JPH07249367A - 含浸形陰極を備える電子管 - Google Patents

含浸形陰極を備える電子管

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JPH07249367A
JPH07249367A JP3836194A JP3836194A JPH07249367A JP H07249367 A JPH07249367 A JP H07249367A JP 3836194 A JP3836194 A JP 3836194A JP 3836194 A JP3836194 A JP 3836194A JP H07249367 A JPH07249367 A JP H07249367A
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film layer
impregnated cathode
scandium
mixed thin
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JP3836194A
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Tadanori Taguchi
貞憲 田口
Norihisa Miyama
憲久 深山
Yukio Suzuki
行男 鈴木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用可能な低い温度の動作及び高密度電流の
通流を可能にし、イオン衝撃による複合金属層21の消
失を迅速に回復できる含浸形陰極を備える電子管を提供
する。 【構成】 高融点金属からなる多孔質基体14及びこの
多孔質基体14の細孔部にバリウム(Ba)を含む電子
放出物質15を含浸させて構成した含浸形陰極を備える
電子管において、多孔質基体14の電子放出面上に、タ
ングステン(W)もしくはモリブデン(Mo)及びスカ
ンジウム(Sc)を主成分とした第1の混合薄膜層19
と、タングステン(W)もしくはモリブデン(Mo)、
スカンジウム(Sc)及び酸素(O)を主成分とした第
2の混合薄膜層20とを積層配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含浸形陰極を備える電
子管に係わり、特に、低い温度状態において動作し、高
密度電流を流すことが可能な含浸形陰極を備えるブラウ
ン管、撮像管それに進行波管等の電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ブラウン管、撮像管それに進行
波管等の電子管に用いられる含浸形陰極は、タングステ
ン(W)等の高融点金属からなる高耐熱多孔質基体と、
この多孔質基体の細孔部にバリウム(Ba)を含む電子
放出物質を含浸させた構成を有している。そして、かか
る構成を有する含浸形陰極は、通常、1100℃以上の
かなり高い温度状態において動作させる必要があるもの
であったため、実用化されるには程遠いものであった。
【0003】一方、前記含浸形陰極においては、使用可
能な動作温度を下げるための手段が既に種々提案されて
いる。この提案の第1のものは、特公昭47−2134
3号に開示のもので、含浸形陰極の表面にオスミウム−
ルテニウム(Os−Ru)合金等を被覆する手段であ
る。この手段は、一部においては既に実用化されている
けれども、含浸形陰極における使用可能な動作温度は、
約1000℃というように未だかなり高いものであるた
め、実用化するにはもう1つであって、この高い動作温
度はやはり実用化に対する大きな障害となっているもの
である。
【0004】また、前記提案の第2のものは、特開昭6
1−13526号に開示のもので、含浸形陰極の表面に
オスミウム−ルテニウム(Os−Ru)合金等を被覆す
る代わりに、含浸形陰極の表面にタングステン(W)と
酸化スカンジウム(Sc23 )からなる薄膜をスパッ
タ蒸着法によって付着させるか、あるいはスパッタ蒸着
法に代えてタングステン(W)と酸化スカンジウム(S
23 )からなる原料粉末の焼付けを行い、焼結体と
しての薄膜を被着させる手段である。この手段は、含浸
形陰極の動作中に、含浸形陰極の表面に低い仕事関数を
有するバリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、酸素
(O)からなる複合金属層が形成され、その複合金属層
の形成によって、含浸形陰極の使用可能な動作温度を、
前記提案による第1のものよりも約150乃至200℃
程度下げることが可能になり、動作温度について見る限
り、一応、前記提案による第1のものの障害を取り除く
ことができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、電子管に用い
られる含浸形陰極は、含浸形陰極の表面に形成される低
い仕事関数を有する金属複合層がイオン衝撃を受けて一
部消失したとしても、その消失部分が迅速に修復され、
再生されることが重要なファクタであって、この金属複
合層の再生には、特に、スカンジウム(Sc)の迅速な
再生が必要とされるものである。
【0006】ところで、前記提案による第1のもの及び
第2のものは、いずれも、含浸形陰極の表面に単分子層
が形成されるため、含浸形陰極に高電流密度を流すこと
が可能なものである。しかしながら、ここで形成される
単分子層は、イオン衝撃に対して極めて弱く、消失し易
いものである。
【0007】即ち、前記提案による第2のものは、比較
的低い使用可能な動作温度を得ることができるという大
きな利点はあるものの、含浸形陰極の表面に形成される
低い仕事関数を有するバリウム(Ba)、スカンジウム
(Sc)、酸素(O)を主成分とする複合金属層がイオ
ン衝撃によって一部が消失してしまった場合に、前記動
作温度においてはその消失部の再生速度、即ち、スカン
ジウム(Sc)の再生速度が非常に遅く、迅速な回復を
望むことはできない。そして、複合金属層がイオン衝撃
によって消失してしまった場合、その消失部分において
は低い動作温度で十分な電子放出能力が得られなくな
り、結果的に比較的低い使用可能な動作温度特性を利用
できないという問題を有している。
【0008】本発明は、前記問題点を除去するものであ
って、その目的は、使用可能な低い温度の動作及び高密
度電流の通流を可能にし、イオン衝撃による複合金属層
の消失を迅速に回復できる含浸形陰極を備える電子管を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的の達成のため
に、本発明は、高融点金属からなる多孔質基体及びこの
多孔質基体の細孔部にバリウム(Ba)を含む電子放出
物質を含浸させて構成した含浸形陰極を備える電子管に
おいて、前記多孔質基体の電子放出面に、タングステン
(W)もしくはモリブデン(Mo)及びスカンジウム
(Sc)を主成分とする第1の混合薄膜層と、タングス
テン(W)もしくはモリブデン(Mo)、スカンジウム
(Sc)及び酸素(O)を主成分とする第2の混合薄膜
層とを積層配置した手段を備える。
【0010】この場合、第1の混合薄膜層は、好ましく
は0.1乃至50μmの厚さになるように形成され、第
2の混合薄膜層は、好ましくは60乃至900nmの厚
さになるように形成される。
【0011】
【作用】前記手段によれば、含浸形陰極における多孔質
基体の電子放出面に、タングステン(W)もしくはモリ
ブデン(Mo)及びスカンジウム(Sc)を主成分とす
る第1の混合薄膜層を配置し、その上に、タングステン
(W)もしくはモリブデン(Mo)、スカンジウム(S
c)及び酸素(O)を主成分とする第2の混合薄膜層を
配置するようにしている。
【0012】このように、前記第1の混合薄膜層を形成
配置したことにより、前記第2の混合薄膜層の表面に低
い仕事関数を有するバリウム(Ba)、スカンジウム
(Sc)、酸素(O)を主成分とする複合金属層が形成
されるようになり、この複合金属層は、イオン衝撃によ
って一旦消失しても、迅速に再生されることを確認する
ことができた。
【0013】即ち、第1の混合薄膜層は、前記第1の混
合薄膜層は、高融点金属とスカンジウム(Sc)とを主
成分とする混合金属薄膜層からなるもので、含浸形陰極
における多孔質基体の電子放出面に、スカンジウム(S
c)を迅速に拡散供給するように働くものである。そし
て、前記高融点金属としては、タングステン(W)また
はモリブデン(Mo)のいずれか、もしくはタングステ
ン(W)及びモリブデン(Mo)を含むものを主成分と
した場合に、前記スカンジウム(Sc)の拡散供給作用
は顕著になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0015】図1は、本発明に係わる含浸形陰極を備え
る電子管の一実施例の構成の概要を示す断面構成図であ
って、電子管としてカラー受像管である場合の例を示す
ものである。
【0016】図1において、1はパネル部、2はファン
ネル部、3はネック部、4は螢光面、5はシャドウマス
ク、6は磁気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュリテ
イ調整マグネット、9はセンタービームスタティックコ
ンバーゼンス調整用マグネット、10はサイドビームス
タティックコンバーゼンス調整用マグネット、11は電
子銃、12は電子ビームである。
【0017】そして、カラー受像管を構成する管体は、
前側に配置されたパネル部1と、電子銃11を収納して
いるネック部3と、パネル部1及びネック部3の中間に
配置されたファンネル部2とからなっている。パネル部
1は、その内面に螢光面4が配置形成され、この螢光面
4に対向してシャドウマスク5が配置される。パネル部
1とファンネル部2の結合部分の内側に磁気シールド6
が配置され、ファンネル部2とネック部3の結合部分の
外側に偏向ヨーク7が設けられる。ネック部3の外側
に、ピュリテイ調整マグネット8、センタービームスタ
ティックコンバーゼンス調整用マグネット9、サイドビ
ームスタティックコンバーゼンス調整用マグネット10
が並設配置され、電子銃11から投射された3本の電子
ビーム12は、偏向ヨーク7で所定方向に偏向された
後、シャドウマスク5を通して螢光面4における対応す
る色の絵素に到達するように構成されている。
【0018】この場合、前記構成によるカラー受像管に
おける画像表示動作は、既知のカラー受像管における画
像表示動作と全く同じであるので、このカラー受像管に
おける画像表示動作についての説明は、省略する。
【0019】続いて、図2は、図1に図示のカラー受像
管の電子銃11に用いられる含浸形陰極を拡大して示し
た断面構成図である。
【0020】図2において、13は陰極ペレット、14
は高融点金属の多孔質基体、15は電子放出物質、16
は障壁層、17はスリーブ、18はヒータ、19は第1
の混合薄膜層、20は第2の混合薄膜層、21は複合金
属層である。
【0021】そして、陰極ペレット13は、タングステ
ン(W)またはモリブデン(Mo)からなる高融点金属
の多孔質基体14と、少なくともバリウム(Ba)や酸
素(O)を含み、前記多孔質基体14内の細孔部に含浸
される電子放出物質15とからなっている。スリーブ1
7の内部上側には障壁層16を介して陰極ペレット13
が配置保持され、同じくスリーブ17の内部下側にはヒ
ータ18が配置される。陰極ペレット13の上側には、
タングステン(W)もしくはモリブデン(Mo)とスカ
ンジウム(Sc)を主成分とする第1の混合薄膜層19
が配置形成され、この第1の混合薄膜層19の上側に
は、タングステン(W)もしくはモリブデン(Mo)、
スカンジウム(Sc)及び酸素(O)を主成分とする第
2の混合薄膜層20が形成される。この場合、第1の混
合薄膜層19及び第2の混合薄膜層20は、スパッタ蒸
着法、イオンプレ−テング法、真空蒸着法、CVD(化
学気相成長法)等によって形成される。また、複合金属
層21は、バリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、
酸素(O)を主成分とする単分子層乃至数分子層程度の
極めて厚みの薄い層であって、ヒータ18への通電によ
り含浸形陰極の加熱を行った際に、第2の混合薄膜層2
0の表面に形成されるものである。
【0022】前記構成において、ヒータ18への通電を
行った際に、複合金属層21が形成される過程について
説明する。ただし、この場合に、高融点金属の多孔質基
体14はタングステン(W)であり、バリウム(Ba)
や酸素(O)を含む電子放出物質15は、バリウムアル
ミネート(アルミン酸バリウム)(Ba3Al26 )で
あり、第1の混合薄膜層19はタングステン(W)とス
カンジウム(Sc)との混合金属であり、第2の混合薄
膜層20は、タングステン(W)、酸化タングステン
(WO3 )、酸化スカンジウム(Sc23)からなる混
合金属であるとして説明する。
【0023】始めに、ヒータ18への通電を行い、含浸
形陰極を加熱すると、第1の混合薄膜層19から金属ス
カンジウム(Sc)が遊離し、この遊離した金属スカン
ジウム(Sc)が第1及び第2の混合薄膜層19、20
内を拡散し、第2の混合薄膜層20の表面に供給され
る。このとき、第2の混合薄膜層20内においては、酸
化タングステン(WO3 )と酸化スカンジウム(Sc2
3)とが以下の式(1)に示すように反応する。
【0024】 3WO3 +Sc23→Sc2312 (1) 一方、陰極ペレット13の内部においては、高融点金属
のタングステン(W)と電子放出物質15のバリウムア
ルミネート(Ba3Al26 )とが以下の式(2)に示
すように反応する。
【0025】 (2/3)Ba3Al26 +(1/3)W→(1/3)BaWO4 +(2/3 )BaAl24+Ba (2) この生成されたバリウム(Ba)は、一部が第1及び第
2の混合薄膜層19、20内を拡散すると同時に、他の
一部がスカンジウムタングステート(タングステン酸ス
カンジウム)(Sc2312)と以下の式(3)に示す
ように反応する。
【0026】 Sc2312+3Ba→3BaWO4+2Sc (3) ここにおいて、第2の混合薄膜層20の表面にまで拡散
したバリウム(Ba)及びスカンジウム(Sc)は、電
子放出物質15の熱分解によって発生する酸素(O)や
雰囲気中の酸素(O)と結合し、第2の混合薄膜層20
の表面に単分子層乃至数分子層程度の極めて厚さが薄い
バリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、酸素(O)
を主成分とする複合金属層21を短時間の間に形成す
る。このバリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、酸
素(O)を主成分とする複合金属層21は、電子放出仕
事関数が1.2eVと小さいので、高い電子放出能力が
得られ、これによって含浸形陰極の使用可能な動作温度
を大幅に低下させることが可能になる。
【0027】また、第1の混合薄膜層19を有しない前
記特開昭61−13526号に開示の含浸形陰極におい
ては、イオン衝撃を受けて、バリウム(Ba)、スカン
ジウム(Sc)、酸素(O)を主成分とする複合金属層
が一部消失したとき、この複合金属層を再生するには、
動作温度が低い場合に、バリウム(Ba)や酸素(O)
は比較的迅速に再生されるものの、スカンジウム(S
c)は長時間を経ないと再生することができなかった。
【0028】これに対して、第2の混合薄膜層20の下
側に第1の混合薄膜層19を設けている本実施例による
含浸形陰極においては、動作温度が低い場合においても
スカンジウム(Sc)が第1の混合薄膜層19から遊
離、拡散によって第2の混合薄膜層20の表面に充分に
供給されるので、イオン衝撃によってバリウム(B
a)、スカンジウム(Sc)、酸素(O)を主成分とす
る複合金属層21が一部消失しても、その消失と同時
に、スカンジウム(Sc)を始めとしてバリウム(B
a)や酸素(O)が迅速に供給され、素早い再生が行わ
れる。
【0029】なお、イオン衝撃による複合金属層21の
消失を回復させる場合に、第1の混合薄膜層19の厚さ
は、0.1乃至50μmの範囲に選び、また、第2の混
合薄膜層20の厚さは、60乃至900nmの範囲に選
べば、その回復機能を充分に発揮させることができる。
【0030】続いて、図2に示される含浸形陰極を製造
する際の工程の一例について説明する。
【0031】始めに、平均粒径5μmのタングステン
(W)粉末を、1.25%のポリメチルメタアクリルを
バインダとして添加したアセトン液中で撹拌しながら徐
々にアセトンを揮発させるようにし、タングステン
(W)の粉末を顆粒化させる。次いで、ここで得られた
タングステン(W)の顆粒を200メッシュ程度のふる
いで分粒し、プレス成形した後、水素中において仮焼結
を行い、続いて真空中において本焼結を行なって、空孔
率28%程度の多孔質基体14を作成する。次に、この
多孔質基体14の細孔部内に、水素雰囲気中において4
BaO・CaO・Al23の組成からなる電子放出物質
15を加熱溶融を伴う含浸を行い、次いで、余剰の電子
放出物質15を除去して、含浸形陰極ペレット13を作
成する。続いて、この含浸形陰極ペレット13をモリブ
デン(Mo)製のカップ状障壁層16内に挿入し、さら
にヒ−タ18を内包したスリ−ブ17と組み合わせ、含
浸形陰極の本体部分を作成する。
【0032】次に、多元同時に、しかも、異種膜を連続
的に多層形成が可能なスパッタリング装置を用意し、こ
のスパッタリング装置にスパッタタ−ゲットとして、ス
カンジウム(Sc)、タングステン(W)、酸化タング
ステン(WO3 )、酸化スカンジウム(Sc23)を装
着させる。そして、始めに、含浸形陰極の本体部分の陰
極ペレット13の表面にスカンジウム(Sc)とタング
ステン(W)の各タ−ゲットを用いて2元同時のスパッ
タリングを行ない、タングステン(W)とスカンジウム
(Sc)を主成分とする第1の混合薄膜層19を形成す
る。その形成に連続して、第1の混合薄膜層19上にタ
ングステン(W)、酸化タングステン(WO3 )、酸化
スカンジウム(Sc23)の各タ−ゲットを用いて3元
同時のスパッタリングを行い、タングステン(W)、酸
化タングステン(WO3 )、酸化スカンジウム(Sc2
3)からなる第2の混合薄膜層20を形成する。これ
らの膜形成においては、いずれもアルゴン(Ar)を放
電ガスとして用い、第1の混合薄膜層19は直流(D
C)スパッタリングにより、第2の混合薄膜層20は高
周波(RF)スパッタリングによって行われた。
【0033】前記膜形成においては、第1の混合薄膜層
19を約7μmの厚さに被着させた後、連続して第2の
混合薄膜層20を約200nmの厚さに被着させる。こ
の場合、スパッタ時の各薄膜層19、20の厚さは、ス
パッタリングパワ−及びスパッタリング時間をそれぞれ
調節することによって行なわれる。また、各混合薄膜層
19、20の組成は、それぞれのタ−ゲットに対する投
入電力比の調整によって行われる。この場合、第2の混
合薄膜層20については、溶液発光分光分析(ICP)
法によりその組成を調べた結果、スカンジウム/タング
ステン(Sc/W)の重量比が0.029乃至0.03
6の範囲にある場合、優れた電子放出特性を有すること
が判明した。また、第1の混合薄膜層19の厚さは、
0.1乃至50μmの範囲のとき、第2の混合薄膜層2
0の厚さは、60乃至900nmの範囲のとき、それぞ
れ僅かな差は見られるものの、ほぼ同じような複合金属
層21の消失に対する回復特性を呈することが判明し
た。そして、第1の混合薄膜層19及び第2の混合薄膜
層20の各厚さが、前記範囲より薄くてもまたは厚くて
も、前記回復特性は劣化の傾向を示すようになる。
【0034】図3は、本実施例、前記特開昭61−13
526号に開示のもの、前記特公昭47−21343号
に開示のものの各含浸形陰極における活性化時間と放出
電流密度との関係を示す特性図である。
【0035】図3において、縦軸はA(アンペア)/c
2 で表わした放出電流密度、横軸はh(アワー)で表
わした活性化時間であって、曲線は本実施例の含浸形
陰極の特性、曲線は前記特開昭61−13526号に
開示の含浸形陰極の特性、曲線は前記特公昭47−2
1343号に開示の含浸形陰極の特性である。
【0036】そして、図3に示された各特性は、真空度
10マイナス7乗Paクラスの高真空容器内に、陽極と
陰極からなる平行平板形の2つの電極を配置し、含浸形
陰極の動作温度を1150℃まで加熱して含浸形陰極を
活性化させた後、含浸形陰極の動作温度を850℃(曲
線及び曲線の場合)もしくは1000℃(曲線の
場合)まで低下させ、陽極に正のパルス電圧を印加した
ときに、陰極からの放出電流を測定したものである。
【0037】この場合、曲線に示すように、前記特開
昭61−13526号に開示の含浸形陰極は、活性化を
繰り返し行ったとしても、放出電流密度が飽和すまでに
多くの時間を要するものであるが、曲線に示すよう
に、本実施例の含浸形陰極は、最大の放出電流密度に達
するまでの活性化時間が短く、曲線に示すように、既
に一部で実用化されている前記特公昭47−21343
号に開示の含浸形陰極の活性化時間に匹敵した短いもの
であることがわかる。また、曲線に示される本実施例
の含浸形陰極の放出電流特性は、曲線や曲線に示さ
れる既知の含浸形陰極の放出電流特性よりも優れてお
り、しかも、安定性や再現性の良好なものである。
【0038】続く、図4は、本実施例及び前記特開昭6
1−13526号に開示のもの、前記特公昭47−21
343号に開示のものの各含浸形陰極におけるイオン衝
撃後の加熱時間と放出電流密度との関係を示す特性図で
ある。
【0039】図4において、縦軸はA(アンペア)/c
2 で表わした放出電流密度、横軸はs(セコンド)で
表わしたイオン衝撃後の加熱時間であって、曲線は本
実施例の含浸形陰極の特性、曲線は前記特開昭61−
13526号に開示の含浸形陰極の特性、曲線は前記
特公昭47−21343号に開示の含浸形陰極の特性で
ある。
【0040】そして、図4に示された各特性は、前述の
高真空容器内にアルゴン(Ar)ガスを導入し、イオン
銃を用いて活性化された含浸形陰極の電子放出面にアル
ゴン(Ar)イオンを照射した後、電子放出状態の回復
特性を測定したものであって、この電子放出状態の回復
特性は、オ−ジエ分析を用い、電子放出面の表面のスカ
ンジウム(Sc)元素の再生状況を調べたものである。
【0041】この場合においても、曲線に示すよう
に、前記特開昭61−13526号に開示の含浸形陰極
は、イオン衝撃後に最大の放出電流密度に達するまでの
活性化時間が相当に長くなっているのに対して、曲線
に示すように、本実施例の含浸形陰極は、イオン衝撃後
に最大の放出電流密度に達するまでの活性化時間が短
く、曲線に示すように、前記特公昭47−21343
号に開示の含浸形陰極の活性化時間に匹敵して短かくな
っている。また、曲線に示される本実施例の含浸形陰
極の放出電流特性は、曲線や曲線に示される既知の
含浸形陰極の放出電流特性よりも優れており、実用的な
含浸形陰極であるということができる。さらに、前記オ
−ジエ分析によれば、本実施例の含浸形陰極は、第2の
混合薄膜層20の表面に形成される単分子層程度の極め
て厚さの薄い低い仕事関数を持つ複合金属層21が、そ
の電子放出特性の短時間内の回復と同様に、短時間内に
再生されることが確認された。
【0042】このように、本実施例による含浸形陰極
は、使用可能な低い動作温度特性を有するものであっ
て、しかも、低い仕事関数を持つ複合金属層21の再生
が迅速に行われるので、電子管用の含浸形陰極として充
分に使用に耐え得るものであり、実用化可能なものであ
る。
【0043】なお、前述の実施例においては、高融点金
属の多孔質基体14はタングステン(W)であり、バリ
ウム(Ba)や酸素(O)を含む電子放出物質15は、
バリウムアルミネート(Ba3Al26 )であり、第2
の混合薄膜層20は、タングステン(W)、酸化タング
ステン(WO3 )、酸化スカンジウム(Sc23)から
なる混合金属を用いている場合について説明したが、本
発明で用いられる高融点金属の多孔質基体14、電子放
出物質15、第2の混合薄膜層20は、それぞれ前記組
成のものに限られず、他の組成、例えば、高融点金属の
多孔質基体14には、モリブデン(Mo)を用いるよう
にしてもよく、電子電子放出物質15も、バリウム(B
a)や酸素(O)を主成分としたものであれば、他の組
成のものを用いるようにしてもよく、第2の混合薄膜層
20についても、タングステン(W)もしくはモリブデ
ン(Mo)、スカンジウム(Sc)及び酸素(O)を主
成分としたものであれば、他の組成のものを用いるよう
にしてもよいことは勿論である。
【0044】また、前述の実施例においては、第1の混
合薄膜層19及び第2の混合薄膜層20の各厚さについ
て、好適な範囲を示しているが、本発明における前記各
混合薄膜層19、20の厚さは前述の好適な範囲に限ら
れるものではなく、複合金属層21の再生機能を多少犠
牲にすれば、前記好適な範囲に近い領域の厚さに設定し
てもよいことは勿論である。
【0045】さらに、前述の実施例においては、含浸形
陰極がカラー受像管の陰極である場合について説明した
が、本発明の含浸形陰極は、カラー受像管に用いる場合
に限られるものではなく、他の電子管、例えば、モノク
ロ表示の受像管(ブラウン管)や撮像管それに進行波管
等にも同様に用いることができるものである。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、含
浸形陰極における多孔質基体の電子放出面に、タングス
テン(W)もしくはモリブデン(Mo)及びスカンジウ
ム(Sc)を主成分とする第1の混合薄膜層を配置し、
その上に、タングステン(W)もしくはモリブデン(M
o)、スカンジウム(Sc)及び酸素(O)を主成分と
する第2の混合薄膜層を配置し、第2の混合薄膜層の表
面に低い仕事関数を有するバリウム(Ba)、スカンジ
ウム(Sc)、酸素(O)を主成分とする複合金属層を
形成させている。そして、この低い仕事関数を有する複
合金属層は、使用可能な低い動作温度特性を有するとと
もに、高い電流密度の電流を流すことができるものであ
り、しかも、イオン衝撃によって一旦消失しても、その
再生が迅速に行われるので、充分に使用に耐え得て、実
用化が可能な電子管用の含浸形陰極が得られるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる含浸形陰極を備える電子管の一
実施例の構成の概要を示す断面構成図である。
【図2】図1に図示の電子管に用いられる含浸形陰極を
拡大して示した断面構成図である。
【図3】図1に図示の実施例の含浸形陰極における活性
化時間と放出電流密度との関係を示す特性図である。
【図4】図1に図示の実施例の含浸形陰極におけるイオ
ン衝撃後の加熱時間と放出電流密度との関係を示す特性
図である。
【符号の説明】
1 パネル部 2 ファンネル部 3 ネック部 4 螢光面 5 シャドウマスク 6 磁気シールド 7 偏向ヨーク 8 ピュリテイ調整マグネット 9 センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 12 電子ビーム 13 陰極ペレット 14 高融点金属の多孔質基体 15 電子放出物質 16 障壁層 17 スリーブ 18 ヒータ 19 第1の混合薄膜層 20 第2の混合薄膜層 21 複合金属層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点金属からなる多孔質基体及びこの
    多孔質基体の細孔部にバリウム(Ba)を含む電子放出
    物質を含浸させて構成した含浸形陰極を備える電子管に
    おいて、前記多孔質基体の電子放出面に、タングステン
    (W)もしくはモリブデン(Mo)及びスカンジウム
    (Sc)を主成分とした第1の混合薄膜層と、タングス
    テン(W)もしくはモリブデン(Mo)、スカンジウム
    (Sc)及び酸素(O)を主成分とした第2の混合薄膜
    層とを積層配置したことを特徴とする含浸形陰極を備え
    る電子管。
  2. 【請求項2】 前記第1の混合薄膜層は、0.1乃至5
    0μmの厚さに形成されることを特徴とする請求項1に
    記載の含浸形陰極を備える電子管。
  3. 【請求項3】 前記第2の混合薄膜層は、60乃至90
    0nmの厚さに形成されることを特徴とする請求項1乃
    至2のいずれかに記載の含浸形陰極を備える電子管。
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