JPH07257686A - 耐食性金属ライニング材の接合方法及びライニングタンク類 - Google Patents

耐食性金属ライニング材の接合方法及びライニングタンク類

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JPH07257686A
JPH07257686A JP6046738A JP4673894A JPH07257686A JP H07257686 A JPH07257686 A JP H07257686A JP 6046738 A JP6046738 A JP 6046738A JP 4673894 A JP4673894 A JP 4673894A JP H07257686 A JPH07257686 A JP H07257686A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 主として、化学工業において腐食性化学薬品
の常圧ないし低圧下での反応、分離貯蔵等に供される塔
槽類の、簡便かつ強固な耐食性金属ライニング材の接合
方法及びライニングタンク類の接合構造の提供を目的と
する。 【構成】 鋼材からなる母材1に対して所定間隔で複数
の開口部を形成し、耐食性ライニング材2に対して該開
口部4に見合う位置に係合する突起からなる係合部材6
を形成し、前記開口部と係合部材6を嵌合して重ね合せ
た2層材の空所10に可融合金を流入充填後固化して母
材1とライニング材2とを接合することを特徴とする耐
食性金属ライニング材2の接合方法及びこの方法により
得られるライニングタンク類の構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、化学工業に
おいて腐食性化学薬品の常圧ないし低圧下での反応、分
離貯蔵等に供される塔槽類の、母材の接液面を耐食性金
属薄板で内張りしたライニングタンク、ライニング容
器、大口径のパイプ、樋類等(以下ライニングタンク類
と略称)のような、ライニングにより耐食性ライニング
材の厚みを薄くして使用する際に利用可能な耐食性金属
ライニング材の接合方法及びライニングタンク類に関す
る。
【0002】
【従来の技術】腐食性の強い酸、アルカリ、塩類などの
化学薬品の常圧ないし低圧下における反応、分離、貯蔵
等に供される大容量の塔槽類には、 1)炭素鋼、ステンレス鋼などの鋼板を母材として製作
したタンクの内面に、ゴム又は樹脂でライニングしたも
の、 2)塩化ビニール、ポリエチレンなどの耐食性樹脂板で
製作したプラスチックタンクの外面に、ガラス繊維強化
ポリエステル樹脂のような繊維強化熱硬化性樹脂の層を
形成して機械的強度を補強したもの、 3)ポリエチレンなどの樹脂で成形したプラスチックタ
ンクの外面にステンレス鋼板等を巻いてその機械的強度
を補ったもの、等が一般に用いられている。
【0003】しかしながら、耐食性が要求されるタンク
の製作には、チタンに代表される耐食性金属板そのもの
を用いるのが加工性、溶接性の点からは好ましいにも拘
わらず、チタン材自体で製作されたものはごく一部に過
ぎない。上記のゴムライニング又はプラスチックタンク
が利用されている最大の理由は、チタンに代表される耐
食性金属材料が高価なためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】耐食性に優れたチタン
材は、優れた耐食性から化学装置材料として注目され広
く用いられるようになった。ところが、母材となる鋼板
とは通常状態では溶接が不可能であるため、圧力容器な
どのライニング材として、爆発圧着法あるいは加圧圧延
法により鋼板に接合したチタンクラッド鋼材、あるいは
特公昭56-22422号で提案されているように、鋼板の表面
にはんだ引き加工し、チタン材の片面に銅網及びステン
レス鋼を積層して重ね合わせ、電気抵抗シーム溶接によ
り溶着した特殊チタンクラッド鋼材等の形で利用されて
はいるが、チタン単体と同様に各種チタンクラッド鋼が
加工費用が嵩んで高価であるとの理由から、圧力容器以
外の一般のライニングタンク類には適用されるに至って
いない。
【0005】一方、ゴム又は樹脂ライニングタンク及び
強化プラスチックタンクの腐食性薬液に対する耐久性
は、例えば、ソーダ工業における塩素が溶存する高温食
塩水に対するゴムライニングの寿命は、約5年、酸化力
の強い次亜塩素酸ソーダ溶液に対する強化プラスチック
の寿命は約10年といわれ、かなり長いものの、チタンの
恒久性に比べれば短命であり、寿命に到達する都度更新
をするため生産低下および工事費用の問題を伴い、特に
工事にはタンク底部の残液の始末、配管類の切り離し、
工事スペースの確保などの煩雑さが常に問題になってい
る。
【0006】本発明者は、常圧ないし低圧下で使用され
ている耐食性タンク類の上記問題を解決することを目的
とし、その寿命が恒久的であるチタンをライニング材と
し、費用の嵩む上記クラッド鋼の代わりに母材となる鋼
板に経済的にライニングする手段を追求した結果、ここ
に本発明の完成をみたのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
耐食性金属ライニング材の接合方法は、鋼材からなる母
材に対して所定間隔で複数の開口部を形成し、耐食性ラ
イニング材に対して、その開口部に見合う位置に係合す
る突起からなる係合部材を形成し、前記開口部と係合部
材を嵌合して重ね合せた2層材の空所に可融合金を流入
充填後固化して母材とライニング材とを接合することを
特徴とする耐食性金属ライニング材の接合方法である。
【0008】上記方法によって得られるライニングタン
ク類の構成は、開口部4を形成したライニングタンクの
母材1と該開口部4に係合する突起状の係合部材6を接
合したライニング材2を、開口部4に係合部材6を嵌合
して重ね合わせた2層板の空所10に、可融合金11を充填
してライニング材2を母材1に接合してなるライニング
タンク類である。
【0009】具体的には、ライニングタンク類の母材1
が炭素鋼、ステンレス鋼などの鋼板であり、ライニング
材2がチタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウムなどの
母材との溶接が不可能な耐食性金属板であり、可融合金
11が蒼鉛を主成分とする合金を用いたライニングタンク
類である。
【0010】常圧ないし低圧下で使用されるライニング
タンクやライニング容器、ライニングパイプ、あるいは
ライニング樋などのライニング材にチタンを適用するに
は、ゴム又は樹脂におけるような、母材との剥離によっ
て膨らみや亀裂などの母材の腐食を引き起こす問題は生
じないので、機械的強度を受け持つ母材に密着させる必
要がなく、いわゆる、緩く取り付けられたストリップラ
イニングで十分であること、チタン板の厚みはタンク内
薬品の荷重に耐える必要がないので溶接加工に必要とす
る最小厚みでよいことに着眼して、母材となる鋼板の要
所にチタン薄板を局所接合することによって、実質上恒
久的耐食性を有するライニングタンク類を経済的に提供
するものである。
【0011】
【作用】以上のように、一般に鋼材からなる母材は板厚
が大であるから、これによりライニングタンク類の強度
をもたせ、耐食性ライニング材は極力薄く仕上げるのが
経済的である。本発明の上記接合方法によると厚みのあ
る母材の開口部に対し、薄板のライニング材から溶接可
能な材質による係合突起の形成と、その係合突起が嵌ま
っている嵌合部の空所に可融合金を流入、充填固化する
ことで部分的に、絶対離反しない強固な接合が簡単な作
業で可能となる。
【0012】この方法はライニングタンク類に応用して
極めて有用であり、この場合も上記方法により得られる
作用、すなわち、本発明の母材とライニング材の接合部
3における、母材開口部側面の溝5及びライニング材に
接合された係合部材の切欠き部7が、結合部3の空所に
充填された可融合金の介在により、両部材を結合するフ
ックとして作用する。また、蒼鉛を主成分とする可融合
金の凝固膨脹性が、結合部材との接触面を圧着するかし
め作用により、緩みのない強固な結合力を引き出す作用
をする。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明の具体的手段を
図面に基づいて説明する。但し、耐食性金属材料として
タンクに対するライニング材としてチタンを代表させて
いるが、本発明はチタンに限定するものではなく、前述
のように、タンタル、ニオブ、ジルコニウムあるいは、
これらに準ずる耐食性金属類にも適用できる。
【0014】図1は本発明の円筒型又は角型チタンライ
ニングタンクの垂直断面図である。図中符号1は母材と
なる鋼板、符号2はライニング材となるチタン板、符号
3は母材とライニング材との接合部である。図から明ら
かなように、このライニングタンクは、母材1により形
成されたタンクにライニング材により形成されたタンク
が内挿され、両者が結合部3で局所的に接合された構造
をなしている。タンクの母材は、主としてJISに規定さ
れる一般構造用圧延鋼材が用いられ、タンクの大きさと
高さによって異なるが、厚み3.2mm以上の鋼板が用いら
れる。一方、タンクのライニング材2となるチタン板は
厚み0.8〜1.2mmのJIS H4600に規定される耐食用チタン
板が適用される。
【0015】接合部3の数はタンクを形成する素材板の
大きさ、側面、底面の違い、平面、曲面の違い、加工法
等によって一概に決め難いが、原則としてストリップラ
イニングで充分な使用条件においては、主としてタンク
製造工程の過程で接合が外れる等の支障を来すことのな
い数であればよく、500〜1000mmのピッチで1m2当たり
2〜4箇所配置すれば充分である。なお、接合部1箇所
当たりの可融合金必要量は、概そ40〜80gの少量でよ
く、その価格も蒼鉛を含む錫、鉛等の合金であるから比
較的廉価であるので経済的条件を充分満足し得る。
【0016】図2は図1に示した結合部3の詳細を示す
説明図である。図2(a)は母材1の結合部の断面図で、
開口部4がドリルなどの工具によって形成され、開口側
面にはボーリングヘッドなどの工具により溝5が設けら
れる。開口部4の直径は概そ30〜40mmφ、溝5は概そ幅
2〜3mm、深さ2mmのV字又はコの字形溝になってい
て、母材の厚み5〜8mmに対して1条、9〜15mmに対し
て2条、16mm以上に対して3条程度設けられる。
【0017】図2(b)はライニング材2の結合部の断面
図で、ライニング材のチタン板には、鋼板からなる母材
1の開口部4に接する面に係合部材6が形成される。係
合部材6は厚み1.5mm、外径約20〜30mm高さ凡そ母材の
厚みに等しいチタン環で、一端の円周を4等分する4箇
所に幅5〜8mm、高さチタン環の高さの約1/2の切欠部
7が設けられ、チタン板に図中符号8又は8'の溶接部
にTIG溶接により点溶接される。
【0018】図3は図2に示した母材1の開口部4をラ
イニング材2の係合部材6に嵌め合わせて母材をライニ
ング材に重ね合わせ両板を可融合金で接合する方法の説
明図である。すなわち、ライニング材2のチタン板は図
3(a)に示す通り係合部材6を上にして略水平に置かれ
る。次いで、母材1の鋼板が開口部4の中心を係合部材
6の中心に一致するようにしてシール材9を介して重ね
合わされる。シール材9は通常、板面に反り等の変形が
無い限り母材1の開口部4の下縁とライニング材2とが
接する隙間は0.2mm以下になり極めて小さいので必要と
しないが、何らかの原因で0.5mm以上の隙間を生じた場
合には、シール材9を開口部円周下縁に配置して隙間を
シールする。シール材9には耐熱性、作業性、シール性
に優れたシリコンシーラントが適用される。かくして形
成された母材1とライニング材2の結合部の空所10に、
ライニング材2を下に母材1を上にして溶融した可融合
金11が注入されて放冷により凝固される。
【0019】図3(b)は結合部空所10に充填されて凝固
した可融合金11の状態を示す結合部断面図である。可融
合金には、凝固時に体積膨脹する蒼鉛を主成分とする錫
および/又は鉛の2元又は3元合金が主に適用される
が、アンチモンなどの第3又は第4成分を含む合金であ
っても差し支えない。凝固膨脹する可融合金の融点は成
分比によって異なるが、作業性および実用性の点から90
℃以上140℃以下のものが好ましい。なお、溶融した可
融合金の充填に際しては、母材の開口部4の周囲温度を
融解温度付近までガスバーナーなどにより加熱してから
行うことが望ましい。また溶融状可融合金の注入に代え
て予め所要量の粒状可融合金を開口部に配置した後、合
金及び開口部周囲を加熱して溶融させてもよい。
【0020】図3(b)における凝固接合部の空所に充填
した可融合金11は、母材開口部の溝5及びライニング材
の係合部材6の切欠き部7を含む空所10を完全に満た
し、表面の周囲が表面張力によって図の如く円く盛り上
がった状態で略母材の表面と同じレベルで綺麗に凝固す
るので、凝固面を面取りするなどの仕上げ加工を必要と
しない。
【0021】最も重要なライニング材の母材ベースメタ
ルに対する接合力は、ライニング材開口部側面の溝5と
ライニング材2に取り付けられた係合部材の切欠き部7
が凝固した可融合金11のフッキング作用によって強固に
係合し、その引張り強度は200Kgf以上、剪断強度は1000
Kgfであることから、タンク製作の過程で受ける可能性
のある衝撃、荷重等の応力に対しても容易に接合が破壊
されることはない。製作完了後の使用条件下において
は、接合部にかかる応力は温度変化に伴うそれぞれの材
料の膨脹・収縮率の相違による引っ張りとタンク内薬液
の水頭圧に相当する荷重であるが、図3(b)から明らか
な如く、液圧の荷重は係合部材とチタン板との溶接部8
には直接かからないので、実用上破断の問題は無視でき
る。
【0022】以下に本発明の強度テストにつき詳細に説
明する。本発明のチタンライニングタンクの接合部3の
接合力を試験確認する目的で、次のテストピースを製作
し、可融合金接合の後、接合部の引っ張り及び剪断テス
トを行った。厚み6mm、縦100mm、横100mmの鋼板(SS40
0)の中心に直径30mmの穴を開け、その側面の円周に幅3
mm、深さ2.5mmのV溝を切削して図2(a)に相当する母材
結合部のテストピースを作成した。一方、厚み1mm、縦
90mm、横90mm、のチタン板(TP35H)の中心に、外径22m
m、内径19mm、長さ10mmのチタンパイプ(材質TP35H相当)
の一端の円周を4等分する各位置に、幅5mm長さ5mmの
切欠部7を切削した係合部材6(以下係合環と称する)
が、切欠のある端辺のチタン板と接触する4辺がTIG溶
接によりチタン板に接合して図2(b)に相当するライニ
ング材結合部のテストピースを作成した。
【0023】厚み2mm、外径60mm、内径50mmのゴムリン
グを用意し、次いで、チタン板が係合環(係合部材)を上
にして水平に置かれ、その上にゴムリングが係合環の中
心に合わせて乗せられた上に鋼板が図3(a)の如く開口
部を係合環の中心を合わせてチタン板に重ね、締付治具
により両板を固定した。厚み2mmのゴムリングは、実際
の大型ライニングタンク製作の工程で母材とライニング
材との間に隙間を生じる可能性を考慮して、作為的に隙
間を形成させるためである。かくして形成された鋼板の
開口部下縁とチタン板との2mmの隙間はシリコンシーラ
ント(信越化学商品名)によりシールした。
【0024】次いで、予め用意された蒼鉛52%、錫48
%、融解・凝固点138℃の可融合金200gが注入口付鋳鉄
瓶に入れられ、電熱器上で160℃に加熱、融解され、テ
ストピース結合部周囲の鋼板がトーチランプで表面温度
約150℃に加熱された後、開口部上縁まで注入した。こ
のようにして接合部空所10に充填された溶融状可融合金
の表面は、溶融時の表面張力と凝固時の体積膨脹により
鋼板およびチタン環との接触界面より約0.5mm盛り上が
った状態で自然放冷して凝固した。
【0025】以上と同様にして3対の接合テストピース
を製作し、1対は接合部中心から垂直に切断して断面観
察を、1対は接合部表裏の鋼板面とチタン面に引っ張り
試験器に把持するための取手治具を取り付けて、水直方
向引っ張り強度試験を、他の1対はJISに規定された剪
断試験治具に合わせてチタン板の接合部を中心とする
縦、横寸法を40mm角に切削した上、剪断試験を行った。
【0026】以上の結果、図3(b)に相当する接合部断
面における可融合金は、接合部の空所10を完全に充填し
て気泡などによる隙間は全く見られず、シリコンシーラ
ントによるシール部9から両板の2mmの隙間の内部に侵
入するような現象も皆無であった。また、引張り強度及
び剪断強度は下記の値が得られ、実用上の問題はないこ
とが確認された。 引張り強度 320Kgf 剪断強度 1010Kgf なお、破断箇所は前者が鋼板開口部の溝に充填された可
融合金、後者が係合環とチタン板の点溶接部で可融合金
には何の変化も見られなかった。また、接合部1箇所当
たりの可融合金の重量はほぼ44gであった。
【0027】次に本発明をライニングタンクに応用した
具体例を示す。内径3600mm,高さ4000mm、容積40m3
チタンライニングタンクの側壁の素材となる鋼板に、チ
タン板を積層して局所接合した円弧状2層板を次によっ
て製作した。母材となる溶接構造用圧延鋼材は、材質JI
S GSM400、寸法が厚み6mm、幅1000mm、長さ2000mmの鋼
板であり、ライニング材には材質JIS TP28、寸法が厚み
1.2mm、幅980mm、長さ1980mmのチタン板を使用し、ロー
ル成形機により両板を重ね合わせた2層板のチタン面
が、タンク内径に相当する曲率に曲げ加工した。チタン
板側係合環を実施例1と全く同じ寸法と要領で製作し
た。可融合金は、成分比Bi56%、Sn22%、Pb22
%、融解開始温度95℃、融解終了温度104℃のものを、
電熱ヒーターと注入口及び把手のついた可融合金融解ポ
ットの中に300g準備した。また、接合部を隙間シール
用として押出し機にセットされた信越化学製シリコンシ
ーラントを準備した。
【0028】曲げ加工した鋼板とチタン板をそれぞれの
対角線を合わせて重ね合わせた2層板の結合部3は、鋼
板の幅1mを4等分する横線と、長さ2mを8等分する
縦線の交点の内、1つのコーナーを基準とした横線の1
番目と3番目の線と、縦線のうち2番目、5番目、8番
目の線との交点6箇所すなわち、縦方向ピッチ500mm、
横方向ピッチ750mmとし、鋼板にドリルにより直径30mm
の開口部4を開け、その側面には溝5として深さ1.5m
m、ピッチ3mmの溝がボーリングヘッドによって切削し
た。チタン板には、鋼板の開口部に対面する接合部の中
心に合わせて、係合環6をTIG溶接によって取り付け
た。
【0029】曲げ加工したチタン板と鋼板を重ね合わせ
た2層板の可融合金接合加工用治具として次のものを用
意した。すなわち、表面積が鋼板寸法と同じく幅1m、
長さ2mであり、その曲率がチタン板と一致するゴム張
り鋼製台座に、結合部3を水平位置に調整できる回転機
構をつけ、かつ台座にはチタン板、鋼板それぞれの位置
決めガイドと締付治具を用意した。
【0030】上記の曲げ加工されたチタン板と鋼板の接
合は次の順序によって行った。 1)チタン板を台座の所定位置に配置し、その上に鋼板
が重ね合わされて締め付け治具で固定した。 2)鋼板の6箇所の開口部4から露出するチタン板の表
面の中心に、係合環6を前記テストピースと同じ要領で
TIG溶接した。 3)開口部4における両板の隙間は6箇所共殆どなく0.
2mm以下であったが、念のため開口部下縁にシリコンシ
ーラントを塗布した。 4)台座が回転され、2箇所/列×3列の開口部の中、
1列の開口部4を略水平に位置した。 5)融解ポット内の可融合金を140℃に加熱して湯状に
融解した。 6)鋼板の開口部4の周囲約60mmφの範囲を表面温度約
100℃にトーチランプで2箇所同時に加熱した。 7)融解ポットの注入口から接合部の空所10に、可融合
金の湯を鋼板表面のレベルまで注入した後自然放冷し
た。 8)数分後に可融合金が凝固し始め、その表面張力と体
積膨張により鋼板表面より約0.5mm盛り上がった状態で
凝固した。 9)同様にして他の2箇所/列×2列の開口部の可融合
金接合を行って、2層板の接合を終了した。 10)この後、台座から取り外して、2層板の隙間検査お
よび接合部の打診検査を行った。 その結果2層板の外周の隙間は0.5mm以下であり接合部
にも異常は認められなかった。
【0031】以上によってチタンクラッド鋼板に代替え
できる円筒型タンクの側壁の素材となるチタンライニン
グ鋼板が完成された。いうまでもなく平面となるタンク
の底面あるいは角型タンクの壁面用の素材となるチタン
ライニング鋼板は、より容易に製作できるので、チタン
クラッド鋼板を用いて形成される塔槽類と同様の加工要
領によりチタンライニングタンクを製造できることが確
認できた。
【0032】
【発明の効果】本発明の耐食性金属ライニング材の接合
方法を例えば、ライニングタンクに応用すると、高価な
耐食金属材料の使用量を最小限とし、高価なクラッド加
工に替わる簡易な接合方法によって得られるチタン積層
鋼板を素材として形成することができ、その寿命がゴム
又は樹脂ライニングあるいは強化プラスチックタンクに
比べて恒久的であるので、総合的に優れた経済効果をも
たらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライニングタンクの構造を示す円筒型
又は角型タンクの縦断面図である。
【図2】本発明のライニングタンクの(a)は母材の、(b)
はライニング材の各接合部位の構造を示す断面図であ
る。
【図3】本発明のライニングタンクの(a)は母材とライ
ニング材の接合部を嵌合した状態を、(b)はそれに可融
合金を充填した状態を、それぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1 母材 2 ライニング材 3 母材とライニング材の接合部 4 開口部 6 係合部材 9 シール材 10 空所 11 可融合金

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材からなる母材に対し所定間隔で複数
    の開口部を形成し、耐食性ライニング材に対して該開口
    部に見合う位置に係合する突起からなる係合部材を形成
    し、前記開口部と係合部材を嵌合して重ね合せた2層材
    の空所に可融合金を流入充填後固化して母材とライニン
    グ材とを接合することを特徴とする耐食性金属ライニン
    グ材の接合方法。
  2. 【請求項2】 開口部4を形成したライニングタンクの
    母材1と該開口部4に係合する突起状の係合部材6を接
    合したライニング材2とを、開口部4に係合部材6を嵌
    合して重ね合わせた2層板の空所10に可融合金11を充填
    してライニング材2を母材1に接合してなるライニング
    タンク類。
  3. 【請求項3】 ライニングタンク類の母材1が炭素鋼、
    ステンレス鋼などの鋼板であり、ライニング材2がチタ
    ン、タンタル、ニオブ、ジルコニウムなどの母材との溶
    接が不可能な耐食性金属板であり、可融合金11が蒼鉛を
    主成分とする合金である請求項2記載のライニングタン
    ク類。
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