JPH0725410Y2 - 振動減衰装置を組み込んだ壁構造 - Google Patents

振動減衰装置を組み込んだ壁構造

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JPH0725410Y2
JPH0725410Y2 JP1370189U JP1370189U JPH0725410Y2 JP H0725410 Y2 JPH0725410 Y2 JP H0725410Y2 JP 1370189 U JP1370189 U JP 1370189U JP 1370189 U JP1370189 U JP 1370189U JP H0725410 Y2 JPH0725410 Y2 JP H0725410Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 イ.考案の目的 〔産業上の利用分野〕 この考案は、地震動等の強力な強制振動力に対して対抗
する建築構造物の壁構造に関し、更に詳しくは、振動減
衰装置を組み込んだ壁構造に関する。
〔従来の技術〕
ビルなどの建築構造物が地震などの強制振動力を受けて
振動して変形を生ずる場合、該変形は各階層が水平に移
動する剪断変形及び各階層が傾斜して移動する曲げ変形
に大別される。この地震などによって建築構造物に生ず
る剪断変形及び曲げ変形は、各階層の柱と梁とによって
区画される空間部を閉塞する壁に波及し、当該壁を損壊
させるという事態を招来する。
上述した点に鑑み、従来、各階層の柱と梁とによって区
画される空間部に、高粘性物質の粘性剪断抵抗力を利
用した振動減衰装置を組み込んだ壁構造(特公昭54−28
226号)、あるいは壁自体を高粘性物質の粘性剪断抵
抗力を発生させる構成をした壁構造(特開昭61−87068
号)、更には該柱と壁との間に油圧式減衰器(ピスト
ン−オリフィス型)を組み込んだ壁構造、などが提案さ
れている。
しかしながら、上述した前者の粘性剪断抵抗力を利
用した従来技術は、大きな抵抗力を得ることができるば
かりでなく微小変位に対してきわめて敏感に反応すると
いう性能上の利点を有している反面、いずれも高粘性物
質を使用していることから該粘性物質の漏れの問題、い
わゆる密封手段に特別な配慮を必要とすること、また粘
性剪断抵抗力の発生に多大な影響をもたらす各抵抗板の
平面度、平行度、抵抗板間の微小隙間の保持などが難し
く、精度よく製作し難いという製作上の問題がある。こ
の製作上の困難性は装置自体あるいは壁自体が大型にな
ればなるほど増大する。
また、後者の油圧式減衰器を使用した従来技術は大容
量のものが比較的容易に製作することができるという利
点を有する反面、シール材は絶えず内部応力を受け、シ
ール材の破損が起こり易いという問題がある。
〔考案が解決しようとする問題点〕
本考案は上述した点に鑑み、製作が容易でかつ比較的小
さな構造で大きな振動減衰機能を有する振動減衰装置を
利用し、該振動減衰装置を組み込んだ壁構造を得ること
を目的とするものである。
ロ.考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 上述した目的を達成するべく本考案は次の技術手段(構
成)を採る。すなわち、建築構造物の骨組をなす柱と梁
とによって区画される空間部には該空間部を閉塞する壁
体が配されており、前記壁体にはその上縁部に前記梁に
臨んで切欠き凹部が形成されており、前記切欠き凹部に
は、内部に実質的に中空円筒状の作動室を備えたケーシ
ングと;外面に少なくとも1つの抵抗翼を有するととも
に該抵抗翼を該作動室内に位置させて該ケーシングに回
転可能に支持された回転軸体と;前記作動室内に該作動
室内壁と回止め手段をもって密に充填された鉛等の金属
塑性物質と;からなる振動減衰装置が、前記ケーシング
の板面を前記切欠き凹部の側面と直交させて前記梁に固
定されており、前記回転軸体のケーシングより突出した
外周面にはピニオンが固定されているとともに該ピニオ
ンは前記壁体の切欠き凹部の側面に取り付けられた取付
け板に固定されたラックバーのラックに噛合されている
ことを特徴とする。
〔作用〕
ビルなどの建築構造物に地震などにより大きな剪断変形
および曲げ変形が生じ、該変形により各階層の梁と壁体
との間に周期的な相対変位が生じた場合、端部がそれぞ
れ壁体の切欠き凹部側面の取付板に固定されたラックバ
ーは水平変位する。
該ラックバーの水平変位により、該ラックバーのラック
に噛合するピニオンが回転し、該ピニオンを固定した回
転軸体に周期的に回転力が伝達される。
該回転軸体が周期的に回転しようとすると、ケーシング
の作動室内に該作動室内壁と回止め手段をもって密に充
填された金属塑性物質は、ケーシングの作動室内に位置
せしめられた回転軸体の抵抗翼によって該抵抗翼付近に
おいて塑性変形を生ずる。
この金属塑性物質が塑性変形する際の抵抗力によって、
該回転軸体の回転は阻止され、梁と壁体との相対変位は
阻止される。該梁と壁体との相対変位が阻止され、換言
すれば梁と壁体との相対変位を生起させる地震エネルギ
ーが吸収されるので、該壁体の損壊は防止される。
〔実施例〕
本考案の振動減衰装置を組み込んだ壁構造の実施例を図
面に基づいて説明する。
第1図〜第4図はその一実施例を示す。すなわち、第1
図はその壁構造の全体を示し、第2図〜第4図はその各
部の詳細構造を示す。
第1図及び第2図を参照して、1,2は建築構造物の骨組
をなす柱及び梁であり、該柱1と梁2とによって区画さ
れる空間部3に壁体4が閉塞して設置される。該壁体4
は柱1及び梁2に対して相対的変位が許容されるよう
に、例えば溝嵌合手段等により固定設置されている。
該壁体4は所定の厚さを有し、その上縁部に矩形状の切
欠き凹部5が凹設され、該切欠き凹部5の側面5aに該側
面5aと直交する方向に幅狭の凹溝6がそれぞれ形成され
ている。該凹溝6は上方に開口する。
切欠き凹部5の側面5aには、貫通孔8aを備えた取付け板
8が、該貫通孔8aを凹溝6に連通させて固設される。
そして、この取付け板8に対してラックバー9が取り付
けられる。すなわち、ラックバー9の両端にはねじ部9a
が形成され、このねじ部9aを取付け板8の貫通孔8aに挿
通させるとともに、凹溝6の空間を利用して装入された
ナット10をもって螺合緊定し、ラックバー9の固定がな
される。
このようにして、ラックバー9は壁体4に水平方向に横
架して固設される。
また、ラックバー9の中央部上面にはラック11が形成さ
れる。13はこのラック11に噛合するピニオンであり、14
はこのピニオン13を取り付けるピニオン軸である。
該ピニオン軸14に連動して、壁体4の切欠き凹部5内に
振動減衰装置Sが取付け部材15を介して梁2の下面に固
定される。
第3図及び第4図にこの振動減衰装置Sの一例示態様を
示す。
すなわち、この振動減衰装置Sは、内部に実質的に中空
円筒状と作動室16を備えた円筒状のケーシング17と、外
面に抵抗翼18を有するとともに、この抵抗翼18を作動室
16内に位置させて、ケーシング17内の中心軸位置に回転
可能に支持された回転軸体19と、該作動室16内に密に充
填された鉛Pと、を含む。しかして、回転軸体19はピニ
オン軸14に連結される。
もっと詳しくは、ケーシング17は、内部に実質的に円筒
形をなす鍋状凹部21が形成された分割体17Aと、該分割
体17Aの凹部21を塞ぐように対設される蓋状の分割体17B
とからなり、適宜の固着手段(例えば溶接,ボルト等)
をもって両分割体17A,17Bは一体的に組み立てられる。
分割体17A,17Bはともに中心部に円孔22が開設され、該
円孔22に軸受23を介して回転軸体19を回転可能に支持す
る。
作動室16は密閉された空間であり、その円周側壁面、換
言すれば鍋状凹部21の側壁面には回止め手段としての突
起部25が形成されている。
本実施例では、該突起部25は作動室16の側壁に相対して
2箇所設けられているが、1箇所でもよく、あるいは等
間隔に3箇所以上に設けられてもよい。また、突起部25
に代えて波状の凹凸部としてもよい。更に、作動室16換
言すれば鍋状凹部21が四角形状(あるいは多角形状)を
採るときには、格別の回り止め手段は不要である。
抵抗翼18は、この作動室16内において、回転軸体19の外
周面に、互いに相対する側に向けて突設されている。該
抵抗翼18の幅は作動室16の幅と実質的に一致し、すき間
を形成しない。
また、抵抗翼18の頂部18aは丸みをもった形状とされ、
かつ、その側面部18bもなだらかな曲面状とされる。な
お、該頂部18aと作動室16の内壁との間は後記する鉛の
塑性変形の特性に変化を与えない距離に保持される。
回転軸体19はケーシング17の側部より突出してピニオン
軸14に連結されるが、該回転軸体19にピニオン13を直接
的に取り付ける態様を採ることができることは勿論であ
る。
エネルギー吸収体としての鉛Pは、この抵抗翼18を組み
込んだ作動室16内に充填される。該鉛Pは、溶融した状
態(融点327.5℃)で作動室16内に鋳込まれるものであ
る。この鋳込みは本装置Sの組立て過程において、ケー
シング17が組み立てられた状態でケーシング17に穿設さ
れた湯口(図示せず)より注湯し、しかる後その入口部
に盲蓋(図示せず)を被嵌する。この使用される鉛Pと
しては純粋鉛の他に、鉛合金、あるいは鉛その他の物質
との混合物を含む。
この振動減衰装置Sは本考案に適用される一例示態様で
あり、必須要件を備えるものであれば他の態様の振動減
衰装置が適用されうることは勿論である。
取付け部15はこの振動減衰装置Sを梁2に取り付けるも
のである。すなわち、取付け部15は、ケーシング17を剛
的に把持し、かつ、梁2の下面にそのフランジ15aを介
して固設される。この取付けにおいて、この振動減衰装
置Sのケーシング17の板面は壁体4の切欠き凹部5の側
面5aに直交させて配されるものであり、換言すれば、回
転軸体19の中心軸心は切欠き凹部5の側面5aと平行であ
るとともにラックバー9に直交するものである。
更に述べれば、本振動減衰装置Sは切欠き凹部5内に余
裕空間を存して配されるものである。また、この壁構造
の建築構造物への配置は、一方向に限らず、多方向にな
されるものであるが、要は卓越する振動変位を抑えるべ
く配されることが肝要である。
このように構成された本実施例の振動減衰装置を組み込
んだ壁構造は、地震動に対し次のように作動する。
構造物に地震動による周期的強制振動が作用すると、該
振動は柱1及び梁2に伝わるが、壁体4はこれらとは変
位的に絶縁されたものとなっており、かつ、壁体4自体
は壁面に沿う方向には剛体とみなされるので、梁2と壁
体4との間に剪断変位の卓越した相対的変位が生じる。
これに伴い、端部がそれぞれ壁体4の切欠き凹部5の側
面5aの取付板8に固定されたラックバー9は水平変位す
る。該ラックバー9の水平変位により、該ラックバー9
のラック11に噛合したピニオン13が回転し、該ピニオン
13を固定したピニオン軸14に周期的に回転力が伝達され
る。更に、ピニオン軸14の回転は回転軸体19に伝達され
る。
該回転軸体19の回転により、ケーシング17の作動室16内
において回転軸体19の抵抗翼18はその緩やかな側曲面に
より封入鉛P中を押し分けて該鉛Pを塑性変形して周期
的に回転変位する。この鉛Pの塑性変形によりエネルギ
ー消費がなされ、回転軸体19の運動を減衰させる。
この運動において、鉛Pは回止め手段25によって供回り
が阻止されており、抵抗翼18の運動は有効に鉛Pの塑性
変形に使用される。
上記の変位は周期的なものであり、従って、回転軸体19
の運動は周期的なものとなり、かつ、鉛の塑性変形に伴
うエネルギー消費は極めて大きなものであるので、この
周期的回転運動は速やかに減衰され、結局、梁2と壁体
4との剪断変形に伴う相対的変位は速やかに減衰され
る。
本実施例においては、高層階の建築構造物における剪断
変形の卓越する各階の壁体の上端と梁との間に振動減衰
装置が設けられており、この変形が直接的にラックバー
及びピニオンを介して、振動減衰装置に伝えられる。こ
のため、変形エネルギーの大宗は該振動減衰装置Sで吸
収され、変形の伝達経路中のエネルギー損失は可及的な
ものである。従って、エネルギー吸収すなわち振動減衰
は極めて鋭敏になされるという利点がある。
また、本壁構造に組み込まれる振動減衰装置Sは、鉛の
塑性流動化に伴うエネルギー消費によるので、大きなエ
ネルギー吸収能力を得ることができ、それだけ小型化さ
れ、壁体にコンパクトに組み込むことができる。
本考案は上記実施例に限定されるものではなく、本考案
の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能であ
る。すなわち、以下の態様は本考案の技術的範囲内に包
含されるものである。
(A)本実施例においては、振動減衰装置Sの一例示態
様を示したが、鉛体を使用した同等の作用を奏する他の
振動減衰装置の適用を防げるものではない。例えば、本
実施例の振動減衰装置Sにおいては抵抗翼18は両側に張
設されているが、片側でもよく、あるいは放射状に張設
されてもよい。また、該抵抗翼18は作動室16の幅よりも
十分に小さくされてもよい。
(B)本実施例においては、ラックバー9は壁体4の切
欠き凹部5の側面に固設された取付け板8に凹溝6を介
して取り付けられているが、ラックバー9を直接的に取
付け板8に溶着するものであれば凹溝6は不要であり、
更に、ラックバー9を壁体4に埋込み固定するものであ
れば取付け板8及び凹溝6も不要である。
(C)エネルギー吸収体として、鉛のほか、錫、亜
鉛、アルミニウム、ナトリウム、銅などの金属、鉛−
錫合金、亜鉛−アルミニウム−銅などの超塑性合金が使
用される。更に、鉛、あるいは上記及びの物質が選
ばれる場合は、これらの物質の2以上の組合わせも可能
である。
上記及びの物質をエネルギー吸収体として使用する
場合においては、これらの物質は鉛体と同じくその塑性
流動化に伴うエネルギー吸収により減衰がなされる。
ハ.考案の効果 本考案の振動減衰装置を組み込んだ壁構造は、以下の特
有の効果を有する。
建築構造物に生起する振動エネルギーを鉛体の塑性流
動化に伴うエネルギー消費により、その吸収を行うもの
であるので、大きな減衰力を得ることができ、かつ、そ
のエネルギー消費をなす振動減衰装置自体も構造が簡単
であり、この壁構造の製作は容易である。
上記と相まって、振動減衰装置は小型化でき、壁体
にコンパクトに組み込むことができる。
建築構造物の骨組み壁体との間の卓越する相対的変位
が、ラックバー及びピニオンを介して可及的エネルギー
損失なく振動減衰装置に伝えられ、効率的に振動エネル
ギーが吸収される。
ケーシングの中空部内に密に充填された鉛に塑性変形
を起こさせる抵抗翼はその数及び大きさを適宜変更する
ことにより所望の抵抗力を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の振動減衰装置を組み込んだ壁構造を示
す一部断面正面図、第2図は第1図のI−I線拡大断面
図、第3図はこの壁構造に組み込まれる振動減衰装置の
断面側面図、第4図は第3図のII−II線断面図である。 1…柱、2…梁、3…空間部、4…壁体、5…切欠き凹
部、5a…側面、6…凹溝、8…取付け板、9…ラックバ
ー、11…ラック、13…ピニオン、16…作動室、17…ケー
シング、18…抵抗翼、19…回転軸体、P…鉛、
フロントページの続き (72)考案者 下田 郁夫 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス工 業株式会社内 (72)考案者 鶴谷 千明 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−197574(JP,A)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築構造物の骨組をなす柱と梁とによって
    区画される空間部には該空間部を閉塞する壁体が配され
    ており、 前記壁体にはその上縁部に前記梁に臨んで切欠き凹部が
    形成されており、 前記切欠き凹部には、内部に実質的に中空円筒状の作動
    室を備えたケーシングと;外面に少なくとも1つの抵抗
    翼を有するとともに該抵抗翼を該作動室内に位置させて
    該ケーシングに回転可能に支持された回転軸体と;前記
    作動室内に該作動室内壁と回止め手段をもって密に充填
    された金属塑性物質と;からなる振動減衰装置が、前記
    ケーシングの板面を前記切欠き凹部の側面と直交させて
    前記梁に固定されており、 前記回転軸体のケーシングより突出した外周面にはピニ
    オンが固定されているとともに該ピニオンは前記壁体の
    切欠き凹部の側面に取り付けられた取付け板に固定され
    たラックバーのラックに噛合されている、 ことを特徴とする振動減衰装置を組込んだ壁構造。
JP1370189U 1989-02-08 1989-02-08 振動減衰装置を組み込んだ壁構造 Expired - Fee Related JPH0725410Y2 (ja)

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