JPH07235B2 - パルスマグ溶接法 - Google Patents
パルスマグ溶接法Info
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- JPH07235B2 JPH07235B2 JP1139491A JP1139491A JPH07235B2 JP H07235 B2 JPH07235 B2 JP H07235B2 JP 1139491 A JP1139491 A JP 1139491A JP 1139491 A JP1139491 A JP 1139491A JP H07235 B2 JPH07235 B2 JP H07235B2
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- Arc Welding In General (AREA)
- Arc Welding Control (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスマグ溶接法に係
り、より詳しくは、Arなどの不活性ガスを主とした混
合ガスをシールドガスとして用いるスパッタ発生量の少
ないパルスマグ溶接法に関するものである。
り、より詳しくは、Arなどの不活性ガスを主とした混
合ガスをシールドガスとして用いるスパッタ発生量の少
ないパルスマグ溶接法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Ar、He、CO2、O2などの単体或いは
混合ガスをシールドガスとして用い、比較的細径の電極
(以下、「溶接ワイヤ」という)を連続的に送給して行な
う溶接法、すなわち、ガスシールドアーク溶接法は、高
能率な溶接が可能であること、及び自動化し易い溶接法
であることから、ロボットを使う溶接などで多く用いら
れている。
混合ガスをシールドガスとして用い、比較的細径の電極
(以下、「溶接ワイヤ」という)を連続的に送給して行な
う溶接法、すなわち、ガスシールドアーク溶接法は、高
能率な溶接が可能であること、及び自動化し易い溶接法
であることから、ロボットを使う溶接などで多く用いら
れている。
【0003】また、このガスシールドアーク溶接法のう
ち、Ar、Heなどの不活性ガスを主とした混合ガスをシ
ールドガスとして用いる溶接法は、CO2ガスだけを用
いる場合に比較すると、アークの安定性が良好でスパッ
タの発生量が少ないが、低スパッタとなるための溶接電
流域に制限があり、低溶接電流域ではCO2ガスを用い
る場合と同様に、スパッタが多く発生する。
ち、Ar、Heなどの不活性ガスを主とした混合ガスをシ
ールドガスとして用いる溶接法は、CO2ガスだけを用
いる場合に比較すると、アークの安定性が良好でスパッ
タの発生量が少ないが、低スパッタとなるための溶接電
流域に制限があり、低溶接電流域ではCO2ガスを用い
る場合と同様に、スパッタが多く発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】更に、この低電流域で
のスパッタ発生を改善する目的でパルスマグ溶接法も提
案されているが、以下のような問題点が残っている。す
なわち、パルスマグ溶接法は、高電流と低電流を交互に
流し、高電流期間に溶接ワイヤ先端に溶滴を形成させ、
低電流期間に溶滴を溶接ワイヤ先端から離脱させて被溶
接物(以下、「母材」という)の溶融池に移行させて溶接
する方法である(図1参照)。
のスパッタ発生を改善する目的でパルスマグ溶接法も提
案されているが、以下のような問題点が残っている。す
なわち、パルスマグ溶接法は、高電流と低電流を交互に
流し、高電流期間に溶接ワイヤ先端に溶滴を形成させ、
低電流期間に溶滴を溶接ワイヤ先端から離脱させて被溶
接物(以下、「母材」という)の溶融池に移行させて溶接
する方法である(図1参照)。
【0005】この時、1回のパルスピーク電流(高電流
期間)で形成された溶滴がこれに続く低電流期間に溶融
池と短絡することなく移行(これを「1パルス1溶滴移
行」という)する現象が継続的に行なわれれば、スパッ
タは発生しない。
期間)で形成された溶滴がこれに続く低電流期間に溶融
池と短絡することなく移行(これを「1パルス1溶滴移
行」という)する現象が継続的に行なわれれば、スパッ
タは発生しない。
【0006】しかし、この溶滴移行は必ずしも継続的か
つ規則的に行なわれるわけではない。低電流期間での離
脱に失敗すると、次の高電流期間に離脱したり、複数の
パルス(高電流)でも離脱しない場合は溶滴が大きく成長
してしまい、溶滴の下端と溶融池表面との離脱が小さく
なって短絡したりする。
つ規則的に行なわれるわけではない。低電流期間での離
脱に失敗すると、次の高電流期間に離脱したり、複数の
パルス(高電流)でも離脱しない場合は溶滴が大きく成長
してしまい、溶滴の下端と溶融池表面との離脱が小さく
なって短絡したりする。
【0007】高電流期間に離脱するとその強いアークの
ために溶滴が溶融池以外の方へ吹き飛ばされたり、また
短絡する場合は、短絡が破れて再びアークが発生すると
きのアークの反発力で溶滴や溶融池が飛び散ってスパッ
タとなる。
ために溶滴が溶融池以外の方へ吹き飛ばされたり、また
短絡する場合は、短絡が破れて再びアークが発生すると
きのアークの反発力で溶滴や溶融池が飛び散ってスパッ
タとなる。
【0008】また、実際の溶接条件は、被溶接物の形状
(板厚や継手のキャップの度合い等)、溶接姿勢や生産性
などを考慮して様々に設定されるので、アーク長さの短
い低電圧で溶接施工される場合もあり、溶滴と溶融池と
が短絡し易くなってスパッタが多く発生してしまう。
(板厚や継手のキャップの度合い等)、溶接姿勢や生産性
などを考慮して様々に設定されるので、アーク長さの短
い低電圧で溶接施工される場合もあり、溶滴と溶融池と
が短絡し易くなってスパッタが多く発生してしまう。
【0009】これらの問題に対し、例えば、パルスマグ
溶接法の短絡現象に着目し、溶接ワイヤ成分を調整して
短絡時に発生するスパッタ量を抑える技術が提案されて
いる(例えば、特開昭62−296993号)。しかし、
短絡現象が起きる以上、スパッタの発生に対して根本的
には解決されていない。
溶接法の短絡現象に着目し、溶接ワイヤ成分を調整して
短絡時に発生するスパッタ量を抑える技術が提案されて
いる(例えば、特開昭62−296993号)。しかし、
短絡現象が起きる以上、スパッタの発生に対して根本的
には解決されていない。
【0010】本発明は、前述の従来のパルスマグ溶接法
上の問題点を解決し、パルスマグ溶接法においてその溶
滴移行形態を安定した1パルス1溶滴移行(スプレー移
行)とするために、溶接ワイヤの化学成分とパルス電流
波形条件を関連付けた施工条件で溶接するパルスマグ溶
接法を提供することを目的とするものである。
上の問題点を解決し、パルスマグ溶接法においてその溶
滴移行形態を安定した1パルス1溶滴移行(スプレー移
行)とするために、溶接ワイヤの化学成分とパルス電流
波形条件を関連付けた施工条件で溶接するパルスマグ溶
接法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ここに本発明
をなしたものである。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ここに本発明
をなしたものである。
【0012】すなわち、本発明は、C:0.07〜0.1
2%、Mn:1.0〜1.5%、Si:0.20〜0.60
%、Ti:0.01〜0.06%を含有し、残部がFeと不
可避的不純物からなるガスシールド溶接用ソリッドワイ
ヤを用いるパルスマグ溶接法において、パルス電流のピ
ーク電流値Ip(amp)とその保持時間Tp(sec)によって求
められる(Ip)2×Tpの値が、(Ip)2×Tp=130×
〔Si〕+190±40(但し、〔Si〕はSi含有量(重
量%))を満足するIpとTpのパルス条件で溶接すること
を特徴とするパルスマグ溶接法を要旨とするものであ
る。以下に本発明を更に詳述する。
2%、Mn:1.0〜1.5%、Si:0.20〜0.60
%、Ti:0.01〜0.06%を含有し、残部がFeと不
可避的不純物からなるガスシールド溶接用ソリッドワイ
ヤを用いるパルスマグ溶接法において、パルス電流のピ
ーク電流値Ip(amp)とその保持時間Tp(sec)によって求
められる(Ip)2×Tpの値が、(Ip)2×Tp=130×
〔Si〕+190±40(但し、〔Si〕はSi含有量(重
量%))を満足するIpとTpのパルス条件で溶接すること
を特徴とするパルスマグ溶接法を要旨とするものであ
る。以下に本発明を更に詳述する。
【0013】
【作用】施工法上の特徴から考えると、パルスマグ溶接
法でのスパッタ発生という問題点を解決するポイント
は、短いアーク長さ(例えば、溶接電圧の低い溶接条件)
の溶接施工条件でも溶滴と溶融池とが短絡しないように
することである。
法でのスパッタ発生という問題点を解決するポイント
は、短いアーク長さ(例えば、溶接電圧の低い溶接条件)
の溶接施工条件でも溶滴と溶融池とが短絡しないように
することである。
【0014】すなわち、アークが長い条件域では物理的
に溶接ワイヤ先端(或いは溶滴の先端)と溶融池表面との
距離も長いので、短絡現象そのものは発生しにくいが、
アークが短いと溶滴の形成・離脱現象に僅かな不安定状
態があっても短絡を生じさせることがあるからである。
に溶接ワイヤ先端(或いは溶滴の先端)と溶融池表面との
距離も長いので、短絡現象そのものは発生しにくいが、
アークが短いと溶滴の形成・離脱現象に僅かな不安定状
態があっても短絡を生じさせることがあるからである。
【0015】従来は短絡現象に対して、溶接ワイヤの成
分でその短絡状態を調整し、スパッタの低減を狙った
が、本発明者らは、短絡現象そのものを可能な限り起こ
さないようにすることを目的として、種々の化学成分を
有する溶接ワイヤを用いて、上記の施工上のポイントを
満足させる方法を検討した。
分でその短絡状態を調整し、スパッタの低減を狙った
が、本発明者らは、短絡現象そのものを可能な限り起こ
さないようにすることを目的として、種々の化学成分を
有する溶接ワイヤを用いて、上記の施工上のポイントを
満足させる方法を検討した。
【0016】パルスマグ溶接法においては、図1に示し
たように、ピーク電流(高電流)期間に溶接ワイヤ先端に
溶滴が形成され、これに続く低電流期間に離脱すること
が安定した溶滴移行となる条件であり、スパッタ防止の
ために必要であることは前述したところである。
たように、ピーク電流(高電流)期間に溶接ワイヤ先端に
溶滴が形成され、これに続く低電流期間に離脱すること
が安定した溶滴移行となる条件であり、スパッタ防止の
ために必要であることは前述したところである。
【0017】ところで、溶接ワイヤ先端に溶滴が形成さ
れるときの現象、すなわち、ワイヤの溶融現象は
れるときの現象、すなわち、ワイヤの溶融現象は
【数1】 で表わされる。また、実効電流の2乗は、パルス波形が
方形波の場合、
方形波の場合、
【数2】 と表わされるので、安定した溶融現象を得るためには、
パルス定数であるIpとTpの設定が重要である。なお、
ベース電流は、ベース電流が低い値、通常は1.2mmの
ソリッドワイヤを使用する場合は30〜100Aである
ので、溶接ワイヤの溶融に寄与する程度は小さく、考慮
しなくてもよい場合が多い。
パルス定数であるIpとTpの設定が重要である。なお、
ベース電流は、ベース電流が低い値、通常は1.2mmの
ソリッドワイヤを使用する場合は30〜100Aである
ので、溶接ワイヤの溶融に寄与する程度は小さく、考慮
しなくてもよい場合が多い。
【0018】現在市販されているパルス溶接機は、Ip
とTpの値は、溶接ワイヤの種類(例えば、軟鋼、ステン
レス鋼、アルミなど)によって事前に設定されているも
のや、溶接電圧をフィードバックしてTpを変化させる
もの等があるが、殆どが固定的である。
とTpの値は、溶接ワイヤの種類(例えば、軟鋼、ステン
レス鋼、アルミなど)によって事前に設定されているも
のや、溶接電圧をフィードバックしてTpを変化させる
もの等があるが、殆どが固定的である。
【0019】本発明者らは、パルスマグ溶接時の溶滴の
移行特性を高速度カメラによって直接的に観察した結
果、溶接継手の性能・溶接ビードの外観・溶接作業性(例
えば、高速溶接性)などを考慮したある種の化学成分系
のワイヤ(但し、従来の軟鋼という分類には入る)では、
市販されているパルス溶接機の軟鋼の標準的なパルス定
数では、安定した溶滴の移行、すなわち、1パルス1溶
滴移行が得られないことがわかった。これは、溶接ワイ
ヤの化学成分はその使用用途に応じて種々の組成を有し
ているにもかかわらず、市販のパルス定数は、単に、軟
鋼用・ステンレス鋼用などと大きく分類された定数が固
定されていることによるものである。
移行特性を高速度カメラによって直接的に観察した結
果、溶接継手の性能・溶接ビードの外観・溶接作業性(例
えば、高速溶接性)などを考慮したある種の化学成分系
のワイヤ(但し、従来の軟鋼という分類には入る)では、
市販されているパルス溶接機の軟鋼の標準的なパルス定
数では、安定した溶滴の移行、すなわち、1パルス1溶
滴移行が得られないことがわかった。これは、溶接ワイ
ヤの化学成分はその使用用途に応じて種々の組成を有し
ているにもかかわらず、市販のパルス定数は、単に、軟
鋼用・ステンレス鋼用などと大きく分類された定数が固
定されていることによるものである。
【0020】そこで、種々の化学成分を持つ溶接ワイヤ
の溶滴移行状態について、更に詳細に検討を進めた結
果、溶接ワイヤ中のSi含有量によってパルス定数のIp
とTpを設定すれば、容易に1パルス1溶滴移行が得ら
れることを見出した。
の溶滴移行状態について、更に詳細に検討を進めた結
果、溶接ワイヤ中のSi含有量によってパルス定数のIp
とTpを設定すれば、容易に1パルス1溶滴移行が得ら
れることを見出した。
【0021】図2は実験結果の一例で、Si含有量だけ
が異なる2種の軟鋼用溶接ワイヤについて、1パルス1
溶滴移行となるIpとTpとの関係を求めた実験結果であ
る。なお、溶接ワイヤの化学成分及び溶接条件は
が異なる2種の軟鋼用溶接ワイヤについて、1パルス1
溶滴移行となるIpとTpとの関係を求めた実験結果であ
る。なお、溶接ワイヤの化学成分及び溶接条件は
【表1】 に示す。図2より明らかなように、溶接ワイヤの化学成
分が変わると、1パルス1溶滴移行となるとIpとTpの
適正範囲も変わるのである。
分が変わると、1パルス1溶滴移行となるとIpとTpの
適正範囲も変わるのである。
【0022】そして、溶接ワイヤの溶融速度を決定する
大きなファクターである実効電流を示す式のうち、溶接
ワイヤの溶融に大きく寄与するIpとTpによって計算さ
れるIp2・Tpの値と溶接ワイヤ中のSi含有量との間
に、1パルス1溶滴移行となるための関係式
大きなファクターである実効電流を示す式のうち、溶接
ワイヤの溶融に大きく寄与するIpとTpによって計算さ
れるIp2・Tpの値と溶接ワイヤ中のSi含有量との間
に、1パルス1溶滴移行となるための関係式
【数3】 (Ip)2×Tp=130×[Si]+190±40 を見出した。
【0023】様々なSi含有量の溶接ワイヤに対して、
上式([数3])を満足するように(Ip)2×Tpの値を
決定し、更に溶接機の特性に応じてIpとTpを決定する
と、1パルス1溶滴移行が安定して継続的に行なわれ、
短絡現象やパルスピーク電流中の離脱現象が無いために
スパッタは発生しなくなった。
上式([数3])を満足するように(Ip)2×Tpの値を
決定し、更に溶接機の特性に応じてIpとTpを決定する
と、1パルス1溶滴移行が安定して継続的に行なわれ、
短絡現象やパルスピーク電流中の離脱現象が無いために
スパッタは発生しなくなった。
【0024】溶接ワイヤ中のSi含有量とIp2・Tpとの
間の関係は次のように説明される。すなわち、溶接ワイ
ヤの溶融は、上式([数1])に示した通りである。第1
項は、溶接ワイヤが電極として作用する場合に生ずる熱
(陽極効果、アークからの熱伝導など)に支配され、また
第2項は溶接ワイヤの突出し部分に発生するジュール熱
によって支配される項である。
間の関係は次のように説明される。すなわち、溶接ワイ
ヤの溶融は、上式([数1])に示した通りである。第1
項は、溶接ワイヤが電極として作用する場合に生ずる熱
(陽極効果、アークからの熱伝導など)に支配され、また
第2項は溶接ワイヤの突出し部分に発生するジュール熱
によって支配される項である。
【0025】上式([数1])で分かるように、溶接ワイ
ヤの溶融には第2項が大きな影響を与えている。また、
実効電流の2乗の値のうち、溶接ワイヤの溶融に寄与す
るのはパルスピーク電流期間であるから、Ip2・Tpが溶
接ワイヤの溶融特性を決定づけるファクターである。す
なわち、Ip2・Tpの値の大きいほど、溶接ワイヤの溶融
速度が大きくなる。
ヤの溶融には第2項が大きな影響を与えている。また、
実効電流の2乗の値のうち、溶接ワイヤの溶融に寄与す
るのはパルスピーク電流期間であるから、Ip2・Tpが溶
接ワイヤの溶融特性を決定づけるファクターである。す
なわち、Ip2・Tpの値の大きいほど、溶接ワイヤの溶融
速度が大きくなる。
【0026】一方、溶接ワイヤの先端が溶融して形成さ
れた溶滴には、電流が流れているために、溶接ワイヤの
軸方向に溶滴を絞り込むような力(これを「ピンチ力」
という)が働き、溶滴を離脱させようとする。しかし、
実際に溶滴が離脱するか否かは、その溶滴の物性(例え
ば、表面張力や粘度)にも左右されると考えられ、溶滴
の粘度が高い場合、又は表面張力が高い場合は溶接ワイ
ヤ先端からの離脱に時間をより多く必要とすると考えら
れる。
れた溶滴には、電流が流れているために、溶接ワイヤの
軸方向に溶滴を絞り込むような力(これを「ピンチ力」
という)が働き、溶滴を離脱させようとする。しかし、
実際に溶滴が離脱するか否かは、その溶滴の物性(例え
ば、表面張力や粘度)にも左右されると考えられ、溶滴
の粘度が高い場合、又は表面張力が高い場合は溶接ワイ
ヤ先端からの離脱に時間をより多く必要とすると考えら
れる。
【0027】溶接ワイヤ中のSi、Mn、Tiは、溶接継
手の強度などを調整する元素であると同時に、脱酸剤と
しての作用も有している。その含有量が多いと溶滴中で
の脱酸効果が大きく、溶滴中の酸素量が少なくなる。溶
鋼中の酸素は、その溶鋼の表面張力を大きく低下させる
元素として知られている。すなわち、脱酸剤を多く含有
する溶接ワイヤを用いると溶滴の表面張力が上昇し、ピ
ンチ力が作用して溶滴を絞り切る力が働いても溶接ワイ
ヤ先端から離脱しにくくなると考えられる。
手の強度などを調整する元素であると同時に、脱酸剤と
しての作用も有している。その含有量が多いと溶滴中で
の脱酸効果が大きく、溶滴中の酸素量が少なくなる。溶
鋼中の酸素は、その溶鋼の表面張力を大きく低下させる
元素として知られている。すなわち、脱酸剤を多く含有
する溶接ワイヤを用いると溶滴の表面張力が上昇し、ピ
ンチ力が作用して溶滴を絞り切る力が働いても溶接ワイ
ヤ先端から離脱しにくくなると考えられる。
【0028】離脱を促進させるためには、溶滴により多
くのエネルギーを与えて温度を上昇させ、粘度や表面張
力を低下させれば良く、実効電流の2乗に支配されるエ
ネルギー(すなわち、Ip2・Tpの値)を脱酸剤の含有量に
応じて加減することが必要である。
くのエネルギーを与えて温度を上昇させ、粘度や表面張
力を低下させれば良く、実効電流の2乗に支配されるエ
ネルギー(すなわち、Ip2・Tpの値)を脱酸剤の含有量に
応じて加減することが必要である。
【0029】本発明者らが種々の化学成分を有する溶接
ワイヤを用いて溶接実験した結果、脱酸剤のうち、Si
についてIp2・Tpとの関係を求めれば、1パルス1溶滴
移行となるパルス定数を設定できることがわかった。
ワイヤを用いて溶接実験した結果、脱酸剤のうち、Si
についてIp2・Tpとの関係を求めれば、1パルス1溶滴
移行となるパルス定数を設定できることがわかった。
【0030】本発明では、使用する溶接ワイヤのC、S
i、Mn、Tiの含有量について制限を設けているが、こ
れは、溶接作業性(高速溶接時のビード形成能など)、ビ
ードの外観、溶接継手の強度、溶接部の耐ブローホール
性(耐気孔欠陥性)などを考慮して決定したものである。
i、Mn、Tiの含有量について制限を設けているが、こ
れは、溶接作業性(高速溶接時のビード形成能など)、ビ
ードの外観、溶接継手の強度、溶接部の耐ブローホール
性(耐気孔欠陥性)などを考慮して決定したものである。
【0031】次に本発明における溶接ワイヤの化学成分
の限定理由について説明する。C:Cは溶接部を硬化さ
せ、溶接継手の強度を高める元素であるが、特に高速溶
接においては高温割れを誘発するので、0.12%を上
限とした。また、含有量が少なすぎると継手の強度が低
下するだけでなく、溶滴が溶接ワイヤ先端から離脱する
際に、溶滴を絞りきる力が働いた部分(溶滴と溶接ワイ
ヤの間にできるくびれ部分)が異常に長くなって離脱現
象が不安定になるため、その下限を0.07%とした。
の限定理由について説明する。C:Cは溶接部を硬化さ
せ、溶接継手の強度を高める元素であるが、特に高速溶
接においては高温割れを誘発するので、0.12%を上
限とした。また、含有量が少なすぎると継手の強度が低
下するだけでなく、溶滴が溶接ワイヤ先端から離脱する
際に、溶滴を絞りきる力が働いた部分(溶滴と溶接ワイ
ヤの間にできるくびれ部分)が異常に長くなって離脱現
象が不安定になるため、その下限を0.07%とした。
【0032】Si:Siは上述したように溶滴の物性を大
きく左右する元素であると同時に、母材の溶融池の物性
にも影響を与える元素である。その含有量が多いと溶融
池の表面張力が大となり、特に高速溶接においては、ハ
ンピングビードと呼ばれる溶接欠陥が発生し易くなるた
め、上限を0.60%とし、逆に少なすぎると脱酸不足
になってブローホールなどの気孔欠陥が発生するので、
0.20%を下限とする。
きく左右する元素であると同時に、母材の溶融池の物性
にも影響を与える元素である。その含有量が多いと溶融
池の表面張力が大となり、特に高速溶接においては、ハ
ンピングビードと呼ばれる溶接欠陥が発生し易くなるた
め、上限を0.60%とし、逆に少なすぎると脱酸不足
になってブローホールなどの気孔欠陥が発生するので、
0.20%を下限とする。
【0033】Mn、Ti:Mn及びTiも同様に溶滴の物性
に影響を与える元素で、Mnが1.5%、Tiが0.06%
を超えるとハンピングビードが発生し易くなり、またM
nが1.0%、Tiが0.01%未満ではブローホールなど
の気孔欠陥が発生する。
に影響を与える元素で、Mnが1.5%、Tiが0.06%
を超えるとハンピングビードが発生し易くなり、またM
nが1.0%、Tiが0.01%未満ではブローホールなど
の気孔欠陥が発生する。
【0034】これらのうち、Mn、Tiの脱酸剤(各々1.
0〜1.5%、0.01〜0.06%)については、その含
有量の範囲では、前述のSi含有量と(Ip)2・Tpの関係
式が充分に成り立つものである。
0〜1.5%、0.01〜0.06%)については、その含
有量の範囲では、前述のSi含有量と(Ip)2・Tpの関係
式が充分に成り立つものである。
【0035】次に本発明の実施例を示す。
【0036】
【表2】 に示す溶接条件で種々の化学成分を有する溶接ワイヤを
用いて溶接試験を行なった。その溶接結果を表2に示
す。表2より明らかなように、本発明によるSi含有量
と(Ip)2・Tpとの関係式を満足するように設定したパル
ス条件で、安定した1パルス1溶滴移行が得られ、スパ
ッタの発生が大幅に低減された。
用いて溶接試験を行なった。その溶接結果を表2に示
す。表2より明らかなように、本発明によるSi含有量
と(Ip)2・Tpとの関係式を満足するように設定したパル
ス条件で、安定した1パルス1溶滴移行が得られ、スパ
ッタの発生が大幅に低減された。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
パルスマグ溶接法において、溶接ワイヤの化学成分とパ
ルス電流波形条件を関連付けた施工条件で溶接するの
で、溶滴移行形態を安定した1パルス1溶滴移行(スプ
レー移行)とすることができる。
パルスマグ溶接法において、溶接ワイヤの化学成分とパ
ルス電流波形条件を関連付けた施工条件で溶接するの
で、溶滴移行形態を安定した1パルス1溶滴移行(スプ
レー移行)とすることができる。
【図1】パルスマグ溶接での電流波形と短絡移行の摸式
図である。
図である。
【図2】1パルス1溶滴移行となるパルス定数範囲を示
す図である。
す図である。
1 アーク 2 溶滴 3 母材
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、C:0.07〜
0.12%、Mn:1.0〜1.5%、Si:0.20〜0.
60%、Ti:0.01〜0.06%を含有し、残部がFe
と不可避的不純物からなるガスシールド溶接用ソリッド
ワイヤを用いるパルスマグ溶接法において、パルス電流
のピーク電流値Ip(amp)とその保持時間Tp(sec)によっ
て求められる(Ip)2×Tpの値が、(Ip)2×Tp=130
×〔Si〕+190±40(但し、〔Si〕はSi含有量
(重量%))を満足するIpとTpのパルス条件で溶接する
ことを特徴とするパルスマグ溶接法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1139491A JPH07235B2 (ja) | 1991-01-07 | 1991-01-07 | パルスマグ溶接法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1139491A JPH07235B2 (ja) | 1991-01-07 | 1991-01-07 | パルスマグ溶接法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04270072A JPH04270072A (ja) | 1992-09-25 |
| JPH07235B2 true JPH07235B2 (ja) | 1995-01-11 |
Family
ID=11776796
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1139491A Expired - Fee Related JPH07235B2 (ja) | 1991-01-07 | 1991-01-07 | パルスマグ溶接法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07235B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4754096B2 (ja) * | 2001-05-21 | 2011-08-24 | 株式会社神戸製鋼所 | パルスmag溶接用ソリッドワイヤ |
| JP5014834B2 (ja) | 2007-02-27 | 2012-08-29 | 住友軽金属工業株式会社 | アルミニウム材と鋼材のmig溶接方法 |
| JP5014833B2 (ja) * | 2007-02-27 | 2012-08-29 | 住友軽金属工業株式会社 | アルミニウム材と鋼材のmig溶接方法 |
-
1991
- 1991-01-07 JP JP1139491A patent/JPH07235B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04270072A (ja) | 1992-09-25 |
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