JPH07252534A - オーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法 - Google Patents
オーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法Info
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- JPH07252534A JPH07252534A JP4447694A JP4447694A JPH07252534A JP H07252534 A JPH07252534 A JP H07252534A JP 4447694 A JP4447694 A JP 4447694A JP 4447694 A JP4447694 A JP 4447694A JP H07252534 A JPH07252534 A JP H07252534A
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- Japan
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- stainless steel
- steel sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 オーステナイト系ステンレス鋼板の焼鈍にお
いて、焼鈍酸洗法の製造コストと同等のコストを維持し
つつ、耐食性が大幅に改善された冷延板を製造する。 【構成】 加熱ゾーン、還元ゾーン、及び冷却ゾーンに
順次通板して熱処理を行うオーステナイト系ステンレス
鋼板の熱処理方法において、前記加熱ゾーンにおいて酸
素濃度0.5容量%以下かつ露点−20〜10℃に調整
した雰囲気中で1050〜1150℃の温度に加熱し、
続いて前記還元ゾーンにおいて還元ガスを用いたプラズ
マジェットにより前記加熱ゾーンで生成したスケールを
還元し、続いて冷却ゾーンにおいて非酸化性または還元
性に調整した雰囲気中で冷却する。
いて、焼鈍酸洗法の製造コストと同等のコストを維持し
つつ、耐食性が大幅に改善された冷延板を製造する。 【構成】 加熱ゾーン、還元ゾーン、及び冷却ゾーンに
順次通板して熱処理を行うオーステナイト系ステンレス
鋼板の熱処理方法において、前記加熱ゾーンにおいて酸
素濃度0.5容量%以下かつ露点−20〜10℃に調整
した雰囲気中で1050〜1150℃の温度に加熱し、
続いて前記還元ゾーンにおいて還元ガスを用いたプラズ
マジェットにより前記加熱ゾーンで生成したスケールを
還元し、続いて冷却ゾーンにおいて非酸化性または還元
性に調整した雰囲気中で冷却する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼板または鋼帯(以下、オーステナイト系鋼板と
いう)の製造において、焼鈍,酸洗法と同等の生産性を
維持しつつ、より耐食性の良好なオーステナイト系ステ
ンレス鋼板を製造する熱処理方法に関するものである。
ンレス鋼板または鋼帯(以下、オーステナイト系鋼板と
いう)の製造において、焼鈍,酸洗法と同等の生産性を
維持しつつ、より耐食性の良好なオーステナイト系ステ
ンレス鋼板を製造する熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板の製造工程では冷間圧延
の後、焼鈍が行われ、さらにこの冷間圧延材の焼鈍は帯
状の板を連続的に処理する連続焼鈍が一般的である。ま
た、その方法や条件は鋼種や製品の要求品質によって定
められている。
の後、焼鈍が行われ、さらにこの冷間圧延材の焼鈍は帯
状の板を連続的に処理する連続焼鈍が一般的である。ま
た、その方法や条件は鋼種や製品の要求品質によって定
められている。
【0003】連続焼鈍はその雰囲気条件から2つの種類
に大別され、その1つは、大気中または燃焼雰囲気中で
焼鈍を行う方法である。この方法は、焼鈍工程の後に焼
鈍により生じた酸化スケールを除去するためのデスケー
ル工程を伴っており、以下これをAP(Annealing & Pi
ckling)法と呼ぶ。この方法の場合、通常は焼鈍炉と酸
洗漕等のデスケール設備とを同一ライン内に設けた連続
焼鈍酸洗ラインが使用されており、デスケール工程にお
いては、高温のアルカリ溶融塩への浸漬あるいは中性塩
水溶液中での電解処理によりスケールを改質させた後、
弗酸,硝酸混合液等の酸液により除去する処理方法が一
般に行われている。しかし、この方法では設備費等のコ
ストが高いこと、酸や高温のアルカリ溶融塩を使用する
ことによる環境上、あるいは廃酸処理上の問題等の課題
がある。
に大別され、その1つは、大気中または燃焼雰囲気中で
焼鈍を行う方法である。この方法は、焼鈍工程の後に焼
鈍により生じた酸化スケールを除去するためのデスケー
ル工程を伴っており、以下これをAP(Annealing & Pi
ckling)法と呼ぶ。この方法の場合、通常は焼鈍炉と酸
洗漕等のデスケール設備とを同一ライン内に設けた連続
焼鈍酸洗ラインが使用されており、デスケール工程にお
いては、高温のアルカリ溶融塩への浸漬あるいは中性塩
水溶液中での電解処理によりスケールを改質させた後、
弗酸,硝酸混合液等の酸液により除去する処理方法が一
般に行われている。しかし、この方法では設備費等のコ
ストが高いこと、酸や高温のアルカリ溶融塩を使用する
ことによる環境上、あるいは廃酸処理上の問題等の課題
がある。
【0004】他の方法として、酸化スケールを生成させ
ずに焼鈍する光輝焼鈍法があり、以下これをBA(Brig
ht Annealing)法と呼ぶ。この方法は、デスケール設備
の必要がないが、ステンレス鋼は普通鋼と異なり窒素雰
囲気のような不活性雰囲気でも残存している微量酸素や
水蒸気でスケールを生じるため、例えば水素75%,窒
素25%かつ露点−40℃といった強還元性雰囲気中で
焼鈍せざるを得ず、結果的にAP法よりコスト高とな
り、また通板速度を大きくできず生産性も低い。
ずに焼鈍する光輝焼鈍法があり、以下これをBA(Brig
ht Annealing)法と呼ぶ。この方法は、デスケール設備
の必要がないが、ステンレス鋼は普通鋼と異なり窒素雰
囲気のような不活性雰囲気でも残存している微量酸素や
水蒸気でスケールを生じるため、例えば水素75%,窒
素25%かつ露点−40℃といった強還元性雰囲気中で
焼鈍せざるを得ず、結果的にAP法よりコスト高とな
り、また通板速度を大きくできず生産性も低い。
【0005】一方、これらの従来方法により製造した冷
延板の耐食性を比較すると、一般にAP法よりBA法で
製造したステンレス鋼板の方が良好である。これは、B
A法では母材中のFeが酸化せず、酸化しやすいCrの
みが酸化され堅固なCr酸化皮膜が生成し、これが不働
態皮膜となるのに対し、AP法ではスケールを酸によっ
て除去するためこのような不働態皮膜が生成しないため
である。
延板の耐食性を比較すると、一般にAP法よりBA法で
製造したステンレス鋼板の方が良好である。これは、B
A法では母材中のFeが酸化せず、酸化しやすいCrの
みが酸化され堅固なCr酸化皮膜が生成し、これが不働
態皮膜となるのに対し、AP法ではスケールを酸によっ
て除去するためこのような不働態皮膜が生成しないため
である。
【0006】最近、特開平4−52211号公報に開示
されているように、大気焼鈍によって一度生成したスケ
ールを還元性ガスのプラズマジェットにより鋼板を加熱
しつつ酸化膜を還元する熱処理方法が提案されている。
この方法によれば、必要な温度に加熱している間、従来
のAP法ではスケールが成長していくのに対して、この
方法では逆に還元されてスケールが減少するため、次工
程のデスケール時間の短縮または酸洗工程の省略による
コストダウンや環境の改善が図れる。しかしながら、前
記公報による方法では還元処理の前に厚いスケールが生
成しているために還元処理後にもスケールが残存し、短
時間ではあるものの酸洗処理を行わなければならない。
その結果、表面皮膜が除去されるため、本発明の目的で
ある耐食性の向上には寄与しないばかりではなく、スケ
ールの還元が完了しても生成したスケールが比較的Fe
リッチのため還元後の皮膜の耐食性が低い。
されているように、大気焼鈍によって一度生成したスケ
ールを還元性ガスのプラズマジェットにより鋼板を加熱
しつつ酸化膜を還元する熱処理方法が提案されている。
この方法によれば、必要な温度に加熱している間、従来
のAP法ではスケールが成長していくのに対して、この
方法では逆に還元されてスケールが減少するため、次工
程のデスケール時間の短縮または酸洗工程の省略による
コストダウンや環境の改善が図れる。しかしながら、前
記公報による方法では還元処理の前に厚いスケールが生
成しているために還元処理後にもスケールが残存し、短
時間ではあるものの酸洗処理を行わなければならない。
その結果、表面皮膜が除去されるため、本発明の目的で
ある耐食性の向上には寄与しないばかりではなく、スケ
ールの還元が完了しても生成したスケールが比較的Fe
リッチのため還元後の皮膜の耐食性が低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ステンレス
鋼冷延板の熱処理において、酸化スケールの生成を制御
し、かつ還元することにより、AP法の製造コストと同
等のコストを維持しつつ、耐食性が大幅に改善された冷
延板を製造する熱処理方法を提供することを目的とす
る。
鋼冷延板の熱処理において、酸化スケールの生成を制御
し、かつ還元することにより、AP法の製造コストと同
等のコストを維持しつつ、耐食性が大幅に改善された冷
延板を製造する熱処理方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱ゾーン、
還元ゾーン、及び冷却ゾーンを順次通板して熱処理を行
うオーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法におい
て、前記加熱ゾーンにおいて酸素濃度0.5容量%以下
かつ露点−20〜10℃に調整した雰囲気中で1050
〜1150℃の温度に加熱し、続いて前記還元ゾーンに
おいて還元ガスを用いたプラズマジェットにより前記加
熱ゾーンで生成したスケールを還元し、続いて前記冷却
ゾーンにおいて非酸化性または還元性に調整した雰囲気
中で冷却することを特徴とするオーステナイト系ステン
レス鋼板の熱処理方法である。
還元ゾーン、及び冷却ゾーンを順次通板して熱処理を行
うオーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法におい
て、前記加熱ゾーンにおいて酸素濃度0.5容量%以下
かつ露点−20〜10℃に調整した雰囲気中で1050
〜1150℃の温度に加熱し、続いて前記還元ゾーンに
おいて還元ガスを用いたプラズマジェットにより前記加
熱ゾーンで生成したスケールを還元し、続いて前記冷却
ゾーンにおいて非酸化性または還元性に調整した雰囲気
中で冷却することを特徴とするオーステナイト系ステン
レス鋼板の熱処理方法である。
【0009】本発明の熱処理を行う設備としては、通常
の縦型炉あるいは横型炉を用いることができる。図3に
カテナリー型の横型炉で行う場合の例を示す。ステンレ
ス鋼板sは右から左方向に通板され、加熱ゾーン1、還
元ゾーン2を順次通過して熱処理され、冷延帯3で冷却
される。加熱ゾーン1の加熱手段としてはバーナー燃焼
加熱、電気加熱あるいは電気誘導加熱等が採用でき、雰
囲気の調整は燃焼条件や導入ガスの種類および流量等に
より行うことができる。還元ゾーン2での還元性ガスと
してはH2 ,COあるいは炭化水素等が採用できる。な
お本明細書におけるガス濃度はいずれもvol%であ
る。
の縦型炉あるいは横型炉を用いることができる。図3に
カテナリー型の横型炉で行う場合の例を示す。ステンレ
ス鋼板sは右から左方向に通板され、加熱ゾーン1、還
元ゾーン2を順次通過して熱処理され、冷延帯3で冷却
される。加熱ゾーン1の加熱手段としてはバーナー燃焼
加熱、電気加熱あるいは電気誘導加熱等が採用でき、雰
囲気の調整は燃焼条件や導入ガスの種類および流量等に
より行うことができる。還元ゾーン2での還元性ガスと
してはH2 ,COあるいは炭化水素等が採用できる。な
お本明細書におけるガス濃度はいずれもvol%であ
る。
【0010】各ゾーンの雰囲気調整をより効果的に行う
ための手段として、図3の例では、各ゾーンの間で鋼板
sをシールロール4と弾性ブロック5で挟むことにより
シールしている。弾性ブロック5は、圧下調整軸6をハ
ンドル7で上下させることにより鋼板sを押し付け、図
4に示すように鋼板sの両エッジ外側においてもシール
できている。図3において、酸化抑制ゾーン1の入り口
のシールおよび強制還元ゾーン2と冷却帯3の間のシー
ルは、上下ともシールロール4となっているが、これら
の位置でも上方を弾性ブロック5とすることができる。
シールロール4の材料には、通常のハースロールに採用
されている耐熱鋳鋼等が使用でき、弾性ブロック5の材
料には、セラミックファイバー、フェルト等、適度の弾
性と耐磨耗性を有し、かつ鋼板sに擦り傷や汚れを付け
ないものが使用できる。
ための手段として、図3の例では、各ゾーンの間で鋼板
sをシールロール4と弾性ブロック5で挟むことにより
シールしている。弾性ブロック5は、圧下調整軸6をハ
ンドル7で上下させることにより鋼板sを押し付け、図
4に示すように鋼板sの両エッジ外側においてもシール
できている。図3において、酸化抑制ゾーン1の入り口
のシールおよび強制還元ゾーン2と冷却帯3の間のシー
ルは、上下ともシールロール4となっているが、これら
の位置でも上方を弾性ブロック5とすることができる。
シールロール4の材料には、通常のハースロールに採用
されている耐熱鋳鋼等が使用でき、弾性ブロック5の材
料には、セラミックファイバー、フェルト等、適度の弾
性と耐磨耗性を有し、かつ鋼板sに擦り傷や汚れを付け
ないものが使用できる。
【0011】また各ゾーンの雰囲気の圧力調整手段を図
5に示す。加熱ゾーン1および強制還元ゾーン2の炉内
圧力を、圧力検出器P1 ,P2 で検出し、差圧演算制御
装置12の指令により、各ゾーンからの排気ダクト11
の途中に設置した電動バルブV1 ,V2 の開度を制御し
て、各ゾーンの圧力調整を行う。
5に示す。加熱ゾーン1および強制還元ゾーン2の炉内
圧力を、圧力検出器P1 ,P2 で検出し、差圧演算制御
装置12の指令により、各ゾーンからの排気ダクト11
の途中に設置した電動バルブV1 ,V2 の開度を制御し
て、各ゾーンの圧力調整を行う。
【0012】
【作用】本発明の熱処理方法によれば、ステンレス鋼板
sはまず加熱ゾーン1での加熱において、鋼中のCrが
優先的に酸化され、鋼板sの表面に高Cr濃度の酸化ス
ケールが形成される。このような高Cr濃度のスケール
は、次の還元ゾーン2において、H2 等の還元性ガスを
用いたプラズマジェットにより還元され、Cr濃度の高
い表面皮膜となり、BA法による表面皮膜に匹敵する良
好な耐食性を得ることができる。
sはまず加熱ゾーン1での加熱において、鋼中のCrが
優先的に酸化され、鋼板sの表面に高Cr濃度の酸化ス
ケールが形成される。このような高Cr濃度のスケール
は、次の還元ゾーン2において、H2 等の還元性ガスを
用いたプラズマジェットにより還元され、Cr濃度の高
い表面皮膜となり、BA法による表面皮膜に匹敵する良
好な耐食性を得ることができる。
【0013】一方、コスト面では、本発明はAP法に比
べガスおよび電力のコストは上昇するが、酸洗が省略で
き、焼鈍炉をコンパクト化できるためランニングコスト
及び設備コストのコストダウンができ、AP法と同等以
下のコストで処理できる。また、生産性については、A
P法と同等あるいはそれ以上の通板速度で処理すること
ができ、非常に良好である。
べガスおよび電力のコストは上昇するが、酸洗が省略で
き、焼鈍炉をコンパクト化できるためランニングコスト
及び設備コストのコストダウンができ、AP法と同等以
下のコストで処理できる。また、生産性については、A
P法と同等あるいはそれ以上の通板速度で処理すること
ができ、非常に良好である。
【0014】耐食性向上効果を得るために、加熱ゾーン
では最表面のCr/Fe(wt%)の比が1以上であ
り、厚さが0.05μm以上0.5μm以下のスケール
を生成させなければならない。なぜなら図1に示すよう
に、還元処理後の耐食性指標としての孔食電位に対し
て、加熱ゾーンで生成したスケールの最表面Cr/Fe
比とスケール厚が影響し、還元後の皮膜の孔食電位を5
00mV以上(BA処理材と同等)にするためには、C
r/Feを1以上かつスケール厚を0.05μm以上に
することが必要である。また0.5μmより厚いスケー
ルではスケールを全て還元する前に、プラズマジェット
により表面温度が上昇し、板表面が溶融してしまうため
スケール厚は0.5μm以下としなければならない。
では最表面のCr/Fe(wt%)の比が1以上であ
り、厚さが0.05μm以上0.5μm以下のスケール
を生成させなければならない。なぜなら図1に示すよう
に、還元処理後の耐食性指標としての孔食電位に対し
て、加熱ゾーンで生成したスケールの最表面Cr/Fe
比とスケール厚が影響し、還元後の皮膜の孔食電位を5
00mV以上(BA処理材と同等)にするためには、C
r/Feを1以上かつスケール厚を0.05μm以上に
することが必要である。また0.5μmより厚いスケー
ルではスケールを全て還元する前に、プラズマジェット
により表面温度が上昇し、板表面が溶融してしまうため
スケール厚は0.5μm以下としなければならない。
【0015】このようなスケールを生成するため、加熱
ゾーンにおける加熱の条件として、酸素濃度、露点、温
度を以下のように規定する。酸素濃度、露点について
は、1150℃×90秒焼鈍によって両条件を変化させ
て焼鈍するとスケール厚及びスケール最表面のCr/F
e比が図2に示す等高線のようになる。下記に示す範囲
で温度設定が変動したときの変化も考慮に入れ、酸素濃
度及び露点の範囲は図2の斜線によって囲まれる酸素濃
度0.5%以下、露点−20℃以上10℃以下とする。
加熱温度については、オーステナイト系ステンレスの溶
体化処理を完了させる必要上、約1050℃の炭化物溶
体温度以上で、粗大粒を生じさせないよう1150℃以
下の温度で焼鈍しなければならない。
ゾーンにおける加熱の条件として、酸素濃度、露点、温
度を以下のように規定する。酸素濃度、露点について
は、1150℃×90秒焼鈍によって両条件を変化させ
て焼鈍するとスケール厚及びスケール最表面のCr/F
e比が図2に示す等高線のようになる。下記に示す範囲
で温度設定が変動したときの変化も考慮に入れ、酸素濃
度及び露点の範囲は図2の斜線によって囲まれる酸素濃
度0.5%以下、露点−20℃以上10℃以下とする。
加熱温度については、オーステナイト系ステンレスの溶
体化処理を完了させる必要上、約1050℃の炭化物溶
体温度以上で、粗大粒を生じさせないよう1150℃以
下の温度で焼鈍しなければならない。
【0016】次に、還元ゾーンにおいてスケールの還元
を行う方法は、還元性ガスのプラズマジェットによるも
のに限定する。これはその他の方法、例えば還元性雰囲
気中で電熱等で放射加熱をするような方式と異なり、プ
ラズマジェットによる方法では還元性ガスがプラズマに
よりイオン化する事で活性化し、熱エネルギーによるも
の以上の高い還元効果を得ることができ、短時間で還元
が可能なためである。また、冷却ゾーンについては再ス
ケール生成を抑止するために非酸化性ないし還元性雰囲
気とする必要がある。
を行う方法は、還元性ガスのプラズマジェットによるも
のに限定する。これはその他の方法、例えば還元性雰囲
気中で電熱等で放射加熱をするような方式と異なり、プ
ラズマジェットによる方法では還元性ガスがプラズマに
よりイオン化する事で活性化し、熱エネルギーによるも
の以上の高い還元効果を得ることができ、短時間で還元
が可能なためである。また、冷却ゾーンについては再ス
ケール生成を抑止するために非酸化性ないし還元性雰囲
気とする必要がある。
【0017】また各ゾーンの間において、ステンレス鋼
板sをシールロール4と弾性ブロック5で挟むことによ
り、図4に示したように鋼板sの両エッジ外側において
もシールでき、各ゾーンの雰囲気はより確実に維持さ
れ、上記制御がより効果的に行われる。鋼板sには種々
の板幅のものがあって、それらを同一の設備で熱処理す
る場合、両面ともシールロール4で挟む方法では、鋼板
sの両エッジ外側では隙間が生じてシールが不完全にな
るのに対し、図4の手段によれば、このような問題が解
決される。
板sをシールロール4と弾性ブロック5で挟むことによ
り、図4に示したように鋼板sの両エッジ外側において
もシールでき、各ゾーンの雰囲気はより確実に維持さ
れ、上記制御がより効果的に行われる。鋼板sには種々
の板幅のものがあって、それらを同一の設備で熱処理す
る場合、両面ともシールロール4で挟む方法では、鋼板
sの両エッジ外側では隙間が生じてシールが不完全にな
るのに対し、図4の手段によれば、このような問題が解
決される。
【0018】
【実施例】オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS
304及びSUS316等の、厚さ1mmの冷間圧延材を
図3に示す熱処理炉に通板し、表1に示す条件で熱処理
を行った。この方法により熱処理およびスケール還元を
行ったサンプルの耐食性を、孔食電位を測定することに
より評価した。その結果を表1に示す。尚、比較とし
て、従来法であるAP法及びBA法で製造した冷延焼鈍
板の孔食電位も示す。本発明法によって製造した冷延板
は、BA法並の良好な耐食性を示す。
304及びSUS316等の、厚さ1mmの冷間圧延材を
図3に示す熱処理炉に通板し、表1に示す条件で熱処理
を行った。この方法により熱処理およびスケール還元を
行ったサンプルの耐食性を、孔食電位を測定することに
より評価した。その結果を表1に示す。尚、比較とし
て、従来法であるAP法及びBA法で製造した冷延焼鈍
板の孔食電位も示す。本発明法によって製造した冷延板
は、BA法並の良好な耐食性を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明により、オーステナイト系ステン
レス鋼板の焼鈍を行うと、耐食性が従来のAP法より良
好でBA法並の製品板が得られ、更にデスケール工程を
省略できるため設備、ランニングコストも低減できる。
レス鋼板の焼鈍を行うと、耐食性が従来のAP法より良
好でBA法並の製品板が得られ、更にデスケール工程を
省略できるため設備、ランニングコストも低減できる。
【図1】本発明において還元ゾーンでスケールが完全に
還元されるまでの時間還元処理を実施した場合、孔食電
位に及ぼす加熱ゾーンで生成したスケールの最表面Cr
/Fe比とスケール厚の影響を示す図。
還元されるまでの時間還元処理を実施した場合、孔食電
位に及ぼす加熱ゾーンで生成したスケールの最表面Cr
/Fe比とスケール厚の影響を示す図。
【図2】1150℃×90秒焼鈍において酸素濃度、露
点のスケール厚とスケール最表面のCr/Fe比に及ぼ
す影響を示す図。
点のスケール厚とスケール最表面のCr/Fe比に及ぼ
す影響を示す図。
【図3】本発明を実施する装置例を示す図。
【図4】本発明における雰囲気のシール構造の例を示す
図3のA−A線断面図。
図3のA−A線断面図。
【図5】本発明における雰囲気の圧力調整の例を示す
図。
図。
1:加熱ゾーン 2:還元ゾーン 3:冷却帯 4:シールロール 5:弾性ブロック 6:圧下調整軸 7:ハンドル 11:排気ダクト 12:差圧演算制御装置 s:鋼板 P:圧力検出器 V:電動バルブ
Claims (1)
- 【請求項1】 加熱ゾーン、還元ゾーン、及び冷却ゾー
ンを順次通板して熱処理を行うオーステナイト系ステン
レス鋼板の熱処理方法において、前記加熱ゾーンにおい
て酸素濃度0.5容量%以下、かつ露点−20〜10℃
に調整した雰囲気中で1050〜1150℃の温度に加
熱し、続いて前記還元ゾーンにおいて還元ガスを用いた
プラズマジェットにより前記加熱ゾーンで生成したスケ
ールを還元し、続いて前記冷却ゾーンにおいて非酸化性
または還元性に調整した雰囲気中で冷却することを特徴
とするオーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4447694A JPH07252534A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | オーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4447694A JPH07252534A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | オーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07252534A true JPH07252534A (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=12692588
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4447694A Withdrawn JPH07252534A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | オーステナイト系ステンレス鋼板の熱処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07252534A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007530282A (ja) * | 2004-03-25 | 2007-11-01 | ユジンヌ・エ・アルツ・フランス | 表面が艶消し仕上げされたオーステナイト系ステンレス帯鋼の製造方法 |
| JP2014080641A (ja) * | 2012-10-15 | 2014-05-08 | Jfe Steel Corp | 連続焼鈍炉内雰囲気ガス濃度の制御方法 |
| WO2025126588A1 (ja) * | 2023-12-12 | 2025-06-19 | 中外炉工業株式会社 | 前処理装置 |
-
1994
- 1994-03-15 JP JP4447694A patent/JPH07252534A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007530282A (ja) * | 2004-03-25 | 2007-11-01 | ユジンヌ・エ・アルツ・フランス | 表面が艶消し仕上げされたオーステナイト系ステンレス帯鋼の製造方法 |
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