JPH0724748B2 - モノウレタン誘導体系分散剤及びそれを含有する分散液 - Google Patents

モノウレタン誘導体系分散剤及びそれを含有する分散液

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JPH0724748B2
JPH0724748B2 JP1251436A JP25143689A JPH0724748B2 JP H0724748 B2 JPH0724748 B2 JP H0724748B2 JP 1251436 A JP1251436 A JP 1251436A JP 25143689 A JP25143689 A JP 25143689A JP H0724748 B2 JPH0724748 B2 JP H0724748B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定の分散剤、及びそれを分散剤として含有す
る有機溶剤中に無機あるいは有機顔料のごとき微細粒子
を分散せしめた分散液に関するものである。
更に詳細には、本発明は優れた分散性と分散安定性を有
するモノウレタン誘導体系分散剤と該分散剤を無機顔
料、有機顔料、酸化チタン、磁性酸化鉄、メタル合金等
の微細粒子の分散剤、湿潤剤として用いると優れた分散
性と分散安定性を有する塗料、印刷インキ、磁性塗料等
が得られる、このような分散液に関するものである。
〔従来技術〕 一般に、塗料や印刷インキの様な色材組成物において、
高い着色力と優れた光沢、鮮映性を発揮することのでき
る顔料、あるいは磁性酸化鉄、メタル合金等を塗布して
なる磁気記録媒体で高記録密度化することのできる磁性
酸化鉄、メタル合金等はBET数の大きい微細粒子から成
っている。無機顔料、有機顔料、磁性酸化鉄、メタル合
金等を含む塗料、印刷インキ(以後分散液と省略する)
は、一般にこれら無機顔料、有機顔料、磁性酸化鉄、メ
タル合金等とその分散媒である樹脂成分(例えばアルキ
ッド樹脂、ポリエステルポリオール、アクリル樹脂、ア
クリルポリオール、エポキシ樹脂、塩ビ−酢ビ共重合
体、ニトロセルロース、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂)と有機溶剤(例えば、トルエン、メチルエチルケ
トン(以下MEKと略す)、等から成っている。顔料、特
に無機質の顔料成分は、本来有機化合物である分散媒と
親和性に乏しい。しかし、塗料等においては、上記顔料
成分をビヒクルに対する体積比率でほぼ50%に達するほ
ど多量に含有している。
このような分散液、例えば磁性塗料、導電性塗料、印刷
インキ等では容易に分散しないため流動性、貯蔵安定性
の優れた分散液を得ることが難しく製造工程上でトラブ
ルを発生したり、製品の性能に悪影響を及ぼしたりする
問題がある。
即ち、微細粒子を多量に含む分散液では、分散時に非流
動化ないし高粘度化を呈して撹拌、混合、送液等の取扱
いが困難になったり、貯蔵中に増粘し使用困難になった
りする。また塗膜光沢低下、経時変色等が発生する。こ
れは分散液内で分散媒の分散性が不足し顔料を一次粒子
まで分散できないか、分散安定性が不足し顔料の再凝集
によると考えられる。これらの問題を解決するため従来
種々の化合物の添加が提案されている。例えば、無機質
と有機化合物の双方の性質をもつ低分子化合物、また
は、親水性ブロックと親油性ブロックを有する低分子化
合物(塗料分野、インキ分野では分散剤、湿潤剤、界面
活性剤と言われる)を添加する方法である。分散剤、湿
潤剤として添加した低分子化合物は無機質的性質(親水
性)のサイドを無機質または、親水性である顔料の表面
に吸着させ、顔料表面を覆い有機質(親油性)サイドを
外にだすようにすることにより顔料と有機化合物である
分散媒の樹脂成分との親和性を高めることにより分散性
を高める手法が提案されている(特開昭54−34009、特
開昭54−37082、特開昭57−25251)。
一方、分散媒である樹脂成分の分子内に無機顔料と親和
力のある−COOH、−COOM′(M′はアルカリ金属)、−
SO3M′(M′はアルカリ金属)、−N−、−OP=O(O
M′)(M′はアルカリ金属)、OH基等の親水性極性
基を含有させた高分散性バインダーを用いることは例え
ば、特開昭5−41436、特開昭58−137133、特開昭62−2
02321、特開昭60−5416等で知られている。
また、高い顔料濃度の分散液である印刷インキ、磁気記
録媒体用塗料、導電性塗料等において、硬化性、高光
沢、肉持感、耐久性、耐摩耗性等に優れているボリウレ
タン樹脂が分散媒、いわゆるバインダーとして用いられ
ている(特開昭57−33433、特開昭56−68925)。
この分野に於て、従来は低分子化合物の分散剤、湿潤
剤、界面活性剤を用いられていたが、これまで提案され
ている低分子化合物の分散剤、湿潤剤等は、例えばレシ
チン、有機リン酸エステル系、高級脂肪酸、シリコーン
等であった。これらの分子構造から推定されるように分
散媒の一部として用いられるポリウレタン樹脂との親和
性が乏しく、温度等の環境変化や長時間の経時によって
塗膜からこれらの低分子化合物がブリードし、塗膜表面
に染みだし種々のトラブルの原因となっている。例え
ば、塗料、印刷インキでは経時色相、彩度の変化、塗面
の曇り、光沢低下、耐久性の低下、磁性塗料ではテープ
走行性不良、ジッター現象、S/Nの低下、導電性塗料で
は密着力の低下、導電性の低下等の問題があった。
一方、低分子分散剤を用いず分散媒である樹脂成分の分
子内に親水性極性基を含有させた高分散性バインダーを
用いる場合、高分子化合物でありかつ分散媒であるため
分散剤、湿潤剤の欠点である塗膜表面への染みだすこと
はないが逆に分子量が大きいため、分散性が不足し塗料
化する工程において顔料表面を吸着させ顔料を一次粒子
単位にまで分割させる過程である分散工程に時間がかか
ることと、高分子であるためレットダウン前の塗料が高
粘度となるなどの問題があった。
即ち、特に高い顔料濃度の分散液である印刷インキ、磁
性記録媒体、導電性塗料等において充分満足すべき性能
を持った分散剤を得るに至っていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者等は、印刷インキ、磁性塗料等を効果的に分散
する方法及び印刷インキ、磁性塗料等の高分散化につい
て鋭意検討したところ、従来分散剤として用いられてい
る低分子化合物の欠点である経時でのブリードが無く、
かつ分散効率に優れた特定のモノウレタン誘導体を見い
だし本発明に至った。
〔課題を解決するための手段〕
即ち本発明は、 一般式 Y−NHCO−[O−Ln−CO]m−R−(X)l 〔式中、mは1〜100、nは4〜8、lは1〜3を表
す。
Yは有機モノイソシアネートからイソシアネート基(NC
O)を除いた残基 Lnはn員環のラクトンモノマーを開環した構造からエス
テル基を除いた残基 Xは親水性極性基;−COOM、−SO3M′、−OSO3M′、−O
P=O(OM′)、−N−Z2(M:水素原子、アルカリ金
属 M′:アルカリ金属、Z:アルキル基) Rはラクトンモノマーに活性水素基を与える開始剤から
親水性極性基X及び水素原子を除いた残基を表す〕で示
されるモノウレタン誘導体である分散剤である。
本発明の化合物は、次式に示すような反応で得られる。
イ) COOM基含有モノウレタン化合物 モノハイドロオキシカルボン酸(及びその金属塩)(HO
−R−(COOH)l、及び、HO−R−(COOM)l)(l=
1〜3)または水(H2O)を開始剤とし、公知の触媒
(例えば、テトラブチルチタネート(以降TBTと略
す)、ジブチル錫オキサイド等のルイス酸系触媒)の存
在下に開始剤に対してmモルのラクトンモノマーを開環
重合させ、一端COOM基、他方末端OH基の低分子エステル
化合物を得る。ついで、末端のOH基と等量のモノイソシ
アネートを反応せしめてウレタン化し目的の化合物を得
る。
HO−R−COOM+Ln(mモル) →H−(O−Ln−CO)m−R−COOM H−(O−Ln−CO)m−R−COOM+Y−NCO →Y−NHCO−{O−Ln−CO}m−R−COOM H2O+Ln(mモル)→HO−Ln−COOH+Ln (m−1モル) →H−(O−Ln−CO)m-1−Ln−COOH H−(O−Ln−CO)m-1−Ln−COOM+Y−NCO →Y−NHCO−{O−Ln−CO}m-1−Ln−COOM ロ) −SO3M′基含有モノウレタン化合物 開始剤をHO−R−SO3M′として他は上記の方法で得られ
る。
HO−R−SO3M′+Ln →H−(O−Ln−CO)mR−SO3M′ H−(O−Ln−CO)mR−SO3M′+Y−NCO →Y−NHCO−{O−Ln−CO}m−R−SO3M′ ハ)−OSO3M′基含有モノウレタン化合物 開始剤をHO−R−OSO3M′として他は上記の方法で得ら
れる。
HO−R−OSO3M′+Ln →H−(O−Ln−CO)mR−OSO3M′ H−(O−Ln−CO)mR−OSO3M′+Y−NCO →Y−NHCO−{O−Ln−CO}m−R−OSO3M′ ニ) −OP=O(OM′)基含有モノウレタン化合物 開始剤をHO−R−OP=O(OM′)として他はハ)の方
法で得られる。
HO−R−OP=(O(OM′))+Ln →H−(O−Ln−CO)mR−OP=O(OM′) H−(O−Ln−CO)mR−OP=O(OM′)+Y−NCO →Y−NHCO−{O−Ln−CO}m−R−OP=O(OM′) ホ) −N−Z2基含有モノウレタン化合物 開始剤をHO−R−N−Z2として他は上記の方法で得られ
る。
HO−R−N−Z2+Ln→H−(O−Ln−CO)mR−N−Z2 H−(O−Ln−CO)mR−N−Z2+Y−NCO →Y−NHCO−{O−Ln−CO}m−R−N−Z2 本発明の各親水性極性基を含有するモノウレタン化合物
の製造について詳しく述べる。第一工程の各開始剤とラ
クトンモノマーとの反応に際しては、TBT、ジブチル錫
オキサイド等のルイス酸触媒の存在下に100〜200℃、好
ましくは150〜180℃で開始剤とラクトンモノマーのモル
比を1対2〜100、好ましくは1対3〜50とし、(窒素
ガス等の不活性気体存在下で)開環重合させると、開始
剤のOH基にラクトンモノマーが付加し、一端親水性極性
基、地方末端OH基の低分子エステル化合が得られる。開
始剤とラクトンモノマーのモル比mが100を越えると分
子量が大きく成りすぎ分散剤としての効果が少なくな
り、顔料への吸着性が弱まるために分散に時間がかかる
のと得られる分散液の粘度が高く且つ分散安定性が劣る
ようになる。
逆に、モル比が2以下の場合、親水性極性基の濃度が高
すぎるために顔料に対する吸着は充分であり分散液は低
粘度で好ましいが、分散液に含まれる有機溶剤及び樹脂
成分との親水性に乏しいため短時間で沈降し分散安定性
に欠ける。本発明に用いられるラクトンモノマーの例と
しては、ピロピオラクトン、β−ブチロラクトン、δ−
バレロラクトン、3,4,5−トリメトキシ−δ−バレロラ
クトン、3−メチル−δバレロラクトン、ε−カプロラ
クトン等の4員環〜8員環のラクトンモノマー及びその
置換体が挙げられる。
本発明の親水性極性基を付与する開始剤の例として、 イ)のモノハイドロオキシカルボン酸(及びその金属
塩)は、HO−R−(COOH)lで示されるグリコール酸、
乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、タルトロン
酸、クエン酸、マンデル酸、トロバ酸、オキシ−P−ト
ルイル酸、オキシノナデカ酸、オキシパルミチン酸およ
びその金属塩等が挙げられる。
ロ)のSO3M′基を付与する開始剤の例として、HO−C6H4
−SO3Na、HO−CH2CH2−SO3Na等が挙げられる。
ハ)OSO3M′基を付与する開始剤の例として、HO−C6H4
−OSO3Na、HO−CH2CH2−OSO3Na等が挙げられる。
ニ)OP=O(OM′)基を付与する開始剤の例として、
HO−CH2CH2CH2CH2−OP=O(OM′)、HO−CH2−C6H4
−CH2−OP=O(OM′)等が挙げられる。
ホ)N−Z2基を付与する開始剤の例として、N,N−ジメ
チルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミ
ン等が挙げられる。開始剤としてこれら一種または二種
以上の混合系を用いても差し支えない。
次に、第二工程のウレタン化について述べる。このウレ
タン化により分子の片末端のウレタン結合が導入され、
ウレタン結合同士の親和性が発現しビヒクルとして用い
るポリウレタン樹脂等水素結合能のある樹脂成分との相
溶性が現れる。ウレタン化反応は第一工程で製造された
一端親水性極性基、他方末端OH基の低分子エステル化合
物の末端OH基とモノイソシアネートのモル比を1対0.9
〜1.1、好ましくは0.95〜1.05とし、ほぼ等モル条件で
混合し50〜100℃において、バルク反応または溶剤中で
の溶液反応で反応完結まで加熱混合することで容易に製
造可能である。反応を促進するためトリエチルアミン等
の三級アミン、ジブチル錫ジラウレート(以降DBTDLと
略す)等の金属化合物のウレタン化触媒を添加してもよ
い。
本発明のモノイソシアネートの例として、メチルイソシ
アネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネ
ート、6−クロロ−ヘキシルイソシアネート(以降6−
Cl−HIと略す)、オクタデシルイソシアネート(以降OD
Iと略す)、フェニルイソシアネート、2−クロロ−4
−イソシアネート−トルエン等が挙げられる。
本発明の親水性極性基を含有するモノウレタン化合物
(モノウレタン誘導体)の構造決定はC13−NMR、元素分
析、赤外吸収スペクトル、イオンクロマトグラフィ及び
OH基、COOH基、N基等は化学分析での定量を各工程で行
い確認した。
本発明の分散剤は、無機あるいは有機の顔料特に酸化チ
タン、磁性酸化鉄、メタル合金等の微細粒子からなる顔
料を多量に含む分散液を得る場合に効果を発揮すること
ができる。
本発明に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット等の石油
系炭化水素、メチルエチルケトン(以後MEKと省略す
る)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イ
ソホロン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、プロピレングリコールエーテル
アセテート等のエステル系溶剤、トリクロルエチレン、
クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
もちろんこれらの2種あるいはそれ以上の混合溶剤であ
ってもよい。
本発明の分散剤を用いる分散液の分散媒である樹脂成分
としては、公知のアルキッド樹脂、ポリエステルポリオ
ール、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルポリ
オール、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体、ニトロセル
ロース、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッソ樹
脂等が挙げられるが、本分散剤が水素結合性を有し、か
つ凝集エネルギーの大きいウレタン結合 を片末端に含む構造であることから、カルボニル基(C
=O)、アミド基(NHCO)、OH基、COOH基等を含む樹脂
を分散媒とした系にたいして分散剤としての効果が大き
く、特にポリウレタン樹脂、好ましくはエステル系のポ
リウレタン樹脂、を含む分散液の分散剤として特に有効
である。
本発明に係わる分散剤の分散液中に於ける相対的割合
は、無機顔料、有機顔料等の被分散体に対して0.1〜20
%、好ましくは0.1〜10%の範囲で使用できる。分散液
中の被分散体含有率は5〜80%、好ましくは10〜70%で
ある。
本発明の分散剤の使用方法は、無機あるいは有機顔料に
予め加える方法、または該顔料、有機溶剤、分散媒であ
る樹脂等と一度に混合し分散処理する方法、更に樹脂等
の分散媒に予め混練しておいてから顔料、有機溶剤等を
加える方法等によって行うことができ、いずれの方法に
よっても効果を発揮することができる。
〔作 用〕
本発明の分散剤は片末端に親水性極性基を有し分子鎖の
中間はラクトン連鎖で結ばれもう一方の他端にはウレタ
ン結合を有する構造である。このような特異な構造によ
ると考えられるが、微細粉末の無機顔料、特に酸化チタ
ン、磁性酸化鉄、メタル合金等を多量に含み且つ分散媒
がカルボニル基(C=O)アミド基(NHCO)、OH基、CO
OH基等を含む樹脂である系にたいして分散剤としての効
果が大きく、特に分散媒の全部または一部がポリウレタ
ン樹脂、好ましくはエステル系ポリウレタン樹脂系で
は、特に優れた分散効果を示す。この効果は、以下の理
由によると考えられる。即ち、片末端に親水性極性基を
有するため結合水や吸着水で表面が親水性である微細粉
末の顔料の酸化チタン、磁性酸化鉄、メタル合金等に対
してその末端に導入された親水性極性基をもって吸着
し、分子鎖の中間に存在するm=2〜20のラクトン連鎖
の親油性及びエステル基とメチレン連鎖による適度なバ
ランスをもって親油性を与え、他端にあるウレタン結合
を外に向けた形で顔料表面を覆い、外に向けた他端に導
入されたウレタン結合を通して、分散媒として加えられ
るカルボニル基(C=O)、アミド基(NHCO)、OH基、
COOH基等を含む樹脂、特にポリウレタン樹脂とはウレタ
ン結合を通して水素結合による親和性が予想される以上
に高まるためと思われる。即ち、一般に使われる分散剤
はポリウレタン樹脂との親和性が乏しく、温度等の環境
変化や長時間の経時によって塗膜からこれらの分散剤は
低分子でかつ親和力に乏しいためブリードし塗膜表面に
染みだし例えば印刷インキでは経時色相、彩度の変化、
塗面の曇り、光沢低下、耐久性の低下、磁性塗料ではテ
ープ走行性不良、ジッター現象、S/Nの低下、導電性塗
料では密着力の低下、導電性の低下等の問題が発生する
ことがあったが、ポリウレタン樹脂等を分散媒とする磁
性塗料、グラビアインキ、及び導電塗料の分散剤とて本
発明の分散剤を用いた場合、低分子で且つ親水性極性基
を片末端に有するため従来の分散剤より優れた性能を示
す。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。実
施例における「部」及び「%」は断わりのない限り「重
量部」及び「重量%」である。
<モノウレタン誘導体系分散剤の製造例> 実施例1、分散剤A 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、1の滴下ロ
ート及びステンスレ製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口
反応容器にヒドロアクリル酸(HO−CH2CH2−COOH)90部
とTBTを0.02部を入れ、反応容器を常圧下に窒素ガスを
通しつつ撹拌加熱しつつ、160〜170℃にて脱水精製済み
のε−カプロラクトン1141部を2時間かけて滴下した。
滴下終了後170〜175℃に保ち更に3時間撹拌し、ε−カ
プロラクトンの開環反応を完結させた。得られた化合物
は水酸基価45.6、酸価45.8の常温でワックス状であっ
た。
次いで、反応器を100℃に冷却した後トルエン620部とフ
ェニルイソシアネート119部及びDBTDL0.3部加え70〜80
℃にてイソシアネート基が消滅するまで反応させてから
MEK730部加え常温液状の淡黄色溶液を得た。酸価41.6
(固形分換算)、固形分50%であった。C−13NMR、I
R、元素分析等による構造解析で末端に(CH22COOH
基、フェニルウレタン基を持つ平均重合度10のカプロラ
クトンエステルであることを確認した。
分散剤A:C6H5NHCO{O(CH25CO}10O− −(CH22COOH 実施例2、分散剤B 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、滴下ロート及
びステンレス製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口反応容
器に1−ハイドロオキシ−カプロン酸(HO−(CH2
−COOH)132部とTBTを0.2部を入れ、反応容器を常圧下
に窒素ガスを通しつつ撹拌加熱しつつ、160〜170℃にて
脱水精製済みみのε−カプロラクトン1141部を2時間か
けて滴下した。滴下終了後170〜175℃に保ち更に3時間
撹拌し、ε−カプロラクトンの開環反応を完結させた。
得られた化合物は水酸基価は44.1、酸価44.1の常温でワ
ックス状であった。
次いで、反応器を100℃に冷却した後トルエン620部とフ
ェニルイソシアネート119部及びDBTDL0.3部を加え70〜8
0℃にてイソシアネート基が消滅するまで反応させてか
らMEK770部加え常温で液状の淡黄色溶液を得た。酸価4
0.3(固形分換算)、固形分50.0%であった。C−13NM
R、IR、元素分析等による構造解析で末端にCOOH基、フ
ェニルウレタン基を持つ平均重合度11のカプロラクトン
エステルであることを確認した。
分散剤B:C6H5NHCO{O(CH25CO}10O(CH2− −COOH 実施例3、分散剤C 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、滴下ロート及
びステンレス製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口反応容
器に蒸留水18部と脱水精製済みのε−カプロラクトン11
41部及びTBTを0.02部を入れ、反応容器を撹拌しながら
室温から徐々に加熱し3時間かけ160℃にした。その後
更に加熱し170〜175℃とし更に3時間撹拌し、ε−カプ
ロラクトンの開環反応を完結させた。得られた化合物は
水酸基価48.4、酸価48.4の常温でワックス状であった。
次いで、反応器を100℃に冷却した後トルエン620部とフ
ェニルイソシアネート119部及びDBTDL0.3部加え70〜80
℃にてイソシアネート基が消滅するまで反応させてから
MEK660g加え常温で液状の淡黄色溶液を得た。酸価48.4
(固形分換算)、固形分50.1%であった。C−13NMR、I
R、元素分析等による構造解析で末端にCOOH基、フェニ
ルウレタン基を持つ平均重合度10のカプロラクトンエス
テルであることを確認した。
分散剤C:C6H5NHCO{O(CH25CO}− −O(CH25COOH 実施例4、分散剤D 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、滴下ロート及
びステンレス製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口反応容
器に蒸留水18部と脱水精製済みのε−カプロラクトン36
0部及びTBTを0.02部を入れ、反応容器を撹拌しながら室
温から徐々に加熱し3時間かけ160℃にした。その後更
に加熱し170〜175℃とし更に3時間撹拌し、ε−カプロ
ラクトンの開環反応を完結させた。得られた化合物は水
酸基価148.4、酸価148.4の常温で液状物であった。
次いで、反応器を100℃に冷却した後トルエン250部とフ
ェニルイソシアネート119部及びDBTDL0.1部加え70〜80
℃にてイソシアネート基が消滅するまで反応させてから
MEK250g加え常温で液状の淡黄色溶液を得た。酸価113.1
(固形分換算)、固形分49.8%であった。C−13NMR、I
R、元素分析等による構造解析で末端にCOOH基、フェニ
ルウレタン基を持つ平均重合度3.16のカプロラクトンエ
ステルであることを確認した。
分散剤D:C6H5NHCO{O(CH25CO}2.16O− −(CH25COOH 実施例5、分散剤E 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、滴下ロート及
びステンレス製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口反応容
器にトロバ酸(C6H4CH(COOH)CH2OH)116部とTBTを0.0
2部を入れ、反応容器を常圧下に窒素ガスを通し撹拌加
熱しつつ、160〜170℃にて脱水精製済みのε−カプロラ
クトン2282部を2時間かけて滴下した。滴下終了後170
〜175℃に保ち更に3時間撹拌し、ε−カプロラクトン
の開環反応を完結させた。得られた化合物は水酸基価は
23.4、酸価23.4の常温でワックス状であった。
次いで、反応器を100℃に冷却した後、6−クロル−ヘ
キシルイソシアネート162部及びDBTDL0.2部加え70〜80
℃にてイソシアネート基が消滅するまで反応させた。常
温でワックス状の化合物を得た。酸価22.0であった。C
−13NMR、IR、元素分析等による構造解析で末端にCOOH
基、cl(CH26NHCOO基を持つ平均重合度20のカプロラ
クトンエステルであることを確認した。
分散剤E:cl(CH26NHCO{O(CH25CO}20− −CH2(COOH)CHC6H4 実施例6、分散剤F 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、滴下ロート及
びステンレス製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口反応容
器に1−ハイドロオキシ−カプロン酸132部とエステル
化触媒を0.02部を入れ、反応容器を常圧下に窒素ガスを
通し撹拌加熱しつつ、160〜170℃にて脱水精製済みのβ
−メチル−δ−バレロラクトン1140部を2時間かけて滴
下した。
滴下終了後170〜175℃に保ち更に3時間撹拌し、開環反
応を完結させた。得られた化合物は水酸基価は44.1、酸
価44.0の常温で液体であった。
次いで、反応器を100℃に冷却した後トルエン780部とOD
I295部及びDBTDL0.3部加え70〜80℃にてイソシアネート
基が消滅するまで反応させてからMEK780部加え常温液状
の淡黄色溶液を得た。酸価35.6(固形分換算)、固形分
50%であった。C−13NMR、IR、元素分析等による構造
分析で末端にCOOH基、CH3(CH217NHCOO基を持つ平均
重合度10のβ−メチル−δ−バレロラクトンエステルで
あることを確認した。
分散剤F:CH3(CH217NHCOO{OCH2CH2CHCH3− −CH2CO}10(CH25COOH 実施例7、分散剤G 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、滴下ロート及
びステンレス製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口反応容
器にN,N−ジエチルエタノールアミン(HO−CH2CH2−N
(C2H5)117部とTBT0.02部を入れ、反応容器を常圧
下に窒素ガスを通し撹拌加熱しつつ、160〜170℃にて脱
水精製済みのε−カプロラクトン1140部を2時間かけて
滴下した。滴下終了後170〜175℃に保ち更に3時間撹拌
し開環反応を完結させた。得られた化合物は水酸基価は
44.6、酸価44.0のワックス状であった。
次いで、反応器を100℃に冷却した後トルエン630部とフ
ェニルイソシアネート119部及びDBTDL0.1部加え70〜80
℃にてイソシアネート基が消滅するまで反応させてから
MEK630g加え常温で液状の淡黄色溶液を得た。第3級ア
ミン濃度0.70mmol/g(固形分換算)、固形分50.0%であ
った。
C−13NMR、IR、元素分析等による構造解析で末端に(C
2H52NCH2CH2基、C6H5NHCOO基を持つ平均重合度10のカ
プロラクトンエステルであることを確認した。
分散剤E:C6H5NHCOO{O(CH25CO}10CH2CH2− −N(C2H5 実施例8、分散剤H 実施例2の分散剤B:C6H5NHCO{O(CH25CO}10− −O(CH25COOHにNaOHの20%メタノール溶液を COOHと等量となる量を加えCOONaとした。
実施例9、分散剤I 窒素導入管、水冷コンデンサー、温度計、滴下ロート及
びステンレス製撹拌羽根を備えたガラス製4ツ口反応容
器にp−スルホンジウム−ベンジルアルコール(HO−CH
2−C6H4−SO3Na)210部とTBTを0.02部を入れ、反応容器
を常圧下に窒素ガスを通し撹拌加熱しつつ、160〜170℃
にて脱水精製済みのε−カプロラクトン1140部を2時間
かけて滴下した。滴下終了後170〜175℃に保ち更に3時
間撹拌し、開環反応を完結させた。得られた化合物は水
酸基価41.5で常温でワックス状であった。
次いで、反応器を100℃に冷却した後トルエン735部とフ
ェニルイソシアネート119部及びDBTDL0.5部加え70〜80
℃にてイソシアネート基が消滅するまで反応させてから
MEK735部加え常温で液状の固形分50%の淡黄色溶液を得
た。C−13NMR、IR、元素分析等による構造解析で末端
にSO3Na基、フェニルウレタン基を持つ平均重合度10の
カプロラクトンエステルであることを確認した。イオン
クロマトグラフィーによるSとNaの定量からSO3Na基=
0.68mmol/gであった。
分散剤I:C6H5−NHCO{O(CH25CO}10− −CH2−C6H4−SO3Na <分散液の評価> 実施例1〜9で製造したモノウレタン系化合物を分散剤
として用い、以下に示す方法で分散液を作り本発明の分
散剤の効果を見た。
実施例10 タイペークR−830(ルチル型チタン白;石原産業
(株)製)70部、ニッポラン800(ポリエステルポリオ
ール;日本ポリウレタン工業(株)製)17.5部、分散剤
A7.4部、溶剤組成キシレン/イソホロン=1/1 130部に
径2mmのガラスビーズ200部加え、ペイントシェーカーで
3時間振とうし分散させた。分散液は良好な流動性を示
し、少なくとも一週間は顔料の沈降もなく貯蔵安定性に
優れていた。処法、結果を表.1、表.2に示す。
比較例1 実施例10において、分散剤Aを除いた組成で行った。混
合物は同様の分散では凝結塊が存在しかつ非流動的であ
った。処法、結果を表.1、表.2に示す。
比較例2 実施例10において、分散剤A7.4部の代わりに通常使われ
る分散剤であるレシチンを固形分で同量となる3.7部に
置き換えた。分散液は、実施例10より粘度が高く劣るが
塗布できる流動性を示し、少なくとも一週間は顔料の沈
降もなく貯蔵安定性に優れていた。しかし、塗膜の耐候
性評価において、経時でレシチンのブリードによると思
われる光沢低下と曇りが発生した。処法、結果を表.1、
表.2に示す。
実施例11〜22、比較例3〜5 表.1に示すように顔料、ビヒクル等を代え、実施例10と
同様の方法で分散した分散液の状態とその塗膜を観察
し、表.2に示した。
実施例23 強磁性Fe粉末を分散剤Hで処理した後分散液とした。処
法、結果を表.1、表.2に示した。
実施例24 分散媒であるN−2304に予め分散剤Hを加えて充分混合
してから後分散液とした。処法、結果を表.1、表.2に示
した。
実施例、比較例の塗膜は、ボンデ板又は、PET上にナイ
フコーターで10〜50μ厚で塗布して得た。
表.1の註 1) タイペークR−930 石原産業製 2) 有機顔料 大日精化製 3) ビデオテープ用磁性粉 BET数32m2/g 4) メタル系磁性粉 BET数53m2/g 5) ポリエステルポリオール 日本ポリウレタン工業
製 商品名 6) ポリウレタン樹脂 日本ポリウレタン工業製 商
品名 7) ポリウレタン樹脂 日本ポリウレタン工業製 試
作品 8) ニトロセルロース1/2′旭化成工業製 9) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 積水化学工業
製 10) :キシレン/イソホロン=1/1 :MEK/トルエン/シクロエキサノン=3/3/2 11) シェカー:ペイントシェカー、 サンドミル:卓上サンドミル 五十嵐機械製、 ガラスビーズ:径2mmガラスビーズ 表.2の註 12) 分散液 状 態: ◎ 低粘度で良好な流動性あり ○ 粘度高いが流動性あり塗布可能 △ 流動性に難あり、凝集気味。塗布可能 × 流動性なく塗布不可または塗料化出来ず 13) 安定性: ◎ 一週間以上分散液は安定である ○ 一週間以内に沈降気味または増粘するが再分散容易 △ 一週間以内に沈降し再分散に時間を要す × 一日以内に沈降またはゲル化し安定性なし 14) 光 沢:光沢計で入射角60度〜反射角60度におけ
る反射率を見た 15) 耐候試験:QUV200時間 16) ブリード:表面状態から判定 17) 密着性:碁盤目試験 〔発明の効果〕 表.1に示した実施例及び比較例より本発明の分散剤を用
いた分散液は、分散性と安定性に優れかつそれより得ら
れる塗膜は長時間の耐候試験でも分散剤のブリードによ
る曇り等による性能低下が認められず優れた分散剤であ
ることが判る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 7/12 PSL PSM // C08G 63/685 NNN

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 Y−NHCO−[O−Ln−CO]m−R−(X)l 〔式中、mは1〜100、nは4〜8、lは1〜3を表
    す。 Yは有機モノイソシアネートからイソシアネート基(NC
    O)を除いた残基 Lnはn員環のラクトンモノマーを開環した構造からエス
    テル基を除いた残基 Xは親水性極性基;−COOM、−SO3M′、−OSO3M′、−O
    P=O(OM′)、−N−Z2(M:水素原子、アルカリ金
    M′:アルカリ金属、Z:アルキル基) Rはラクトンモノマーに活性水素基を与える開始剤から
    親水性極性基X及び水素原子を除いた残基を表す〕で示
    されるモノウレタン誘導体である分散剤
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の分散剤を含有
    する有機溶剤中に無機あるいは有機顔料のごとき微細粒
    子を分散せしめた分散液
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