JPH07209618A - 励起子消去型半導体光変調装置及びその製造方法 - Google Patents

励起子消去型半導体光変調装置及びその製造方法

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JPH07209618A
JPH07209618A JP298694A JP298694A JPH07209618A JP H07209618 A JPH07209618 A JP H07209618A JP 298694 A JP298694 A JP 298694A JP 298694 A JP298694 A JP 298694A JP H07209618 A JPH07209618 A JP H07209618A
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layer
quantum well
exciton
cladding
cladding layer
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JP298694A
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Inventor
Tatsuro Ikeda
達郎 池田
Hiroshi Ishikawa
石川  浩
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】励起子消去型半導体光変調装置関し、導波路で
のビルトイン電界を大幅に低減し、横モードの制御を容
易にすること。 【構成】多重量子井戸層3とこれを上下から挟むクラッ
ド層2,4をストライプ状に形成してなる導波路層と、
その両側に絶縁膜5を介して形成された一対の電極6,
7を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励起子消去型半導体光
変調装置及びその製造方法に関し、より詳しくは、層の
面に平行な方向に電界を多重量子井戸(MQW)層に発
生、消去させて光を変調する励起子消去型半導体光変調
装置及びその製造方法に関する。最近の情報処理分野に
おいて、光を利用する光コンピュータ、光インターコネ
クションなどによる情報処理に関心が寄せられている
が、これを実現するためには光演算回路を開発する必要
がある。光演算回路を構成するためには、半導体レー
ザ、発光ダイオードなどの半導体発光素子やフォトダイ
オードなどの受光素子と集積化できる微小な光演算素子
が必要となる。
【0002】
【従来の技術】光変調装置の中で最も広く用いられるの
はLiNbO3結晶を利用したものである。しかしその装置
は、半導体を用いたものに比べるとサイズが大きく、ま
た、半導体レーザとのプレーナ化ができずに集積化が不
可能であり、さらに、半導体レーザと結合する際の光軸
合わせが面倒であるなどの問題が生じる。
【0003】そのような集積化ができなければ、光電子
集積回路(OEIC; opto-electronics IC)を構成する
ことが不可能となり、当然のことながら光コンピュータ
を作ることができない。また、高速で動作可能な光コン
ピュータを実現するためには、高速変調動作の可能な素
子が必要とされているが、これを達成するためには、第
一に、光変調・演算素子のキャパシタを低減すること、
第二に、駆動電圧を低減することが必要になる。
【0004】以上の光変調装置のサイズが大きくなって
しまうという問題、並びに発光素子、受光素子との集積
化が困難であるという問題を解決するために半導体を使
った光変調装置を作ることが考えられる。半導体光変調
装置として、例えば半導体層の上と下に形成された電極
間に電圧を印加して導波路の屈折率を変化させる構造の
光変調装置があるが、電圧に対する屈折率の変化はLiNb
O3結晶を利用したものに比べて劣る。従って、十分な効
果を上げるためには、駆動電圧を高くするか、或いは光
演算素子の長さ(光導波路長)を長くすることになる
が、このような構造にすると、高速の光変調動作、光交
換動作を行うことが難しくなり、また光の損失が大きく
なり、しかも、光演算素子をコンパクトにまとめること
が難しくなる。
【0005】LiNbO3を利用したもの以上の性能を持った
半導体光変調装置として、量子井戸構造を有する励起子
消去型の半導体光変調装置がある。この光変調装置は、
量子井戸構造内で層に平行な方向に電界を発生させるこ
とにより、その量子井戸構造のエキシトンを消去して光
吸収特性や屈折率特性を変化させる現象を利用したもの
であり、その装置は特開平2−132415号公報に記
載されている。
【0006】なお、エキシトンを消去するというのは、
エキシトンを自由電子と正孔に分解することである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】その半導体光変調装置
は、基板面に平行な電界を多重量子井戸層(MQW層)
内で発生させるために、基板面に平行な向きにpin接
合を形成してp型不純物領域とn型不純物領域の間にあ
る真性半導体領域のMQW層で電界を発生させるように
なっている。次に、この装置の構造を簡単に説明する。
【0008】図7において、半絶縁性の半導体基板101
上には第一のクラッド層102 が設けられ、その上面には
MQW層103 、第二のクラッド層104 が順に積層されて
いる。光導波路となる真性半導体領域(i型領域)108
の両側には、第二のクラッド層104 の表面から第一のク
ラッド層102 の上部に達する深さのn型不純物領域106
とp型不純物領域107 が形成されている。
【0009】なお、図中符号110 は、キャップ層109 を
介してn型不純物領域106 の上に形成されたはn電極、
111 は、キャップ層109 を介してp型不純物領域107 の
上に形成されたp電極、112 は光変調用電圧源を示して
いる。光を変調する場合には、例えば、真性半導体領域
108 のMQW層103 にエキシトン吸収ピーク波長λepの
光を照射しながら、n型不純物領域106 とp型不純物領
域107 に逆バイアス電圧を印加してMQW層103 内に横
方向の電界を発生させると、MQW層103 におけるエキ
シトンが壊されてその光が透過する一方、その電界を消
去すると光がエキシトンによって吸収される。
【0010】このように電界の発生、消去を繰り返すこ
とにより光強度変調が行われる。その他に、屈折率によ
る変調も可能である。ところで、MQW層103 を構成す
る量子井戸層の材料をIn1-x Gax Asy P1-y(x=0.438
、y=0.940 )、障壁層の材料をInP となし、また、
p型不純物領域107 の不純物濃度を3×1017/cm3 、
i型領域108 の残留不純物濃度を1×1015/cm3 のn
型不純物超低濃度となし、さらに、p型不純物領域107
とn型不純物領域106 の間隔を2μmとすると、エキシ
トンを壊すためには6kV/cmの電界強度が必要となる。
【0011】しかし、この構造では、電極110 ,111 間
に電圧を印加しない時であってもpin接合のi型領域
108 にビルトイン電界がかかる。その大きさは、計算に
よると図8に示すようになる。図8において、縦軸は電
界強度を示し、横軸は、p型不純物領域107 とi型領域
108 の境界を原点としてここからn型不純物領域106方
向への距離Xを示す。
【0012】その距離Xが0μmから0.46μmに至
る領域では6.0kV/cmを越えたビルトイン電界が存在
するので、この領域のエキシトンは電圧を印加しない状
態で既に壊されている。したがって、光変調ができる領
域はXが0.46μmよりも大きくなる範囲に限られ、
変調可能領域が狭くなってしまい、光変調器の微細化に
支障をきたす。
【0013】さらに、変調可能領域でも電界強度が変化
しているので、屈折率変調度、吸収変調度が広い分散を
もってしまい、有効な光変調ができなくなる。また、上
記した構造では、n型不純物領域106 やp型不純物領域
107 をイオン打ち込みにより形成するが、それらの領域
のMQW層103 はイオン打ち込みによっても破壊されず
にそのまま残ってしまう。この結果として、変調器のM
QW層103 のn型不純物領域106 からp型不純物領域10
7 に至る横方向に屈折率の差が存在せず、i型領域108
を通る光が広がってしまい、横モードによる制御が難し
くなるきらいがある。
【0014】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、導波路でのビルトイン電界を大幅に低減
し、横モードの制御が容易な半導体光変調装置及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図1に
例示するように、基板1上でストライプ状に形成された
第一のクラッド層2と、前記第一のクラッド層2の上に
形成されたストライプ状の多重量子井戸層3と、前記多
重量子井戸層3の上に形成されたストライプ状の第二の
クラッド層4と、前記第一のクラッド層2、前記多重量
子井戸層3及び前記第二のクラッド層4の両側面に絶縁
膜5を介し且つ互いに分離された第一及び第二の電極
6,7とを有することを特徴とする励起子消去型半導体
光変調装置によって解決する。
【0016】または、前記励起子消去型半導体光変調装
置において、前記第一及び第二の電極6,7は互いに平
行に形成されていることを特徴とする。または、前記励
起子消去型半導体光変調装置において、前記第一及び第
二のクラッド層2,4はアンドープInP からなり、前記
多重量子井戸層3は交互に繰り返し積層されたアンドー
プInGaAsP 量子井戸層とアンドープInP 障壁層から構成
されていることを特徴とする。
【0017】または、図4、図5に例示するように、基
板1の上に形成された第一のクラッド層2と、前記第一
のクラッド層2の上に量子井戸層と障壁層を交互に繰り
返し成長して多重量子井戸層3を形成する工程と、前記
多重量子井戸層3の上に第二のクラッド層4を形成する
工程と、前記第二のクラッド層4の上にストライプ状の
マスク11を形成し、該マスク11に覆われない領域の
前記第二のクラッド層4から前記第二のクラッド層4ま
でをエッチングすることにより、前記第二のクラッド層
4と多重量子井戸層3と第一のクラッド層2をメサスト
ライプ形状にパターニングする工程と、前記マスク11
を除去した後に、パターニングされた前記第二のクラッ
ド層4、多重量子井戸層3、第一のクラッド層2の少な
くとも側面に絶縁膜5を形成する工程と、メサストライ
プ状の前記第二のクラッド層4、多重量子井戸層3、第
一のクラッド層2の両側面に前記絶縁膜5を介して2つ
の電極6,7を形成する工程とを有することを特徴とす
る励起子消去型半導体光変調装置の製造方法によって解
決する。
【0018】
【作 用】本発明によれば、多重量子井戸層とこれを上
下から挟むクラッド層をメサストライプ状に形成し、そ
の両側に絶縁膜を介して一対の電極を形成している。し
たがって、一対の電極に電圧を印加することにより、多
重量子井戸層内には基板面に平行な電界が発生し、その
多重量子井戸層のエキシトンが壊され、エキシトン吸収
ピーク波長の光吸収係数が減少し、しかも、エキシトン
吸収ピーク波長よりも長波長の屈折率が大幅に減少す
る。
【0019】また、導波路となる多重量子井戸層はスト
ライプ状に形成されているので、導波路の横方向の屈折
率差が大きくなり、横モード制御が容易になる。さら
に、多重量子井戸層には不純物拡散領域が存在していな
いのでビルトイン電界は殆ど生じておらず、変調可変領
域が狭くなったり、屈折率変調や光吸収変調が広い分散
をもたず、有効な光変調が行われる。
【0020】
【実施例】そこで、以下に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の一実施例を示す励起子
消去型(エキシトンプリーチング型)の半導体光変調装
置の断面図である。図1に示す半導体光変調装置は、半
絶縁性半導体基板1の上でメサストライプ状に形成され
た第一のクラッド層2とMQW層3と第二のクラッド層
4を有し、それらの層の両側に絶縁膜5が形成されてい
る。また、それらの絶縁膜5の上には分離された第一及
び第二の電極6、7が形成され、これらの電極6、7の
間には変調用電源8が接続されている。
【0021】そのメサストライプ状のMQW層3は導波
路となり、変調されるべき光はその一端から入射し、他
端から出射する。半導体光変調装置を構成する材料や層
の厚さなどの具体的な例は、後述する製造工程において
説明する。このような構造の半導体光変調装置によれ
ば、光変調用の信号電圧が印加される電極6、7は絶縁
膜5を介してメサ形状のMQW層3の両側部に存在する
ので、ビルトイン電界はほとんど無視できる程度に発生
するだけであり、光変調可能領域を狭めることはない。
【0022】また、半導体光変調装置の導波路となるM
QW層3はストライプ状であり、しかも、その周囲に絶
縁膜5が存在するので、導波路とその周囲の屈折率の差
が十分に大きくなり、横モード制御が容易になる。さら
に、半絶縁半導体基板を使用しているので、電極6、7
による寄生容量が小さくなっている。
【0023】上記した半導体光変調装置の変調は、変調
用電源8により電極6、7間に高周波電圧信号を印加し
て行われるが、光変調は、光吸収係数を変化させること
と屈折率を変化させることの2つの方式がある。まず、
光吸収係数の変化により光変調する方法を説明する。半
導体光変調装置の電極6、7間に電圧を印加しない場合
と印加する場合の各々について、波長と光吸収係数の関
係は図2に示すような曲線となる。電極6、7間に電圧
を印加することは、QW層3内に電界を発生させること
を意味する。
【0024】図2の実線で示す曲線はMQW層3に電界
が生じていない状態を示し、波長λepに光吸収係数のピ
ークがある。このピークが現れる波長λepをエキシトン
吸収ピーク波長という。これに対して、基板1の面に平
行な方向(図1中横方向)の電界をMQW層3で発生さ
せた時には図2の破線のような曲線が得られ、エキシト
ン吸収ピーク波長λepでの光吸収係数が変化して大幅に
小さくなることがわかる。
【0025】このように電界の有無によって光吸収係数
が変化するのは、無電界時にはMQW層には光を吸収す
るエキシトンが存在し、電界印加時にはそのエキシトン
が壊されるからである。従って、MQW層3において横
方向の電界を発生、消去させることにより波長λepの光
は強度変調されることになる。
【0026】次に、屈折率の変化により光変調する方法
を説明する。図3(a) に示す実線はMQW層3内で電界
が発生しない場合を示し、波長λepより長い波長λopに
屈折率のピークがある。これに対して、MQW層3内で
横方向の電界を発生させた時に、図3(a) の破線のよう
な曲線となり、波長λopでの屈折率のピークが消えて大
幅に小さくなることがわかる。
【0027】このように屈折率が変化するのは、電界の
発生、消去によりMQW層3でのエキシトンが存在した
り壊されたりするからである。従って、その波長λopで
は、電圧の印加時と無印加時で屈折率が変化し、それに
伴って光の位相が変化するので、図3(b) に示すよう
に、波長λopの光の波は位相の異なる2つの期間をもつ
ことになる。
【0028】そこで、電圧を印加しない時の期間T1 を
「0」の信号とし、電圧印加時の期間T2 を「1」の信
号とし、これにより情報を伝達する。しかも、図2から
も明らかなように、波長λopの光吸収係数は、電圧印加
時と電圧無印加時を比べて殆ど変化がないので、損失の
少ない位相変調型の変調装置として使うのに都合がよ
い。
【0029】なお、上記した半導体光変調装置を動作さ
せるための信号電圧は、MQW層3の面に沿った横方向
にかけているので、MQW層3内の量子井戸層と障壁層
の周期の数を増やしてもMQW層3での電界強度が減る
ことはないから、動作電圧を増加させたり屈折率変化特
性を悪化させずにその周期を増やすことができ、これに
より層の厚さ方向への光閉じ込めが良くなる。
【0030】次に、上記した実施例の工程について説明
する。まず、図4(a) に示すように、InP よりなる半絶
縁性半導体基板1の上にアンドープInP よりなる第一の
クラッド層2を1000Åの厚さにエピタキシャル成長
する。続いて、MOCVD法、MOVPE法などにより
第一のクラッド層2の上にアンドープInP とアンドープ
In1-x Gax Asy P1-y(x=0.438 、y=0.940 )をそれ
ぞれ膜厚100Åずつ交互に20周期繰り返して全体に
積層し、これによりMQW層3を形成する。この場合、
InGaAsP は量子井戸層、InP は障壁層となり、MQW層
3のエキシトン(励起子)ピーク波長λepは1.526 μm
程度となる。
【0031】さらに続いて、MQW層3の上にアンドー
プInP を1000Å程度の厚さにエピタキシャル成長
し、これを第二のクラッド層4とする。このような化合
物半導体層の成長工程を終えた後に、フォトレジストを
塗布してこれを露光、現像し、光導波方向の長さが20
0μm、これに直行する方向の幅が2μmのレジストパ
ターン11を形成する。
【0032】次に、そのレジストパターン11をマスク
にして第一及び第二のクラッド層2、4とMQW層3を
第一のクラッド層2の途中までエッチングすると、図4
(b)に示すように、平面の長さが200μm、幅が2μ
mのメサ状の半導体パターンが形成される。このメサ状
の半導体パターンの側面は基板面に対して垂直又はこれ
に近い方が好ましく、これにより電極6、7は平行又は
平行に近い状態になり、MQW層3に対して斜め方向の
電界成分は零又は極めて少なくなる。これは、MQW層
3に対して斜め方向の電界成分が発生すると、エキシト
ン吸収ピーク波長や屈折率ピーク波長が長波長側にズレ
たり、変調による光吸収係数や屈折率の変化量が小さく
なってしまうからこれを回避する必要があるからであ
る。
【0033】なお、メサストライプ状の半導体パターン
を形成する方法として、SiO2、 SiNなどの絶縁膜をマス
クに用いてクラッド層2、4とMQW層3を基板1上に
選択成長する方法もある。続いてレジストパターン11
を除去した後に、図4(c) に示すように、熱CVD装置
などを使用してメサ状の半導体パターンの上面及び側面
と第一のクラッド層2の上面に厚さ1500ÅのSiO2を
成長し、これを絶縁膜5とする。
【0034】次に、フォトレジストを塗布した後に、二
重露光法その他の方法によりフォトレジストを露光し、
さらに現像を行って、図5(a) に示すように両側が庇状
に形成された断面T字状のレジストパターン12を第二
のクラッド層4の上に形成する。次に、図5(b) に示す
ように、T字状のレジストパターン12の上と、メサ状
の半導体パターンの両側壁と、第一のクラッド層21の
上面とに、TiとPtを蒸着法により順に堆積し、二層構造
の金属膜13を形成する。
【0035】この後に、レジストパターン12を除去す
ると、図5(c) に示すように金属膜13はメサ状の半導
体パターンの両側部と第一のクラッド層4の上にだけ残
る。メサストライプ状のMQW層3の一側にある金属膜
13を第一の電極6、他側にある金属膜13を第二の電
極7とする。これらの電極6、7に繋がる配線は、導波
領域の両側にある第二のクラッド層4の上で引かれる。
【0036】なお、レジストパターン12を断面T字状
にしたのは、第二のクラッド層4の上に電極6、7が存
在すると、MQW層3に対して斜め方向の電界成分が発
生するからである。これにより、図1に示すような励起
子消去型の半導体光変調装置10が完成する。
【0037】以上のような層構成、材料構成を採用する
ことにより、エキシトン吸収ピーク波長λepは1.52
6μmとなる。また、屈折率がピークとなる波長λopは
1.54μmとなり、エキシトンを消去するとその波長
λopにおる屈折率変化は最大となる。従って、既に述べ
たように、エキシトン吸収ピーク波長λepの光を吸収に
より変調し、或いは長λopの光を屈折率の変化により変
調することが可能になる。
【0038】また、以上のMQW層3でのエキシトン消
去に必要な電界は6kV/cm程度となるが、上記したよう
なメサ構造、層構成、材料構成を採用することによって
2.3V程度の電圧を印加すれば6kV/cmを越える大き
さの横方向の電界がMQW層3にかかる。したがって、
極めて小さな電圧で半導体光変調装置10を動作できる
ことになる。
【0039】この半導体光変調装置10は、各種の発光
素子と同じようにMQW層をクラッド層で挟む構造とな
っているので、半導体光変調装置10と発光素子を同一
基板に形成することにより光軸合わせを不要にすること
ができる。例えば、基板面に平行な方向に電流が注入さ
れる量子井戸層を発光領域とする図5に示すような半導
体レーザ20と構造的に整合がとれることになる。その
半導体レーザ20は、上記した半導体光変調装置10と
同じ層構造を有し、半絶縁性半導体基板1の上には第一
のクラッド層2、MQW層23、第二のクラッド層24
がメサ状に形成されている。
【0040】この半導体レーザ20のクラッド層2、2
4とMQW層23の一側にはp型不純物拡散領域25
が、他側にはn型不純物拡散領域26が形成され、これ
らの領域25,26には上記した半導体光変調装置10
と同じ構造の電極27、28が接続されている。これら
の点で、半導体光変調装置10と構造的に相違する。そ
の半導体レーザ20を動作させる場合には、p型不純物
拡散領域25とn型不純物拡散領域26には正バイアス
の電圧を印加して横方向に電流を流す。
【0041】半導体レーザ20の膜成長、メサ形成、電
極形成は、上記した半導体光変調装置10のそれらの工
程と並行してなされる。また、半導体光変調装置10の
メサストライプ状の半導体パターンを覆う絶縁膜5は、
フォトリソグラフィー法により半導体レーザ領域から除
去される。さらに、半導体レーザ20のp型不純物拡散
領域25とn型不純物拡散領域26を形成するための不
純物拡散工程では、図示しないフォトレジストにより半
導体光変調装置10を覆ってその中に不純物を導入しな
いようにする。
【0042】なお、上記したMQW層3の組成や層厚或
いはクラッド層2、4の組成は、上記した実施例に限定
されるものではなく、使用する波長帯によって変えれば
よいので、本実施例に限定されるもではない。例えば、
2つのクラッド層をアンドープAlGaAsにより形成し、M
QW層を構成する量子井戸層をアンドープGaAs、障壁層
をアンドープAlGaAsにより構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、多重
量子井戸層とこれを上下から挟むクラッド層をメサスト
ライプ状に形成し、その両側に絶縁膜を介して一対の電
極を形成したので、導波路となる多重量子井戸層の横方
向の屈折率差が大きくなり、容易に横モード制御するこ
とができる。
【0044】また、多重量子井戸層には不純物拡散領域
が存在していないので、ビルトイン電界は殆ど生じてお
らず、変調可変領域の狭窄化を防止でき、屈折率変調や
光吸収変調の広い分散を防止して有効な光変調を行うこ
とができる。さらに、量子井戸層に沿った方向から電圧
をかける方式を採用しているので、動作電圧を増加する
ことなく多重量子井戸層の周期数を増やすことにより、
光閉じ込めを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例の励起子消去型半導体
光変調装置の断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例の励起子消去型半導体
光変調装置の電圧印加時と無印加時の波長と光吸収係数
の関係を示す特性図である。
【図3】図3(a) は、本発明の実施例の励起子消去型半
導体光変調装置の電圧印加時と無印加時の波長と屈折率
の関係を示す特性図、図3(b) は、屈折率変調を示す光
強度の波形図である。
【図4】図4は、本発明の実施例の励起子消去型半導体
光変調装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図5】図5は、本発明の実施例の励起子消去型半導体
光変調装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図6】図6は、本発明の実施例の励起子消去型半導体
光変調装置と半導体レーザを集積化した状態を示す斜視
図である。
【図7】図7は、先行技術に係る励起子消去型半導体光
変調装置を示す断面図である。
【図8】図8は、先行技術にかかる励起子消去型半導体
光変調装置の導波路に生じるビルトイン電界の分布を示
す図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性半導体基板 2 第一のクラッド層 3 多重量子井戸層 4 第二のクラッド層 5 絶縁膜 6、7 電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板(1)上でストライプ状に形成された
    第一のクラッド層(2)と、 前記第一のクラッド層(2)の上に形成されたストライ
    プ状の多重量子井戸層(3)と、 前記多重量子井戸層(3)の上に形成されたストライプ
    状の第二のクラッド層(4)と、 前記第一のクラッド層(2)、前記多重量子井戸層
    (3)及び前記第二のクラッド層(4)の両側面に絶縁
    膜(5)を介しかつ互いに分離された第一及び第二の電
    極(6,7)とを有することを特徴とする励起子消去型
    半導体光変調装置。
  2. 【請求項2】前記第一及び第二の電極(6,7)は互い
    に平行に形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の励起子消去型半導体光変調装置。
  3. 【請求項3】前記第一及び第二のクラッド層(2,4)
    はアンドープInP からなり、前記多重量子井戸層(3)
    は交互に繰り返し積層されたアンドープInGaAsP 量子井
    戸層とアンドープInP 障壁層から構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の励起子消去型半導体光変調装
    置。
  4. 【請求項4】基板(1)の上に形成された第一のクラッ
    ド層(2)と、 前記第一のクラッド層(2)の上に量子井戸層と障壁層
    を交互に繰り返し成長して多重量子井戸層(3)を形成
    する工程と、 前記多重量子井戸層(3)の上に第二のクラッド層
    (4)を形成する工程と、 前記第二のクラッド層(4)の上にストライプ状のマス
    ク(11)を形成し、該マスク(11)に覆われない領
    域の前記第二のクラッド層(4)から前記第二のクラッ
    ド層(4)までをエッチングすることにより、前記第二
    のクラッド層(4)と多重量子井戸層(3)と第一のク
    ラッド層(2)をメサストライプ形状にパターニングす
    る工程と、 前記マスク(11)を除去した後に、パターニングされ
    た前記第二のクラッド層(4)、多重量子井戸層
    (3)、第一のクラッド層(2)の少なくとも側面に絶
    縁膜(5)を形成する工程と、 メサストライプ状の前記第二のクラッド層(4)、多重
    量子井戸層(3)、第一のクラッド層(2)の両側面に
    前記絶縁膜(5)を介して2つの電極(6,7)を形成
    する工程とを有することを特徴とする励起子消去型半導
    体光変調装置の製造方法。
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