JPH07257922A - 疎水性アンチモン含有酸化スズおよび熱線遮蔽コーティング液ならびにそれぞれの製法 - Google Patents

疎水性アンチモン含有酸化スズおよび熱線遮蔽コーティング液ならびにそれぞれの製法

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JPH07257922A
JPH07257922A JP5090094A JP5090094A JPH07257922A JP H07257922 A JPH07257922 A JP H07257922A JP 5090094 A JP5090094 A JP 5090094A JP 5090094 A JP5090094 A JP 5090094A JP H07257922 A JPH07257922 A JP H07257922A
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glass
hydrophobic
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶媒に安定に分散するアンチモン含有酸
化スズと、これを用いた熱線遮蔽コーティング液および
熱線遮蔽ガラス、ならびにこれらの製法を提供する。 【構成】 アンチモン含有酸化スズ微粒子の水性ゾルに
カチオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤を添
加して沈澱物を得た後、該沈澱物を乾燥することによっ
て、疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子が得られる。
そして、前記疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子をシ
ラザン重合体溶液に分散することによって熱線遮蔽コー
ティング液が得られる。さらに、前記熱線遮蔽コーティ
ング液をガラスに塗布、焼成することによって熱線遮蔽
ガラスが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱線遮蔽コーティング
液およびこれを塗布した熱線遮蔽ガラスに関し、特に、
高い透明性および膜硬度が要求される乗り物用および建
物用に好適な熱線遮蔽ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱線遮蔽コーティング液および熱
線遮蔽ガラスを得るための手段としては、例えば特願平
5−56021号および特願平5−104526号にお
いて、酸化スズ微粒子による熱線遮蔽膜および熱線遮蔽
ガラスが、本発明者らによって提案されている。これら
の発明によれば、酸化スズ微粒子とシロキサン化合物を
用いることにより、可視光透過率が高く、熱線遮蔽性に
優れ、かつ低価格の熱線遮蔽ガラスが得られ、これは乗
り物用ガラス、または建物用ガラスとして好適であるこ
とが開示されている。
【0003】しかしながら、シロキサン化合物を用いた
膜は、焼成温度が高く、ガラスと同等の耐摩耗性を得る
には一般に550℃以上の焼成温度が必要であり、焼成
時にガラスが変形したり、焼成のエネルギーコストが嵩
むといった問題がある。
【0004】そこで、本発明者らは、特願平5−104
526号において、酸化スズ微粒子とシラザン重合体を
用いて低温焼成により膜強度の高い熱線遮蔽膜を作る方
法として、まずアンチモン含有酸化スズ(以下ATOと
記す)ゾルを用いて熱線遮蔽膜を形成し、次いで、シラ
ザン重合体溶液を塗布し、焼成することにより、強固な
熱線遮蔽膜とする方法を開示している。
【0005】しかしながら、この方法では熱線遮蔽膜を
作製するには、塗布、焼成を2度繰り返さなければなら
ず、製造工程が煩雑であり、製造コストが、これより前
に行われていた方法に比べれば低コストとなるものの、
比較的高いものになってしまうおそれがある。
【0006】そこで、ATOゾルとシラザン重合体とを
同一溶媒中に分散させ、一度でガラスへの塗布、焼成で
きる熱線遮蔽コーティング液が考えられるが、ATOゾ
ルは水分散系であり、極性の低い有機溶媒が混入すると
凝集をおこし分散性が損なわれ、一方シラザン重合体
は、水分に対して著しい反応性を示し、分解あるいはゲ
ル化をおこしてしまうため、両者を単純に混合しただけ
では、熱線遮蔽性に優れ、透明かつ膜強度に優れた熱線
遮蔽膜を作製するための熱線遮蔽コーティング液とする
ことは不可能であるなどの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの事
情に鑑みてなされたものであって、熱線遮蔽性に優れた
熱線遮蔽ガラスを簡便に、かつ低コストで製造すること
のできる熱線遮蔽コーティング液およびその製法を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、アンチモ
ン含有酸化スズとして疎水性アンチモン含有酸化スズ微
粒子を用いることによって解決できる。また、前記疎水
性アンチモン含有酸化スズ微粒子は、アンチモン含有酸
化スズの水性ゾルにカチオン系界面活性剤またはノニオ
ン系界面活性剤を添加して沈澱物を得た後、該沈澱物を
乾燥することによって得ることができる。この際、前記
カチオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤の添
加量が、アンチモン含有酸化スズに対して4〜26重量
%であることが好ましい。
【0009】さらに、前記疎水性アンチモン含有酸化ス
ズ微粒子を、シラザン重合体溶液に分散することで、熱
線遮蔽コーティング液を作製することができる。また、
前記疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子の粒子径は、
100nm以下であることが好ましい。さらに、前記疎
水性アンチモン含有酸化スズとシラザン重合体の重量比
が、疎水性アンチモン含有酸化スズ:シラザン重合体=
19:1〜1:4であることが好ましい。
【0010】さらに、前記熱線遮蔽コーティング液を用
いて、熱線遮蔽ガラスを作製することができる。このよ
うな熱線遮蔽ガラスは、前記熱線遮蔽コーティング液
を、基板となるガラスの一部または全部に塗布し、つい
で300〜550℃で焼成することで作製できる。
【0011】
【作用】水性ゾル状のATOに、カチオン系界面活性剤
またはノニオン系界面活性剤を添加することにより、前
記ATO表面が親水性から親油性に変換され、有機溶媒
に安定に分散するようになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。まず、本発
明の疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子について説明
する。この疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子(以下
オルガノATOと略す)は、その表面が親油性を有し、
これにより有機溶剤に安定に分散するものである。
【0013】このようなオルガノATOの製法の一例に
ついて、以下に説明する。まず、ATOを分散性のよい
水性のゾル状態にする。前記ATOゾルの製法は例え
ば、特開平2−105875号公報に開示されているも
のがあり、この方法によると、5〜20nmの粒径のA
TO微粒子がほぼ単分散したゾルを得ることができ好ま
しいが、ATO微粒子およびATOゾルの製法はこれに
限らず、任意の方法とすることができる。
【0014】ついで、前記水性ATOゾルに、カチオン
系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤を添加し、沈
澱物を得る。これは、ATO微粒子表面を親油性に変更
し、前記表面から水分を100%除去することにより、
分散性を維持したままで、有機溶媒に分散できるように
するためである。
【0015】前記カチオン系界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤としては、ATO微粒子に親水基を向けて吸着
し、粒子表面を親油性にするものであれは任意のものを
使用することができるが、特に、カチオン系界面活性剤
としては、第1級アミン塩またはアルキル第4級アンモ
ニウム塩、ノニオン系界面活性剤としては、アルキルア
ミンエチレンオキサイド縮合物が好ましい。
【0016】第1級アミン塩としては、オクチルアミ
ン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミ
ン、オクタデシルアミン、ヤシアルキルアミン、牛脂ア
ルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、大豆アルキル
アミン、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルアミ
ン酢酸塩などが挙げられる。
【0017】アルキル第4級アンモニウム塩としては、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシル
トリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリ
メチルアンモニウムクロライド、メチルドデシルベンジ
ルトリメチルアンモウニウムクロライド、ドデシルジメ
チルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどが挙げら
れる。
【0018】アルキルアミンエチレンオキサイド縮合物
としては、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオ
キシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレン
ヤシアルキルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アルキル
アミンなどが挙げられる。このような窒素系界面活性剤
が好適であるのは、ATO表面に効果的に吸着し、親油
化するために少量の添加で沈澱組成が速やかであり、ま
た生成した沈澱を乾燥した際、凝集の強い塊とならず
に、有機溶剤に非常に分散しやすいオルガノATOを得
ることができるためであることが推察される。
【0019】前記カチオン系界面活性剤またはノニオン
系界面活性剤の添加量は、ATO微粒子の表面積によっ
て、適宜調節することができるが、特に、水性ATOゾ
ルに対し、4〜26重量%で、さらには5〜20重量%
であることが好ましい。これは、4重量%未満では、界
面活性剤の添加量が少なく、ATO微粒子表面全体を親
油性とすることができず、よって有機溶剤への分散性が
悪いものとなってしまうおそれがあり、また、26重量
%を越えると、界面活性剤の添加量が多すぎて無駄とな
るばかりでなく、後に成膜した際に、被膜の白化の原因
となるからである。
【0020】ついで得られた沈澱物を、濾過、圧搾など
の処理により水分を分離する。この際の、濾過、圧搾方
法は任意であり、得られた沈澱物の量などによって適宜
な手段を用いることができる。ついで、前記沈澱物を乾
燥する。乾燥温度は160℃以下であることが好まし
い。これは、160℃以上になると、界面活性剤が揮
発、分解するおそれがあるからである。
【0021】このようにして得られたオルガノATO
は、製造直後は塊状であるが、軽く粉砕することで粉末
状とすることができる。
【0022】このようなオルガノATOは、ATOを水
性のゾル状にした後、カチオン系界面活性剤またはノニ
オン系界面活性剤を添加することにより、前記ATO表
面が親水性から親油性に変換されて得られるものである
ので、有機溶媒に安定に分散するようになる。
【0023】次に、前記オルガノATOを用いた熱線遮
蔽コーティング液について説明する。この熱線遮蔽コー
ティング液は、アンチモン含有酸化スズ微粒子を熱線遮
蔽材としたコーティング液であって、前記オルガノAT
Oが、バインダーとなるシラザン重合体溶液に分散して
なるものである。
【0024】前記オルガノATOは、粒径が100nm
以下で、好ましくは3〜100nm、さらには5〜50
nmのものである。これは、前記熱線遮蔽コーティング
液によって得られる熱線遮蔽膜を透明にするには、可視
域での吸収がなく、散乱が少ないことが要求されるから
である。オルガノATOは可視光の吸収はないので、散
乱を少なくすることにより透明性を得ることができる。
一般に、粒子による光の散乱は、粒径が波長の約1/2
の時に最大となり、それより小さい場合は、粒径の6乗
に比例して小さくなることが知られている。可視光の波
長は400〜780nmであるので、粒径が約200〜
390nmのときに散乱は最大となり、それ以下では散
乱は小さくなることから、粒径を100nm以下にする
ことによって、熱線遮蔽膜を透明にすることができる。
【0025】また、前記オルガノATOは、溶媒に分散
させたときに、分散性のよいものであることが好まし
い。これは、分散時にオルガノATOが凝集し、形成さ
れた粒径が100nm以上であると、同様の理由によ
り、透明な被膜を得ることができないからである。よっ
て、前記オルガノATOはゾル状態(以下、オルガノA
TOゾルと略す)であることが好ましい。
【0026】また、前記シラザン重合体は、以下(I)
の構造式で表わされる数平均分子量が100〜5000
0の無機高分子で任意のものを用いることができる。こ
れらは、例えば、特開昭60−145903号公報、特
開昭61−89230号公報に開示されている方法によ
って得ることができる。 また、上記構造式中、R1 、R2 、R3 のうち少なくと
もひとつは水素原子で、他は水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
シリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基などを表わ
す。
【0027】このオルガノATOとシラザン重合体の重
量比は、19:1〜1:4で、特に9:1〜1:3、さ
らには4:1〜1:2の範囲であることが好ましい。こ
れは、19:1〜1:4の範囲の比率より疎水性アンチ
モン含有酸化スズが多い場合は熱線遮蔽膜の強度が不十
分となり、逆にオルガノATOが少ない場合は熱線遮蔽
性能が低下するからである。
【0028】また、オルガノATOとシラザン重量体の
分散媒として用いられる有機溶媒としては、シラザン重
合体が溶解するものであれば任意であり、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエー
テル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類、ジクロロメタン、テトラクロロメタンなどの
ハロゲン化炭化水素などが用いられる。
【0029】次に、本発明の熱線遮蔽コーティング液の
製法を説明する。まず、粒径が100nm以下のアンチ
モン含有酸化スズ微粒子を用意し、先のオルガノATO
の製法と同様にして、オルガノATOを作製する。この
際、前記オルガノATOを残留水分が1%以下になるま
で乾燥する。これは、残留水分が1%以上になると、以
下のシラザン重合体溶液を混合する際に、オルガノAT
Oが凝集し、これによって作製される熱線遮蔽膜の透明
性が低下し、シラザン重合体の安定性が損なわれるから
である。
【0030】ついで、前記オルガノATOを有機溶媒に
添加し、振盪または攪拌し、オルガノATOゾルとし、
ついで、前記オルガノATOゾルにシラザン重合体を任
意の量だけ添加することで得ることができる。また、こ
の際さらに良好に分散させるため、超音波分散機、ホモ
ジナイザーなどを用いてもよい。
【0031】このような熱線遮蔽コーティング液は、オ
ルガノATOをシラザン重合体溶液に分散してなるもの
であるので、これを用いて熱線遮蔽膜を作製した場合、
一層の膜であっても、膜強度、耐摩耗性、かつ透明性に
優れた熱線遮蔽膜を作製することができる。
【0032】次に本発明の熱線遮蔽コーティング液を用
いた熱線遮蔽ガラスについて説明する。このものは、ガ
ラス表面に、前記熱線遮蔽コーティング液が塗布されて
乾燥してなる熱線遮蔽膜が、少なくともガラス表面の一
部に形成されたものである。
【0033】前記ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、
Eガラス、硬質ガラス、石英ガラスなど任意のものを使
用することができる。また、ガラスは透明なものであっ
てもよいし、不透明なものであってもよいが、本発明の
熱線遮蔽コーティング液は透明な熱線遮蔽膜を作製する
ことができるので、ガラス自体も透明なものであるほう
が、その効果が大きい。
【0034】また、実質上、熱線遮蔽効果を得るため
に、熱線遮蔽ガラスの可視光透過率と日射透過率の差
(以下、日射遮蔽効果と記す)が8%以上であることが
好ましい。
【0035】また、前記熱線遮蔽膜の膜厚は、0.1〜
4μmであることが好ましい。これは、0.1μm以下
であると、膜強度におとり、また、十分な熱線遮蔽効果
を得ることができないからである。さらに、4μm以上
であっても、熱線遮蔽効果に著しい向上は見られず、不
経済になるからである。また、得ようとする熱線遮蔽ガ
ラスの使用用途や、熱線遮蔽膜中に含まれるオルガノA
TO量によっては、前記の範囲外とすることもできる。
【0036】このような熱線遮蔽ガラスは、前記熱線遮
蔽コーティング液を、スピン法、ディップ法、スプレー
法など、任意の方法でガラスに塗布した後、焼成するこ
とで得ることができる。焼成温度は300〜550℃で
あることが好ましい。これは、300℃以下であると形
成される熱線遮蔽膜の膜強度が劣り、550℃以上にな
ると、基板として主に用いられるソーダ石灰ガラスが変
形するおそれがあるからである。
【0037】次に本発明の熱線遮蔽ガラスの使用法につ
いて説明する。本発明の熱線遮蔽ガラスは乗り物用ガラ
スに用いることができる。この場合は、安全性の観点か
ら可視光透過率を70%以上とすることが好ましい。こ
の可視光透過率は熱線遮蔽膜中に含まれるオルガノAT
O量によって調節することができる。ここで、厚さ3.
5mmのソーダ石灰ガラスに熱線遮蔽膜を形成させたと
きの可視光透過率と日射透過率の変化を図1に示す。こ
の図1によれば、熱線遮蔽膜中のオルガノATO量が
7.2g/m2 以下であれば、可視光透過率を70%以
上とすることができる。また、熱線遮蔽効果の観点から
日射遮蔽効果を8%以上にするには、図1より熱線遮蔽
膜中のオルガノATO量が0.7g/m2 以上であれば
よいことがわかる。従って、乗り物用ガラスとして、厚
さ3.5mmのソーダ石灰ガラスを用い、可視光透過率
が70%以上、日射遮蔽効果が8%以上の熱線遮蔽ガラ
スを得るには、熱線遮蔽膜中のオルガノATO量を0.
7〜7.2g/m2 とすればよい。
【0038】また、建物用ガラスに用いることができ
る。建物用としては、インテリアを兼ねることも多く、
基板となるガラスとして、透明なものばかりでなく、着
色透明なもの、不透明なもの、美麗な模様が施されたも
のなど、任意の種類のものを用いることができる。さら
に、得ようとする熱線遮蔽ガラスの可視光透過率、日射
遮蔽率は先の乗り物用ガラスと同様と、オルガノATO
量を調節することで任意のものにすることができる。ま
た、本発明の熱線遮蔽ガラスの使用例はこれらの例に限
られるものではない。
【0039】このような熱線遮蔽ガラスは、オルガノA
TOをシラザン重合体溶液に分散してなる熱線遮蔽コー
ティング液によって形成された熱線遮蔽膜を有している
ので、可視光透過率および熱線遮蔽効果が高い熱線遮蔽
ガラスとなる。また、熱線遮蔽効果を有するアンチモン
含有酸化スズと、これのバインダーであり、膜強度を付
与するシラザン重合体を一度に塗布することができ、製
造工程の簡略化、製造コストの低価格化を実現すること
ができる。さらに、低い焼成温度にかかわらず、耐摩耗
性、膜強度の高い熱線遮蔽膜を有することができ、乗り
物用ガラス、建物用ガラスとして好適なガラスを得るこ
とができる。
【0040】(実施例)以下、具体例を示し、本発明の
効果を明らかにする。6.2重量部のSbCl3 と、6
70重量部のSnCl4・5H2Oとを3000重量部の
6Nの塩酸に溶解し、これに25%のアンモニア液を2
000重量部を添加して反応させ、反応生成物を塩化ア
ンモニウムが検出できなくなるまで濾過、洗浄した。こ
の反応生成物含有溶液を密閉容器で350℃に加熱し、
5時間保持した後、冷却過程で水蒸気を放出し、固形分
25重量%まで濃縮し、粒径1〜10nmの水性ATO
ゾルを得た。
【0041】前記水性ATOゾル400重量部にカチオ
ン系界面活性剤として、オクタデシルアミンを10重量
部添加し、凝集沈澱物を得た。この凝集沈澱物を濾過に
より取り出し、70℃にて2時間乾燥し、表面処理され
たオルガノATOを得た。この表面処理されたオルガノ
ATOを100重量部と、キシレン125重量部とを混
合し、軽く攪拌することにより、オルガノATOを40
%含有したオルガノATOゾルを得た。このオルガノA
TOゾルは、分散性がよく、長期間放置しても分離した
り、沈澱したりしなかった。前記オルガノATOゾルを
75重量部とシラザン重合体を20重量%含有したキシ
レン溶液((株)東燃製PHPS−1)を100重量部
と、キシレン75重量部とを混合し、固形分20重量%
の熱線遮蔽コーティング液を得た。
【0042】前記熱線遮蔽コーティング液をスピンコー
ト法により、厚さ3.5mmのソーダ石灰ガラスにオル
ガノATO量が2.0〜8.0g/m2 となるように回
転数を変え塗布し、300〜550℃の範囲の各温度で
1時間焼成した。
【0043】この、熱線遮蔽ガラスの可視光透過率およ
び日射透過率および耐摩耗性を表1に示す。ここで、可
視光透過率および日射透過率はJIS R 3106の
方法により測定した。また、耐摩耗性は、テーバー摩耗
試験機を用い、CSー10Fの摩耗輪で、500gの加
重で1000回の摩耗によるヘーズの変化により示し
た。
【0044】(実施例2)実施例1の水性ATOゾル4
00重量部にカチオン系界面活性剤として、ドデシルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライドを10重量部添
加し、凝集沈澱物を得た。この凝集沈澱物を濾過により
取り出し、70℃にて2時間乾燥し、表面処理されたオ
ルガノATOを得た。この表面処理されたオルガノAT
Oを100重量部とキシレン125重量部とを混合し、
軽く攪拌することにより、オルガノATOを40%含有
したオルガノATOゾルを得た。このオルガノATOゾ
ルも実施例1と同様、分散性がよく、長時間放置しても
分離したり、沈澱したりしなかった。このオルガノAT
Oゾルから実施例1と同様に熱線遮蔽コーティング液お
よび熱線遮蔽ガラスを製造したところ、実施例1と同様
の結果となった。
【0045】(実施例3)実施例1の水性ATOゾル4
00重量部にノニオン系界面活性剤として、ポリオキシ
エチレンドデシルアミンを10重量部添加し、凝集沈澱
物を得た。この凝集沈澱物を濾過により取り出し、70
℃にて2時間乾燥し、表面処理されたオルガノATOを
得た。この表面処理されたオルガノATOを100重量
部とキシレン125重量部とを混合し、軽く攪拌するこ
とによりオルガノATOを40%含有したオルガノAT
Oゾルを得た。このオルガノATOゾルも、実施例1と
同様、分散性がよく、長時間放置しても分離したり、沈
澱したりしなかった。このオルガノATOゾルから実施
例1と同様に熱線遮蔽コーティング液および熱線遮蔽ガ
ラスを製造したところ、実施例1と同様の結果となっ
た。
【0046】(比較例)実施例1で得たオルガノATO
ゾル75重量部とシリコンアルコキシドを加水分解し縮
重合して作製したポリシロキサンを11.4重量%含有
したトルエン溶液175重量部とを混合し、固形分20
重量%の熱線遮蔽コーティング液を得た。この熱線遮蔽
コーティング液をスピンコート法により厚さ3.5mm
のソーダ石灰ガラスに塗布し、500℃、550℃、5
80℃で1時間焼成し、熱線遮蔽ガラスを得た。この熱
線遮蔽ガラスの可視光透過率、日射透過率、および耐摩
耗性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、本発明の熱線遮
蔽ガラスは、低い温度で焼成されたものであっても、優
れた耐摩耗性を示し、さらに高い可視光透過率、日射透
過率を有している。また、日射遮蔽効果もa〜jのいず
れの検体も8%以上であり、熱線遮蔽効果についても遜
色のないことがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の疎水性ア
ンチモン含有酸化スズ微粒子は、アンチモン含有酸化ス
ズ微粒子を水性のゾル状にした後、カチオン系界面活性
剤またはノニオン系界面活性剤を添加することにより、
前記アンチモン含有酸化スズ微粒子表面が親水性から親
油性に変換されて得られるものであるため、有機溶媒に
安定に分散するようになる。また、本発明の熱線遮蔽コ
ーティング液は、粒径が100nm以下で、残留水分が
1%以下の疎水性アンチモン含有酸化スズをシラザン重
合体溶液に分散してなるものであるので、これを用いて
熱線遮蔽膜を作製した場合、一層の膜であっても、膜強
度、耐摩耗性、かつ透明性に優れた熱線遮蔽膜を作製す
ることができる。さらに本発明の熱線遮蔽ガラスは、前
記熱線遮蔽コーティング液によって形成された熱線遮蔽
膜を有しているので、可視光透過率および熱線遮蔽効果
が高い熱線遮蔽ガラスとなる。また、熱線遮蔽効果を有
するアンチモン含有酸化スズと、これのバインダーであ
り、膜強度を付与するシラザン重合体を一度に塗布する
ことができ、製造工程の簡略化、製造コストの低価格化
を実現することができる。さらに、低い焼成温度にかか
わらず、耐摩耗性、膜強度の高い熱線遮蔽膜を有するこ
とができ、乗り物用ガラス、建物用ガラスとして好適な
ガラスを得ることができるなどの効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ソーダ石灰ガラスにオルガノATOを塗布、
焼成して得られた熱線遮蔽ガラスにおけるオルガノAT
O量と、透過率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳澤 恒夫 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子表面が疎水性である疎水性アンチモ
    ン含有酸化スズ微粒子。
  2. 【請求項2】 アンチモン含有酸化スズ微粒子の水性ゾ
    ルにカチオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤
    を添加して沈澱物を得た後、該沈澱物を乾燥することを
    特徴とする疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子の製
    法。
  3. 【請求項3】 前記カチオン系界面活性剤またはノニオ
    ン系界面活性剤の添加量が、アンチモン含有酸化スズ微
    粒子に対して4〜26重量%であることを特徴とする請
    求項2記載の疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子の製
    法。
  4. 【請求項4】 前記カチオン系界面活性剤が第1級アミ
    ン塩またはアルキル第4級アンモニウム塩からなること
    を特徴とする請求項3に記載の疎水性アンチモン含有酸
    化スズの製法。
  5. 【請求項5】 前記ノニオン系界面活性剤がアルキルア
    ミンエチレンオキサイド縮合物からなることを特徴とす
    る請求3記載の疎水性アンチモン含有酸化スズの製法。
  6. 【請求項6】 疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒子を
    シラザン重合体溶液に分散してなることを特徴とする熱
    線遮蔽コーティング液。
  7. 【請求項7】 前記疎水性アンチモン含有酸化スズ微粒
    子の粒子径が、100nm以下であることを特徴とする
    請求項6記載の熱線遮蔽コーティング液。
  8. 【請求項8】 前記疎水性アンチモン含有酸化スズとシ
    ラザン重合体の重量比が、疎水性アンチモン含有酸化ス
    ズ:シラザン重合体=19:1〜1:4であることを特
    徴とする請求項7記載の熱線遮蔽コーティング液。
  9. 【請求項9】 粒径100nm以下のアンチモン含有酸
    化スズ微粒子の水性ゾルに、カチオン系界面活性剤また
    はノニオン系界面活性剤を添加して沈澱物を得た後、該
    沈澱物を乾燥して疎水性アンチモン含有酸化スズとし、
    ついでこれを有機溶媒に分散して分散液とし、ついで、
    該分散液にシラザン重合体溶液を混合することを特徴と
    する熱線遮蔽コーティング液の製法。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の熱線遮蔽コーティング
    液からなる熱線遮蔽膜が、基板となるガラスの少なくと
    も一部に形成されたことを特徴とする熱線遮蔽ガラス。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の熱線遮蔽コーティング
    液を、基板となるガラスの一部または全部に塗布し、つ
    いで300〜550℃で焼成することを特徴とする熱線
    遮蔽ガラスの製法。
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