JPH07235043A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07235043A
JPH07235043A JP3002094A JP3002094A JPH07235043A JP H07235043 A JPH07235043 A JP H07235043A JP 3002094 A JP3002094 A JP 3002094A JP 3002094 A JP3002094 A JP 3002094A JP H07235043 A JPH07235043 A JP H07235043A
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JP
Japan
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weight
magnetic
parts
amino group
terminal amino
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Pending
Application number
JP3002094A
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English (en)
Inventor
Takahiro Miyazaki
孝弘 宮崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP3002094A priority Critical patent/JPH07235043A/ja
Publication of JPH07235043A publication Critical patent/JPH07235043A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁気記録媒体において、磁性層あるいはバッ
クコート層に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサン
を添加する。 【効果】 磁性層,バックコート層の強度を強くなり、
また、磁性層表面と、ベースフィルム表面または磁性層
表面間の離型性が向上し、巻いた状態で保存している間
に磁性層表面に粘着物が付着するのが防止される。した
がって、短波長の記録再生システムに採用すべく、磁性
粉末の微細化,磁性層表面の鏡面化を図った場合でも良
好な走行耐久性が得られ、しかも長期間保存後にもドロ
ップアウトがほとんど発生せず、良好な記録再生特性を
得ることが可能である。なお、このような効果は、結合
剤としてエポキシを有する塩化ビニル系共重合体を用い
ることで一層向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関する
ものであり、特に、走行耐久性,保存特性に優れた磁気
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオテープ,ビデオテープ等の磁
気テープとしては、ポリエステルフィルム等の非磁性支
持体上に磁性粉末や樹脂結合剤,有機溶剤,各種添加剤
等を混合分散して調製される強磁性塗料を塗布すること
で磁性層が形成された,いわゆる塗布型の磁気記録媒体
が、生産性,汎用性に優れることから主流を占めている
のが現状である。
【0003】このような塗布型の磁気記録媒体において
は、磁性粉末の特性も勿論重要であるが、磁性粉末とと
もに磁性層を構成する他の成分,例えば結合剤や硬化
剤,添加剤の特性も、走行耐久性,保存特性に大きく影
響を与えることから重要である。例えば、上記塗布型の
磁気記録媒体では、従来より、磁性層に非磁性顔料を添
加することで磁気ヘッドに対する研磨力を適正化した
り、磁性層にポリイソシアネート系硬化剤を添加し、バ
インダーの水酸基とウレタン化反応させて架橋構造を形
成することで、磁気ヘッドやガイド等の摺動部材に対す
る走行性,耐久性を確保するようにしている。さらに、
保存中に、ドロップアウトの発生因子が磁性層表面に付
着することのないように、バインダーや硬化剤の選定,
硬化処理の改良等によって磁性層表面の粘着性を制御す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、ビデオ
テープレコーダの分野においては、さらなる高画質化が
望まれ、S−VHS方式,ハイ8方式に代表されるよう
に記録波長は益々短波長化する方向にある。記録波長が
短波長化していくと、磁性層に付着する極めて小さい付
着物でもドロップアウトの原因となる。例えば、巻いた
状態で保存している間に、磁性層表面とバックコート層
とが粘着し、これによってバックコート層から磁性層表
面に移行したバックコート層由来の極めて微小な粘着物
であっても、十分にドロップアウトの発生因子になり得
る。
【0005】また、高画質化を図るには、磁気テープに
ついてもそれに対応した改良が必要になり、例えば強磁
性粉末は微細化され、磁性層表面は鏡面化される。しか
し、強磁性粉末の微細化,磁性層表面の鏡面化を図る
と、走行に際して磁性層の摺動部材に対する接触面積が
大きくなり、磁性層と摺動部材との摩擦が増大する。こ
れにより、走行に対して媒体にかかる負荷は格段に大き
なものになる。
【0006】このため、非磁性支持体の磁性層が形成さ
れている側とは反対側にカーボン等の非磁性顔料を主体
とするバックコート層を設ける等の走行耐久性を確保す
るための工夫がなされているが、これまでに提案されて
いる磁性層,バックコート層の組成では、上述のような
負荷には耐えられなくなっており、さらなる組成の改善
が求められている。
【0007】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、走行耐久性,保存特性
に優れ、記録波長の短波長化に対応可能な磁気記録媒体
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、磁性層ある
いはバックコート層に末端アミノ基含有ポリジメチルシ
ロキサンを添加することで、従来以上に走行耐久性及び
保存特性を向上させることができることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本願第1の発明の磁気記録媒体
は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体とす
る磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、上記
磁性層に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンが添
加されていることを特徴とするものである。また、末端
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの重量平均分子量
が5000以下であることを特徴とするものである。
【0010】さらに、末端アミノ基含有ポリジメチルシ
ロキサンがビス(アミノプロピルジメチル)シロキサン
であることを特徴とするものである。さらに、磁性層に
添加されている末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサ
ンの添加量が、強磁性粉末100重量部に対して0.5
〜6重量部であることを特徴とするものである。
【0011】さらに、磁性層を構成する結合剤の少なく
とも一部が、エポキシを0.2〜1.0mmol/g含
有する塩化ビニル系共重合体であることを特徴とするも
のである。さらに、本願第2の発明の磁気記録媒体は、
非磁性支持体上に、磁性層が形成され、磁性層が形成さ
れている側とは反対側に非磁性粉末または磁性粉末と、
結合剤を主体とするバックコート層が形成されてなる磁
気記録媒体において、上記バックコート層に末端アミノ
基含有ポリジメチルシロキサンが添加されていることを
特徴とするものである。
【0012】また、末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンの重量平均分子量が5000以下であることを特
徴とするものである。さらに、末端アミノ基含有ポリジ
メチルシロキサンがビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンであることを特徴とするものである。さらに、
バックコート層に添加されている末端アミノ基含有ポリ
ジメチルシロキサンの添加量が、結合剤100重量部に
対して4.0〜20重量部であることを特徴とするもの
である。
【0013】さらに、バックコート層を構成する結合剤
の少なくとも一部が、エポキシを0.2〜1.0mmo
l/g含有する塩化ビニル系共重合体であることを特徴
とするものである。
【0014】本願第1の発明が適用される磁気記録媒体
は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体とす
る磁性層が形成されてなる,いわゆる塗布型の磁気記録
媒体である。
【0015】本発明では、このような磁気記録媒体の磁
性層に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加
することで、走行耐久性,保存特性の向上を図ることと
する。
【0016】磁性層に添加する末端アミノ基含有ポリジ
メチルシロキサンは、化1の構造式で示されるものであ
る。
【0017】
【化1】
【0018】このような末端アミノ基含有ポリジメチル
シロキサンを磁性層に添加すると、磁性層の強度が高ま
って、走行耐久性が向上する。また、磁性層表面のベー
スフィルム表面またはバックコート層表面に対する離形
性が向上し、巻いた状態で保存している間に、磁性層表
面とベースフィルム表面またはバックコート層表面が粘
着し、バックコート層由来の粘着物が磁性層表面に付着
するのが防止されたり、磁性層からベースフィルム表面
に付着した磁性層由来の粘着物が磁性層表面に再付着す
るのが防止される。
【0019】この磁性層に添加する末端アミノ基含有ポ
リジメチルシロキサンの重量平均分子量は5000以下
が好ましい。重量平均分子量が5000を越える場合に
は、走行耐久性が向上する度合いが小さくなってしま
う。なお、末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンは
重合物であり、すべての分子について重合度nを単一に
して合成するのは困難である。本発明で規制するのは、
重量分子量の平均値であり、すべての分子の重量分子量
が5000以下である必要はない。用いる末端アミノ基
含有ポリジメチルシロキサンの各分子における重量分子
量の平均値が5000以下となっていれば良い。因み
に、末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンは重合度
nが64のときに重量分子量が約5000になる。
【0020】一方、上記末端アミノ基含有ポリシメチル
シロキサンの重合度nの下限は特に制限されず、重合度
nが0のビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンで
あってもよい。ビス(アミノプロピルジメチル)シロキ
サンの構造を化2に示す。
【0021】
【化2】
【0022】磁性層に添加する末端アミノ基含有ポリジ
メチルシロキサンの添加量は、磁性粉100重量部に対
して0.5〜6重量部が好ましい。アミノ基含有ポリジ
メチルシロキサンの添加量が少な過ぎると、走行耐久
性,保存特性に対する効果が小さく、逆に多過ぎる場合
には、この効果が飽和してしまったり、あるいは却って
低下してしまう虞れがある。
【0023】上記磁性層は、少なくとも磁性粉末,結合
剤そして上記アミノ基含有ポリジメチルシロキサンで構
成されるが、この結合剤の一部または全部を、エポキシ
を0.2〜1.0mmol/gなる量で含有する塩化ビ
ニル系共重合体とすると、走行耐久性がより一層向上す
る。
【0024】上記塩化ビニル系樹脂は、基本的には、化
2に示す一般式の共重合体として表すことができる。
【0025】
【化3】
【0026】上記Xを有する単量体としては、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビニルアルコー
ル、アリルアルコール、3−ブテン−1−オールなどの
不飽和アルコール等が挙げられる。
【0027】また、上記のYを有する単量体としては、
アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエー
テルなどの不飽和アルコールのグリシジルエーテル類、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メチルグリシジ
ルイタコネート、グリシジルエチルマレート、グリシジ
ルビニルスルホエート、グリシジル(メタ)アリルスル
ホネートなどの不飽和酸のグリシジルエステル類、ブタ
ジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンモノオキ
サイド、2−メチル−5,6−エポキシヘキセンなどの
エポキシドオレフィン類等が挙げられる。
【0028】更に、上記のZは、−SO3 M、−COO
M、−OSO3 M、−PO(OM) 2 (Mは水素または
Na、Li、K等のアルカリ金属原子)、−NR2 、−
+3 ・X- (Rはメチル,エチル等のアルキル基、
XはBr、Cl)及び、
【0029】
【化4】
【0030】からなる群より選ばれた原子又は基を表
し、結合剤分子鎖中に複数存在しているときは互いに同
一であっても異なっていてもよい(即ち、上記した各官
能基をすべて同じであってもよいし、或いは種類の異な
る官能基を組み合わせてもよく、この組み合わせを少な
くとも一部分に採用することもできる。)。
【0031】上記の他、共重合可能な単量体として、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニル
エステル;メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;
塩化ビニリデン、弗化ビニリデンなどのビニリデン;無
水マレイン酸のごとき不飽和カルボン酸無水物;マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジル、マレイン酸
−ジ−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸ジメチル、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
−2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和カルボン酸エス
テル;エチレン、プロピレンなどのオレフィン;(メ
タ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル;スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳
香族ビニルなどが挙げられる。これらの単量体は、塩化
ビニル系樹脂を他の樹脂と混合したときの相溶性や軟化
点等を調節する作用がある。
【0032】以上の塩化ビニル系樹脂(共重合体)の各
単量体は、重合開始剤、懸濁剤、乳化剤、分子量調整剤
等と共に、重合開始時に一括して重合系に添加してもよ
いし、重合中に分割して添加してもよい。この場合、平
均重合度は、得られる磁性層の耐摩耗性、塗料粘度及び
磁性粉の分散性を考慮して、100〜900であるのが
よく、200〜500が更によい。
【0033】本発明においては、結合剤として上記塩化
ビニル系樹脂の他に、要求される物性に応じて他の樹脂
を選び、混合して用いてもよい。
【0034】この場合、使用される樹脂の種類として
は、通常この種の媒体の分野において用いられている樹
脂材料であれば特に限定されない。以上に例示した以外
の塩化ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエス
テル系やポリエーテル系さらにポリカーボネート系等の
ポリウレタン樹脂、ニトロセルロース等のセルロース誘
導体、フェノキシ系樹脂、アクリル酸エステル・アクリ
ロニトリル共重合体等のアクリル酸エステル系共重合
体、塩化ビニリデン系共重合体、スチレンブタジエン系
共重合体等が例示される。このうち、例えばポリウレタ
ン系樹脂やポリエステル系樹脂等の比較的ガラス転移点
の低い樹脂成分(柔らかい樹脂成分)が好ましい。この
ような柔らかい樹脂成分との併用により、優れた耐久性
が期待できる。
【0035】さらに、樹脂としては、その分子鎖に、−
SO3 M,−COOM,−OSO3M,−PO(OM)
2 (但し、Mは水素またはNa,Li,K等のアルカリ
金属原子を表す。)及び−NR2 ,−NR3 X(但し、
Rはメチル,エチル等のアルキル基、XはBr,Cl等
を表す。)等からなる群より選ばれた極性基を一種以上
有するものであってもよい。
【0036】このとき、上記塩化ビニル系共重合体の全
結合剤中の配合比は、25重量%以上であることが好ま
しい。塩化ビニル系共重合体の配合比が25重量%未満
である場合には、走行耐久性等の効果はある程度認めら
れるものの、急激に小さくなり混合する意味が薄れる。
【0037】結合剤に架橋構造を形成するために、硬化
剤としてポリイソシアネートを添加してもよい。ポリイ
ソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、1,3−または1,4−等
のキシレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネ
ート,p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジ
イソシアネート、1,5−ナフチルイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサ
ンジイソシアネート等のイソシアネート類及びこれらの
イソシアネート類とトリメチロールプロパン等の多価ア
ルコールとの付加体または、これらのイソシアネート類
の縮合生成物等を使用することができる。
【0038】磁性層に含有される強磁性粉末としては、
Fe,Co,Ni等の金属やこれらを含んだ合金からな
る強磁性金属粉末,バリウムフェライト等の板状六方晶
フェライト及びFe2 3 ,コバルト被着γ−Fe2
3 ,コバルト含有γ−Fe23 ,CrO2 等が例示さ
れる。
【0039】このような構成の磁性層を形成するには、
末端アミノ基含有ポリシメチルシロキサン,結合剤,磁
性粉末を有機溶剤中に分散して磁性塗料を調製し、この
磁性塗料を非磁性支持体上に塗布,乾燥する。この磁性
塗料を調製するに際して末端アミノ基含有ポリシメチル
シロキサンは、塗布の直前に他の塗料成分と混合するこ
とが好ましいが、これに限定されない。磁性塗料の混合
分散の初期,途中,終了時のいずれに添加されてもよ
い。
【0040】また、上記磁性層には、これら成分の他に
必要に応じて、潤滑剤,研磨剤,カーボンブラック等の
添加剤を添加してもよい。
【0041】潤滑剤としては、ミリスチン酸,ステアリ
ン酸等の高級脂肪酸やそれらのエステル化合物、シリコ
ンオイル、アルキル燐酸エステル、パーフロロポリエー
テル等の含弗素化合物等が例示される。これらは磁性塗
料の混合分散の初期,途中,終了時のいずれに添加され
てもよい。また、磁性層が形成された後にトップコート
されてもよい。
【0042】研磨剤としては、アルミナ、酸化クロム、
酸化チタン、炭化けい素、ダイヤモンド微粒子、コダン
ダム等が例示される。これらは粉体状態で磁性塗料に添
加してもよいし、強磁性粉末とは別に分散させてスラリ
ー状にし、このスラリー状態で添加してもよい。添加時
は、磁性塗料の混合分散の初期,途中,終了時のいずれ
でもよい。
【0043】なお、磁性層は単層であってもよいし2層
以上からなっていてもよい。
【0044】上記磁性層を形成する非磁性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等のポリエステル類,ポリオレフィン類,セルロ
ース類,ビニル系樹脂,芳香族ポリアミド,アラミド,
ポリアミド,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリカー
ボネート類,ポリスルフォン等の高分子基板やアルミニ
ウム合金,チタン合金等の金属基板,アルミガラス等か
らなるセラミック基板,ガラス基板等が例示される。
【0045】これら非磁性支持体上には、カーボンブラ
ック,酸化チタン,炭酸カルシウム,アルミナ,α−酸
化鉄等の非磁性粉末と結合剤を主体とする下塗り層も設
けても良い。
【0046】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、磁気記録媒体の構成はこれに限らず、例え
ば非磁性支持体の磁性層が形成されている側とは反対側
に非磁性粉末または磁性粉末と、結合剤を主体とするバ
ックコート層を形成してもよい。バックコート層に用い
る非磁性粉末としては、カーボンブラックを主体とする
のが一般的であるが、炭酸カルシウム,アルミナ,α−
酸化鉄,酸化チタン等が例示される。一方、磁性粉末と
しては、磁性層に含有させるものとして例示したものが
いずれも使用可能である。これらが単独または複合して
含有されてもよい。
【0047】また、さらにバックコート層には磁性層に
添加されるものとして例示した硬化剤,潤滑剤等が含有
されていてもよい。
【0048】一方、本願第2の発明では、非磁性支持体
上に、磁性層が形成され、磁性層が形成されている側と
は反対側にバックコート層が形成されてなる磁気記録媒
体において、バックコート層の方に上記末端アミノ基含
有ポリジメチルシロキサンを添加することとする。
【0049】バックコート層を有するタイプの磁気記録
媒体において、バックコート層に末端アミノ基含有ポリ
ジメチルシロキサンを添加すると、バックコート層の強
度が高まって、走行耐久性が向上する。また、バックコ
ート層表面と磁性層表面の離型性が向上し、巻いた状態
で保存している間に、磁性層表面とバックコート層表面
が粘着し、これによってバックコート層由来の粘着物が
磁性層表面に付着するのが防止される。さらに、磁性層
由来の粘着物がバックコート層表面に付着するのが防止
されたり、磁性層由来の粘着物がバックコート層表面に
付着してしまった場合でも、磁性層表面に再付着するの
が防止される。
【0050】バックコート層に末端アミノ基含有ポリジ
メチルシロキサンを添加する場合にも、末端アミノ基含
有ポリジメチルシロキサン重量の重量平均分子量は50
00以下であることが好ましい。重量平均分子量が50
00を越える場合には、走行耐久性が向上する度合いが
小さくなってしまう。
【0051】また、この場合にも上記末端アミノ基含有
ポリシメチルシロキサンの重合度nの下限は特に制限さ
れず、重合度nが0のビス(アミノプロピルジメチル)
シロキサンであってもよい。
【0052】このバックコート層に添加する末端アミノ
基含有ポリジメチルシロキサンの添加量は、結合剤10
0重量部に対して4.0〜20重量部が好ましい。末端
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量が少な過
ぎると保存特性に対する効果が小さく、逆に多過ぎる場
合には、この効果が飽和してしまったり、あるいは逆に
低下してしまう虞れがある。
【0053】上記バックコート層は、少なくとも非磁性
粉末または磁性粉末と、結合剤そして上記末端アミノ基
含有ポリジメチルシロキサンで構成されるが、この結合
剤の一部または全部を、エポキシを0.2〜1.0mm
ol/gなる量で含有する塩化ビニル系共重合体とする
と、より一層走行耐久性が向上する。
【0054】ここで、上記塩化ビニル系共重合体の配合
比は、全結合剤中、25重量%以上が好ましい。塩化ビ
ニル系共重合体の量が25重量%未満である場合には、
その保存特性,走行耐久性に対する効果がある程度は認
められるものの、急激に小さくなり混合する意味が薄れ
る。
【0055】なお、塩化ビニル系共重合体,その他の結
合剤成分及び硬化剤としては、第1の発明において、磁
性層に含有させるものとして例示したものがいずれも使
用可能である。
【0056】また、バックコート層に含有させる非磁性
粉末としては、カーボンブラックを主体とするのが一般
的であるが、炭酸カルシウム,アルミナ,α−酸化鉄,
酸化チタン等が例示される。一方、磁性粉末としては、
磁性層に含有させるものとして例示したものがいずれも
使用可能である。これらが単独または複合して含有され
てもよい。
【0057】非磁性粉末または磁性粉末と、結合剤の配
合比率は、粉末1.0重量部に対して結合剤0.2〜
2.0重量部が好ましい。最適比率は、非磁性粉末の種
類によって異なるがカーボンブラックを主体とする場合
には、非磁性粉末1.0重量部に対して結合剤0.5〜
1.0重量部が最も好ましい。
【0058】このような構成のバックコート層を形成す
るには、非磁性粉末または磁性粉末と、結合剤,末端ア
ミノ基含有ポリジメチルシロキサンを有機溶剤中に分散
してバックコート塗料を調製し、このバックコート塗料
を非磁性支持体上に塗布,乾燥する。このバックコート
塗料を調製するに際して末端アミノ基含有ポリジメチル
シロキサンは、塗布の直前に他の塗料成分と混合するこ
とが好ましいが、これに限らない。
【0059】なお、バックコート層には、これらの成分
の他に必要に応じて、潤滑剤,研磨剤等の添加剤を添加
してもよい。添加剤としては、やはり第1の発明におい
て磁性層に添加されるものとして例示したものがいずれ
も使用可能である。
【0060】本願第2の発明にかかる媒体では、以上の
ようなバックコート層が形成される側とは反対側の面に
は磁性層が形成される。この磁性層は、強磁性粉末と結
合を主体とする塗布型の磁性層であってもよいし、金属
薄膜よりなる磁性層であってもよい。塗布型の磁性層に
用いる磁性粉末,結合剤,各種添加剤としては、第1の
発明において例示したものがいずれも使用可能である。
但し、この場合にはバックコート層に末端アミノ基含有
ポリジメチルシロキサンが添加されているので磁性層の
方には添加してもしなくてもどちらでも良い。
【0061】金属薄膜に用いる強磁性金属材料として
は、Fe,Co,Ni等の金属、または、Fe,Co,
Ni,Cr,Cu,Pr,Mn,Pt,Y,La等のい
ずれかからなる強磁性合金が例示される。
【0062】これら磁性層は単層であってもよいし、2
層以上からなってもよい。また、磁性層は、バックコー
ト層が形成される前に予め形成されていてもよいし、バ
ックコート層が形成された後に形成されてもよい。
【0063】これらバックコート層,磁性層が形成され
る非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リオレフィン類、セルロース類、芳香族ポリアミド、ア
ラミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリカーボネート類、ポリスルフォン類等の高分子材料
が例示される。
【0064】これら非磁性支持体上にはカーボンブラッ
ク,酸化チタン,炭酸カルシウム,アルミナ,α−酸化
鉄等の非磁性粉末と結合剤とを主体とする下塗り層を設
けるようにしてよい。
【0065】
【作用】非磁性支持体上に磁性層が形成されてなる磁気
記録媒体において、磁性層あるいはバックコート層に末
端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加すると、
走行耐久性が向上するとともに、磁性層表面とバック面
間の離型性が改善され、巻いた状態で保存している間
に、磁性層表面とバック面とが粘着し、磁性層表面にバ
ック面由来の粘着物が付着するのが防止される。すなわ
ち、バックコート層を有しない場合には、磁性層表面と
ベースフィルム表面が粘着し、これにより一度ベースフ
ィルム表面に付着した磁性層由来の粘着物が磁性層表面
に再付着するのが防止される。また、バックコート層を
有する場合には、磁性層表面とバックコート層表面が粘
着し、バックコート層由来の粘着物が磁性層表面に付着
するのが防止される。
【0066】このように走行耐久性,保存特性が改善さ
れるのは、以下の理由によるものと考えられる。すなわ
ち、磁性層あるいはバックコート層に末端アミノ基含有
ポリジメチルシロキサンを添加すると、該末端アミノ基
含有ポリジメチルシロキサンの末端のアミノ基が、硬化
剤のイソシアネートや結合剤のエポキシ基と反応する。
これによって架橋性が高められ、磁性層あるいはバック
コート層の強度が向上する。
【0067】また、末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンのジメチルシロキサン結合により磁性層表面と、
ベースフィルム表面またはバックコート層表面との離型
性が高められる。これによって一度ベースフィルム表面
に付着した磁性層由来の粘着物が磁性層表面に再付着す
るのが防止されたり、バックコート層由来の粘着物が磁
性層表面に付着するのが防止され、保存特性が改善され
る。
【0068】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について、実
験結果に基づいて説明するが、本発明がこの実施例に限
定されるものではないことは言うまでもない。
【0069】先ず、本実施例において、用いた強磁性粉
末(強磁性粉末a,強磁性粉末b),結合剤(塩化ビニ
ル系共重合体A〜塩化ビニル系共重合体E、ポリエステ
ル系ポリウレタン樹脂a,ポリウレタン樹脂b)及びカ
ーボンブラック(カーボンA〜カーボンD)の特性を表
1〜表4にそれぞれ示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】本実施例では、これら強磁性粉末,結合
剤,カーボンブラックを用いて磁気テープを作成し、走
行耐久性及び保存特性を評価した。
【0075】実施例1−1 本実施例は、磁性層(磁性粉末:メタル磁性粉)に末端
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加した例であ
る。
【0076】先ず、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 強磁性粉末A(メタル磁性粉) 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 10重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂a 10重量部 アルミナ粉末 8重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.5重量部 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0077】この分散物に、重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを1.0重量
部,硬化剤(日本ポリウレタン社製,コロネートL)を
2重量部添加し、得られた磁性塗料を厚さ7.5μmの
ベースフィルム上に乾燥後の厚さが3μmになるように
塗布した。次いで、この磁性塗膜に対して、磁場配向処
理を行った後、乾燥させ巻き取り、さらにカレンダー処
理,硬化処理を行うことで磁性層を形成した。
【0078】そして、ベースフィルムの磁性層を形成し
た側とは反対側の面にカーボンブラック及びポリエステ
ルポリウレタンとニトロセルロースを主体としたバック
コート層を厚さが0.6μmとなるように形成した。こ
のようにして磁性層,バックコート層が形成された広幅
テープを8ミリ幅にスリットしてサンプルテープとし、
8ミリカセットに組み込んだ。
【0079】実施例1−2 磁性塗料分散物に添加する重量平均分子量1000の末
端アミノ基ポリジメチルシロキサンの添加量を0.2重
量部としたこと以外は実施例1−1と同様にしてサンプ
ルテープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0080】実施例1−3 磁性塗料に添加する重量平均分子量1000の末端アミ
ノ基ポリジメチルシロキサンの添加量を0.5重量部と
したこと以外は実施例1−1と同様にしてサンプルテー
プを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0081】実施例1−4 磁性塗料に添加する重量平均分子量1000の末端アミ
ノ基ポリジメチルシロキサンの添加量を3.0重量部と
したこと以外は実施例1−1と同様にしてサンプルテー
プを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0082】実施例1−5 磁性塗料に混合する結合剤成分の組成を、以下のように
変えたこと以外は実施例1−1と同様にしてサンプルテ
ープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 15重量部 ポリエステル系ポリウレタン系樹脂a 5重量部
【0083】実施例1−6 磁性塗料に混合する結合剤成分の組成を、以下のように
変えたこと以外は実施例1−1と同様にしてサンプルテ
ープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 5重量部 ポリエステル系ポリウレタン系樹脂a 15重量部
【0084】実施例1−7 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに塩化ビニル系共重合
体Aよりもエポキシ含有量の多い塩化ビニル系共重合体
Bを磁性塗料に混合したこと以外は実施例1−1と同様
にしてサンプルテープを作製し、8ミリカセットに組み
込んだ。
【0085】実施例1−8 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに塩化ビニル系共重合
体Aよりもエポキシ含有量の少ない塩化ビニル系共重合
体Cを磁性塗料に混合したこと以外は実施例1−1と同
様にしてサンプルテープを作製し、8ミリカセットに組
み込んだ。
【0086】実施例1−9 塩化ビニル系共重合体Aの代わりにエポキシ基を含まな
い塩化ビニル系共重合体Dを磁性塗料に混合したこと以
外は実施例1−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0087】実施例1−10 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとして重量平
均分子量が5000のものを用いたこと以外は実施例1
−1と同様にしてサンプルテープを作製し、8ミリカセ
ットに組み込んだ。実施例1−11 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとして重量平
均分子量が10000のものを用いたこと以外は実施例
1−1と同様にしてサンプルテープを作製し、8ミリカ
セットに組み込んだ。比較例1−1 磁性塗料に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを
添加しないこと以外は実施例1−1と同様にしてサンプ
ルテープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0088】比較例1−2 磁性塗料に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを
添加しないこと以外は実施例1−7と同様にしてサンプ
ルテープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0089】以上のようにして作製されたサンプルテー
プについて、繰り返し走行によるC/Nの劣化,スチル
特性を以下のようにして測定した。
【0090】C/N劣化:Hi−8 モードでの記録・再
生可能な8ミリビデオデッキを用い、温度40℃,相対
湿度80%環境下、テープの10分間に相当する部分に
7MHzの信号を入力した。そして、リミッター前に検
出した7MHzでの出力と、そこから−1MHzのノイ
ズとの差を求めて、初期C/Nとした。その後、同一環
境下で、7MHzの信号を記録した部分について再生−
巻き戻しサイクルを200回繰り返し、この繰り返し走
行した部分について、初期C/Nの場合と同様にC/N
を求めた。このようにして求められた繰り返し走行後の
C/Nの初期C/Nに対するの劣化量をC/N劣化(d
B)とした。
【0091】スチル時間:長時間スチルが測定できるよ
うに改造した8ミリビデオデッキを用い、温度45℃,
相対湿度80%の環境下、スチル再生し、RF出力が初
期から3dB減衰するまでの時間を求め、スチル時間と
した。
【0092】測定されたC/N劣化とスチル特性の3巻
の平均値を表5に示す。
【0093】
【表5】
【0094】表5からわかるように、磁性層に末端アミ
ノ基ポリジメチルシロキサンを添加した実施例1−1〜
実施例1−11のサンプルテープは、末端アミノ基ポリ
ジメチルシロキサンを添加していない比較例1−1,比
較例1−2のサンプルテープに比べてC/N劣化が小さ
くスチル時間も長い。このことから、磁性層に末端アミ
ノ基ポリジメチルシロキサンを添加することは、走行耐
久性を向上させる上で有効であることがわかる。
【0095】ここで、さらに詳細に検討するために、用
いる末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの重量平
均分子量を変化させた実施例1−1,1−10及び1−
11を比較する。実施例1−10,1−11のような,
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの重量平均分
子量が5000,10000のものを用いた場合でも、
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加してい
ない比較例1−1,1−2のサンプルテープに比べてC
/N劣化は小さくスチル時間も長くなる。
【0096】しかし、重量平均分子量が10000の末
端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを用いた実施例
1─11のサンプルテープでは、重量平均分子量が10
00及び5000の末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンを用いた実施例1−1,1−10のサンプルテー
プと比較してC/N劣化が大きくスチル時間も短い。こ
のことから、用いる末端アミノ基含有ポリジメリチルシ
ロキサンの重量平均分子量は5000以下が好ましいと
いえる。
【0097】また、末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンの添加量を変化させた実施例1−1〜実施例1−
4のサンプルテープを比較すると、末端アミノ基含有ポ
リジメチルシロキサンの効果はその量に依存することが
わかる。すなわち、実施例1−2のように末端アミノ基
含有ポリジメチルシロキサンの少量添加だけでは、その
効果は不足し、C/N劣化,スチル特性を十分に改善す
るには磁性粉100重量部に対して少なくとも0.5重
量部以上の末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを
添加する必要があることがわかる。
【0098】さらに、結合剤成分として混合する塩化ビ
ニル系共重合体のエポキシ含有量を変化させた実施例1
−7〜実施例1−9のサンプルテープを比較すると、エ
ポキシを有しない共重合体を用いた実施例1−9のサン
プルテープに比べてエポキシ基を有する共重合体を用い
た実施例1−7,実施例1−8のサンプルテープの方が
C/N劣化,スチル時間ともに良好な値になっている。
このことから、塩化ビニル系共重合体中のエポキシは、
末端アミノ基ポリジメチルシロキサンの効果の発現に関
与しており、末端アミノ基ポリジメチルシロキサンとエ
ポキシを有する塩化ビニル系共重合体を組み合わせるこ
とにより、走行耐久性の一層の向上が図れることがわか
る。なお、塩化ビニル系共重合体のエポキシ含有量の最
適範囲は、0.2〜1.0mmol/gである。
【0099】実施例2−1 本実施例は磁性層(磁性粉末:コバルト被着酸化鉄)に
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加した例
である。
【0100】まず、厚さ14.0μmのベースフィルム
上に厚さ0.6μmのカーボンブラック及びポリエステ
ルポリウレタンとニトロセルロースを主体とするバック
コート層を形成した。
【0101】次に、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 強磁性粉末B(コバルト被着酸化鉄) 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体E 20重量部 アルミナ粉末 8重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.0重量部 ステアリン酸ブチル 1.0重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0102】この分散物に、重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを4.0重量
部添加し、得られた磁性塗料を、上記ベースフィルムの
バックコート層が形成されている側とは反対側の面に乾
燥後の厚さが4μmとなるように塗布した。次いで、こ
の磁性塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥さ
せて巻き取り、さらにカレンダー処理、硬化処理を行う
ことで磁性層を形成した。そして、このようにしてバッ
クコート層,磁性層が形成された広幅テープを1/2イ
ンチ幅にスリットしてサンプルテープとし、S−VHS
カセットに組み込んだ。
【0103】実施例2−2 磁性塗料に添加する重量平均分子量1000の末端アミ
ノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を2.0重量
部としたこと以外は実施例2−1と同様にしてサンプル
テープを作成し、S−VHSカセットに組み込んだ。
【0104】実施例2−3 磁性塗料に添加する重量平均分子量1000の末端アミ
ノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を6.0重量
部としたこと以外は実施例2−1と同様にしてサンプル
テープを作成し、S−VHSカセットに組み込んだ。
【0105】実施例2−4 磁性塗料に添加する重量平均分子量1000の末端アミ
ノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を8.0重量
部としたこと以外は実施例2−1と同様にしてサンプル
テープを作成し、S−VHSカセットに組み込んだ。
【0106】比較例2−1 磁性塗料に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを
添加しないこと以外は実施例2−1と同様にしてサンプ
ルテープを作成し、S−VHSカセットに組み込んだ。
【0107】比較例2−2 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの代わりに、
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンと同様に末端
にアミノ基を有するものの、ジメチルシロキサン結合を
有しないなどの点で構造が異なる1,6−ヘキサンジア
ミンを磁性塗料に添加したこと以外は実施例2−1と同
様にしてサンプルテープを作成し、S−VHSカセット
に組み込んだ。
【0108】比較例2−3 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの代わりに、
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンと同様に末端
にアミノ基を有するものの、ジメチルシロキサン結合を
有しないなどの点で構造が異なるアミノエチルピペラジ
ンを磁性塗料に添加したこと以外は実施例2−1と同様
にしてサンプルテープを作成し、S−VHSカセットに
組み込んだ。
【0109】以上のようにして作成したサンプルテープ
について、電磁変換特性,スチル時間,ドロップアウト
保存増加率を評価した。なお、C/N劣化,スチル時
間,ドロップアウト保存率は以下のようにして測定し
た。
【0110】C/N劣化:S−VHSビデオデッキを用
い、温度40℃,相対湿度80%環境下、テープの10
分間に相当する部分に6.5MHzの信号を入力した。
そして、リミッター前に検出した6.5MHzでの出力
と、そこから−1MHzのノイズとの差を求めて、初期
C/Nとした。その後、同一の環境下で、6.5MHz
の信号を記録した部分について再生−巻き戻しサイクル
を200回繰り返し行い、繰り返し走行した部分につい
て、初期C/Nの場合と同様にC/Nを求めた。このよ
うにして求められた走行後C/N比の初期C/Nに対す
る劣化量をC/N劣化(dB)とした。なお、ここでは
カセット3巻について測定し、その平均値をデータとし
た。
【0111】スチル時間:長時間スチルが測定できるよ
うに改造したS−VHSビデオデッキを用いて温度45
度,相対湿度80%環境下でRF出力が初期から3dB
減衰するまでの時間を求め、スチル時間とした。なお、
ここでは、カセット3巻について測定し、その平均値を
データとした。
【0112】ドロップアウト保存増加率:室温下、6.
5MHzの信号を10分間記録し、この記録部分のうち
前半5分間の部分についてドロップアウトを測定した。
次いで、テープを巻き戻し、巻き戻した状態で、温度5
0℃,相対湿度80%環境下、30日間保存した。保存
後、再び室温に戻し、記録部分のうち後半5分間の部分
についてドロップアウトを測定した。そして、保存前の
ドロップアウト数を1とした場合の保存後のドロップア
ウト数を相対値換算し、ドロップアウトの保存増加率と
した。ドロップアウトのスレッシュホールドは、−20
dB/15μsecである。なお、ここではカセット5
巻について測定し、その平均値をデータとした。
【0113】以上のようにして測定した各サンプルテー
プのC/N劣化,スチル時間,ドロップアウト保存増加
率を表6に示す。
【0114】
【表6】
【0115】表6からわかるように、磁性層に末端アミ
ノ基ポリジメチルシロキサンを添加した実施例2−1〜
実施例2−4のサンプルテープは、末端アミノ基ポリジ
メチルシロキサンを添加していない比較例2−1のサン
プルテープに比べてC/N劣化が小さくスチル時間も長
い。また、ドロップアウト増加率も小さい値になってい
る。
【0116】これら実施例2−1〜実施例2−4のサン
プルテープでは、硬化剤が添加されていないにもかかわ
らずこのように良好なデータが得られており、磁性層に
末端アミノ基ポリジメチルシロキサンを添加すること
は、媒体の走行耐久性,保存特性の向上に極めて有効で
あることがわかる。
【0117】しかし、末端アミノ基ポリジメチルシロキ
サンを8.0重量部と多量に添加した実施例2−4のサ
ンプルテープは、これより末端アミノ基ポリジメチルシ
ロキサンの添加量が少ない実施例2−3のサンプルテー
プに比べてC/N劣化が大きな値となっておりドロップ
アウト増加率も増大している。このことから、末端アミ
ノ基ポリジメチルシロキサンは、磁性粉末100重量部
に対して0.5重量部以上は必要であるが、その上限は
6.0重量部程度が適当であることがわかる。
【0118】なお、末端アミノ基ポリジメチルシロキサ
ンの代わりに、末端にアミノ基を有する点では同じであ
るがジメチルシロキサン結合を有しない添加物を添加し
た比較例2−2,比較例2−3のサンプルテープは、C
/N劣化,スチル時間では良好な値が得られている。し
かし、実施例2−1に比べてドロップアウト保存増加率
が大きい。
【0119】このことから、走行耐久性を改善するには
アミノ基が、保存特性を改善するにはジメチルシロキサ
ン結合が必要であり、両者を併せ持つ末端アミノ基ポリ
ジメチルシロキサンが磁性層に添加する添加剤として適
していることがわかる。
【0120】実施例3−1 本実施例は、バックコート層(カーボンブラックA,カ
ーボンブラックBを含有)に末端アミノ基含有ポリジメ
チルシロキサンを添加した例である。
【0121】先ず、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 磁性層組成 磁性粉末a 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体E 15重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂a 5重量部 アルミナ 8重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.5重量部 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0122】この分散物に、硬化剤(日本ポリウレタン
社製,商品名コロネートL)を3重量部添加し、得られ
た磁性塗料を厚さ7.5μmのベースフィルム上に乾燥
後の厚さが3μmになるように塗布した。次いで、この
磁性塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥させ
て巻き取った。そして、さらにカレンダー処理を施し、
温度60℃,24時間硬化処理を行うことで磁性層を形
成した。
【0123】次に、下記の組成に準じて各バックコート
塗料成分を秤り取り、サンドミルにて分散した。 バックコート層組成 カーボンブラックA 97重量部 カーボンブラックB 3重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 70重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 30重量部 潤滑剤 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 溶剤 メチルエチルケトン 200重量部 トルエン 200重量部 シクロヘキサノン 400重量部
【0124】この分散物に重量平均分子量1000の末
端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを8.0重量
部,硬化剤(日本ポリウレタン社製コロネートL)を1
0重量部添加した。そして、得られたバックコート塗料
を上記ベースフィルムの磁性層が形成されている側とは
反対側の面に、乾燥後の厚さが0.6μmとなるように
塗布し、温度60℃,24時間硬化処理を行うことでバ
ックコート層を形成した。
【0125】このようにして磁性層,バックコート層が
形成された広幅テープを8ミリ幅にスリットしてサンプ
ルテープとし、NTSCの標準モードで120分記録出
来るだけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。
【0126】実施例3−2 バックコート塗料に添加する重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を
2.0重量部としたこと以外は実施例3−1と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込
んだ。
【0127】実施例3−3 バックコート塗料に添加する重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を
4.0重量部としたこと以外は実施例3−1と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込
んだ。
【0128】実施例3−4 バックコート塗料に添加する重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を1
2.0重量部としたこと以外は実施例3−1と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込
んだ。
【0129】実施例3−5 バックコート塗料に混合する結合剤の組成を以下のよう
に変えたこと以外は実施例3−1と同様にしてサンプル
テープを作製し、NTSCの標準モードで120分記録
出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 40重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 40重量部
【0130】実施例3−6 バックコート塗料に混合する結合剤の組成を以下のよう
に変えたこと以外は実施例3−1と同様にしてサンプル
テープを作製し、NTSCの標準モードで120分記録
出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 20重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 60重量部
【0131】実施例3−7 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに、塩化ビニル系共重
合体Aよりもエポキシの含有量の多い塩化ビニル系共重
合体Bをバックコート塗料に混合したこと以外は実施例
3−1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTSC
の標準モードで120分記録出来るだけの長さを8ミリ
カセットに組み込んだ。
【0132】実施例3−8 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに、塩化ビニル系共重
合体Aよりもエポキシの含有量の少ない塩化ビニル系共
重合体Cをバックコート塗料に混合したこと以外は実施
例3−1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTS
Cの標準モードで120分記録出来るだけの長さを8ミ
リカセットに組み込んだ。
【0133】実施例3−9 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに、エポキシを含まな
い塩化ビニル系共重合体Dをバックコート塗料に混合し
たこと以外は実施例3−1と同様にしてサンプルテープ
を作製し、NTSCの標準モードで120分記録出来る
だけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。
【0134】実施例3−10 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとして重量平
均分子量が5000のものを用いたこと以外は実施例3
−1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTSCの
標準モードで120分記録出来るだけの長さを8ミリカ
セットに組み込んだ。実施例3−11 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとして重量平
均分子量が10000のものを用いたこと以外は実施例
3−1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTSC
の標準モードで120分記録出来るだけの長さを8ミリ
カセットに組み込んだ。比較例3−1 バックコート塗料に末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンを添加しないこと以外は実施例3−1と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込
んだ。
【0135】比較例3−2 バックコート塗料に末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンを添加しないこと以外は実施例3−7と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込
んだ。
【0136】以上のようにして作製したサンプルテープ
について、以下の粘着目視試験を行うことで保存特性を
評価した。
【0137】粘着目視試験:カセット内のサンプルテー
プのリールに巻き込まれていない部分を切断し、供給側
リールをカセットから取り出した。そして、この供給側
リールを、テープ末端を粘着テープで固定した後、温度
80℃の温純水中に2時間浸漬し、温度60℃の減圧乾
燥機中で4時間乾燥した。乾燥後、今度は室温にて24
時間放置し、テープ末端の粘着テープを除去した。そし
て、リール外側から徐々にサンプルテープを巻きほぐ
し、磁性層表面の粘着物の付着状況を観察した。
【0138】この粘着目視試験の評価結果を表7に示
す。なお、表7中、○は磁性層表面上に粘着物が認めら
れない場合、△はエッジ部分のみに極わずかの粘着物が
認められる場合、×はエッジ部分の他、テープの幅方向
中央部にも粘着物が認められる場合をそれぞれ示す。
【0139】
【表7】
【0140】表7からわかるように、バックコート層に
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加してい
ない比較例3−1,比較例3−2のサンプルテープで
は、保存後、磁性層表面にかなり粘着物が認められるの
に対して、バックコート層に末端アミノ基含有ポリジメ
チルシロキサンを添加した実施例3−1〜実施例3−1
1のサンプルテープでは、磁性層表面に粘着物がほとん
ど認められない。
【0141】このことから、バックコート層に末端アミ
ノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加すると、過酷な
条件下でも磁性層とバックコート層の粘着が抑えられる
ようになり、磁気テープの保存特性を改善する上で有効
であることがわかる。
【0142】ここで、さらに詳細に検討するために、用
いる末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの重量平
均分子量を変化させた実施例1−1,1−10,1−1
1を比較する。実施例1−10,1−11のような,末
端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの重量平均分子
量が5000.10000のものを用いた場合でも、末
端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加していな
い比較例1−1,1−2のサンプルテープに比べれば磁
性層表面の粘着物は少ない。しかし、重量平均分子量が
1000及び5000の末端アミノ基含有ポリジメチル
シロキサンを用いた実施例1−1,1−10のサンプル
テープでは磁性層表面に粘着物がほとんど認められない
のに対して、重量平均分子量が10000の末端アミノ
基含有ポリジメチルシロキサンを用いた実施例1−11
のサンプルテープでは、エッジ部に極わずかの粘着物が
認められた。このことから用いる末端アミノ基含有ポリ
ジメチルシロキサンの重量平均分子量は、5000以下
が好ましいと言える。
【0143】また、末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンの添加量を変化させた実施例3−1〜実施例3−
4のサンプルテープを比較すると、末端アミノ基含有ポ
リジメチルシロキサンの効果はその量に依存することが
わかる。すなわち、実施例3−2のように、末端アミノ
基含有ポリジメチルシロキサンを少量添加しただけで
は、効果が不足し、保存特性を十分に改善するには結合
剤100重量部に対して少なくとも4.0重量部以上の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加する必
要があることがわかる。
【0144】また、結合剤成分として混合する塩化ビニ
ル系共重合体のエポキシ含有量を変化させた実施例3−
7〜実施例3−9のサンプルテープを比較すると、エポ
キシを有しない共重合体を用いた実施例3−9のサンプ
ルテープに比べてエポキシ基を有する共重合体を用いた
実施例3−7,実施例3−8、特に実施例3−7のサン
プルテープの方が良好な保存特性が得られる。
【0145】このことから、塩化ビニル系共重合体のエ
ポキシは、末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの
効果の発現に関与しており、末端アミノ基含有ポリジメ
チルシロキサンとエポキシを有する塩化ビニル系共重合
体を組み合わせて用いることにより、保存特性の一層の
向上が図れることがわかる。なお、塩化ビニル系共重合
体のエポキシ含有量の最適範囲は、0.2〜1.0mm
ol/gである。
【0146】実施例4−1 本実施例は、バックコート層(カーボンブラックC,カ
ーボンブラックD含有)に、末端アミノ基含有ポリジメ
チルシロキサンを添加した例である。
【0147】まず、下記の組成に準じて各バックコート
塗料成分を秤り取り、サンドミルにて分散した。 バックコート塗料の組成 カーボンブラックC 75重量部 カーボンブラックD 3重量部 炭酸カルシウム粉末 2重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 100重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 300重量部 シクロヘキサノン 300重量部
【0148】この分散物に、末端アミノ基含有ポリジメ
チルシロキサンを15.0重量部添加し、厚さ14.0
μmのベースフィルム上に乾燥後の厚さが0.6μmと
なるように塗布することでバックコート層を形成した。
【0149】次に、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 磁性塗料の組成 磁性粉末b 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体E 12重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 10重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.5重量部 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 アルミナ 10重量部 カーボンブラック 3重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0150】この分散物に、硬化剤(日本ポリウレタン
社製,商品名コロネートL)を2重量部添加し、得られ
た磁性塗料を上記ベースフィルムのバックコート層が形
成されている側とは反対側の面に乾燥後の厚さが4μm
になるように塗布し磁性塗膜を形成した。そして、磁性
塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥させて巻
き取った。そして、さらにカレンダー処理を施し、温度
70℃,24時間硬化処理を行うことで磁性層を形成し
た。
【0151】このようにしてバックコート層,磁性層が
形成された広幅テープを1/2インチ幅にスリットして
サンプルテープとし、NTSCの標準モードで120分
記録出来るだけの長さをS−VHSカセットに組み込ん
だ。
【0152】実施例4−2 バックコート塗料に添加する重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を1
0.0重量部としたこと以外は実施例4−1と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さをS−VHSカセットに組
み込んだ。
【0153】実施例4−3 バックコート塗料に添加する重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を2
0.0重量部としたこと以外は実施例4−1と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さをS−VHSカセットに組
み込んだ。
【0154】実施例4−4 バックコート塗料に添加する重量平均分子量1000の
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量を2
5.0重量部としたこと以外は実施例4−1と同様にし
てサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで1
20分記録出来るだけの長さをS−VHSカセットに組
み込んだ。
【0155】比較例4−1 バックコート塗料に、末端アミノ基含有ポリジメチルシ
ロキサンを添加しないこと以外は実施例4−2と同様に
してサンプルテープを作製し、NTSCの標準モードで
120分記録出来るだけの長さをS−VHSカセットに
組み込んだ。
【0156】比較例4−2 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの代わりに、
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンと同様に末端
にアミノ基を有するものの、ジメチルシロキサン結合を
有しないなどの点で構造が異なる1,6−ヘキサンジア
ミンをバックコート塗料に添加したこと以外は実施例4
−1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTSCの
標準モードで120分記録出来るだけの長さをS−VH
Sカセットに組み込んだ。
【0157】比較例4−3 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの代わりに、
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンと同様に末端
にアミノ基を有するものの、ジメチルシロキサン結合を
有しないなどの点で構造が異なるアミノエチルピペラジ
ンをバックコート塗料に添加したこと以外は実施例4−
1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTSCの標
準モードで120分記録出来るだけの長さをS−VHS
カセットに組み込んだ。
【0158】このようにして作製したサンプルテープに
ついて、ドロップアウト保存増加率を実施例2−1で行
ったのと同様にして測定した。その結果を表8に示す。
【0159】
【表8】
【0160】表8からわかるように、バックコート層に
末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加した実
施例4−1〜実施例4−4のサンプルテープは、末端ア
ミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添加していない比
較例4−1のサンプルテープに比べてドロップアウト増
加率が小さい値になっている。
【0161】これら実施例4−1〜実施例4−4のサン
プルテープでは、硬化剤が添加されていないにもかかわ
らずこのように良好なデータが得られており、バックコ
ート層に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを添
加することは、媒体の保存特性の向上に極めて有効であ
ることがわかる。
【0162】しかし、末端アミノ基含有ポリジメチルシ
ロキサンを結合剤100重量部に対して25.0重量部
と多量に添加した実施例4−4のサンプルテープは、こ
れより末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加
量が少ない実施例4−3のサンプルテープに比べてドロ
ップアウト保存増加率が大きな値となっている。このこ
とから、末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンは、
結合剤100重量部に対して4.0重量部以上は必要で
あるがその上限は20重量部程度であることがわかる。
【0163】なお、末端アミノ基含有ポリジメチルシロ
キサンの代わりにアミノ基を有する点では同じであるが
ジメチルシロキサン結合を有しない添加物を添加した比
較例4−2,比較例4−3のサンプルテープについても
評価を行ったが、これらと、実施例4−1のサンプルテ
ープを比較すると、比較例4−2,比較例4−3のサン
プルテープの方がドロップアウト増加率が大なるものと
なっている。
【0164】このことから、保存特性を改善するにはア
ミノ基とシロキサン結合を両方が必要であり、両者を併
せ持つ末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンはバッ
クコート層に添加する添加剤として好適であることがわ
かる。実施例5−1 本実施例は、磁性層(磁性粉末:メタル磁性粉)にビス
(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加した例で
ある。
【0165】先ず、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 強磁性粉末A(メタル磁性粉) 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 10重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂a 10重量部 アルミナ粉末 8重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.5重量部 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0166】この分散物に、ビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンを1.0重量部,硬化剤(日本ポリウ
レタン社製,コロネートL)を2重量部添加し、得られ
た磁性塗料を厚さ7.5μmのベースフィルム上に乾燥
後の厚さが3μmになるように塗布した。次いで、この
磁性塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥させ
巻き取り、さらにカレンダー処理,硬化処理を行うこと
で磁性層を形成した。
【0167】そして、ベースフィルムの磁性層を形成し
た側とは反対側の面にカーボンブラック及びポリエステ
ルポリウレタンとニトロセルロースを主体としたバック
コート層を厚さが0.6μmとなるように形成した。こ
のようにして磁性層,バックコート層が形成された広幅
テープを8ミリ幅にスリットしてサンプルテープとし、
8ミリカセットに組み込んだ。
【0168】実施例5−2 磁性塗料分散物に添加するビス(アミノプロピルジメチ
ル)シロキサンの添量を0.2重量部としたこと以外は
実施例5−1と同様にしてサンプルテープを作製し、8
ミリカセットに組み込んだ。
【0169】実施例5−3 磁性塗料に添加するビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンの添加量を0.5重量部としたこと以外は実施
例5−1と同様にしてサンプルテープを作製し、8ミリ
カセットに組み込んだ。
【0170】実施例5−4 磁性塗料に添加するビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンの添加量を3.0重量部としたこと以外は実施
例5−1と同様にしてサンプルテープを作製し、8ミリ
カセットに組み込んだ。
【0171】実施例5−5 磁性塗料に混合する結合剤成分の組成を、以下のように
変えたこと以外は実施例5−1と同様にしてサンプルテ
ープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 15重量部 ポリエステル系ポリウレタン系樹脂a 5重量部
【0172】実施例5−6 磁性塗料に混合する結合剤成分の組成を、以下のように
変えたこと以外は実施例5−1と同様にしてサンプルテ
ープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 5重量部 ポリエステル系ポリウレタン系樹脂a 15重量部
【0173】実施例5−7 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに塩化ビニル系共重合
体Aよりもエポキシ含有量の多い塩化ビニル系共重合体
Bを磁性塗料に混合したこと以外は実施例5−1と同様
にしてサンプルテープを作製し、8ミリカセットに組み
込んだ。
【0174】実施例5−8 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに塩化ビニル系共重合
体Aよりもエポキシ含有量の少ない塩化ビニル系共重合
体Cを磁性塗料に混合したこと以外は実施例5−1と同
様にしてサンプルテープを作製し、8ミリカセットに組
み込んだ。
【0175】実施例5−9 塩化ビニル系共重合体Aの代わりにエポキシ基を含まな
い塩化ビニル系共重合体Dを磁性塗料に混合したこと以
外は実施例5−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0176】比較例5−1 磁性塗料にビス(アミノプロピルジメチル)シロキサン
を添加しないこと以外は実施例5−1と同様にしてサン
プルテープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0177】比較例5−2 磁性塗料にビス(アミノプロピルジメチル)シロキサン
を添加しないこと以外は実施例5−7と同様にしてサン
プルテープを作製し、8ミリカセットに組み込んだ。
【0178】以上のようにして作製されたサンプルテー
プについて、繰り返し走行によるC/Nの劣化,スチル
時間を実施例1−1の場合と同様にして測定した。測定
されたC/N劣化とスチル時間の3巻の平均値を表9に
示す。
【0179】
【表9】
【0180】表9からわかるように、磁性層にビス(ア
ミノプロピルジメチル)シロキサンを添加した実施例5
−1〜実施例5−9のサンプルテープは、ビス(アミノ
プロピルジメチル)シロキサンを添加していない比較例
5−1,比較例5−2のサンプルテープに比べてC/N
劣化が小さくスチル時間も長い。このことから、磁性層
にビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加す
ることは、走行耐久性を向上させる上で有効であること
がわかる。
【0181】ここで、さらにデータを詳細に検討するた
めに、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンの添
加量を変化させた実施例5−1〜実施例5−4のサンプ
ルテープを比較すると、ビス(アミノプロピルジメチ
ル)シロキサンの効果はその量に依存することがわか
る。すなわち、実施例5−2のようにビス(アミノプロ
ピルジメチル)シロキサンの少量添加だけでは、その効
果は不足し、C/N劣化,スチル時間を十分に改善する
には磁性粉100重量部に対して少なくとも0.5重量
部以上のビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを
添加する必要があることがわかる。
【0182】また、結合剤成分として混合する塩化ビニ
ル系共重合体のエポキシ含有量を変化させた実施例5−
7〜実施例5−9のサンプルテープを比較すると、エポ
キシを有しない共重合体を用いた実施例5−9のサンプ
ルテープに比べてエポキシ基を有する共重合体を用いた
実施例5−7,実施例5−8、特に実施例5−7のサン
プルテープの方がC/N劣化,スチル特性ともに良好な
値になっている。このことから、塩化ビニル系共重合体
中のエポキシは、ビス(アミノプロピルジメチル)シロ
キサンの効果の発現に関与しており、ビス(アミノプロ
ピルジメチル)シロキサンとエポキシを有する塩化ビニ
ル系共重合体を組み合わせることにより、走行耐久性の
一層の向上が図れることがわかる。なお、塩化ビニル系
共重合体のエポキシ含有量の最適範囲は、0.2〜1.
0mmol/gである。
【0183】実施例6−1 本実施例は磁性層(磁性粉末:コバルト被着酸化鉄)に
ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加した
例である。
【0184】まず、厚さ14.0μmのベースフィルム
上に厚さ0.6μmのカーボンブラック及びポリエステ
ルポリウレタンとニトロセルロースを主体とするバック
コート層を形成した。
【0185】次に、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 強磁性粉末B(コバルト被着酸化鉄) 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体E 20重量部 アルミナ粉末 8重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.0重量部 ステアリン酸ブチル 1.0重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0186】この分散物に、ビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンを4.0重量部添加し、得られた磁性
塗料を、上記ベースフィルムのバックコート層が形成さ
れている側とは反対側の面に乾燥後の厚さが4μmとな
るように塗布した。次いで、この磁性塗膜に対して、磁
場配向処理を行った後、乾燥させて巻き取り、さらにカ
レンダー処理、硬化処理を行うことで磁性層を形成し
た。そして、このようにしてバックコート層,磁性層が
形成された広幅テープを1/2インチ幅にスリットして
サンプルテープとし、S−VHSカセットに組み込ん
だ。
【0187】実施例6−2 磁性塗料に添加するビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンの添加量を2.0重量部としたこと以外は実施
例6−1と同様にしてサンプルテープを作成し、S−V
HSカセットに組み込んだ。
【0188】実施例6−3 磁性塗料に添加するビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンの添加量を6.0重量部としたこと以外は実施
例6−1と同様にしてサンプルテープを作成し、S−V
HSカセットに組み込んだ。
【0189】実施例6−4 磁性塗料に添加するビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンの添加量を8.0重量部としたこと以外は実施
例6−1と同様にしてサンプルテープを作成し、S−V
HSカセットに組み込んだ。
【0190】比較例6−1 磁性塗料にビス(アミノプロピルジメチル)シロキサン
を添加しないこと以外は実施例6−1と同様にしてサン
プルテープを作成し、S−VHSカセットに組み込ん
だ。
【0191】比較例6−2 ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンの代わり
に、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンと同様
に末端にアミノ基を有するものの、シロキサン結合を有
しないなどの点で構造が異なる1,6−ヘキサンジアミ
ンを磁性塗料に添加したこと以外は実施例6−1と同様
にしてサンプルテープを作成し、S−VHSカセットに
組み込んだ。
【0192】比較例6−3 ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンの代わり
に、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンと同様
に末端にアミノ基を有するものの、シロキサン結合を有
しないなどの点で構造が異なるアミノエチルピペラジン
を磁性塗料に添加したこと以外は実施例6−1と同様に
してサンプルテープを作成し、S−VHSカセットに組
み込んだ。
【0193】以上のようにして作成したサンプルテープ
について、電磁変換特性,スチル時間,ドロップアウト
保存増加率を実施例2−1と同様にして評価した。各サ
ンプルテープのC/N劣化,スチル特性,ドロップアウ
ト保存増加率を表10に示す。
【0194】
【表10】
【0195】表10からわかるように、磁性層にビス
(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加した実施
例6−1〜実施例6−4のサンプルテープは、ビス(ア
ミノプロピルジメチル)シロキサンを添加していない比
較例6−1のサンプルテープに比べてC/N劣化が小さ
くスチル時間も長い。また、ドロップアウト増加率も小
さい値になっている。
【0196】これら実施例6−1〜実施例6−4のサン
プルテープでは、硬化剤が添加されていないにもかかわ
らずこのように良好なデータが得られており、磁性層に
ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加する
ことは、媒体の走行耐久性,保存特性の向上に極めて有
効であることがわかる。
【0197】しかし、ビス(アミノプロピルジメチル)
シロキサンを8.0重量部と多量に添加した実施例6−
4のサンプルテープは、これよりビス(アミノプロピル
ジメチル)シロキサン添加量が少ない実施例6−3のサ
ンプルテープに比べてC/N劣化が大きな値となってお
りドロップアウト増加率も増大している。このことか
ら、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンは、磁
性粉末100重量部に対して0.5重量部以上は必要で
あるがその上限は6.0重量部程度であることがわか
る。
【0198】なお、ビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンの代わりにアミノ基を有する点では同じである
がシロキサン結合を有しない添加物を添加した比較例6
−2,比較例6−3のサンプルテープについても評価を
行ったが、これらと、実施例6−1のサンプルテープを
比較すると、比較例6−2,比較例6−3のサンプルテ
ープは、C/N劣化,スチル時間では良好な値が得られ
ている。しかし、実施例6−1に比べてドロップアウト
保存増加率が大きい。
【0199】このことから、走行耐久性を改善するには
アミノ基が、保存特性を改善するにはシロキサン結合が
必要であり、両者を併せ持つビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンが磁性層に添加する添加剤として適し
ていることがわかる。
【0200】実施例7−1 本実施例は、バックコート層(カーボンブラックA,カ
ーボンブラックBを含有)にビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンを添加した例である。
【0201】先ず、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 磁性層組成 磁性粉末a 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体E 15重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂a 5重量部 アルミナ 8重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.5重量部 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0202】この分散物に、硬化剤(日本ポリウレタン
社製,商品名コロネートL)を3重量部添加し、得られ
た磁性塗料を厚さ7.5μmのベースフィルム上に乾燥
後の厚さが3μmになるように塗布した。次いで、この
磁性塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥させ
て巻き取った。そして、さらにカレンダー処理を施し、
温度60℃,24時間硬化処理を行うことで磁性層を形
成した。
【0203】次に、下記の組成に準じて各バックコート
塗料成分を秤り取り、サンドミルにて分散した。 バックコート層組成 カーボンブラックA 97重量部 カーボンブラックB 3重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 70重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 30重量部 潤滑剤 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 溶剤 メチルエチルケトン 200重量部 トルエン 200重量部 シクロヘキサノン 400重量部
【0204】この分散物にビス(アミノプロピルジメチ
ル)シロキサンを8.0重量部,硬化剤(日本ポリウレ
タン社製コロネートL)を10重量部添加した。そし
て、得られたバックコート塗料を上記ベースフィルムの
磁性層が形成されている側とは反対側の面に、乾燥後の
厚さが0.6μmとなるように塗布し、温度60℃,2
4時間硬化処理を行うことでバックコート層を形成し
た。
【0205】このようにして磁性層,バックコート層が
形成された広幅テープを8ミリ幅にスリットしてサンプ
ルテープとし、NTCSの標準モードで120分記録出
来るだけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。
【0206】実施例7−2 バックコート塗料に添加するビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンの添加量を2.0重量部としたこと以
外は実施例7−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、NTCSの標準モードで120分記録出来るだけの
長さを8ミリカセットに組み込んだ。
【0207】実施例7−3 バックコート塗料に添加するビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンの添加量を4.0重量部としたこと以
外は実施例7−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、NTCSの標準モードで120分記録出来るだけの
長さを8ミリカセットに組み込んだ。
【0208】実施例7−4 バックコート塗料に添加するビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンの添加量を12.0重量部としたこと
以外は実施例7−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、NTCSの標準モードで120分記録出来るだけの
長さを8ミリカセットに組み込んだ。
【0209】実施例7−5 バックコート塗料に混合する結合剤の組成を以下のよう
に変えたこと以外は実施例7−1と同様にしてサンプル
テープを作製し、NTCSの標準モードで120分記録
出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 40重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 40重量部
【0210】実施例7−6 バックコート塗料に混合する結合剤の組成を以下のよう
に変えたこと以外は実施例7−1と同様にしてサンプル
テープを作製し、NTCSの標準モードで120分記録
出来るだけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 20重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 60重量部
【0211】実施例7−7 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに、塩化ビニル系共重
合体Aよりもエポキシの含有量の多い塩化ビニル系共重
合体Bをバックコート塗料に混合したこと以外は実施例
7−1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTCS
の標準モードで120分記録出来るだけの長さを8ミリ
カセットに組み込んだ。
【0212】実施例7−8 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに、塩化ビニル系共重
合体Aよりもエポキシの含有量の少ない塩化ビニル系共
重合体Cをバックコート塗料に混合したこと以外は実施
例7−1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTC
Sの標準モードで120分記録出来るだけの長さを8ミ
リカセットに組み込んだ。
【0213】実施例7−9 塩化ビニル系共重合体Aの代わりに、エポキシを含まな
い塩化ビニル系共重合体Dをバックコート塗料に混合し
たこと以外は実施例7−1と同様にしてサンプルテープ
を作製し、NTCSの標準モードで120分記録出来る
だけの長さを8ミリカセットに組み込んだ。
【0214】比較例7−1 バックコート塗料にビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンを添加しないこと以外は実施例7−1と同様に
してサンプルテープを作製し、NTCSの標準モードで
120分記録出来るだけの長さを8ミリカセットに組み
込んだ。
【0215】比較例7−2 バックコート塗料にビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンを添加しないこと以外は実施例7−7と同様に
してサンプルテープを作製し、NTCSの標準モードで
120分記録出来るだけの長さを8ミリカセットに組み
込んだ。
【0216】
【0217】以上のようにして作製したサンプルテープ
について、実施例3−1で行ったのと同様にして粘着目
視試験を行うことで保存特性を評価した。その結果を表
11に示す。
【0218】
【表11】
【0219】表11からわかるように、バックコート層
にビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加し
ていない比較例7−1,比較例7−2のサンプルテープ
では、保存後、磁性層表面にかなり粘着物が認められる
のに対して、バックコート層にビス(アミノプロピルジ
メチル)シロキサンを添加した実施例7−1〜実施例7
−9のサンプルテープでは、磁性層表面に粘着物がほと
んど認められない。
【0220】このことから、バックコート層にビス(ア
ミノプロピルジメチル)シロキサンを添加すると、過酷
な条件下でも磁性層とバックコート層の粘着が抑えられ
るようになり、磁気テープの保存特性を改善する上で有
効であることがわかる。
【0221】ここで、さらにデータを詳細に検討するた
めに、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンの添
加量を変化させた実施例7−1〜実施例7−4のサンプ
ルテープを比較すると、ビス(アミノプロピルジメチ
ル)シロキサンの効果はその量に依存することがわか
る。すなわち、実施例7−2のように、ビス(アミノプ
ロピルジメチル)シロキサンを少量添加しただけでは、
効果が不足し、保存特性を十分に改善するには結合剤1
00重量部に対して少なくとも4.0重量部以上ビス
(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加する必要
があることがわかる。
【0222】また、結合剤成分として混合する塩化ビニ
ル系共重合体のエポキシ含有量を変化させた実施例7−
7〜実施例7−9のサンプルテープを比較すると、エポ
キシを有しない共重合体を用いた実施例7−9のサンプ
ルテープに比べてエポキシ基を有する共重合体を用いた
実施例7−7,実施例7−8、特に実施例7−7のサン
プルテープの方が良好な保存特性が得られる。
【0223】このことから、塩化ビニル系共重合体のエ
ポキシは、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサン
の効果の発現に関与しており、ビス(アミノプロピルジ
メチル)シロキサンとエポキシを有する塩化ビニル系共
重合体を組み合わせて用いることにより、保存特性の一
層の向上が図れることがわかる。なお、塩化ビニル系共
重合体のエポキシ含有量の最適範囲は、0.2〜1.0
mmol/gである。
【0224】実施例8−1 本実施例は、バックコート層(カーボンブラックC,カ
ーボンブラックD含有)に、ビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンを添加した例である。
【0225】まず、下記の組成に準じて各バックコート
塗料成分を秤り取り、サンドミルにて分散した。 バックコート塗料の組成 カーボンブラックC 75重量部 カーボンブラックD 3重量部 炭酸カルシウム粉末 2重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体A 100重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 300重量部 シクロヘキサノン 300重量部
【0226】この分散物に、ビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンを15.0重量部添加し、厚さ14.
0μmのベースフィルム上に乾燥後の厚さが0.6μm
となるように塗布することでバックコート層を形成し
た。
【0227】次に、下記の組成に準じて各磁性塗料成分
を秤り取り、サンドミルにて分散した。 磁性塗料の組成 磁性粉末b 100重量部 結合剤 塩化ビニル系共重合体E 12重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂b 10重量部 潤滑剤 ステアリン酸 1.5重量部 ステアリン酸ブチル 1.5重量部 アルミナ 10重量部 カーボンブラック 3重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0228】この分散物に、硬化剤(日本ポリウレタン
社製,商品名コロネートL)を2重量部添加し、得られ
た磁性塗料を上記ベースフィルムのバックコート層が形
成されている側とは反対側の面に乾燥後の厚さが4μm
になるように塗布し磁性塗膜を形成した。そして、磁性
塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥させて巻
き取った。そして、さらにカレンダー処理を施し、温度
70℃,24時間硬化処理を行うことで磁性層を形成し
た。
【0229】このようにしてバックコート層,磁性層が
形成された広幅テープを1/2インチ幅にスリットして
サンプルテープとし、NTSCの標準モードで120分
記録出来るだけの長さをS−VHSカセットに組み込ん
だ。
【0230】実施例8−2 バックコート塗料に添加するビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンの添加量を10.0重量部としたこと
以外は実施例8−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、NTSCの標準モードで120分記録出来るだけの
長さをS−VHSカセットに組み込んだ。
【0231】実施例8−3 バックコート塗料に添加するビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンの添加量を20.0重量部としたこと
以外は実施例8−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、NTSCの標準モードで120分記録出来るだけの
長さをS−VHSカセットに組み込んだ。
【0232】実施例8−4 バックコート塗料に添加するビス(アミノプロピルジメ
チル)シロキサンの添加量を25.0重量部としたこと
以外は実施例8−1と同様にしてサンプルテープを作製
し、NTSCの標準モードで120分記録出来るだけの
長さをS−VHSカセットに組み込んだ。
【0233】比較例8−1 バックコート塗料に、ビス(アミノプロピルジメチル)
シロキサンを添加しないこと以外は実施例8−2と同様
にしてサンプルテープを作製し、NTSCの標準モード
で120分記録出来るだけの長さをS−VHSカセット
に組み込んだ。
【0234】比較例8−2 ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンの代わり
に、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンと同様
に末端がアミノ基を有するものの、シロキサン結合を有
しないなどの点で構造が異なる1,6−ヘキサンジアミ
ンをバックコート塗料に添加したこと以外は実施例8−
1と同様にしてサンプルテープを作製し、NTSCの標
準モードで120分記録出来るだけの長さをS−VHS
カセットに組み込んだ。
【0235】比較例8−3 ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンの代わり
に、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンと同様
に末端がアミノ基を有するものの、シロキサン結合を有
しないなどの点で構造が異なるアミノエチルピペラジン
をバックコート塗料に添加したこと以外は実施例8−1
と同様にしてサンプルテープを作製し、NTSCの標準
モードで120分記録出来るだけの長さをS−VHSカ
セットに組み込んだ。
【0236】このようにして作製したサンプルテープに
ついて、ドロップアウト保存増加率を実施例2−1で行
ったのと同様にして測定した。その結果を表12に示
す。
【0237】
【表12】
【0238】表12からわかるように、バックコート層
にビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加し
た実施例8−1〜実施例8−4のサンプルテープは、ビ
ス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを添加してい
ない比較例8−1のサンプルテープに比べてドロップア
ウト増加率が小さい値になっている。
【0239】これら実施例8−1〜実施例8−4のサン
プルテープでは、硬化剤が添加されていないにもかかわ
らずこのように良好なデータが得られており、バックコ
ート層にビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンを
添加することは、媒体の保存特性の向上に極めて有効で
あることがわかる。
【0240】しかし、ビス(アミノプロピルジメチル)
シロキサンを結合剤100重量部に対して25.0重量
部と多量に添加した実施例8−4のサンプルテープは、
これよりビス(アミノプロピルジメチル)シロキサン添
加量が少ない実施例8−3のサンプルテープに比べてド
ロップアウト保存増加率が大きな値となっている。この
ことから、ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサン
は、結合剤100重量部に対して4.0重量部以上は必
要であるがその上限は20重量部程度であることがわか
る。
【0241】なお、ビス(アミノプロピルジメチル)シ
ロキサンの代わりにアミノ基を有する点では同じである
がシロキサン結合を有しない添加物を添加した比較例8
−2,比較例8−3のサンプルテープについても評価を
行ったが、これらと、実施例8−1のサンプルテープを
比較すると、比較例8−2,比較例8−3のサンプルテ
ープの方がドロップアウト増加率が大なるものとなって
いる。
【0242】このことから、保存特性を改善するにはア
ミノ基とシロキサン結合を両方が必要であり、両者を併
せ持つビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンばバ
ックコート層に添加する添加剤として適していることが
わかる。
【0243】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体では、磁性層あるいはバックコート層
に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサンが添加され
ているので、磁性層,バックコート層の強度が強く、ま
た優れた保存特性を得ることができる。したがって、短
波長の記録再生システムに採用すべく、磁性粉末の微細
化,磁性層表面の鏡面化を図った場合でも、良好な走行
耐久性を発揮し、しかも長期間保存後にもドロップアウ
トがほとんど発生せず、良好な記録再生特性を得ること
が可能である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤と
    を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体にお
    いて、 上記磁性層に末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサン
    が添加されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサ
    ンの重量平均分子量が5000以下であることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサ
    ンがビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンである
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 磁性層に添加されている末端アミノ基含
    有ポリジメチルシロキサンの添加量が、強磁性粉末10
    0重量部に対して0.5〜6重量部であることを特徴と
    する請求項1〜請求項3いずれか記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁性層を構成する結合剤の少なくとも一
    部が、エポキシを0.2〜1.0mmol/g含有する
    塩化ビニル系共重合体であることを特徴とする請求項1
    〜請求項4いずれか記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性支持体上に、磁性層が形成され、
    磁性層が形成されている側とは反対側に非磁性粉末また
    は磁性粉末と、結合剤を主体とするバックコート層が形
    成されてなる磁気記録媒体において、 上記バックコート層に末端アミノ基含有ポリジメチルシ
    ロキサンが添加されていることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサ
    ンの重量平均分子量が5000以下であることを特徴と
    する請求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 末端アミノ基含有ポリジメチルシロキサ
    ンがビス(アミノプロピルジメチル)シロキサンである
    ことを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 バックコート層に添加されている末端ア
    ミノ基含有ポリジメチルシロキサンの添加量が、結合剤
    100重量部に対して4.0〜20重量部であることを
    特徴とする請求項6〜請求項8いずれか記載の磁気記録
    媒体。
  10. 【請求項10】 バックコート層を構成する結合剤の少
    なくとも一部が、エポキシを0.2〜1.0mmol/
    g含有する塩化ビニル系共重合体であることを特徴とす
    る請求項6〜請求項9いずれか記載の磁気記録媒体。
JP3002094A 1993-12-27 1994-02-28 磁気記録媒体 Pending JPH07235043A (ja)

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JP5-329319 1993-12-27
JP32931993 1993-12-27
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017066284A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 大日本塗料株式会社 塗料用樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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