JPH07255482A - 遺伝子増幅方法 - Google Patents

遺伝子増幅方法

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JPH07255482A
JPH07255482A JP23226292A JP23226292A JPH07255482A JP H07255482 A JPH07255482 A JP H07255482A JP 23226292 A JP23226292 A JP 23226292A JP 23226292 A JP23226292 A JP 23226292A JP H07255482 A JPH07255482 A JP H07255482A
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Japan
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dna
oligonucleotide
pcr
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gene amplification
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JP23226292A
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Shigemori Ikeda
穰衛 池田
Haruhiko Yokoi
治彦 横井
Shinji Hatano
伸二 秦野
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微量で、しかも配列情報の得られていないD
NA断片を、簡単な操作で効率よく増幅することのでき
る方法を提供する。 【構成】 塩基配列情報のないDNA断片をPCR増幅
するに際して、反応溶液中で熱変性させた鋳型DNAの
任意の領域に単一種のオリゴヌクレオチドをアニールさ
せ、このオリゴヌクレオチドをプライマーとして鋳型D
NAに相補的なDNA鎖を合成、伸長させることにより
鋳型DNAの任意の領域をカバーする種々のDNA配列
を合成し、次いでこれらのDNA配列の各々を上記オリ
ゴヌクレオチドをプライマーとしてPCR増幅する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は遺伝子増幅方法に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、特定染色
体領域のDNAライブラリーの構築や、さらには特定染
色体領域に由来する遺伝子(cDNA)の単離そのプロ
ーブの開発等、広く医学、生物工学分野に有用な、改良
されたPCR法による遺伝子増幅方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、生命体を構成する組
織、機構についての分子生物学的解明と、それにともな
う技術的応用が急速に進歩し、遺伝子工学やバイオテク
ノロジーの基礎が次々に確立されてきている。このよう
な状況において、原核生物から真核生物にいたるあらゆ
る生物の遺伝子について、種や個々の組織に特有な種々
の遺伝子が同定され、その遺伝情報の解析により多数の
知見が蓄積されてきており、今日ではその研究対象がヒ
トを含めた高等生物のゲノムDNAにまで及んでいる。
【0003】とくに、30億対とも言われる膨大なヒト
ゲノムの塩基配列を決定し、その遺伝子地図を作成する
ためには、染色体の特定領域についてそのDNAライブ
ラリーを構築し、個々のDNA断片を指標(プローブ)
として染色体の物理的地図を作成することが必須の過程
となっている。また、このような特定染色体領域の物理
的地図は、分子レベルでの解明が未だなされていない大
部分のヒト遺伝病について、その原因遺伝子を同定し、
構造を解析するための有効な手段となりうる。
【0004】従来より、染色体のDNAライブラリーを
作製する場合には、断片化した染色体DNAをクローニ
ングベクター等にクローン化して、個々のクローンのコ
レクションから、いわゆるライブラリーを構築する方法
が用いられてきている。このようにして、現在、ヒトゲ
ノムを研究対象として、染色体のソーティングあるいは
雑種細胞を用いた特定染色体ライブラリー、さらにジャ
ンプングライブラリーやYeaste Aritificial Chromosom
e (YAC)ライブラリー等が作製され、目的遺伝子に
接近するための新たなプローブの開発に利用されてい
る。
【0005】しかしながら、このような従来の遺伝子ラ
イブラリーを用いた場合には、染色体の特定領域のプロ
ーブを数多く得ることに時間がかかり、その結果、目的
遺伝子の解析に多大な労力、時間、および費用を要する
ことが避けられなかった。これに対して、近年、物理的
に切り出した染色体特定領域のDNA断片を、PCR
(Polymerase Chain Reaction )法によって増幅するこ
とにより、そのDNAライブラリーやプローブを調製す
る方法が提案されている(例えば、Ludecke,et al Natu
re338,348,1989)。このPCR法は、一般に、ある塩基
配列に相補的な一対の合成オリゴヌクレオチドをin vit
ro DNA合成のプライマーとして用い、アニーリン
グ、伸長、変性のサイクルを繰り返すことにより、鋳型
DNAにほぼ均一なDNA断片を多量に得ることを可能
にするものであり、その増幅過程の自動化にともない、
遺伝子クローニングへの適用が急速に浸透しつつある。
【0006】しかしながら、このPCR法においては、
鋳型DNA断片の少なくとも両端の塩基配列が既知であ
ることが条件となるため、染色体特定領域から切り出し
た配列未知のDNA断片に適用する場合には、たとえば
個々のDNA断片をベクター等とライゲーションする必
要があり、そのために鋳型DNAに種々の化学的、酵素
的前処理を必要とした。このため、このようなライゲー
ションPCRは既知遺伝子を対象とする通常のPCR法
に比べ、その操作過程が複雑となるばかりか、増幅の効
率も低下し、また鋳型となるDNA断片も多く必要とす
るなどの不都合があった。
【0007】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、微量で、しかも塩基配列情報の得ら
れていないDNA断片を、簡単な操作で効率よく増幅す
ることのできる新しい遺伝子増幅方法を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、塩基配列情報のないDNA断片
をPCR増幅するに際して、反応溶液中で熱変性させた
鋳型DNAの任意の領域に単一種のオリゴヌクレオチド
をアニールさせ、このオリゴヌクレオチドをプライマー
として鋳型DNAに相補的なDNA鎖を合成、伸長させ
ることにより鋳型DNAの任意の領域をカバーする種々
のDNA配列を合成し、次いでこれらのDNA配列の各
々を上記オリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCR
増幅することを特徴とする遺伝子増幅方法と、この方法
によって増幅したDNA配列を保持するクローン群から
なる遺伝子ライブラリーとを提供する。
【0009】また、この発明の遺伝子増幅方法は、鋳型
DNAとオリゴヌクレオチドを、ポリエチレングリコー
ル等の両親媒性高分子を含有する10〜40℃の反応溶
液中で90〜150分間アニールさせることを好ましい
態様としてもいる。以下、この発明の遺伝子増幅方法に
ついてさらに詳しく説明する。この発明において、増幅
の対象とする遺伝子は、たとえば物理的に切り出した染
色体特定領域の断片や、あるいはYACライブラリー等
としてクローン化されているDNA配列のような塩基配
列情報の得られていない(少なくとも、通常のPCR増
幅に必要な塩基配列情報の得られていない)DNA断片
である。従来、このようなDNA断片をPCR増幅する
場合には、前記の通りのライゲーションPCR法が用い
られてきたが、この発明の方法は、ライゲーションPC
R法のように、鋳型DNAに化学的、酵素的前処理を施
すことなく、通常のPCRとほぼ同様の手続き、装置に
より配列未知のDNA断片を効率よく増幅することを可
能にするものである。
【0010】すなわち、この発明の方法は、まず、熱変
性させた鋳型DNAの任意の領域に単一種のオリゴヌク
レオチドをアニールさせ、このオリゴヌクレオチドをP
CRプライマーとして、そこから鋳型DNAと相補的な
DNA鎖を伸長させ、鋳型DNAの任意の配列領域に対
応する相補的DNAを合成する。そして、これらの変
性、アニーリング、伸長のサイクルを繰り返すことによ
り、両端にプライマー配列またはその相補配列を共通し
て有し、鋳型DNAの任意の領域をカバーする種々のD
NA配列を合成する(以下、このプロセスを、非特異的
PCRと記載することがある)。
【0011】この非特異的PCRは、プライマーとし
て、その全配列が鋳型DNAのいずれの配列にも相補的
でない(であろう)オリゴヌクレオチドを単一で用いる
という点において、通常のPCRと大きく相違する。こ
のようなオリゴヌクレオチドとしては、複数の制限酵素
認識配列を有し、かつ3′−末端側に少なくとも2個の
塩基を有する単一種の20−30ヌクレオチドを用いる
ことができる。すなわち、DNA鎖の配列中にはランダ
ムな塩基配列が存在するため、上記オリゴヌクレオチド
の3′−末端側の配列を、それらに相補的な鋳型DNA
の配列にアニールさせることによって、鋳型DNAの任
意の領域にPCRプライマーを付与することが可能とな
る。また、上記オリゴヌクレオチドをプライマーとして
用いた場合には、最終的に増幅される種々のDNA 配
列が、その両端に複数の制限酵素切断部位を有するよう
になり、ベクター等へのライゲーションを容易に行うこ
とができる。このようなオリゴヌクレオチドの具体例と
しては、5′−TAGATCTGATATCTGAAT
TCCC−OH3′の塩基配列からなる合成ヌクレオチ
ド(以下、BVE22ccと記載する)を例示すること
ができる。このBVE22ccは、22個のヌクレオチ
ドからなる配列中に、制限酵素BglII、EcoRVお
よびEcoRIに対する認識配列(各々、AGATC
T,GATATC,GAATTC)を有し、かつ3′−
末端側にシトシン(C)の連続配列を有している。もち
ろん、この発明によって増幅したDNA配列は、たとえ
ばゲノムライブラリー等のスクリーニングのためのプロ
ーブとして直接利用することもでき、その場合には、制
限酵素認識配列を含まないオリゴヌクレオチドを用いる
こともできる。
【0012】ただし、この発明の非特異的PCRは、上
記のとおり、鋳型DNAに対する相補配列の少ないオリ
ゴヌクレオチドをプライマーとして使用するため、鋳型
DNAとプライマーとのアニーリング効率が低い。そこ
で、この発明の方法は、非特異的PCRにおける鋳型D
NAとオリゴヌクレオチドのアニーリング反応を長時間
かけて行なわせることを推奨する。すなわち、通常のP
CRのアニーリング反応が1〜2分間程度であるのに対
し、この発明では、90〜150分間とし、鋳型DNA
とオリゴヌクレオチドが互いに接近、会合する機会を増
加させる。
【0013】また、このアニーリング反応を、低温で行
なわせることが好ましい。つまり、通常のPCRでは、
50〜60℃の反応溶液中で鋳型DNAとプライマーを
アニールさせるが、このような温度範囲では反応溶液中
に浮遊する鋳型DNAやプライマーが熱ゆらぎの影響を
受けるため、それぞれが接近しても、互いにアニールす
ることが困難となる。そこで、アニーリング反応時の反
応溶液の温度を10〜40℃程度の低温とし、熱ゆらぎ
の影響を少なくする。
【0014】さらに、この発明の方法では、鋳型DNA
とプライマーとのアニーリング効率を増加するため、た
とえばポリエチレングリコール(PEG)や、あるいは
グルコース、スクロース等の多糖類のような両親媒性高
分子を反応溶液中に添加してもよい。つまり、これらの
両親媒性高分子は、反応溶液の粘性を高めて、浮遊する
鋳型DNAやプライマーのブラウン運動を適度に抑え、
かつ会合性を高めてアニーリングに適した条件を整え
る。なお、これらの両親媒性高分子は、DNA分子に対
しては化学的作用を持たず、またPCRにおける変性や
伸長のステップにも影響を及ぼすことはない。
【0015】これらの、非特異的PCRにおけるアニー
リング効率を高めるための手段は、たとえば増幅の対象
となる鋳型DNAおよび/またはプライマーとして用い
るオリゴヌクレオチドの分子量や添加量等に応じて、適
宜に単独で、あるいは各々を組み合わせて採用すること
ができる。次に、上記の非特異的PCRによって合成し
た種々のDNA配列の各々を、別の条件のPCR(以
下、特異的PCRと記載することがある)によって、そ
の配列を変えることなく増幅する。この場合に、増幅の
対象となるDNA配列は前記の通り、いずれも両端にプ
ライマー配列またはその相補配列を共通して有するた
め、前段の非特異的PCRで用いたオリゴヌクレオチド
をプライマーとして使用する。なお、この特異的PCR
は、プライマーが単一種であり、鋳型(DNA配列)が
複数種であることを除けば、通常行なわれるPCRとほ
ぼ同一の原理により鋳型DNAをそのサイクル数に応じ
て増幅する。また、変性、アニーリング、伸長の各条件
も、通常のPCRと同様とすることができ、あるいは各
々の条件を若干変更して多段階で行なうこともできる。
【0016】このようにして増幅した種々のDNA配列
は、各々、鋳型DNAの任意の配列領域を含み、かつ各
種の遺伝子操作に必要な数量からなるため、たとえば遺
伝子スクリーニングのためのプローブとして用いること
ができ、あるいは、ベクターにクローニングして遺伝子
ライブラリーとすることもできる。次に実施例を示して
この発明の遺伝子増幅方法を具体的に説明するが、言う
までもなく、この発明は以下の例に限定されるものでは
ない。
【0017】なお、以下の実施例では、特異的PCRを
条件を変えて2段階で行なったため、非特異的PCRを
1st PCR、2種類の特異的PCRを各々、2nd PCR
および3rd PCRと記載する。
【0018】
【実施例】実施例1 (染色体DNAの増幅)分裂中期の第4染色体50〜1
00%断片の2片から回収した染色体DNAをこの発明
の方法を用いて合成、増幅した。
【0019】まず、1st PCRとして、染色体DNA断
片を含有する1μlのピックアップ溶液(組成は表1と
同じ)を充填したチューブに、1st PCR溶液2μlを
添加し、DNAサーマル・サイクラー(パーキンエルマ
ー・シータス社製)を用いて変性(90℃,5min )、
アニーリング(22℃,120min )、伸長(50℃,
20min )のサイクルを6回繰り返した。またその際
に、各サイクルのアニーリングから伸長までは、温度を
22℃から50℃まで20分間かけて徐々に上昇させ
た。なお、この1st PCRに用いた反応溶液組成は、表
1に示したとおりである。
【0020】次に、この1st PCR終了後、その反応産
物(3μl)に、6μlの2nd PCR溶液(組成は表1
に同じ)を添加し、全量を9μlとして、変性(92
℃,1.5 min )、アニーリング(50℃,1min )、伸
長(72℃,2min )のサイクルを11回繰り返す2nd
PCRを行なった。ただし、1回目のサイクルのみ、変
性を92℃で5分間行なった。
【0021】最後に、3rd PCRとして、2nd PCR産
物(9μl)に51μlの3rd PCR溶液を添加し、全
量を60μlとして、変性(92℃,1.5 min )、アニ
ーリング(55℃,1min )、伸長(72℃,2min )
のサイクルを30回繰り返した。なお、この3rd PCR
溶液の組成は、表1に示したとおりである。
【0022】
【表1】
【0023】このようにして、3段階のPCRによって
増幅した染色体DNAを鋳型とするDNA鎖の集合を、
アガロース電気泳動法、および全長ヒトゲノムDNAを
プローグとして用いたサザンブロット法により分析し
た。なお、この分析のための比較例として、ヒトゲノム
DNAのRsa I 断片1pgおよび10fg(positive cont
rol)と、レーザー照射により完全昇華した分裂中期染
色体DNAおよび鋳型なし(negative control)につい
ても上記と同様の方法により増幅を行なった。
【0024】結果は図1のアガロース電気泳動図(A)
およびサザンブロット図(B)に示した通りである。な
お、この図1(A)(B)において、1は分裂中期の第
4染色体50〜100%断片由来のDNA、2は完全昇
華した分裂中期染色体DNA、3および4はヒトゲノム
DNAのRsa I 断片の、各々、1pgおよび10fg、5
は鋳型DNAを添加しない場合のそれぞれの増幅状態を
示したものである。また、分子量マーカーであるλ/P
st I は(A)−6に示した。
【0025】この図1から明らかな様に、この発明の方
法は、染色体特定領域から切り出した配列情報の得られ
ていないDNA断片(chromosome4p50〜100%)
を、ヒトゲノムDNAのRsa I 断片同様に、効率よく
増幅した。なお両者の増幅産物の平均サイズは、ヒトゲ
ノムDNA断片が約500bpに対し、染色体DNA断片
は約300〜400bpと小さいが、これは染色体調製時
の機械的または化学的ダメージによるものであると推察
される。また、昇華させた染色体(all burneddown met
aphase )および鋳型なし(no template )を増幅させ
た場合にも、かすかなバンドが得られたが、これらは、
たとえば染色体に対する昇華処理(レーザー照射)が不
十分であったため、あるいは操作過程での何らかの汚染
等に帰因すると思われるが、いずれにしても正常な鋳型
DNA存在下での増幅効率に比べれば、その違いは明ら
かである。実施例2 (DNAライブラリーの構築およびそのインサートの確
認)実施例1で得た染色体DNAのPCR産物を、各
々、λファージベクターにクローニングし、ライブラリ
ーを作成した。
【0026】まず、実施例1で得た3rd PCR溶液の1/
2 量から、フェノール/クロロフォルムおよびクロロフ
ォルム/イソアミルアルコールによる抽出、およびエタ
ノール沈澱によってDNAを抽出し、このDNAをEco
R I で処理して両端にクローニング部位を形成した。
微小DNA断片を限外濾過により除去した後、増幅した
DNA(50〜100ng)の画分を、予めフォスファタ
ーゼ処理したλファージgt11のEcoR I 部位に挿入
連結し、これをin vitroパッケージングして大腸菌Y1
090r−細胞に感染させた。その結果、5×106 個
のクローンが得られた。
【0027】次にこのλファージライブラリーから、6
8個のクローンを無作為に選び、そのインサートを確認
した。すなわち、各クローンを鋳型DNAとし、λファ
ージのEcoR I 部およびこれに隣接する配列と同一配
列のプライマーを用いて、通常のPCRによりインサー
トを増幅し、そのサイズをアガロース電気泳動法により
分析した。
【0028】図2は、分析した68種類のインサートの
うち、20について、各々のアガロース電気泳動図を示
したものである。その結果、分析した68個のクローン
のインサートサイズは、約100〜1500bpに分布し
ており、これは実施例1で増幅した染色体DNAのサイ
ズ分布とよく一致した(図1参照)。また、これらのイ
ンサートをヒトゲノムDNA(EcoR I またはHin
d III 断片)とハイブリダイズさせたところ、クロー
ンのうち40〜60%はヒトユニーク配列、10%前後
が高頻度反復配列、20〜30%が低・中頻度反復配列
であることが確認された。実施例3 (各PCRにおけるプライマーおよび/または両親媒性
高分子の最適濃度範囲を試験)ヒトゲノムDNAのRsa
I 断片10fgを、実施例1記載と同様の方法により増
幅した。
【0029】1st PCRは、その反応溶液中のPEG濃
度を0 、8 、または12%、プライマー濃度を0.2 、0.
5 、または1.0 μMのいずれかに調製して行なった。6
回のPCRシリーズ終了後、各反応溶液の1/6 量を1.5
%アガロースゲルに電気泳動し、エチヂウムブロマイド
で染色してそれぞれの反応効率を分析した。この試験の
結果は、図3のアガロース電気泳動図(1st PCR)に
示した通りである。なお、この図3(1st PCR)にお
いて、1は分子量マーカーとして用いたλファージDN
AのPst I 断片(以下、λ/Pst I と記載する)の電
気泳動図であり、2〜4はプライマー濃度を1.0 μMと
し、PEG濃度を各々0,8,12%とした場合の、ま
た5〜7はPEG濃度を12%とし、プライマー濃度を
各々0.2 、0.5 、1.0 μMとした場合のDNA断片(1
0fg) の増幅状態を示したものである。この図3(1st
PCR)から明らかなように、プライマー濃度を1.0 μ
Mとした場合にはPEG濃度が高いほどDNA鎖の合成
効率は増加し(2〜4)、また、PEG濃度を12%と
した場合にはプライマー濃度が高いほど、合成効率は増
加した(5〜7)。ただし、図示していないが、PEG
濃度が15%以上、またはプライマー濃度が3μM以上
では、鋳型DNAが存在しない場合にもDNA鎖の合成
が観察された。このため、この発明の非特異的PCRに
おいては、プライマーとしてBVE22ccを用い、両親
媒性高分子としてPEGを用いた場合には、その反応溶
液中のPEG濃度を10〜15%の範囲内とし、プライ
マー濃度を1.0 〜1.5 μMの範囲内程度とすることが好
ましいことが判明した。
【0030】次に、上記1st PCRで用いた各々の反応
溶液のうち、PEG12%、プライマー1.0 μMを含有
する溶液を、実施例1記載の方法と同一の2nd PCRに
より処理した後、3rd PCRに供した。3rd PCRは、
その反応溶液中のプライマー濃度を3.0 、4.0 、または
6.0 μMのいずれかに調整して行なった。その結果は、
図3(3rd PCR)に示した通りである。
【0031】なお、この図3(3rd PCR)において、
8〜10は、各々、プライマー濃度を3.0 、4.0 、6.0
μMとした場合の増幅状態を示したものである。この図
3から明らかなように試験した3種類のプライマー濃度
のうち、6μMプライマーの増幅効率が最も良好であっ
た。しかしながら、この濃度では、他のプライマー濃度
(3.0 または4.0 μM)、あるいは1st PCR(PEG
12%、プライマー1.0 μM)で合成したDNA鎖より
も平均サイズの小さいDNA鎖が増幅された。このた
め、特異的PCRは、その最終段階において反応溶液中
のプライマー濃度を4.0 〜5.0 μM程度とするのが好ま
しいことが判明した。
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の方
法により、微量で、しかも塩基配列情報の得られていな
いDNA断片を、簡単な操作で効率よく増幅することが
可能となる。このため、たとえば、染色体特定領域のD
NAライブラリーの構築や、その物理的地図作製のため
のプローブの開発等が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各々、この発明の方法により増幅したDNA断
片のアガロース電気泳動図(A)およびヒトゲノム全D
NAをプローブに用いたサザンブロット図(B)であ
る。
【図2】この発明の方法により増幅したDNA断片を導
入したλファージクローンのインサートサイズを例示し
たアガロース電気泳動図である。
【図3】この発明の方法により試験したDNA断片のア
ガロース電気泳動図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基配列情報のないDNA断片をPCR
    増幅するに際して、反応溶液中で熱変性させた鋳型DN
    Aの任意の領域に単一種のオリゴヌクレオチドをアニー
    ルさせ、このオリゴヌクレオチドをプライマーとして鋳
    型DNAに相補的なDNA鎖を合成、伸長させることに
    より鋳型DNAの任意の領域をカバーする種々のDNA
    配列を合成し、次いでこれらのDNA配列の各々を上記
    オリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCR増幅する
    ことを特徴とする遺伝子増幅方法。
  2. 【請求項2】 鋳型DNAとオリゴヌクレオチドを、反
    応溶液中で90〜150分間アニールさせる請求項1の
    遺伝子増幅方法。
  3. 【請求項3】 鋳型DNAとオリゴヌクレオチドを、1
    0〜40℃の反応溶液中でアニールさせる請求項1の遺
    伝子増幅方法。
  4. 【請求項4】 鋳型DNAとオリゴヌクレオチドを、両
    親媒性高分子を含有する反応溶液中でアニールさせる請
    求項1の遺伝子増幅方法。
  5. 【請求項5】 鋳型DNA断片とオリゴヌクレオチド
    を、両親媒性高分子を含有する10〜40℃の反応溶液
    中で90〜150分間アニールさせる請求項1の遺伝子
    増幅方法。
  6. 【請求項6】 両親媒性高分子が、分子量1,000〜
    10,000のポリエチレングリコールである請求項4
    または5の遺伝子増幅方法。
  7. 【請求項7】 オリゴヌクレオチドが、複数の制限酵素
    認識配列を有し、かつ3′−末端側に少なくとも2個の
    塩基を有する単一の20−30ヌクレオチドである請求
    項1の遺伝子増幅方法。
  8. 【請求項8】 オリゴヌクレオチドが、下記の塩基配列
    を有する請求項7の遺伝子増幅方法。 5′−TAGATCTGATATCTGAATTCCC
    −OH3′
  9. 【請求項9】 請求項1の方法により増幅したDNA配
    列を保持するクローン群からなる遺伝子ライブラリー。
JP23226292A 1991-08-30 1992-08-31 遺伝子増幅方法 Pending JPH07255482A (ja)

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JP3-220570 1991-08-30
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JP23226292A Pending JPH07255482A (ja) 1991-08-30 1992-08-31 遺伝子増幅方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6274306B1 (en) 1999-03-17 2001-08-14 Sanyo Electric Co., Ltd. Carrier for extracting bacteria, method of extracting microorganism and method of assaying microorganisms
US6287769B1 (en) 1998-03-31 2001-09-11 Sanyo Electric Co., Ltd. Method of amplifying DNA fragment, apparatus for amplifying DNA fragment, method of assaying microorganisms, method of analyzing microorganisms and method of assaying contaminant
JP2023524067A (ja) * 2020-05-01 2023-06-08 コーネル ユニバーシティー ヌクレアーゼ、ライゲーション、脱アミノ化、dna修復、およびポリメラーゼ反応と、キャリーオーバー防止との組み合わせを用いた、核酸配列、変異、コピー数、またはメチル化変化の特定および相対的定量化のための方法およびマーカー

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