値で
あり、磁歪の異方性が大きい合金ロッドを得ることがで
きた。
【0032】例2:原子比でTb0.5 Dy0.5 (Fe
0.9 Mn0.1 1.95となるように、各元素を配合し、ア
ルゴン雰囲気中でアルミナルツボを使用して高周波誘導
溶解した後、カーボンヒーターにより1100℃に加熱
した内径30mmのアルミナ鋳型中に鋳造し、さらに冷
却板に水冷銅板を使用して炉冷することにより、合金イ
ンゴットを得た。得られた超磁歪インゴットを加工温度
1080℃、圧力4トン/cm2 で熱間押出加工して、
直径10mmの超磁歪合金ロッドを得た。得られた合金
ロッドの下端を保持して、1150℃から1000℃の
範囲の温度勾配を70℃/cmとした加熱炉中を100
mm/hの速度で下降させた。熱処理後の合金ロッドを
6mmの立方体に加工し、室温下で歪みゲージを用いて
押し出し軸方向とその直交方向の磁歪特性を評価した。
磁界は対極型磁石により発生させ、2kOe磁界での磁
歪(λ2kOe)を測定した。その結果、押し出し軸方向で
は1050ppm、その直交方向では350ppmとい
う低い値であり、磁歪の異方性が大きい合金ロッドを得
ることができた。
【0033】以上のような熱処理方法では、比較的大型
の合金インゴットを用いても、これを溶融しないのでル
ツボとの反応を避けることができ、しかも結晶方位を制
御することができる。なお、超急冷技術により得られる
超磁歪材料の箔体を用いてもよい。この場合、非晶質化
元素としてB,P,C,Siなどを含む組成が好まし
い。
【0034】以上のような方法により得られた超磁歪材
料は、角速度センサ以外にも、各種磁気−機械変位変換
デバイスに応用できる。例えば、磁歪振動子としてスピ
ーカー、ソナー、パーツフィーダー、超音波加工機、モ
ーターの除振・防振機構などへの応用、変位制御アクチ
ュエータとして精密位置決め機構、バルブ制御弁、機械
スイッチ、マイクロポンプ、プリンタヘッドなどへ応
用、磁歪センサとして圧力センサ、ノックセンサ、音圧
センサなどへの応用、さらに表面弾性波応用素子への応
用などが考えられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 図1に本実施例における角速度センサの斜視図、図2に
この角速度センサの回路のブロック図を示す。
【0036】図1において、角速度センサを構成するコ
の字型振動体11は、Tb0.3 Dy0.7 Fe1.9 なる組
成の超磁歪材料からなっており、ブリッジマン法により
製造した<112>配向の棒状合金から、ダイヤモンド
加工により成形したものである。コの字型振動体11の
2つの脚部を連結する連結部の周囲には駆動コイル12
が、2つの脚部の周囲には検出コイル13a,13b
が、それぞれ非接触で巻回されている。
【0037】図2に示すように、駆動コイル12は発振
回路14に接続され、発振回路14は同期検波回路17
に接続されている。検出コイル13a,13bは、それ
ぞれ増幅器15a,15bに接続されている。これらの
増幅器15a,15bは差動増幅器16に接続され、さ
らに差動増幅器16は同期検波回路17に接続されてい
る。
【0038】この角速度センサの動作を説明する。発振
回路14により駆動コイル12へ約10V程度の交流電
圧を印加し、駆動コイル12より発生する励磁界を振動
体11に与えてこれを屈曲振動させる。また、発振器1
4から同期検波回路17へ、位相の基準となる参照信号
を直接供給する。このように振動体11が振動している
ので、振動体11の脚部においては逆磁歪効果によって
磁化が生じる。この磁化に応じた信号が検出コイル13
a,13bに接続された増幅器15a,15bで増幅し
て検出され、両者の信号の差が差動増幅器16で増幅さ
れ、さらにこの信号が同期検波回路17で同期整流され
る。
【0039】上記の説明からわかるように、振動体11
に回転角速度が加わっていない場合には、両方の検出コ
イル13a,13bからの信号は相殺されて出力は生じ
ない。一方、屈曲振動している振動体11に、例えば図
中矢印で示すような鉛直軸回りの回転角速度が加わる
と、振動体11の脚部の振動方向に直交する方向にコリ
オリ力が生じる。この結果、脚部の振動方向が基本振動
方向からずれ、このずれに起因して脚部に働く応力が変
化し、さらに逆磁歪効果によって生じる磁化が変化す
る。したがって、検出コイル13a,13bにおけるイ
ンピーダンス変化が回転角速度に対応する出力として得
られる。
【0040】なお、図1では駆動コイルとしてソレノイ
ドコイルが用いたが、その代わりに図3に示すように線
電流18によって発生する周回磁界を用いても同様の効
果が得られる。ただし、この構成では、ソレノイドコイ
ルを用いた場合と比較して、約10倍の電流が必要とな
る。
【0041】実施例2 図4に本実施例における角速度センサの分解斜視図を示
す。図4の角速度センサにおいては、板状のサマリウム
・コバルト磁石22の上に、第1及び第2のコの字型振
動体11及び21が順次重ねて載せられている。これら
のコの字型振動体11,21は、Tb0.4 Dy0.6 (F
0.9 Mn0.1 1.95なる組成の超磁歪材料からなって
おり、ブリッジマン法により製造した<110>配向の
棒状合金から、ダイヤモンド加工により成形したもので
ある。第1のコの字型振動体11の2つの脚部の周囲に
は駆動コイル12a,12bが非接触で巻回され、第2
のコの字型振動体21の2つの脚部の周囲には検出コイ
ル13a、13bが非接触で巻回されている。板状のサ
マリウム・コバルト磁石22は、振動体に磁気バイアス
を加えるために設けられている。磁気バイアスは、振動
体が磁歪率最大の領域で動作するように、予め最適値に
設定されている。
【0042】この角速度センサでは、駆動コイル12
a,12bで第1のコの字型振動体11を屈曲振動さ
せ、この振動を第2のコの字型振動体21に伝えてこれ
を屈曲振動させ、回転角速度が加わることによって第2
のコの字型振動体21に生じる振動変化を検出コイル1
3a,13b及び実施例1と同様な検出回路により回転
角速度に対応する出力として得る。また、サマリウム・
コバルト磁石22により振動体にバイアス磁界を加えて
いるので、磁歪と磁界(電流)との関係が直線的であり
かつ最大磁歪率を示す領域で動作させることができ、セ
ンサ特性の直線性及びセンサ感度が向上する。
【0043】実施例3 図5に本実施例における角速度センサの斜視図図、図6
にこの角速度センサの回路のブロック図を示す。図5に
おいて、角速度センサを構成する十字型振動体31は、
Tb0.35Dy0.65(Fe0.9 Mn0.05Al0.051.93
る組成の超磁歪材料からなっており、ブリッジマン法に
より製造した<112>配向の棒状合金をダイヤモンド
加工により0.1mm厚さにスライスした後、十字型に
成形したものである。十字型振動体31の一方の軸の周
囲には駆動コイル32a,32bが、他方の軸の周囲に
は検出コイル33a,33bが、それぞれ非接触で巻回
されている。
【0044】図6に示すように、駆動コイル32a,3
2bは発振回路34に接続され、発振回路34は同期検
波回路37に接続されている。検出コイル33a,33
bは、それぞれ増幅器35a,35bに接続されてい
る。これらの増幅器35a,35bは差動増幅器36に
接続され、さらに差動増幅器36は同期検波回路37に
接続されている。
【0045】この角速度センサでは、発振回路34によ
り駆動コイル32a,32bへ約10V程度の交流電圧
を印加し、駆動コイル32a,32bより発生する励磁
界を振動体31に与えてこれを屈曲振動させる。また、
発振器34から同期検波回路37へ、位相の基準となる
参照信号を直接供給する。いま、屈曲振動している振動
体31に回転角速度が加わると、振動体31の振動方向
に直交する方向にコリオリ力が生じる。この結果、振動
体31の振動方向が基本振動方向からずれ、このずれに
起因して振動体31に働く応力が変化し、さらに逆磁歪
効果によって生じる磁化が変化する。したがって、検出
コイル33a,33bにおけるインピーダンス変化が回
転角速度に対応する出力として得られる。
【0046】なお、図5では駆動コイルとしてソレノイ
ドコイルが用いたが、その代わりに図7に示すように線
電流38によって発生する周回磁界を用いても同様の効
果が得られる。ただし、この構成では、ソレノイドコイ
ルを用いた場合と比較して、約10倍の電流が必要とな
る。
【0047】実施例4 図8に本実施例における角速度センサの分解斜視図を示
す。図8の角速度センサにおいては、2つの板状のサマ
リウム・コバルト磁石43,43の上に、十字型振動体
41とこれを保持する枠体42とを一体化したもの、及
び十字型振動体41に対応して平面型駆動コイル52
a,52bと平面型検出コイル53a,53bとが形成
されたポリイミドフィルム44が順次重ねて載せられて
いる。十字型振動体41及び枠体42は、Tb0.5 Dy
0.5 (Fe0.9 Mn0.1 1.95なる組成の超磁歪材料か
らなっており、ブリッジマン法により製造した<110
>配向の棒状合金をダイヤモンド加工により0.1mm
厚さにスライスした後、レーザー加工により成形したも
のである。平面型駆動コイル52a,52b及び平面型
検出コイル53a,53bの形状は、スパイラル状、矩
形状、ミアンダー状のいずれでもよく、半導体プロセス
により作製される。
【0048】この角速度センサでは、平面型駆動コイル
52a,52bにより十字型振動体42のX方向の軸を
振動させ、平面型検出コイル53a,53b及び実施例
3と同様な検出回路によりY方向の軸の振動変化を回転
角速度に対応する出力として得る。また、サマリウム・
コバルト磁石43,43により振動体41にバイアス磁
界を加えているので、磁歪と磁界(電流)との関係が直
線的でありかつ最大磁歪率を示す領域で動作させること
ができ、センサ特性の直線性及びセンサ感度が向上す
る。さらに、この角速度センサでは、十字型振動体41
の交点41aの質量を最適化することにより、振動を増
大させたり、共振周波数を可変にできる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、小
型で精密に角速度を検出できる実用的な角速度センサを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における角速度センサの斜視
図。
【図2】本発明の実施例1における角速度センサの回路
を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例1の角速度センサの変形例の斜
視図。
【図4】本発明の実施例2における角速度センサの分解
斜視図。
【図5】本発明の実施例3における角速度センサの斜視
図。
【図6】本発明の実施例3における角速度センサの回路
を示すブロック図。
【図7】本発明の実施例3の角速度センサの変形例の斜
視図。
【図8】本発明の実施例4における角速度センサの分解
斜視図。
【図9】本発明に係る熱処理方法で熱処理された超磁歪
合金の保磁力を示す特性図。
【図10】他の熱処理方法で熱処理された超磁歪合金の
保磁力を示す特性図。
【図11】従来の圧電型角速度センサの斜視図。
【符号の説明】
11、21…コの字型振動体、12,12a,12b,
32a,32b…駆動コイル、13a,13b,33
a,33b…検出コイル、14,34…発振回路、15
a,15b,35a,35b…増幅器、16,36…差
動増幅器、17,37…同期検波回路、22,43…サ
マリウム・コバルト磁石、31,41…十字型振動体、
42…枠体、44…ポリイミドフィルム、52a,52
b…平面型駆動コイル、53a,53b…平面型検出コ
イル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属と遷移金属との金属間化合物
    を主相とする超磁歪材料からなる振動体と、前記振動体
    に磁界を印加して磁歪により振動を発生させる手段と、
    前記振動体に角速度が加わったときの振動変化に相当す
    る磁化変化を検出する手段とを具備したことを特徴とす
    る角速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記振動体が、コの字型形状を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記振動体が、十字型形状を有すること
    を特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
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