JPH07242465A - コージェライトハニカムセラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

コージェライトハニカムセラミックスおよびその製造方法

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JPH07242465A
JPH07242465A JP6035725A JP3572594A JPH07242465A JP H07242465 A JPH07242465 A JP H07242465A JP 6035725 A JP6035725 A JP 6035725A JP 3572594 A JP3572594 A JP 3572594A JP H07242465 A JPH07242465 A JP H07242465A
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honeycomb ceramics
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cordierite honeycomb
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Yoshiro Ono
芳朗 小野
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和彦 熊澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車排気ガス触媒担体やディーゼルエンジ
ン用微粒子捕集フィルタなどに用いるのに好適な、低熱
膨張で耐熱衝撃性に優れたコージェライトハニカムセラ
ミックスおよびその製造方法を提供する。 【構成】 結晶相の主成分がコージェライト相であるコ
ージェライトハニカムセラミックスである。その化学組
成において、鉄分をFe2 O3 換算として、[Fe2 O
3 重量%/(MgO重量%+Fe2 O3 重量%)]×1
00の値は2〜10の範囲にある。ハニカムセラミック
スの流路方向の40〜800℃の熱膨張係数は0.5×
10-6/℃よりも小さくする。この鉄分を含むハニカム
セラミックスは、原料として鉄分を含むタルクを使用す
ることにより得られる。このハニカムセラミックスは、
原料をハニカム形状に押出成形し、乾燥、焼成した後、
酸溶液中に浸漬させることにより熱膨張係数を低下させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コージェライトハニカ
ムセラミックス、特に自動車排気ガス触媒担体やディー
ゼルエンジン用微粒子捕集フィルタに用いられる、低熱
膨張で耐熱衝撃性に優れたコージェライトハニカムセラ
ミックスおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コージェライトハニカムセラミックスは
耐熱性に優れ、自動車用排気ガス触媒担体やディーゼル
エンジン用微粒子捕集フィルタとして使用されている。
このような用途では耐熱性に加え、高い耐熱衝撃性が要
求される。耐熱衝撃性が低いと、急熱、急冷、およびコ
ージェライトハニカムセラミックス内の温度差などによ
りクラック発生などの問題が引き起こされ、コージェラ
イトハニカムセラミックスの寿命を短縮することにな
る。耐熱衝撃性をより高いレベルにするためにはコージ
ェライトハニカムセラミックスをできるだけ低熱膨張化
することが必要であり、これまで熱膨張率を低くする試
みが種々繰り返されている。
【0003】特開昭64−3067号公報には、耐熱衝
撃性を向上させるためにコージェライト化原料(タル
ク、アルミナ、シリカ)の原料粒度を制御することによ
り熱膨張率を低くする方法が開示されている。しかし、
この方法では耐熱衝撃性を維持するために気孔率を30
〜42%の範囲に限定しており、特にディーゼルエンジ
ン用微粒子捕集フィルタとして用いるには不適当であ
る。
【0004】また、特開昭49−129704号公報に
は、コージェライトセラミックスの耐熱衝撃性を向上さ
せるために、物体を酸溶液に接触させる方法が開示され
ている。しかし、酸溶液により処理されたコージェライ
トセラミックスは熱膨張係数が低下し一時的に耐熱衝撃
性は改善されるが、ディーゼルエンジン用微粒子捕集フ
ィルタのように高温で使用されるコージェライトセラミ
ックスにおいては、長時間の使用によって熱膨張係数が
酸溶液処理前の状態に戻り、耐熱衝撃性の改善の効果が
消滅してしまうという問題がある。
【0005】従来、熱膨張係数を低くするためには、コ
ージェライトハニカムセラミックスを製造する上で、原
料中の不純物はできるだけ少なくする方が良好であると
言われている。例えば、コージェライト化原料中に存在
するCaOの含有量が増加するとハニカムセラミックス
の熱膨張係数は高くなる。また、鉄分等についても同様
にセラミックスには混入が好ましくないと一般的に言わ
れている。これは、鉄分はコージェライト化原料である
タルクに不純鉱物として混入している緑泥石(クロライ
ト)に固溶することが多く、この鉄を固溶した緑泥石結
晶は焼成によりガラス相を作るなどしてコージェライト
の熱膨張係数を高くする原因となるためである。特開昭
61−178038号公報にはコージェライトハニカム
セラミックスにFe2 O3 等を配合し、熱膨張係数を
1.6×10-6/℃以下に保ちながら担体に着色する燃
焼機器浄化触媒用担体が開示されているが、ここでのF
e2O3 の使用は担体に着色することが目的であり、ま
た熱膨張係数の値も高く耐熱衝撃性に悪い影響を与える
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが本発明者ら
は、鉄分を通常より多く含有させたコージェライトハニ
カムセラミックスを作製し酸溶液による処理を行ったと
ころ、高温で長時間使用しても耐熱衝撃性を高い状態に
保つことができるという、熱膨張係数の熱に対する安定
性に優れた素地を見出した。
【0007】本発明の目的は、コージェライトハニカム
セラミックス用の素地を改良することによって、酸溶液
処理後に高温で長時間使用しても熱膨張係数が上昇する
ことが少なく、高い耐熱衝撃性を保つことが可能なコー
ジェライトハニカムセラミックスおよびその製造方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のコージェライトハニカムセラミックスは、
結晶相の主成分がコージェライト相からなり、その化学
組成において、鉄分をFe2 O3 換算として、[Fe2
O3 重量%/(MgO重量%+Fe2 O3 重量%)]×
100の値(この値を以下M値とする)が2〜10であ
り、その流路方向の熱膨張係数が40〜800℃で0.
5×10-6/℃以下である。熱膨張係数がこの値を超え
ると、熱衝撃によりクラック発生などの問題が起こり、
コージェライトハニカムセラミックスの寿命が短縮す
る。コージェライト相に上記の範囲内で鉄分を導入する
ことにより、酸溶液中に浸漬させた後高温下で使用して
も熱膨張係数を低いまま保つことができる。
【0009】また、上記のコージェライトハニカムセラ
ミックスは、その化学組成においてM値が3〜7である
とさらに好ましい。また、上記のコージェライトハニカ
ムセラミックスは、その気孔率が45%以上、その流路
方向の熱膨張係数が40〜800℃で0.3×10-6/
℃以下であることがさらに好ましい。気孔率が45%未
満になると、特にディーゼルエンジン用微粒子捕集フィ
ルタとして使用する場合、圧力損失が大きくなるため実
用的ではない。
【0010】上記本発明のコージェライトハニカムセラ
ミックスは、コージェライト化原料であるタルク、アル
ミナ、シリカなどに成形助剤および界面活性剤を加えて
バッチとしハニカム形状に押出成形した後、乾燥し、1
350〜1450℃にて焼成して製造し、上記タルク中
の化学組成は、鉄分をFe2 O3 換算として、[Fe2
O3 重量%/(MgO重量%+Fe2 O3 重量%)]×
100の値(M値)が1〜10である。焼成温度が13
50℃未満では、コージェライト相が生成せず、145
0℃を越えるとコージェライト相が溶融する。コージェ
ライト化原料として、上記の範囲内で鉄分を導入するこ
とにより、酸溶液中に浸漬させた後高温下で使用しても
熱膨張係数を低いまま保つことができる。
【0011】また、上記のタルクは、その化学組成にお
いてM値が3〜7であるとさらに好ましい。また、焼成
後のコージェライトハニカムセラミックスは、酸溶液中
に浸漬させることによってその流路方向の熱膨張係数を
低下させることができるが、本発明の、結晶相の主成分
がコージェライトからなり、その化学成分において[F
e2O3 重量%/(MgO重量%+Fe2 O3 重量
%)]×100の値が2〜10であるコージェライトハ
ニカムセラミックスは、酸溶液中に浸漬させることによ
りその重量減少率を0.5〜2.0%とすることが必要
である。重量減少率が0.5%未満では熱膨張係数の低
下の効果が少なく、2.0%以上では溶出すべき不純物
相のみならず結晶相の主成分であるコージェライト結晶
も多く溶出されるためコージェライトハニカムセラミッ
クスの強度が大きく低下する。
【0012】また、上記の酸溶液としては、塩酸、硫
酸、弗酸、硝酸などいずれでも使用可能であるが、硝酸
溶液を使用することが商業的に好ましい。具体的には、
コージェライト焼成体中に鉄分がFe2 O3 換算とし
て、[Fe 2 O3 重量%/(MgO重量%+Fe2 O3
重量%)]×100の値(M値)が2未満である場合、
酸溶液に浸漬させた後高温下で使用すると酸処理によっ
て低下させた熱膨張係数の熱による戻りが大きく、酸処
理による耐熱衝撃性改善効果を維持できない。一方、M
値が10を越える場合、コージェライトハニカムセラミ
ックス自体の軟化温度が低下し、ひいては寸法変化、溶
損をもたらすことになる。
【0013】本発明の製造方法としては、コージェライ
ト中に鉄分を含有させる方法としてコージェライト化原
料のタルクにおいて、その中に鉄分を多く含んでいるよ
うな原料、例えばFe2 O3 が化学分析値で約0.3重
量%以上含まれるタルク原料を使用することとした。こ
れにより、不純物の鉄分の効果としてみられたような熱
膨張係数の上昇がなく酸溶液処理後の耐熱性をも向上さ
せることができた。上記タルクは、緑泥石結晶を含有し
ない原料を選ぶのが好ましい。これは、タルク原料中に
緑泥石結晶が多いと鉄分が緑泥石結晶中にも固溶して不
純物となり、熱膨張係数を上昇させる傾向があるためで
ある。また、鉄分だけを別途添加する場合にはFeOの
形で添加することが酸溶液処理後の耐熱性にとっては望
ましい。これは、Fe2 O3 よりもFeOの方がコージ
ェライト結晶中のMgと置換しやすく、結晶中にFeが
入り込みやすいためと考えられる。しかし、鉄分を別途
添加すると、酸溶液中に浸漬前の熱膨張係数が上昇し結
局のところ耐熱衝撃性の改善効果はあまり大きくない。
【0014】これらの種々の実験結果からコージェライ
ト結晶中に固溶した鉄分が酸溶液処理後の耐熱性に好ま
しい影響を与えていると思われる。従来、コージェライ
トハニカムセラミックス中に存在する鉄分は、原料のタ
ルクに不純物として混入している緑泥石結晶に固溶して
いる場合が多かった。本発明では、タルク原料として特
に鉄分が緑泥石結晶ではなくタルク結晶中のMgと置換
する形で存在しているものを選択した。そのため、不純
鉱物として存在している場合と違い、焼成後のコージェ
ライトハニカムセラミックスの熱膨張係数に悪影響を与
えない。
【0015】酸溶液処理によってコージェライトハニカ
ムセラミックスの熱膨張係数が低下するのは、コージェ
ライトの結晶間に存在するマイクロクラックが開きそれ
によって熱膨張が緩和されるためであることが判ってい
る。そして、酸溶液処理後の試料を高温で熱エージング
すると、このマイクロクラックが結晶表面上に析出した
非晶質状の物質によって塞がれ熱膨張緩和の効果がなく
なってしまう。この非晶質状の物質は主としてコージェ
ライト焼成体中に含まれる不純物とマグネシアとの反応
によるガラス相であると考えられている。本発明者ら
は、特にコージェライト結晶中に鉄分を固溶させること
で不純物としての鉄分を減少させるとともに、コージェ
ライト焼成体中の鉄分がマグネシアと不純物との反応を
抑制し、かつ鉄分と不純物とによる相が非晶質状の相に
含まれ、この相の析出温度が上昇することを見出した。
このため、高温においてもマイクロクラックが塞がれな
いため熱膨張係数が戻らずに維持されると考えられる。
【0016】
【作用および発明の効果】本発明によれば、耐熱衝撃性
が高く、しかも高温で長時間使用しても熱膨張係数の変
動が極小さいコージェライトハニカムセラミックスが得
られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。 (製造方法)コージェライトハニカムセラミックスの製造 本発明によるコージェライトハニカムセラミックスは、
例えば以下のようにして製造する。
【0018】まず、コージェライト理論組成点を中心と
したSiO2 :42〜56重量%、Al2 O3 :30〜
45重量%、MgO:12〜16重量%の領域となるよ
うにタルク、カオリン、アルミナ、シリカ、およびその
他のコージェライト化原料を調合し、この混合物にメチ
ルセルロース、界面活性剤等の成形助剤、水、アルコー
ル等の溶媒を加えて混合混練し、押出成形によってハニ
カム構造体とする。また、必要に応じてグラファイトな
どの増孔剤を0〜50%加えてもよい。
【0019】このハニカム構造体をコージェライト化反
応が十分進行し得る温度で最高温度1350℃〜145
0℃の範囲で焼成するが、特に含有鉄分が1200℃付
近で遊離する傾向があるため、鉄分がコージェライト結
晶に十分固溶し得るように1000℃〜1300℃まで
の昇温速度を100℃/hr以下にする必要がある。 セラミックフィルタの製造 本発明の実施例をさらに具体例を挙げて説明する。
【0020】本発明は、コージェライト結晶中に鉄分を
タルク原料より意図的に添加することで、高温において
も酸溶液処理による低熱膨張性が維持され、耐熱衝撃性
の高い多孔質セラミックフィルタが得られるというもの
である。本発明の例証試料として下記表1に示すような
コージェライト化原料を準備した。これらの素地系を基
に種々の鉄分含有タルクを用いて様々な鉄分含有コージ
ェライトハニカムセラミックスを作製する。また、比較
のために鉄分を別途添加する試料も準備した。これらを
混練混合し、リブ厚:0.45mm、サイズ:143.
8mmφ×152mmLに成形後、焼成する。焼成後、
ハニカム体の貫通孔の一方端と他方端とを交互に閉塞す
るいわゆる千鳥目封じ止めをし、所定のセラミックフィ
ルタを得た。
【0021】
【表1】
【0022】酸溶液処理 上記のセラミックフィルタを1.5規定、93℃の硝酸
溶液(液量は成形体体積の10倍)に浸漬し、重量減少
率1±0.2%の範囲において酸溶液処理を行った。 (性能評価)実験条件 上記のセラミックフィルタに対し、大気雰囲気中で12
00℃で100時間の熱処理を行い、酸溶液処理による
熱膨張係数低下効果の熱的安定性を評価した。 評価方法 各試料について、耐熱衝撃性を評価するファクタとして
40℃から800℃までの熱膨張係数を押棒式示差法の
熱膨張計により測定した。また、熱膨張率の熱的安定性
の目安として、酸溶液処理前後の熱膨張係数差に対し
て、1200℃、100時間の熱処理による熱膨張係数
の熱的回復割合を、酸溶液処理効果の劣化率(以下単に
「劣化率」という)として表した。この劣化率が低いほ
ど酸溶液処理の効果が高温においても維持している、す
なわち熱的に安定であることを示すものである。
【0023】また、蛍光X線分析によりコージェライト
組成、およびFe2 O3 、CaOの分析を行った。さら
に、本発明によるセラミックフィルタへの鉄分導入の効
果を明らかにするため、試料全体に含まれる鉄分量(F
e2 O3 重量%)だけでなく、鉄分重量の、鉄分重量と
マグネシア重量との和に対する割合(以下単に「M値」
という)を用いた。コージェライト結晶中に鉄が固溶す
る場合、マグネシアと置換して安定に固溶する傾向があ
るため、M値により酸溶液処理後の熱膨張率の熱的安定
性に及ぼす鉄分導入の効果が評価できる。
【0024】また、各試料を1インチφ×1インチLに
加工し、1450℃、10分間の熱処理後の変形度より
高温変形度を測定した。気孔率については、水銀圧入法
により測定を行った。評価結果 表2〜6に本発明の実施例、および比較例を示す。それ
ぞれの試料の特性もあわせて示している。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】上記表2〜6に分けて示したように、使用
原料、焼成条件等により様々な熱膨張係数を持つ素地系
が得られ、各々の素地系間には結晶形状、気孔率などの
要因より酸に対する耐蝕性に差があり、酸溶液処理によ
る熱膨張係数の低下量も異なる。よって、素地系ごとに
酸溶液処理の熱的安定性を評価する必要がある。従来技術の評価 表2の試料No. 1、および2は、従来技術による公知例
である。
【0031】従来は鉄分が熱膨張率を上昇させる不純物
とされ、鉄分が混入しないように作製した素地が耐熱衝
撃性を改善する上で好ましいとされていた。しかし、従
来の技術では、表2に示すように酸溶液処理により低熱
膨張化を図っても、1100℃という使用環境でも熱膨
張係数が酸溶液処理前の値に回復することが確認され、
酸溶液処理の効果が持続しない素地であった。実施例1 上記試料No. 2にタルク原料より鉄分を混入すること
で、酸溶液処理の熱的安定性を改善できる。鉄分は通常
タルク結晶中に安定に固溶することができ、これを鉄源
としてコージェライト結晶中に容易に鉄分を固溶するこ
とができる。
【0032】表3に実施例1として、表1における素地
系1(試料No. 2)を基にした系の特性を示す。試料N
o. 2の従来例では、劣化率88%で、かつ耐熱衝撃性
が酸溶液処理前の値まで低下することが確認されてい
る。各素地系で劣化率と耐熱衝撃性の低下を検討した結
果、従来の劣化率に対して60%以下に熱膨張係数の上
昇を抑えれば確実に耐熱衝撃性に対する酸溶液処理の改
善効果が保たれることが確認された。よって、表3中に
は試料No. 2を100%とした場合の耐熱衝撃性の劣化
比(以下単に「劣化比」という)として示し、これが6
0%以下となるものを酸溶液処理の効果が維持するもの
とした。
【0033】表3の試料No. 3〜5に示したように、M
値を大きくする、すなわちタルク原料より鉄分を混入す
ることにより劣化率を改善できる。実施例2 表4には実施例2として、表1における素地系2(試料
No. 6)を基にした系の特性を示す。
【0034】この素地系は実施例1に比べて酸溶液処理
前の熱膨張係数が低くて酸耐蝕性が強く、酸溶液処理に
より熱膨張係数が0.4程度しか低下しない素地であ
る。この素地系でも実施例1と同様にM値を大きくする
ことにより劣化率を改善できる。一方、試料No. 7およ
び11のようにM値をより大きくした場合、劣化率は大
きく改善されるが、熱膨張係数の絶対的な値が上昇する
と同時に高温における変形度も大きくなり、M値が10
以上になると使用環境での上限値とされる温度で一部溶
解し始める。そのため、M値は10以下にすることが必
要である。
【0035】また、実施例1と2より劣化比60%を目
安にすると、M値が2以上のものが良好な熱的安定性を
示している。実施例3 表5には実施例3として、表1における素地系3(試料
No. 12)を基にした系の特性を示す。
【0036】この素地系は非常に低熱膨張で、酸溶液処
理によって熱収縮素地となる。この素地系でも実施例1
および2と同様にM値を大きくすることにより劣化率を
改善できる。また、M値が2以上のもので良好な熱的安
定性を示している。以上のように、M値を2〜10とす
ることで、どの素地系においても従来素地に比べて酸溶
液処理効果が1200℃以上の高温においても維持で
き、良好な熱的安定性を示した。比較例 表6には、比較例として表1における素地系3(試料N
o. 12)を基にした系に鉄分を別途添加した素地系の
特性を示す。
【0037】表6に示されるように、鉄分を別途添加す
ることによっても鉄分含有コージェライトセラミックフ
ィルタを作製することができる。しかし、試料No. 1
6、20、および21を、同様のM値をもち鉄源がタル
ク原料である試料No. 13、9、および10と比較する
と劣化率は高くなっている。一方、この場合もM値が1
0を超えると高温において形状を保てなくなり使用に堪
えない。
【0038】このように、鉄分を別途添加した場合に
は、M値が2〜10で使用可能であり、高温においても
酸溶液処理効果を維持する効果は認められるが、その効
果は鉄源をタルクとした場合に比べて小さい。以上のよ
うに、本発明においては、M値を2〜10にすることに
よりフィルタの使用環境においても酸溶液処理による耐
熱衝撃性の改善効果を保つ素地を得ることができるが、
鉄源としてはタルク中の鉄分を使用するのが好ましい。
【0039】なお、本発明はフィルタに適用した実施例
について述べたが、本発明を適用する対象はフィルタに
限らず、触媒担体、熱交換媒体などのハニカムセラミッ
クスにも適用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】上記本発明のコージェライトハニカムセラ
ミックスは、コージェライト化原料であるタルク、アル
ミナ、シリカなどに成形助剤および界面活性剤を加えて
バッチとしハニカム形状に押出成形した後、乾燥し、1
350〜1450℃にて焼成して製造し、上記タルク中
の化学組成は、鉄分をFe2O3換算として、[Fe2O3
重量%/(MgO重量%+Fe2O3重量%)]×100
の値(M値)が2〜10である。焼成温度が1350℃
未満では、コージェライト相が生成せず、1450℃を
越えるとコージェライト相が溶融する。コージェライト
化原料として、上記の範囲内で鉄分を導入することによ
り、酸溶液中に浸漬させた後高温下で使用しても熱膨張
係数を低いまま保つことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 21/16 ZAB A 32/00 35/04 301 N P C04B 38/00 303 Z 41/91 B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶相の主成分がコージェライト相から
    なり、その化学組成において、鉄分をFe2 O3 換算と
    して、[Fe2 O3 重量%/(MgO重量%+Fe2 O
    3 重量%)]×100の値が2〜10であり、その流路
    方向の熱膨張係数が40〜800℃で0.5×10-6/
    ℃以下であることを特徴とするコージェライトハニカム
    セラミックス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコージェライトハニカム
    セラミックスの化学組成において、鉄分をFe2 O3 換
    算として、[Fe2 O3 重量%/(MgO重量%+Fe
    2 O3 重量%)]×100の値が3〜7であることを特
    徴とするコージェライトハニカムセラミックス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のコージェライトハニカム
    セラミックスにおいて、その気孔率が45%以上であ
    り、その流路方向の熱膨張係数が40〜800℃で0.
    3×10-6/℃以下であることを特徴とするコージェラ
    イトハニカムセラミックス。
  4. 【請求項4】 コージェライト化原料であるタルク、ア
    ルミナ、シリカなどに成形助剤および界面活性剤を加え
    てバッチとしハニカム形状に押出成形した後、乾燥し、
    1350〜1450℃にて焼成した構造体であり、上記
    タルク中の化学組成は、[Fe2 O3 重量%/(MgO
    重量%+Fe2 O3 重量%)]×100の値が1〜10
    であることを特徴とするコージェライトハニカムセラミ
    ックスの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のタルクの化学組成におい
    て、鉄分をFe2 O 3 換算として、[Fe2 O3 重量%
    /(MgO重量%+Fe2 O3 重量%)]×100の値
    が3〜7であることを特徴とするコージェライトハニカ
    ムセラミックスの製造方法。
  6. 【請求項6】 結晶相の主成分がコージェライト相から
    なり、その化学成分において、鉄分をFe2 O3 換算と
    して、[Fe2 O3 重量%/(MgO重量%+Fe2 O
    3 重量%)]×100の値が2〜10であるコージェラ
    イトハニカムセラミックスにおいて、その構造体を酸溶
    液中に浸漬させることを特徴とするコージェライトハニ
    カムセラミックスの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のコージェライトハニカム
    セラミックスにおいてその構造体の酸溶液処理後の重量
    減少率が0.5〜2.0%の範囲であることを特徴とす
    るコージェライトハニカムセラミックスの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の酸溶液において、硝酸溶
    液を使用することを特徴とするコージェライトハニカム
    セラミックスの製造方法。
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