JPH0723524B2 - Cu含有Ni基合金の熱間加工法 - Google Patents

Cu含有Ni基合金の熱間加工法

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JPH0723524B2
JPH0723524B2 JP59238460A JP23846084A JPH0723524B2 JP H0723524 B2 JPH0723524 B2 JP H0723524B2 JP 59238460 A JP59238460 A JP 59238460A JP 23846084 A JP23846084 A JP 23846084A JP H0723524 B2 JPH0723524 B2 JP H0723524B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱間加工割れの防止を図ったCu含有Ni基合金
の熱間加工法、特に熱間加工割れの多発する合金として
知られているJIS H4551などのCu含有Ni基合金に前処理
としてプレスあるいは圧延等により冷間加工を施すこと
を特徴とする熱間加工割れ防止を図ったCu含有Ni基合金
の熱間加工法である。
(従来の技術) 例えばJIS H4551として規定されているCu含有Ni基合金
は今日そのすぐれた耐食性の点から化学工業の分野にお
いて耐食性材料として多量に使用されてきており、代表
的には下記第1表に示す組成を有する。
しかしながら、本系合金は、連続鋳造スラブから直接製
品寸法まで熱間加工を行うと表面にはヘゲ疵、割れまた
は側面には、耳割れと称す割れ欠陥が多発し、多量製品
化が難しい。
そのため従来は熱間加工に先立って疵取り工程を設ける
のは勿論、熱間加工を何段にも分けて少しづつ実施し、
疵が発生する度毎に上記の疵取り工程を行っていた。通
常、熱間圧延は各回の加工率20%程度でこれを数回繰り
返えすか、当初は20〜30%の加工率で、以降から1回も
しくはそれ以上順次加工率を高める加工を行っていた。
以上からも明らかなように、このような従来法は疵取り
時に疵を取り残す危険性が高く、製品の品質を劣化させ
るばかりでなく、熱間加工および疵取りを繰り返えすた
め操業コストが非常に高価なものとなる。
ところで、鋼材の熱間加工時にみられる表面割れあるい
は表面欠陥の防止には加熱温度を低くしたりあるいは熱
間圧延する材料に酸化防止剤等を塗布することが行われ
ていた(例:特開昭56−26603号および特開昭59−56519
号)。特に、特開昭59−56519号にはNi20〜45%、Cr6%
以下を含有する高Ni基合金鋼について酸化防止剤を塗布
して熱間圧延に際しての耳割れおよび表面疵を防止する
方法が開示されている。
一方、特開昭58−19428号には、ステンレス鋼の連続鋳
造材の熱間押出に際して、連続鋳造材を加熱し、予め熱
間加工して表面から少なくとも3mm厚の表面層の組織を
微細化し、引き続き熱間押出加工することが開示されて
いるが、これが連続鋳造材にみられる方向性の強い連続
鋳造組織を破壊して、熱間圧延素材を用いたと同等の熱
間押出特性を得ようとするものである。
なお、上述の予め行われる熱間加工に先立って、押出材
先端部のスジ状欠陥発生防止のために素材端面ショット
ブラスト等による冷間加工を施すことも開示している
が、これはいわば予備処理のそのまた予備処理であって
結晶微細化による材料の極く表面における異方性をなく
すことを目的とするものである。
(発明が解決すべき問題点) 本発明の目的は、熱間加工割れの防止を図ったCu含有Ni
基合金の熱間加工法を提供することである。
本発明の別の目的は表面手入れの回数を可及的に少なく
し、できれば、例えば加工率60%以上という大きな加工
率での1回の熱間圧延で製品とし得る、熱間加工割れの
防止を図ったCu含有Ni基合金の熱間加工法を提供するこ
とである。
(問題点を解決するための手段) 上述の如き目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重
ねた結果、従来は本系合金は粒界酸化に対する感受性が
高いことから酸化防止剤を使用したり、熱間加工温度を
低くしていたりしたのに対し、むしろ粒界へのCu偏析に
より粒界の延性が低下していることに着目し、さらに研
究を続けたところ熱間加工の前段階でCu含有Ni基合金に
冷間加工を行い、鋳片内部に歪を蓄積し、この歪を駆動
力とし、その後の熱間加工に際しての加熱時に、特に歪
の高い表層部を再結晶させ、組織を微細化せしめること
により、Cu偏析が効果的に消失し、粒界の延性が予想外
の程度にまで改善され、これによりこのCu含有Ni基合金
の熱間加工性が大巾に向上することを見い出した。これ
にもとずき続いて種々基礎試験を行った結果、加工率60
%以上という大きな加工率での1回のみの熱間加工にて
も良好な表面品質を有する本系合金を製造できることを
確認して、本発明を完成した。
ここに、本発明の要旨とするところは下記合金組成のCu
含有Ni基合金の熱間加工の前処理として冷間加工を行い
表層部の組織を微細化して粒界へのCu偏析を防止し、次
いで熱間加工を行うことを特徴とする、熱間加工時の割
れ欠陥防止を図ったCu含有Ni基合金の熱間加工法であ
る。
C:0.30%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2%以下、Cu:28.0〜34.0%、 Fe:2.5%以下、残部 Ni このように、本発明において採用する前処理冷間加工条
件はプレスまたは圧延により加工率5%、好ましくは10
%以上の加工を加えるのであって、ここで、冷間加工率
は次のように定義される。
冷間加工率=(H1−H2)/H1×100(%) H1=加工前の板厚、 H2=加工後の板厚 また、熱間加工方法としては鍛造、プレスおよび圧延が
ある。好ましくは1回の熱間加工で最終製品とすること
ができる程度に大きな加工率で熱間加工を行う。そのと
きの加工率は一般には60%以上である。
本系合金のCu含有Ni基合金についてはFe含有量が高くな
るにつれて割れ感受性が高くなるが、本発明によれば、
Fe等の不純物分が許容規格の範囲内最大量混入しても、
良好な品質の外観をもった製品が得られるのである。
本発明により熱間加工時の割れ防止が効果的に図られる
機構については未だ明確にはなっていないが、連続鋳造
鋳片の場合、次のように考えることができる。
鋳込みのままの状態では、粗大結晶粒の粒界に、顕著な
Cu偏析が見られ粒界とマトリクスの強度差が大きく熱間
加工時の微細割れに結びつく。したがって、本発明にお
けるごとくこれに冷間加工を加え再結晶、微細化してや
ることにより、新生粒界は必然的にCu偏析が減少しある
いは消失し、粒界とマトリクスの相対強度は小さくな
り、かつ一般的に云われている如く結晶粒微細化による
割れ感受性の低下が、以上の効果と相乗的に作用して、
熱間加工性が予想外の程度にまで向上するものと考えら
れる。
本発明が対象とするCu含有Ni合金は、重量%で、 C:0.30%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2%以下、Cu:28.0〜34.0%、 Fe:2.5%以下、残部Ni、 から成るNi合金である。
よって、その好適態様にあっては、本発明は、重量%
で、 C:0.30%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2%以下、Cu:28.0〜34.0%、 Fe:2.5%以下、残部Ni、 から成るNi基合金の熱間加工の前処理として加工率5%
以上の冷間加工を行い表層部の組織を微細化して粒界へ
のCu偏析を防止し、次いで熱間加工を行うことを特徴と
する、熱間加工時の割れ欠陥防止を図ったCu含有Ni基合
金の熱間加工法である。
ここに、上述のように好適態様において各合金成分を選
んだ理由は次の通りである。
C(炭素): C成分には、合金溶湯の脱酸作用や合金の強度上昇作用
があるので、合金成分として好ましい元素であるが、0.
30%を超えて含有させると過剰量のCが結晶粒界に析出
して加工性の劣化を招くようになることから、C含有量
は0.30%以下に制限するのが好ましい。
なお、微量のC含有量であっても上記作用にそれなりの
効果が得られるが、好ましくは、0.05%以上の割合でC
を含有させるのが良い。
SiおよびMn(ケイ素およびマンガン): これらの成分は、それぞれ、合金溶湯の脱酸剤として有
効に作用するものであるが、Si含有量が0.50%を、そし
てMn含有量が2%をそれぞれ超えると、合金の延性が極
端に低下することから、Si含有量は0.50%以下に、また
Mn含有量は2%以下に、それぞれ、制限するのがよい。
なお、これらの元素の含有量(脱酸残量)が痕跡程度の
場合にあっても、十分な脱酸効果が得られることはもち
ろんである。
Cu(銅): Cu成分には、Niに固溶して耐食性を向上させる作用があ
るが、その含有量が28.0%未満では非酸化性酸にたいす
る合金の耐食性が十分でなく、一方、34.0%を越えてCu
を含有させると強度低下を来すことから、Cu含有量は2
8.0〜34.0%とするのが好ましい。
Fe(鉄): Fe成分にも合金の耐食性を向上させる作用があり、合金
元素として好ましいものであるが、2.5%を超えて含有
させると延性低下を招く恐れが出てくることから、Fe含
有量は2.5%以下とするのが良い。
なお、Fe含有量が微量であってもそれなりの耐食性向上
効果は得られるが、好ましくは0.5%以上の含有量を確
保するのが良い。
次に本発明を実施例によってさらに説明する。
実施例 第2表に示す組成を有するCu、Fe含有量をそれぞれ変動
させた5種のCu含有Ni基合金を溶製した。それらのうち
供試材No.1〜4は高周波溶解炉による小型鋳塊(10k
g)、供試材No.5は厚さ150mm×幅1050mmの連続鋳造スラ
ブに溶製したものである。
これらの供試材の表面を切削、除去して試験材を採取し
たが、連続鋳造スラブについては柱状晶部より試験材を
採取した。
各試験材について鋳片手入れをしてから、本発明方法に
より3.6〜14.4%冷間加工率で冷間圧延を行い、次いで1
100℃に加熱して加工率60%で熱間加工を行った。1回
の熱間圧延により目的寸法、形状とした。なお、このと
きの熱間加工時に酸化防止剤塗布を行った。
比較例として従来法により手入れ後酸化防止剤を塗布し
てから直ちに同一条件で熱間加工を行った。
このようにして得られた熱間圧延材の表面欠陥の発生状
況を調べた。第3表に結果をまとめて示す。表中で冷間
加工率0%が冷間加工を行なわない従来法である。ま
た、本発明方法では、冷間加工率として、マクロ組織観
察で表層部の均一微細化が認められたほぼ5%の水準、
およびそれより高い10〜15%の2水準をとった。
第3表に示す結果から明らかな如く、従来法ではいずれ
の供試材でも表面部、側面部とも割れの発生が認められ
た。これに対し、本発明方法ではいずれも割れは全く認
められなかった。
第1図は上記の結果をグラフにまとめたものであり、こ
れより加工率5%以上で、好ましくは10%以上で割れが
実質上防止されるのが分かる。
次に、マクロ組織観察による組織微細化状況を観察すべ
く、まず冷間加工後およびその後の熱間圧延時の加熱を
想定した、1100℃×1Hr、WQの条件での熱処理を行っ
た。
結果を添付図面の第2図にマクロ組織写真で示す。冷間
圧延ままでは、冷間圧延による組織の変化はあまり認め
られないが、熱処理したままのものでは、冷間圧下率が
増加するに従って表層からの再結晶が進行し、再結晶領
域が増大している。しかし、加工率が最も低い3.61%の
場合、表層部に粗大晶の残留が認められる。これに対し
加工率5.00%以上では粗大晶の残留は認められず、組織
は微細化しているといえる。
第3図は冷間加工後1100℃に加熱して結晶の微細化を図
った後のミクロ組織写真であり、Cuの粒界への偏析は実
質上消失しているのが分かる。
一方、第4図は第3図に示す材料のX線回折法によるCu
およびNiの分析例であって、Cu、Niのいずれも全く偏析
していないのがわかる。
第5図は比較のために示すもので冷間加工を行なわなか
った場合の第3図に同様のミクロ組織写真であり、粒界
にCuが偏析している。第6図はこのときのX線回折法に
よるCuおよびNiの分析例を示すグラフであり、Cuが著し
く偏析しているのが分かる。
(効果) 以上詳述したように、従来、熱間加工割れの多発する合
金としていわゆる難加工材の1つに数えられていたCu含
有Ni基合金は、本発明方法により、極めて簡単にしかも
従来の設備を何ら変更することなく例えば加熱に先立っ
て1回冷間加工するだけで、容易に熱間加工できるので
あって、その利益には大なるものがある。また圧下率を
大きくとれるため熱間加工も一段で済むなど操業上の利
益も大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、冷間圧延の加工率が割れ発生状況に及ぼす影
響を示すグラフ; 第2図は、冷間圧延および加熱処理を行ったときの冷間
圧延の加工率に応じた組織の変化をそれぞれ示す一連の
マクロ組織写真; 第3図は本発明により得られる熱間加工材のミクロ組織
写真; 第4図は第3図の材料のCuおよびNi分析例を示すグラ
フ; 第5図は冷間加工を行なわなかった場合の熱間加工材の
ミクロ組織写真;および 第6図は第5図の材料のCuおよびNi分析例を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新谷 与一郎 新潟県上越市港町2丁目12番1号 日本ス テンレス株式会社直江津研究所内 (72)発明者 真田 強 新潟県上越市港町2丁目12番1号 日本ス テンレス株式会社直江津製造所内 (72)発明者 君波 豊 新潟県上越市港町2丁目12番1号 日本ス テンレス株式会社直江津製造所内 (72)発明者 鶴田 忠 新潟県上越市港町2丁目12番1号 日本ス テンレス株式会社直江津製造所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.30%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2%以下、Cu:28.0〜34.0%、 Fe:2.5%以下、 残部:Ni から成るCu含有Ni基合金の熱間加工の前処理として加工
    率5%以上の冷間加工を行い表層部の組織を微細化して
    粒界へのCu偏析を防止し、次いで熱間加工を行うことを
    特徴とする、熱間加工時の割れ欠陥防止を図ったCu含有
    Ni基合金の熱間加工法。
JP59238460A 1984-11-14 1984-11-14 Cu含有Ni基合金の熱間加工法 Expired - Lifetime JPH0723524B2 (ja)

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