JPH07252300A - ダック肝炎ウイルスとヒト肝炎ウイルスの抗原融合蛋白質お よび製造方法 - Google Patents

ダック肝炎ウイルスとヒト肝炎ウイルスの抗原融合蛋白質お よび製造方法

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JPH07252300A
JPH07252300A JP6079181A JP7918194A JPH07252300A JP H07252300 A JPH07252300 A JP H07252300A JP 6079181 A JP6079181 A JP 6079181A JP 7918194 A JP7918194 A JP 7918194A JP H07252300 A JPH07252300 A JP H07252300A
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antigen
human
virus
hepatitis
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Hiroaki Okamoto
宏明 岡本
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IMMUNO JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、精製分離が容易であるととも
に、モノクローナル抗体を用いたヒト肝炎ウイルス測定
系を構築可能な発現系を開発することを目的とする。 【構成】 本発明は、ダックB型肝炎ウイルスのコア
抗原遺伝子内にヒト肝炎ウイルス遺伝子を連結してなる
組み換え遺伝子を宿主細胞に導入して得る融合蛋白質の
発明であり、その抗原融合蛋白質の製造法の発明、該融
合蛋白質を用いた抗体検査キットおよび抗体検出方法の
発明である。 【効果】 本発明の融合蛋白質は、回収・分離・精製
が容易であるとともに、粒子の主要構成成分であるダッ
クHBc蛋白質がヒトHBe抗体とは反応性を有しない
ので、外来遺伝子にのみ高い特異性を有する融合蛋白質
が得られ、所望の目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ダックB型肝炎ウイルス(以下「DHBV」
と略称する)コア抗原(以下「DHBc抗原」と略称す
る)遺伝子を含む発現ベクターを用い、これにヒト肝炎
ウイルス遺伝子を連結して作成した組み換え遺伝子を宿
主細胞に導入し、これを発現させて得られる融合蛋白質
の発明、および製造方法の発明、ならびに得られた融合
蛋白質の利用に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
肝炎ウイルス抗原は、従来からワクチンとして、あるい
はウイルス性肝炎診断薬の材料として用いられてきた。
これには、ウイルスそのものを使用したもの、ウイルス
の一部構成成分を精製、分離したもの、ウイルス抗原の
一部のアミノ酸配列を採用した合成ペプチド、さらには
ウイルス遺伝子の組み換え体を発現させた蛋白質等があ
った。
【0003】 しかしながら、ウイルスそのものやその構成成分を精製
し、これを抗原として利用する場合には、ウイルス感染
患者の血液を材料として使用しなければならないことか
ら、材料の安定供給や回収作業の手間等に問題があり、
さらに安全性の点にも不安を免れないことが指摘されて
いた。 他方、合成ペプチドを用いる場合には、二次構造の模倣
のみでは抗原の立体構造に由来する抗原性が獲得でき
ず、期待された抗原性が得られないという問題があっ
た。
【0004】 これに対し、ウイルス遺伝子を宿主細胞遺伝子に組み込
み、これを発現させて製造した組み換え体抗原蛋白質を
使用する場合は、大量製造が可能で安定供給が期待でき
るとともに安全性についての不安も低いので、種々の細
胞を用いた多様な発現系を用いる例が報告されている。 しかしながら、組み換え体を用いる場合には、抗原の種
類や宿主細胞の種類によっては発現蛋白質が抗原特異的
な立体構造を構築できず、その結果、免疫原性や抗原性
を十分に発揮されないことが指摘されている。このた
め、発現を希望する抗原毎に発現系を検討し、選択する
ことが必要であった。さらに、抗原単独の発現を行った
場合には、分子量が比較的小さな抗原のときに精製分離
が困難になるという問題があった。
【0005】 ヒトB型肝炎ウイルス(以下「HBV」と略称する)コ
ア抗原(以下「HBc抗原」と略称する)遺伝子は、そ
のアミノ基端側、カルボキシル基端側、あるいは中間位
置に他の外来遺伝子を挿入・連結することができ、適当
なベクターを用いて宿主細胞に導入することができる。
これによってHBc抗原蛋白質と外来遺伝子由来蛋白質
を同時に発現することができ、かつ発現されたHBc抗
原はコア蛋白質よりなる粒子を形成し、外来遺伝子由来
の蛋白質はその表面上に表出した形で発現されるので、
抗原を精製分離する担体として有用である。また粒子表
面に多数のエピトープを発現できるのて、単一エピトー
プにのみ結合するモノクローナル抗体を利用した測定系
とすることが可能となる。これらのことから、外来遺伝
子のベクターへの導入の際の連結遺伝子として好適であ
ることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、HBc抗原遺伝子は外来遺伝子のベクタ
ー導入に際しての連結遺伝子として優れた特性を有する
が、しかしヒトHBc抗原遺伝子を使用した場合には発
現されて粒子を形成するヒトHBc抗原自体が抗原性を
有することから、ヒトまたはヒトと交叉性を有するHB
c抗原をもつ動物の診断には利用できなかった。このた
め、ヒトHBc抗原との交叉反応性をもたない外来遺伝
子発現蛋白質をコア粒子表面に発現することにより、精
製分離が容易であるとともにモノクローナル抗体を用い
た測定系を構築することが可能な発現系を開発すること
が期待されていた。
【0007】
【課題を解釈するための手段】
本発明者は、ヒトまたはヒトと交叉性を有するHBc抗
原をもつ動物の診断にも利用可能な融合蛋白質発現系の
開発研究を進めた結果、DHBc抗原がヒトHBc抗原
とは交叉反応性を有さず、かつ、その遺伝子配列中にヒ
トHBc抗原遺伝子には存在しない遺伝子配列を有する
ことから、DHBc抗原遺伝子を用いることによって上
記目的に適した多様な融合蛋白質を発現することが可能
であることを見出し、本発明を完成した。
【0008】 かかる知見から、本発明者は、DHBc抗原遺伝子の中
間領域を取り去り、この領域にヒトHBe抗原遺伝子、
ヒトHBVx遺伝子、ヒトHBVプレコア遺伝子、ヒト
HBVプレS1抗原遺伝子、ヒトHBVプレS2抗原遺
伝子等の種々の外来遺伝子を挿入し、連結した組み換え
体遺伝子を作成し、宿種細胞に導入・発現させて得たD
HBc抗原と外来遺伝子蛋白よりなる融合蛋白質、なら
びにその製造方法、およびその利用に関する発明を完成
した。
【0009】 本発明でDHBc抗原遺伝子は、例えば262番目の塩
基から376番目までの塩基間での中間領域を取り去っ
たものを使用するのが好適である。
【0010】 本発明の融合蛋白質、その製造方法および利用について
概括的に説明すれば、次のとおりである。 DHBV陽性血清からクローニングしたDHBV DN
Aを鋳型とし、ヌクレオチドプライマーを用いてDHB
V抗原遺伝子を遺伝子増幅法(以下「PCR」と略称す
る)によって増幅する。 好適なヌクレオチドプライマーとしては、配列番号1な
いし4に示されるものである。
【0011】 本発明で発現ベクターとして使用するDHBVは、北京
ダックより発見されたDNAウイルスであり、1980
年にMasonらによって報告された(Mason,
W.S.etal.Journal of Virol
ogy.36)。 DHBVは、肝臓を主たる増殖の場とする点でヒトHB
Vと類似し、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)、
地リス肝炎ウイルス(GSHV)やヒトHBVとともに
「ヘパドナウイルス」と総称される。 遺伝子の基本的構造やウイルス粒子の形態学的な特徴等
は上記4種のヘパドナウイルスがよく類似しているが、
DNA塩基配列の相同性は、哺乳動物のウイルスである
ヒトHBV、WHV、GSHVは相互に60〜70%の
相同性がみられるのに対し、鳥類のウイルスであるDH
BVはヒトHBVに対して40%以下の相同性しかもた
ない。 本発明に用いるコア領域は、ヒトHBV、WHV、GS
HVが183〜188個のアミノ酸から構成されている
のに対し、DHBVでは262個のアミノ酸からなる。
【0012】 本発明においては、DHBVウイルスのコア抗原遺伝子
内にヒト肝炎ウイルスを連結するが、使用するDHBV
ウイルスのコア抗原遺伝子としては塩基配列1〜261
番と379〜789番のものが好ましい。配列1〜26
1番の例を配列番号17に、塩基配列379〜789番
の例を配列番号18に示すが、もとより本発明には変異
により配列に変動があったものも含まれる。
【0013】 得られた増幅遺伝子をNcoI、EcoRI、Sal
I、PstIの制限酵素で処理した後、プラスミドベク
ターであるpT c99AのNcoI、EcoRI部位
およびSalI、PstI部位に挿入し、DHBcの1
−87アミノ酸配列と127−263アミノ酸配列を有
し、88−126アミノ酸配列を欠いて、上記欠如部分
にEcoRI、SacI、KpnI、SmaI、Bam
HI、XbaI、SalIの制限酵素部位からなるマル
チクローニング部位を有する発現ベクターpKA215
を得る。
【0014】 他方、ヒトHBVの各抗原遺伝子を特異プライマーを用
いて増幅し、EcoRIならびにSalIの制限酵素で
処理したのち、マルチクローニング部位を有する発現ベ
クターpKY215のEcoRIまたはSalIの制限
酵素部位に挿入して各抗原遺伝子発現用の発現ベクター
を作成する。
【0015】 ヒトHBVの抗原遺伝子としては、e抗原遺伝子、x遺
伝子、プレコア抗原遺伝子、プレS1抗原遺伝子、プレ
S2抗原遺伝子等を使用することができる。 これら抗原遺伝子の配列は配列番号12ないし16に示
されるが、変位にもとづいて配列番号に変動があったも
のも本発明に含まれる。 また、本発明はB型以外のヒト肝炎ウイルス、例えばC
型肝炎ウイルスの抗原遺伝子についても適用することが
できる。
【0016】 得られた発現ベクターは、例えば大腸菌(MC106
1)に塩化カルシウム法でトランスフォームし、1mM
のIPTGによって融合蛋白質の発現を誘導する。その
後、大腸菌を集菌し、リゾチーム処理、超音波処理して
溶菌し、硫安沈澱、PEG沈澱、ショ糖密度勾配遠心分
離法等公知の方法により精製する。
【0017】 本発明の発現ベクター構築に用いるベクターとしては、
大腸菌のほか、酵母、動物培養細胞等を宿主紀胞として
融合蛋白質を発現することが可能なものてあれはいずれ
であってもよい。その際使用ベクターに特異的な制限酵
素部位、ならびにクローニング部位に適合した制限酵素
の使用が必要である。
【0018】 本発明におけるDNA技術、HBV抗原発現技術は公知
のものを使用すればよく、例えば前者についてはMol
ecular Cloning,A Laborato
ry Manual 第2版、、Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press
1989記載の方法、後者についてはNature2
91 503−506,1981、J.Virol.M
ethods,6 51−70,1986、Gene
46 135−141,1986、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 80 1,1982等
記載の方法に準処して実施できる。
【0019】 宿主細胞へ発現ベクターをトランスフォームする方法
は、導入遺伝子が発現し、目的の融合蛋白質が生産可能
ないかなる方法も利用できる。その方法の例としては、
エレクトロポレーション法、燐酸カルシウム法等があ
る。
【0020】 トランスフォームした細胞株の取得および培養は、公知
の方法、例えばCytotechnology,3,1
33,1990記載の方法に準じて行うことができる。
培地は、大腸菌、酵母、動物細胞等に使用可能なものを
利用できる。
【0021】 培養後、培養液から細胞を分離し、破壊し、融合蛋白質
を精製する方法としては、公知の技術を採用することが
できる。融合蛋白質の測定は、発現蛋白質をショ糖密度
遠心分離法で分子量よりHBc抗原蛋白質粒子と同等の
密度を有する分画を得た後、これを試料として目的とす
る外来遺伝子によりコードされる蛋白質に対する抗体を
用いたエンザイム・イムノ・ソルベント・アッセイ法
(以下「ELISA」と略称する)により行うことがで
きる。
【0022】 本発明の融合蛋白質は、ヒト肝炎ウイルスに対する抗体
検査に使用することができ、本発明の融合蛋白質は、こ
れを含む抗体検査キットとして用いることができる。
【0023】
【作用】
本発明の融合蛋白質は、その密度からコア粒子と融合し
た形で発現していると推定され、その精製が比較的容易
である。 また、導入した外来遺伝子であるヒト肝炎ウイルス遺伝
子の発現蛋白質に反応するとともに、粒子の主要構成成
分であるコア蛋白質はヒト肝炎ウイルス抗体とは反応性
を有しないことが判明した。 したがって、本発明の融合蛋白質は、DHBc蛋白質よ
り成るコア粒子を担体とし、その粒子表面に例えばHB
Vのe抗原遺伝子、x遺伝子、プレコア抗原遺伝子、プ
レS1抗原遺伝子、プレS2抗原遺伝子その他の導入遺
伝子抗原を表出すると推認されるので、導入遺伝子由来
の蛋白質にのみ高い抗原特異性を有する。 このため、本発明の融合蛋白質は、抗体誘導担体、検体
検査薬として有効に用いることができる。
【0024】 本発明によって、とくに高いヒトHBe抗原特異性を有
する融合蛋白質を得ることができる。すなわち、ヒトH
Be抗原をコードする遺伝子は、ヒトHVc抗原をコー
ドする遺伝子と同一の読み取り枠に由来し、異なる翻訳
開始点を有する蛋白質であるため、アミノ酸配列の大部
分が同一であり、このために特異性の高いHBe抗原を
得ることは、従来非常に難しい作業であった。 これに対し、本発明においては、HBc抗原遺伝子とし
て、ヒトHBc抗体とは反応性を有しないDHBc抗原
遺伝子を利用する。このため、ヒトHBe抗原特異性の
高い融合蛋白質が得られる。
【0025】
【実施例】
(実施例1) DHBc/ヒトHBV遺伝子発現ベクターの構築 (1)ヒトHBe抗原遺伝子の場合 配列番号5および6の配列を有するオリゴヌクレオチド
プライマーを用い、クローン化HBV DNA(pND
R260)を鋳型としてヒトHBV遺伝子塩基配列18
14から2347番間の領域を含むヒトHBe抗原還伝
子の増幅を行った。増幅後、制限酵素(EcoRI)に
て処理し、融合蛋白質発現ベクターであるpYA215
のEcoRI部位に挿入してヒトHBe抗原融合蛋白質
発現ベクターpYA296を作成した(図1a)。
【0026】 (2)ヒトプレS1抗原遺伝子の場合 配列番号7および8の配列を有するオリゴヌクレオチド
プライマーを用い、クローン化HBV DNA(pND
R260)を鋳型としてヒトHBV遺伝子塩基配列28
48から3204番間の領域を含むヒトプレS1抗原遺
伝子の増幅を行った。増幅後、制限酵素EcoRIおよ
びSalIにて処理し、融合蛋白質発現ベクターである
pYA215のEcoRIおよびSalI部位に挿入し
てヒトプレSI融合蛋白質発現ベクターpYA301を
作成した(図1b)。
【0027】 (3)ヒトHBx遺伝子の場合 配列番号9および10の配列を有するオリゴヌクレオチ
ドプライマーを用い、クローン化HBV DNA(pN
DR260)を鋳型としてヒトHBV遺伝子塩基配列1
374から1835番間の領域を含むヒトHBx遺伝子
の増幅を行った。増幅後、制限酵素EcoRIおよびS
alIにて処理し、融合蛋白質発現ベクターであるpY
A215のEcoRIおよびSalI部位に挿入してヒ
トHBx融合蛋白質発現ベクターpYA299を作成し
た(図1c)。
【0028】 (4)ヒトHBVプレコア遺伝子の場合 配列番号5および11の配列を有するオリゴヌクレオチ
ドプライマーを用い、クローン化HBV DNA(pN
DR260)を鋳型としてヒトHBV遺伝子塩基配列1
814から1900番間の領域を含むヒトHBVプレコ
ア遺伝子の増幅を行った。増幅後、制限酵素EcoRI
およびSalIにて処理し、融合蛋白質発現ベクターで
あるpYA215のEcoRIおよびSalI部位に挿
入してヒトHBVプレコア融合蛋白質発現ベクターpY
A297を作成した(図1d)。) (5)ヒトプレS2抗原遺伝子の場合 クローン化HBV DNA(pNDR260)を鋳型と
してヒトHBV遺伝子塩基配列3205から154番間
の領域を含むヒトHBVプレコア遺伝子の増幅を行っ
た。増幅後制限酵素EcoRIおよびSalIにて処理
し、融合蛋白質発現ベクターであるpYA215のEc
oRIおよびSalI部位に挿入してヒトHBVプレS
2融合蛋白質発現ベクターpYA298を作成した(図
1e)。 制限酵素はBoehringer Mannheim社
(ドイツ)、NEB社(アメリカ)、宝酒造社のもの
を、DNAリガーゼ、フォファターゼは宝酒造社のもの
を用いた。
【0029】 (実施例2) DHBc/ヒトHBV融合蛋白質の発現と精製 実施例1で得られた発現ベクターpYA296、pYA
301、pYA299pYA297、あるいはpYA2
98を大腸菌MC1061(Stratagene社、
アメリカ)に導入し、1夜培養した後、その100分の
1量を新しい培養液(NB培地、栄研化学社)に移して
2−3時間培養し、IPTG(Nova社)を1mM相
当加えてさらに4−16時間培養し導入遺伝子の発現を
誘導した。培養終了後、集菌し、リゾチーム処理を行っ
た。リゾチーム処理は、50mMグルコース、10mM
EDTA、25mM Tris−HCl(pH8.
0)、リゾチーム4mg/ml(生化学工業社:Lys
ozyme,Egg white)溶液を溶菌量の約1
0倍加え、懸濁し、室温に30分放置した後、10.0
00rpmにて20分間遠心分離した。遠心分離後、沈
澱物に2% NP40、1mM PMSF、0.1%N
aN3 10mM Tris−HCl(pH8.0)、
1mM EDTAを10倍量加え、一晩4℃で攪拌し
た。
【0030】 その後、DNase(Boehringer Mann
heim社製:DNase I,GradeII)を最
終濃度10μg/mlになるよう加え、室温1時間攪拌
反応させDNAを切断した。10,000rpm、20
分間の遠心分離で沈澱を得た後、1mM EDTAの緩
衝液を約10倍量加え、超音波処理した。超音波処理は
Branson Sonic Power Co.のS
onifier model 350を用い、Micr
o tip,出力7、duty50%の条件にて5分間
実施した。更に、10,000rpmの遠心分離を20
分間行い、得られた上清に先のDNase処理した上清
を加え一つにした。この上清に硫安を加え35%硫安分
画沈澱を得た。更に10%ポリエチレングリコール沈澱
を行い、50mMTris−HCl(pH 7.5)、
0.9%NaCl、1mM PMSF、0.1%NaN
3緩衝液に溶かした後、60%ショ糖7ml、40%シ
ョ糖10mlを重層し、Beckmann SW28ロ
ーターで、26,000rpm、4℃にて16時間遠心
分離し、1mlづつ分画し融合蛋白質試料とした。
【0031】 (実施例3) DHBc/ヒトHBe融合蛋白質の抗原特異性を、次の
方法に従い各種、ヒトHBV抗体を用いて確認した。 各種の抗ヒトHBe抗体または抗ヒトHBc抗体を固相
した容器にDHBc/ヒトHBe融合蛋白質を反応させ
た後、酵素標識した各種の抗ヒトHBe抗体または抗ヒ
トHBc抗体を反応させた。抗ヒトHBe抗体としてモ
ノクローナル抗体904(a)、905(b)、C71
−17の3種を、抗ヒトHBc抗体としてモノクローナ
ル抗体3105(α)、3120(β)の2種を用い
た。 96穴マイクロプレートの各ウエルに固相用のモノクロ
ーナル抗体(20μg/ml・PBS)を加えて吸着さ
せた後、融合蛋白質溶液50μlを加え室温にて1時間
反応させた。0.05%Tween20を含むPBS
(リン酸緩衝生理食塩水)にて洗浄し、HRP標識した
各モノクローナル抗体を加え1時間反応させた後、OP
Dを加えて492nmの吸光度を測定した。
【0032】 その結果、表1に示すように融合蛋白質は抗ヒトHBe
抗体とのみ反応し、抗ヒトHBc抗体とは反応しないこ
とから、コア粒子を形成するDHBc蛋白質は抗ヒトH
Bc抗体とは反応せず、ヒト由来の検体を用いる測定系
に影響を与えないことが判明した。
【0033】
【表1】
【0034】 (実施例4) 本発明の各種融合蛋白質の抗原性の確認は、それぞれ次
の抗体を用いて実施例3の方法に従いサンドイッチアッ
セイにより行った。 DHBc/ヒトHBx融合蛋白質についてはTrp−x
融合発現蛋白質をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動
後、バンドを切り出し、抽出、生成した17kD蛋白質
を抗原として得たモノクローナル抗体9153、919
0を用いた。 DHBc/ヒトHBプレコア融合蛋白質についてはHB
cのメチオニンを1番目とした場合の−11から−1に
相当するアミノ酸配列(プレコア領域のアミノ酸配列)
を有する合成ペプチドに対するモノクローナル抗体Pr
e−C5、Pre−C14およびモルモットにて作成し
たポリクローナル抗体を用いた。 DHBc/ヒトHBプレS1融合蛋白質については合成
ペプチド(塩基配列2848−3204に相当するアミ
ノ酸配列を有する)に対するモノクローナル抗体T06
06とDane粒子を免疫して得られたモノクローナル
抗体6870を用いて確認した。 DHBc/ヒトHBプレS2融合蛋白質についてはモノ
クローナル抗体を用いた市販のプレS2抗原測定用EL
ISAキット(株式会社特殊免疫研究所社製)を使用し
て確認した。 その結果、いずれの融合蛋白質もヒトHBVに由来する
抗原性を有していることが確認された。
【0035】 (実施例5) DHBc/ヒトHBe融合蛋白質を用いて、ヒト血清中
のHBe抗体を次のようにして測定した。 96穴マイクロプレートの各ウエルに固相用のモノクロ
ーナル抗体904(20μg/ml・PBS)を加えて
吸着させた後、DHBc/ヒトHBe融合蛋白質溶液5
0μlを加え室温にて1時間反応させた。0。05%T
ween20を含むPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に
て洗浄し、1Mまたは2Mの尿素を含むPBSで100
倍に希釈したヒト血清50μlを添加し室温にて1時間
反応させた。再び洗浄し、HRP標識のウサギ由来抗ヒ
トIgG抗体を添加し、室温にて1時間反応させた後、
OPDを加えて492nmの吸光度を測定した。抗原特
異性の確認のため市販のHBe抗体測定用EIAキット
「イムニスHBeAg/AbEIA」、ならびにHBe
抗体測定用PHAキット「マイセルHBeAg/Ab」
(いずれも株式会社特殊免疫研究所社製)を用いて同じ
ヒト血清検体のHBe抗体を測定した。 本発明の融合蛋白質を用いた測定方法における陽性判定
をOD492≧0.5としたとき、既存のキットと同等
あるいはそれ以上の検出感度を示すことが明らかとな
り、本発明の方法がヒト血清中のHBe抗体測定に有用
であることが確認された。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明の融合蛋白質は、粒子の主要構成成分である、D
HBc蛋白質からなるコア蛋白質がヒトHBc抗体とは
反応性を有しない。このため、外来遺伝子由来の蛋白質
にのみ高い抗原特異性を有する融合蛋白質を得ることが
できる。とくに、外来遺伝子としてヒトHBe特異遺伝
子を導入した場合、高いヒトHBe抗原特異性を有する
融合蛋白質が得られる。 このため、本発明の融合蛋白質は、高い抗原性を有する
抗原として、抗原測定試薬の素材や抗体誘導の試料とし
て有効に使用できる。 また、本発明の融合蛋白質製造法は、発現蛋白質の回収
・分離・精製が容易であり、かつ通常モノクローナル抗
体を用いた測定系の開発が困難な抗原の測定法にも利用
可能な抗原の製造方法としても有用である。
【0038】
【配列表】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】 DHBc/ヒトHBV融合蛋白質の発現ベ
クターの模式図。a)HBe抗原遺伝子を挿入した発現
ベクターpYA296、b)プレS1抗原遺伝子を挿入
した発現ベクターpYA301、c)HBx抗原遺伝子
を挿入した発現ベクターpYA299、d)プレコア抗
原遺伝子を挿入した発現ベクターpYA297、e)プ
レS2抗原遺伝子を挿入した発現ベクターpYA298
をそれぞれ示す。図中、DHBc四角枠上部の数字はダ
ックHBc遺伝子における塩基番号を、挿入されたヒト
HBV各遺伝子の四角枠下部の数字はヒトHBV遺伝子
における塩基番号をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 ZNA G01N 33/569 L 33/576 B

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダックB型肝炎ウイルスのコア抗原遺伝子
    内にヒト肝炎ウイルス遺伝子を連結してなる組み換え遺
    伝子を宿主細胞に導入して得ることを特徴とする融合蛋
    白質。
  2. 【請求項2】組み換え遺伝子がダックB型肝炎ウイルス
    のコア抗原遺伝子塩基配列1〜261番と同379〜7
    89番を発現ベクターとして使用し、該発現ベクター内
    にヒト肝炎ウイルス遺伝子を連結した組み換え遺伝子で
    ある請求項1記載の融合蛋白質。
  3. 【請求項3】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイル
    スのe抗原遺伝子である請求項1または2記載の融合蛋
    白質。
  4. 【請求項4】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイル
    スのx遺伝子である請求項1または2記載の融合蛋白
    質。
  5. 【請求項5】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイル
    スのプレコア抗原遺伝子である請求項1または2記載の
    融合蛋白質。
  6. 【請求項6】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイル
    スのプレS1抗原遺伝子である請求項1または2記載の
    融合蛋白質。
  7. 【請求項7】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイル
    スのプレS2抗原遺伝子である請求項1または2記載の
    融合蛋白質。
  8. 【請求項8】ダックB型肝炎ウイルスのコア抗原遺伝子
    内にヒト肝炎ウイルス遺伝子を連結した組み換え遺伝子
    を宿主細胞に導入して融合蛋白質を得ることを特徴とす
    る抗原蛋白質製造法。
  9. 【請求項9】ダックB型肝炎ウイルスのコア抗原遺伝子
    塩基配列1〜261番と同379〜789番を発現ベク
    ターとして使用し、該発現ベクターにヒト肝炎ウイルス
    遺伝子を結合した組み換え遺伝子を宿主細胞に導入する
    請求項8記載の抗原蛋白質製造法。
  10. 【請求項10】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイ
    ルスのe抗原遺伝子である請求項8又は9記載の抗原蛋
    白質製造法。
  11. 【請求項11】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイ
    ルスのx遺伝子である請求項8又は9記載の抗原蛋白質
    製造法。
  12. 【請求項12】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイ
    ルスのプレコア遺伝子である請求項8又は9記載の抗原
    蛋白質製造法。
  13. 【請求項13】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイ
    ルスのプレS1抗原遺伝子である請求項8又は9記載の
    抗原蛋白質製造法。
  14. 【請求項14】ヒト肝炎ウイルス遺伝子がB型肝炎ウイ
    ルスのプレS2抗原遺伝子である請求項8又は9記載の
    抗原蛋白質製造法。
  15. 【請求項15】請求項1ないし7記載の融合蛋白質を用
    いた抗体検査キット。
  16. 【請求項16】請求項1ないし7記載の融合蛋白質を用
    いる抗体検出方法。
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