JPH07247248A - cis−2−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体および光学活性体、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

cis−2−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体および光学活性体、ならびにそれらの製造方法

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JPH07247248A
JPH07247248A JP6040174A JP4017494A JPH07247248A JP H07247248 A JPH07247248 A JP H07247248A JP 6040174 A JP6040174 A JP 6040174A JP 4017494 A JP4017494 A JP 4017494A JP H07247248 A JPH07247248 A JP H07247248A
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acenaphthenol
cis
amino
racemic
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和彦 西郷
Yukihiko Hashimoto
幸彦 橋本
Atsushi Sudo
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 cis−2−アミノ−1−アセナフテノールの
ラセミ体および光学活性体と、その工業的に実施できる
製造方法を提供する。 【構成】 アセナフチレンを原料とし、四酸化オスミウ
ム触媒による cis−ヒドロキシアミノ化を行なうか、ま
たはtrans−ブロモヒドリンを経由してcis−アジドアル
コールとし、貴金属触媒を用いた水素還元により、 cis
−2−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体を製造
する。 アミノ基をt−ブトキシカルボニルで保護した
ものに光学活性な2−フェニルプロピオン酸クロリドを
分割剤として作用させ、ジアステレオマー法により光学
活性体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、cis−2−アミノ−1
−アセナフテノールのラセミ体および光学活性体、なら
びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化学における不斉合成の進歩に伴
い、さまざまな不斉源の開発と利用が行なわれて来た。
不斉源は一般に天然に存在する化合物に求めることが
多いが、それでは両対掌体の入手が困難であったり、所
望の不斉反応の場を構築する上で制約があったりする。
人工の不斉源を使用することは、その有力な解決策で
あり、光学分割の手法の発達と相まって、益々発展する
ことが期待される。
【0003】天然物由来の不斉源としては、これまでア
ミノアルコール類が盛んに用いられて来た。 中でもカ
ンファーから誘導されるアミノアルコール類は、その骨
格が堅固であるという利点を生かして、さまざまな不斉
合成反応に利用されている。このことはまた、縮環系に
よる官能基のコンホメーション固定により、不斉誘導の
発現における遷移状態の予測と、さらに反応系のデザイ
ンが容易であることに起因している。
【0004】一方、人工の不斉源としてこのような構造
上の特徴をもつ化合物は、これまでに存在しない。 し
かし、下記の式(I)であらわされる cis−2−アミノ
−1−アセナフテノールはナフタレンの堅固な骨格をも
ち、人工の不斉源として有用である。
【0005】
【化1】
【0006】2−アミノ−1−アセナフテノールの合成
に関しては、アセナフテン−1−オンを出発原料として
これに亜硝酸アミルを作用させてオキシムとし、酸化白
金触媒の存在下に水素で部分還元して2−アミノ−アセ
ナフテン−1−オンとしたのち、ナトリウムで還元して
2−アミノ−1−ナフテノールとする方法が知られてい
る。〔A. Gold et al, Tetrahedron Lett.30, 3251-4
(1989)〕 この方法は trans体を与え、cis体を与えない。 cis体
の製造に関しては、上記の2−アミノ−アセナフテン−
1−オンに対してより強力に水素還元をすることによっ
て可能であると同報告にあるが発明者らが、追試したと
ころ生成物はtrans体が混ったものであって、純粋なcis
体は得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、純粋
な cis−2−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体
を提供すること、工業的な実施が可能なその製造方法を
提供すること、そしてこのラセミ体を光学分割した光学
活性な cis−2−アミノ−1−アセナフテノールとその
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のラセミ−cis−
2−アミノ−1−アセナフテノールを製造するひとつの
方法は、下記の諸工程からなる。
【0009】A)アセナフチレンに対し、触媒量の四酸
化オスミウムの存在下、N−ハロ−N−アルカリ金属カ
ルバミン酸アルキルおよび硝酸銀を作用させてcis−2
−(アルコキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテノ
ールを得る工程、および B)上で得たアミノアルコールをトリフルオロ酢酸によ
り脱アルコキシカルボニルすることによりラセミ−cis
−2−アミノ−1−アセナフテノールを得る工程。
【0010】反応スキームは下記のとおりである。
【0011】
【化2】
【0012】本発明のラセミ−cis−2−アミノ−1−
アセナフテノールを製造するいまひとつの方法は、下記
の諸工程からなる。
【0013】a)アセナフチレンに対し、N−ハロコハ
ク酸イミドと水とを作用させてtrans−2−ハロ−1−
アセナフテノール(ハロヒドリン)を得る工程、 b)工程aで得たハロヒドリンをアジ化アルカリ金属に
よりcis−2−アジド−1−アセナフテノール(アジド
アルコール)とする工程、および c)工程bで得たアジドアルコールを触媒の存在下に水
素で還元することによりラセミ−cis−2−アミノ−1
−アセナフテノールを得る工程。
【0014】この方法の反応スキームは、つぎのように
なる。
【0015】
【化3】
【0016】製造したラセミ−cis −2−アミノ−1−
アセナフテノールは、下記のようにケイ皮酸塩の形にし
て再結晶することが好ましい。 この化合物は空気中で
は少し不安定なので、アミノ基部分をケイ皮酸塩として
保護する。
【0017】
【化4】
【0018】本発明のcis−2−アミノ−1−アセナフ
テノールの光学活性体の製造方法は、下記の諸工程から
なる。
【0019】i)前記のラセミ−cis−2−アミノ−1
−アセナフテノールの第一の製造方法の工程Aにより製
造したラセミ−cis−2−(アルコキシカルボニルアミ
ノ)−1−アセナフテノールに(+)−(S)−または
(−)−(R)−2−フェニルプロピオン酸ハライドを
作用させて、cis−2−(アルコキシカルボニルアミ
ノ)−1−アセナフテノール・(SまたはR)−2−フ
ェニルプロピオネートのジアステレオエステル対に誘導
する工程、 ii)生成したジアステレオマー混合物を再結晶すること
により、難溶性のジアステレオマー(1S,2R)・
(R)または(1R,2S)・(R)を取得する工程、 iii)再結晶残液を濃縮して易溶性のジアステレオマー
(1S,2R)・(R)または(1S,2R)・(R)を
取得する工程、 iv)工程ii)およびiii)で得たジアステレオマーをアル
カリ条件下に加水分解して、光学活性な cis−2−(ア
ルコキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテノールを
得る工程、および v)工程iv)で得た光学活性な cis−2−(アルコキシ
カルボニルアミノ)−1−アセナフテノールをトリフル
オロ酢酸により脱アルコキシカルボニルすることによ
り、光学活性なcis−2−アミノ−1−アセナフテノー
ルを得る工程。
【0020】この方法の反応スキームは、つぎのとおり
である。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】上記の方法により製造した光学活性な cis
−2−アミノ−1−アセナフテノールを精製するに当っ
ても、これをケイ皮酸塩の形にして再結晶することが好
ましい。
【0024】上記の諸工程に使用する媒体は、行なう反
応により適切なものを選択する。反応条件も同様であっ
て、一般に常圧下、室温で数時間といった穏和な実施し
やすい条件で進行する。 必要により若干の加温または
冷却をすべきことはいうまでもない。
【0025】
【実施例】 [実施例1] (工程A) ラセミ−cis−(N−ブトキシカルボニルア
ミノ)アルコール〔±−2〕の合成 500mlナスフラスコにN−クロロ−N−ソジオカルバ
ミン酸tert−ブチル4.09g(23.6mmol)と硝酸銀
8.03g(47.2mmol)を入れ、アセトニトリル200m
lを加えて室温で5分間撹拌した。 液は薄い黄白色と
なった。 そこへアセナフチレン2.34g(15.7mmo
l)を加え、さらに室温で5分間撹拌した。この液に四酸
化オスミウム水溶液(2.7重量%)を4.15g
(0.66mmol)加え、室温で20時間撹拌して反応させ
た。
【0026】反応液に亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液を
30ml加え、さらに室温で12時間撹拌した。 酢酸エ
チル100mlずつ3回の抽出を行ない、有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。
【0027】濾過ののち減圧下に溶媒を留去し、ショー
トカラムを通して原点成分を除去した後、ヘキサン:ベ
ンゼン=1:1(容量比)の混合溶媒200mlから再結
晶を行なって、標題化合物1.96g(6.78mmol)
を得た。 収率44%。
【0028】この化合物ラセミ−cis−(N−ブトキシカ
ルボニルアミノ)アルコール〔(±)−2〕の物性および
分析値はつぎのとおり: m.p.156.7〜157.5℃1 H−NMR(270MHz,CDCl3) 7.79〜7.47(6H,m,aromatic) 5.60(1H,dd,J=5.9,6.1,CN) 5.50(1H,dd,J=5.9,7.9,C
H) 5.24(1H,broad,CN) 2.56(1H,broad,O) 1.51(9H,s,(CH33C−) IR(KBr,cm-1) 3430,3370,2990,2880,1695,
1520,1330,1180,1170,785 元素分析(C1719NO3) 分析値 C71.52 H6.74 N5.00 計算値 71.56 6.71 4.91 Rf値 0.13(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)。
【0029】(工程B) ラセミ−cis−2−アミノ−
1−アセナフテノール〔(±)−1〕の取得およびケイ皮
酸塩としての精製 200mlナスフラスコに、工程Aで得たラセミ−cis−
(N−ブトキシカルボニルアミノ)アルコール〔(±)
−2〕1.95g(6.83mmol)をジクロロメタン溶
液50mlに溶解した溶液を入れ、0℃に冷やして、トリ
フルオロ酢酸50mlを加えた。 0℃で2時間撹拌して
t−ブトキシカルボニル基を離脱させたのち、3N−K
OH水溶液を加えてpHを10以上にし、ジクロロメタ
ン50ml×3回の抽出を行なった。
【0030】溶媒を減圧下に留去して、ラセミ−cis −
2−アミノ−1−アセナフテノール〔(±)−1〕1.
01g(5.45mmol)を得た。 収率85%。 この
アミノアルコールをケイ皮酸塩〔(±)−3〕とし、酢
酸エチルから再結晶を行なうことにより精製して、物性
値を測定した。
【0031】
【化7】
【0032】[実施例2] (工程a) ブロモヒドリンの生成 アルゴン置換した100ml二口ナスフラスコにアセナフ
チレン1.00g(6.57mmol)を入れ、ジメチルスル
ホキシド20mlおよび水0.24ml(11.3mmol)を
加えた。 0℃に冷却してN−ブロモコハク酸イミド
2.34g(13.4mmol)を一度に加えた。 冷却バ
スを外したところ、発熱により温度が約60℃まで上っ
た。 20分間撹拌した後、反応溶液を氷水200ml中
に注ぎ、エーテルを100mlずつ用いて2回抽出した。
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過したのち減圧
下に濃縮し、乾燥して粗ブロモヒドリン1.00g
(4.01mmol)を得た。 収率61%。
【0033】(工程b) アジドアルコールの生成 100mlナスフラスコに上記の粗ブロモヒドリンをジメ
チルスルホキシド50mlに溶解した溶液を入れ、そこへ
アジ化ナトリウム1.3g(20mmol)を加えた。 7
0℃において30分間撹拌した後、反応溶液を氷水30
0mlに加え、エーテル各100mlで3回抽出を行なっ
た。 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧
下に濃縮し、粗アジドアルコール670mg(3.17mmo
l)を得た。収率79%。
【0034】(工程c) ラセミ−cis−2−アミノ−
1−アセナフテノールの取得およびケイ皮酸塩としての
精製 100ml二口ナスフラスコに、上記の粗アジドアルコー
ルをエタノール50mlに溶解した溶液を入れ、そこへ触
媒としてパラジウム炭素1.2gを加えた。系内を水素
雰囲気にし、室温で12時間撹拌した。 濾過ののち減
圧下に濃縮し、ラセミ−cis−2−アミノ−1−アセナ
フテノール〔(±)−1〕500mg(2.70mmol)を得
た。 収率85%。 これも実施例1と同様にケイ皮酸
塩とし、酢酸エチル20mlから再結晶化することにより
精製した。
【0035】(化合物(±)−3) IR(KBr,cm-1) 3450,3050,1640,1562,1550,
1390,780,720,690 m.p.158.7〜159.2℃ 元素分析 C2119NO3 分析値 C75.57% H5.76% N4.18% 計算値 75.66 5.74 4.20 [実施例3] (工程i) ジアステレオマーエステル対〔4+5〕の
合成 乾燥しアルゴン置換した200ml二口ナスフラスコに、
上記のようにして製造したラセミ−cis−(N−ブトキシ
カルボニルアミノ)アルコール〔(±)−2〕1.72
g(6.03mmol)をジクロロメタン80mlに溶解した
溶液を入れ、ピリジン塩基1mlを加えた。 0℃におい
て、(+)−(S)−フェニルプロピオン酸クロリド
1.18g(7.0mmol)をジクロロメタン20mlに溶
解した溶液を5分間かけて滴下し、その後室温で1時間
乾燥した。 炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を20ml
加え、ジクロロメタン20mlで3回抽出した。 有機層
を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過ののち減圧下に濃縮
し、カラムクロマトグラフィーにより精製した。(カラ
ムはシリカゲルC200,φ3cm×15cm,溶離液はヘ
キサン:酢酸エチル=10:1の混合溶剤) ジアステ
レオマーエステル混合物(4+5)2.41g(6.0
2mmol)を得た。 収率100%。
【0036】(工程ii) 難溶性ジアステレオマーの分
離 上記のジアステレオマー混合物764mgをエタノール
7.5mlから4回再結晶し、難溶性ジアステレオマーエ
ステル(4)を198mg分離した。 収率26%。光学純
度99.3%d.e.。
【0037】(化合物4)1 H−NMR(270MHz,CDCl3) 7.80〜7.20(11H,m,aromatic) 6.61(1H,d,J=7.6,CN) 5.82(1H,dd,J=7.6,9.5,NC) 4.97(1H,d,J=9.5,OC) 3.77(1H,d,J=5.5,OCOCPh) 1.53(3H,d,J=5.5,C 3CCO2) 1.50(9H,s,(C 33C−) IR(KBr,cm-1) 3450,3360,2980,1730,1695,
1510,1245,1150,770,695 m.p.163.5〜163.8℃ 〔α〕D 23.0 −107.7(CHCl3,c=1.5
0) 元素分析 C2627NO4 分析値 C74.91% H6.60% N3.45% 計算値 74.80 6.52 3.35 HPLC 保持時間 10.00min(ヘキサン:酢酸エチル=10:1,メル
ク社製Licrosphere使用)。
【0038】(工程iii) 易溶性ジアステレオマーの取
得 工程iiの再結晶残液を減圧下に濃縮し、カラムクロマト
グラフィー(シリカゲルC300,φ3cm×50cm,ヘ
キサン:酢酸エチル=30:1)により、易溶性ジアス
テレオマーエステル(5)215mg(収率28%,光学
純度99.8%d.e.)およびジアステレオマー混合物2
89mg(収率38%)を得た。 ジアステレオ比はHP
LCにより決定した。
【0039】(化合物5)1 H−NMR(270MHz ,CDCl) 7.82〜7.22(11H,m,aromatic) 6.59(1H,d,J=7.6,N) 5.81(1H,dd,J=7.6,8.4 CN) 4.81(1H,d,J=8.4 COH) 3.68(1H,δ,J=5.9 OCOCPh) 1.51(3H,d,J=5.9 C 3CCO2) 1.48(9H,s,(CH33C−) IR(KBr,cm-1) 3450,3360,2980,1732,1695,
1520,1250,1180,780,700 m.p.122.7〜123.3℃ 〔α〕D 21.2 +89.9(CHCl3,c=1.50) 元素分析 C2627NO4 分析値 C74.84% H6.53% N3.60% 計算値 74.80 6.52 3.35。
【0040】HPLC 保持時間 8.5min(ヘキサン:酢酸エチル=10:1,メルク
社製) (工程iv) 光学活性な cis−2−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)−1−アセナフテノール〔(+)−2〕
の生成 20mlナスフラスコに上記の難溶性ジアステレオマー
〔4〕375.5mg(0.899mmol)をテトラヒドロフ
ラン4mlに溶解した溶液を入れ、そこへメタノールおよ
び炭酸カリウム飽和水溶液4mlを加えた。 2時間撹拌
したのち、2N−HClを加えてpHを2〜3とし、ジ
クロロメタン10mlずつ3回の抽出を行なった。 有機
層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過ののち減圧下に溶媒
を留去して得た濃縮液を、エーテル20mlに溶解した。
【0041】この溶液をジアゾメタン専用の50mlナス
フラスコに移し、過剰量のジアゾメタンを含むエーテル
溶液を加えた。 次に酢酸を加えて過剰のジアゾメタン
を分解したのち溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィ
ーによる分離を行なった。化合物(+)−2を251.
8mg(0.882mmol)、収率99%で得るとともに、
光学分割剤として用いたフェニルプロピオン酸をメチル
エステルとして123.6mg(0.753mmol)、回収
率84%、光学純度77.9%e.e.(使用したカラムは
「ダイセルキラルセルOJ」、溶離液はヘキサン:2−
プロパノール=9:1の混合溶媒、保持時間は(+)体
が9.00min、(−)体が10.84minであった。)で回
収した。
【0042】上記と同様の操作により、易溶性ジアステ
レオマー(5)から、化合物(−)−2を94%の収率
で得た。
【0043】(化合物(+)−2) 〔α〕D 23.8 +12.3°(CHCl3,c=1.5
5) m.p. 167.0〜167.5℃ (化合物(−)−2) 〔α〕D 20.8 −12.3°(CHCl3,c=1.5
0) m.p. 167.0〜167.5℃。
【0044】(工程v) 光学活性な cis−2−アミノ
−1−アセナフテノール〔1〕の取得 10mlナスフラスコに、上記の工程(iv)で得た化合物
(+)−2の116.3mg(0.408mmol)をジクロロ
メタン5mlに溶解した溶液を入れ、0℃に冷却してトリ
フルオロ酢酸5mlを加えて加水分解を行なった。 2時
間撹拌したのち、3N−KOH水溶液を加えてpHを1
0以上にし、ジクロロメタン30mlで3回の抽出を行な
った。 化合物(−)−1を75.5mg(0.408mm
ol)、収率100%で得た。 これをケイ皮酸塩すなわ
ち化合物(+)−3の形に変え、酢酸エチル20mlから
再結晶することにより精製し、物性値を測定した。
【0045】同様の操作により、化合物(−)−2から
化合物(+)−1を、93%の収率で得た。 この場合
も、ケイ皮酸塩すなわち(−)−3の形で精製し、物性
値を測定した。
【0046】(化合物(+)−3) 〔α〕D 23.0 +7.4°(MeOH,c=1.00) m.p.165.8〜166.3℃(空気中では16
3.5℃で分解) その他は(±)−3と同じ (化合物(−)−3) 〔α〕D 23.0 +7.4°(MeOH,c=1.00) その他は(±)−3および(+)−3と同じ。
【0047】〔光学活性体1の光学純度の検定〕10ml
ナスフラスコに(−)−1を70.5mg(0.381mm
ol)、無水酢酸0.5mlおよびピリジン1mlを入れ、室
温で一夜放置したのち、減圧下に濃縮した。 分取用薄
層クロマトグラフィーにより精製して、N,O−ジアセ
チル誘導体(6)102.3mg(0.380mmol,収率
100%)を得た。 光学活性カラムを用いて光学純度
の検定を行なったところ、99.3%d.e.の結果を得
た。使用カラムは「ダイセルキラルセルOD」、溶離剤
はヘキサン:2−プロパノール=9:1、保持時間4
5.71min。
【0048】同様にして、(+)−1からN,O−ジアセ
チル誘導体を収率100%で得た。上記と同じ条件でそ
の光学純度を検定したところ(持続時間は26.98mi
n)、99.8%d.e.であった。
【0049】
【発明の効果】本発明により、はじめて純粋な cis−2
−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体が提供され
るとともに、その光学活性体が提供された。 光学活性
体は、不斉合成反応の不斉源として有用である。 本発
明の製造方法は、上記化合物のラセミ体および光学活性
体の工業的な生産を可能にした。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 cis−2−アミノ−1−アセナフテ
ノールのラセミ体および光学活性体、ならびにそれらの
製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、cis−2−アミノ−1
−アセナフテノールのラセミ体および光学活性体、なら
びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化学における不斉合成の進歩に伴
い、さまざまな不斉源の開発と利用が行なわれて来た。
不斉源は一般に天然に存在する化合物に求めることが
多いが、それでは両対掌体の入手が困難であったり、所
望の不斉反応の場を構築する上で制約があったりする。
人工の不斉源を使用することは、その有力な解決策で
あり、光学分割の手法の発達と相まって、益々発展する
ことが期待される。
【0003】天然物由来の不斉源としては、これまでア
ミノアルコール類が盛んに用いられて来た。 中でもカ
ンファーから誘導されるアミノアルコール類は、その骨
格が堅固であるという利点を生かして、さまざまな不斉
合成反応に利用されている。このことはまた、縮環系に
よる官能基のコンホメーション固定により、不斉誘導の
発現における遷移状態の予測と、さらに反応系のデザイ
ンが容易であることに起因している。
【0004】一方、人工の不斉源としてこのような構造
上の特徴をもつ化合物は、これまでに存在しない。 し
かし、下記の式(I)であらわされる cis−2−アミノ
−1−アセナフテノールはナフタレンの堅固な骨格をも
ち、人工の不斉源として有用である。
【0005】
【化1】
【0006】2−アミノ−1−アセナフテノールの合成
に関しては、アセナフテン−1−オンを出発原料として
これに亜硝酸アミルを作用させてオキシムとし、酸化白
金触媒の存在下に水素で部分還元して2−アミノ−アセ
ナフテン−1−オンとしたのち、水素化ホウ素ナトリウ
ムで還元して2−アミノ−1−ナフテノールとする方法
が知られている。〔A. Gold et al, Tetrahedron Lett.
30, 3251-4 (1989)〕この方法は trans体を与え、cis体
を与えない。 cis体の製造に関しては、上記の2−ア
ミノ−アセナフテン−1−オンに対してより強力に水素
還元をすることによって可能であると同報告にあるが発
明者らが、追試したところ生成物はtrans体が混ったも
のであって、純粋なcis体は得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、純粋
な cis−2−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体
を提供すること、工業的な実施が可能なその製造方法を
提供すること、そしてこのラセミ体を光学分割した光学
活性な cis−2−アミノ−1−アセナフテノールとその
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のラセミ−cis−
2−アミノ−1−アセナフテノールを製造するひとつの
方法は、下記の諸工程からなる。
【0009】A)アセナフチレンに対し、触媒量の四酸
化オスミウムの存在下、N−ハロ−N−アルカリ金属カ
ルバミン酸アルキルおよび硝酸銀を作用させてcis−2
−(アルコキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテノ
ールを得る工程、および B)上で得たアミノアルコールをトリフルオロ酢酸によ
り脱アルコキシカルボニルすることによりラセミ−cis
−2−アミノ−1−アセナフテノールを得る工程。
【0010】反応スキームは下記のとおりである。
【0011】
【化2】
【0012】本発明のラセミ−cis−2−アミノ−1−
アセナフテノールを製造するいまひとつの方法は、下記
の諸工程からなる。
【0013】a)アセナフチレンに対し、N−ハロコハ
ク酸イミドと水とを作用させてtrans−2−ハロ−1−
アセナフテノール(ハロヒドリン)を得る工程、 b)工程aで得たハロヒドリンをアジ化アルカリ金属に
よりcis−2−アジド−1−アセナフテノール(アジド
アルコール)とする工程、および c)工程bで得たアジドアルコールを触媒の存在下に水
素で還元することによりラセミ−cis−2−アミノ−1
−アセナフテノールを得る工程。
【0014】この方法の反応スキームは、つぎのように
なる。
【0015】
【化3】
【0016】製造したラセミ−cis −2−アミノ−1−
アセナフテノールは、下記のようにケイ皮酸塩の形にし
て再結晶することが好ましい。 この化合物は空気中で
は少し不安定なので、アミノ基部分をケイ皮酸塩として
保護する。
【0017】
【化4】
【0018】本発明のcis−2−アミノ−1−アセナフ
テノールの光学活性体の製造方法は、下記の諸工程から
なる。
【0019】i)前記のラセミ−cis−2−アミノ−1
−アセナフテノールの第一の製造方法の工程Aにより製
造したラセミ−cis−2−(アルコキシカルボニルアミ
ノ)−1−アセナフテノールに(+)−(S)−または
(−)−(R)−2−フェニルプロピオン酸ハライドを
作用させて、cis−2−(アルコキシカルボニルアミ
ノ)−1−アセナフテノール・(SまたはR)−2−フ
ェニルプロピオネートのジアステレオエステル対に誘導
する工程、 ii)生成したジアステレオマー混合物を再結晶すること
により、難溶性のジアステレオマー(1S,2R)・
(R)または(1R,2S)・(R)を取得する工程、 iii)再結晶残液を濃縮して易溶性のジアステレオマー
(1S,2R)・(R)または(1S,2R)・(R)を
取得する工程、 iv)工程ii)およびiii)で得たジアステレオマーをアル
カリ条件下に加水分解して、光学活性な cis−2−(ア
ルコキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテノールを
得る工程、および v)工程iv)で得た光学活性な cis−2−(アルコキシ
カルボニルアミノ)−1−アセナフテノールをトリフル
オロ酢酸により脱アルコキシカルボニルすることによ
り、光学活性なcis−2−アミノ−1−アセナフテノー
ルを得る工程。
【0020】この方法の反応スキームは、つぎのとおり
である。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】上記の方法により製造した光学活性な cis
−2−アミノ−1−アセナフテノールを精製するに当っ
ても、これをケイ皮酸塩の形にして再結晶することが好
ましい。
【0024】上記の諸工程に使用する媒体は、行なう反
応により適切なものを選択する。反応条件も同様であっ
て、一般に常圧下、室温で数時間といった穏和な実施し
やすい条件で進行する。 必要により若干の加温または
冷却をすべきことはいうまでもない。
【0025】
【実施例】 [実施例1] (工程A) ラセミ−cis−(N−ブトキシカルボニルア
ミノ)アルコール〔±−2〕の合成 500mlナスフラスコにN−クロロ−N−ソジオカルバ
ミン酸tert−ブチル4.09g(23.6mmol)と硝酸銀
8.03g(47.2mmol)を入れ、アセトニトリル200m
lを加えて室温で5分間撹拌した。 液は薄い黄白色と
なった。 そこへアセナフチレン2.34g(15.7mmo
l)を加え、さらに室温で5分間撹拌した。この液に四酸
化オスミウム水溶液(2.7重量%)を4.15g
(0.66mmol)加え、室温で20時間撹拌して反応させ
た。
【0026】反応液に亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液を
30ml加え、さらに室温で12時間撹拌した。 酢酸エ
チル100mlずつ3回の抽出を行ない、有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。
【0027】濾過ののち減圧下に溶媒を留去し、ショー
トカラムを通して原点成分を除去した後、ヘキサン:ベ
ンゼン=1:1(容量比)の混合溶媒200mlから再結
晶を行なって、標題化合物1.96g(6.78mmol)
を得た。 収率44%。
【0028】この化合物ラセミ−cis−(N−ブトキシカ
ルボニルアミノ)アルコール〔(±)−2〕の物性および
分析値はつぎのとおり: m.p.156.7〜157.5℃1 H−NMR(270MHz,CDCl3) 7.79〜7.47(6H,m,aromatic) 5.60(1H,dd,J=5.9,6.1,CN) 5.50(1H,dd,J=5.9,7.9,C
H) 5.24(1H,broad,CN) 2.56(1H,broad,O) 1.51(9H,s,(CH33C−) IR(KBr,cm-1) 3430,3370,2990,2880,1695,
1520,1330,1180,1170,785 元素分析(C1719NO3) 分析値 C71.52 H6.74 N5.00 計算値 71.56 6.71 4.91 Rf値 0.13(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)。
【0029】(工程B) ラセミ−cis−2−アミノ−
1−アセナフテノール〔(±)−1〕の取得およびケイ皮
酸塩としての精製 200mlナスフラスコに、工程Aで得たラセミ−cis−
(N−ブトキシカルボニルアミノ)アルコール〔(±)
−2〕1.95g(6.83mmol)をジクロロメタン溶
液50mlに溶解した溶液を入れ、0℃に冷やして、トリ
フルオロ酢酸50mlを加えた。 0℃で2時間撹拌して
t−ブトキシカルボニル基を離脱させたのち、3N−K
OH水溶液を加えてpHを10以上にし、ジクロロメタ
ン50ml×3回の抽出を行なった。
【0030】溶媒を減圧下に留去して、ラセミ−cis −
2−アミノ−1−アセナフテノール〔(±)−1〕1.
01g(5.45mmol)を得た。 収率85%。 この
アミノアルコールをケイ皮酸塩〔(±)−3〕とし、酢
酸エチルから再結晶を行なうことにより精製して、物性
値を測定した。
【0031】[実施例2] (工程a) ブロモヒドリンの生成 アルゴン置換した100ml二口ナスフラスコにアセナフ
チレン1.00g(6.57mmol)を入れ、ジメチルスル
ホキシド20mlおよび水0.24ml(11.3mmol)を
加えた。 0℃に冷却してN−ブロモコハク酸イミド
2.34g(13.4mmol)を一度に加えた。 冷却バス
を外したところ、発熱により温度が約60℃まで上っ
た。 20分間撹拌した後、反応溶液を氷水200ml中
に注ぎ、エーテルを100mlずつ用いて2回抽出した。
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過したのち減圧
下に濃縮し、乾燥して粗ブロモヒドリン1.00g
(4.01mmol)を得た。 収率61%。
【0032】(工程b) アジドアルコールの生成 100mlナスフラスコに上記の粗ブロモヒドリンをジメ
チルスルホキシド50mlに溶解した溶液を入れ、そこへ
アジ化ナトリウム1.3g(20mmol)を加えた。 7
0℃において30分間撹拌した後、反応溶液を氷水30
0mlに加え、エーテル各100mlで3回抽出を行なっ
た。 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧
下に濃縮し、粗アジドアルコール670mg(3.17mmo
l)を得た。収率79%。
【0033】(工程c) ラセミ−cis−2−アミノ−
1−アセナフテノールの取得およびケイ皮酸塩としての
精製 100ml二口ナスフラスコに、上記の粗アジドアルコー
ルをエタノール50mlに溶解した溶液を入れ、そこへ触
媒としてパラジウム炭素1.2gを加えた。系内を水素
雰囲気にし、室温で12時間撹拌した。 濾過ののち減
圧下に濃縮し、ラセミ−cis−2−アミノ−1−アセナ
フテノール〔(±)−1〕500mg(2.70mmol)を得
た。 収率85%。 これも実施例1と同様にケイ皮酸
塩とし、酢酸エチル20mlから再結晶化することにより
精製した。
【0034】(化合物(±)−3) IR(KBr,cm-1) 3450,3050,1640,1562,1550,
1390,780,720,690 m.p.158.7〜159.2℃ 元素分析 C2119NO 分析値 C75.57% H5.76% N4.18% 計算値 75.66 5.74 4.20 [実施例3] (工程i) ジアステレオマーエステル対〔4+5〕の
合成 乾燥しアルゴン置換した200ml二口ナスフラスコ
に、上記のようにして製造したラセミ−cis−(N−ブト
キシカルボニルアミノ)アルコール〔(±)−2〕1.
72g(6.03mmol)をジクロロメタン80mlに溶解
した溶液を入れ、ピリジン1mlを加えた。 0℃におい
て、(+)−(S)−フェニルプロピオン酸クロリド1.1
8g(7.0mmol)をジクロロメタン20mlに溶解した
溶液を5分間かけて滴下し、その後室温で1時間乾燥し
た。 炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を20ml加え、
ジクロロメタン20mlで3回抽出した。 有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾過ののち減圧下に濃縮し、カラ
ムクロマトグラフィーにより精製した。(カラムはシリ
カゲルC200,φ3cm×15cm,溶離液はヘキサン:
酢酸エチル=10:1の混合溶剤) ジアステレオマー
エステル混合物(4+5)2.41g(6.02mmol)を
得た。 収率100%。
【0035】(工程ii) 難溶性ジアステレオマーの分
離 上記のジアステレオマー混合物764mgをエタノール
7.5mlから4回再結晶し、難溶性ジアステレオマーエ
ステル(4)を198mg分離した。 収率26%。光学純
度99.3%d.e.。
【0036】(化合物4)1 H−NMR(270MHz,CDCl3) 7.80〜7.20(11H,m,aromatic) 6.61(1H,d,J=7.6,CN) 5.82(1H,dd,J=7.6,9.5,NC) 4.97(1H,d,J=9.5,OC) 3.77(1H,d,J=5.5,OCOCPh) 1.53(3H,d,J=5.5,C 3CCO2) 1.50(9H,s,(C 33C−) IR(KBr,cm-1) 3450,3360,2980,1730,1695,
1510,1245,1150,770,695 m.p.163.5〜163.8℃ 〔α〕D 23.0 −107.7(CHCl3,c=1.5
0) 元素分析 C2627NO4 分析値 C74.91% H6.60% N3.45% 計算値 74.80 6.52 3.35 HPLC 保持時間 10.00min(ヘキサン:酢酸エチル=10:1,メル
ク社製Licrosphere使用)。
【0037】(工程iii) 易溶性ジアステレオマーの取
得 工程iiの再結晶残液を減圧下に濃縮し、カラムクロマト
グラフィー(シリカゲルC300,φ3cm×50cm,ヘ
キサン:酢酸エチル=30:1)により、易溶性ジアス
テレオマーエステル(5)215mg(収率28%,光学
純度99.8%d.e.)およびジアステレオマー混合物2
89mg(収率38%)を得た。 ジアステレオ比はHP
LCにより決定した。
【0038】(化合物5)1 H−NMR(270MHz ,CDCl) 7.82〜7.22(11H,m,aromatic) 6.59(1H,d,J=7.6,N) 5.81(1H,dd,J=7.6,8.4 CN) 4.81(1H,d,J=8.4 COH) 3.68(1H,δ,J=5.9 OCOCPh) 1.51(3H,d,J=5.9 C 3CCO2) 1.48(9H,s,(CH33C−) IR(KBr,cm-1) 3450,3360,2980,1732,1695,
1520,1250,1180,780,700 m.p.122.7〜123.3℃ 〔α〕D 21.2 +89.9(CHCl3,c=1.50) 元素分析 C2627NO4 分析値 C74.84% H6.53% N3.60% 計算値 74.80 6.52 3.35 HPLC 保持時間 8.5min(ヘキサン:酢酸エチル=10:1,メルク
社製)。
【0039】(工程iv) 光学活性な cis−2−(t−
ブトキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテノール
〔(+)−2〕の生成 20mlナスフラスコに上記の難溶性ジアステレオマー
〔4〕375.5mg(0.899mmol)をテトラヒドロフ
ラン4mlに溶解した溶液を入れ、そこへメタノールおよ
び炭酸カリウム飽和水溶液4mlを加えた。 2時間撹拌
したのち、2N−HClを加えてpHを2〜3とし、ジ
クロロメタン10mlずつ3回の抽出を行なった。 有機
層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過ののち減圧下に溶媒
を留去して得た濃縮液を、エーテル20mlに溶解した。
【0040】この溶液をジアゾメタン専用の50mlナス
フラスコに移し、過剰量のジアゾメタンを含むエーテル
溶液を加えた。 次に酢酸を加えて過剰のジアゾメタン
を分解したのち溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィ
ーによる分離を行なった。化合物(+)−2を251.
8mg(0.882mmol)、収率99%で得るとともに、
光学分割剤として用いたフェニルプロピオン酸をメチル
エステルとして123.6mg(0.753mmol)、回収
率84%、光学純度77.9%e.e.(使用したカラムは
「ダイセルキラルセルOJ」、溶離液はヘキサン:2−
プロパノール=9:1の混合溶媒、保持時間は(+)体
が9.00min、(−)体が10.84minであった。)で回
収した。
【0041】上記と同様の操作により、易溶性ジアステ
レオマー(5)から、化合物(−)−2を94%の収率
で得た。
【0042】(化合物(+)−2) 〔α〕D 23.8 +12.3°(CHCl3,c=1.5
5) m.p. 167.0〜167.5℃ (化合物(−)−2) 〔α〕D 20.8 −12.3°(CHCl3,c=1.5
0) m.p. 167.0〜167.5℃。
【0043】(工程v) 光学活性な cis−2−アミノ
−1−アセナフテノール〔1〕の取得 10mlナスフラスコに、上記の工程(iv)で得た化合物
(+)−2の116.3mg(0.408mmol)をジクロロ
メタン5mlに溶解した溶液を入れ、0℃に冷却してトリ
フルオロ酢酸5mlを加えて加水分解を行なった。 2時
間撹拌したのち、3N−KOH水溶液を加えてpHを1
0以上にし、ジクロロメタン30mlで3回の抽出を行な
った。 化合物(−)−1を75.5mg(0.408mm
ol)、収率100%で得た。 これをケイ皮酸塩すなわ
ち化合物(+)−3の形に変え、酢酸エチル20mlから
再結晶することにより精製し、物性値を測定した。
【0044】同様の操作により、化合物(−)−2から
化合物(+)−1を、93%の収率で得た。 この場合
も、ケイ皮酸塩すなわち(−)−3の形で精製し、物性
値を測定した。
【0045】(化合物(+)−3) 〔α〕D 23.0 +7.4°(MeOH,c=1.00) m.p.165.8〜166.3℃(空気中では16
3.5℃で分解) その他は(±)−3と同じ (化合物(−)−3) 〔α〕D 23.0 +7.4°(MeOH,c=1.00) その他は(±)−3および(+)−3と同じ。
【0046】〔光学活性体1の光学純度の検定〕10ml
ナスフラスコに(−)−1を70.5mg(0.381mm
ol)、無水酢酸0.5mlおよびピリジン1mlを入れ、室
温で一夜放置したのち、減圧下に濃縮した。 分取用薄
層クロマトグラフィーにより精製して、N,O−ジアセ
チル誘導体(6)102.3mg(0.380mmol,収率
100%)を得た。 光学活性カラムを用いて光学純度
の検定を行なったところ、99.3%d.e.の結果を得
た。使用カラムは「ダイセルキラルセルOD」、溶離剤
はヘキサン:2−プロパノール=9:1、保持時間4
5.71min。
【0047】同様にして、(+)−1からN,O−ジアセ
チル誘導体を収率100%で得た。上記と同じ条件でそ
の光学純度を検定したところ(持続時間は26.98mi
n)、99.8%d.e.であった。
【0048】
【化7】
【0049】
【発明の効果】本発明により、はじめて純粋な cis−2
−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体が提供され
るとともに、その光学活性体が提供された。 光学活性
体は、不斉合成反応の不斉源として有用である。 本発
明の製造方法は、上記化合物のラセミ体および光学活性
体の工業的な生産を可能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07M 7:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラセミ−cis−2−アミノ−1−アセナ
    フテノール。
  2. 【請求項2】 (+)−cis−2−アミノ−1−アセナ
    フテノール。
  3. 【請求項3】 (−)−cis−2−アミノ−1−アセナ
    フテノール。
  4. 【請求項4】 下記の諸工程からなるラセミ−cis−2
    −アミノ−1−アセナフテノールの製造方法: A)アセナフチレンに対し、触媒量の四酸化オスミウム
    の存在下、N−ハロ−N−アルカリ金属カルバミン酸ア
    ルキルおよび硝酸銀を作用させてcis−2−(アルコキシ
    カルボニルアミノ)−1−アセナフテノールを得る工
    程、および B)上で得たアミノアルコールをトリフルオロ酢酸によ
    り脱アルコキシカルボニルすることによりラセミ−cis
    −2−アミノ−1−アセナフテノールを得る工程。
  5. 【請求項5】 下記の諸工程からなるラセミ−cis−2
    −アミノ−1−アセナフテノールの製造方法: a)アセナフチレンに対し、N−ハロコハク酸イミドと
    水とを作用させてtrans−2−ハロ−1−アセナフテノ
    −ル(ハロヒドリン)を得る工程、 b)a)で得たハロヒドリンをアジ化アルカリ金属によ
    りcis−2−アジド−1−アセナフテノール(アジドア
    ルコール)とする工程、および c)b)で得たアジドアルコールを触媒の存在下に水素
    で還元することによりラセミ−cis−2−アミノ−1−
    アセナフテノールを得る工程。
  6. 【請求項6】 アプロティックな溶媒の中で反応を実施
    する請求項4または5の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5の製造方法により製造
    したラセミ−cis−2−アミノ−1−アセナフテノール
    をケイ皮酸塩の形にして再結晶することからなるラセミ
    −cis−2−アミノ−1−アセナフテノールの精製方
    法。
  8. 【請求項8】 下記の諸工程からなる cis−2−アミノ
    −1−アセナフテノールの光学活性体の製造方法: i)請求項4の工程A)により製造したラセミ−cis−
    2−(アルコキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテ
    ノールに(+)−S−または(−)−R−2−フェニル
    プロピオン酸ハライドを作用させて、 cis−2−(アル
    コキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテノール・
    (SまたはR)−2−フェニルプロピオネートのジアス
    テレオエステル対に誘導する工程、 ii)生成したジアステレオマー混合物を再結晶すること
    により、難溶性のジアステレオマー(1R,2S)・
    (S)または(1S,2R)・(R)を取得する工程、 iii)再結晶残液を濃縮して易溶性のジアステレオマー
    (1S,2R)・(S)または(1R,2S)・(R)を
    取得する工程、 iv)工程ii)およびiii)で得たジアステレオマーをアル
    カリ条件下に加水分解して、光学活性な cis−2−(ア
    ルコキシカルボニルアミノ)−1−アセナフテノールを
    得る工程、および v)工程iv)で得た光学活性な cis−2−(アルコキシ
    カルボニルアミノ)−1−アセナフテノールをトリフル
    オロ酢酸により脱アルコキシカルボニルすることによ
    り、光学活性なcis−2−アミノ−1−アセナフテノー
    ルを得る工程。
  9. 【請求項9】 請求項8の製造方法により製造した光学
    活性なcis−2−アミノ−1−アセナフテノールをケイ
    皮酸塩の形にして再結晶することからなる、光学活性な
    cis−2−アミノ−1−アセナフテノールの精製方法。
JP6040174A 1994-03-10 1994-03-10 cis−2−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体および光学活性体、ならびにそれらの製造方法 Pending JPH07247248A (ja)

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JPH07247248A true JPH07247248A (ja) 1995-09-26

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JP6040174A Pending JPH07247248A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 cis−2−アミノ−1−アセナフテノールのラセミ体および光学活性体、ならびにそれらの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013521225A (ja) * 2010-04-05 2013-06-10 重▲慶▼博▲騰製薬▼科技股▲フン▼有限公司 ロスバスタチンカルシウム中間生成物及びその調製方法

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