JPH0721070B2 - ポリエステルフイルム及びこれを用いたコンデンサ - Google Patents

ポリエステルフイルム及びこれを用いたコンデンサ

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JPH0721070B2
JPH0721070B2 JP1413687A JP1413687A JPH0721070B2 JP H0721070 B2 JPH0721070 B2 JP H0721070B2 JP 1413687 A JP1413687 A JP 1413687A JP 1413687 A JP1413687 A JP 1413687A JP H0721070 B2 JPH0721070 B2 JP H0721070B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステルフイルム及びこれを誘電体として
用いたコンデンサに関するものである。
[従来の技術] 従来種々のポリエステルフイルム及びこれを用いたコン
デンサが知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、かかる従来のポリエステルフイルムは、
各種の電子機器において、80℃以上の温度下では、誘電
損失が大きくなり、従って使用温度範囲が80℃以下に制
限されるという欠点があった。
本発明は、かかる従来のポリエステルフイルムの欠点を
改良し、80℃以上の高温度下でも誘電損失が小さく、使
用温度範囲の広いフイルム及びこれを用いたコンデンサ
を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、 (1) ポリエチレンテレフタレートを主成分とするプ
ラスチックフイルムであって、該プラスチックフイルム
の示差走査熱量計で測定した二次転移温度が80℃以上、
かつ二次転移温度と融点との差が100〜170℃、溶融比抵
抗値が1×108Ω・cm以上、X線法での結晶化度が8〜2
5%であることを特徴とするポリエステルフイルム、及
び、 (2) ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、示
差走査熱量計で測定した二次転移温度が80℃以上、かつ
二次転移温度と融点との差が100〜170℃、溶融比抵抗値
が1×108Ω・cm以上、X線法での結晶化度が8〜25%
であるポリエステルフイルムを誘電体として用いたこと
を特徴とするコンデンサに関するものである。
本発明において、ポリエチレンテレフタレート(以下PE
Tと略称する)を主成分とするポリエステルを用いる
が、PETが75〜95重量%、好ましくは80〜95重量%含ま
れているものが良い。PET成分が上記範囲未満では、フ
イルムの特徴である寸法安定性、機械特性を十分に発揮
できないことがあり、また上記範囲を越えると、本発明
の誘電損失(以下tanδと略称する)改良効果が小さ
い。
本発明において、25〜5重量%、好ましくは20〜5重量
%の範囲でPET以外の多種ポリマを含有させる。多種ポ
リマとしては、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレ
ン−α,β−ビス(フェノキシ)エタン4,4′ジカルボ
キシレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等があ
るが、特に好ましいのは、ポリアリレートである。ま
た、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生
成剤、表面突起形成剤などの無機または有機添加剤を適
宜添加してもよい。
本発明のフイルムは、上記PETを主成分とするポリマを
二軸配向せしめたフイルムであって、該フイルムの示差
走査熱量計(DSCと略称する)で測定した二次転移温度
(以下Tgと略称する)が80℃以上で、かつTgと融点(Tm
と略称する)との差が100〜170℃の範囲にあることが必
要である。上記範囲以外ではtanδ改良効果は小さく、
更にフイルム成形性の点でも好ましくない。
本発明のフイルムの280℃における溶融比抵抗値(以下
ρと略称する)は1×108Ω・cm以上、好ましくは2×1
08Ω・cm以上である。ρが上記の値未満では本発明のta
nδ改良効果が小さく、好ましくない。ρの上限は特に
制限しないが、1×1010Ω・cm以下であることがフイル
ムの成形性を保つ点で好ましい。
本発明にかかるフイルムのX線法による結晶化度は8〜
25%、好ましくは10〜20%の範囲である。結晶化度が8
%より小さくても、また25%より大きくても本発明のta
nδ改良効果が小さい。
本発明のフイルムの溶融粘度は1000〜6000ポイズ(温度
280℃、ずり速度200sec-1)がフイルム成形性の点で好
ましい。
また、本発明のフイルムのJIS−B−0601による表面粗
さ(カットオフ:0.25mm)は0.01〜0.2μmの範囲にある
ことが好ましい。
また、本発明の誘電体を構成するフイルムの厚さは、特
に限定されないが、0.5〜30μmの範囲にあることが好
ましい。
また、本発明の誘電体を構成するフイルムの熱収縮率は
特に限定されないが、150℃、30分でフイルムの長さ方
向が0.1〜5%、幅方向が−1〜5%の範囲が好まし
い。
本発明のコンデンサは巻回法又は積層法などの周知の方
法で製造する。導電体は、金属を箔状体にした金属箔又
は上記の誘電体に金属を真空蒸着、スパッタリング法な
ど周知の方法で形成せしめた金属薄膜のいずれであって
もよい。導電体を構成する金属としては、アルミニウ
ム、亜鉛、錫、チタン、ニッケル或いは、それらの合金
などがあるが、これらに限定されることはない。
本発明のコンデンサの形状は問わないが、通常のリード
線を有するタンプあるいは、リード線を有さず、基板表
面に直接ハンダ付けするタイプ(いわゆるチップコンデ
ンサ)のいずれでもよい。また、本発明のコンデンサ
は、交流、直流いずれの用途にも使用することができ
る。
次に本発明にかかるフイルムの製造方法を説明する。
まず、テレフタル酸を主成分とするカルボン酸又はその
アルキルエステルとエチレングリコールを主成分とする
グリコールとをカルシウム、マグネシウム、リチウム、
マンガン元素などの触媒金属化合物の存在下130〜260℃
でエステル化あるいはエステル交換を行なう。その後、
アンチモン、ゲルマニウム、チタン元素からなる触媒化
合物及びリン化合物を添加し、高真空下、温度220〜300
℃で重縮合反応させる。上記リン化合物の種類として
は、亜リン酸、リン酸、リン酸トリエステル、ホスホン
酸、ホスホネートなどがあるが、特に限定されないし、
またこれらリン化合物を二種以上併用してもよい。上記
触媒化合物の添加物の添加量は特に限定しないが、カル
シウム、マグネシウム、リチウム、マンガンなどの触媒
金属化合物とリン化合物の比が下記の式を満足するよう
に含むことがフイルムのρを2×108Ω・cm以上にする
ために望ましい。
0.5≦(M/P)≦1.5 ただし、M:フイルム中のカルシウム、マグネシウム、リ
チウム、マンガン元素の全モル数、 P:フイルム中のリン元素のモル数。
また、上記フイルムのρは、該押出ポリマの段階であら
かじめ測定しておいたρとは、同じ値を示す。
また、エステル化あるいはエステル交換から重縮合の任
意の段階で必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、
紫外線吸収剤、核生成剤、表面突起形成剤などを添加す
る。
かくして得られた重縮合マポリマを5〜25重量%の範囲
内の多種ポリマとともに押出機に供給し、スリット状の
ダイから溶融押出し、冷却固化せしめて、未延伸フイル
ムを作る。この場合、多種ポリマは実質的にPETの重縮
合が完了した段階で加えるか、あるいはPETとあらかじ
めペレタイズしてペレット状で用いてもよいが、本発明
の必須要件であるフイルムのDSCで測定したTgが80℃以
上、かつTgと融点(mp)との差が100〜170℃の範囲にな
るようにすることが必須である。具体的には、あらかじ
めPETと多種ポリマをダルメージ型のスクリューを具備
したペレタイザーを用い、温度260〜300℃、対流時間5
〜30分間の範囲でペレタイズすると本発明のtanδ改良
効果に好適である。
次に、この未延伸フイルムを二軸延伸し、配向せしめ
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸又は同時二軸延伸
法を用いることができるが、フイルムの結晶化度を本発
明の範囲とするために特に好ましいのは、逐次二軸延伸
法である。
また、逐次二軸延伸の条件は、特に限定されないが、一
方向に2.5〜4.5倍延伸したのち、該方向の直角方向に3.
0〜5.0倍にすることが、フイルムの結晶化度を本発明の
範囲とするのに好適である。
また、延伸温度は70〜130℃の範囲であればよい。延伸
速度は、通常103〜5×104%/分の範囲が好適である。
次に、この延伸フイルムを熱処理する。熱処理条件とし
ては、温度130〜240℃、このましくは、150〜220℃、時
間1〜60秒間とすることがフイルムの結晶化度を本発明
の範囲とするのに有効である。
次に、本発明にかかるコンデンサの製造方法について説
明する。
上記の如くして得られたフイルムを誘電体とし、金属箔
又は金属薄膜を導電体として、平板あるいは同円状に巻
き回してコンデンサ素子を作るが、金属薄膜を導電体に
用いた方が本発明のtanδ改良効果が大きい。この場合
の金属薄膜形成法としては、周知の蒸着法、スパッタリ
ング法などを用いることができ、特に誘電体フイルムの
厚みが1.5〜5μm、蒸着膜厚が100〜5000Åの蒸着フイ
ルムを用いてコンデンサにするのが、本発明の効果を得
るためには最も好ましい方法である。
次に、このコンデンサ素子を常法に従って、プレス、熱
処理、端面封止及リード線取りつけを行なってコンデン
サとする。
本発明は、上記コンデンサを特徴とするが、上記フイル
ムに公知のコロナ放電処理を施してもよいし、また接着
性、ヒートシール性、耐湿性、滑性、表面平滑性などを
付与する目的で多種ポリマを積層した形や、有機及び/
又は無機組成物で被覆した形で用いてもよい。また、本
発明のコンデンサに絶縁油等を含浸せしめて、いわゆる
油浸コンデンサとして用いてもよい。
[作用] 本発明は、フイルムの二次転移温度、溶融比抵抗、結晶
化度を夫々最適化することによって、該フイルムのTg、
不導電性、分子配向などの各要因が微妙に相互作用し
て、誘電損失を改良することに寄与したものと考えられ
る。
[特性の測定方法及び効果の評価方法] (1) パーキンエルマー社製DSC−II型に試料10mgを
入れ、雰囲気を窒素置換する。次に昇温速度16℃/分で
280℃まで昇温させ、この状態で5分間保持する。次い
で、この試料を素早く液体窒素中で急冷する。常温まで
降温させたDSC−II型に急冷した上記サンプルを入れ、
雰囲気を再び窒素置換する。次いで16℃/分で昇温させ
(2nd RUN)Tg、Tmを測定する。また、Tm−TgをΔTmgと
した。
(2) 溶融比抵抗(ρ) 押出機の出口短管部に間隔1cmの対立電極(電極面積:
夫々25cm2、電極間の空の絶縁抵抗:1012Ω以上)を設
け、試料を280℃で押出する。次いで電極間に直流500V
を印加し、その時に流れる電流I(mA)を求める。280
℃のρは次の式から求められる。
ρ(Ω・cm)=1.25×108/I (3) フイルムの結晶化度 凍結粉砕法により、微粉末化したフイルム試料をX線回
折装置(理学電機(株)製)の標準アルミ枠につめ、反
射法で広角X線回折測定を行なった。
得られたチャートから、Johnson法(J.E.Johnson,J.App
lied Polymer Science,2(5),205('59))で結晶化
度を算出した。
(4) コンデンサの誘電損失(tanδ)特性コンデン
サ(容量0.1μF)を温度20℃及び100℃のオーブン中
で、キャパシタンス・ブリッジ(YHP)を用い、1KHzでt
anδを測定した。なお、測定は夫々1000個について行な
い、20℃でのtanδの平均値/100℃でのtanδの平均値の
比が2.6以上であれば、高温tanδ特性:良好、2.6未満
であれば、高温tanδ特性:不良と判定した。
(5) 極限粘度 o−クロロフエノールを溶媒として25℃において測定し
た値である。
(6) フイルム中の金属分析 フイルム中のカルシウム、マグネシウム、リチウム、マ
ンガンなどの元素の定量は、原子吸光法によって、測定
し、リン元素は比色法によって測定した。
[実施例] 本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 (1) 本発明のフイルムの調整 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール7
0重量部、触媒として酢酸カルシウム0.09重量部を用い
て、常法によりエステル交換反応を行ない、その生成物
に三酸化アンチモン0.03重量部、トリメチルホスフエー
ト0.15重量部、亜リン酸0.02重量部及び二酸化ケイ素
(粒子径1.2μm)0.1重量部を添加し、常法によって重
縮合して、極限粘度0.64のポリマペレットを得た(ポリ
マA)。
次いで、別の反応釜にて、テレフタル酸50重量部、イソ
フタル酸50重量部、4,4′−ジアセトキシジフエニルプ
ロパン188重量部及び触媒としてテトラブチルチタネー
ト0.06重量部を仕込み、200℃〜245℃で脱酢酸反応を行
なった。次いで、290℃の高真空度下で、重縮合反応を
行ない、極限粘度0.625のポリマペレットを得た(ポリ
マB)。
次いで、ポリマA85重量部とポリマB15重量部の比率で全
量100kgを180℃、4時間真空乾燥した後、ペレタイザー
(ダルメード型スクリュー、L/D=35)に供給し、285
℃、滞留時間10分間でペレタイズし、ペレットを得た。
次いで、このペレットを180℃、4時間真空乾燥した
後、押出機に供給して、280℃で溶融押出し、60℃の冷
却ドラムに巻き付けて、未延伸シートを作った。
次いで、この未延伸シートを95℃にて長手方向に3.8倍
延伸した。この延伸は、2組のロールの周速差で行なわ
れ、延伸速度は10000%/分であった。この一軸延伸フ
イルムをステンタを用いて延伸速度10000%/分で、105
℃で幅方向に4倍延伸し、定長下で180℃、10秒間熱処
理し、厚さ6μmの二軸配向フイルムを得た。
このフイルムTgは88℃、ΔTmgは160℃、結晶化度は16%
であった。また、溶融押出時に測定したρは、3×108
Ω・cmであった(フイルムA)。
(2) 上記(1)で得たフイルムを電子ビーム真空蒸
着装置の中−セットし、アルミニウムを膜抵抗3Ω/□
になるように蒸着した。この蒸着フイルムをスリット
し、素子巻機にかけてコンデンサ素子を作り、更に常法
によって、端面封止及びリード線取りつけを行なって、
コンデンサ(容量0.1μF)を作った(コンデンサ
A)。
(3) 評価 (2)で作成したコンデンサ1000個にについて、20℃、
100℃のtanδを測定した。夫々の温度で測定したtanδ
の平均値の比は3.1であり、tanδ特性は良好であった
(第1表)。
実施例2〜4、比較例1〜6 実施例1において、ポリマBを20重量部に変更した以外
は全く同様にして作成したコンデンサ(実施例2)や、
熱処理温度を変更した以外は全く同様にして作成したコ
ンデンサ(実施例3)や、ポリマBの種類をポリカーボ
ネートに変更した以外は全く同様にして作成したコンデ
ンサ(実施例4)は第1表に示すとおりtanδ特性は良
好であった。
しかし、実施例1において、ペレタイズ条件を変更した
り、熱処理温度などのフイルム製造条件を変更したフイ
ルム(比較例1〜4)、フイルム中の金属/リン比を変
更してフイルムの溶融比抵抗値の異なるフイルム(比較
例5)、PET成分量の異なるフイルムなどを用いて作成
したコンデンサは、誘電体であるフイルム物性が本発明
の特許請求の範囲のいずれかの要件を満たさないため、
高温下でのtanδ特性の向上したコンデンサは得られな
かった。
[発明の効果] 本発明にかかるフイルムは、PETを主成分とし、かつT
g、ΔTmg、ρ、結晶化度の各特性が最適化されているた
め、高温時のtanδ特性が改良されるという効果を有す
る。
高温時のtanδ特性が良好であるということは、交流、
直流を問わず、高温度域まで安定、すなわち、使用温度
範囲が広くなり、ひいては長期にわたる連続耐用が可能
になり、特にコンデンサ用途に最適である。また、該フ
イルムは、コンデンサのみならず、ケーブル、モータ関
係、その他の電気絶縁用途にも使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00 C08L 67:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレートを主成分とす
    るプラスチックフイルムであって、該プラスチックフイ
    ルムの示差走査熱量計で測定した二次転移温度が80℃以
    上、かつ二次転移温度と融点との差が100〜170℃、溶融
    比抵抗値が1×108Ω・cm以上、X線法での結晶化度が
    8〜25%であることを特徴とするポリエステルフイル
    ム。
  2. 【請求項2】ポリエチレンテレフタレートを主成分と
    し、示差走査熱量計で測定した二次転移温度が80℃以
    上、かつ二次転移温度と融点との差が100〜170℃、溶融
    比抵抗値が1×108Ω・cm以上、X線法での結晶化度が
    8〜25%であるポリエステルフイルムを誘電体として用
    いたことを特徴とするコンデンサ。
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