JPH07215979A - スピログリコールの製造方法 - Google Patents

スピログリコールの製造方法

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JPH07215979A
JPH07215979A JP6011889A JP1188994A JPH07215979A JP H07215979 A JPH07215979 A JP H07215979A JP 6011889 A JP6011889 A JP 6011889A JP 1188994 A JP1188994 A JP 1188994A JP H07215979 A JPH07215979 A JP H07215979A
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幸宏 本田
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慎哉 田中
Masahito Sekiguchi
将人 関口
Manji Sasaki
万治 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペンタエリスリトールとヒドロキシピバルア
ルデヒドとの反応によって、3,9−ビス(2−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンを製造するに
あたり、目的物の純度および収率を改善し、かつ廃水の
量を少なくする。 【構成】 ペンタエリスリトールとヒドロキシピバルア
ルデヒドとを、キシレンやトルエンのような有機溶媒の
存在下、40〜80℃の温度で反応させる。例えば、ペ
ンタエリスリトールと有機溶媒の混合物を40〜80℃
の温度に昇温し、ヒドロキシピバルアルデヒドの水溶液
と酸触媒の水溶液を滴下する。同範囲の温度で数時間反
応させたあと、得られたスラリー状混合物を濾過し、洗
浄、乾燥することにより、目的物が得られる。 【効果】 目的物の純度および収率が向上し、かつ廃水
量が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3,9−ビス(2−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンの改良さ
れた製造方法に関するものである。 3,9−ビス(2
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
は、この業界ではβ,β,β′,β′−テトラメチル−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウン
デカン−3,9−ジエタノールとも呼ばれており、次式
【0002】
【0003】の化学構造を有する。本明細書では、以
下、この化合物をスピログリコールという。
【0004】スピログリコールは、ウレタン、エステ
ル、チオール、エーテル化合物などの低分子化合物の合
成中間体として、またポリウレタン、ポリエステル、ポ
リエーテルポリオール、エポキシ樹脂などの高分子化合
物の中間体として、さらには、合成潤滑油、架橋剤、反
応性希釈剤、可塑剤、接着剤、改質剤、酸化防止剤、光
安定剤などの原料として、また光硬化性、耐薬品性、耐
熱性、耐摩耗性、耐候性および/または耐衝撃性樹脂な
どの原料として有用である。
【0005】
【従来の技術】スピログリコールは一般に、ペンタエリ
スリトールとヒドロキシピバルアルデヒドを原料とし
て、次式のアセタール化反応により製造されている。
【0006】
【0007】アセタール化反応は可逆反応であり、反応
中に水が副生するため、系内から水分を除去しながら反
応を進行させるという方法は公知である。例えば、米国
特許第 2,945,008号明細書には、トルエン還流下におい
て共沸脱水しながらスピログリコールを製造する方法が
記載されている。また米国特許第 3,092,640号明細書や
特開昭 64-61485 号公報には、スピログリコールが水に
ほとんど溶けないことを利用し、水を溶媒としてスピロ
グリコールを製造する方法が記載されている。
【0008】しかしながら、トルエン還流下で反応を行
う方法は、収率が低いという問題点があった。一方、水
を溶媒とする方法は、環境負荷の高い廃水が多量に副生
することから、環境汚染を避けるために多額の費用を要
した。さらに、副反応生成物の水への溶解度が低く、得
られる製品の純度が低いという問題点もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解決し、収率、廃水量および製品純
度において改善されたスピログリコールの製造方法を提
供しようとするものである。本発明者らは、収率が高
く、かつ、環境負荷の高い廃水の副生が少ないスピログ
リコールの製法を開発すべく、種々研究した結果、有機
溶媒中で反応を行うことにより廃水量が激減し、また一
方、特定の温度で反応を行うことによりスピログリコー
ルの収率が高くなることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 ペ
ンタエリスリトールとヒドロキシピバルアルデヒドと
を、有機溶媒の存在下、40〜80℃の範囲の温度で反
応させることにより、スピログリコールを製造する方法
を提供するものである。本発明における特徴は、有機溶
媒を用い、40〜80℃の範囲の温度で反応を行うこと
にある。
【0011】本発明で用いるのに好ましい有機溶媒とし
ては、芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素が挙げられ、い
ずれもハロゲンのような置換基を有していてもよい。芳
香族炭化水素の具体例は、キシレン、トルエン、エチル
ベンゼン、モノクロロベンゼンなどであり、脂肪族炭化
水素の具体例は、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどで
ある。これらのなかでも、芳香族炭化水素系溶媒として
は、特にキシレンまたはトルエンが好ましく、また脂肪
族炭化水素系溶媒としては、特にヘキサンまたはヘプタ
ンが好ましい。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、ま
たは2種以上を混合して用いてもよい。含酸素系の溶
媒、特にメタノール、エタノール、イソプロパノールの
ようなアルコール系溶媒、またはアセトン、メチルエチ
ルケトンのようなケトン系溶媒を用いると、副反応生成
物が生成しやすく、収率が低下するので、あまり好まし
くない。
【0012】本発明の反応は、用いる有機溶媒の沸点よ
り低い温度で、 一般的には40〜80℃、好ましくは
50〜70℃の範囲で行われる。40℃未満では反応速
度が遅くなるため、工業的でなく、スピログリコールの
収率および純度も低下する。反応温度が80℃を越える
と副反応生成物が増加するので、好ましくない。
【0013】反応にあたって使用する有機溶媒の量は、
生成したスピログリコールのスラリー濃度が10〜50
重量%となるよう、調整するのが好ましい。スラリー濃
度が50重量%より高いとスケーリングが生じて収率が
低下し、10重量%より低いと体積あたりの生産性が低
下するため、いずれも好ましくない。
【0014】本発明のスピログリコール生成反応は、前
記反応式に従うペンタエリスリトールとヒドロキシピバ
ルアルデヒドとのアセタール化反応であり、水の副生を
伴うが、有機溶媒とともに反応系に水が存在することは
差し支えない。反応により副生する水のほか、反応当初
から水が存在することも許容される。 いずれにして
も、前述したように、生成したスピログリコールのスラ
リー濃度が10〜50重量%となるよう、有機溶媒およ
び水の量を調整するのが好ましい。反応系に存在する水
の量は、副生する水も含めて、有機溶媒の量に対し、3
重量倍程度までは十分許容される。好ましくは、有機溶
媒の量に対し、副生する水も含めて2重量倍以下、さら
に好ましくは1重量倍以下の水が存在するように調整さ
れる。
【0015】このスピログリコール生成反応は通常、酸
触媒の存在下で行われる。用いる酸触媒に特別な制限は
ないが、一般的には硫酸、燐酸、塩酸、硝酸のような鉱
酸、またはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸
のような有機酸を用いることができる。酸触媒の好まし
い使用量は、酸触媒の種類により異なるが、系内を酸性
にできる量であればよく、ペンタエリスリトールの仕込
量に対して、一般には1〜60モル%、好ましくは3〜
30モル%の範囲から選択される。酸触媒は、1種だけ
用いてもよいし、もちろん複数種を組み合わせて使用し
てもよい。
【0016】ペンタエリスリトールとヒドロキシピバル
アルデヒドの反応のさせ方にも特別な制限はないが、例
えば次のような方法をとることができる。
【0017】(1)ペンタエリスリトール、ヒドロキシ
ピバルアルデヒド、有機溶媒および酸触媒の混合物を、
所定の反応温度に加熱して反応を行う方法、(2)予め
反応温度と同程度の温度にしておいたペンタエリスリト
ールと有機溶媒との混合物中に、ヒドロキシピバルアル
デヒド水溶液と酸触媒とを連続的または断続的に併注し
ながら反応を行う方法、(3)予め反応温度と同程度の
温度にしておいたペンタエリスリトール、酸触媒および
有機溶媒の混合物中に、ヒドロキシピバルアルデヒド水
溶液を連続的または断続的に添加しながら反応を行う方
法、(4)予め反応温度と同程度の温度にしておいたヒ
ドロキシピバルアルデヒドと有機溶媒との混合物中に、
ペンタエリスリトール水溶液と酸触媒とを連続的または
断続的に併注しながら反応を行う方法、(5)予め反応
温度と同程度の温度にしておいたヒドロキシピバルアル
デヒドと有機溶媒との混合物中に、ペンタエリスリトー
ルと酸触媒とを混合した酸性水溶液を連続的または断続
的に添加しながら反応を行う方法など。
【0018】ペンタエリスリトールの仕込量は、ヒドロ
キシピバルアルデヒド1モルに対して、0.3〜0.6モル
の範囲が好ましく、より好ましくは0.4〜0.5モルの範
囲である。この範囲をはずれるときは、副反応生成物が
増加する傾向にある。
【0019】ペンタエリスリトールとの反応に用いるヒ
ドロキシピバルアルデヒドは、もちろん精製したもので
あってもよく、また合成により得られる反応混合物であ
ってもよい。ヒドロキシピバルアルデヒドは例えば、塩
基性触媒の存在下、ホルムアルデヒドとイソブチルアル
デヒドとを反応させることにより製造できるが、こうし
て得られる反応混合物をそのままペンタエリスリトール
との反応に用いることができる。この反応混合物を用い
る場合は、塩基性触媒を含んでいるので、通常はそれを
中和し、さらに反応系を酸性にするのに十分な量の酸性
触媒が用いられる。もちろん、ヒドロキシピバルアルデ
ヒドの生成手段は、本発明においてなんら制限されるも
のではない。
【0020】ペンタエリスリトールとヒドロキシピバル
アルデヒドとの反応時間は、 一方の原料を他方の原料
へ連続的または断続的に添加する場合はその添加時間も
含めて、通常は3〜24時間程度が好ましく、より好ま
しくは5〜15時間程度である。反応終了後は、スピロ
グリコールを含むスラリー状混合物が得られるので、固
液分離し、必要により洗浄および乾燥して、目的とする
スピログリコールを単離することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。以下のにおいて、%および部は特にことわら
ないかぎり、それぞれ重量%および重量部を意味する。
【0022】製造例(ヒドロキシピバルアルデヒドの合
成) イソブチルアルデヒド56部とトリエチルアミン3.1部
との混合物を60℃に昇温し、35%ホルマリン66部
を4時間かけて滴下した。その後、その温度に保ちなが
ら4時間撹拌して、ヒドロキシピバルアルデヒドを6
0.5%含むアルドール反応液124部を得た。
【0023】実施例1 ペンタエリスリトール50部をキシレン311部に懸濁
させ、60℃まで昇温した。そこへ、上記製造例で得ら
れたヒドロキシピバルアルデヒドを60.5%含むアルド
ール反応液124部、および25%硝酸15部を、約2
時間かけて併注した。その後、その温度に保ちながら、
併注時間も合わせて10時間撹拌した。得られたスラリ
ー状混合物を濾過し、水100部およびキシレン100
部で洗浄したあと乾燥して、100部のスピログリコー
ルを得た(収率89.5%、製品純度99.5%)。このと
き、175部の廃水が副生した。
【0024】実施例2 キシレン311部に代えてトルエン306部を使用した
以外は、実施例1と同様に反応させた。 得られたスラ
リー状混合物を濾過し、水100部およびトルエン10
0部で洗浄したあと乾燥して、99部のスピログリコー
ルを得た(収率88.6%、製品純度99.5%)。このと
き、175部の廃水が副生した。
【0025】実施例3 キシレン311部に代えてヘキサン233部を使用した
以外は、実施例1と同様に反応させた。 得られたスラ
リー状混合物を濾過し、水100部およびヘキサン10
0部で洗浄したあと乾燥して、97部のスピログリコー
ルを得た(収率86.8%、製品純度97.5%)。このと
き、177部の廃水が副生した。
【0026】比較例1 ペンタエリスリトール50部を水433部に懸濁させて
60℃まで昇温し、完全に溶解させた。そこへ、前記製
造例で得られたヒドロキシピバルアルデヒドを60.5%
含むアルドール反応液124部、および60%硝酸9.5
部を、約5時間かけて併注した。その後、その温度に保
ちながら、併注時間も合わせて9時間撹拌した。得られ
たスラリー状混合物を濾過し、水300部で洗浄したあ
と乾燥して、98部のスピログリコールを得た(収率8
7.7%、製品純度96.5%)。このとき、800部の廃
水が副生した。
【0027】比較例2 前記製造例で得られたヒドロキシピバルアルデヒドを6
0.5%含むアルドール反応液124部、ペンタエリスリ
トール50部、p−トルエンスルホン酸1.5部およびト
ルエン295部を混合し、還流下で2.5時間加熱撹拌し
た。反応中に生成する水分は、共沸脱水により除去し
た。反応終了後、室温まで冷却し、得られたスラリー状
混合物を濾過し、水100部およびトルエン100部で
洗浄したあと乾燥して、85部のスピログリコールを得
た(収率76.0%、製品純度99.5%)。このとき、1
60部の廃水が副生した。
【0028】以上の実施例および比較例における反応条
件および成績は、表1にまとめて示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明に従って、ペンタエリスリトール
とヒドロキシピバルアルデヒドとの反応を、有機溶媒の
存在下、40〜80℃の範囲の温度で行うことにより、
高い収率で、環境負荷の高い廃水を多量に排出すること
なく、高純度のスピログリコールを得ることができる。
特に、水を溶媒とした場合(比較例1)に比べ、製品純
度が向上し、廃水量が低減される。またトルエン還流下
で反応させた場合(比較例2)に比べ、高い製品純度を
保ちながら、高い収率が達成される。したがって本発明
によれば、高収率、高純度で、かつ少ない廃水量で、ス
ピログリコールを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 将人 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 万治 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペンタエリスリトールとヒドロキシピバル
    アルデヒドとを、 有機溶媒の存在下、40〜80℃の
    範囲の温度で反応させることを特徴とする3,9−ビス
    (2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,
    4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】有機溶媒が、分子内にハロゲンを含んでも
    よい芳香族または脂肪族の炭化水素である請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】有機溶媒が、キシレンおよびトルエンから
    選ばれる芳香族炭化水素である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】有機溶媒が、ヘキサンおよびヘプタンから
    選ばれる脂肪族炭化水素である請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】50〜70℃の温度で反応を行う請求項1
    〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】生成した3,9−ビス(2−ヒドロキシ−
    1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラ
    オキサスピロ〔5.5〕ウンデカンのスラリー濃度が、
    10〜50重量%となるよう、有機溶媒の量を選択する
    請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】酸触媒の存在下で反応を行う請求項1〜6
    のいずれかに記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001055388A (ja) * 1999-06-10 2001-02-27 Sumitomo Chem Co Ltd 3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンの製造方法
JP2007126448A (ja) * 2005-10-04 2007-05-24 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ジオキサングリコールの製造方法
JP2007126447A (ja) * 2005-10-04 2007-05-24 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ジオキサングリコールの製造方法

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