JPH07218457A - 荷電粒子エネルギー分析器 - Google Patents

荷電粒子エネルギー分析器

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JPH07218457A
JPH07218457A JP1298194A JP1298194A JPH07218457A JP H07218457 A JPH07218457 A JP H07218457A JP 1298194 A JP1298194 A JP 1298194A JP 1298194 A JP1298194 A JP 1298194A JP H07218457 A JPH07218457 A JP H07218457A
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JP
Japan
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electrode
spherical
spherical electrode
arc
charged particles
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Application number
JP1298194A
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English (en)
Inventor
Shozo Kono
省三 河野
Toshinori Hayashi
俊典 林
Shiyuuji Takatou
修二 高東
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】 試料にX線/粒子を照射し、試料から放
出/散乱される荷電粒子の運動エネルギーを分析する静
電型荷電粒子エネルギー分析器を、第1内球面電極、第
1外球面電極、およびこれらの電極により構成される間
隙に設けられた円弧状入射口/出射口スリット、入射口
スリット上の3対の電極、出射口スリット上の4対の電
極、出口アパーチャーおよび位置敏感型検出器から構成
する。出口アパーチャーと位置敏感型検出器との間に球
面偏向電極を設けてもよい。 【効果】 検出エネルギーの精度と分解能に優れ、
検出効率も高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体の表面分析装置な
どにおいて、一点から放射状に放出される荷電粒子の放
出角度とエネルギーを同時に計測し、固体表面の構造解
析などを効率良く行うことを目的とした分析機器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の機器として特開平3−1
5748号公報に開示されたものがあり、これを図9、
図10、図11および図12により説明する。図12は
荷電粒子エネルギー分析器の動作原理を示したもので、
試料の微小領域から放出または散乱される荷電粒子のう
ち、特定の極角αをもった荷電粒子であって、方位角β
が特定の範囲内にあるものをすべて入射スリットに取込
み、このうち、特定のエネルギーをもった荷電粒子のみ
が、出射スリットからでて位置敏感型検出器で検出され
るというものである。
【0003】この荷電粒子エネルギー分析器の概略断面
図を図9に示す。図9において荷電粒子エネルギー分析
器は、同心的に対向して配置された第1内球面電極1
(球面半径45mm)と第1外球面電極2(球面半径5
5mm)を有し、それぞれに異なった電圧を印加するこ
とによって、球面の接線方向から入射した荷電粒子のう
ち、印加した電圧によって定まるエネルギーをもった荷
電粒子のみがその方向を120°偏向し、出射口スリッ
ト7および出口アパーチャー10を通過するというエネ
ルギー選別機能を有している。また、第1内球面電極1
がもつ円弧と第1外球面電極2がもつ円弧との共通の中
心点4を通り、かつそれぞれの円弧の中点における接線
に平行な直線が対称中心軸3である。
【0004】図10は、図9のエネルギー分析部13の
入射口を形成する円弧状のスリット(6,6a)に設け
られた2対の電極(914,914a)および(91
5,915a)を示し、図11は、図9のエネルギー分
析部13の出射口を形成する円弧状のスリット(7,7
a)に設けられた1対の電極(916,916a)を示
すものである。なお、それぞれの電極は、すべて対称中
心軸3上に中心をもつ円弧状、すなわち、図9に示す断
面を対称中心軸3の周りに回転した形状をもつ。従っ
て、対称中心軸3に対して垂直に配置された試料5から
特定の極角αをもって放出または散乱された荷電粒子
は、方位角βの広い範囲でエネルギー分析部13の内部
に入射する。エネルギー分析部13から出射した荷電粒
子は、出口アパーチャー10において、特定のエネルギ
ーをもったものだけが一度は収束するが、出口アパーチ
ャー10を出射した荷電粒子は、試料5から放出された
ときの方位角βに応じて再び分散し、位置敏感型検出器
11によって検出される。すなわち、位置敏感型検出器
11の検出位置によって、その荷電粒子の放出の方位角
βが決定される。また、この荷電粒子エネルギー分析器
と試料5との相対位置を対称中心軸3に沿って変更すれ
ば、エネルギー分析部13の内部に取込める荷電粒子の
放出の極角αを変更できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】試料から特定の極角α
をもって放出された荷電粒子がエネルギー分析部にてエ
ネルギー分散を受けるためには、第1内球面電極と第1
外球面電極の二つの球面の平均半径からなる平均軌道面
9の接線方向から入射しなければならない。そのため、
従来は、電極(914、914a)および(915、9
15a)で決定される電位勾配によって、軌道8と対称
中心軸3を含む面内で荷電粒子の偏向を行っていた。ま
た、エネルギー分散された荷電粒子は、電極(916、
916a)が設けられた、出射口を形成する円弧状のス
リット(7,7a)と出口アパーチャー10を通過して
エネルギー選別されていた。なお、このとき、出射口ス
リット(7,7a)と出口アパーチャー10との間で荷
電粒子の進行方向が変化しないよう、電極(916、9
16a)と出口アパーチャー10との電位は、平均軌道
面9の電位に等しくしていた。
【0006】しかしながら、上述のような構成をもつエ
ネルギー分析器の場合、第1内球面電極1および第1外
球面電極2と入射口スリットの2対の電極(914、9
14a)および(915、915a)との間の電場、第
1内球面電極1および第1外球面電極2と出射口スリッ
トの1対の電極(916、916a)との間の電場が理
想的な球対称から大きく歪むという問題点があり、その
結果として、(1) 第1内球面電極1および第1外球
面電極2に印加された電圧によって理論上決まるエネル
ギーをもった荷電粒子の軌道が、平均軌道面9から大き
くはずれ、理論上検出されるエネルギーと実際に検出さ
れるエネルギーが一致しない、(2) 出射口スリット
を出た後の荷電粒子が出口アパーチャー10で収束せ
ず、エネルギー分解能が悪い、などの悪影響が観測され
ていた。
【0007】一方、位置敏感型検出器11は、その検出
効率が荷電粒子の入射方向によって異なるという性質を
有しており、一般には、検出面に対して垂直に近いほう
が検出効率が高い。そのため、従来は出口アパーチャー
10と位置敏感型検出器11との間に対称中心軸上に中
心をもつ円弧状のスリットを有した加速電極12を設
け、この加速電極12と位置敏感型検出器11に挟まれ
た電位勾配によって荷電粒子の検出面への入射を変更し
ていた。
【0008】しかしながら、このような加速電極を用い
た手段では、(3) 目的とする荷電粒子のエネルギー
によって、位置敏感型検出器への入射角度や検出位置が
異なる、(4) 加速電極および位置敏感型検出器に印
加する電圧は検出する荷電粒子のエネルギーおよび発生
する二次電子ノイズによって制限を受けるため、充分な
荷電粒子の偏向を得るのに必要な電位勾配を作ることが
できない場合が多い、等の問題があった。(3)を解決
するために位置敏感型検出器の表面電圧を検出電子のエ
ネルギーに連動して変化させるという方法も提示された
が、この場合は、位置敏感型検出器の出力にノイズ成分
が多くなるという新たな欠点が生じた。
【0009】本発明の課題は、上述の構成を有する荷電
粒子エネルギー分析器がもつ欠点を克服し、エネルギー
値の精度やエネルギー分解能に優れ、また、荷電粒子の
エネルギーにかかわらず、一定した高い検出効率が得ら
れる、放出角度の同時計測が可能な荷電粒子エネルギー
分析器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような現状に鑑
み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、試料にX線または粒
子を照射し、該試料から放出または散乱される荷電粒子
の運動エネルギーを分析する静電型の荷電粒子エネルギ
ー分析器において、 ・ 開き角が180°未満の円弧を、該円弧上の中点に
おける接線に平行で、かつ該円弧の中心を通る直線(対
称中心軸)の周りに回転した、凸状部分球面をもつ第1
内球面電極、 ・ 第1内球面電極を形成する円弧より半径が大きく、
開き角が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第1内球
面電極のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第
1外球面電極であって、凹状部分球面と第1内球面電極
の凸状部分球面とを同心的に間隙を形成するよう対向さ
せて配置した第1外球面電極、 ・ 対称中心軸上にその中心がある円弧状スリットであ
って、第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
れる間隙の、荷電粒子の入射口および出射口にそれぞれ
設けられたスリット、 ・ 入射口スリットに設けられた3対の電極であって、
荷電粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順
次通過して第1内球面電極および第1外球面電極より形
成される間隙から入射するように配されている電極、 ・ 出射口スリットに設けられた4対の電極であって、
荷電粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順
次通過して第1内球面電極および第1外球面電極より形
成される間隙から出射するように配されている電極、 ・ 対称中心軸上に配置され、出射口スリットより出射
した荷電粒子が通過する出口アパーチャー、および、 ・ 出口アパーチャーの後段に荷電粒子の検出器として
設けられた位置敏感型検出器からなることを特徴とする
荷電粒子エネルギー分析器、または、試料にX線または
粒子を照射し、該試料から放出または散乱される荷電粒
子の運動エネルギーを分析する静電型の荷電粒子エネル
ギー分析器において、 ・ 開き角が180°未満の円弧を、該円弧上の中点に
おける接線に平行で、かつ該円弧の中心を通る直線(対
称中心軸)の周りに回転した、凸状部分球面をもつ第1
内球面電極、 ・ 第1内球面電極を形成する円弧より半径が大きく、
開き角が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第1内球
面電極のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第
1外球面電極であって、凹状部分球面と第1内球面電極
の凸状部分球面とを同心的に間隙を形成するよう対向さ
せて配置した第1外球面電極、 ・ 対称中心軸上にその中心がある円弧状スリットであ
って、第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
れる間隙の、荷電粒子の入射口および出射口にそれぞれ
設けられたスリット、 ・ 入射口スリットに設けられた2対の電極であって、
荷電粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順
次通過して第1内球面電極および第1外球面電極より形
成される間隙に入射するように配されている電極、 ・ 出射口スリットに設けられた1対の電極であって、
荷電粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順
次通過して第1内球面電極および第1外球面電極より形
成される間隙から出射するように配されている電極、 ・ 対称中心軸上に配置され、出射口スリットより出射
した荷電粒子が通過する出口アパーチャー、 ・ 開き角が180°未満の円弧を、対称中心軸の周り
に回転した、凸状部分球面をもつ第2内球面電極と、第
2内球面電極を形成した円弧より半径が大きく、開き角
が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第2内球面電極
のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第2外球
面電極とからなり、かつ第2内球面電極と第2外球面電
極との球面半径比が、第1内球面電極と第1外球面電極
との球面半径比に等しく、出口アパ−チャーを通過した
荷電粒子の軌道上を挟持するように配された球面偏向電
極、および ・ 球面偏向電極の後段に荷電粒子の検出器として設け
られた位置敏感型検出器からなることを特徴とする荷電
粒子エネルギー分析器、または、試料にX線または粒子
を照射し、該試料から放出または散乱される荷電粒子の
運動エネルギーを分析する静電型の荷電粒子エネルギー
分析器において、 ・ 開き角が180°未満の円弧を、該円弧上の中点に
おける接線に平行で、かつ該円弧の中心を通る直線(対
称中心軸)の周りに回転した、凸状部分球面をもつ第1
内球面電極、 ・ 第1内球面電極を形成する円弧より半径が大きく、
開き角が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第1内球
面電極のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第
1外球面電極であって、凹状部分球面と第1内球面電極
の凸状部分球面とを同心的に間隙を形成するよう対向さ
せて配置した第1外球面電極、 ・ 対称中心軸上にその中心がある円弧状スリットであ
って、第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
れる間隙の、荷電粒子の入射口および出射口にそれぞれ
設けられたスリット、 ・ 入射口スリットに設けられた3対の電極であって、
荷電粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順
次通過して第1内球面電極および第1外球面電極より形
成される間隙に入射するように配されている電極、 ・ 出射口スリットに設けられた4対の電極であって、
荷電粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順
次通過して第1内球面電極および第1外球面電極より形
成される間隙から出射するように配されている電極、 ・ 対称中心軸上に配置され、出射口スリットより出射
した荷電粒子が通過する出口アパーチャー、 ・ 開き角が180°未満の円弧を、対称中心軸の周り
に回転した、凸状部分球面をもつ第2内球面電極と、第
2内球面電極を形成した円弧より半径が大きく、開き角
が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第2内球面電極
のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第2外球
面電極とからなり、かつ第2内球面電極と第2外球面電
極との球面半径比が、第1内球面電極と第1外球面電極
との球面半径比に等しく、出口アパ−チャーを通過した
荷電粒子の軌道上を挟持するように配された球面偏向電
極、および ・ 球面偏向電極の後段に荷電粒子の検出器として設け
られた位置敏感型検出器からなることを特徴とする荷電
粒子エネルギー分析器に関する。
【0012】第1内球面電極を構成する際の円弧の開き
角と第1外球面電極を構成する際の円弧の開き角、また
は第2内球面電極を構成する際の円弧の開き角と第2外
球面電極を構成する際の円弧の開き角とは等しいことが
望ましいが、製造上の精度の点から、1〜2°異なって
いても本願発明の目的は達成することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0014】図1は、本願発明にかかる一実施態様の概
略図である。同図において、荷電粒子エネルギー分析器
は、半径45mmの第1内球面電極1と半径55mmの
第1外球面電極2とを有し、それぞれに異なった電圧を
印加することによって、球面の接線方向から入射した荷
電粒子のうち、印加した電圧によって定まるエネルギー
をもった荷電粒子のみがその方向を120°偏向するよ
うに設定されている。また、対称中心軸3は、図1にお
いて、第1内球面電極1がもつ円弧と第1外球面電極2
がもつ円弧の共通の中心4を通り、かつそれぞれの円弧
の中点における接線に平行な直線である。試料5はこの
対象中心軸3が試料の垂線に一致するよう設置されてい
る。図2は、対称中心軸を中心とする荷電粒子の入射口
円弧状スリット(6,6a)に設けられた3対の電極
(17,17a)、(18,18a)および(19,1
9a)であり、図の太線部分が電極面となっている。な
お、3対の電極は、絶縁性セラミックスを加工した入射
口スリット(6,6a)に金等の導電性物質を蒸着する
ことにより製造することができる。また、入射口スリッ
ト(6,6a)の形状および電極の設け方は、以下に説
明する各電極対の機能を満たすように、荷電粒子の軌道
計算を解析することにより決定した。
【0015】試料5から放出または散乱された荷電粒子
は、入射口スリット(6,6a)上の3対の電極対(1
7,17a)、(18,18a)および(19,19
a)を通過してゆく。このとき、1番目の電極対(1
7,17a)は接地電位とし、2番目の電極対以降の電
位の漏れを抑制する。2番目の電極対(18,18a)
には、入射してきた荷電粒子を平均軌道面9の接線方向
に偏向するような電位を供給する。そして、3番目の電
極対(19,19a)は、第1内球面電極1と第1外球
面電極2および2番目の電極対の間の電場を理想的な球
対称に補正するためのものであり、簡便には電極19の
電位は第1外球面電極2の電位と、電極19aの電位は
第1内球面電極1の電位と同一にすればよい。
【0016】上述のような電位をかけることにより、試
料5から放出または散乱された荷電粒子は、電極対(1
7,17a)、(18,18a)および(19,19
a)によって軌道8と対称中心軸3を含む面内で曲げら
れ、そのうち、第1内球面電極1および第1外球面電極
2に印加された電圧によって定まるエネルギーをもった
荷電粒子が平均軌道面9に軌道を描くようになる。すな
わち、試料5が対称中心軸3のどこにあるかによって測
定の極角αは決まり、ある極角αで放出された荷電粒子
が入射口スリットの出口面から垂直に出射し、平均軌道
面9を通過するよう電極対(18,18a)および(1
9,19a)に印加する電圧を決定すればよい。
【0017】図3において、(7,7a)は、対称中心
軸3上に中心をもつ円弧状出射口スリットである。この
スリット上には、4対の電極(20,20a)、(2
1,21a)、(22,22a)および(23,23
a)が設けられ、荷電粒子は、順次この電極対を通過し
て出口アパーチャー10へ向かう。1番目の電極対(2
0,20a)の目的は、第1内球面電極1と第1外球面
電極2および2番目の電極対(21,21a)の間の電
場を理想的な球対称に補正するためのものであり、簡便
には、電極20は第1外球面電極1と同電位に、電極2
0aは第1内球面電極2と同電位にすればよい。2番目
の電極対(21,21a)と4番目の電極対(23,2
3a)は3番目の電極対(22,22a)の電位の漏れ
を抑えることを目的とし、具体的には、平均軌道面9の
電位を与えればよい。3番目の電極対(22,22a)
は、出射する荷電粒子の収束点を出口アパーチャー10
に一致させるような電位を与えればよい。なお、出射口
スリット(7,7a)の断面形状の決定および4対の電
極の製造法は、入射口スリットの項で説明した方法を適
用すればよい。
【0018】なお、極角αの設定可能な範囲は、電極対
(17,17a)、(18,18a)および(19,1
9a)の形状にもよるが、例えば30〜90°となるよ
うに設計することができる。また、方位角βの同時計測
可能な範囲は、入射口スリットに設けられた3対の電
極、出射口スリットに設けられた4対の電極、第1内球
面電極1および第1外球面電極2の対称中心軸まわりの
回転対称角、および目的とする荷電粒子のエネルギーに
よって決定され、上述の実施例の場合には75°となる
よう設計した。また、極角αが90°となる設定におい
て、試料5の表面を前述の対称中心軸3に平行とするこ
とにより特定の範囲の極角で同時計測が可能となる。こ
のときの極角の同時計測可能な範囲は、試料表面が、対
称中心軸に垂直な場合の方位角に等しく、従って、本実
施例では75°である。
【0019】また、この荷電粒子エネルギー分析器と試
料5との相対位置を対称中心軸3に沿って変更すれば、
エネルギー分析部13の内部に取込める荷電粒子の放出
の極角αを変更できる。具体的には、荷電粒子エネルギ
ー分析器を対称中心軸3に沿って移動させる方法、また
は試料5を対称中心軸3に沿って移動させる方法を例示
することができる。
【0020】エネルギー分析部13で分散された荷電粒
子のうち、特定のエネルギーをもったものだけが出射口
スリット(7,7a)と出口アパーチャー10を通過し
てエネルギー選別される。この荷電粒子を位置敏感型検
出器11により検出するが、出口アパーチャー10と位
置敏感型検出器11との間に、対称中心軸3上に中心の
ある円弧状スリットを有する偏向電極12を設けてもよ
い。
【0021】偏向電極12は、出口アパーチャー10と
同電位に保ってもよいが、位置敏感型検出器11との間
では加速または減速電圧を与えることができる。加速電
圧を与えたときには、位置敏感型検出器11への入射方
向を直角に近くしてその検出効率を高めることができ
る。一方、減速電圧を与えたときには、出口アパーチャ
ー10などからの散乱二次電子の位置敏感型検出器11
への混入を防ぐことができる。
【0022】位置敏感型検出器11は、例えば、有効直
径約25mmのマイクロチャンネルプレート(MCP)
を2枚用いればよい。位置敏感型検出器11によって、
荷電粒子は電子に変換され、107〜108倍に増幅さ
れ、マルチアノード(図示せず)を励起し、荷電粒子の
方位角および強度を同時に記録する。
【0023】ここで、入射口および出射口スリットに設
けた複数の電極対の効果を調べるために、荷電粒子とし
て電子を選択し、電子の出射エネルギーを1000e
V、電子の出射極角を45±0.5°として、上記の構
成からなるエネルギー分析部内部の電子軌道を計算によ
り解析した。図1に記載した本願発明の荷電粒子エネル
ギー分析器の場合についての計算結果を図4に、図9に
記載した従来の荷電粒子エネルギー分析器の場合につい
ての計算結果を図5にそれぞれ太線で示す。本発明の荷
電粒子エネルギー分析器では、電子の軌道が平均軌道面
9とほぼ一致し、かつ出口アパーチャ−10で収束して
いるのに対して、従来の荷電粒子エネルギー分析器で
は、電子の軌道が平均軌道面9から大幅にずれ、また、
出口アパーチャ−10で収束していない。従って、本願
発明では検出されるエネルギーの精度が著しく改善さ
れ、また、電子が出口アパーチャー10で収束している
のでエネルギー分解能も著しく改善されている。
【0024】なお、入射および出射スリットに設ける電
極対の数が多いほど、荷電粒子の軌道の補正精度を高め
ることができるのはいうまでもない。また、これら電極
対は、本実施例で示した形状に制限されるものでもな
い。
【0025】ところで、位置敏感型検出器11への入射
角度や検出位置を一定にするため、この偏向電極12を
図6に示すような球面偏向電極112としてもよい。な
お、図6において、エネルギー分析部13は図9と同様
の構成をもつものとして描かれているが、もちろん、図
1と同様の構成としてもよい。球面偏向電極112は、
偏向角が60°となるよう設計された第2内球面電極1
12aと第2外球面電極112bとを同心的に対向して
配置し、第2内球面電極112aと第2外球面電極11
2bとの球面半径比を、エネルギー分析部の第1内球面
電極1および第1外球面電極2との半径比と同一に設定
する。図6の場合、半径比(第1内球面電極1/第1外
球面電極2)は、45mm/55mm=0.82であ
り、半径比(第2内球面電極112a/第2外球面電極
112b)は、16.2mm/19.8mm=0.82
となっている。以上のような構造において、偏向電極と
しての機能を満たすためには、第2内球面電極112a
に印加する電圧として、エネルギー分析部の第1内球面
電極1に印加している電圧を、第2外球面電極112b
に印加する電圧として、エネルギー分析部の第1外球面
電極2に印加している電圧を印加すればよく、新たな供
給電源を必要としないという特徴が得られる。
【0026】また、球面偏向電極112を荷電粒子の軌
道上に配置するため、球面電極の同心点20の位置は、
同心点20からエネルギー分析部13にかかる球面電極
の同心点4へと向かう線分が、出口アパーチャー10の
中心部によって0.36:1.0に内分されるように決
定されればよい。この0.36いう比率は、エネルギー
分析部13にかかる球面電極と球面偏向電極112の球
面電極とのそれぞれの比、即ち、16.2mm/45m
m=19.8mm/55mm=0.36に等しい。もち
ろん、球面偏向電極は、第2内球面電極112aと第2
外球面電極112bとが荷電粒子の軌道を挟持するよう
に配置すればよいのであって、上述の配置になんら限定
されるものではない。
【0027】球面偏向電極112の偏向角を60°とし
たのは、位置敏感型検出器11の検出面を対称中心軸3
に対して垂直になるよう配置した結果であって、試料5
からの荷電粒子の放出角度を計測する上で方位角に対す
る分解能を最も高くするためである。従って、エネルギ
ー分析部と位置敏感型検出器との位置関係が変わること
によって、球面偏向電極の最適な偏向角が変化すること
はいうまでもない。
【0028】ここで球面偏向電極112の効果を調べる
ために、荷電粒子として電子を選択し、電子の出射エネ
ルギーを1000eVおよび2000eVとして、図6
の構成を有する球面偏向電極間の電子軌道を計算により
解析した。本願発明の球面偏向電極についての計算条件
を表1に、計算結果を図7に示し、従来の偏向電極につ
いての計算条件を表2に、計算結果を図8に示す。本願
発明の球面偏向電極を使用した場合、2種類のエネルギ
ーをもつ電子の軌道がほとんど重なるため、図7におい
ては1本の線のように描かれている。これからわかるよ
うに、球面偏向電極を用いたエネルギー分析器では、荷
電粒子のエネルギーの大きさにかかわらず、位置敏感型
検出器への入射角度が一定で、しかも垂直に近い。これ
に対し、従来の偏向電極を用いたエネルギー分析器で
は、位置敏感型検出器への入射角度が荷電粒子のエネル
ギーによって変化してしまう。従って、本願発明によれ
ば、検出位置がほぼ同位置となるため、放出角度の測定
誤差を最小限に抑制することができ、検出効率も高くな
り、さらに、従来行われているような位置敏感型検出器
の表面電圧を検出電子のエネルギーに連動して変化させ
る必要もない。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の荷電粒子エネルギー分析器は従来の分析器と比較し
て、以下のような利点を有するものである。
【0032】(1) エネルギー分析部内部の荷電粒子
の軌道を、第1内球面電極と第1外球面電極の二つの球
面の平均半径からなる球面上に補正することが可能であ
り、理論上検出されるエネルギーと実際に検出されるエ
ネルギーが一致する。
【0033】(2) エネルギー分析部の出射スリット
を出た後の荷電粒子を出口アパーチャーで収束させるこ
とができるため、エネルギー分解能に優れている。
【0034】(3) 荷電粒子のエネルギーにかかわら
ず、位置敏感型検出器への入射角度や検出位置がほぼ一
定となる。
【0035】(4) 位置敏感型検出器の表面電位を固
定できるため、出力に混入するノイズ成分を最小限とす
ることができる。
【0036】(5) エネルギー分析部に対して位置敏
感型検出器をどのような向きに配置しても、球面偏向電
極の偏向角の設定を変えるだけで、位置敏感型検出器の
検出効率を高めることができる。
【0037】(6) 球面偏向電極のために新たな電圧
供給源を必要としない。
【0038】従って、本発明の工業的価値は高いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の荷電粒子エネルギー分析器の一例の
概略断面図である。
【図2】 本発明の荷電粒子エネルギー分析器の入射ス
リット部を示す概略断面図である。
【図3】 本発明の荷電粒子エネルギー分析器の出射ス
リット部を示す概略断面図である。
【図4】 本発明の荷電粒子エネルギー分析器における
電子の軌道を計算した結果を示す図である。
【図5】 従来の荷電粒子エネルギー分析器における電
子の軌道を計算した結果を示す図である。
【図6】 本発明の荷電粒子エネルギー分析器の一例の
概略断面図である。
【図7】 本発明の荷電粒子エネルギー分析器における
球面偏向電極中における電子の軌道を計算した結果を示
す図である。
【図8】 従来の荷電粒子エネルギー分析器における偏
向電極中における電子の軌道を計算した結果を示す図で
ある。
【図9】 従来の荷電粒子エネルギー分析器の一例の概
略断面図である。
【図10】 従来の荷電粒子エネルギー分析器の入射ス
リット部を示す概略断面図である。
【図11】 従来の荷電粒子エネルギー分析器の出射ス
リット部を示す概略断面図である。
【図12】 荷電粒子エネルギー分析の原理を示す概念
図である。
【符号の説明】
1;第1内球面電極 2;第1外球面電極 3;対称中心軸 4:第1内球面電極および第1外球面電極の球面中心点 5;試料 6,6a;入射口スリット 7,7a:出射口スリット 8;荷電粒子の軌道 9;平均軌道面 10;出口アパーチャー 11;位置敏感型検出器 12;偏向電極 13;エネルギー分析部 17,17a,18,18a,19,19a,20,2
0a,21,21a,22,22a,23,23a,9
14,914a,915,915a,916,916
a;電極 20;球面偏向電極の球面中心点 112;球面偏向電極 112a;第2内球面電極 112b;第2外球面電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料にX線または粒子を照射し、該試料
    から放出または散乱される荷電粒子の運動エネルギーを
    分析する静電型の荷電粒子エネルギー分析器において、 開き角が180°未満の円弧を、該円弧上の中点におけ
    る接線に平行で、かつ該円弧の中心を通る直線(対称中
    心軸)の周りに回転した、凸状部分球面をもつ第1内球
    面電極、 第1内球面電極を形成する円弧より半径が大きく、開き
    角が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第1内球面電
    極のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第1外
    球面電極であって、凹状部分球面と第1内球面電極の凸
    状部分球面とを同心的に間隙を形成するよう対向させて
    配置した第1外球面電極、 対称中心軸上にその中心がある円弧状スリットであっ
    て、第1内球面電極および第1外球面電極より形成され
    る間隙の、荷電粒子の入射口および出射口にそれぞれ設
    けられたスリット、 入射口スリットに設けられた3対の電極であって、荷電
    粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順次通
    過して第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
    れる間隙から入射するように配されている電極、 出射口スリットに設けられた4対の電極であって、荷電
    粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順次通
    過して第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
    れる間隙から出射するように配されている電極、 対称中心軸上に配置され、出射口スリットより出射した
    荷電粒子が通過する出口アパーチャー、および、 出口アパーチャーの後段に荷電粒子の検出器として設け
    られた位置敏感型検出器、からなることを特徴とする荷
    電粒子エネルギー分析器。
  2. 【請求項2】 試料にX線または粒子を照射し、該試料
    から放出または散乱される荷電粒子の運動エネルギーを
    分析する静電型の荷電粒子エネルギー分析器において、 開き角が180°未満の円弧を、該円弧上の中点におけ
    る接線に平行で、かつ該円弧の中心を通る直線(対称中
    心軸)の周りに回転した、凸状部分球面をもつ第1内球
    面電極、 第1内球面電極を形成する円弧より半径が大きく、開き
    角が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第1内球面電
    極のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第1外
    球面電極であって、凹状部分球面と第1内球面電極の凸
    状部分球面とを同心的に間隙を形成するよう対向させて
    配置した第1外球面電極、 対称中心軸上にその中心がある円弧状スリットであっ
    て、第1内球面電極および第1外球面電極より形成され
    る間隙の、荷電粒子の入射口および出射口にそれぞれ設
    けられたスリット、 入射口スリットに設けられた2対の電極であって、荷電
    粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順次通
    過して第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
    れる間隙に入射するように配されている電極、 出射口スリットに設けられた1対の電極であって、荷電
    粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順次通
    過して第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
    れる間隙から出射するように配されている電極、 対称中心軸上に配置され、出射口スリットより出射した
    荷電粒子が通過する出口アパーチャー、 開き角が180°未満の円弧を、対称中心軸の周りに回
    転した、凸状部分球面をもつ第2内球面電極と、第2内
    球面電極を形成した円弧より半径が大きく、開き角が等
    しい円弧を、該対称中心軸の周りに第2内球面電極のと
    きと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第2外球面電
    極とからなり、かつ第2内球面電極と第2外球面電極と
    の球面半径比が、第1内球面電極と第1外球面電極との
    球面半径比に等しく、出口アパ−チャーを通過した荷電
    粒子の軌道上を挟持するように配された球面偏向電極、
    および球面偏向電極の後段に荷電粒子の検出器として設
    けられた位置敏感型検出器、からなることを特徴とする
    荷電粒子エネルギー分析器。
  3. 【請求項3】 試料にX線または粒子を照射し、該試料
    から放出または散乱される荷電粒子の運動エネルギーを
    分析する静電型の荷電粒子エネルギー分析器において、 開き角が180°未満の円弧を、該円弧上の中点におけ
    る接線に平行で、かつ該円弧の中心を通る直線(対称中
    心軸)の周りに回転した、凸状部分球面をもつ第1内球
    面電極、 第1内球面電極を形成する円弧より半径が大きく、開き
    角が等しい円弧を、該対称中心軸の周りに第1内球面電
    極のときと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第1外
    球面電極であって、凹状部分球面と第1内球面電極の凸
    状部分球面とを同心的に間隙を形成するよう対向させて
    配置した第1外球面電極、 対称中心軸上にその中心がある円弧状スリットであっ
    て、第1内球面電極および第1外球面電極より形成され
    る間隙の、荷電粒子の入射口および出射口にそれぞれ設
    けられたスリット、 入射口スリットに設けられた3対の電極であって、荷電
    粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順次通
    過して第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
    れる間隙に入射するように配されている電極、 出射口スリットに設けられた4対の電極であって、荷電
    粒子が対向する各電極によって形成される間隙を順次通
    過して第1内球面電極および第1外球面電極より形成さ
    れる間隙から出射するように配されている電極、 対称中心軸上に配置され、出射口スリットより出射した
    荷電粒子が通過する出口アパーチャー、 開き角が180°未満の円弧を、対称中心軸の周りに回
    転した、凸状部分球面をもつ第2内球面電極と、第2内
    球面電極を形成した円弧より半径が大きく、開き角が等
    しい円弧を、該対称中心軸の周りに第2内球面電極のと
    きと同角度回転した、凹状部分球面をもつ第2外球面電
    極とからなり、かつ第2内球面電極と第2外球面電極と
    の球面半径比が、第1内球面電極と第1外球面電極との
    球面半径比に等しく、出口アパ−チャーを通過した荷電
    粒子の軌道上を挟持するように配された球面偏向電極、
    および球面偏向電極の後段に荷電粒子の検出器として設
    けられた位置敏感型検出器、からなることを特徴とする
    荷電粒子エネルギー分析器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112305002A (zh) * 2019-07-30 2021-02-02 Vg系统有限公司 光谱学和成像系统
KR102231035B1 (ko) * 2019-09-25 2021-03-23 한국표준과학연구원 지연 에너지 분석기

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