JPH07256266A - 冷却水系の水処理方法 - Google Patents

冷却水系の水処理方法

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JPH07256266A
JPH07256266A JP5187194A JP5187194A JPH07256266A JP H07256266 A JPH07256266 A JP H07256266A JP 5187194 A JP5187194 A JP 5187194A JP 5187194 A JP5187194 A JP 5187194A JP H07256266 A JPH07256266 A JP H07256266A
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JP
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water
cooling water
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ppm
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JP5187194A
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Shoichiro Kajiwara
庄一郎 梶原
Bunichi Ozaki
文一 尾崎
Yozo Yamada
洋三 山田
Yukifumi Goto
幸文 後藤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却水系の水質や冷却水系の濃縮倍数等に関
わりなく、常に安定してスライム障害、スケール障害、
腐食障害およびレジオネラ菌の殺菌効果に大して優れた
水処理方法を提供する。 【構成】 水溶性陽イオン性ポリマーとハロゲン化脂肪
属ニトロアルコールおよびホスホン酸またはその塩およ
び/またはカルボン酸系低分子量ホリマーを冷却水系の
ブロー水、補給水または保有水のいずれかに添加する。 【効果】 本発明における各薬剤それ自体では充分な薬
効を発揮し得ないような低濃度であっても、本発明にお
ける各薬剤を共存(併用)することにより、冷却水の水
質変動、運転条件に関わりなくスライム、スケール、腐
食障害とレジオネラ菌の発生を効果的に防止し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷却水系の水処理方法に
関する。更に詳しくは、スライム障害,スケール障害,
腐食障害およびレジオネラ属の菌の発生する開放型循環
式冷却水系に適用される水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、化学工業およびその他の諸工業の
発展に伴い多量の工業用水が必要となっている。工業用
水の水源としては、工業用水道水の他に海水、湖水、沼
水、河川水などが使用されている。これらの工業用水中
には各種の微生物が育成しており、この微生物類の中に
はその存在する水質、環境によって更に増殖を続け、各
種の障害を起こす原因となるものが多い。
【0003】たとえば、冷却用水として使用する場合
に、水中に生息している微生物が増殖し用水設備の壁な
どに着生してスライムを形成し、これによる熱交換率の
低下および流水不良などの障害が発生する。殊に、用水
の循環使用において、開放型冷却塔等を用いた開放式の
場合には系の一部で循環水が強制ばっ気されて空気に接
触し、かつ太陽光線が照射されることにより細菌および
藻類などの好気性微生物類の繁殖が助長される。またビ
ルや工場などの空調、冷暖房施設における小型冷却塔を
設置した冷却水系などにおいても同様な障害が発生して
いる。また、一般用水系、特に冷却水系においては、ス
ライム障害の他に水中の溶存酸素や塩素イオン、硫酸イ
オンなどの溶解塩類による腐食障害、さらに水中のカル
シウムイオンなどの蓄積により、炭酸カルシウムや硫酸
カルシウム、および重合リン酸塩系防食剤の使用に伴う
リン酸カルシウムなどのスケール障害が起こる。とくに
近年の冷却水系の高濃縮運転に伴いこれらの障害はます
ます甚大となっている。
【0004】ところで、最近このような冷却水系で検出
されるレジオネラ菌が深刻な問題となっている。レジオ
ネラ菌はグラム陰性の細長い菌で、その発育至適温度が
35℃〜36℃と冷却水の温度と合致しており、また藻
類や従属栄養細菌などから栄養源を得る共生細菌であ
り、上述したような微生物類の繁殖し易い冷却水系は格
好の生育環境となる。レジオネラ菌の増殖した冷却水が
冷却塔から飛散することによって、あるいは空調設備に
あっては、冷却水の飛沫が空気を汚染して外気取り入れ
口から空調施設に入り室内空気のレジオネラ菌汚染を起
こし、人体に感染することが知られている。レジオネラ
菌による感染症は、在郷軍人病と呼ばれ、肺炎に似た症
状を引き起こし時には死亡に至る場合もありその対策が
求められている。
【0005】従来、スライム障害を防止するための薬剤
として、液体塩素や次亜塩素酸ソーダ、塩素化イソシア
ヌル酸などの無機,有機塩素化合物や第4級アンモニウ
ム塩などが知られていた。しかし、塩素化合物は安全
性、金属に対する腐食性の心配があると共に最近の冷却
水系の高濃縮運転化の状況下では冷却水のpHがアルカ
リ側にあるため効果に乏しいなどの問題があり使用が困
難な状況となっている。また、第4級アンモニウム塩も
発泡性や防食剤、スケール防止剤として併用されるカル
ボン酸系低分子量ポリマーと水中で反応し効果が相殺さ
れてしまう問題などがあり殆ど使用されていないのが現
状である。
【0006】これらに代わり近年、ヒドラジン、イソチ
アゾロン系、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコール系など
の薬剤が多用されている。しかしこれらの薬剤も水系内
で分解し易く効果が安定しない。また皮膚刺激性が大で
取扱いが難しい上に高価であるなどの欠点がある。
【0007】上述した薬剤の中でイソチアゾロン系、ハ
ロゲン化脂肪族ニトロアルコール系などの薬剤はレジオ
ネラ菌に有効な殺菌剤としても知られている。しかしな
がら、これらの薬剤は、実際の冷却水系に適用した場
合、殺菌剤としての効果を十分に発揮させるには相当な
高濃度を必要とし、また効果の持続性に乏しく薬剤を高
濃度で連続的に添加する必要があるという欠点を有す
る。
【0008】また、従来スケール障害や腐食障害を防止
する薬剤として、ピロリン酸ソーダやヘキサメタリン酸
ソーダなどの重合リン酸塩、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸などのホスホン酸類、ポリアク
リル酸ソーダなどのカルボン酸系低分子量ポリマーが知
られている。
【0009】特に鉄鋼材質の腐食防止効果を高めるため
に、さらに水溶性亜鉛塩などの二価金属塩を併用するこ
とも良く知られている。更に、鉄鋼、銅あるいはこれら
の合金材質の腐食を防止するためにベンゾトリアゾール
などのアゾール化合物も多用されている。
【0010】しかし、重合リン酸塩は冷却水中で加水分
解し正リン酸を生じ冷却水中のカルシウムなどの硬度成
分と結合して逆にリン酸カルシウムなどのスケールを生
じる。水溶性亜鉛塩も、冷却水中で水酸化亜鉛やリン酸
亜鉛のスケールを生じ易いという問題があり、これらの
適用は冷却水の系内滞留時間が短く、pHが8以下程度
の低濃縮運転系においてのみ有効である。
【0011】従って、近年の冷却水系の高濃縮運転化に
対応できる処方としてはホスホン酸類やカルボン酸系低
分子量ポリマーを用いるのが一般的である。しかしこれ
らの薬剤の防食効果は比較的弱く、低濃縮運転系への適
用が困難なばかりでなくpHがアルカリ側で比較的腐食
性の緩和された高濃縮運転冷却水系においてもその効果
は不十分である。
【0012】また、ホスホン酸類やカルボン酸系ポリマ
ーのスケール防止効果は冷却水系で一般的に発生する炭
酸カルシウムスケールにはそれなりの効果が認められる
が、共存するシリカイオン濃度が高くなると次第にその
効果が低下する欠点がある。更にシリカとマグネシウム
やカルシウムが結合したケイ酸塩スケールには全く効果
を有しないことが多い。従って冷却水系を高濃縮運転す
る場合も水中のシリカ濃度が200ppm 程度を超えない
ように濃縮倍数を設定して管理するのが一般的となって
いる。
【0013】以上のような事情から現在の冷却水系の水
処理方法は、冷却水や補給水の水質、冷却水の濃縮倍数
などの運転管理状況により適宜薬剤を選定し、しかも冷
却水中のシリカ濃度が200ppm 程度を超えないような
運転条件を設定して行っているのが実情である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷却水系に
おけるスライム障害、スケール障害、腐食障害およびレ
ジオネラ菌発生に対して冷却水の水質や冷却水系の濃縮
倍数などに関わりなく、常に安定した効果を発揮する水
処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の目的
を満たす水処理方法につき鋭意検討し、水溶性陽イオン
性ポリマーとハロゲン化脂肪族ニトロアルコールおよび
ホスホン酸またはその塩および/またはカルボン酸系低
分子量ポリマーを使用することが有効であることを見い
出すと共に、全く予期せぬことにそれぞれの化合物が相
互に作用して相乗効果を生み出すことを見出した。
【0016】すなわち、本発明は、冷却水系のブロー
水、補給水および保有水のいずれかに(A)水溶性陽イ
オン性ポリマー1〜50ppm、(B)ハロゲン化脂肪
族ニトロアルコール1〜50ppm、(C)ホスホン酸
またはその塩1〜50ppmおよび/またはカルボン酸
系低分子量ポリマー1〜50ppmを添加することを特
徴とする開放型循環式冷却水系の水処理方法に係わる。
【0017】本発明に使用される水溶性陽イオン性ポリ
マーは、下記化3の一般式(1)および(2)で表され
るN, N, N',N' −テトラエチレンジアミンとエピク
ロルヒドリンまたはジクロロエーテルとの反応生成物か
らなる重合体で、具体的にはポリ[2−ヒドロキシエチ
レン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)メ
チレンクロリド]、またはポリ[オキシエチレン(ジメ
チルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンクロ
リド]である。
【0018】
【化3】
【0019】これらのポリマーは、特公昭53−233
77号公報、特公昭55−49042号公報に殺藻剤と
して有効であることが記載されており、これらのポリマ
ーがスライム処理に有効であろうことは一応予測でき
る。 事実本発明者らは先に提案した水溶性陽イオン性
ポリマー、ホスホン酸もしくはその塩および(または)
カルボン酸系低分子量ポリマーとを有効成分として配合
した混合剤からなる多機能型水処理剤(特開平5−76
856号)において、上記のポリマーがスライム処理に
有効なことを示した。
【0020】特開平5−76856号における多機能型
水処理剤は、上記したような各成分を混合剤とすること
により、スケール防止効果が向上する点、銅材質の防食
効果を有し、敢えてアゾール化合物などの銅用防食剤を
必要としない点で優れた特徴を有するものである。
【0021】しかしながら特開平5−76856号に示
された混合剤からなる水処理剤は、レジオネラ菌に対し
て殆ど効果を示さないと共に、比較的腐食性の強い低濃
縮運転などの冷却水系では特に鉄鋼材質に対する防食効
果が余り期待できない。また、冷却水系をノンブロー運
転のような極めて過酷な高濃縮運転を行った場合、スケ
ール防止効果も十分ではない欠点があることが分かっ
た。
【0022】一方、本発明に使用されるハロゲン化脂肪
族アルコールは下記一般式(3)で示される化合物であ
る。
【0023】
【化4】
【0024】(式中R1 は水素原子、ハロゲン原子、低
級アルキル基またはヒドロキシ低級アルキル基、R2
水素原子または低級アルキル基,Xはハロゲン原子を示
す)
【0025】上記の一般式(3)で示されるハロゲン化
脂肪族アルコールの具体的な化合物としては例えば、2
−クロロ−2−ニトロエタノール、 1−クロロ−1−
ニトロプロパノール−2、 3−クロロ−3−ニトロブ
タノール−2、 2−クロロ−2−ニトロブタンジオー
ル−1,3、 1−クロロ−1−ニトロブタノール−
2、 2−クロロ−2−ニトロブタノール、 2−クロ
ロ−2−ニトロペンタノール−3、 2,2−ジクロロ
−2−ニトロエタノール、 2−クロロ−2−ブロモ−
2−ニトロエタノール、 3−クロロ−3−ニトロ−ペ
ンタンジオール−2・4、 4−クロロ−4−ニトロヘ
キサノール−3、 2−ブロモ−2−ニトロエタノー
ル、 2−ブロモ−2−ニトロプロパノール、 2−ブ
ロモ−2−ニトロプロパンジオール−1,3、 2−ブ
ロモ−2−ニトロブタンジオール−1,3、 3−ブロ
モ−3−ニトロペンタンジオール−2,4、2,2−ジ
ブロモ−2−ニトロ−エタノール、 4−ブロモ−4−
ニトロヘキサノール−3、 2−フルオロ−2−ニトロ
エタノール、 2−フルオロ−2−ニトロブタンジオー
ル−1,3、 3−ヨード−3−ニトロブタノール−
2、 2−フルオロ−2−クロロ−2−ニトロエタノー
ル、 2−ヨード−2−ブロモ−2−ニトロエタノール
等があげられる。これらの化合物の中で、性能および製
剤を市販品として入手し易い点から、2−ブロモ−2−
ニトロプロパンジオール−1,3(以下ブロノポールと
いう)が特に好適である。
【0026】ところで、本発明に使用されるハロゲン化
脂肪族ニトロアルコール類はスライム処理剤として、ま
たレジオネラ菌に対して殺菌作用を有する薬剤として知
られている。特にブロノポールはレジオネラ菌を対象と
する純粋培養系では数10ppmの濃度で明確な殺菌力
を有することが知られている。しかし本発明者らの検討
によるとブロノポールを実際の冷却水系に添加した場合
は数10ppmの濃度では殆ど殺菌作用が認められず、
少なくとも100ppmを超える濃度となる量の添加が
必要である。しかし、ブロノポールをはじめとするハロ
ゲン化脂肪族ニトロアルコールは高価な化合物であり数
100ppmもの高濃度となるような量の添加を行うこ
とは経済上問題があり実用化は困難な状況にあった。
【0027】ところが、本発明の水処理方法における薬
剤の一成分としてハロゲン化脂肪族ニトロアルコールを
他の薬剤と併用使用する場合は、ハロゲン化脂肪族ニト
ロアルコールを単独で使用する場合に比べ、全く予期で
きなかった飛躍的な効果の改善が認められた。
【0028】すなわち、本発明における他の成分はそれ
自体ではレジオネラ菌に対する殺菌、抗菌作用を有しな
いにも拘らず、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコール単独
では殆ど効果を示さないような低濃度のハロゲン化脂肪
族ニトロアルコールを他の薬剤成分と共存させることに
よりレジオネラ菌に対して優れた殺菌、抗菌作用を示す
ことが判った。
【0029】また、ホスホン酸類やカルボン酸系低分子
量ポリマーでは防食効果が比較的低い低濃縮運転系の水
系のような腐食性の強い水質であっても、それ自体は鉄
鋼に対する防食効果を殆ど有しないハロゲン化脂肪族ニ
トロアルコールを共存させることにより、安定した防食
効果が得られることが見出された。
【0030】さらには、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコ
ール自体はスケール防止能を有しないものであるが、他
の薬剤と少量のハロゲン化脂肪族ニトロアルコールを併
用することにより、スケール防止能が一段と向上しノン
ブロー運転のような過酷な高濃縮運転条件下においても
良好なスケール防止効果が発揮されることも見出され
た。
【0031】本発明に使用されるホスホン酸またはその
塩、およびカルボン酸系低分子量ポリマーとしては、従
来から冷却水系の防食剤、スケール防止剤として使用さ
れているものがそのまま適用できるが、好ましい化合物
を具体的に挙げると、ホスホン酸またはその塩として
は、アミノトリスメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシ
エチリデン−1,1−ジホスホン酸、2−ホスホノブタ
ン−1,2,4−トリカルボン酸などのホスホノカルボ
ン酸およびその塩、特にナトリウム塩等である。
【0032】また、カルボン酸系低分子量ポリマーとし
ては、ポリ(メタ)アクリル酸ソーダ、(メタ)アクリ
ル酸アクリルアミド共重合体などのアクリル酸と他のモ
ノマーとの共重合体、ポリ無水マレイン酸、無水マレイ
ン酸−イソブチレン共重合体などの無水マレイン酸と他
の共重合体、さらにはアクリル酸−無水マレイン酸共重
合体などである。
【0033】さらに、下記一般式(4)で示されるごと
きのホスフィン酸もしくはその塩を含有するカルボン酸
系ポリマー、すなわちビス(ポリ−2−カルボキシエチ
ル)ホスフィン酸またはこれらの塩(具体的にはナトリ
ウム塩)も使用できる。
【0034】
【化5】
【0035】これらのカルボン酸系ポリマーは一般に分
子量500〜50,000の範囲のものが使用される。
【0036】本発明において、それぞれの化合物の冷却
水系への添加量は、(A)水溶性陽イオン性ポリマー1
〜50ppm、(B)ハロゲン化脂肪族ニトロアルコー
ル1〜50ppm、(C)ホスホン酸またはその塩1〜
50ppm、(D)カルボン酸系低分子量ポリマー1〜
50ppmであり、好ましくはいずれも2〜20ppm
である。それぞれの化合物の冷却水系における濃度が2
ppm未満となる量の添加では水処理剤としての性能が
不十分の場合があり、通常は水中濃度が20ppmにな
る量を添加すれば大部分の冷却水系では充分所望の効果
が得られる。
【0037】本発明において、各化合物を添加するにあ
たって基準となる水量は冷却水系のブロー水、補給水、
保有水のいずれかである。開放型循環式冷却水系では、
冷却塔での循環水の蒸発による損失があり、水中の溶解
固形物が濃縮される。一般に溶解固形物の過度の濃縮を
防止するために循環水の一部を強制ブローしている。従
って蒸発水量とブロー水量に相当する補給水が供給され
る。 補給水量=蒸発水量+ブロー水量(飛散ブロー水量+強
制ブロー水量) 濃縮倍数=補給水量/ブロー水量 添加の際、基準となる水量としていずれを選択するかは
冷却水系の運転条件や上述した水バランスを考慮して決
定すれば良い。
【0038】ブロー水に対して添加する方法は、冷却水
系の濃縮倍数が5未満の低〜中濃縮運転系に適してい
る。補給水に対して添加する方法は、冷却水系の濃縮倍
数が5以上の高濃縮運転系に適している。高濃縮運転系
ではブロー水量が極めて少ないにも拘らず、循環水の溶
解固形物や微生物類が蓄積し障害を起こし易い状況にあ
り、系内での化合物の消費も著しいため補給水に対して
添加する方法が最適となる。保有水に対して添加する方
法は、冷却水系の運転管理が充分にできず、薬剤を間欠
的に添加して処理する場合に適している。
【0039】また、それぞれの化合物を冷却水系へ添加
する方法としては、それぞれを個別に冷却水系に添加し
てもよく、予め配合し混合剤として添加してもよい。通
常は予め配合した混合剤として使用するのが作業上便利
であり好ましい。混合剤として使用する場合の配合割合
はそれぞれの化合物が上述した濃度範囲で水中に添加さ
れるように配合すればよく、一般的には水溶性陽イオン
性ポリマー1〜20重量%、ハロゲン化脂肪族ニトロア
ルコール1〜20重量%、ホスホン酸またはその塩、お
よび/またはカルボン酸系低分子量ポリマー1〜20重
量%の範囲である。残部は通常溶媒としての水を配合す
ればよいがアルコール類等の親水性溶媒を用いることも
できる。
【0040】それぞれの化合物を冷却水系に個別に添加
する場合は、それぞれの化合物が同時に添加されること
が最も好ましいが必ずしもその必要はない。
【0041】添加時期は冷却水系内の水バランスを考慮
してそれぞれの化合物の有効量が存在していると見なせ
る範囲内であれば任意の時期にそれぞれの化合物を添加
することでも所望の効果が得られる。
【0042】本発明による水処理方法は、冷却水系にお
ける各種の障害を防止できるが、所望に応じて従来から
使用されているスライム処理剤や防食剤などを更に添加
することは何ら差し支えない。このような薬剤としてた
とえばスライム処理剤としてのイソチアゾロン系化合
物、銅用防食剤としてのベンゾトリアゾール等のアゾー
ル化合物が挙げられる。
【0043】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
【0044】実施例1 本発明に使用されるそれぞれの化合物を予め配合した混
合剤を調整して開放型循環式冷却水系のモデルプラント
で試験した。
【0045】本実施例では、水溶性陽イオンポリマーと
して、前記一般式(1)で示されるN, N, N',N' −
テトラメチルエチレンジアミンとエピクロルヒドリンと
の反応生成物(分子量6, 000、以下化合物Aとい
う)および前記一般式(2)で示されるN, N, N',
N' −テトラエチレンジアミンとジクロロエチルエーテ
ルとの反応生成物(分子量5, 000化合物Bという)
を用いた。また、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールと
してはブロノポールを用いた。
【0046】 混合剤1 化合物(A)(50%水溶液) 20重量部 ブロノポール 10重量部 1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸(60%水溶液) 20重量部 水 50重量部 合計 100重量部
【0047】 混合剤2 化合物(A)(50%水溶液) 20重量部 ブロノポール 10重量部 ビス( ポリ-2- カルボキシエチル) ホスフィン酸 20重量部 (分子量1200,40%水溶液) 水 50重量部 合計 100重量部
【0048】 混合剤3 化合物(A)(50%水溶液) 20重量部 ブロノポール 10重量部 1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸(60%水溶液) 10重量部 無水マレイン酸−アクリル酸共重合体 10重量部 (分子量1500,40%水溶液) 水 50重量部 合計 100重量部
【0049】 混合剤4 化合物(B)(50%水溶液) 20重量部 ブロノポール 10重量部 ポリ無水マレイン(分子量900,50%水溶液) 20重量部 水 50重量部 合計 100重量部
【0050】 混合剤5 化合物(B)(50%水溶液) 20重量部 ブロノポール 10重量部 2- ホスホノブタン-1,2,4- トリカルボン酸(50%水溶液) 20重量部 水 50重量部 合計 100重量部
【0051】 混合剤6 化合物(B)(50%水溶液) 20重量部 ブロノポール 10重量部 アミノトリスメチレンホスホン酸 10重量部 無水マレイン酸・イソブチレン共重合体 10重量部 (分子量1800,50%水溶液) 水 50重量部 合計 100重量部
【0052】モデルプラントは、保有水量60リット
ル、循環水量400 l/hr、蒸発水量4. 8 l/
hr、飛散水量0. 2 l/hrであり、系内にはスラ
イムおよびスケール量測定用の熱交換器(SUS304
製、伝熱面積0. 707m2 )を設け、出口温度を45
℃に調整し、熱交換器の出口後に軟鋼(JIS G31
41 SPCC−B)および銅(JIS H3104
DCuP1 )試験片を挿入した腐食量測定用カラムを設
けた。
【0053】さらに系内には、バイパスを設け、冷却塔
の戻水温度を37〜38℃、送水温度を35℃に調整し
た。
【0054】スライムの発生、付着を促進させるために
試験開始時に工場現場冷却塔から採取したズーグレアと
珪藻を主成分とするスライム400ml(30分後の沈
降容積、乾燥重量約10g相当)を投入した。
【0055】試験は1試験について20日間ずつ実施
し、冷却水の濃縮倍数は2(低濃縮)、5(中濃縮)お
よび強制ブローを行わないノンブロー(高濃縮)とし
た。
【0056】薬効の評価は20日後の熱交換器チューブ
への付着物量を測定し、付着速度(mcm:mg/cm
2 ・ 月)にて換算して示し、付着物中の灼熱減量割合も
測定することによりスライム付着量の目安とした。また
20日後の軟鋼および銅片の腐食減量を測定し、腐食速
度(mdd:mg/100m2 ・ 月)で示した。さらに
10日後と20日後に冷却水をサンプリングし、レジオ
ネラ菌の生菌数を測定した。
【0057】なお、使用した原水の水質はpH7. 7、
電気伝導度204μs/cm、Mアルカリ度82ppm 、
全硬度81ppm 、カルシウム硬度48ppm 、硫酸イオン
24ppm 、塩素イオン12ppm 、溶存シリカ45ppm で
あり、特に溶存シリカ濃度の高い水質であった。
【0058】各運転条件での混合剤の添加方法は以下の
通りとした。試験結果を表−1、および表−2に示す。
【0059】 濃縮倍率 補給水量(l/hr) ブロー水量(l/hr) 混合剤添加方法 2 10 5 ブロー水量に対して 50ppmを連続添加 ────────────────────────────────── 5 6.25 1.25 補給水量に対して 50ppmを連続添加 ────────────────────────────────── ノンブロー 5 0.2 補給水量に対して 50ppmを連続添加
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】比較例1 実施例1と同様にして、水溶性陽イオン性ポリマーとホ
スホン酸またはその塩および/またはカルボン酸系ポリ
マーの混合剤、ブロノポールとホスホン酸またはその塩
および/またはカルボン酸系ポリマーの混合剤を調整し
て試験した。
【0063】 混合剤7 化合物(A)(50%水溶液) 40重量部 1- ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸 20重量部 (60%水溶液) 水 40重量部 合計 100重量部
【0064】 混合剤8 化合物(B)(50%水溶液) 40重量部 ポリ無水マレイン酸 (分子量900,50%水溶液) 20重量部 水 40重量部 合計 100重量部
【0065】 混合剤9 ブロノポール 20重量部 1- ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸 10重量部 無水マレイン酸- アクリル酸共重合体 10重量部 (分子量1500 50%水溶液) 水 60重量部 合計 100重量部
【0066】 混合剤10 ブロノポール 20重量部 2-ホスホノブタン−1,2,4 −トリカルボン酸 20重量部 (50%水溶液) 水 60重量部 合計 100重量部 結果を表−3、表−4に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】実施例2 実施例1と同様にして、本発明に使用するそれぞれの化
合物を個別に添加して試験した。添加はそれぞれの化合
物が保有水量60リットルに対して所定濃度となる量を
12時間に1回一括添加する方法を採り20日間継続し
た。添加した化合物と添加量を表−5(A)に、結果を
表−5(B)、(C)に示す。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】実施例3 実施例2と同様にして本発明に使用するそれぞれの化合
物を個別に添加して試験したが、本実施例ではそれぞれ
の化合物の添加方法を相違させて行った。添加した化合
物と添加方法を表−6(A)および表−6(B)に、結
果を表−6(C)および表−6(D)に示す。
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】
【表10】
【0077】
【表11】
【0078】
【発明の効果】本発明の冷却水系の水処理方法は、使用
するそれぞれの化合物が、元来有している機能を発揮す
るに限らず、相互作用に基づく顕著な相乗効果により、
冷却水の水質変動や冷却水系の運転条件に関わりなくス
ライム,スケール,腐食障害とレジオネラ菌発生を極め
て低濃度の作用で防止し得る効果を有し、産業上の利用
価値は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 33/12 101 (72)発明者 後藤 幸文 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 三 菱瓦斯化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却水系のブロー水、補給水および保有
    水のいずれかに(A)水溶性陽イオン性ポリマー1〜5
    0ppm、(B)ハロゲン化脂肪族ニトロアルコール1
    〜50ppm、(C)ホスホン酸またはその塩1〜50
    ppmおよび/またはカルボン酸系低分子量ポリマー1
    〜50ppmを添加することを特徴とする開放型循環式
    冷却水系の水処理方法。
  2. 【請求項2】水溶性陽イオン性ポリマーが一般式(1)
    または(2)で表される化合物である請求項1記載の水
    処理方法。 【化1】
  3. 【請求項3】 ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールが一
    般式(3)で表される化合物である請求項1記載の水処
    理方法。 【化2】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
    基またはヒドロキシ低級アルキル基、R2 は水素原子ま
    たは低級アルキル基、Xはハロゲン原子を示す)
  4. 【請求項4】 一般式(3)で表されるハロゲン化脂肪
    族ニトロアルコールが、2−ブロモ−2−ニトロプロパ
    ンジオール−1,3である請求項1記載の水処理方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001252673A (ja) * 2000-03-10 2001-09-18 Katayama Chem Works Co Ltd 紙・パルプ製造工程水系におけるスライム障害防止方法
JP2002193711A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 多機能型水処理剤
CN100334011C (zh) * 2005-12-05 2007-08-29 赵清顺 一种用于循环冷却水处理的杀菌缓蚀剂
JP2011212522A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Aquas Corp 水系中のイソチアゾリン系化合物の分解抑制方法、及び、水系の微生物制御方法
EP3496540A4 (en) * 2016-08-11 2020-07-15 Ecolab USA Inc. INTERACTION BETWEEN QUATERNARY ANTIMICROBIAL COMPOUNDS AND ANIONIC SURFACTANTS
US11406103B2 (en) 2016-03-01 2022-08-09 Ecolab Usa Inc. Sanitizing rinse based on quat-anionic surfactant synergy

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US11044907B2 (en) 2016-08-11 2021-06-29 Ecolab Usa Inc. Interaction between antimicrobial quaternary compounds and anionic surfactants
US11839209B2 (en) 2016-08-11 2023-12-12 Ecolab Usa Inc. Interaction between antimicrobial quaternary compounds and anionic surfactants

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