JPH07207450A - フッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法 - Google Patents
フッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法Info
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- JPH07207450A JPH07207450A JP221794A JP221794A JPH07207450A JP H07207450 A JPH07207450 A JP H07207450A JP 221794 A JP221794 A JP 221794A JP 221794 A JP221794 A JP 221794A JP H07207450 A JPH07207450 A JP H07207450A
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- fluororesin
- porous sheet
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- Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シートの厚み方向の導電性およびシートの面
方向の絶縁性の双方の特性に優れたフッ素樹脂製部分メ
ッキ多孔質シートの製法を提供する。 【構成】 フッ素樹脂製多孔質シートの小孔内に、親水
基を有する化合物を浸入させ、この状態で、導電性スポ
ットの配置パターンが形成されたマスクを介して上記シ
ートのシート面に紫外線を照射し、このシートに対して
メッキを施す。
方向の絶縁性の双方の特性に優れたフッ素樹脂製部分メ
ッキ多孔質シートの製法を提供する。 【構成】 フッ素樹脂製多孔質シートの小孔内に、親水
基を有する化合物を浸入させ、この状態で、導電性スポ
ットの配置パターンが形成されたマスクを介して上記シ
ートのシート面に紫外線を照射し、このシートに対して
メッキを施す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フッ素樹脂製部分メ
ッキ多孔質シートの製法に関するものである。さらに詳
しくは、シートの厚み方向に導電性を示し、シートの面
方向には絶縁性を示すフッ素樹脂製部分メッキ多孔質シ
ートの製法に関するものである。
ッキ多孔質シートの製法に関するものである。さらに詳
しくは、シートの厚み方向に導電性を示し、シートの面
方向には絶縁性を示すフッ素樹脂製部分メッキ多孔質シ
ートの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の電子工業分野での技術開発は目覚
ましく、新機能を有する製品が続々と発表されている。
これにともない、電子機器の部品素材においても各種機
能を有するものが開発されている。そのなかで、最近注
目を集めているものの一つとして、異方向導電性シート
があげられる。これは、シートの厚み方向に導電性を示
し、シートの面方向には絶縁性を示すシートである。こ
のシートは、図1に示すように、シート1のシート面所
定位置に、金属やカーボン等の導電性物質を、シートの
一面から他面まで連続的に埋設し、多数の導電性スポッ
ト2を形成したものである。
ましく、新機能を有する製品が続々と発表されている。
これにともない、電子機器の部品素材においても各種機
能を有するものが開発されている。そのなかで、最近注
目を集めているものの一つとして、異方向導電性シート
があげられる。これは、シートの厚み方向に導電性を示
し、シートの面方向には絶縁性を示すシートである。こ
のシートは、図1に示すように、シート1のシート面所
定位置に、金属やカーボン等の導電性物質を、シートの
一面から他面まで連続的に埋設し、多数の導電性スポッ
ト2を形成したものである。
【0003】上記異方向導電性シートの性能を向上させ
るためには、一つの導電性スポット2の面積を小さく
し、かつ多数のスポットを形成する必要がある。すなわ
ち、シートの面方向の絶縁性を高めるためには、導電性
スポット2間の距離(絶縁距離)をできるだけ短くする
必要があり、このため、一つの導電性スポット2の面積
をできるだけ小さくする必要がある。また、シートの厚
み方向の導電性を高めるためには、シート面の単位面積
当たりのスポットをできるだけ多くし、高密度化を図る
必要がある。しかし、導電物質をシートに埋め込むとい
う従来の方法では、導電性スポットの高密度化等には限
界があった。また、導電性物質の埋設作業は、煩雑であ
るため、大面積のシートに対しては対応することができ
なかった。
るためには、一つの導電性スポット2の面積を小さく
し、かつ多数のスポットを形成する必要がある。すなわ
ち、シートの面方向の絶縁性を高めるためには、導電性
スポット2間の距離(絶縁距離)をできるだけ短くする
必要があり、このため、一つの導電性スポット2の面積
をできるだけ小さくする必要がある。また、シートの厚
み方向の導電性を高めるためには、シート面の単位面積
当たりのスポットをできるだけ多くし、高密度化を図る
必要がある。しかし、導電物質をシートに埋め込むとい
う従来の方法では、導電性スポットの高密度化等には限
界があった。また、導電性物質の埋設作業は、煩雑であ
るため、大面積のシートに対しては対応することができ
なかった。
【0004】この問題を解決するために、シート面に分
布する多数の小孔を備えたシート(以下「多孔質シー
ト」という)を用い、このシートのシート面の所定位置
にメッキを施し、上記所定位置に位置する小孔にシート
の一面から他面まで延びるメッキ金属を形成するという
方法が提案されている(特開昭55−161306号公
報)。この方法は、図2に示すように、多孔質シート1
aのシート面所定位置の小孔1c内にシートの一面から
他面にかけてメッキ金属を連続形成し、導電性スポット
2aを設けるという方法である。この方法によれば、導
電性スポット2aの面積を小さくし、かつ導電性スポッ
ト2a全体の高密度化を図ることが可能である。また、
一度の処理で全ての導電性スポット2aを形成すること
が可能であるため、大面積のシートにも適用することが
可能である。
布する多数の小孔を備えたシート(以下「多孔質シー
ト」という)を用い、このシートのシート面の所定位置
にメッキを施し、上記所定位置に位置する小孔にシート
の一面から他面まで延びるメッキ金属を形成するという
方法が提案されている(特開昭55−161306号公
報)。この方法は、図2に示すように、多孔質シート1
aのシート面所定位置の小孔1c内にシートの一面から
他面にかけてメッキ金属を連続形成し、導電性スポット
2aを設けるという方法である。この方法によれば、導
電性スポット2aの面積を小さくし、かつ導電性スポッ
ト2a全体の高密度化を図ることが可能である。また、
一度の処理で全ての導電性スポット2aを形成すること
が可能であるため、大面積のシートにも適用することが
可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法
は、全種類の多孔質シートに適用できる技術ではないと
いう欠点を有する。特に、疎水性樹脂シートであるフッ
素樹脂製多孔質シートに対しての適用が困難である。す
なわち、フッ素樹脂製多孔質シートに上記メッキ法を適
用して、導電性スポットを形成しようとしても、金属メ
ッキが連続形成できなかったり、所定位置に対し正確に
メッキを施すことができないという問題がある。しかし
ながら、このフッ素樹脂製多孔質シートは、耐薬品性,
耐熱性等の特性に優れ、電子材料に最適のシートであ
る。このため、フッ素樹脂製多孔質シートに対し、上記
メッキ法を適用可能にする技術の開発が強く望まれてい
る。
は、全種類の多孔質シートに適用できる技術ではないと
いう欠点を有する。特に、疎水性樹脂シートであるフッ
素樹脂製多孔質シートに対しての適用が困難である。す
なわち、フッ素樹脂製多孔質シートに上記メッキ法を適
用して、導電性スポットを形成しようとしても、金属メ
ッキが連続形成できなかったり、所定位置に対し正確に
メッキを施すことができないという問題がある。しかし
ながら、このフッ素樹脂製多孔質シートは、耐薬品性,
耐熱性等の特性に優れ、電子材料に最適のシートであ
る。このため、フッ素樹脂製多孔質シートに対し、上記
メッキ法を適用可能にする技術の開発が強く望まれてい
る。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、シートの厚み方向の導電性およびシートの面
方向の絶縁性の双方の特性に優れたフッ素樹脂製部分メ
ッキ多孔質シートを作製することが可能な、フッ素樹脂
製部分メッキ多孔質シートの製法の提供をその目的とす
る。
たもので、シートの厚み方向の導電性およびシートの面
方向の絶縁性の双方の特性に優れたフッ素樹脂製部分メ
ッキ多孔質シートを作製することが可能な、フッ素樹脂
製部分メッキ多孔質シートの製法の提供をその目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、シート面に分布する多数の小孔を備え
たフッ素樹脂製シートに対し、このシート面の所定位置
に部分メッキを施し、上記所定位置に位置する上記小孔
にシートの一面から他面まで延びるメッキ金属を形成す
るフッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法であっ
て、上記メッキに先立って、上記フッ素樹脂製シートを
前処理して親水基を有する化合物を上記小孔内に浸入さ
せ、この状態で、所定パターンが形成されたマスクを介
して上記フッ素樹脂製シートのシート面の所定位置に光
照射を行うという構成をとる。
に、この発明は、シート面に分布する多数の小孔を備え
たフッ素樹脂製シートに対し、このシート面の所定位置
に部分メッキを施し、上記所定位置に位置する上記小孔
にシートの一面から他面まで延びるメッキ金属を形成す
るフッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法であっ
て、上記メッキに先立って、上記フッ素樹脂製シートを
前処理して親水基を有する化合物を上記小孔内に浸入さ
せ、この状態で、所定パターンが形成されたマスクを介
して上記フッ素樹脂製シートのシート面の所定位置に光
照射を行うという構成をとる。
【0008】
【作用】すなわち、本発明者等は、フッ素樹脂製多孔質
シートのシート面の所定位置に高精度部分メッキを行う
方法を中心として、一連の研究を行った。その過程で、
フッ素樹脂製多孔質シートを部分的に親水性処理してメ
ッキ性を向上させるという着想を得た。そこで、フッ素
樹脂製多孔質シートを前処理し、シート小孔内に親水基
を有する化合物を浸入させ、この状態で、導電性スポッ
トの配置パターンが形成されたマスクを介して、フッ素
樹脂製多孔質シートのシート面に光照射を行った。する
と、光照射を行った部分において、上記親水基がフッ素
樹脂に導入され、この部分が親水性となることを突き止
めた。そして、この部分的に親水性となったシートにメ
ッキを施すと、上記光照射のパターンに対応したシート
面の所定位置の小孔に、シートの一面から他面までメッ
キ金属が連続形成されることを見いだし、この発明に到
達した。この発明により、フッ素樹脂製多孔質シートに
おいて、一つの導電性スポットの面積を小さくし、かつ
導電性スポット全体の高密度化を図ることが可能とな
る。
シートのシート面の所定位置に高精度部分メッキを行う
方法を中心として、一連の研究を行った。その過程で、
フッ素樹脂製多孔質シートを部分的に親水性処理してメ
ッキ性を向上させるという着想を得た。そこで、フッ素
樹脂製多孔質シートを前処理し、シート小孔内に親水基
を有する化合物を浸入させ、この状態で、導電性スポッ
トの配置パターンが形成されたマスクを介して、フッ素
樹脂製多孔質シートのシート面に光照射を行った。する
と、光照射を行った部分において、上記親水基がフッ素
樹脂に導入され、この部分が親水性となることを突き止
めた。そして、この部分的に親水性となったシートにメ
ッキを施すと、上記光照射のパターンに対応したシート
面の所定位置の小孔に、シートの一面から他面までメッ
キ金属が連続形成されることを見いだし、この発明に到
達した。この発明により、フッ素樹脂製多孔質シートに
おいて、一つの導電性スポットの面積を小さくし、かつ
導電性スポット全体の高密度化を図ることが可能とな
る。
【0009】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0010】この発明のフッ素樹脂製部分メッキ多孔質
シートの製法は、(1)フッ素樹脂製多孔質シートを前
処理し、シート小孔内に親水基を有する化合物を浸入さ
せ、(2)この状態で、所定パターンが形成されたマス
クを介してシート面に光照射を行い、(3)このフッ素
樹脂製多孔質シートに対してメッキを行うという、3つ
の工程からなるものである。以下、これら(1)〜
(3)の工程を順に説明する。
シートの製法は、(1)フッ素樹脂製多孔質シートを前
処理し、シート小孔内に親水基を有する化合物を浸入さ
せ、(2)この状態で、所定パターンが形成されたマス
クを介してシート面に光照射を行い、(3)このフッ素
樹脂製多孔質シートに対してメッキを行うという、3つ
の工程からなるものである。以下、これら(1)〜
(3)の工程を順に説明する。
【0011】まず、上記(1)の工程は、フッ素樹脂製
多孔質シートに対し、親水基を有する化合物のシート小
孔内への浸入を促進させるための前処理を行った後、シ
ート小孔内に上記化合物を浸入させるという工程であ
る。
多孔質シートに対し、親水基を有する化合物のシート小
孔内への浸入を促進させるための前処理を行った後、シ
ート小孔内に上記化合物を浸入させるという工程であ
る。
【0012】上記フッ素樹脂製多孔質シートは、フッ素
樹脂製部分メッキ多孔質シートの基材シートである。こ
のシートは、前述のように疎水性であって、シート面に
多数の小孔を備えたシートである。このようなシートと
しては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポ
リフッ化ビニリデン(PVdF),テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA),テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP),テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ETFE),ポリクロロトリフ
ルオロエチレン(CTFE)等の素材からなる多孔質シ
ートがあげられる。これらの素材のシートは、焼結体で
も未焼結体でもよい。また、耐薬品性および耐熱性等の
観点からPTFE製シートを使用することが好ましい。
そして、シート小孔の孔径としては、0.01〜20μ
mの範囲が好ましく、シートの厚みとしては、10〜1
00μmの範囲が好ましい。
樹脂製部分メッキ多孔質シートの基材シートである。こ
のシートは、前述のように疎水性であって、シート面に
多数の小孔を備えたシートである。このようなシートと
しては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポ
リフッ化ビニリデン(PVdF),テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA),テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP),テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ETFE),ポリクロロトリフ
ルオロエチレン(CTFE)等の素材からなる多孔質シ
ートがあげられる。これらの素材のシートは、焼結体で
も未焼結体でもよい。また、耐薬品性および耐熱性等の
観点からPTFE製シートを使用することが好ましい。
そして、シート小孔の孔径としては、0.01〜20μ
mの範囲が好ましく、シートの厚みとしては、10〜1
00μmの範囲が好ましい。
【0013】上記のようなフッ素樹脂製多孔質シート
は、例えば、延伸法(特公昭58−25332号公報,
特公昭51−18991号公報,特公昭42−1356
0号公報等)あるいは気泡剤を用いる方法(特公昭42
−4974号公報等)により作製することができる。こ
のなかでも、延伸法により、シートの構造が、図3に示
すような構造をとるシートを用いることが好ましい。図
において、1dは棒状結節、1eは棒状結節1dを横連
結する小繊維を示す。すなわち、この構造は、シート
を、そのシート面において一軸方向に延伸し、かつそれ
と直交方向に延伸することにより、複数の棒状結節1d
が所定間隔で林立し、上記隣接する棒状結節1d相互が
複数の小繊維1eで横連結されるようになる。そして、
所定個数の棒状結節1dで囲まれた空間部が小孔に形成
される。このような構造をとることにより、小孔内周面
のメッキ性が向上するようになり、シート一面から他面
までのメッキ金属の連続形成が容易になる。
は、例えば、延伸法(特公昭58−25332号公報,
特公昭51−18991号公報,特公昭42−1356
0号公報等)あるいは気泡剤を用いる方法(特公昭42
−4974号公報等)により作製することができる。こ
のなかでも、延伸法により、シートの構造が、図3に示
すような構造をとるシートを用いることが好ましい。図
において、1dは棒状結節、1eは棒状結節1dを横連
結する小繊維を示す。すなわち、この構造は、シート
を、そのシート面において一軸方向に延伸し、かつそれ
と直交方向に延伸することにより、複数の棒状結節1d
が所定間隔で林立し、上記隣接する棒状結節1d相互が
複数の小繊維1eで横連結されるようになる。そして、
所定個数の棒状結節1dで囲まれた空間部が小孔に形成
される。このような構造をとることにより、小孔内周面
のメッキ性が向上するようになり、シート一面から他面
までのメッキ金属の連続形成が容易になる。
【0014】また、フッ素樹脂製多孔質シートの小孔内
に浸入させる親水基を有する化合物としては、水酸基,
カルボキシル基,アミノ基等の親水基を有するものがあ
げられる。そして、フッ素原子との結合エネルギーが5
39kJ/mol以上である原子の化合物が好ましい。
すなわち、このような原子は、フッ素原子と容易に結合
する性質を有し、光照射によって樹脂から遊離したフッ
素原子をトラップする作用を奏するからである。この作
用により、フッ素原子と親水基との置換が容易におこる
ようになる。このような原子としては、アルミニウム
(671kJ/mol,電気陰性度:1.5)、ホウ素
(745kJ/mol,電気陰性度2.0)、カルシウ
ム(560kJ/mol,電気陰性度:1.0)、バリ
ウム(581kJ/mol,電気陰性度:1.2)、リ
チウム(580kJ/mol,電気陰性度:1.0)等
があげられる。また、このような原子は、上記のように
電気陰性度が炭素の電気陰性度(2.5)より低くいた
め、高い電気陰性度のフッ素原子が炭素原子に再結合す
るのを防止する効果も有する。このような原子と親水基
を有する化合物の具体例としては、水酸化アルミニウ
ム,ホウ酸,ホウ酸アンモニウム,水酸化リチウム,水
酸化カルシウム,水酸化バリウム,アルミニウムエトキ
シド等の化合物があげられる。このなかでも、水酸化ア
ルミニウム,ホウ酸,水酸化リチウムが好ましい。
に浸入させる親水基を有する化合物としては、水酸基,
カルボキシル基,アミノ基等の親水基を有するものがあ
げられる。そして、フッ素原子との結合エネルギーが5
39kJ/mol以上である原子の化合物が好ましい。
すなわち、このような原子は、フッ素原子と容易に結合
する性質を有し、光照射によって樹脂から遊離したフッ
素原子をトラップする作用を奏するからである。この作
用により、フッ素原子と親水基との置換が容易におこる
ようになる。このような原子としては、アルミニウム
(671kJ/mol,電気陰性度:1.5)、ホウ素
(745kJ/mol,電気陰性度2.0)、カルシウ
ム(560kJ/mol,電気陰性度:1.0)、バリ
ウム(581kJ/mol,電気陰性度:1.2)、リ
チウム(580kJ/mol,電気陰性度:1.0)等
があげられる。また、このような原子は、上記のように
電気陰性度が炭素の電気陰性度(2.5)より低くいた
め、高い電気陰性度のフッ素原子が炭素原子に再結合す
るのを防止する効果も有する。このような原子と親水基
を有する化合物の具体例としては、水酸化アルミニウ
ム,ホウ酸,ホウ酸アンモニウム,水酸化リチウム,水
酸化カルシウム,水酸化バリウム,アルミニウムエトキ
シド等の化合物があげられる。このなかでも、水酸化ア
ルミニウム,ホウ酸,水酸化リチウムが好ましい。
【0015】つぎに、上記フッ素樹脂製多孔質シートの
前処理について述べる。
前処理について述べる。
【0016】フッ素樹脂製多孔質シートは、前述のよう
に強い疎水性であるため、親水基を有する化合物のシー
ト小孔内への浸入を促進させるために、予め、上記シー
トに前処理を施す必要がある。この前処理としては、例
えば、プラズマ処理(H2 ,O2 ,Ar,CO2 ,Ai
r,H2 O等)およびエキシマレーザー処理等の粗面化
処理、低圧水銀ランプあるいはエキシマランプの光照射
や電子線あるいは放射線照射等による改質処理があげら
れる。
に強い疎水性であるため、親水基を有する化合物のシー
ト小孔内への浸入を促進させるために、予め、上記シー
トに前処理を施す必要がある。この前処理としては、例
えば、プラズマ処理(H2 ,O2 ,Ar,CO2 ,Ai
r,H2 O等)およびエキシマレーザー処理等の粗面化
処理、低圧水銀ランプあるいはエキシマランプの光照射
や電子線あるいは放射線照射等による改質処理があげら
れる。
【0017】上記前処理の後に、親水基を有する化合物
をシート小孔内に浸入させる操作が行われる。これは、
例えば、上記化合物の水溶液を調製し、この水溶液中に
シートを浸漬してシート小孔内に浸透させる方法や、シ
ートに水溶液を塗布して浸透させる方法があげられる。
この水溶液の濃度は、シートの厚みや種類等により適宜
決定されるが、一般には、0.3〜10重量%、好まし
くは0.5〜5重量%の範囲である。そして、溶質の溶
解度をあげるために、水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム等のアルカリ塩を同時に添加してもよい。
をシート小孔内に浸入させる操作が行われる。これは、
例えば、上記化合物の水溶液を調製し、この水溶液中に
シートを浸漬してシート小孔内に浸透させる方法や、シ
ートに水溶液を塗布して浸透させる方法があげられる。
この水溶液の濃度は、シートの厚みや種類等により適宜
決定されるが、一般には、0.3〜10重量%、好まし
くは0.5〜5重量%の範囲である。そして、溶質の溶
解度をあげるために、水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム等のアルカリ塩を同時に添加してもよい。
【0018】つぎに、有機溶媒処理による浸入操作をす
ることにより、確実かつ充分にシート小孔内深部まで親
水基を有する化合物を浸入させることが可能となるが、
上記のプラズマ処理等を施せば、上記化合物をシート小
孔内に浸入させることがさらに容易となる。この有機溶
媒としては、水との相溶性が優れ、かつ表面張力が30
dyne/cm以下の有機溶媒を使用することが好まし
く、このようなものとしては、メタノール,エタノー
ル,アセトン,イソプロピルアルコール等があげられ
る。
ることにより、確実かつ充分にシート小孔内深部まで親
水基を有する化合物を浸入させることが可能となるが、
上記のプラズマ処理等を施せば、上記化合物をシート小
孔内に浸入させることがさらに容易となる。この有機溶
媒としては、水との相溶性が優れ、かつ表面張力が30
dyne/cm以下の有機溶媒を使用することが好まし
く、このようなものとしては、メタノール,エタノー
ル,アセトン,イソプロピルアルコール等があげられ
る。
【0019】この有機溶媒処理による浸入操作は、例え
ば、以下の2つの方法があげられる。
ば、以下の2つの方法があげられる。
【0020】第1の方法は、つぎのとおりである。すな
わち、まず、フッ素樹脂製多孔質シートを上記有機溶媒
中に浸漬して、有機溶媒がシート小孔内に浸透するよう
にする。そして、このシートを引き上げ、今度は水中に
浸漬する。このとき、水は蒸留水であることが好まし
い。この浸漬により、シート小孔内部が有機溶媒から水
へと置換される。ついで、このシートを引き上げ、今度
は上記化合物の水溶液に浸漬して、シート小孔内部を水
から上記化合物水溶液に置換する。
わち、まず、フッ素樹脂製多孔質シートを上記有機溶媒
中に浸漬して、有機溶媒がシート小孔内に浸透するよう
にする。そして、このシートを引き上げ、今度は水中に
浸漬する。このとき、水は蒸留水であることが好まし
い。この浸漬により、シート小孔内部が有機溶媒から水
へと置換される。ついで、このシートを引き上げ、今度
は上記化合物の水溶液に浸漬して、シート小孔内部を水
から上記化合物水溶液に置換する。
【0021】また、第2の方法は、つぎのとおりであ
る。すなわち、まず、上記有機溶媒に上記化合物を配合
した溶液を調製する。このときの濃度は、水溶液の場合
と同様である。そして、この溶液をフッ素樹脂製多孔質
シートに含浸させる。この含浸の方法は、塗布,スプレ
ー等による噴霧または浸漬等があげられる。
る。すなわち、まず、上記有機溶媒に上記化合物を配合
した溶液を調製する。このときの濃度は、水溶液の場合
と同様である。そして、この溶液をフッ素樹脂製多孔質
シートに含浸させる。この含浸の方法は、塗布,スプレ
ー等による噴霧または浸漬等があげられる。
【0022】以上の方法により、フッ素樹脂製多孔質シ
ートの小孔内深部まで確実かつ充分に親水基を有する化
合物を浸入させることができる。
ートの小孔内深部まで確実かつ充分に親水基を有する化
合物を浸入させることができる。
【0023】つぎに、(2)の工程である、フッ素樹脂
製多孔質シートに対しての光照射について説明する。
製多孔質シートに対しての光照射について説明する。
【0024】この光照射は、フッ素樹脂分子内のC−F
結合を切断する目的で行うものであって、親水基を有す
る化合物をフッ素樹脂製多孔質シートの小孔内に浸入さ
せた状態で、導電性スポットの配置パターンが形成され
たマスクを介して行われる。
結合を切断する目的で行うものであって、親水基を有す
る化合物をフッ素樹脂製多孔質シートの小孔内に浸入さ
せた状態で、導電性スポットの配置パターンが形成され
たマスクを介して行われる。
【0025】上記光照射は、短波長である紫外線照射が
好ましい。すなわち、1光子あるいは2光子のエネルギ
ーで、フッ素樹脂のC−F結合(結合エネルギー:53
9kJ/mol)を切断するのが望ましく、これに対応
する光の波長は、E=hνの関係式(E:エネルギー,
h:プランク定数,ν:光の波長)から導出されるよう
に、270nm以下の波長となる。しかし、光の波長が
短かすぎるとフッ素樹脂シート自身が、光を吸収してし
まうため、シートの厚み方向に光が充分に達しなくな
り、小孔内深部への光照射が充分でなくなる。このよう
な事情等を勘案すると、光の波長は、150〜270n
mの範囲が好ましいものとなる。そして、このような短
波長の紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ,高圧水
銀ランプ,イットリウム−アルミニウム−ガーネット
(YAG)レーザー(4倍波),メタルハライドラン
プ,エキシマランプ等が用いられる。このなかでも、低
圧水銀ランプ(波長:185nm)やエキシマランプ
(波長:222nmまたは172nm)を使用すること
が好ましい。そして、光照射の出力や照射時間等の条件
は、シートの種類や厚み等によって、適宜決定される
が、通常、出力10〜1000wで、照射時間は、20
秒〜30分の範囲である。
好ましい。すなわち、1光子あるいは2光子のエネルギ
ーで、フッ素樹脂のC−F結合(結合エネルギー:53
9kJ/mol)を切断するのが望ましく、これに対応
する光の波長は、E=hνの関係式(E:エネルギー,
h:プランク定数,ν:光の波長)から導出されるよう
に、270nm以下の波長となる。しかし、光の波長が
短かすぎるとフッ素樹脂シート自身が、光を吸収してし
まうため、シートの厚み方向に光が充分に達しなくな
り、小孔内深部への光照射が充分でなくなる。このよう
な事情等を勘案すると、光の波長は、150〜270n
mの範囲が好ましいものとなる。そして、このような短
波長の紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ,高圧水
銀ランプ,イットリウム−アルミニウム−ガーネット
(YAG)レーザー(4倍波),メタルハライドラン
プ,エキシマランプ等が用いられる。このなかでも、低
圧水銀ランプ(波長:185nm)やエキシマランプ
(波長:222nmまたは172nm)を使用すること
が好ましい。そして、光照射の出力や照射時間等の条件
は、シートの種類や厚み等によって、適宜決定される
が、通常、出力10〜1000wで、照射時間は、20
秒〜30分の範囲である。
【0026】そして、上記光照射は、導電性スポットの
配置パターンが形成されたマスクを介しておこなわれ
る。これにより、導電性スポットとなるべき部分のみに
光照射を行うことができ、フッ素樹脂製多孔質シートの
メッキ性を部分的に向上させることができるようにな
る。すなわち、上記光照射により、マスクのパターンに
対応するシートの所定部分においてフッ素樹脂のC−F
結合が切断され、上記化合物中の水酸基やカルボキシル
基等の親水基がフッ素樹脂中に導入されるようになる。
さらに詳しく述べると、上記短波長の光は、樹脂組織に
対する透過性を有するため、光照射を受けたシート面は
もちろん、小孔内周面やこの内周面から一定深さにかけ
ての樹脂組織部においても親水基は導入される。これに
より、フッ素樹脂製多孔質シートの所定部分、すなわち
シート面の所定位置や、これに対応する小孔内周面およ
びこの内周面から一定深さにかけての樹脂組織部の全て
が親水性となる。その結果、この所定部分のみにおいて
部分的にメッキ性が向上するようになる。なお、この光
照射等による親水性処理は、フッ素樹脂が元来備えてい
る耐薬品性や耐熱性等の特性を損なうものではない。
配置パターンが形成されたマスクを介しておこなわれ
る。これにより、導電性スポットとなるべき部分のみに
光照射を行うことができ、フッ素樹脂製多孔質シートの
メッキ性を部分的に向上させることができるようにな
る。すなわち、上記光照射により、マスクのパターンに
対応するシートの所定部分においてフッ素樹脂のC−F
結合が切断され、上記化合物中の水酸基やカルボキシル
基等の親水基がフッ素樹脂中に導入されるようになる。
さらに詳しく述べると、上記短波長の光は、樹脂組織に
対する透過性を有するため、光照射を受けたシート面は
もちろん、小孔内周面やこの内周面から一定深さにかけ
ての樹脂組織部においても親水基は導入される。これに
より、フッ素樹脂製多孔質シートの所定部分、すなわち
シート面の所定位置や、これに対応する小孔内周面およ
びこの内周面から一定深さにかけての樹脂組織部の全て
が親水性となる。その結果、この所定部分のみにおいて
部分的にメッキ性が向上するようになる。なお、この光
照射等による親水性処理は、フッ素樹脂が元来備えてい
る耐薬品性や耐熱性等の特性を損なうものではない。
【0027】つぎに、(1)および(2)の工程を経
て、部分的にメッキ性が向上したフッ素樹脂製多孔質シ
ートに対して、(3)の工程であるメッキ処理が行われ
る。このメッキ処理は、従来からプリント配線基板の分
野で実施されている無電解メッキ等を応用することがで
きる。
て、部分的にメッキ性が向上したフッ素樹脂製多孔質シ
ートに対して、(3)の工程であるメッキ処理が行われ
る。このメッキ処理は、従来からプリント配線基板の分
野で実施されている無電解メッキ等を応用することがで
きる。
【0028】上記無電解メッキに使用される金属の種類
としては、導電性の金属であれば、特に制限されるもの
ではなく、金,銀,銅,錫,クロム,ニッケル,コバル
ト等の金属や、銅−ニッケル,ニッケル−コバルト,錫
−ニッケル等の合金があげられる。
としては、導電性の金属であれば、特に制限されるもの
ではなく、金,銀,銅,錫,クロム,ニッケル,コバル
ト等の金属や、銅−ニッケル,ニッケル−コバルト,錫
−ニッケル等の合金があげられる。
【0029】そして、無電解メッキは、例えば、つぎの
ようにして行われる。すなわち、まず、上記金属の金属
塩溶液中に上記シートを浸漬し、シート小孔内周面を含
めたシート全表面に、金属塩溶液を接触させる。つい
で、酸化剤を用い、シート表面付近に金属酸化物を析出
させる。そして、還元剤を用い、この析出した金属酸化
物を還元してメッキ金属を形成する。この時、メッキ金
属は、親水性の部分に付着するため、光照射に対応する
部分のみにメッキ金属が析出形成するようになる。すな
わち、前述のように、光照射を受けたシート面、小孔内
周面やこの内周面から一定深さにかけての樹脂組織部に
おいてメッキ金属が析出形成する。このようにして、フ
ッ素樹脂製多孔質シートにおいて、シート面所定位置に
位置する小孔にシート一面から他面にかけて延びるメッ
キ金属を形成することができる。このメッキ金属の厚み
は、通常、10〜200μm、好ましくは10〜100
μmである。
ようにして行われる。すなわち、まず、上記金属の金属
塩溶液中に上記シートを浸漬し、シート小孔内周面を含
めたシート全表面に、金属塩溶液を接触させる。つい
で、酸化剤を用い、シート表面付近に金属酸化物を析出
させる。そして、還元剤を用い、この析出した金属酸化
物を還元してメッキ金属を形成する。この時、メッキ金
属は、親水性の部分に付着するため、光照射に対応する
部分のみにメッキ金属が析出形成するようになる。すな
わち、前述のように、光照射を受けたシート面、小孔内
周面やこの内周面から一定深さにかけての樹脂組織部に
おいてメッキ金属が析出形成する。このようにして、フ
ッ素樹脂製多孔質シートにおいて、シート面所定位置に
位置する小孔にシート一面から他面にかけて延びるメッ
キ金属を形成することができる。このメッキ金属の厚み
は、通常、10〜200μm、好ましくは10〜100
μmである。
【0030】このように、この発明では、フッ素樹脂製
多孔質シートの特定部分を親水性処理してメッキ性を部
分的に向上させることにより、フッ素樹脂製多孔質シー
トに対して精密部分メッキを行うことを可能にしてい
る。これが、この発明の最大の特徴である。
多孔質シートの特定部分を親水性処理してメッキ性を部
分的に向上させることにより、フッ素樹脂製多孔質シー
トに対して精密部分メッキを行うことを可能にしてい
る。これが、この発明の最大の特徴である。
【0031】この無電解メッキの具体例として銀メッキ
について説明する。
について説明する。
【0032】銀メッキは以下のようにして行うことがで
きる。すなわち、まず、フッ素樹脂製多孔質シートを1
0〜15重量%硝酸銀水溶液に浸漬する。その後、1〜
5重量%カセイソーダ水溶液に浸漬し、シート小孔内に
浸透している硝酸銀を酸化し、酸化銀として沈漬する。
ついで、1〜5重量%ホルムアルデヒド水溶液中に浸漬
して、酸化銀を還元してシート小孔内等にメッキ銀を析
出形成させる。このようにして、シート面の所定位置に
シートの厚み方向にメッキ銀を連続形成することができ
る。
きる。すなわち、まず、フッ素樹脂製多孔質シートを1
0〜15重量%硝酸銀水溶液に浸漬する。その後、1〜
5重量%カセイソーダ水溶液に浸漬し、シート小孔内に
浸透している硝酸銀を酸化し、酸化銀として沈漬する。
ついで、1〜5重量%ホルムアルデヒド水溶液中に浸漬
して、酸化銀を還元してシート小孔内等にメッキ銀を析
出形成させる。このようにして、シート面の所定位置に
シートの厚み方向にメッキ銀を連続形成することができ
る。
【0033】なお、上記無電解メッキ処理の前に、シー
ト小孔内に親水基を有する化合物を充填させた状態で、
フッ素樹脂製多孔質シートに対して、エッチング処理等
の粗面化処理を行ってもよい。このエッチング処理は、
メッキ性の向上を目的として、一般に行われるものであ
る。そして、メッキ金属の厚みを増加させる目的で、上
記無電解メッキのあとに、電解メッキを行ってもよい。
しかし、上記無電解メッキ処理のみで、充分にシート面
の所定位置に導電性スポットを形成することが可能であ
るため、この発明では、上記エッチング処理や電解メッ
キ処理は省略することができる。
ト小孔内に親水基を有する化合物を充填させた状態で、
フッ素樹脂製多孔質シートに対して、エッチング処理等
の粗面化処理を行ってもよい。このエッチング処理は、
メッキ性の向上を目的として、一般に行われるものであ
る。そして、メッキ金属の厚みを増加させる目的で、上
記無電解メッキのあとに、電解メッキを行ってもよい。
しかし、上記無電解メッキ処理のみで、充分にシート面
の所定位置に導電性スポットを形成することが可能であ
るため、この発明では、上記エッチング処理や電解メッ
キ処理は省略することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明のフッ素樹脂製
部分メッキ多孔質シートの製法は、シート小孔内に親水
基を有する化合物を浸入させ、この状態で、所定パター
ンが形成されたマスクを介してシート面に光照射を行っ
た後、上記シートに対してメッキを施している。すなわ
ち、親水基を有する化合物存在下で、部分的に光照射を
行うことにより、この光照射に対応するシート部分が疎
水性から親水性へと改質される。この部分的に親水性と
なったフッ素樹脂製多孔質シートに対して、メッキを施
すと、親水性部分のみに選択的にメッキを施すことがで
きるようになる。この結果、それ自体は疎水性であるフ
ッ素樹脂製多孔質シートに対して、一つのスポットの面
積が小さく、かつ全体としてのスポット密度が高密度の
導電性スポットを形成することが可能となる。そして、
この発明の親水性処理およびメッキ処理は、通常の方法
を適用できるため、特別な設備および装置等を必要とせ
ず、かつ簡単に行うことができ、大面積のフッ素樹脂製
多孔質シートに対しても適用可能である。したがって、
この発明のフッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法
により、耐薬品性および耐熱性等の特性に優れ、シート
の面方向の絶縁性およびシートの厚み方向の導電性に優
れた大面積の異方向導電性シートの提供が可能となる。
部分メッキ多孔質シートの製法は、シート小孔内に親水
基を有する化合物を浸入させ、この状態で、所定パター
ンが形成されたマスクを介してシート面に光照射を行っ
た後、上記シートに対してメッキを施している。すなわ
ち、親水基を有する化合物存在下で、部分的に光照射を
行うことにより、この光照射に対応するシート部分が疎
水性から親水性へと改質される。この部分的に親水性と
なったフッ素樹脂製多孔質シートに対して、メッキを施
すと、親水性部分のみに選択的にメッキを施すことがで
きるようになる。この結果、それ自体は疎水性であるフ
ッ素樹脂製多孔質シートに対して、一つのスポットの面
積が小さく、かつ全体としてのスポット密度が高密度の
導電性スポットを形成することが可能となる。そして、
この発明の親水性処理およびメッキ処理は、通常の方法
を適用できるため、特別な設備および装置等を必要とせ
ず、かつ簡単に行うことができ、大面積のフッ素樹脂製
多孔質シートに対しても適用可能である。したがって、
この発明のフッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法
により、耐薬品性および耐熱性等の特性に優れ、シート
の面方向の絶縁性およびシートの厚み方向の導電性に優
れた大面積の異方向導電性シートの提供が可能となる。
【0035】つぎに、実施例について説明する。
【0036】
【実施例】PTFE製多孔質シート(厚み60μm,平
均孔径0.1μm)を、最初にメタノール中に浸漬し、
ついで、水中に浸漬し、そして、4.1重量%のホウ酸
水溶液に浸漬し、シート小孔内深部まで充分に、ホウ酸
水溶液を浸入させた。このシートに対し、出力650w
の低圧水銀ランプ(オーク社製,VUV−65B−22
−21)を用い、波長185nmおよび254nmで回
路パターンが形成されたマスクを介して光照射を行っ
た。
均孔径0.1μm)を、最初にメタノール中に浸漬し、
ついで、水中に浸漬し、そして、4.1重量%のホウ酸
水溶液に浸漬し、シート小孔内深部まで充分に、ホウ酸
水溶液を浸入させた。このシートに対し、出力650w
の低圧水銀ランプ(オーク社製,VUV−65B−22
−21)を用い、波長185nmおよび254nmで回
路パターンが形成されたマスクを介して光照射を行っ
た。
【0037】この部分的に光照射を行ったシートについ
て、光電子分光法(ESCA)分析をしてフッ素原子
(F)と炭素原子(C)との比(F/C)および酸素原
子(O)と炭素原子の比(O/C)について調べた。そ
の結果、光照射処理前は、F/C=2.0,O/C=
0.01であったが、処理後は、F/C=0.28,O
/C=0.19となり、フッ素原子が減少し、酸素原子
が増加していることを確認した。また、波形解析を行っ
たところ、−CF2 −結合(292eV)の炭素原子数
を100とすると、−C−O−結合(286eV)が8
0、−C=O結合(288eV)が16であり、親水基
が存在していることが確認された。
て、光電子分光法(ESCA)分析をしてフッ素原子
(F)と炭素原子(C)との比(F/C)および酸素原
子(O)と炭素原子の比(O/C)について調べた。そ
の結果、光照射処理前は、F/C=2.0,O/C=
0.01であったが、処理後は、F/C=0.28,O
/C=0.19となり、フッ素原子が減少し、酸素原子
が増加していることを確認した。また、波形解析を行っ
たところ、−CF2 −結合(292eV)の炭素原子数
を100とすると、−C−O−結合(286eV)が8
0、−C=O結合(288eV)が16であり、親水基
が存在していることが確認された。
【0038】つぎに、このシートに対して、常法によ
り、無電解銅メッキを施した。すなわち、まず、キャタ
リスト(奥野製薬社製,OPC−80キャタリスト)を用
いキャタリスト処理を行った。そして、水洗した後、ア
クセレーター処理を行い、再度水洗することにより無電
解銅メッキを行った。その結果、マスクの回路に対応し
た導電性スポットがシートの厚み方向に均一に連続形成
されていた。このシートは、シートの面方向について高
い絶縁性を示し、シートの厚み方向には高い導電性を示
した。
り、無電解銅メッキを施した。すなわち、まず、キャタ
リスト(奥野製薬社製,OPC−80キャタリスト)を用
いキャタリスト処理を行った。そして、水洗した後、ア
クセレーター処理を行い、再度水洗することにより無電
解銅メッキを行った。その結果、マスクの回路に対応し
た導電性スポットがシートの厚み方向に均一に連続形成
されていた。このシートは、シートの面方向について高
い絶縁性を示し、シートの厚み方向には高い導電性を示
した。
【図1】シートに導電性スポットを形成した状態を示す
断面斜視図である。
断面斜視図である。
【図2】多孔質シートにメッキ処理により導電性スポッ
トを形成した状態を示す断面図である。
トを形成した状態を示す断面図である。
【図3】多孔質シートの構造の一態様を示す模式図であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/40 K 7511−4E
Claims (3)
- 【請求項1】 シート面に分布する多数の小孔を備えた
フッ素樹脂製シートに対し、このシート面の所定位置に
部分メッキを施し、上記所定位置に位置する上記小孔に
シートの一面から他面まで延びるメッキ金属を形成する
フッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法であって、
上記メッキに先立って、上記フッ素樹脂製シートを前処
理して親水基を有する化合物を上記小孔内に浸入させ、
この状態で、所定パターンが形成されたマスクを介して
上記フッ素樹脂製シートのシート面の所定位置に光照射
を行うことを特徴とするフッ素樹脂製部分メッキ多孔質
シートの製法。 - 【請求項2】 親水基を有する化合物が、フッ素原子と
の結合エネルギーが539kJ/mol以上の原子の化
合物である請求項1記載のフッ素樹脂製部分メッキ多孔
質シートの製法。 - 【請求項3】 フッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートに
用いる、シート面に分布する多数の小孔を備えたフッ素
樹脂製シートが、上記シートを、そのシート面において
一軸方向に延伸し、かつそれと直交方向に延伸すること
により、複数の棒状結節が所定間隔で林立し、上記隣接
する棒状結節相互が複数の小繊維で横連結され、所定個
数の棒状結節で囲まれた空間部が小孔に形成された構造
になっている請求項1または2記載のフッ素樹脂製部分
メッキ多孔質シートの製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP221794A JPH07207450A (ja) | 1994-01-13 | 1994-01-13 | フッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP221794A JPH07207450A (ja) | 1994-01-13 | 1994-01-13 | フッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07207450A true JPH07207450A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11523199
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP221794A Pending JPH07207450A (ja) | 1994-01-13 | 1994-01-13 | フッ素樹脂製部分メッキ多孔質シートの製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07207450A (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10219465A (ja) * | 1997-02-05 | 1998-08-18 | Hitachi Chem Co Ltd | 無電解めっき方法 |
| US6465742B1 (en) | 1999-09-16 | 2002-10-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Three dimensional structure and method of manufacturing the same |
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| US6649516B2 (en) | 2001-06-05 | 2003-11-18 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method for manufacturing a composite member from a porous substrate by selectively infiltrating conductive material into the substrate to form via and wiring regions |
| US6709806B2 (en) | 2000-03-31 | 2004-03-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method of forming composite member |
| US6906423B1 (en) | 2001-06-05 | 2005-06-14 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Mask used for exposing a porous substrate |
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-
1994
- 1994-01-13 JP JP221794A patent/JPH07207450A/ja active Pending
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| JP2016048601A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 田中貴金属工業株式会社 | 金属パターンの形成方法及び導電体 |
| CN106796829A (zh) * | 2014-08-27 | 2017-05-31 | 田中贵金属工业株式会社 | 金属图案的形成方法及导电体 |
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