JPH0725606B2 - 水中において発音特性を生ずる天然砂の製造方法及び水中発音砂による発音体 - Google Patents

水中において発音特性を生ずる天然砂の製造方法及び水中発音砂による発音体

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JPH0725606B2
JPH0725606B2 JP2194009A JP19400990A JPH0725606B2 JP H0725606 B2 JPH0725606 B2 JP H0725606B2 JP 2194009 A JP2194009 A JP 2194009A JP 19400990 A JP19400990 A JP 19400990A JP H0725606 B2 JPH0725606 B2 JP H0725606B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は振動粒子の音響技術に係り、水中において発音
特性を生ずる天然砂の製造方法及び水中発音砂による発
音体に関するものである。
[従来の技術] 従来より海岸に自然に存在する砂の中で、踏むと一般に
擦れ音とは異なる規則的な周波数によって、「キュッ
キュッ」という快音を発音する、所謂「鳴き砂」が知ら
れており、そして、これらの鳴き砂の正体は石英質の砂
であることが解明されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし天然に存在するこれらの鳴き砂は、砂に足を強く
擦りつけることによって初めてこの快音を発音するもの
であり、自然の状態での砂の移動では砂の移動音の外に
鳴き砂特有の快音は生じない。またこの種の鳴き砂は海
中で波に揺られても快音を生ずることがなく、更に容器
中に水と一緒に存在させて揺動しても著しい発音特性を
生じることがない。
本発明は上記鳴き砂の発音特性を、容器中で、しかも水
と一緒に存在させた状態で発揮させることを目的として
なされたものであり、水中において発音特性を生ずる天
然砂の製造方法を提唱すると共に、水中発音砂による発
音体を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 即ち本発明に係る水中において発音特性を生ずる天然砂
(水中鳴き砂)の製造方法は、粘土を伴う砂層から得た
粘度0.1〜2mm砂粒に付着した土を予備水洗処理工程によ
って完全に除去した後、更に水と砂を体積比で略1:1の
割合にして円筒形容器に入れ、円筒部を直立させた状態
で、該容器ごと往復又は定半径旋回運動を基本として水
と砂粒の混合物の運動速度が10m/s〜5m/sになるように
直線または円運動させ、水の中で砂粒同士を互いに摩擦
させることにより長時間精製洗浄処理を行い、粒子表面
に付着した土、その他の異物を完全に除去すると共に、
粒子の角ばった部分を丸めて製造することを要旨とする
ものである。
尚、上記精製洗浄処理工程後、充分に水を切り、1乃至
3規定の希塩酸を砂の嵩体積比で略1:1の割合に加え、
1分乃至数分軽く振動を加え、而る後、酸性がなくなる
まで水洗により後洗浄を行う酸洗浄処理工程を付加する
ことが好ましい。
このとき、前記精製洗浄処理工程の時間は、 (1)精製洗浄処理中、更に洗浄を1時間続行したと
き、白濁以外の他の着色を認めなくなる程度。
(2)60時間乃至500時間。
によって決定することができる。
また上記製造方法によって製造した水中鳴き砂は、平均
した砂粒の安息角が42〜50度であることが好ましく、水
中発音砂による発音体は、該水中鳴き砂を水と共に容器
に入れて、水と砂の体積混合比を1:1に近い適量に充填
して構成することを要旨とする。該容器はアクリル、ビ
ニール、ポリカーボネートのような共鳴性を有する硬材
質であることが好ましい。特に大容量を扱う場合には、
適宜起震装置により常時微振動を外部から前記容器に印
加し砂相互の接触点数を減少させることが望ましい。
[作用] 石英砂に付着した土を予備水洗処理工程によって完全に
除去した後、更に精製洗浄処理を長時間行うと、粒子表
面の摩擦特性に変化を生じさせることができ、粒子同士
の静止摩擦係数を著しく増大せしめる。即ち、この洗浄
によって粒子状物質の摩擦係数の評価に一般に利用され
ている安息角が、普通の砂が有する35〜38度から42〜50
度まで上昇する。また同時に洗浄時の共摺りによって砂
粒子の角が研磨され、丸みを帯びるようになり、その結
果砂粒の充填密度が増大し、粒子同士の接触点数が増大
する。上記精製洗浄後、希塩酸によって酸洗浄処理を行
うと、発音特性を格段に向上させることができる。
砂粒子群を容器内に収容し、運動状態におくと、一般に
知られているように粒子層内部に剪断面が形成される
が、上述の洗浄によって砂粒の摩擦係数が大きいために
粒子群は剪断面で充分な力が掛った限界状態で滑りを生
ずる。滑りが惹起すると、粒子層の剪断面の摩擦係数は
前述した静止係数から、動摩擦係数が作用する状態に変
化して、急激に剪断面に沿って運動するが、このとき砂
層が膨張して、砂の層を急激に押し上げると共に、加わ
った力が開放されるため、運動を停止して前の静止状態
に戻る。この過程を瞬間的に繰り返すことにより砂層に
振動が発生し、この繰返し速度によって特定の周波数音
(50〜800ヘルツ)を有し発音特性を呈し、鳴き砂現象
を呈する。
これを水と砂粒の体積混合比が1:2になるように充填
し、容器を揺動させて内部の砂に動揺を与えることによ
り、容器が共鳴して「キュ キュ」音を発する。
[実施例] 以下、本発明に係る水中において発音特性を生ずる天然
砂の製造方法の一実施例を説明する。
原料とする天然砂 石英結晶を主成分とする輝光特性を有する天然砂が好ま
しい(発音特性を有する砂「鳴き砂」が海岸などに存在
するが、これらは水中では殆ど発音特性を有さず、また
美観の点でも異物混入が著しく、利用することは困難で
ある)。
粘土層の中に埋没している太古の石英砂の中に、この用
途に適するものを見出すことが可能である。わが国では
東北地方に広く分布している粘土を伴う砂層を利用する
ことができる。
天然砂の洗浄処理 [予備洗浄処理] 粘土を伴う砂層から得た砂粒(石英砂の粒度は0.1〜2m
m)に付着した土を予備水洗処理工程によって完全に除
去した後、次の精製洗浄処理を長時間行う。
[精製洗浄処理] 水と砂を体積比で略1:1の割合にして円筒形容器に入
れ、円筒部を直立させた状態で、容器ごと往復又は定半
径旋回運動を基本とする直線または円運動させ、水の中
で砂粒同士を互いに摩擦させることにより、粒子表面に
付着した土、その他の異物を完全に除去すると共に、粒
子の角ばった部分を丸め、このとき砂を撹拌棒などの固
い物体に触れさせないようにして、砂の表面を傷つける
ことなく砂の洗浄を行う。この洗浄における砂の運動速
度は10m/s〜5m/sが好適であり、60時間以上で発音可能
であるが、更に500時間程度の洗浄時間をかけると周波
数の高い音の発生が可能になる。そして、この水洗によ
る精製洗浄の程度の判定は、更に洗浄を1時間続行した
とき着色した濁りが生ずることなく、白濁するのみにな
ることを目安に実施することができる。この精製洗浄処
理工程に際して、洗浄水に塩酸又は合成洗剤等、適当な
ものを少量加えて洗浄効果を増進させることが効果的で
ある。
この精製洗浄処理工程によって、砂粒表面に付着した土
などの微粒子を完全に除去することにより、通常の砂粒
では6程度である砂粒子相互の接触点数を10を越えるよ
うに該粒子表面の摩擦特性に変化を生じさせ、粒子同士
の静止摩擦係数を著しく増大せしめる。粒子状物質の摩
擦係数の評価に一般に利用されている安息角は、普通の
砂では、35〜38度であるが、この洗浄過程によって、42
〜50度まで上昇する。また同時に洗浄時の共摺りによっ
て砂粒子の角が研磨され、丸みを帯びるようになり、粒
子同士の接触点数が増大するから、その結果砂粒の充填
密度が増大する。
[酸洗浄処理] 前期精製洗浄処理工程を終了した砂粒を酸洗浄処理する
ことが望ましい。
精製洗浄処理完了後、十分に水を切ったあとで、希塩酸
(1乃至3規定)を砂の嵩体積と略同量加え、1分程度
軽く振ってから酸性がなくなるまで水洗により後洗浄を
行うことにより発音特性を格段に向上させることができ
る。この際、残留酸が消失したことをPH値により確認す
る。そのあと数分間振動を続行することにより所定の発
音特性が得られる。
天然砂の水中における発音特性 上述のように構成した砂粒子群を容器内に収容し、運動
状態におくと、一般に知られているように粒子層内部に
剪断面が形成されるが、摩擦係数が大きいために粒子群
は剪断面で充分な力が掛った限界状態で滑りを生ずる。
滑りが惹起すると、粒子層の剪断面の摩擦係数は前述し
た静止係数から、動摩擦係数が作用する状態に変化し
て、急激に剪断層に沿って運動するが、このとき砂層は
膨張して、砂の層を急激に押し上げると共に、加わった
力が開放されるため、運動を停止して前の静止状態に戻
る。この過程を瞬間的に複数回繰り返すことにより砂層
に振動が発生し、この繰返し速度によって特定の周波数
音を有し発音特性を呈する。
また静摩擦係数と動摩擦係数の差が大きいほど、振動の
大きさが大きくなる。
砂粒群の振動による慣性力によってこの砂粒群と接して
いる容器壁の振動が生起し、音響を発生する。この振動
は50〜800ヘルツである。尚、砂の量が多いほど、大き
い音が発生する。
容器と音色について 上記容器は例えばアクリル、ビニール、ポリカーボネー
トのように硬質で共鳴性を有する材質を選び、且つ透明
な材料によって構成される。
前記のように洗浄した鳴き砂を、水と砂の体積混合比が
1:1になるように充填し、容器を揺動させて内部の砂に
動揺を与える。
容器の大きさを、100ml,500ml,1000mlなどと変化させる
ことにより、発生音の大きさを変化させることができ
る。
上記容器において、1000mlなどのように大量の砂粒を使
用するものにあっては、バイブレータ等の適宜起震装置
により外部から該容器に鉛直方向の微振動を定常的に印
加し、砂粒子相互の接触点数(10以上である)を僅かに
減少させることにより砂層の移動が可能になる状態に維
持することができる。
また容器の形態に変化をつけることによって共鳴域を変
え、特定の音域を強調することができると共に、収容す
る砂粒の粒度を変えることによっても、ある程度の音階
を変えることが可能となる。
比較的小型の容器では、容器を揺動して発生する音が蛙
が鳴く声に似ており、これと動物、例えば蛙の形を模し
た縫いぐるみとを組み合わせて玩具を製作すると、発音
を伴う玩具として充分な特性を有するようになる。
更に鳴き砂を収容する容器を透明にすることによって、
砂の動きを該部から視認観賞することができ、玩具とし
ての興味を大きくすることができる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明に係る水中において発音特性を
生ずる天然砂の製造方法及び水中発音砂による発音体
は、砂粒を収容した容器径を大きくし、例えば1000程
度にすれば、砂の慣性力が大になって、恐竜などの声を
想わせる轟音を発生させることも可能である。容器を往
復運動させる自動機構を利用して、特殊な音響効果を有
する展示物(モニュメント)を創ることが可能である等
の特徴を有し、本発明実施後の実用的効果は極めて大き
い。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘土を伴う砂層から得た粒度0.1〜2mm砂粒
    に付着した土を予備水洗処理行程によって完全に除去し
    た後、更に水と砂を体積比で略1:1の割合にして円筒形
    容器に入れ、円筒部を直立させた状態で、該容器ごと往
    復又は定半径旋回運動を基本として水と砂粒の混合物の
    運動速度が10m/s〜5m/sになるように直線又は円運動さ
    せ、水の中で砂粒同士を互いに摩擦させることにより一
    定時間精製洗浄処理を行い、粒子表面に付着した土、そ
    の他の異物を完全に除去すると共に、粒子の角ばった部
    分を丸めたことを特徴とする水中において発音特性を生
    ずる天然砂の製造方法。
  2. 【請求項2】精製洗浄処理行程後、充分に水を切り、1
    乃至3規定の希塩酸を砂の嵩体積比で略1:1の割合に加
    え、1分乃至数分軽く振動を加え、而る後、酸性がなく
    なるまで水洗により後洗浄を行う酸洗浄処理行程を付加
    したことを特徴とする請求項1記載の水中において発音
    特性を生ずる天然砂の製造方法。
  3. 【請求項3】前記精製洗浄処理行程の時間が、更に洗浄
    を1時間続行したとき、白濁以外の他の着色を認めなく
    程度である請求項1又は2記載の水中において発音特性
    を生ずる天然砂の製造方法。
  4. 【請求項4】前記精製洗浄処理行程の時間が60時間乃至
    500時間である請求項1又は2記載の水中において発音
    特性を生ずる天然砂の製造方法。
  5. 【請求項5】粘土を伴う砂層から得た粒度0.1〜2mm砂粒
    に付着した土を予備水洗処理行程によって完全に除去し
    た後、更に水と砂を体積比で略1:1の割合にして円筒形
    容器に入れ、円筒部を直立させた状態で、該容器ごと往
    復又は定半径旋回運動を基本として水と砂粒の混合物の
    運動速度が10m/s〜5m/sになるように直線又は円運動さ
    せ、水の中で砂粒同士を互いに摩擦させることにより一
    定時間精製洗浄処理を行い、粒子表面に付着した土、そ
    の他の異物を完全に除去すると共に、粒子の角ばった部
    分を丸めたことを特徴とする水中発音砂。
  6. 【請求項6】精製洗浄処理行程後、充分に水を切り、1
    乃至3規定の希塩酸を砂の嵩体積比で略1:1の割合に加
    え、1分乃至数分軽く振動を加え、而る後、酸性がなく
    なるまで水洗により後洗浄を行う酸洗浄処理行程を経て
    酸性洗浄処理を施したことを特徴とする請求項5記載の
    水中発音砂。
  7. 【請求項7】平均した砂粒の安息角が42〜50度である請
    求項5又は6記載の水中発音砂。
  8. 【請求項8】前記請求項5,6又は7に記載の発音砂を水
    と共に容器に入れて、水と砂の体積混合比を1:1に近い
    適量に充填して構成し、該容器を揺動させて内部の砂に
    揺動を与えて発音することを特徴とする水中発音砂によ
    る発音体。
  9. 【請求項9】適宜起震装置により常時微振動を外部から
    前記容器に印加し砂相互の接触点数を減少させることを
    特徴とする請求項8記載の水中発音砂による発音体。
  10. 【請求項10】前記容器がアクリル、ビニール、ポリカ
    ーボネートのような共鳴性を有する硬材質であることを
    特徴とする請求項8又は9記載の水中発音砂による発音
    体。
  11. 【請求項11】前記容器が透明であることを特徴とする
    請求項8又は9記載の水中発音砂による発音体。
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