JPH07254114A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH07254114A
JPH07254114A JP4347994A JP4347994A JPH07254114A JP H07254114 A JPH07254114 A JP H07254114A JP 4347994 A JP4347994 A JP 4347994A JP 4347994 A JP4347994 A JP 4347994A JP H07254114 A JPH07254114 A JP H07254114A
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film
magnetic
magnetoresistive
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JP4347994A
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Katsuya Mitsuoka
勝也 光岡
Hiroshi Fukui
宏 福井
Koichi Nishioka
浩一 西岡
Hiroshi Kamio
浩 神尾
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの特性バラツキやノイズの原因と
なるバルクハウゼンノイズを防止出来、しかも狭トラッ
ク部でもヘッド感度の低下を抑えた特に磁気抵抗効果型
に有効な磁気ヘッドを提供すること。 【構成】 磁気抵抗効果膜50上に磁区制御層60及び
電極膜70を配置し、前記磁区制御層60が導電性の非
磁性膜55と磁気的にソフトな強磁性膜65とを順次積
層した2層以上の積層膜から構成する。これにより磁気
抵抗効果膜端部でのポ−ルの発生及びを防止して、感磁
部の磁気抵抗効果膜に影響を及ぼすことなく感度の低下
を抑制することができると共に、磁区制御層60から生
じる縦バイアス磁界によって、磁気抵抗効果膜の中央部
に磁壁が発生するのを抑制し、磁壁の不規則な移動が原
因であるバルクハウゼンノイズを抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、狭トラック対応の磁気
ヘッドに係り、特にバルクハウゼンノイズを低減する磁
区制御膜を持つ磁気抵抗効果型に好適な磁気ヘッドに関
する。
【0002】
【従来技術】一般に磁気ディスク装置に適用される磁気
抵抗効果(MR)型薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜
の電気抵抗が磁気ディスクからの磁化によって変化する
現象を利用した再生用の磁気ヘッドであり、通常は書き
込み用のインダクティブ型磁気ヘッドと組み合わせたM
R・インダクティブ複合磁気ヘッドとして使用されてい
る。この磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、複合磁気ヘッド
構成を示す図9(a)及びMRヘッド部分の拡大を示す
図9(b)の様に、磁性体から成る下部(磁気)シ−ル
ド10及びインダクティブ型磁気ヘッドの上部磁気コア
110が搭載された上部(磁気)シ−ルド90との間
に、磁気抵抗効果素子100を配置している。
【0003】この磁気抵抗効果素子100は、磁気抵抗
効果膜と磁気抵抗効果膜にバイアスを加えるためのバイ
アス膜を含む多層膜であると共に、該磁気抵抗効果膜の
磁区に縦バイアス磁界を印加して単一磁区状態に保つた
めの磁区制御層60及び電極70が上部左右端に配置さ
れている。
【0004】この磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気抵
抗効果膜100にバイアス膜からの横方向バイアス及び
電極70からの検出電流を印加しながら磁気ディスク上
を相対移動することによって、磁気ディスクからの磁界
により変化する磁気抵抗効果膜に流れる検出電流の抵抗
値変化を検出してデータの再生を行なうものである。
【0005】この磁気抵抗効果型磁気ヘッドの課題は、
高出力化とノイズフリーの両立である。それを実現する
方法が今までに数多く開示されており、その内で磁気抵
抗効果膜の両端部領域のみを前記磁区制御層によって単
一磁区状態とする方法が有力である。この磁区制御層の
例としては、例えば特開昭62−40610号公報に記
載された如く、磁気抵抗効果膜の端部上側に磁区制御層
として作用する反強磁性膜を直接形成し、磁気抵抗効果
膜の端部上側を単一磁区状態に維持するものが知られて
いる。この技術は、磁気抵抗効果膜の端部だけに磁気抵
抗効果膜の長さ方向縦バイアス磁界を印加する磁区制御
層を配置し、この端部を単一磁区状態に維持するもので
ある。また、特開平2−220213号公報では磁気抵
抗効果膜の磁区制御層として、非磁性膜上に永久磁石膜
を積層して単一磁区状態を実現する技術が開示されてい
る。また同様に磁区制御層が記載された文献としては、
特開平3−120610号公報及び特開平2−2202
13号公報が挙げられ、これら文献には磁区制御材料と
して、非磁性膜及び永久磁石膜を連続積層したものを使
用する例が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、以下に述べるような不
具合があった。
【0007】まず、前記公報に記載された磁区制御層と
して作用する反強磁性膜は、反強磁性材料としてFeM
n系及びNiO等が知られているが、FeMn系反強磁
性膜は耐食性が乏いために保護膜を設ける必要があり、
またNiOは酸化物のため耐食性は優れているものの絶
縁膜であるため磁気抵抗効果膜上に形成出来ず、磁区制
御層の端部位置と電極間隔の位置をセルフアライメント
に決定出来ないと言う不具合があった。前記二種類の反
強磁性材料の長所・短所より類推すると、耐食性の優れ
た導電性磁区制御膜の開発は磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の感度を向上できることになるが、今までのところ実現
されていない。
【0008】また前記実施例に記載された反強磁性膜に
代わる磁区制御材料として非磁性膜及び永久磁石膜を連
続積層した磁区制御層を使用するものは、永久磁石膜の
パタ−ン端部より生じるポ−ルが磁気抵抗効果膜の感磁
部中央にも影響して磁界感度が低下すると言う不具合を
招いていた。この永久磁石膜を用いるものは、磁気抵抗
効果膜上の非磁性膜と永久磁石膜の厚さを最適化出来れ
ば上記感磁部の磁気抵抗効果膜に及ぼす影響を小さく出
来ることが考えられるが、膜形成プロセスにおいて磁気
抵抗効果膜及びその上に形成する非磁性膜と永久磁石膜
の厚さの変動を抑制することは出来ないため、磁気抵抗
効果膜の感磁部に永久磁石膜のパタ−ン端部より生じる
ポ−ルが影響し、磁界感度の低下は避けられないもので
あった。
【0009】特に近年の高密度記録の要求によって磁気
ディスクのトラック幅が狭くなると感磁部の大部分が磁
界感度の低い領域となり、出力低下が避けられず、永久
磁石膜を磁気抵抗効果型磁気ヘッドに適用することが困
難であると言う不具合があった。
【0010】本発明の目的は、前記従来技術による不具
合を除去することであり、感磁部の磁気抵抗効果膜に影
響を及ぼすことなくバルクハウゼンノイズを抑制するこ
とができる導電性磁区制御層を持つ磁気抵抗効果型磁気
ヘッドを提供することである。また耐食性にすぐれ且つ
感磁部の磁気抵抗効果膜に影響を及ぼすことなく感度の
低下及びバルクハウゼンノイズの発生を抑制することが
できる導電性磁区制御層及び該導電性磁区制御層を持つ
磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜に検出
電流を印加させる電極と、前記磁気抵抗効果膜に横方向
バイアスを加える横バイアス膜と、前記磁気抵抗効果膜
の上側両端部に配置した磁区制御層とを備える磁気抵抗
効果型の磁気ヘッドにおいて、前記磁区制御層が、非磁
性膜と磁気的にソフトな強磁性膜とを積層した多層膜で
あることを第1の特徴とする。
【0012】また本発明は、薄い金属層で分離された第
1の強磁性膜と第2の強磁性膜より構成され、少なくと
も一方の強磁性膜の磁化方向を固定する手段を持つスピ
ンバルブ型の磁気ヘッドにおいて、前記磁化方向を固定
する手段として非磁性膜と磁気的にソフトな強磁性膜と
を順次積層して構成された多層膜の磁区制御層を設けた
ことを第2特徴とする。
【0013】更に本発明は、前記第1又は第2の特徴に
よる磁気ヘッドにおいて、前記磁区制御層の非磁性膜
が、銀又は銅又は金又はこれらの合金又はこれらの積層
膜であることを第3の特徴とし、前記磁区制御層の非磁
性膜の厚さが、磁気抵抗効果膜及び磁区制御層の磁性膜
の厚さよりも薄いことを第4の特徴とする。
【0014】
【作用】前記第1の特徴による磁気ヘッドは、磁気抵抗
効果膜の両端部上側に、反強磁性結合を利用した磁区制
御層を配置したことにより、磁気抵抗効果膜端部でのポ
−ルの発生及びを防止して、感磁部の磁気抵抗効果膜に
影響を及ぼすことなく感度の低下を抑制することができ
る。また本磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜両端部上側に
設けられた磁気抵抗効果膜と磁区制御層との反強磁性結
合により生じる縦バイアス磁界によって、磁気抵抗効果
膜の中央部に磁壁が発生するのを抑制できるので、磁壁
の不規則な移動が原因であるバルクハウゼンノイズを抑
えることができる。
【0015】第2の特徴による磁気ヘッドは、磁化方向
を固定する手段として非磁性膜と磁気的にソフトな強磁
性膜とを順次積層して構成された多層膜の磁区制御層を
用いることによって、感度の低下及びバルクハウゼンノ
イズの発生を抑制し、ヘッド特性の安定化に寄与するこ
ともできる。更に前記第1及び第2の特徴による磁気ヘ
ッドにおいて、非磁性膜の材質及び厚さを任意に選定す
ることにり更に耐食性にすぐれ且つ感磁部の磁気抵抗効
果膜に影響を及ぼすことなく感度の低下及びバルクハウ
ゼンノイズの発生を抑制することができる磁気ヘッドを
提供することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドの一実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1は
本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘッドを含むMR・
インダクティブ複合磁気ヘッドを説明するための図、図
2は本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの拡大斜
視図である。尚、図1では上部シ−ルド膜90より上側
のライトヘッドの片側半面を省略し、図2では上部ギャ
ップ膜と上部シ−ルド膜90とを省略して図示してい
る。
【0017】図1に示したMR・インダクティブ複合磁
気ヘッドは、磁性体から成る下部磁気シ−ルド10と、
インダクティブ型磁気ヘッドの上部磁気コア110が搭
載された上部磁気シ−ルド90と、該下部磁気シ−ルド
10及び上部磁気シ−ルド90間に設けられた磁気抵抗
効果素子100と、該磁気抵抗効果素子100の両端上
部に配置された本実施例の特徴である磁区制御層60
と、磁気抵抗効果素子100に検出電流を印加するため
の一対の電極70とを備える。
【0018】この磁気抵抗効果型磁気ヘッドの詳細構成
は、図2に示す如く、下部磁気シ−ルド層10上に形成
される下部ギャップ膜20と、該下部ギャップ膜20上
に形成されて磁気抵抗効果膜50にソフトバイアス磁界
を加えるソフトバイアス膜30と、該ソフトバイアス膜
30上に形成されて磁気抵抗効果膜50に横バイアスを
印加するシャント膜(金属薄膜)40と、このシャント
膜40上に形成される磁気抵抗効果膜50と、この磁気
抵抗効果膜50上の所定場所に所定の間隔をおいて形成
される一対の層からなる磁区制御層60と、この磁区制
御層60と同一にリフトオフ法で形成される信号取り出
し用の電極70と、前記各膜/層/電極を覆うように形
成される上部ギャップ膜と、この上部ギャップ膜上に形
成される上部磁気シ−ルド層90とを備える。
【0019】次に各層/膜の作用及び材料等を順をおっ
て説明する。 まず、前記上部/下部磁気シ−ルド層90及び10
は、磁気抵抗効果膜50に磁気ディスクからの磁界が影
響するのを防止し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の
信号分解能を高めるために配置され、その材料は、Ni
Fe系合金/Co系非晶質/Co系結晶質及びFe系結
晶質等の軟磁性であり、膜厚はおおよそ0.5〜3μm
が望ましい。
【0020】上部及び下部ギャップ膜80及び20
は、ソフト膜30/シャント膜40/磁気抵抗効果膜5
0からなる磁気抵抗効果素子100及び磁区制御層60
並びに電極70をはさみ込むように配置され、該磁気抵
抗効果素子100と上部/下部磁気シ−ルド層90/1
0とを電気的及び磁気的に隔離する作用を行うものであ
り、アルミナ膜等の非磁性且つ絶縁性材料よりなる。ま
た膜厚は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生分解能に影
響するため、磁気ヘッドに望まれる記録密度に依存し、
通常は、0.4〜0.1μmの範囲である。尚、これら
ギヤップ膜80及び20の膜厚が0.1μmオ−ダにな
ると耐圧性が弱まるため、膜形成時にバイアスを印加し
たり、スパッタリングガスとしてArにH2やHeを混
合したガス中で膜形成したり、アルミナにSiO2また
はTa2O5を添加することにより膜中のピンホ−ルを低
減して、アルミナの膜質を改善し耐圧を向上することが
行われる。
【0021】 ソフトバイアス膜30は、磁気抵抗効
果膜50に流れる検出電流により印加される磁界により
ソフトバイアス磁界を発生し、このソフトソフトバイア
ス磁界により非磁性層(ここではシャント膜40)を介
して磁気抵抗効果膜50に逆に横バイアスを印加するも
のである。
【0022】通常、バイアス印加には、シャントバイア
ス法とソフト膜バイアス法がよく使われている。ソフト
膜と磁気抵抗効果膜との磁化比はバイアス法の使われ方
により異なり、両者の複合バイアス法の場合は0.5〜
0.7の範囲が望ましく、ソフト膜バイアス法単独では
1.0程度である。これらの値は、磁気抵抗効果膜50
の材料/厚さを選定することにより、磁気抵抗効果膜の
磁化量を計算して膜厚制御により容易に達成することが
できる。ソフト膜30の材料を選定することによって
も、所定の磁化比に合うようにその厚さを限定できる。
【0023】前記シャント膜40は、磁気抵抗効果膜
50を高感度にするに十分なレベルにするものであっ
て、このシャント膜を用いる方法はシャントバイアス法
と呼ばれている。このシャント膜40は、磁気抵抗効果
膜50に隣接して、Ti/Nb/Ta/Mo/W等のい
ずれか一種類以上の薄い金属又は合金膜を通常0.01
〜0.05μmの厚みで形成するのが一般的である。こ
のシャントバイアス法は、シャント膜40に流れる電流
によって横バイアス磁界が変化するので、シャント膜4
0の膜厚制御が必要であり、比抵抗値は通常200μΩ
−cm程度である。
【0024】磁気抵抗効果膜50は、前述の様に電気
抵抗が磁気ディスクからの磁化によって変化する特性を
持ち、材質としては優れた軟磁気特性を示すNiFe合
金膜がよく知られ、その組成は、磁歪定数が1×10-6
〜−1×10-6の範囲にある80〜84原子%Niで残
部Feよりなることが望ましい。これは、ヘッド特性が
応力誘起異方性に大いに影響されるため、その絶対値を
小さくすることが望ましいためである。この磁気抵抗効
果膜50の材質は、NiFeCo合金膜/NiCo合金
膜等の磁化の方向によって電気抵抗が変化する強磁性薄
膜で形成しても良い。
【0025】本実施例の特徴である磁区制御層60
は、非磁性膜55と磁気的にソフトな強磁性膜65とを
順次積層した積層膜構造であり、磁気抵抗効果膜50の
左右両端上部にだけ形成され、磁気抵抗効果膜50の端
部と反強磁性結合を用いて該端部を単一磁区状態に維持
して長さ方向の縦バイアス磁界を磁気抵抗効果膜50に
与えるものである。該非磁性膜55と磁気的にソフトな
強磁性膜65は、その間が反強磁性交換結合を利用して
結合されている。この反強磁性交換結合の作用について
は後述する。
【0026】前記磁気的にソフトな強磁性膜65として
は、磁気抵抗効果膜50と同一材料とすることが制御面
で最も望ましい。これは、前述した様に磁化比の点で膜
厚が決められることによる。即ち、dを膜厚/Bsを飽
和磁束密度とし、例えばソフトバイアス膜30の厚さを
「(d)ソフト」と表した場合、次数式1の関係が望まし
い。
【0027】
【数1】(d)ソフト=(Bs・d)磁気抵抗/(Bs)ソフト また前記非磁性膜55としては、銀/銅/金及び二種以
上の導電性の良い合金または積層膜を所定厚みとするこ
とが望ましい。この理由は、非磁性膜が両磁性膜65及
び50間の磁気的な交換結合をコントロ−ルして、反強
磁性結合を安定に得るためである。
【0028】次に前記磁気的な交換相互作用と磁気抵抗
効果膜50と磁気的にソフトな強磁性膜65との間に介
在する非磁性膜55の膜厚との関係を図7に示す。図7
は、磁気抵抗効果膜50と磁気的にソフトな強磁性膜6
5との間に作用する磁気交換結合状態[反強磁性結合磁
界Haf(Oe)]が非磁性膜厚55の厚みtにより変
動することを示し、強磁性結合と反強磁性結合との間を
振動する特性があり、また非磁性膜55の膜厚が厚い
程、結合力そのものは小さくなるものの反強磁性結合と
なる非磁性膜厚のマ−ジンが広くなることを示してい
る。このことは、非磁性膜の膜厚変動があっても反強磁
性結合を維持出来ることを示しており、本発明に係わる
磁区制御方式が膜形成上のマ−ジンが広いことを意味し
ている。
【0029】更に、非磁性膜55は熱プロセスでの特性
安定性が重要となるが、200℃までの熱履歴では磁気
的な交換結合が変化しないことは別途確認してあり、ヘ
ッド形成プロセス時の最高温度を200℃以下とする必
要がある。
【0030】前記信号取り出し用電極導体70は、磁
気抵抗効果膜50に充分な電流(例えば、1×106
1×108A/cm2)を流すため、通常、電気抵抗が十
分小さい銅や金等の薄膜が望ましい。
【0031】次にこの様に構成された磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの各膜及び層間の磁気交換結合状態を図6を
参照して説明する。図6は、図2に示した各膜及び層の
構成を模式的に示したもので、各膜及び層内の電流を印
加した場合の磁性体イオンの持つスピンモーメント向き
を太矢印B/M/Cにより表している。図中、矢印B
LSRはソフトバイアス膜30内のスピンモーメントの向
き、矢印MLSRは磁気抵抗効果膜50内のスピンモーメ
ントの向き、矢印CLRは磁気的にソフトな強磁性膜65
のスピンモーメントの向きを示している。本図において
は電流を印加した場合の磁化方向を示している。
【0032】これら各膜及び層間の磁気交換結合状態
は、磁気抵抗効果膜50の両端に図示しない電極70に
より検出電流が印加されると、まず磁気抵抗効果膜50
を流れる電流により1次磁界(左方向)が発生し、この
磁界がソフトバイアス膜30及び磁区制御層60の磁気
的にソフトな強磁性膜65に印加される。この磁界が印
加されたソフトバイアス膜30が矢印Bの如く右方向の
2次磁界を発生すると共に、磁区制御層60の磁気的に
ソフトな強磁性膜65が矢印Cの如く左方向の3次磁界
を発生する。これら2次及び3次磁界は、磁気抵抗効果
膜50の1次磁界に例えば符号31の如く影響して磁気
抵抗効果膜50の両端部のスピンモーメント(矢印ML
/MR)を一方向に揃え、この交換バイアスが磁気抵抗
効果膜50の中央領域(感磁部分)にも伝わり、中央領
域のスピンモーメントも強制的に一方向に揃える力が働
く。これと同時にソフトバイアス膜30の中央領域の磁
化(矢印BS)は磁気抵抗効果膜50から生じる磁界
(矢印MS)により飽和が生じて傾きが発生し、この傾
いたスピンモーメント(矢印BS)が磁気抵抗効果膜5
0の磁界(矢印MS)に作用して縦バイアスが印加され
た状態になる。
【0033】この様に本実施例による磁気抵抗効果型磁
気ヘッドは、磁区制御層60の磁気的にソフトな強磁性
膜65が、磁気抵抗効果膜50の両端部のスピンモーメ
ント(矢印ML/MR)を一方向に揃え、この交換バイア
スが磁気抵抗効果膜50の中央領域にも伝わり、中央領
域のスピンモーメントも強制的に一方向に揃える力が働
くことによって、磁気抵抗効果膜50の中央領域での磁
壁の発生を抑制することができ、バルクハウゼンノイズ
を防止することができる。
【0034】尚、磁区制御層60を、磁気抵抗効果膜5
0の端部に限定して設けるのは、この端部を単一磁区状
態に維持すると、上記中央領域も強制的に単一磁区状態
になることを利用するためである。また、このような構
造では、上記中央領域の磁気モ−メントが容易に角度変
化することができるので、磁気抵抗効果膜50全体に磁
区制御層を形成したときに生じる感度の低下を防止でき
る。また磁気抵抗効果膜の中央領域では、磁気抵抗効果
膜の異方性磁界の増加がないので、磁気抵抗効果素子の
感度が低下することはなく、ヘッド感度の低下を防止で
きる。
【0035】次に、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方
法の一例を説明する。なお、下記の薄膜形成方法および
パターニング方法は、周知の技術であるスパッタリング
法やエッチング法及びリフトオフ法を用いもものである
が、他の手法によっても製造することができる。
【0036】最初に、非磁性基板上に下部磁気シールド
層10とする2μm厚のパ−マロイ膜を形成し、その上
に下部ギャップ膜20を形成する0.1μm厚のアルミ
ナ膜を形成する。その後、下部ギャップ膜20上に、2
00オングストローム厚のソフト膜30を設け、更に1
50オングストローム厚のシャント膜40及び200オ
ングストローム厚の磁気抵抗効果膜50をスパッタリン
グ法、蒸着法などにより順次積層した後、イオンミリン
グ法により不要な箇所を除去して所定形状にパターニン
グする。次に、図5に示すリフトオフプロセス法を用い
て、ホトレジスト−PI2層塗布,ホトレジスト−P1
パターン成形,Deep UVキュアアンダカット,ス
パッタリング金属膜作成及びホトレジスト−PI除去を
行うことにより、磁区制御層60及び電極70とする金
膜を0.1μm程度の厚さに形成する。続いて、下部磁
気シールド10と下部ギャップ膜20とを所定の形状に
パターニングし、上部ギャップ膜80を形成するアルミ
ナを0.1μmの厚さに形成する。更に、上部磁気シー
ルド層90とするパーマロイ膜を2μmの厚さに形成
後、アルミナ保護膜を形成し、磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ド作製を完了する。
【0037】この様に本発明に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッドでは、磁区制御層と電極膜をリフトオフ法を用い
て形成するため製造工程中で磁気抵抗効果膜50にダメ
ージを与えることがなく、磁気抵抗効果膜50を損傷す
る恐れがないため、磁気特性の良好な磁気抵抗効果膜5
0を形成することができ、性能が安定した磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを製造することができる。
【0038】更に、本発明による磁区制御層は、スピン
バルブ型磁気ヘッドにも適用することができ、この実施
例を図8を参照して説明する。
【0039】本実施例によるスピンバルブ型磁気ヘッド
は、導電性の非磁性膜の上下に第1及び第2の導電性の
強磁性膜から構成し、第1又は第2のいずれか一方の強
磁性膜が磁化方向を固定させる磁区制御膜と磁気的に結
合させることを特徴とする。
【0040】本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘッド
は、図8に示すようなシャント膜40/強磁性膜65−
3/非磁性膜55/強磁性膜65−2/非磁性膜55及
び強磁性膜65−1から成る磁区制御層60/電極70
を積層した膜構成とすることにより、磁気的に交換結合
して磁気的にソフトな強磁性膜65−2の磁化方向を固
定する。この交換結合は、多層膜間(図中では2層膜6
5−1と65−2間)の反強磁性結合で決まり、外部磁
界に対して安定な結合を示す。また磁気的にソフトな強
磁性膜65の磁化方向は強磁性膜65−1と強磁性膜6
5−2で互いに反平行であり、信号磁界に対して直角と
する。一方、強磁性膜65−3では信号磁界と同一方向
となるように制御する。さらに磁区制御層が膜面側にあ
る図8に対し、膜構成を逆にして磁区制御層を基板側に
配置することも可能である。その結果、スピンバルブ型
磁気ヘッドのヘッド特性の安定化に寄与することもでき
る。尚、図中の符号82は検出用電流を供給する電気回
路、符号81は感知手段であるさらに、本発明に係る磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの磁区制御層は、磁気抵抗効果
膜の形成後に、リフトオフ法を用いて電極膜と同時に形
成される。従って、磁区制御層の形成工程において、磁
気抵抗効果膜を損傷する恐れはなく、多数の磁気ヘッド
間の性能のバラツキを抑え、大量生産に有利となる。本
発明の磁区制御構造では後の実施例でも記述するが、磁
区制御膜を構成する膜厚が10%程度変動すると反強磁
性結合力も変動するが、磁区制御として適用出来るレベ
ルにある。
【0041】次に前記実施例による磁気抵抗効果型磁気
ヘッドが適用される磁気ディスク装置の一例を図3を用
いて説明する。図3は、磁気ディスク装置の内部構造を
示す概略斜視図であり、本装置は、スピンドル202に
保持される複数の磁気ディスク203と、該スピンドル
202を駆動するモータと、移動可能なキャリッジ20
5に保持された磁気ヘッド群204と、このキャリッジ
205を駆動するボイスコイルモータと、これらを支持
するベース201とを備える。また、図には表示してい
ないが磁気ディスク制御装置などの上位装置から送り出
される信号に従ってボイスコイルモータを制御するボイ
スコイルモータ制御回路を備えている。また本装置は、
上位装置から送られてきたデータを書き込み方式に対応
し、磁気ヘッドに流すべき電流に変換する機能と、磁気
ディスク203から再生したデータ信号を増幅し、ディ
ジタル信号に変換する機能とを持つリードライト回路及
びインタフェースを備える。
【0042】次に、この磁気ディスク装置の動作を、読
みだしの場合を例として説明する。上位装置からインタ
ーフェイスを介して制御回路に読みだすべきデータの指
示が与えられると、本装置は、ボイスコイルモータ制御
回路からの制御電流によって、ボイスコイルモータがキ
ャリッジを駆動させ、指示されたデータが記憶されてい
るトラックの位置に磁気ヘッド群204等を高速で移動
させ、正確に位置付けを行う。この位置付けには、デー
タ面サーボ方式を用いる。即ち、磁気ディスク203上
にデータと共にサーボ情報が記録されており、サーボ情
報により位置決めの精度を向上している。また、ベース
201に支持されたモータは、スピンドル202に取り
付けた直径3.5インチ以下の円板203を回転させ
る。次に、リードライト回路からの信号に従って指示さ
れた所定の磁気ヘッドを選択し、指示された領域の先頭
位置を検出後、円板上のデータ信号を読みだす。この読
み出しは、リードライト回路に接続されている磁気ヘッ
ド群204が磁気ディスク203との間で信号の授受を
行うことにより行われる。読みだされたデータは所定の
信号に変換される。
【0043】本発明に係わる磁気ヘッドの効果を発揮す
るには、図4にヘッド特性の一例を示す如く、トラック
密度が1インチ当り5000トラック以上となる磁気デ
ィスク装置に搭載することが望ましい。図4では比較の
ために、本発明による磁区制御方式による磁気ヘッド特
性と永久磁石膜を用いた従来公知の磁気ヘッドの特性を
併記する。同図はトラック幅が狭くなるにつれての感度
変化を示し、永久磁石膜を磁区制御に適用したトラック
幅2.5μm以下の磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは感度
が急激に低下することがわかる。これは、永久磁石膜の
パターン端部で発生するポールが磁気抵抗効果膜の感磁
部に大いに影響するためである。これに対し、本実施例
による磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、狭トラック幅に
なっても感度が低下しない。これは、前述したように本
発明の磁区制御層が磁気抵抗効果膜の感磁部に影響せ
ず、磁界感度を低下させないことによるためである。こ
のことは、本発明を用いた磁気ヘッドが狭トラック対応
であることがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上述べた如く本発明による磁気ヘッド
は、磁気抵抗効果膜の両端部上側に、反強磁性結合を利
用した磁区制御層を配置したことにより、磁気抵抗効果
膜端部でのポ−ルの発生及びを防止して、感磁部の磁気
抵抗効果膜に影響を及ぼすことなく感度の低下を抑制す
ることができる。また本磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜
両端部上側に設けられた磁気抵抗効果膜と磁区制御層と
の反強磁性結合により生じる縦バイアス磁界によって、
磁気抵抗効果膜の中央部に磁壁が発生するのを抑制でき
るので、磁壁の不規則な移動が原因であるバルクハウゼ
ンノイズを抑えることができる。
【0045】更に本発明による磁気ヘッドは、磁化方向
を固定する手段として非磁性膜と磁気的にソフトな強磁
性膜とを順次積層して構成された多層膜の磁区制御層を
用いることによって、感度の低下及びバルクハウゼンノ
イズの発生を抑制し、ヘッド特性の安定化に寄与するこ
ともできる。更に非磁性膜の材質及び厚さを任意に選定
することにり更に耐食性にすぐれ且つ感磁部の磁気抵抗
効果膜に影響を及ぼすことなく感度の低下及びバルクハ
ウゼンノイズの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドを示す図。
【図2】図1に示す磁気抵抗効果型磁気ヘッドの拡大
図。
【図3】本発明による磁気ヘッドが適用される磁気ディ
スク装置を示す図。
【図4】ヘッド感度とトラック幅との関係を示す線図。
【図5】代表的なリフトオフプロセスを示すプロセスチ
ャート図。
【図6】本発明による磁区制御層の機能を説明するため
の模式図。
【図7】本発明の磁区制御層の磁気的結合と非磁性膜厚
との関係を示す図。
【図8】本発明の一実施例の狭トラック対応スピンバル
ブ型磁気ヘッドを示す斜視図。
【図9】従来技術による磁気抵抗効果型磁気ヘッドを説
明するための図。
【符号の説明】
10…下部磁気シールド層、20…下部ギャップ膜、3
0…ソフト膜、40…シャント膜、50…磁気抵抗効果
膜、55…導電性非磁性膜、60…磁区制御層、65…
磁気的にソフトな強磁性膜、70…信号検出電極、80
…上部ギャップ膜、90…上部磁気シールド膜、100
…磁気抵抗効果型磁気ヘッド、110…ライトヘッド用
上部磁気コア、201…ベース、202…スピンドル、
203…円板、204…磁気ヘッド、205…キャリッ
ジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神尾 浩 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜に
    検出電流を印加させる電極と、前記磁気抵抗効果膜に横
    方向バイアスを加える横バイアス膜と、前記磁気抵抗効
    果膜の上側両端部に配置した磁区制御層とを備える磁気
    抵抗効果型の磁気ヘッドにおいて、前記磁区制御層が、
    非磁性膜と磁気的にソフトな強磁性膜とを積層した多層
    膜であることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 薄い金属層で分離された第1の強磁性膜
    と第2の強磁性膜より構成され、少なくとも一方の強磁
    性膜の磁化方向を固定する手段を持つスピンバルブ型の
    磁気ヘッドにおいて、前記磁化方向を固定する手段とし
    て非磁性膜と磁気的にソフトな強磁性膜とを順次積層し
    て構成された多層膜の磁区制御層を設けたことを特徴と
    する磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁区制御層の非磁性膜が、銀又は銅
    又は金又はこれらの合金又はこれらの積層膜であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記磁区制御層の非磁性膜の厚さが、磁
    気抵抗効果膜及び磁区制御層の磁性膜の厚さよりも薄い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ヘッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6636392B2 (en) * 2000-07-11 2003-10-21 Tdk Corporation Thin-film magnetic head with magnetoresistive effect element
US6704176B2 (en) * 2001-11-13 2004-03-09 Seagate Technology Llc Spin valve sensor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6636392B2 (en) * 2000-07-11 2003-10-21 Tdk Corporation Thin-film magnetic head with magnetoresistive effect element
US6704176B2 (en) * 2001-11-13 2004-03-09 Seagate Technology Llc Spin valve sensor

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