JPH07205183A - 樹脂製の摺動部品 - Google Patents

樹脂製の摺動部品

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JPH07205183A
JPH07205183A JP107994A JP107994A JPH07205183A JP H07205183 A JPH07205183 A JP H07205183A JP 107994 A JP107994 A JP 107994A JP 107994 A JP107994 A JP 107994A JP H07205183 A JPH07205183 A JP H07205183A
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heat
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molding
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Keiji Kamimura
敬二 上村
Kunio Maeda
邦夫 前田
Hiroshi Kataoka
紘 片岡
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摺動特性に優れたガラス繊維及び/又は無機
質充填材強化樹脂成形品からなる摺動部品を提供する。 【構成】 断熱層で被覆した金型が用いられて、ガラス
繊維及び/又は無機質充填材を5〜60重量%配合した
熱可塑性樹脂が射出成形して成形された樹脂製の摺動部
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製の軸受、ピ
ストン、ベアリング、スライドスイッチ及び歯車等の、
樹脂と金属または樹脂、樹脂同志の樹脂製の摺動部品に
係る。
【0002】
【従来の技術】軸受、ピストン、ベアリング、歯車等の
摺動部品は、これまで金属でつくられるものが多かった
が、近年これをガラス繊維(以後GFと略称)及び/又
は無機充填材(以下MFと略称)強化樹脂でつくられる
ものが増加してきた。また、スライドスイッチの絶縁体
には、これまでフェノ−ル樹脂等の熱硬化性樹脂が使用
されていたが、加工上の利点からGF及び/又はMFで
強化された熱可塑性樹脂が使用され始めている。
【0003】これらGF及び/又はMF強化樹脂の射出
成形品は、一般に表面が粗面となり、特にGF及び/又
はMF含量が多いものは著るしい粗面となり、その結
果、摺動性が悪くなる。成形品表面を平滑にするため、
成形条件を種々変化させることが行われている。成形さ
れるときの要因の中で成形品表面の平滑に最も大きな影
響のあるのは金型温度であり、金型温度が高いもの程好
ましい。しかし、金型温度が高いと、可塑化された樹脂
の冷却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下が
る。
【0004】このため、金型温度を高くしないで表面の
再現性が良いもの、又、金型温度を高くしても冷却時間
が長くしなくてもよい樹脂製の摺動部品が要求されてい
る。金型に加熱用、冷却用の孔をそれぞれとりつけてお
き交互に熱媒、冷媒を流して金型の加熱、冷却を繰り返
す方法も行われているが、この方法は熱の消費量も多
く、冷却時間が長くなる。
【0005】金型キャビティを形成する型壁面を熱伝導
率の小さい物質で被覆することにより金型表面再現性を
良くする方法が、米国特許第3544518号明細書に
射出成形について開示されている。押出ブロー成形につ
いても、同様に型壁面を熱伝導率の小さい物質で被覆す
る方法が、米国特許第5041247号明細書に開示さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
が平滑で、経済的な、GF及び/又はMF強化樹脂の射
出成形された、摺動特性が良好な摺動部品を提供しよう
とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
金属からなる主金型の金型キャビティを構成する型壁面
を熱伝導率が0.002cal/cm・sec・℃以下
の耐熱性重合体からなる断熱層で0.01〜2mm厚に
被覆した金型が用いられ、ガラス繊維及び/又は無機充
填材が5〜60重量%配合された熱可塑性樹脂が射出成
形されて形成されたことを特徴とする樹脂製の摺動部
品、であり、更に本発明は、摺動部品の摺動部を形成す
る金型の型壁面のみを断熱層で被覆した金型が用いられ
て成形された上記の樹脂製の摺動部品、である。
【0008】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明で用いられるGF及び/又はMF強化樹脂は、一般
に摺動部品に使用されるGF及び/又はMF強化樹脂で
ある。本発明に用いられるGFは、従来公知のものが広
く使用されているチョップドストランド等であり、種類
もE−GF(無アルカリガラス繊維)C−GF(含アル
カリガラス繊維)など、いずれの種類でも可能である。
【0009】また、本発明で用いられるMFは、マグネ
シウム、アルミニウム、ケイ素、カリウム、カルシウ
ム、チタン等の酸化物、炭酸塩、硅酸塩、硫酸塩などい
ずれの種類でも可能である。GF及び/又はMFの添加
量は、5〜60重量%(全組成物基準)で、この範囲で
必要に応じて選択できる。5重量%以下では添加効果が
ないし、60重量%以上は添加することが困難になる。
好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは10〜3
0重量%であり、この範囲の組成物が、性能、成形性等
から最も良好に使用できる。
【0010】GFは通常に使用される直径のものが使用
でき、例えぱ、5〜50μmの直径のGFが使用でき
る。特に好ましくは5〜15μmのGFである。また、
MFは粒径0.1〜20μmのものが使用できる。さら
にGFまたはMFは樹脂と密着している程、本発明のG
FまたはMF強化樹脂からなる樹脂製の摺動部品の性能
は良くなり好ましい。GFまたはMFと樹脂との密着性
を良くするため、表面を、ビニルシラン、アミノシラ
ン、クロム化合物等の一般に使用される表面処理剤で処
理することは有効である。
【0011】GFまたはMFを加える合成樹脂として
は、各種熱可塑性樹脂が使用できるが、特に好ましくは
ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリフェ
ニレンサルファイド等の一般にエンジニアリングプラス
チックと云われている樹脂である。特にナイロン6、ナ
イロン66、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレ
ンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレ−トは良好
に使用できる。
【0012】本発明に述べる金属からなる主金型は、鉄
又は鉄を主成分とする鋼材、アルミニウム又はアルミニ
ウムを主成分とする合金、亜鉛合金、ベリリウム−銅合
金等の、一般に合成樹脂の成形に使用されている金属金
型を包含する。特に鋼材が良好に使用できる。本発明で
断熱層に用いられる耐熱性重合体とは、ガラス転移温度
が150℃以上、好ましくは190℃以上、及び/又は
融点が250℃以上、好ましくは280℃以上の耐熱性
重合体をいう。耐熱性重合体の熱伝導率は0.002c
al/cm・sec・℃以下であり、一般の重合体はこ
の熱伝導率以下である。又、該耐熱性重合体の破断伸度
は10%以上の強靭な重合体が好ましい。破断伸度の測
定法はASTMD638に準じて行い、測定時の引っ張
り速度は5mm/分である。
【0013】本発明で断熱層として良好に使用される重
合体は、主鎖に芳香環を有する耐熱性重合体であり、特
に良好に使用されるものは有機溶剤に溶解する各種非結
晶性耐熱重合体、各種ポリイミド等である。上記の非結
晶性耐熱重合体としては、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリベンツイミダゾール等が挙げ
られる。これ等の代表的な耐熱性重合体の繰り返し単位
を次に示す。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】前記のポリイミドは各種あるが、直鎖型高
分子量ポリイミドが良好に使用される。一般に直鎖型高
分子量ポリイミドは破断伸度が大きく、耐久性に優れて
いる。本発明で良好に使用される直鎖型の高分子量ポリ
イミドの例を表1に示した。なお、Tgはガラス転移温
度、又、nは繰り返し単位の数を表わす。
【0020】
【表1】
【0021】直鎖型高分子量ポリイミドは、構成成分に
よってTgが異り、その例を表2および表3に示した。
本発明に良好に使用される直鎖型の高分子量ポリイミド
のTgは、150℃以上が好ましく、更に好ましくは1
90℃以上、特に好ましくは230℃以上である。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】本発明で良好に使用される溶剤に溶解でき
る各種可溶性ポリイミドを表4に示す。
【0025】
【表4】
【0026】射出成形は、複雑な形状の成形品が一度の
成形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な
金型表面を耐熱性重合体で被覆し、且つ強固に密着させ
ることが重要で、耐熱性重合体溶液、あるいは/及び耐
熱性重合体前駆体溶液を塗布し、次いで加熱して耐熱性
重合体を形成させることが最も好ましい。従って、本発
明で使用される耐熱性重合体、あるいは耐熱性重合体前
駆体は、溶剤に溶解できることが好ましい。
【0027】前記の非結晶性耐熱性重合体、可溶性ポリ
イミドあるいはポリイミド前駆体はテトラヒドロフラ
ン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等の各種溶剤に溶解するものであ
る。直鎖型ポリイミド前駆体は、例えば芳香族ジアミン
と芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環重付加反応さ
せることにより合成される。
【0028】
【化6】
【0029】これ等直鎖型ポリイミド前駆体は、加熱し
て脱水環化反応させることによりポリイミドを形成す
る。最も好ましい直鎖型ポリイミド前駆体は、ポリアミ
ド酸でありその代表例の繰り返し単位と、それをイミド
化したポリイミドの繰り返し単位を次に示す。
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】上記のポリイミド前駆体のポリマーは、N
−メチルピロリドン等の溶媒に溶かし、金型壁面に塗布
される。これら耐熱性重合体溶液、あるいは耐熱性重合
体前駆体溶液には、コーティング時の粘度を調整した
り、溶液の表面張力を調整、チキソトロピー性を調整す
るための添加物を加えたり、及び/又は金型との密着性
を上げるための微少の添加物を加えることができる。
【0035】断熱層に使用される耐熱性重合体につい
て、非結晶性耐熱性重合体及びポリイミドで説明した
が、本発明は基本的にこれ等に限定されるものではな
い。可とう性が付与されたエポキシ樹脂、シリコーン系
樹脂等は成形条件等によっては使用できる。本発明にお
いては、耐熱性重合体皮膜と主金型との密着力が大きい
ものを用いることが必要であり、室温で0.5kg/1
0mm巾以上であることが好ましく、更に好ましくは
0.8kg/10mm巾以上、特に好ましくは1kg/
10mm巾以上である。この密着力とは、密着した断熱
層を10mm巾に切り、接着面と直角方向に20mm/
分の速度で引張った時の剥離力である。
【0036】この剥離力は測定場所、測定回数によりか
なりバラツキが見られるが、最小値が大きいことが重要
であり、安定して大きい剥離力であることが好ましい。
本発明に述べる密着力は金型の主要部の密着力の最小値
である。ポリイミド等の断熱材の薄層の表面の平滑性等
を更に向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を更に
向上させるため、あるいは離型性を良くするため、ポリ
イミド層等の厚みの1/10位より薄い、別素材の材質
のものをポリイミド表面等に被覆したものを使用するこ
とも必要に応じてでき、本発明に含まれる。
【0037】この表面被覆物の別素材としては、耐熱性
樹脂の他に、薄肉であれば各種金属も使用できる。ま
た、合成樹脂のシートや型物の表面に、耐擦傷性向上の
ために使用されている、一般にハードコートと言われて
いる塗料を塗布したものを使用することができる。ま
た、例えば、熱硬化型のシリコーン系ハードコート剤、
特に、シリコーン系ハードコート剤にエポキシ系物質を
配合した密着性に優れたハードコート剤は、本発明にと
って好ましいものである。また、離型性を良くするため
にフッ素樹脂やシリコーン系重合体を塗布したものを使
用することも良好にできる。
【0038】本発明の樹脂製の摺動部品が、ナイロン樹
脂からなり、型壁面の断熱層にポリイミドの耐熱性重合
体が用いられた場合、成形時の離型性が悪く、これ等の
シリコーン系、フッ素系樹脂が塗布されているものを使
用することが好ましい。また、GF等の含量が多くなる
と成形時に型表面の断熱層に傷がつきやすくなり、この
様な場合には、断熱層の上に、耐擦傷性に優れた硬質ク
ロム等の金属層をつけたものを使用すると、良好な樹脂
製の摺動部品が得られる。
【0039】金属からなる主金型キャビティを形成する
型壁面を断熱層で被覆した金型が用いられ射出成形され
ると、射出された合成樹脂自身の熱で型表面が加熱され
ながら成形される。従って、あたかも主金型の温度を高
く設定して成形されたことゝ同等の効果が得られる。成
形品の型表面再現性を良くし、成形品の平滑性を良くす
るには、射出された樹脂が型壁面に接して、少くとも、
該樹脂に一定の圧力が加わり型壁面に押しつけられるま
での微少の間だけ、型表面温度が樹脂の軟化温度以上に
保たれていることが必要である。
【0040】型壁面が断熱層で被覆された金型が用いら
れと、断熱層の断熱効果により型表面が射出された樹脂
の熱により加熱され、型表面再現性が良くなり、成形品
の平滑性は良くなる。本発明の樹脂製の摺動部品は、金
型壁面を断熱層で被覆した金型を用いて射出成形される
ことにより、GFまたはMF強化樹脂成形品の表面部の
GFまたはMFが成形品表面へのとび出しが少くなって
いる。従って、金型壁面を被覆する断熱層の厚みは、こ
の目的を達成するだけの厚みを必要とする。
【0041】断熱層の厚みは、0.01mmから2.0
mmの範囲で適度に選択される。好ましくは0.1から
0.5mmである。0.01mm未満では効果が低く、
2.0mmを越えることは不要である。厚み(cm)/
熱伝導率(cal/cm・sec・℃)値が、5〜10
0が本発明に特に良好であり、この様に非常にせまい範
囲が特に有効である。5〜100の範囲より小さいと型
表面再現性が悪くなる傾向があり、この範囲より大きく
なると、型内冷却時間が長くなるが、あるいは及び低熱
伝導物質の鏡面状被覆が困難になるなどの傾向を生ずる
ことが多い。
【0042】本発明の樹脂製の摺動部品では、主金型温
度が80℃以下に冷却され、射出された合成樹脂が型表
面に接触してから、少なくとも0.1秒の間、型表面温
度が100℃以上の状態で成形されることが好ましい。
主金型温度は更に好ましくは80℃以下、室温以上であ
る。一般に金型温度は80℃以下で射出成形されてお
り、80℃を越える高温にすると成形サイクルタイムが
長くなり、成形効率が低下する。また、室温より低くな
ると金型表面に結露が発生しやすくなる。
【0043】射出成形時の型表面温度の変化は、合成樹
脂、主金型、断熱層の温度、比熱、熱伝導率、密度、結
晶化潜熱等から計算できる。例えば、ADINA及びA
DINAT(マサチューセッツ工科大学で開発されたソ
フトウェア)等を用い、非線形有限要素法による非定常
熱伝導解析により計算できる。本発明の樹脂製の摺動部
品は、一般の軸受、ピストン、ベアリング等の使用時に
摺動する部品またはスライドスイッチ作動時に摺動する
部品であり、自動車部品として使用されるクラッチマス
ターシリンダー、ベアリングリテ−ナ−、ニュ−トラル
スイッチ、イグニッションスイッチ等である。当然のこ
とながら、成形品表面が平滑になる程、摺動抵抗が小さ
くなり、摺動性が良くなる。
【0044】自動車の摺動部品として使用するには、一
般に曲げ剛性、引張り強さが大きい成形品が要求され
る。従って、ナイロン66等にGF及び/又はMFを配
合する場合にも、含量が多い配合物が使用され、一般に
は10〜60重量%の多量のGFまたはMFが配合され
る。これだけ多量のGF及び/又はMFを配合すると、
通常の射出成形では成形品表面が極めて荒れた粗面にな
り、摺動性も極めて悪くなる。
【0045】本発明の樹脂製の摺動部品は、GF及び/
又はMFが10〜60重量%の高含有量配合のエンジニ
アリングプラスチックの摺動部品に特に有効である。本
発明では、主金型は冷却されており、その型壁面が断熱
層で被覆されている。加熱可塑化されたGFまたはMF
強化樹脂が断熱層で被覆された金型で射出成形される
と、断熱層は射出された樹脂自身の熱で加熱され、主金
型の温度が高くされて成形された場合と同じ効果が得ら
れる。すなわち、成形品表面にとび出したGFまたはM
Fが大巾に減った、平滑な成形品表面の摺動部品であ
る。
【0046】本発明の樹脂製の摺動部品は、GFまたは
MFが成形品表面に実質的にとび出していない成形品か
ら成る摺動部品である。本発明の樹脂製の摺動部品は、
ピストン、ベアリング、スライドスイッチ及び歯車等の
摺動特性が要求される部分に相当する金型壁面のみに選
択的に断熱層を被覆した金型を用いて成形されるものを
含み、本発明では特に好ましいものである。摺動部が成
形品の凸部(金型の凹部)の場合、金型の凹部のみに断
熱層が設けられることとなる。この場合、成形時のガス
抜き用の細孔を金型の凹部に設けられることが好まし
い。これらのことを図を用いて説明する。
【0047】図1は、自動車用の代表的なスライドスイ
ッチの全体図であり、図1の凸部(1)が金属と摺動す
る摺動部である。図2は、図1に示すスライドスイッチ
が成形される金型のAB断面図であり、スライドスイッ
チの摺動部が形成される金型表面である図2の凹部
(5,6)にのみ断熱層が選択的に設けられている。こ
の凹部にはガス抜き用の細孔が設けられていることが好
ましい。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明の樹脂製の摺動部
品を詳細に説明する。なお、評価方法は次の通りに行
う。 (1)光沢度 平板試験片の中央部10mm×10mmの部分をホリバ
製グロスチェッカ−で評価する。 (2)摺動性 先端φ2.5mmの銅製ミサイルを荷重500gで平板
試験片に押し付けながら40mmの距離を40mm/s
ecの速度で50000回往復運動させたのち、銅と樹
脂の摩耗量を夫々重量と削れた深さで評価する。
【0049】
【実施例1〜2】次に示す、(a)主金型、(b)ポリ
イミド前駆体及び硬化後のポリイミド、(c)ポリイミ
ド被覆金型、(d)GFまたはMF強化樹脂を使用し、
(e)各成形条件で100mm×100mm×3mmt
の平板試験片を作成し、表面光沢、摺動性の物性を評価
する。 (a)主金型 鋼材(S55C)でつくられた軸受金型であり、型表面
は鏡面状であり、更に硬質クロムメッキがされている。 (b)ポリイミド前駆体及び硬化後のポリイミド 直鎖型高分子量ポリイミド前駆体溶液は、トレニース#
3000 (東レ(株)製 商品名)。硬化後のポリイ
ミドの性能は、Tgが300℃、熱伝導率が0.000
5cal/cm・sec・℃、破断伸度が60%。
【0050】(c)ポリイミド被覆金型 主金型にポリイミド前駆体溶液を塗布し、160℃に加
熱して部分イミド化し、次いで上記の塗布、160℃加
熱を10回繰り返し、最後に290℃まで加熱して10
0%イミド化し、更に表面研磨して0.2mm厚のポリ
イミド被覆金型をつくる。更に、ポリイミドの表面に、
ポリジフェニルシロキサンとビスフェノールA系エポキ
シ樹脂を主成分とするYP−9327(東芝シリコン
(株)製商品名)を塗布し、150℃で加熱硬化して、
約2μm厚の重合体薄膜を鏡面状に被覆する。 (d)GFまたはMF強化樹脂 GF及び/又はMFを20〜40重量%配合したナイロ
ン66樹脂、レオナCR302、及びレオナ13G23
(旭化成工業(株)製 商品名)。 (e)成形条件 射出シリンダー温度を280〜290℃で射出成形を行
う。表5に示す条件で実験を行う。得られた成形品には
GFのとび出しが少なく、平滑な表面となり、摺動特性
も良好な摺動部品である。
【0051】
【比較例1〜2】ポリイミド被覆をしない金型を用いる
他は、実施例と同様の表5に示す金型、材料、成形条件
で試験片を作成し、表面光沢、摺動性を評価する。得ら
れる成形品にはGFのとび出しが多く、表面平滑性は悪
く、摺動性も悪い摺動部品である。
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明の樹脂製の摺動部品は、従来のも
のに比べて、表面が平滑で、摺動特性が優れた摺動部品
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な自動車用スライドスイッチを模式的に
示す平面図。
【図2】図1のスライドスイッチを成形する金型の(図
1AB線で切断した)断面図。
【符号の説明】
1、 摺動面(凸部) 2、 往復運動する電極 3、4、 固定電極 5、6、 摺動面を形成するための凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 509:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属からなる主金型の金型キャビティを
    構成する型壁面を熱伝導率が0.002cal/cm・
    sec・℃以下の耐熱性重合体からなる断熱層で0.0
    1〜2mm厚に被覆した金型が用いられ、ガラス繊維及
    び/又は無機充填材が5〜60重量%配合された熱可塑
    性樹脂が射出成形されて形成されたことを特徴とする樹
    脂製の摺動部品。
  2. 【請求項2】 摺動部品の摺動部を形成する金型の型壁
    面のみを断熱層で被覆した金型が用いられて成形された
    請求項1の樹脂製の摺動部品。
JP107994A 1994-01-11 1994-01-11 樹脂製の摺動部品 Withdrawn JPH07205183A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011056753A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Polyplastics Co 射出成形品の製造方法

Cited By (2)

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JP2011056753A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Polyplastics Co 射出成形品の製造方法
EP2476535A4 (en) * 2009-09-09 2014-03-19 Polyplastics Co PROCESS FOR PRODUCING INJECTION MOLDED ARTICLE

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