JPH07236942A - 鋳造用金型の設計方法 - Google Patents
鋳造用金型の設計方法Info
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- JPH07236942A JPH07236942A JP6054957A JP5495794A JPH07236942A JP H07236942 A JPH07236942 A JP H07236942A JP 6054957 A JP6054957 A JP 6054957A JP 5495794 A JP5495794 A JP 5495794A JP H07236942 A JPH07236942 A JP H07236942A
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- shape
- cavity
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱変形を見込んだ金型キャビティの設計方法
を与えるものである。 【構成】 凝固解析と熱変形解析により、金型キャビテ
ィと金型キャビティ内製品の熱変形量を把握して、その
熱変形量を初期の金型形状にフィードバックし、鋳造後
の熱変形した形状が所望の製品形状となるように金型キ
ャビティ形状を設計するようにした。
を与えるものである。 【構成】 凝固解析と熱変形解析により、金型キャビテ
ィと金型キャビティ内製品の熱変形量を把握して、その
熱変形量を初期の金型形状にフィードバックし、鋳造後
の熱変形した形状が所望の製品形状となるように金型キ
ャビティ形状を設計するようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金型鋳造における金
型キャビティの設計方法に関し、特に、鋳造時に発生す
る金型キャビティの熱変形と凝固完了時から室温に至る
過程で発生する金型キャビティ内製品の熱変形を凝固解
析と構造解析によって予め予測し、上記変形量を見込ん
だ金型キャビティの設計を行うものである。
型キャビティの設計方法に関し、特に、鋳造時に発生す
る金型キャビティの熱変形と凝固完了時から室温に至る
過程で発生する金型キャビティ内製品の熱変形を凝固解
析と構造解析によって予め予測し、上記変形量を見込ん
だ金型キャビティの設計を行うものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の金型キャビティの設計方
法を示しており、まず、金型キャビティ内製品の形状
は、凝固完了時には金型キャビティ形状1に一致し、そ
の温度は金型温度と同じでありかつ均一であると仮定し
ている(製品温度=金型温度=Td)。そして、製品の縮
み代を図11中の式(20)に従って計算していた。な
お、この時の製品の材料の線膨張係数は一定の値αとし
ている。従って、金型キャビティ形状1と冷却後の製品
形状2は相似形となっており、温度分布による製品の不
均一変形は考慮されていない。
法を示しており、まず、金型キャビティ内製品の形状
は、凝固完了時には金型キャビティ形状1に一致し、そ
の温度は金型温度と同じでありかつ均一であると仮定し
ている(製品温度=金型温度=Td)。そして、製品の縮
み代を図11中の式(20)に従って計算していた。な
お、この時の製品の材料の線膨張係数は一定の値αとし
ている。従って、金型キャビティ形状1と冷却後の製品
形状2は相似形となっており、温度分布による製品の不
均一変形は考慮されていない。
【0003】例えばダイカスト技術の文献(植原寅蔵、
菅野友信著「ダイカスト技術入門」;S60年11月
日刊工業新聞社発行、P84〜P88)には、金型キャ
ビティの設計に関する製品の縮み代の見積り方法が記述
されており、製品の拘束状態や鋳込み温度等の条件を考
慮した詳細なものではあるが、いずれも製品の冷却過程
で生じる変形は相似変形的なもので変形後の製品形状は
金型キャビティ形状と相似形となっている。
菅野友信著「ダイカスト技術入門」;S60年11月
日刊工業新聞社発行、P84〜P88)には、金型キャ
ビティの設計に関する製品の縮み代の見積り方法が記述
されており、製品の拘束状態や鋳込み温度等の条件を考
慮した詳細なものではあるが、いずれも製品の冷却過程
で生じる変形は相似変形的なもので変形後の製品形状は
金型キャビティ形状と相似形となっている。
【0004】しかしながら、実際の鋳造では製品の凝固
完了時には、製品自身に温度分布があり、製品が冷却さ
れ室温で均一な温度になる過程において製品の部位によ
り収縮量が異なる。その結果、製品の形状が歪み、金型
キャビティの形状と相似形となることはない。また、製
品の凝固完了時には、金型にも温度分布があり、製品の
変形を考えるときの初期条件は凝固完了時の金型キャビ
ティの形状を考慮する必要がある。従って上記に述べた
ような従来の製品の縮み代の考え方では、100μmレ
ベル以上の高精度な金型鋳造品を得ることは不可能であ
る。
完了時には、製品自身に温度分布があり、製品が冷却さ
れ室温で均一な温度になる過程において製品の部位によ
り収縮量が異なる。その結果、製品の形状が歪み、金型
キャビティの形状と相似形となることはない。また、製
品の凝固完了時には、金型にも温度分布があり、製品の
変形を考えるときの初期条件は凝固完了時の金型キャビ
ティの形状を考慮する必要がある。従って上記に述べた
ような従来の製品の縮み代の考え方では、100μmレ
ベル以上の高精度な金型鋳造品を得ることは不可能であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
鋳造製品の縮み代の考え方による金型キャビティの設計
方法においては、いずれも製品は冷却過程で相似変形的
な収縮を仮定しており、実際における金型や製品の温度
分布を全く考慮していない。このような金型キャビティ
の設計方法では、鋳造による高精度部品の生産のニーズ
に答えることはできない。
鋳造製品の縮み代の考え方による金型キャビティの設計
方法においては、いずれも製品は冷却過程で相似変形的
な収縮を仮定しており、実際における金型や製品の温度
分布を全く考慮していない。このような金型キャビティ
の設計方法では、鋳造による高精度部品の生産のニーズ
に答えることはできない。
【0006】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、金型鋳造における金型の温度
分布および製品の温度分布を考慮し、鋳造後室温になっ
た製品の変形をCAE(計算機による数値解析)等によ
って予測し、その予測形状から更にCAE等を使って、
製品の変形を予め見込んだ金型および金型キャビティの
設計を行なうことを目的とする。
るためになされたもので、金型鋳造における金型の温度
分布および製品の温度分布を考慮し、鋳造後室温になっ
た製品の変形をCAE(計算機による数値解析)等によ
って予測し、その予測形状から更にCAE等を使って、
製品の変形を予め見込んだ金型および金型キャビティの
設計を行なうことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る鋳造金型
の設計方法の発明は、図1のフローチャートに示すよう
に、S100で所望の製品形状を有する金型内キャビテ
ィのモデル設定を行い、S110で金属の溶湯が上記金
型キャビティ内で冷却凝固する過程を解析して、S12
0で金型およびキャビティ内製品の温度分布データを求
め、更にS130で温度分布データを基に金型及びキャ
ビティ内製品の熱変形解析を行い熱変形後の金型及びキ
ャビティ内製品の形状を求め、S140でこれら熱変形
後の形状情報を基にして金型内キャビティ形状を決定す
るものである。
の設計方法の発明は、図1のフローチャートに示すよう
に、S100で所望の製品形状を有する金型内キャビテ
ィのモデル設定を行い、S110で金属の溶湯が上記金
型キャビティ内で冷却凝固する過程を解析して、S12
0で金型およびキャビティ内製品の温度分布データを求
め、更にS130で温度分布データを基に金型及びキャ
ビティ内製品の熱変形解析を行い熱変形後の金型及びキ
ャビティ内製品の形状を求め、S140でこれら熱変形
後の形状情報を基にして金型内キャビティ形状を決定す
るものである。
【0008】また請求項2の発明は、形状定義点Pa
(x),(x=1〜n;nは正の整数)で定義される所望
の製品形状を有する金型内キャビティのモデル設定を行
う工程と、金属の溶湯が上記金型キャビティ内で冷却凝
固する過程を解析して、凝固完了時の金型およびキャビ
ティ内製品の温度分布データを求める工程と、この温度
分布データを基に熱変形解析を行い、点Pa(x)’の集
合で表わされる金型の熱変形後の形状を求める工程と、
上記熱変形後の金型内キャビティ形状をキャビティ内製
品の初期形状として上記キャビティ内製品の温度分布デ
ータを基に熱変形解析を行い、点Pa(x)’’,(x=
1〜n;nは正の整数)の集合で表わされるキャビティ
内製品の熱変形後の形状を求める工程と、点Pa(x)を
対称の中心として点Pa(x)’’の点対称の位置にある
点の集合Pa点Pa(x)’’’を求める工程と、点Pa
(x)’’’の集合を金型キャビティ形状とする工程とか
らなる。
(x),(x=1〜n;nは正の整数)で定義される所望
の製品形状を有する金型内キャビティのモデル設定を行
う工程と、金属の溶湯が上記金型キャビティ内で冷却凝
固する過程を解析して、凝固完了時の金型およびキャビ
ティ内製品の温度分布データを求める工程と、この温度
分布データを基に熱変形解析を行い、点Pa(x)’の集
合で表わされる金型の熱変形後の形状を求める工程と、
上記熱変形後の金型内キャビティ形状をキャビティ内製
品の初期形状として上記キャビティ内製品の温度分布デ
ータを基に熱変形解析を行い、点Pa(x)’’,(x=
1〜n;nは正の整数)の集合で表わされるキャビティ
内製品の熱変形後の形状を求める工程と、点Pa(x)を
対称の中心として点Pa(x)’’の点対称の位置にある
点の集合Pa点Pa(x)’’’を求める工程と、点Pa
(x)’’’の集合を金型キャビティ形状とする工程とか
らなる。
【0009】更に、請求項3の発明は、形状定義点C
(x),(x=1〜n;nは正の整数)で定義される所望
の製品形状を有する金型内キャビティのモデル設定を行
う工程と、金属の溶湯が凝固する過程を解析して、逐次
金型およびキャビティ内製品の温度分布データを求める
と共に各形状定義点C(x)の最大変位時の点Cmax(x)
を求める工程と、上記点Cmax(x)の集合をキャビティ
内製品の初期形状として熱変形解析を行い、点Pa
(x)’’,(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わ
されるキャビティ内製品の熱変形後の形状を求める工程
と、点Pa(x)を対称の中心として点Pa(x)’’の点
対称の位置にある点の集合Pa点Pa(x)’’’を求め
る工程と、点Pa(x)’’’の集合を金型キャビティ形
状とする工程からなる。
(x),(x=1〜n;nは正の整数)で定義される所望
の製品形状を有する金型内キャビティのモデル設定を行
う工程と、金属の溶湯が凝固する過程を解析して、逐次
金型およびキャビティ内製品の温度分布データを求める
と共に各形状定義点C(x)の最大変位時の点Cmax(x)
を求める工程と、上記点Cmax(x)の集合をキャビティ
内製品の初期形状として熱変形解析を行い、点Pa
(x)’’,(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わ
されるキャビティ内製品の熱変形後の形状を求める工程
と、点Pa(x)を対称の中心として点Pa(x)’’の点
対称の位置にある点の集合Pa点Pa(x)’’’を求め
る工程と、点Pa(x)’’’の集合を金型キャビティ形
状とする工程からなる。
【0010】また請求項4の発明は、上記点Pa
(x)’’’(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わ
された金型キャビティ形状を初期形状として、凝固解
析、金型キャビティ及びキャビティ内製品の熱変形解析
を行い、上記解析の結果得られた点Pb(x)で表わされ
る解析上の製品形状と、形状定義点Pa(x)で定義され
る所望の製品形状とを比較し、点Pb(x)から点Pa
(x)へ向かうベクトルをaとし、点Pa(x)’’’から
ベクトルa分移動した点Pb(x)’の集合を金型キャビ
ティ形状とする。
(x)’’’(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わ
された金型キャビティ形状を初期形状として、凝固解
析、金型キャビティ及びキャビティ内製品の熱変形解析
を行い、上記解析の結果得られた点Pb(x)で表わされ
る解析上の製品形状と、形状定義点Pa(x)で定義され
る所望の製品形状とを比較し、点Pb(x)から点Pa
(x)へ向かうベクトルをaとし、点Pa(x)’’’から
ベクトルa分移動した点Pb(x)’の集合を金型キャビ
ティ形状とする。
【0011】
【作用】請求項1の鋳造用金型の設計方法において、金
型キャビティ内の溶融金属の凝固過程を解析し、この解
析で得られた温度分布データを用いて金型内キャビティ
及び製品の熱変形解析を行うことにより、製品及び金型
の不均一温度分布に起因する製品の変形傾向と僅かな変
形を予測することができる。そして、これらの熱変形情
報に基ずいて金型内キャビティの形状を決定することに
より、高精度の鋳造用金型を設計することができる。更
に、熱変形の傾向が僅かな熱容量の変化に左右されない
ことを利用して、所望の製品形状を初期形状として金型
キャビティおよび金型キャビティ内製品の熱変形解析を
行い、得られた熱変形量を、単純に所望の製品形状に付
加することにより、予め製品の完成時に発生する熱変形
を考慮した金型キャビティの設計を可能とした。
型キャビティ内の溶融金属の凝固過程を解析し、この解
析で得られた温度分布データを用いて金型内キャビティ
及び製品の熱変形解析を行うことにより、製品及び金型
の不均一温度分布に起因する製品の変形傾向と僅かな変
形を予測することができる。そして、これらの熱変形情
報に基ずいて金型内キャビティの形状を決定することに
より、高精度の鋳造用金型を設計することができる。更
に、熱変形の傾向が僅かな熱容量の変化に左右されない
ことを利用して、所望の製品形状を初期形状として金型
キャビティおよび金型キャビティ内製品の熱変形解析を
行い、得られた熱変形量を、単純に所望の製品形状に付
加することにより、予め製品の完成時に発生する熱変形
を考慮した金型キャビティの設計を可能とした。
【0012】また、請求項2の鋳造金型の設計方法によ
れば、溶融金属の凝固過程で発生する金型内キャビティ
の変形に着目し、金型内キャビティの熱変形予測を行
い、製品の熱変形解析の初期条件に熱変形後の金型キャ
ビティ形状を用いて金型キャビティ内製品の熱変形を予
測した。それにより高精度の鋳造用金型を設計すること
ができる。
れば、溶融金属の凝固過程で発生する金型内キャビティ
の変形に着目し、金型内キャビティの熱変形予測を行
い、製品の熱変形解析の初期条件に熱変形後の金型キャ
ビティ形状を用いて金型キャビティ内製品の熱変形を予
測した。それにより高精度の鋳造用金型を設計すること
ができる。
【0013】更に、請求項3の発明によれば、金型キャ
ビティの変形を凝固完了時のみならず凝固過程で発生す
る金型キャビティの変形挙動を追跡し、金型キャビティ
の最大変形形状が製品の凝固過程で生じることを見いだ
し、最大変形形状の解析による形状決定方法の開発と製
品変形解析の初期形状への適用を行なったため解析精度
が向上した。
ビティの変形を凝固完了時のみならず凝固過程で発生す
る金型キャビティの変形挙動を追跡し、金型キャビティ
の最大変形形状が製品の凝固過程で生じることを見いだ
し、最大変形形状の解析による形状決定方法の開発と製
品変形解析の初期形状への適用を行なったため解析精度
が向上した。
【0014】また、請求項4の発明によれば、請求項1
〜3の発明の製品の変形予測方法を使って設計した金型
内キャビティの形状に基づき、更に凝固解析及び熱変形
解析を行うことにより、解析誤差を小さくできるように
した。その結果、高精度な解析予測ができた。
〜3の発明の製品の変形予測方法を使って設計した金型
内キャビティの形状に基づき、更に凝固解析及び熱変形
解析を行うことにより、解析誤差を小さくできるように
した。その結果、高精度な解析予測ができた。
【0015】
実施例1.図2はこの発明の実施例1に係る鋳造用金型
の設計方法のアルゴリズムを示すフローチャートであ
り、図3は図2のフローチャートを説明するための金型
キャビティと金型キャビティ内製品の形状変化の様子を
示すものである。
の設計方法のアルゴリズムを示すフローチャートであ
り、図3は図2のフローチャートを説明するための金型
キャビティと金型キャビティ内製品の形状変化の様子を
示すものである。
【0016】図2及び図3により本実施例の鋳造用金型
の設計方法を説明すると、まず、S200において、鋳
造用金型の中に形状定義点Pa(x),(x=1〜n;n
は正の整数)の集合で表わされる製品形状を有する金型
内キャビティを設定する。なおここで、形状定義点Pa
(x)は所望の製品形状を表わす。そして、S210,S
220により、金属の溶湯が金型のキャビティ内で凝固
冷却する過程を凝固解析して、凝固完了時の金型及び製
品の温度分布データの抽出を行う。
の設計方法を説明すると、まず、S200において、鋳
造用金型の中に形状定義点Pa(x),(x=1〜n;n
は正の整数)の集合で表わされる製品形状を有する金型
内キャビティを設定する。なおここで、形状定義点Pa
(x)は所望の製品形状を表わす。そして、S210,S
220により、金属の溶湯が金型のキャビティ内で凝固
冷却する過程を凝固解析して、凝固完了時の金型及び製
品の温度分布データの抽出を行う。
【0017】上記のステップ(S200〜S220)を、
CAE(計算機による数値解析)による解析手順に具体的
に当てはめて説明すると、まず、凝固解析用の解析モデ
ルを計算機上で入力し、金型4全体の形状と金型内キャ
ビティ5の形状を定義する。この時、初期の金型内キャ
ビティ5の形状は所望の製品形状6と同じ形状を定義し
ておき、その点の集合をPa(x),(x=1〜n;nは
正の整数)としておく。次に、上記解析モデルを使って
凝固解析を行い、凝固完了時の金型および金型内キャビ
ティ製品の温度分布データを抽出する。
CAE(計算機による数値解析)による解析手順に具体的
に当てはめて説明すると、まず、凝固解析用の解析モデ
ルを計算機上で入力し、金型4全体の形状と金型内キャ
ビティ5の形状を定義する。この時、初期の金型内キャ
ビティ5の形状は所望の製品形状6と同じ形状を定義し
ておき、その点の集合をPa(x),(x=1〜n;nは
正の整数)としておく。次に、上記解析モデルを使って
凝固解析を行い、凝固完了時の金型および金型内キャビ
ティ製品の温度分布データを抽出する。
【0018】本実施例では、凝固解析用プログラムとし
て「SOLDIA−EX」(小松ソフトウエア開発(株))
を使用した。以下、凝固解析の基本的な概念を上記プロ
グラムの解説書に沿って説明する。
て「SOLDIA−EX」(小松ソフトウエア開発(株))
を使用した。以下、凝固解析の基本的な概念を上記プロ
グラムの解説書に沿って説明する。
【0019】一般に金属の凝固現象は熱の移動に大きく
支配され、熱の移動は熱伝導、熱放射、対流によって行
われる。鋳造工程では、高温の溶湯から鋳型へ熱が移動
し冷却されるが、このとき液相から固相への相変態がお
こり潜熱の放出がある。これが、凝固過程であり、通
常、密度変化を伴う。そして、この密度変化(凝固収
縮)が引け巣欠陥の直接の原因となる。凝固解析では以
上のような凝固現象を数式化し、コンピュータによる数
値計算によって凝固速度や引け巣位置を予測するもので
ある。
支配され、熱の移動は熱伝導、熱放射、対流によって行
われる。鋳造工程では、高温の溶湯から鋳型へ熱が移動
し冷却されるが、このとき液相から固相への相変態がお
こり潜熱の放出がある。これが、凝固過程であり、通
常、密度変化を伴う。そして、この密度変化(凝固収
縮)が引け巣欠陥の直接の原因となる。凝固解析では以
上のような凝固現象を数式化し、コンピュータによる数
値計算によって凝固速度や引け巣位置を予測するもので
ある。
【0020】
【数1】
【0021】式(1)は、相変化を伴う伝熱の基礎微分方
程式である。これをコンピュータで解くためには、δt
(微小時間項)を離散化されたΔt(タイムステップ)
として定義し、δx(微小距離)をΔx(メッシュ間
隔)で定義する。つまり、ある領域を細かな要素(メッ
シュ)に分割し、その各要素で隣同士(Δx間)の熱の
やりとりをΔt秒ごとに逐次計算してやることによって
式(1)の微分方程式を解こうというわけである。
程式である。これをコンピュータで解くためには、δt
(微小時間項)を離散化されたΔt(タイムステップ)
として定義し、δx(微小距離)をΔx(メッシュ間
隔)で定義する。つまり、ある領域を細かな要素(メッ
シュ)に分割し、その各要素で隣同士(Δx間)の熱の
やりとりをΔt秒ごとに逐次計算してやることによって
式(1)の微分方程式を解こうというわけである。
【0022】以下、一次元モデルを用いて、詳細に説明
する。熱伝導の基本則のひとつにフーリエの法則があ
り、下記の式(2)で示される。これは“熱伝導により単
位時間に単位面積を通過する熱量(熱流束)qは温度勾
配に比例する”というものである。 q=λ(ΔT/Δx)・・・・・・・・・・・(2) 図4でT1とT2の温度差がΔxの距離にわたって存在
すれば、水が高い所から低い所へ流れるように熱がT2
からT1へ流れる。この時中心位置(破線位置)の熱の
通過量は数式2で求められ、温度差が大きく、距離が短
い程qの値は大きくなる。熱伝導率λは物質固有の値で
あり、この値が大きいもの程、熱が伝わりやすい。この
フーリエの法則を用いて熱のやりとりを計算した結果、
熱エネルギーの緩和は常に一定となる。これがもうひと
つの基本則である“熱エネルギー保存則”である。
する。熱伝導の基本則のひとつにフーリエの法則があ
り、下記の式(2)で示される。これは“熱伝導により単
位時間に単位面積を通過する熱量(熱流束)qは温度勾
配に比例する”というものである。 q=λ(ΔT/Δx)・・・・・・・・・・・(2) 図4でT1とT2の温度差がΔxの距離にわたって存在
すれば、水が高い所から低い所へ流れるように熱がT2
からT1へ流れる。この時中心位置(破線位置)の熱の
通過量は数式2で求められ、温度差が大きく、距離が短
い程qの値は大きくなる。熱伝導率λは物質固有の値で
あり、この値が大きいもの程、熱が伝わりやすい。この
フーリエの法則を用いて熱のやりとりを計算した結果、
熱エネルギーの緩和は常に一定となる。これがもうひと
つの基本則である“熱エネルギー保存則”である。
【0023】図5を用いて熱のやりとりを説明する。図
5でAA’BB’の網かけ部がひとつの要素であり、こ
の要素の温度が今T2であるとする。またこの要素A
A’面とBB’面に隣接する要素は、それぞれΔx1
2、Δx23の距離があり、T1,T3の温度であると
する。このとき、網かけ要素に着目して熱のやりとりを
考えると次式のようになる。
5でAA’BB’の網かけ部がひとつの要素であり、こ
の要素の温度が今T2であるとする。またこの要素A
A’面とBB’面に隣接する要素は、それぞれΔx1
2、Δx23の距離があり、T1,T3の温度であると
する。このとき、網かけ要素に着目して熱のやりとりを
考えると次式のようになる。
【0024】
【数2】
【0025】従って、Δt秒後の要素の温度は式(8)の
ようになる。
ようになる。
【0026】
【数3】
【0027】初期温度、熱物性値がわかっていれば、式
(8)からΔt秒後の温度が計算できる。(式(8)は、内
節点前進差分法による離散式である。)実際の凝固解析
では、この計算をメッシュ切りした全ての要素について
行っている。ここでは前進差分法について説明したが、
数値解法としてはこの他に、後退差分法、有限要素法、
境界要素法などがある。(“SOLDIA−EX”で
は、非定常3次元問題を定コスト、定メモリ容量で行う
ため、前進差分法を採用している。)
(8)からΔt秒後の温度が計算できる。(式(8)は、内
節点前進差分法による離散式である。)実際の凝固解析
では、この計算をメッシュ切りした全ての要素について
行っている。ここでは前進差分法について説明したが、
数値解法としてはこの他に、後退差分法、有限要素法、
境界要素法などがある。(“SOLDIA−EX”で
は、非定常3次元問題を定コスト、定メモリ容量で行う
ため、前進差分法を採用している。)
【0028】さらに凝固解析では、“凝固”という液体
から固体への相変化現象を、計算する必要がある。しか
し、凝固現象は非常に複雑で、まだまだ理論的に解明さ
れていない点が多く、全ての凝固現象を考慮した解析
は、困難であると考えられている。そこで、目的にあわ
せて凝固現象のモデル化を行い解析することが大切であ
る。一般の凝固解析では、液相・固相の移動は考えず、
熱移動は熱伝導によってのみ生じると仮定している。ま
た、凝固時に生じる過冷は無視し液相線温度で凝固が始
まり固相線温度で終了するという凝固モデルを採用して
いる(図6)。このモデルでは、液相線温度以下の領域で
は、失われる熱量に相当する潜熱が放出され、固相率が
増大すると考える。数値解法における潜熱放出の取扱い
方法には、温度回復法、エンタルピ法、等価比熱法など
があるが、ここでは、最も数値計算に適した方法といわ
れる、温度回復法について説明する。(“SOLDIA
−EX”でも、温度回復法を用いている。)ある微少要
素(体積V)で固相率がΔfs増加したとすると、その
潜熱放出量ΔQは次式のようになる。 ΔQ=ρVΔfs・L・・・・・・・・・・・(9) 実際は、先ず潜熱の放出を考えず、温度計算のみを行
う。そして、微少時間Δt後の求められた温度(Ti)
が、液相線温度(T1)よりも下がった場合、その温度
低下量ΔT(=T1−Ti)分の潜熱が放出され、凝固
が起こる。さらに、その潜熱の放出によって温度Tiは
T1に回復すると考えるわけである。つまり ρCpVΔT=ΔQ =ρVΔfs・・・・・・・(10) となり、 Δfs=CpΔT/L・・・・・・・・・・・(11) の固相が発生することになる。そして、固相率が1.0
になったら、要素iの凝固は終了したものとして取扱
う。ここで、液相線温度と固相率の関係式を任意に決め
れば、純金属や共晶凝固など種々の凝固形態を扱うこと
が可能となる。
から固体への相変化現象を、計算する必要がある。しか
し、凝固現象は非常に複雑で、まだまだ理論的に解明さ
れていない点が多く、全ての凝固現象を考慮した解析
は、困難であると考えられている。そこで、目的にあわ
せて凝固現象のモデル化を行い解析することが大切であ
る。一般の凝固解析では、液相・固相の移動は考えず、
熱移動は熱伝導によってのみ生じると仮定している。ま
た、凝固時に生じる過冷は無視し液相線温度で凝固が始
まり固相線温度で終了するという凝固モデルを採用して
いる(図6)。このモデルでは、液相線温度以下の領域で
は、失われる熱量に相当する潜熱が放出され、固相率が
増大すると考える。数値解法における潜熱放出の取扱い
方法には、温度回復法、エンタルピ法、等価比熱法など
があるが、ここでは、最も数値計算に適した方法といわ
れる、温度回復法について説明する。(“SOLDIA
−EX”でも、温度回復法を用いている。)ある微少要
素(体積V)で固相率がΔfs増加したとすると、その
潜熱放出量ΔQは次式のようになる。 ΔQ=ρVΔfs・L・・・・・・・・・・・(9) 実際は、先ず潜熱の放出を考えず、温度計算のみを行
う。そして、微少時間Δt後の求められた温度(Ti)
が、液相線温度(T1)よりも下がった場合、その温度
低下量ΔT(=T1−Ti)分の潜熱が放出され、凝固
が起こる。さらに、その潜熱の放出によって温度Tiは
T1に回復すると考えるわけである。つまり ρCpVΔT=ΔQ =ρVΔfs・・・・・・・(10) となり、 Δfs=CpΔT/L・・・・・・・・・・・(11) の固相が発生することになる。そして、固相率が1.0
になったら、要素iの凝固は終了したものとして取扱
う。ここで、液相線温度と固相率の関係式を任意に決め
れば、純金属や共晶凝固など種々の凝固形態を扱うこと
が可能となる。
【0029】上記のように求められた温度データ分布を
用いて、S230にて金型内キャビティ5の熱変形解析
を実行する。ここで熱変形解析の基本概念を説明する
と、まず熱応力・歪方程式は、応力−歪式、歪−変位
式、力のつり合いの式から成る。そして、応力−歪式は
次式(12)で表わされる。 εx=(1/E){σx−ν(σy+σz)}+α・T’ γyz=(1/G)τyz …(12) ここで、εは歪、σは応力、γはせん断歪、τはせん断
応力、小文字x,y,zは各座標成分を表わす。T’は熱
荷重であり、前記金型及び金型内キャビティ製品の温度
分布データより求める。さらに、Eはヤング率、νはポ
アソン比、αは熱膨張率である。なお、E,ν,αはそ
れぞれ温度に依存する。また、εy,εzなどのy,z
成分も上式(12)と同様に表わされるが、これらに対す
る式は省略する。次に、歪−変位式は下記の式(13)で
表わされる。
用いて、S230にて金型内キャビティ5の熱変形解析
を実行する。ここで熱変形解析の基本概念を説明する
と、まず熱応力・歪方程式は、応力−歪式、歪−変位
式、力のつり合いの式から成る。そして、応力−歪式は
次式(12)で表わされる。 εx=(1/E){σx−ν(σy+σz)}+α・T’ γyz=(1/G)τyz …(12) ここで、εは歪、σは応力、γはせん断歪、τはせん断
応力、小文字x,y,zは各座標成分を表わす。T’は熱
荷重であり、前記金型及び金型内キャビティ製品の温度
分布データより求める。さらに、Eはヤング率、νはポ
アソン比、αは熱膨張率である。なお、E,ν,αはそ
れぞれ温度に依存する。また、εy,εzなどのy,z
成分も上式(12)と同様に表わされるが、これらに対す
る式は省略する。次に、歪−変位式は下記の式(13)で
表わされる。
【0030】
【数4】
【0031】ここで、u,v,wはそれぞれ変位のx,
y,z成分を示す。更に、力のつり合いの式は、Xを外
力のx成分とすると、式(14)で表わすことができる。
y,z成分を示す。更に、力のつり合いの式は、Xを外
力のx成分とすると、式(14)で表わすことができる。
【0032】
【数5】
【0033】(12),(13),(14)式を増分表示し、
有限要素法により離散化し、さらに仮想仕事の原理に従
って積分すると、要素に関する熱応力歪に関する下記の
剛性方程式(15)式が得られる。 [K]{Δd}={Δfa}+{Δft}+{Δfs}+{Δr}…(15) ここで、[K]は弾性剛性マトリックス、{Δd}は節点
変位ベクトル増分、{Δfa}は機械的荷重ベクトル、
{Δft}は熱荷重ベクトルの弾性成分、{Δfs}は物性
値の温度依存から生じる荷重ベクトル、{Δr}は残差の
荷重ベクトルである。最後に、要素についての剛性方程
式(15)を全要素について重ね合わせると系全体の剛性
方程式が得られ、これから前記した熱荷重T’がもたら
す節点変位を算定できる。なお、本実施例においては、
汎用構造解析プログラムであるMSC社(米国)のNAS
TRANを使用した。
有限要素法により離散化し、さらに仮想仕事の原理に従
って積分すると、要素に関する熱応力歪に関する下記の
剛性方程式(15)式が得られる。 [K]{Δd}={Δfa}+{Δft}+{Δfs}+{Δr}…(15) ここで、[K]は弾性剛性マトリックス、{Δd}は節点
変位ベクトル増分、{Δfa}は機械的荷重ベクトル、
{Δft}は熱荷重ベクトルの弾性成分、{Δfs}は物性
値の温度依存から生じる荷重ベクトル、{Δr}は残差の
荷重ベクトルである。最後に、要素についての剛性方程
式(15)を全要素について重ね合わせると系全体の剛性
方程式が得られ、これから前記した熱荷重T’がもたら
す節点変位を算定できる。なお、本実施例においては、
汎用構造解析プログラムであるMSC社(米国)のNAS
TRANを使用した。
【0034】更に、S240において、上記熱変形解析
で得られた点Pa(x)’,(x=1〜n;nは正の整
数)の集合で表わされる熱変形後の金型内キャビティ5
の形状を初期形状として金型内製品8の熱変形解析を実
行する。そして、この熱変形解析で得られた点Pa
(x)’’,(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わ
される熱変形後の製品形状データを出力する。
で得られた点Pa(x)’,(x=1〜n;nは正の整
数)の集合で表わされる熱変形後の金型内キャビティ5
の形状を初期形状として金型内製品8の熱変形解析を実
行する。そして、この熱変形解析で得られた点Pa
(x)’’,(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わ
される熱変形後の製品形状データを出力する。
【0035】以上のプロセスで得られる変形量は、製品
の外形寸法が100mm程度の時、最大数100μm程
度である。この数100μm程度の変形領域では初期形
状が数100μm変化しても、温度分布にはほとんど影
響がない。変形過程はマクロな温度分布で決るので、初
期形状の多少のずれても形状定義点の変位方向量はほと
んど変わらない。
の外形寸法が100mm程度の時、最大数100μm程
度である。この数100μm程度の変形領域では初期形
状が数100μm変化しても、温度分布にはほとんど影
響がない。変形過程はマクロな温度分布で決るので、初
期形状の多少のずれても形状定義点の変位方向量はほと
んど変わらない。
【0036】そこで最後に、S250において点Pa
(x)を対称の中心として点Pa(x)’’の点対称の位置
となる点Pa(x)’’’,(x=1〜n;nは正の整
数)をそれぞれ対応する各点について求める。
(x)を対称の中心として点Pa(x)’’の点対称の位置
となる点Pa(x)’’’,(x=1〜n;nは正の整
数)をそれぞれ対応する各点について求める。
【0037】以上のようにして求めた点Pa(x)’’’
の集合で表わされる形状が鋳造後の変形を考慮した金型
キャビティの形状となる。実際、点Pa(x)’’’の集
合で表わされる形状を初期形状として熱変形解析を実行
した結果は最大10μmの誤差でPa(x)の集合で表わ
される形状に近づくことが確かめられている。
の集合で表わされる形状が鋳造後の変形を考慮した金型
キャビティの形状となる。実際、点Pa(x)’’’の集
合で表わされる形状を初期形状として熱変形解析を実行
した結果は最大10μmの誤差でPa(x)の集合で表わ
される形状に近づくことが確かめられている。
【0038】実施例2.図7はこの発明の実施例2に係
る鋳造用金型の設計方法のアルゴリズムを示すフローチ
ャートであり、図8は図7のフローチャートを補足説明
するための金型キャビティと金型キャビティ内製品の形
状変化の様子を示すものである。
る鋳造用金型の設計方法のアルゴリズムを示すフローチ
ャートであり、図8は図7のフローチャートを補足説明
するための金型キャビティと金型キャビティ内製品の形
状変化の様子を示すものである。
【0039】本実施例では、まず金型内キャビティにお
ける溶融金属の凝固過程で発生する、金型キャビティの
熱変形の最大変形形状を求めることを前提とする。そし
て、この金型内キャビティの最大変形形状を求めるに
は、S310の凝固解析実行中に一定の時間間隔(Δ
t)で金型及び製品の温度データを抽出し(S320)、
その温度データを基に逐次熱変形解析(S330)を行
う。
ける溶融金属の凝固過程で発生する、金型キャビティの
熱変形の最大変形形状を求めることを前提とする。そし
て、この金型内キャビティの最大変形形状を求めるに
は、S310の凝固解析実行中に一定の時間間隔(Δ
t)で金型及び製品の温度データを抽出し(S320)、
その温度データを基に逐次熱変形解析(S330)を行
う。
【0040】図8により更に詳細に説明すると、まず、
時刻T=t0における点C(x),(x=1〜n;nは正の
整数)の集合は金型内キャビティの初期形状、金型内キ
ャビティの形状定義点9を表わしている。凝固解析の進
行とともに金型4の温度は上昇し、温度分布が発生し、
熱変形が進む。ある時刻T=t1に点C(x)が熱変形に
伴い点C(x)’に変位した時の変位量をε1とする。次
の時刻T=t2(t1+Δt)に点C(x)’がC(x)’’
に変位した時、点C(x)からの変位量をε2とする。こ
の時、変位量ε1とε2を比較してε1>ε2となった
とき、時刻t1における点C(x)’を金型キャビティの
形状定義点C(x)の最大変位点Cmax(x)’として計算
機内等にメモリする。例えば別の点C(n)においては、
ε1<ε2かつε2>ε3なので最大変位点はC
(x)’’となりC(x)’’の座標がメモリされる。以上
の手順で凝固完了までに得られる点Cmax(x)’;(x
=1〜n)の集合で表わされる形状を金型キャビティの
最大変形形状とする。この最大変形形状を初期形状とし
て製品の熱変形解析を行い(S350)、この熱変形解析
で得られた点Pa(x)’’の集合で表わされる熱変形後
の製品形状データを出力する。そして、S360におい
て点Pa(x)を対称の中心として点Pa(x)’’の点対
称の位置となる点Pa(x)’’’をそれぞれ対応する各
点について求め、点Pa(x)’’’の集合をもって求め
る金型内キャビティの形状とする。解析精度が向上す
る。
時刻T=t0における点C(x),(x=1〜n;nは正の
整数)の集合は金型内キャビティの初期形状、金型内キ
ャビティの形状定義点9を表わしている。凝固解析の進
行とともに金型4の温度は上昇し、温度分布が発生し、
熱変形が進む。ある時刻T=t1に点C(x)が熱変形に
伴い点C(x)’に変位した時の変位量をε1とする。次
の時刻T=t2(t1+Δt)に点C(x)’がC(x)’’
に変位した時、点C(x)からの変位量をε2とする。こ
の時、変位量ε1とε2を比較してε1>ε2となった
とき、時刻t1における点C(x)’を金型キャビティの
形状定義点C(x)の最大変位点Cmax(x)’として計算
機内等にメモリする。例えば別の点C(n)においては、
ε1<ε2かつε2>ε3なので最大変位点はC
(x)’’となりC(x)’’の座標がメモリされる。以上
の手順で凝固完了までに得られる点Cmax(x)’;(x
=1〜n)の集合で表わされる形状を金型キャビティの
最大変形形状とする。この最大変形形状を初期形状とし
て製品の熱変形解析を行い(S350)、この熱変形解析
で得られた点Pa(x)’’の集合で表わされる熱変形後
の製品形状データを出力する。そして、S360におい
て点Pa(x)を対称の中心として点Pa(x)’’の点対
称の位置となる点Pa(x)’’’をそれぞれ対応する各
点について求め、点Pa(x)’’’の集合をもって求め
る金型内キャビティの形状とする。解析精度が向上す
る。
【0041】実施例1で示した製品の熱変形解析の初期
形状は、製品の凝固完了時の金型キャビティの形状とし
ており、従来法に比べて解析上は熱変形後の製品形状が
所望の製品形状に近くなる結果が得られるようになっ
た。しかし、実際に鋳込んだ製品の形状は解析より数1
0μmのオーダで変形が大きくなっており、さらに高精
度の熱変形予測を行うためには凝固過程で発生する金型
キャビティの変形を考慮する必要があると考えられる。
実施例2による解析方法で得られた変形予測の結果は、
実製品の外形寸法が30〜120mmの場合でその変形
量を最大10μmの誤差で見積もることができ、一層解
析精度が向上した。
形状は、製品の凝固完了時の金型キャビティの形状とし
ており、従来法に比べて解析上は熱変形後の製品形状が
所望の製品形状に近くなる結果が得られるようになっ
た。しかし、実際に鋳込んだ製品の形状は解析より数1
0μmのオーダで変形が大きくなっており、さらに高精
度の熱変形予測を行うためには凝固過程で発生する金型
キャビティの変形を考慮する必要があると考えられる。
実施例2による解析方法で得られた変形予測の結果は、
実製品の外形寸法が30〜120mmの場合でその変形
量を最大10μmの誤差で見積もることができ、一層解
析精度が向上した。
【0042】実施例3.図9はこの発明の実施例3に係
る鋳造用金型の設計方法のアルゴリズムを示すフローチ
ャートであり、図10は本実施例を説明するためのベク
トル図である。本実施例は、実施例1で示した方法で求
められた点Pa(x)’’’,(x=1〜n;nは正の整
数)の集合で表わされる金型内キャビティの形状を更に
所望の形状に近づけるために補正したものである。即
ち、実施例1でも説明したが、当該解析で得られた製品
の熱変形を考慮した点Pa(x)’’’,(x=1〜n;
nは正の整数)の集合で表わされる金型キャビティの形
状を基に熱変形解析した場合、変形後の点Pb(x),
(x=1〜n;nは正の整数)が点Pa(x),(x=1
〜n;nは正の整数)の集合で表わされる所望の製品形
状との間で、誤差が最大10μm程度発生する。この誤
差は解析に使用する初期形状の僅かな違いと初期形状の
違いによる計算誤差の蓄積によって発生する。そこで本
実施例においては、点Pb(x)から点Pa(x)に向かう
ベクトルをaとして、点Pa(x)’’’からベクトルa
分移動した点の集合Pb(x)’,(x=1〜n;nは正
の整数)を補正後の金型キャビティ形状とする。そし
て、上記点の集合Pb(x)’で表わされる金型内キャビ
ティ形状を初期条件として熱変形解析を行った場合、熱
変形後の形状は最大3μm程度の誤差で点Pa(x),
(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わされる所望
の製品形状に近づくことがわかった。
る鋳造用金型の設計方法のアルゴリズムを示すフローチ
ャートであり、図10は本実施例を説明するためのベク
トル図である。本実施例は、実施例1で示した方法で求
められた点Pa(x)’’’,(x=1〜n;nは正の整
数)の集合で表わされる金型内キャビティの形状を更に
所望の形状に近づけるために補正したものである。即
ち、実施例1でも説明したが、当該解析で得られた製品
の熱変形を考慮した点Pa(x)’’’,(x=1〜n;
nは正の整数)の集合で表わされる金型キャビティの形
状を基に熱変形解析した場合、変形後の点Pb(x),
(x=1〜n;nは正の整数)が点Pa(x),(x=1
〜n;nは正の整数)の集合で表わされる所望の製品形
状との間で、誤差が最大10μm程度発生する。この誤
差は解析に使用する初期形状の僅かな違いと初期形状の
違いによる計算誤差の蓄積によって発生する。そこで本
実施例においては、点Pb(x)から点Pa(x)に向かう
ベクトルをaとして、点Pa(x)’’’からベクトルa
分移動した点の集合Pb(x)’,(x=1〜n;nは正
の整数)を補正後の金型キャビティ形状とする。そし
て、上記点の集合Pb(x)’で表わされる金型内キャビ
ティ形状を初期条件として熱変形解析を行った場合、熱
変形後の形状は最大3μm程度の誤差で点Pa(x),
(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表わされる所望
の製品形状に近づくことがわかった。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、金型および製品の熱変形を予測し、予測した結果を
基に、鋳造後の熱変形を考慮した金型キャビティの設計
が可能となったため、所望の製品形状に対して非常に精
度の高い鋳造品を得ることが可能となる。また、製品の
熱変形を解析で高精度に予測できるようになったため、
金型および金型キャビティ形状の修正回数が大幅に削減
され、金型の短納期化、コスト低減を図ることができる
ようになった。
ば、金型および製品の熱変形を予測し、予測した結果を
基に、鋳造後の熱変形を考慮した金型キャビティの設計
が可能となったため、所望の製品形状に対して非常に精
度の高い鋳造品を得ることが可能となる。また、製品の
熱変形を解析で高精度に予測できるようになったため、
金型および金型キャビティ形状の修正回数が大幅に削減
され、金型の短納期化、コスト低減を図ることができる
ようになった。
【0044】また、請求項2の発明によれば、金型内キ
ャビティの熱変形予測を行い、製品の熱変形解析の初期
条件に熱変形後の金型キャビティ形状を用いて金型キャ
ビティ内製品の熱変形を予測することにより、高精度の
鋳造用金型を設計することができる。
ャビティの熱変形予測を行い、製品の熱変形解析の初期
条件に熱変形後の金型キャビティ形状を用いて金型キャ
ビティ内製品の熱変形を予測することにより、高精度の
鋳造用金型を設計することができる。
【0045】更に、請求項3の発明によれば、製品の熱
変形解析の初期条件に凝固過程で発生する金型キャビテ
ィの最大変形形状を用いたので、より解析精度が向上し
た。
変形解析の初期条件に凝固過程で発生する金型キャビテ
ィの最大変形形状を用いたので、より解析精度が向上し
た。
【0046】また、請求項4の発明によれば、請求項1
〜3の発明の製品の変形予測方法を使って設計した金型
内キャビティの形状に基づき、更に凝固解析及び熱変形
解析を行うことにより、解析誤差を小さくできた。
〜3の発明の製品の変形予測方法を使って設計した金型
内キャビティの形状に基づき、更に凝固解析及び熱変形
解析を行うことにより、解析誤差を小さくできた。
【図1】請求項1の発明に係る鋳造用金型の設計方法の
アルゴリズムを示すフローチャートである。
アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図2】実施例1に係る鋳造用金型の設計方法のアルゴ
リズムを示すフローチャートである。
リズムを示すフローチャートである。
【図3】実施例1による金型内キャビティ及びキャビテ
ィ内製品の熱変形の様子を示す摸式図である。
ィ内製品の熱変形の様子を示す摸式図である。
【図4】フーリエの法則を説明するための図である。
【図5】一次元モデルによる熱収支を示した図である。
【図6】純金属の冷却曲線と温度回復法による潜熱の取
り扱いを示した図である。
り扱いを示した図である。
【図7】実施例2に係る鋳造用金型の設計方法のアルゴ
リズムを示すフローチャートである。
リズムを示すフローチャートである。
【図8】実施例2による金型内キャビティの熱変形過程
における最大変形形状を求めるためのモデル図である。
における最大変形形状を求めるためのモデル図である。
【図9】実施例3に係る鋳造用金型の設計方法のアルゴ
リズムを示すフローチャートである。
リズムを示すフローチャートである。
【図10】実施例3による金型キャビティの初期形状を
補正するための方法を示す摸式図である。
補正するための方法を示す摸式図である。
【図11】従来法による製品の縮み代を求める方法を示
した図である。
した図である。
1 金型内キャビティ形状 2 製品形状 4 金型 5 金型内キャビティ 5a 金型内キャビティ初期形状 6 所望の製品形状 7 変形を見込んだキャビティ形状 8 金型内製品 9 金型キャビティ形状定義点
Claims (4)
- 【請求項1】 金属の溶湯を金型キャビティ内に充填し
て凝固させ鋳物を製造する鋳造用金型の設計方法におい
て、所望の製品形状を有する金型内キャビティのモデル
設定を行い、金属の溶湯が上記金型キャビティ内で冷却
凝固する過程を解析して、金型およびキャビティ内製品
の温度分布データを求め、この温度分布データを基に金
型及びキャビティ内製品の熱変形解析を行い、熱変形後
の金型及びキャビティ内製品の形状を求め、これら熱変
形後の形状情報を基にして金型内キャビティ形状を決定
する鋳造用金型の設計方法。 - 【請求項2】 金属の溶湯を金型キャビティ内に充填し
て凝固させ鋳物を製造する鋳造用金型の設計方法におい
て、形状定義点Pa(x),(x=1〜n;nは正の整
数)で定義される所望の製品形状を有する金型内キャビ
ティのモデル設定を行う工程と、金属の溶湯が上記金型
キャビティ内で冷却凝固する過程を解析して、凝固完了
時の金型およびキャビティ内製品の温度分布データを求
める工程と、この温度分布データを基に熱変形解析を行
い、点Pa(x)’の集合で表わされる金型の熱変形後の
形状を求める工程と、上記熱変形後の金型内キャビティ
形状をキャビティ内製品の初期形状として上記キャビテ
ィ内製品の温度分布データを基に熱変形解析を行い、点
Pa(x)’’,(x=1〜n;nは正の整数)の集合で
表わされるキャビティ内製品の熱変形後の形状を求める
工程と、点Pa(x)を対称の中心として点Pa(x)’’
の点対称の位置にある点の集合Pa点Pa(x)’’’を
求める工程と、点Pa(x)’’’の集合を金型キャビテ
ィ形状とする工程とからなる鋳造用金型の設計方法。 - 【請求項3】 金属の溶湯を金型キャビティ内に充填し
て凝固させ鋳物を製造する鋳造用金型の設計方法におい
て、形状定義点C(x),(x=1〜n;nは正の整数)
で定義される所望の製品形状を有する金型内キャビティ
のモデル設定を行う工程と、金属の溶湯が凝固する過程
を解析して、逐次金型およびキャビティ内製品の温度分
布データを求めると共に各形状定義点C(x)の最大変位
時の点Cmax(x)を求める工程と、上記点Cmax(x)の集
合をキャビティ内製品の初期形状として熱変形解析を行
い、点Pa(x)’’,(x=1〜n;nは正の整数)の
集合で表わされるキャビティ内製品の熱変形後の形状を
求める工程と、点Pa(x)を対称の中心として点Pa
(x)’’の点対称の位置にある点の集合Pa点Pa
(x)’’’を求める工程と、点Pa(x)’’’の集合を
金型キャビティ形状とする工程とからなる鋳造用金型の
設計方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載により求められた点P
a(x)’’’(x=1〜n;nは正の整数)の集合で表
わされた金型キャビティ形状を初期形状として、凝固解
析、金型キャビティ及びキャビティ内製品の熱変形解析
を行い、上記解析の結果得られた点Pb(x)で表わされ
る解析上の製品形状と、形状定義点Pa(x)で定義され
る所望の製品形状とを比較し、点Pb(x)から点Pa
(x)へ向かうベクトルをaとし、点Pa(x)’’’から
ベクトルa分移動した点Pb(x)’の集合を金型キャビ
ティ形状とする鋳造用金型の設計方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6054957A JPH07236942A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 鋳造用金型の設計方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6054957A JPH07236942A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 鋳造用金型の設計方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07236942A true JPH07236942A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12985156
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6054957A Pending JPH07236942A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 鋳造用金型の設計方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07236942A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004097262A (ja) * | 2002-09-05 | 2004-04-02 | Zojirushi Corp | 炊飯器 |
| JP2004230445A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Ahresty Corp | マグネシウムダイカスト用金型 |
| WO2013047692A1 (ja) * | 2011-09-27 | 2013-04-04 | 株式会社神戸製鋼所 | 鋳型設計方法および鋳型 |
| JP2013193089A (ja) * | 2012-03-16 | 2013-09-30 | Nagoya City | ダイカスト鋳造用金型の製作方法、及びダイカスト鋳造用金型 |
| US8838264B2 (en) | 2010-10-25 | 2014-09-16 | Honda Motor Co., Ltd. | Mold designing apparatus, mold designing method, mold designing system and mold designing program |
| CN110916296A (zh) * | 2019-11-07 | 2020-03-27 | 陈永远 | 一种弹簧针针座、其制作方法及应用该针座的辅料 |
| CN118616687A (zh) * | 2024-06-14 | 2024-09-10 | 徐州胜海机械制造科技有限公司 | 一种铸造模具热平衡分析的温度控制方法及系统 |
-
1994
- 1994-02-28 JP JP6054957A patent/JPH07236942A/ja active Pending
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