JPH07227659A - 連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法 - Google Patents

連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法

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JPH07227659A
JPH07227659A JP2267994A JP2267994A JPH07227659A JP H07227659 A JPH07227659 A JP H07227659A JP 2267994 A JP2267994 A JP 2267994A JP 2267994 A JP2267994 A JP 2267994A JP H07227659 A JPH07227659 A JP H07227659A
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cooling water
continuous casting
casting
mold
continuous
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JP2267994A
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Mutsumi Tada
田 睦 多
Shigeru Ogura
倉 滋 小
Mototatsu Sugisawa
澤 元 達 杉
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非定常時における鋳造速度の変化によって、冷
却不足によるブリードやブレークアウト等を生じること
がなく、しかも、たとえ凝固収縮率の高い鋼種であって
も過冷却に起因するシェルの倒れ込み等を好適に防止
し、タンディッシュ交換後の連々鋳や異鋼種連鋳等を、
安定かつ安全に行うことができる連続鋳造用鋳型の冷却
水制御方法を提供する。 【構成】連続鋳造用鋳型に供給する冷却水の温度と排出
された冷却水の温度との差をΔTとした際に、連続鋳造
速度の低下に応じて連続鋳造用鋳型に供給する冷却水量
を逓減してΔTを逓増し、連続鋳造速度の上昇に応じて
同冷却水量を逓増してΔTを逓減するように、連続鋳造
用鋳型への冷却水供給を制御することにより前記目的を
達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造の一次冷却に
おいて、連続鋳造の停止や開始、取鍋交換等に伴って鋳
造速度が変更される連続鋳造の非定常時(鋳造停止時も
含む)に、過冷却による連続鋳造片の倒れ込みや、冷却
不足によるブリード等を発生することなく、安定かつ安
全に高品質の連続鋳造片を製造することを可能とする連
続鋳造用鋳型の冷却水制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スラブ等の連続鋳造においては、一般に
取鍋からタンディッシュと呼ばれる中間容器に溶鋼を注
入し、タンディッシュより溶鋼を連続鋳造用鋳型(以
下、モールドとする)に注入して、所定の断面形状を有
した連続鋳造片(以下、連鋳片とする)とし、それを下
方に連続的に引き抜いて連鋳片の芯部まで凝固せしめた
後、所定長さに切断することによって、ブルームやビレ
ットとされる。
【0003】このような連続鋳造において、溶鋼(連鋳
片)はモールドより引き抜かれて搬送されつつ、モール
ドでの一次冷却、二次冷却帯での二次冷却によって、表
面より順次凝固する。一般的に、一次冷却は溶鋼(連鋳
片)と接触するモールドを冷却水によって水冷すること
によって行われ、二次冷却は連鋳片を搬送しつつ水スプ
レー等を噴射することによって行われる。従って、連続
鋳造設備(以下、連鋳機とする)は、機端までに製造さ
れる連鋳片が芯部まで完全に凝固するように機長が設定
され、また、引き抜き速度、一次および二次冷却制御に
よって凝固速度が制御される。
【0004】ところで、モールドへの溶鋼注入を停止し
て連続鋳造を停止・終了する際には、連鋳片のトップ部
(本発明において連鋳片のトップ部とは、鋳造終了時に
おいてモールドから引き抜かれる連鋳片の尻端部分をい
う)を確実に凝固させた後に引き抜きを行う必要があ
る。鋳造停止後に、連鋳片トップ部の凝固が不十分な状
態で引き抜きを行ってしまうと、連鋳片表面に形成され
たシェル(凝固殻)が破断して溶鋼が流出するブリード
を生じてしまう等の不都合が発生し、甚だしい場合には
設備破損や水蒸気爆発等の重大事故が発生する場合もあ
り、設備上および安全上非常に大きな問題となってしま
う。
【0005】そのため、通常の連続鋳造においてモール
ドへの溶鋼注入を停止して連続鋳造を終了する際には、
鋳造末期となった時点で鋳造速度を徐々に低下させ、極
端な場合には引き抜きを一旦停止して、連鋳片のトップ
を十分に凝固させた後に徐々に引き抜きを行う。
【0006】また、異なる鋼種を続けて連続鋳造する、
いわゆる異鋼種連々鋳(あるいはタンディッシュ交換後
の同鋼種連々鋳)を行う際には、鋳造速度を低下して前
回鋼種(先に鋳造されている鋼種)の鋳込み終了後に一
旦鋳造を停止し、モールド中の湯面上に前回鋼種と次回
鋼種(続いて鋳造される鋼種)とを区分するための仕切
り材(接続治具)を挿入した後に、次回鋼種の鋳込みを
開始するのが一般的である。
【0007】すなわち、異鋼種連々鋳を行う場合には、
図3に示されるように鋳造速度を徐々に低減した後に鋳
込みを停止して鋳造を停止し、前回鋼種のタンディッシ
ュを移動した後に、前述の仕切り材を挿入し、次回鋼種
のタンディッシュを所定の鋳込み位置に配置して、次回
鋼種の鋳込みを開始して鋳造を再開し、徐々に鋳造速度
を上昇して定常の連続鋳造とされる。なお、図3におい
て、M/D冷却水流量とはモールドに供給される冷却水
量、ΔTとはモールドに供給する冷却水とモールドから
排出された冷却水の水温差、T/D重量比とは定常鋳込
時のタンディッシュ重量に対するタンディッシュの重量
比率(%)である。
【0008】異鋼種連々鋳に使用される仕切り材として
は、例えば特公昭49−42215号公報に開示される
平板状部材、特開昭54−142131号公報に開示さ
れる中空ブロック状の仕切り材、さらには特公昭63−
15056号公報に開示されるV型の仕切り材等、各種
のものが知られている。
【0009】ところが、このような異鋼種連々鋳等を行
う場合、前回の鋼種がSUS304鋼等の凝固収縮率の
高い鋼種であると、鋳造速度低減時および鋳造停止時に
モールドと接触している連鋳片(溶鋼)が凝固によって
大きく収縮する、いわゆるシェルの鋳片内部側への倒れ
込みを生じてしまい、仕切り材を挿入できない、あるい
は次回鋼種の鋳込みを再開できないという問題が発生す
る場合がある。例えば、SUS304鋼を幅aが124
0mm、厚さbが200mmのモールド50(図4参照)を
用いて100ton 連続鋳造した際に、前述の図3の条件
で鋳造を停止した際には、図4に概念的に示されるよう
に、シェルの倒れ込みによって連鋳片のトップ部が先細
り状態となり、連鋳片52とモールド50との間に、幅
方向に3mm(矢印c)、厚さ方向に12mmおよび10mm
(それぞれ矢印dおよびe)の間隙が形成され、モール
ド50の上方より鋳片サポートロール54が見えるよう
な状態となって、注入した溶鋼がそのまま下方へ流出す
るため、再度溶鋼を注入することが不可能となる。
【0010】この原因の一つとして、連続鋳造停止後に
連鋳片トップ部の凝固が不十分な状態で連鋳片の引き抜
きを行った場合に、前述のブリード等のような問題点の
発生を恐れて鋳造停止に際して連鋳片トップ部を過冷却
としてしまうことにより、シェルの内側(鋳片内部側)
への倒れ込みが大きくなってしまうことが挙げられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来から実施されてい
るモールドの冷却水制御方法を大別すると、定値流量制
御方法、連鋳片表面温度を一定に制御する方法、さらに
は前述の冷却水水温差ΔTや溶鋼温度等を加味して総体
的に制御する方法とに分けることができる。
【0012】定値流量制御方法とは、モールドに供給す
る冷却水量が常時一定量となるように制御する方法であ
り、前述の図3に示される例であるが、この方法では定
常状態の連続鋳造でも、鋳造速度低減時等の非定常状態
でも冷却水の設定流量は同一であるので、安全率を大き
く取った過剰冷却水量となってしまう。そのため、鋳造
を停止するための鋳造速度低下や鋳造停止時には連鋳片
トップ部が過冷却となるのを免れず、凝固収縮率の大き
な鋼種で異鋼種連々鋳等を行う場合には先に述べたよう
なシェルの倒れ込みによる問題が発生する。
【0013】連鋳片表面温度を一定に制御する方法と
は、文字通り製造された連鋳片の表面温度が一定となる
ように、主として二次冷却帯で冷却速度を制御する方法
であるため、モールドにおける一次冷却の過冷却、およ
びそれに起因するシェルの倒れ込みを防止することはで
きない。
【0014】さらに、冷却水水温差ΔTや溶鋼温度等を
加味して総体的に制御する方法としては、例えば、特開
昭49−107928号、同52−46331号の各公
報に開示されるように、モールドを通過する冷却水量お
よびΔTより得られる抜熱量と、連続鋳造速度等の関係
とを一定条件とする方法が知られている。しかしなが
ら、これらの方法は、主にΔTの変化が検出された際、
すなわちΔTが変化した後に冷却水量や鋳造速度等の制
御を行うので、特に前述の鋳造停止のための鋳造速度低
減のような急激な条件変化には対応することはできな
い。
【0015】他方、特開昭60−187457号公報に
は、冷却水量とΔTに加え、さらに溶鋼の鋳込み温度を
検出して、溶鋼成分やその凝固点より求められる溶鋼加
熱度(タンディッシュ内溶鋼温度と、溶鋼成分より求め
られる凝固点との差)に従って、ΔTおよびモールド内
溶鋼レベルを基に冷却水量を調整する方法が開示されて
いる。しかしながら、鋳造停止時等の鋳込み末期には溶
鋼加熱度はほとんど変化しないので、この方法ではこれ
らの非定常時に良好に対応することはできず、また先の
方法と同様、ΔTの変化等に応じて制御を行うので、鋳
造停止のための鋳造速度低減のような急激な条件変化に
は対応することはできない。
【0016】すなわち、これらの従来のモールド冷却水
の制御方法は、定常状態の連続鋳造における健全かつ安
定な連続鋳造の操業を目的としたものであり、非定常
時、例えば、前述の図3に示されるような鋳造停止のた
めの鋳造速度低減等の急激な鋳造速度変化等に対応する
ことはできない。そのため、非定常時、特に異鋼種連々
鋳の鋼種変更時やタンディッシュ交換後の同鋼種連々鋳
などにおける鋳造速度変化や鋳造停止時等に、過冷却あ
るいは冷却不足を生じてしまい、シェルの倒れ込み、ブ
レークアウトやブリード等を防止することができず、こ
れらを解決したモールド冷却水制御方法の実現が切望さ
れている。
【0017】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、非定常時における鋳造速度の変
化、特に、異鋼種連々鋳等における鋳造速度低減や鋳造
停止等の際に、冷却不足によるブリードやブレークアウ
ト等を生じることがなく、しかも、たとえ凝固収縮率の
高い鋼種であっても過冷却に起因するシェルの倒れ込み
等を好適に防止し、タンディッシュ交換後の同鋼種や異
鋼種連々鋳等を、安定かつ安全に行うことができる連続
鋳造用鋳型の冷却水制御方法を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、定常状態および非定常状態が繰り返し操
業される連続鋳造における、非定常状態における連続鋳
造用鋳型の冷却水制御方法であって、前記連続鋳造用鋳
型に供給する冷却水の温度と前記連続鋳造用鋳型から排
出された冷却水の温度との差をΔTとした際に、連続鋳
造速度の低下に応じて前記連続鋳造用鋳型に供給する冷
却水量を逓減して前記ΔTを逓増し、連続鋳造速度の上
昇に応じて前記連続鋳造用鋳型に供給する冷却水量を逓
増して前記ΔTを逓減するように、前記連続鋳造用鋳型
への冷却水供給を制御することを特徴とする連続鋳造用
鋳型の冷却水制御方法を提供する。
【0019】また、前記冷却水供給の制御を連続鋳造の
停止および開始のための鋳造速度変化に応じて行うのが
好ましい。
【0020】以下、本発明の連続鋳造用鋳型(モール
ド)の冷却水制御方法(以下、冷却水制御方法とする)
について詳細に説明する。図1に、本発明の冷却水制御
方法を実施する連続鋳造設備(以下、連鋳機とする)の
上部を概念的に示す。図1に示される連鋳機10におい
て、溶鋼は取鍋(図示省略)から、タンディッシュ16
に注入され、このタンディッシュ16から浸漬ノズル1
8によってモールド20に注入される。
【0021】モールド20に注入された溶鋼は、一次冷
却により凝固を開始して(いわゆるシェルを形成し)連
鋳片12となり、二次冷却帯22に引き抜かれる。二次
冷却帯22は、通常の連鋳機と同様、多数の鋳片サポー
トローラ24,24,24……や、鋳片サポートローラ
24の間隙に配置されるスプレーノズル等より構成さ
れ、連鋳片12を引き抜き、搬送しつつ水スプレーやミ
ストスプレー等によって二次冷却する。二次冷却帯22
には、任意の間隔で連鋳片12引き抜き搬送の駆動力と
なるピンチローラ対26a,26b……が配置され、ピ
ンチローラ対26a,26b……の駆動を制御する搬送
制御装置28によって、連鋳片12の搬送速度すなわち
鋳造速度(引き抜き速度)が制御される。
【0022】図示例の連鋳機10において、一次冷却の
ためのモールド20の冷却水は、冷却水供給装置30よ
り供給ライン32を経てモールド20に供給され、排水
ライン34より廃棄あるいは冷却機に供される。供給ラ
イン32にはモールド20に供給する冷却水の温度(入
口温度)を測定する温度計36が、他方、排水ライン3
4には、モールド20から排出される冷却水の温度(出
口温度)を測定する温度計38が、それぞれ配置され
る。
【0023】このような連鋳機10において、搬送制御
装置28および冷却水供給装置30は制御装置40に接
続され、この制御装置40の指示に応じて連鋳片12の
鋳造速度、およびモールド20への冷却水供給量を調整
する。また、制御装置40には、温度計36および38
が接続され、モールド20の冷却水の入口温度および出
口温度の計測結果が送られる。
【0024】図1に示される連鋳機10は、本発明の冷
却水制御方法を利用する設備であるので、タンディッシ
ュ16の交換や異鋼種連鋳々等の際の鋳造停止および鋳
造再開のための鋳造速度変化(鋳造停止時も含む)や、
取鍋交換時等、各種の非定常時における鋳造速度の変
化、すなわち、鋳造速度の低下に応じて冷却水量を逓減
してΔTを逓増し、鋳造速度の上昇に応じて冷却水量を
逓増してΔTを低減するように、モールド20への冷却
水供給量を調整する。
【0025】すなわち、図示例の連鋳機10において
は、例えば、鋳造停止のために鋳造末期に鋳造速度を低
下する際には、制御装置40は搬送制御装置28に鋳造
速度を低下する指示を出すと共に、冷却水供給装置30
からの冷却水供給量を制御(減少)して、ΔTを大きく
するものである。
【0026】図2に、異鋼種連々鋳における前回鋼種の
鋳造停止(終了)、および次回の鋳造開始の際の鋳造速
度変化、および、それに伴う本発明の冷却水供給量の制
御の一例を示す。
【0027】図2に示される例においては、定常状態で
は鋳造速度が0.8m/分であり、その際のモールド冷
却水の供給量は2200L(リットル)/分、ΔTが4
℃である。取鍋からタンディッシュ16への溶鋼注入が
終了し、さらに、鋳造末期となってT/D重量比(定常
鋳込時のタンディッシュ重量に対するタンディッシュの
重量比率)が58%となった旨の信号を制御装置40が
受けると、制御装置40は搬送制御装置28に鋳造速度
を0.6m/分とする指示を出して鋳造速度を低下し、
同時に冷却水供給装置30からの冷却水供給量を110
0L/分として、ΔTを7℃に上昇する。
【0028】鋳造が進行して、制御装置40がT/D重
量比が50%となった信号を受けると、制御装置40は
搬送制御装置28に鋳造速度を0.4m/分とする指示
を出して鋳造速度を低下し、同時に冷却水供給装置30
からの冷却水供給量を1000L/分として、ΔTを7
℃に保持する。
【0029】さらに鋳造が進行して、制御装置40がT
/D重量比が42%となった信号を受けると、制御装置
40は搬送制御装置28に鋳造速度を0.2m/分とす
る指示を出して鋳造速度を低下し、同時に冷却水供給装
置30からの冷却水供給量を800L/分として、ΔT
を7.5℃に上昇する。T/D重量比が33%となった
時点で、タンディッシュ16の浸漬ノズル18が閉塞さ
れ鋳込が終了し、さらに制御装置40は搬送制御装置2
8に鋳造速度を0m/分(すなわち搬送停止)とする指
示を出し、同時に冷却水供給装置30からの冷却水供給
量を750L/分としてΔTを7.5℃に保持する。す
なわち、この際における定常状態からのΔTの変化は
3.5℃である。
【0030】鋳造が停止すると、『前回鋼種のタンディ
ッシュ16移動』→『仕切り材(接続治具)挿入』→
『シェル倒れ込み部シール実施(ウイスカー添加)』→
『新タンディッシュ16配置』→『次回鋼種の取鍋より
新タンディッシュ16への溶鋼注入開始』→『新タンデ
ィッシュ16の浸漬ノズル18開放(鋳込開始)』等の
各種作業が行われる。
【0031】鋳込開始後、T/D重量比が33%となっ
た時点で、制御装置40は搬送制御装置28に鋳造速度
を0.2m/分(すなわち搬送開始)とする指示を出
し、同時に冷却水供給装置30からの冷却水供給量を8
00L/分とし、ΔTを7.5℃に保持して、次回鋼種
の鋳造が開始される。その後、制御装置40はタンディ
ッシュ16の溶鋼注入量に応じて順次鋳造速度を向上
し、それに応じて冷却水供給装置30からの冷却水供給
量を調整してΔTを小さくする。
【0032】従来のモールドの冷却水制御方法は、定常
状態における健全かつ安定な連続鋳造の操業を目的とし
たものであり、主にΔTの変化を検出して、それに応じ
て冷却水供給量や鋳造速度を調整することにより、連続
鋳造の定常状態において、一定条件の一次冷却の基にお
ける安定した操業を目的とするものである。しかしなが
ら、これらの冷却水制御方法では、鋳造停止のための鋳
造速度低下等の各種の非定常時における鋳造速度の急激
な変化に対応することはできず、例えば、異鋼種連々鋳
の鋼種変更の際に、前回の鋼種が凝固収縮率が高いもの
であると、鋳造を停止した際における連鋳片トップ部の
シェルの倒れ込みが大きく、仕切り材を挿入できない、
次回鋼種の鋳込みができない等の問題点があるのは前述
のとおりである。
【0033】これに対し、本発明の冷却水制御方法にお
いては、従来のようなΔTの変化ではなく、非定常時に
おける鋳造速度の変化、特に鋳造停止のための急激な速
度低下等に応じて、鋳造速度の低下に応じて冷却水量を
逓減してΔTを逓増し、鋳造速度の上昇に応じて冷却水
量を逓増してΔTを逓減するように、モールド20への
冷却水供給量を制御する。このような本発明によれば、
図2に示される鋳造停止のための鋳造速度低減等の急激
な鋳造速度変化を伴う非定常時においても、連鋳片12
(溶鋼)の過冷却によるシェルの大幅な倒れ込みや、冷
却不足によるブリードやブレークアウト等を好適に防止
し、前述のような異鋼種連々鋳やタンディッシュ16交
換後の連々鋳を安定かつ安全に行うことができる。
【0034】本発明の冷却水制御方法において、鋼種
(凝固収縮率)や鋳片幅等により多少前後するがΔTの
最大値は12℃以内とするのが好ましい。鋼種等によっ
ても異なるが、ΔTが12℃を超えると、ブリードやブ
レークアウトを発生する可能性が増し、安全かつ安定な
連続鋳造を行うことができない場合がある。
【0035】本発明の冷却水制御方法において、鋳造速
度の低下に応じて冷却水量を逓減してΔTを逓増し、鋳
造速度の上昇に応じて冷却水量を逓増してΔTを逓減す
るようにして一次冷却を行うことによって、冷却不足に
よるブリードやブレークアウトの防止、さらにはシェル
の大幅な倒れ込みを防止できる理由については定かでは
ないが、本発明者らの推測によると、鋳片トップ部のシ
ェルが過冷された場合は、凝固収縮率の高い鋼種ではト
ップ部の4周が収縮し、シェルが内側へ倒れ込んで先細
り状となる。従って、冷却量を減少させ、鋳片からの技
熱量を減らしていくことで、収縮を防止できる。なお、
本発明は収縮率の高い場合、特に0.980(実績巾/
命令巾)以下の場合に有効であるが、鋳込巾が小さい程
鋳片の温度低下量が大きくなり、収縮量が増えることか
ら巾狭材にも有効である。
【0036】また、このような本発明の冷却水制御方法
は、鋳造速度が0.7m/分以下となった際に行うと、
特に好適な効果が得られる。
【0037】このような本発明のモールドの冷却水制御
方法は、垂直型連鋳機、垂直曲げ型連鋳機、湾曲型連鋳
機等、公知の各種連鋳機にいずれも利用可能である。ま
た、本発明の冷却水制御方法を非定常時のみに利用し、
定常時には前述の特開昭60−178457号公報等に
開示される、従来の冷却水制御方法を併用してもよい。
さらに、モールド冷媒としては、水以外にも各種の冷媒
が利用可能である。
【0038】以上、本発明の連続鋳造用鋳型の冷却制御
方法について詳細に説明したが、本発明は以上の例に限
定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各
種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんであ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。 <発明例>機長19.6mの全湾曲型連鋳機を用いて、
C:0.06,Si:0.45,Mn:0.60,Ni:8.4,Cr:18.4 (各wt%)
の組成を有するSUS304鋼の溶鋼を110ton 連続
鋳造した。モールド(スラブサイズ)は幅1240mm、
厚さが200mm(すなわち、前述の図4に示される例と
同様)のものを用いた。
【0040】取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入終
了後、前述の図2に示される例と全く同様にして鋳造速
度を低下し、かつモールド冷却水の制御(すなわち本発
明の冷却水制御方法)を行って鋳造を停止した。なお、
この際のΔTの最大値は7.5℃、定常状態からのΔT
の変化は3.5℃であるのは、図2に示される。鋳造停
止後、『旧タンディッシュ移動』→『仕切り材挿入』→
『シェル倒れ込み部シール実施』→『新タンディッシュ
配置』の各操作を行い、取鍋から新タンディッシュに同
組成のSUS304鋼を注入し、新タンディッシュから
モールドに溶鋼の注入を再開して、SUS304鋼の連
々鋳を行った。その結果、ブリードやブレークアウト、
シェルの大幅な倒れ込み等を発生することなく、全く問
題なくタンディッシュ交換後の連々鋳を行うことができ
た。
【0041】<比較例>比較のために、冷却水制御を変
更した以外は、前記本発明例と全く同様にして連々鋳を
行った。冷却水制御条件は下記のとおりである。 A法;冷却水量を常時一定とした(すなわち前述の図3
に示される例)その結果、A法では図4に示される様
に、シェルが大幅に倒れ込み、モールドの上方より鋳片
サポートロールが見えるような状態となってしまった。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法によれば、鋳造停止時
のように急激な鋳造速度変化を伴う場合において、連鋳
片(溶鋼)の過冷却によるシェルの大幅な倒れ込みや、
冷却不足によるブリードやブレークアウト等を好適に防
止し、前述のような異鋼種連々鋳やタンディッシュ交換
後の連々鋳を安定かつ安全に行うことができ、生産性に
寄与する効果が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法を実
施する連続鋳造設備の一例を概念的に示す図である。
【図2】本発明の連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法の一
例を示すグラフである。
【図3】従来の連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法の一例
を示すグラフである。
【図4】従来の連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法による
シェルの倒れ込みの一例を概念的に示す図である。
【符号の説明】
10 連続鋳造設備(連鋳機) 12 連続鋳造片(連鋳片) 16 タンディッシュ 18 浸漬ノズル 20 連続鋳造用鋳型(モールド) 22 二次冷却帯 24 鋳片サポートローラ 26a,26b ピンチローラ 28 搬送制御装置 30 冷却水供給装置 32 供給ライン 34 排水ライン 36,38 温度計 40 制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定常状態および非定常状態が繰り返し操業
    される連続鋳造における、非定常状態における連続鋳造
    用鋳型の冷却水制御方法であって、 前記連続鋳造用鋳型に供給する冷却水の温度と前記連続
    鋳造用鋳型から排出された冷却水の温度との差をΔTと
    した際に、連続鋳造速度の低下に応じて前記連続鋳造用
    鋳型に供給する冷却水量を逓減して前記ΔTを逓増し、
    連続鋳造速度の上昇に応じて前記連続鋳造用鋳型に供給
    する冷却水量を逓増して前記ΔTを逓減するように、前
    記連続鋳造用鋳型への冷却水供給を制御することを特徴
    とする連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法。
  2. 【請求項2】前記冷却水供給の制御を連続鋳造の停止お
    よび開始のための鋳造速度変化に応じて行う請求項1に
    記載の連続鋳造用鋳型の冷却水制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015020192A (ja) * 2013-07-19 2015-02-02 株式会社神戸製鋼所 鋳片の冷却方法
JP2018192500A (ja) * 2017-05-17 2018-12-06 Jfe条鋼株式会社 角ビレットまたは角ブルームの連続鋳造方法
JP2020006425A (ja) * 2018-07-11 2020-01-16 日本製鉄株式会社 金属の連続鋳造方法

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