JPH0725023B2 - ホーニング加工における被加工物の温度調整方法 - Google Patents

ホーニング加工における被加工物の温度調整方法

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JPH0725023B2
JPH0725023B2 JP3244389A JP3244389A JPH0725023B2 JP H0725023 B2 JPH0725023 B2 JP H0725023B2 JP 3244389 A JP3244389 A JP 3244389A JP 3244389 A JP3244389 A JP 3244389A JP H0725023 B2 JPH0725023 B2 JP H0725023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ホーニング加工で用いる工作液を使用して、
被加工物の温度のばらつきをなくすホーニング加工にお
ける被加工物の温度調整方法に関する。
(従来の技術) 例えば、自動車のエンジンのシリンダは、従来、エンジ
ンの軽量化及び熱伝導性の向上のためアルミニウム合金
でシリンダブロックを形成し、このシリンダブロックに
鋳鉄製のシリンダライナを嵌め込むことにより構成され
ていた。しかしながら、シリンダライナをシリンダブロ
ックに嵌め込む際に、両者の密着性が良好とならなかっ
たり、あるいは、変形が生じてしまうという問題が生じ
ていた。
そのため、近年ではシリンダライナを使用せずに、シリ
ンダ自身をアルミニウム合金で製造し、これによりエン
ジンを更に軽量化すると共に、熱伝導性の向上を図ろう
としている。
この種シリンダに使用されるアルミニウム合金として
は、特開昭57−9,900号公報等に開示されているよう
に、シリコンの含有量を16〜18重量%程度に高めた過共
晶A1−Si合金が知られており、シリコン粒子をシリンダ
内壁面から浮き出させ、このシリコン粒子によって耐摩
耗性の向上を図ると共に、浮き出したシリコン粒子間の
凹部によって潤滑油の保持を確実に行うようにしてい
る。
そして、この過共晶A1−Si合金からなるシリンダの内壁
面加工工程は、第5図に示すように、5工程からなり、
被加工物としての鋳造後のシリンダ1は、第6図に示す
ように、アルミニウム母材2の内部に多数のシリコン粒
子3が析出した状態にある。
第1工程においては、シリンダ1の内壁面4の切削加工
を行う。この工程は2段階からなり、先ず、切削手段に
よりラフボーリング加工を行い、第6図中A線まで切削
する。次に、ラフボーリング加工よりも精度の高いファ
インボーリング加工を行い、図中B線まで切削する。
第2工程においては、シリンダ1の内壁面4の切削加工
を行う。この工程も2段階からなり、先ず、粗用砥石に
よりセミホーニング加工を行い、C線まで研削する。次
に、仕上用砥石によりフィニッシュホーニング加工を行
い、D線まで研削する。これら両ホーニング加工におい
ては、微細な切り屑を外部に噴出させると共に、切削熱
を奪ってシリンダ1の温度上昇を低下させ良好な仕上げ
面を得るために、砥石及び被加工物に工作液(クーラン
ト)を注ぎながら加工が行われるようになっている。
また、本工程においては、シリンダ粒子3と砥粒とが衝
突してシリコン粒子3を破砕することがないように、例
えば、特開昭52−147,392号公報に開示されるような弾
性砥石を使用することが提案されている。
第3工程においては、シリンダ1の洗浄を行う。これ
は、第2工程においてシリンダ1の内壁面4に残存して
いるクーラントを除去するためである。
第4工程においては、シリンダ1の内壁面4のアルミニ
ウム母材2にエッチング処理を施す。すなわち、電解エ
ッチングあるいは化学的エッチングを行い、アルミニウ
ム母材2のみを図中E線まで溶解し、シリコン粒子3を
浮き出させる(特公昭62−25,754号公報等参照)。加工
後のシリコン粒子3のアルミニウム母材2表面からの浮
き出し高さは約1μである。
そして、第5工程において、シリンダ1に残留している
エッチング処理液を除去するために洗浄を行えば、シリ
ンダの表面加工が完了する。
上記工程の作業を行う各ユニットのそれぞれは、第7図
に示すように、シリンダを搬送しつつ連続的に加工する
トランスファーライン5に組み込まれている。例えば、
ボーリングユニット6において所定の切削加工が終了し
たシリンダ1は、ホーニングユニット7に搬入され、該
ユニット7でホーニング加工が施された後に、次工程の
ユニットに搬送されるようになっている。
(発明が解決しようとする課題) 上記トランスファーライン5では、大気温度の季節的な
変化あるいはラインの稼動条件の変化等の影響を受ける
ライン環境の温度変化によって、ホーニング加工工程に
搬入されるシリンダ1の温度が定まらないために、ホー
ニング加工でシリンダ1のボア径を任意に制御すること
ができなかった。例えば、同温度、同量のクーラントを
シリンダ1に注ぎつつホーニング加工する場合、この工
程に搬入されたシリンダ1の温度が前記ライン環境の温
度変化によって通常より高かったときには、クーラント
により十分冷却されないために、シリンダ1の温度上昇
によりそのボア径は大きくなり、加工後常温に戻ったと
きに、前記ボア径は規定寸法より小さく仕上がってしま
うことになる。このように、ボア径を任意に制御するこ
とができないために、高品質の製品を得ることができな
いという問題があった。
特に、前記過共晶アルミニウム合金からなるシリンダの
場合には、この合金が鋳鉄の約3倍の熱容量を有してい
るため、ホーニング加工でのシリンダ1の温度のばらつ
きをなくす制御をしなければ、シリンダ1のホーニング
加工において要求される真円度10μ以下の精度を満足す
ることができないという欠点があった。
このような不具合を発生させないためには、ホーニング
加工工程に要する時間を長くし、クーラントで十分冷却
した後にホーニング加工を行えば可能である。しかし、
ホーニング加工工程での時間を単に長くすると、ホーニ
ング加工の加工効率が全体として低下することになって
しまい、自動車部品の一連の生産効率の向上を図るとい
う使命に反することになる。そのため、自動車部品の加
工工程においては、加工効率を低下させることはできな
いものである。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされ
たものであり、ホーニング加工において高品質の被加工
物を得るために、ホーニング加工工程に搬入される被加
工物の温度のばらつきをなくし得るホーニング加工にお
ける被加工物の温度調整方法を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明は、被加工物の表面を
ホーニング加工により加工する前に、前記被加工物の温
度を所定温度に調整するホーニング加工における被加工
物の温度調整方法であって、前記ホーニング加工を行う
ホーニングユニットに前記被加工物を搬入する前に、前
記ホーニング加工の際に注がれる工作液が収容されたタ
ンク内の前記工作液を前記被加工物に注ぎ、この被加工
物の温度をホーニング加工の際に注がれる工作液の温度
とほぼ同じにすることを特徴とするホーニング加工にお
ける被加工物の温度調整方法である。
(作用) このようにすれば、ホーニング加工を行う際にはすで
に、被加工物の温度はホーニング加工での工作液温度と
ほぼ同じになっているため、被加工物ごとに温度がばら
つくことはなく、被加工物は高品質の仕上げが行われ
る。
(実施例) 以下、本発明に係るホーニング加工における被加工物の
温度調整方法を、これを具体化した装置の一実施例に基
づいて説明する。
第1図は、本発明方法を含むシリンダの内壁面加工の工
程図、第2図は、シリンダの内壁面加工ラインを示す概
念図、第3図は、本発明方法を具体化した被加工物の温
度調整装置を示すフロー図であり、第5〜7図に示した
部材と共通する部材には同一符号を付し、その説明は一
部省略する。
本発明方法を含むシリンダの内壁面加工工程は、第1図
に示すように、6工程からなり、従来の工程に加えて、
ボーリング加工後の被加工物の温度を調整する第2工程
を有している。
また、この第2工程の作業を行う温度調整ユニット8
は、第2図に示すように、トランスファーライン5の一
部に組み込まれており、ボーリングユニット6において
所定の切削加工が終了した被加工物としてのシリンダ1
は、温度調整ユニット8に搬入され、該ユニット8で被
加工物の温度を調整した後に、次工程のホーニングユニ
ット7に搬送されるようになっている。
前記温度調整ユニット8にて使用される温度調整装置9
は、第3図に示すように、ホーニングユニット7にクー
ラントを供給するクーラント循環サイクル11に対して並
列的に接続されており、ホーニング加工で用いるクーラ
ントが循環するようになっている。
前記クーラント循環サイクル11は、タンク12内に溜めら
れたクーラントを圧送するポンプ13と、このポンプ13に
より圧送されたクーラントを所定温度まで冷却する熱交
換器14と、ホーニング加工の際に砥石とシリンダ1にク
ーラントを注ぐクーラント供給装置10とを有し、これら
を配管で接続することにより構成されている。前記クー
ラント供給装置10は、微細な切り屑を外部に噴出させる
と共に、切削熱を奪ってシリンダ1の温度上昇を低下さ
せるために設けられており、砥石及びシリンダ1にクー
ラントを注ぐノズル15と、このノズル15の下部に位置し
クーラントを回収するクーラント受け16とから構成され
ている。
前記温度調整装置9は、図示するように、シリンダ1が
搬入、搬出されるボックス17を有しており、このボック
ス17内の上部には、シリンダ1に向けてクーラントを吹
き出すシャワーノズル18が設けられている。また、ボッ
クス17の下側には、吹き出されたクーラントを回収する
クーラント受け19が設けられている。
次に、このように構成した実施例の作用を説明する。
温度調整装置9はクーラント循環サイクル11におけるク
ーラント供給装置10と並列的に接続されているので、こ
れら両装置9、10には熱交換器14で冷却されたクーラン
トがそれぞれ流下することになる。そのため、シャワー
ノズル18からシリンダ1に注がれるクーラントは、ホー
ニング加工工程でのクーラントと同質、同温度となって
いる。
一方、トランスファーライン5で温度調整ユニット8に
搬入されたシリンダ1は、前工程のボーリング加工の際
の切削熱により比較的高温となっている。
そして、第3図に示すように、クーラントをシャワーノ
ズル18からシリンダ1に向けて吹き出すと、シリンダ1
とクーラントとの間で熱交換が行われ、該シリンダ1の
温度は、ホーニング加工工程でのクーラント温度とな
る。つまり、ライン環境の温度変化により順次搬入され
てくるシリンダ1に温度差が生じている場合であって
も、ホーニング加工工程の前に、サイクルタイムを変え
ることなく、被加工物の温度のばらつきをなくすことが
できる。
従って、ホーニング加工において、シリンダ1のボア径
が規定寸法より小さかったりあるいは大きく仕上がるこ
とはなく、ボア径を任意に制御できるために、高品質の
製品を得ることが可能になる。
ところで、被加工物の温度を調整するにあたって、冷却
効率が良く、ホーニング加工で使用するクーラントと異
なる冷却液を使用することも考えられる。しかしなが
ら、この場合には、次工程のホーニング加工へシリンダ
1を直接搬送することはできず、一度洗浄を行う必要が
生じるために、作業効率及び付帯設備が必要になるため
好ましくない。そのため、上述した温度調整装置9で
は、ホーニング加工で使用するクーラントを使用して冷
却するようにしているのである。
尚、上述した温度調整装置9は、シリンダ1の上部から
クーラントを吹きかけるようにしたものであるが、この
形式に限定されるものではなく、例えば第4図に示すよ
うに、シリンダ1を保持したリフタ21を上下動させて、
クーラントバス20内に浸すようにしても同様の効果が得
られる。
また、本発明は、ホーニング加工で使用するクーラント
と同質、同温度のクーラントによって、被加工物の温度
のばらつきをなくすものであるので、第3図に示したよ
うに、温度調整装置9をクーラント供給装置10と並列的
に設ける必要はなく、温度調整装置9専用のクーラント
循環サイクルを構成しても良い。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明は、被加工物の表面をホー
ニング加工により加工する前に、前記被加工物の温度を
所定温度に調整するホーニング加工における被加工物の
温度調整方法であって、前記ホーニング加工を行うホー
ニングユニットに前記被加工物を搬入する前に、前記ホ
ーニング加工の際に注がれる工作液が収容されたタンク
内の前記工作液を前記被加工物に注ぎ、この被加工物の
温度をホーニング加工の際に注がれる工作液の温度とほ
ぼ同じにするようにしたので、ホーニング加工を行う際
には、被加工物ごとに温度がばらつくことはなく、これ
により、ホーニング加工において高品質の被加工物を加
工することが可能になるという実用上多大な効果を得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法を含むシリンダの内壁面加工の工
程図、第2図は、シリンダの内壁面加工ラインを示す概
念図、第3図は、本発明方法を具体化した被加工物の温
度調整装置の一実施例を示すフロー図、第4図は、温度
調整装置の他の実施例を示す概略構成図、第5図は、一
般的なシリンダの内壁面加工の工程図、第6図は、加工
工程の各段階におけるシリンダの内壁面状態を示す断面
図、第7図は、従来のシリンダの内壁面加工ラインを示
す概念図である。 1…シリンダ(被加工物)、6…ボーリングユニット、
7…ホーニングユニット、8…温度調整ユニット、9…
温度調整装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物の表面をホーニング加工により加
    工する前に、前記被加工物の温度を所定温度に調整する
    ホーニング加工における被加工物の温度調整方法であっ
    て、前記ホーニング加工を行うホーニングユニットに前
    記被加工物を搬入する前に、前記ホーニング加工の際に
    注がれる工作液が収容されたタンク内の前記工作液を前
    記被加工物に注ぎ、この被加工物の温度をホーニング加
    工の際に注がれる工作液の温度とほぼ同じにすることを
    特徴とするホーニング加工における被加工物の温度調整
    方法。
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