JPH0723748A - 辛子明太子の製造方法 - Google Patents

辛子明太子の製造方法

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JPH0723748A
JPH0723748A JP5168102A JP16810293A JPH0723748A JP H0723748 A JPH0723748 A JP H0723748A JP 5168102 A JP5168102 A JP 5168102A JP 16810293 A JP16810293 A JP 16810293A JP H0723748 A JPH0723748 A JP H0723748A
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良比古 斉藤
Naoko Teramoto
奈穂子 寺本
Haruko Morita
晴子 森田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来品と同様の色、味を保ちつつ、消費者が
より安心して食べられるよう天然素材のみを用いた辛子
明太子の製造方法を提供する。 【構成】 タラコの変色を防止するための処理を行う変
色防止工程と、タラコを着色する着色工程と、着色され
たタラコに旨味成分を加えて熟成させる熟成工程とから
なる辛子明太子の製造方法において、少なくとも、
前記変色防止工程として、処理剤に発色剤を使用せず、
塩蔵・着色時に糖類または増粘剤を添加するか、食酢等
のpH調整液にタラコを通して表面を弱酸性にする。
前記着色工程として、着色剤に合成着色剤を使用せ
ず、天然着色料を用いる。 前記熟成工程として、化
学合成された旨味成分を使用せず、天然の旨味成分の調
味液を使用して熟成させる。という工程の一つ、好適に
は全ての工程を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成着色剤、発色剤そ
の他の人工素材を用いず、天然素材のみを使用した辛子
明太子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の辛子明太子の製造方法は、原料卵
のタラコを塩水で洗浄した後、水切りして回転樽に入
れ、食塩,発色剤,合成着色料,塩蔵剤または調味料,
グルタミン酸ソーダ,ビタミンC等を水に溶かした溶液
を原料卵重量の10〜30%(重量%、以下同じ)加
え、ゆっくり回転樽を回転させながら塩蔵・着色を行
う。そして、塩蔵タラコを、唐辛子、アミノ酸を主成分
とする調味液に漬け込み、味付け・熟成を行った後、選
別し、商品の辛子明太子としている。
【0003】従来法で製造された辛子明太子は、発色
剤、アミノ酸、合成着色料を使用している。しかし、発
色剤として使用している硝酸塩は、魚卵中のジメチルア
ミン類と結合し、発癌性物質であるジメチルニトロソア
ミンを合成すると言われている。また、化学合成的工程
で作られたアミノ酸、着色料の使用による食品の健康志
向イメージの低下、さらに着色料中には、海外で使用の
是非が問われているものもあり、消費者の健康を害する
危険性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、従来品と同様の色、味を保ちつつ、消費者がより
安心して食べられるよう天然素材のみを用いた辛子明太
子の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の辛子明太子の製造方法は、タラコの変色を
防止するための処理を行う変色防止工程と、タラコを着
色する着色工程と、着色されたタラコに旨味成分を加え
て熟成させる熟成工程とからなる辛子明太子の製造方法
において、少なくとも、 前記変色防止工程として、処理剤に発色剤を使用せ
ず、塩蔵・着色時に糖類または増粘剤を添加するか、食
酢等のpH調整液にタラコを通して表面を弱酸性にした
後、塩蔵・着色を行う。 前記着色工程として、着色剤に合成着色剤を使用せ
ず、天然着色料を用いる。 前記熟成工程として、化学合成された旨味成分を使
用せず、天然の旨味成分の調味液を使用して熟成させ
る。 という工程の一つを行うようにしたものである。
【0006】好適には、タラコをpH調整液に通して表
面を弱酸性にし、水切り後、食塩及び植物系色素を含む
溶液を加えて発色剤を使用することなく塩蔵、着色し、
その後、得られた塩蔵タラコを、唐辛子,天然旨味成分
を主成分とする調味液に漬け込み、味付け・熟成を行
う。
【0007】
【作用】本発明では、次の1)〜3)の工程を含んでい
る。 1)発色剤を使用せずにタラコ変色を防止する。タラコ
(魚卵)には、血液が残存し、冷蔵等の保存中に酸化さ
れ、黒ずんだタラコになる。このため、防止策として、
発色剤を使用しているが、この発色剤を使用せず、変色
を防止する手段を考えた。得られた手段は、 A)pH調整剤の利用 塩蔵・着色工程の前処理として、pH3.3〜3.7の
溶液にタラコを軽く通す。 B)糖類の利用 塩蔵・着色工程で糖類を添加する。 C)増粘剤の利用 塩蔵・着色工程で増粘剤を添加する。 上記3点の方法が考えられた。これらの方法について検
討し、染着の良さ、色ムラの改善等を評価要因として研
究した結果、AとCを組み合わせた方法が最適方法であ
ることが分かった。
【0008】2)合成着色料の代替として、植物系の天
然着色料を使用する。一般に天然着色料は染着力が弱
く、従来品の色を出すには、さまざまな着色料を組み合
わせた。主に、赤の染着が悪く、着色を行っても、薄い
褐色程度にしか、着色されなかった。この中で、紅麹色
素、ビート色素、アナトー色素の組み合わせにより、従
来品と比較しても遜色のない染着力を発揮した。
【0009】3)旨味成分の代替として、天然旨味成分
(カツオ、コンブ、酵母)、蛋白加水分解物を利用す
る。天然素材の添加物を利用して、従来品にも劣らない
旨味を出すため、カツオ・コンブエキス、酵母、蛋白加
水分解物を使用して、美味しく食することのできる配合
を決定した。発色剤を使用していないため、従来品の方
法で、ただ発色剤部分を除くと、着色後に黒ずみ(魚卵
中の血液が酸化することによる)、さらに色彩に透明感
がなくなり、色ムラが発生する。今回の手段によって、
この問題が解消された。
【0010】前述のAのpH調整剤を利用した際は、タ
ラコ表面にpH3.3〜3.7の溶液を通すことによ
り、酸化が防止され、魚卵表面の色調を安定にし、染着
力を良好にした。さらに、アスコルビン酸ソーダ(ビタ
ミンC)の酸化も防止され、ビタミンC酸化による黒ず
みも防止できた。その結果を表1および表2に示す。な
お、色測計としては、日本電色工業株式会社製、ND−
300Aを使用した。これらの表において、Lは明る
さ、aは+では赤、−では緑、bは+では黄、−では青
を表す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】前述のBの糖類の利用により、タラコ表面
を粘性のある液でコーティングし、酸化防止するととも
に、染着力を良好にした。前述のCの増粘剤の利用によ
り、着色料中のマイナス・イオン部分との結合により色
調を安定させる。さらにA〜Cをそれぞれ組み合わせた
結果、AとCの組み合わせに相乗効果が認められた。
2),3)の手段により、完全に天然素材から作られた
添加物のみで、辛子明太子が製造され、従来品と比べ、
より健康的イメージをもつ明太子ができた。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。本発明の具体的な製造工程を以下に述べる。
【0015】(1)冷凍原卵巣を原材料として準備 (2)解凍 (3)洗浄(1〜4%の薄い食塩水にて) (4)水切り (5)回転樽入れ 以上の工程は従来と同様である。
【0016】(6)食酢による一次処理(1〜3%食酢
溶液,加水30%) 塩蔵・着色の前に、染着性を高める目的でpH3.3〜
3.7の溶液に原料卵を通し、原卵表面のpHを下げる
操作を行うが、この時pHの調整には安全性を考慮し
て、日頃から口にする機会の多い、なじみ深い調味料で
ある食酢を使用した。
【0017】(7)塩蔵・着色 食塩 6〜7% 天然着色料 ビートレッド 0.05〜0.07% アナトー 0.05〜0.15% 紅麹 0.04〜0.06% ビタミンC 0.1〜0.2% キトサン 0.075〜0.15% 乳酸 0.038〜0.75% 蛋白加水分解物 1〜2%
【0018】現在、塩蔵タラコに使用されている赤色3
号や黄色4号等の食用タール色素は、芳香族炭化水素を
主原料として中間体を製造し、さらに中間体を組み合わ
せて合成されるもので、有害な物質が混入する機会が多
い。これに対し、天然着色料は自然界に存在するものか
ら色素を抽出しており、特に本発明では、植物由来の色
素のみを使用しており、その安全性は従来よりはるかに
高いと言える。
【0019】キトサンは増粘安定剤の一種であるが、反
応性に富むアミノ基を持つため、他にも数多くの機能を
有している。その中の一つに、色素を吸着する機能があ
り、今回はこの点に着目して使用した。他の増粘安定剤
もキトサンには劣るが、同じような効果がみられた。
【0020】(8)浸漬・回転 (9)洗浄・選別 (10)塩蔵タラコ
【0021】以上の塩蔵タラコから辛子明太子を製造す
る工程を以下に示す。 (11)塩蔵タラコ (12)選別 (13)塩抜き用の溶液(蛋白加水分解物1〜2%の溶
液)原卵の60%添加、2〜24時間浸漬
【0022】 (14)漬け込み 0℃ 48〜72時間 漬け込み液 唐辛子 6.0〜7.2
% 天然エキス カツオ 5.0〜6.0% コンブ 6.0〜8.0% 酵母 0.5〜1.0% 蛋白分解物 2.0〜4.0%
【0023】(15)選別・水切り(対卵重量1.0倍
のおもしをのせて、2〜24時間) これにより、人工添加物を一切使用せず、天然素材のみ
を用いた、色、味ともに従来品と変わらない辛子明太子
製品が得られる。
【0024】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、下記
の効果を奏する。 発色剤未使用、添加物は全て天然素材であることか
ら、従来品よりも、安全性の高い食品を提供することが
できる。 発色剤未使用にもかかわらず、着色、塩蔵されたタ
ラコは冷蔵保存、及び冷凍(−20℃,一週間)・解凍
による褪色、黒ずみは認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 良比古 福岡市博多区中洲2丁目6番10号 株式会 社ふくや内 (72)発明者 寺本 奈穂子 福岡市博多区中洲2丁目6番10号 株式会 社ふくや内 (72)発明者 森田 晴子 福岡市博多区中洲2丁目6番10号 株式会 社ふくや内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タラコの変色を防止するための処理を行
    う変色防止工程と、タラコを着色する着色工程と、着色
    されたタラコに旨味成分を加えて熟成させる熟成工程と
    からなる辛子明太子の製造方法において、前記変色防止
    工程として、処理剤に発色剤を使用せず、食酢等のpH
    調整液にタラコを通して表面を弱酸性にすること、また
    は塩蔵・着色時に増粘剤または糖類を添加することを特
    徴とする辛子明太子の製造方法。
  2. 【請求項2】 タラコの変色を防止するための処理を行
    う変色防止工程と、タラコを着色する着色工程と、着色
    されたタラコに旨味成分を加えて熟成させる熟成工程と
    からなる辛子明太子の製造方法において、前記着色工程
    として、着色剤に合成着色剤を使用せず、天然着色料を
    用いることを特徴とする辛子明太子の製造方法。
  3. 【請求項3】 タラコの変色を防止するための処理を行
    う変色防止工程と、タラコを着色する着色工程と、着色
    されたタラコに旨味成分を加えて熟成させる熟成工程と
    からなる辛子明太子の製造方法において、前記熟成工程
    として、化学合成された旨味成分を使用せず、天然の旨
    味成分の調味液を使用して熟成させることを特徴とする
    辛子明太子の製造方法。
  4. 【請求項4】 タラコをpH調整液に通して表面を弱酸
    性にし、水切り後、食塩及び植物系色素を含む溶液を加
    えて発色剤を使用することなく塩蔵、着色し、その後、
    得られた塩蔵タラコを、唐辛子,天然旨味成分を主成分
    とする調味液に漬け込み、味付け・熟成を行うことを特
    徴とする辛子明太子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の辛子明太子の製造方法に
    おいて、pH調整液を用いず、塩蔵・着色時に増粘剤ま
    たは糖類を添加することを特徴とする辛子明太子の製造
    方法。
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