JPH07257930A - 球状マグネタイト粒子およびその製造方法 - Google Patents
球状マグネタイト粒子およびその製造方法Info
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- JPH07257930A JPH07257930A JP7537194A JP7537194A JPH07257930A JP H07257930 A JPH07257930 A JP H07257930A JP 7537194 A JP7537194 A JP 7537194A JP 7537194 A JP7537194 A JP 7537194A JP H07257930 A JPH07257930 A JP H07257930A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 粒子表面が脂肪酸またはその塩で被覆さ
れている平均粒径0.01〜0.05μmの球状マグネタイト粒
子。 【効果】 本発明のマグネタイト粒子は、粒径が0.
01μm〜0.05μmと従来のマグネタイト粒子よりも小さ
いため、分散性が良く、なおかつ可視光の波長以下であ
るため、黒色に深みがある、また、本発明のマグネタイ
ト粒子は、脂肪酸被覆されているため、酸化などの経時
的変化を受けにくく、色調の経時変化がない。このた
め、黒色顔料として特に有用である。また、本発明のマ
グネタイトは比較的簡単に製造することができ、従来の
ような煩雑な工程を必要としない。
れている平均粒径0.01〜0.05μmの球状マグネタイト粒
子。 【効果】 本発明のマグネタイト粒子は、粒径が0.
01μm〜0.05μmと従来のマグネタイト粒子よりも小さ
いため、分散性が良く、なおかつ可視光の波長以下であ
るため、黒色に深みがある、また、本発明のマグネタイ
ト粒子は、脂肪酸被覆されているため、酸化などの経時
的変化を受けにくく、色調の経時変化がない。このた
め、黒色顔料として特に有用である。また、本発明のマ
グネタイトは比較的簡単に製造することができ、従来の
ような煩雑な工程を必要としない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、球状マグネタイト粒子
およびその製造方法、特に、分散性及び色調の経時安定
性に優れた球状マグネタイト粒子およびその製造方法に
関する。本発明により得られる球状マグネタイト粒子
は、黒色顔料、なかでも化粧品用黒色顔料として特に有
用である。
およびその製造方法、特に、分散性及び色調の経時安定
性に優れた球状マグネタイト粒子およびその製造方法に
関する。本発明により得られる球状マグネタイト粒子
は、黒色顔料、なかでも化粧品用黒色顔料として特に有
用である。
【0002】
【従来技術】黒色顔料としては、従来、カーボンブラッ
ク、マグネタイト(理想的な組成はFe IIFeIII 2O4)が
一般に用いられている。このうち、カーボンブラックは
製造上ベンツピレンなどの発ガン物質が混入する危険が
あり、安全面に問題がある。このため、化粧品など、顔
料粒子が直接人体に接する用途ではマグネタイトが広く
用いられている。
ク、マグネタイト(理想的な組成はFe IIFeIII 2O4)が
一般に用いられている。このうち、カーボンブラックは
製造上ベンツピレンなどの発ガン物質が混入する危険が
あり、安全面に問題がある。このため、化粧品など、顔
料粒子が直接人体に接する用途ではマグネタイトが広く
用いられている。
【0003】マグネタイトの工業的製法としては、ゲー
タイト(α−FeOOH)の還元による方法や水酸化第一
鉄の酸化による方法が知られている。ところが、これら
の方法により得られるマグネタイトは、平均粒径が 0.1
μmよりも大きい。したがって、これを水系に分散させ
た場合には沈降速度が大きく分散液の安定性に乏しい。
また、粒径が大きいため可視光が散乱して深みのある黒
色が得られない。このため、化粧品、特に水系の分散液
として使用するマスカラ、アイライナーなどに添加され
る黒色顔料としては好ましくないという問題があった。
タイト(α−FeOOH)の還元による方法や水酸化第一
鉄の酸化による方法が知られている。ところが、これら
の方法により得られるマグネタイトは、平均粒径が 0.1
μmよりも大きい。したがって、これを水系に分散させ
た場合には沈降速度が大きく分散液の安定性に乏しい。
また、粒径が大きいため可視光が散乱して深みのある黒
色が得られない。このため、化粧品、特に水系の分散液
として使用するマスカラ、アイライナーなどに添加され
る黒色顔料としては好ましくないという問題があった。
【0004】これらの問題点を解決するため、従来、製
造されるマグネタイト粒子の小粒径化、表面特性の改善
の2つの方向からの検討がなされてきた。微小粒径のマ
グネタイトを得る方法としては、第一鉄イオンと第二鉄
イオンとをそのモル混合比が1:1である水溶液のpH
をアルカリ添加によりpH11以上に高めてマグネタイ
ト微粒子を生成させる方法が知られている。この方法に
よれば粒径0.01μm以下の粒子が得られるが、粒径や形
状が不均一であるため二次凝集性が強く、結局、良好な
分散状態を保持するのが困難である。また、マグネタイ
トは空気中でFe2O3に変化して色が黒褐色ないし褐色に
変化する傾向があるが、表面積が大きいとこうした経時
変化が顕著に現れるという問題がある。
造されるマグネタイト粒子の小粒径化、表面特性の改善
の2つの方向からの検討がなされてきた。微小粒径のマ
グネタイトを得る方法としては、第一鉄イオンと第二鉄
イオンとをそのモル混合比が1:1である水溶液のpH
をアルカリ添加によりpH11以上に高めてマグネタイ
ト微粒子を生成させる方法が知られている。この方法に
よれば粒径0.01μm以下の粒子が得られるが、粒径や形
状が不均一であるため二次凝集性が強く、結局、良好な
分散状態を保持するのが困難である。また、マグネタイ
トは空気中でFe2O3に変化して色が黒褐色ないし褐色に
変化する傾向があるが、表面積が大きいとこうした経時
変化が顕著に現れるという問題がある。
【0005】上記方法によって得られるものよりも若干
大きな、粒径0.01〜0.1μmのマグネタイト粒子を製造
する方法も提案されている。例えば、特開平4-238819号
公報には、第一鉄イオン含有水溶液に不活性ガスを吹き
込んで水溶液中の溶存酸素濃度を減少させながらアルカ
リを添加して水酸化第一鉄を生成させ、この分散液を6
0〜100℃に加熱してマグネタイト微結晶を成長させる
方法が開示されている。しかし、この方法は工程が複雑
である上、生産性が悪い。また、経時的な変化に対する
安定性には問題が残る。
大きな、粒径0.01〜0.1μmのマグネタイト粒子を製造
する方法も提案されている。例えば、特開平4-238819号
公報には、第一鉄イオン含有水溶液に不活性ガスを吹き
込んで水溶液中の溶存酸素濃度を減少させながらアルカ
リを添加して水酸化第一鉄を生成させ、この分散液を6
0〜100℃に加熱してマグネタイト微結晶を成長させる
方法が開示されている。しかし、この方法は工程が複雑
である上、生産性が悪い。また、経時的な変化に対する
安定性には問題が残る。
【0006】表面特性を改善する方法としては、粒子表
面を脂肪酸で被覆する方法が知られている。例えば、特
開昭54-139544 号公報、特開昭56-64348号公報、特開昭
56-128957号公報、特開昭58-14773号公報、特開昭61-5
3654号公報等には、種々の方法で製造したマグネタイト
粒子の表面を脂肪酸等で被覆する方法が記載されてい
る。しかしながら、脂肪酸被覆だけでは十分な効果が得
られておらず、さらに種々の改良法が提案されているの
が現状である。例えば、特開昭60-69011号公報には、水
中に3〜35%の顔料を加えて懸濁させ、顔料に対して
0.5 〜10%相当量の脂肪酸可溶性塩を滴下し、均一に
混合した後、Al、Mg、Ca、Zn、Zr、Tiより選ばれた可溶
性塩の1〜30%水溶液を滴下して、生成する金属塩を
顔料表面に配向吸着させる方法が記載されている。ま
た、特開昭63-17222号公報には、水酸化第一鉄の酸化の
際に水溶性ケイ酸塩を添加してSiを含有するマグネタイ
ト粒子を生成し、その後に脂肪酸被覆を行なう方法が記
載されている。また、特開平4-144924号公報は、脂肪酸
に代えてMn塩水溶液を添加してMn被覆を行ない、これを
加熱焼成してMn固溶ヘマタイトとする方法を記載してい
る。しかし、これらの方法は、複雑な共沈反応により得
たマグネタイト粒子にさらに複雑な表面被覆等を行なう
ため工程が煩雑になる。しかも、均一な製品を得るため
には慎重な反応制御が必要である。
面を脂肪酸で被覆する方法が知られている。例えば、特
開昭54-139544 号公報、特開昭56-64348号公報、特開昭
56-128957号公報、特開昭58-14773号公報、特開昭61-5
3654号公報等には、種々の方法で製造したマグネタイト
粒子の表面を脂肪酸等で被覆する方法が記載されてい
る。しかしながら、脂肪酸被覆だけでは十分な効果が得
られておらず、さらに種々の改良法が提案されているの
が現状である。例えば、特開昭60-69011号公報には、水
中に3〜35%の顔料を加えて懸濁させ、顔料に対して
0.5 〜10%相当量の脂肪酸可溶性塩を滴下し、均一に
混合した後、Al、Mg、Ca、Zn、Zr、Tiより選ばれた可溶
性塩の1〜30%水溶液を滴下して、生成する金属塩を
顔料表面に配向吸着させる方法が記載されている。ま
た、特開昭63-17222号公報には、水酸化第一鉄の酸化の
際に水溶性ケイ酸塩を添加してSiを含有するマグネタイ
ト粒子を生成し、その後に脂肪酸被覆を行なう方法が記
載されている。また、特開平4-144924号公報は、脂肪酸
に代えてMn塩水溶液を添加してMn被覆を行ない、これを
加熱焼成してMn固溶ヘマタイトとする方法を記載してい
る。しかし、これらの方法は、複雑な共沈反応により得
たマグネタイト粒子にさらに複雑な表面被覆等を行なう
ため工程が煩雑になる。しかも、均一な製品を得るため
には慎重な反応制御が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の製造方
法における上記問題点を解決した球状マグネタイト粒子
とその製造方法を提供することを目的とするものであっ
て、本発明によれば、粒子の分散性に優れ、かつ色調の
経時変化に対する安定性を兼ね備えたマグネタイト粒子
を複雑な工程を経ることなく容易に製造することができ
る。
法における上記問題点を解決した球状マグネタイト粒子
とその製造方法を提供することを目的とするものであっ
て、本発明によれば、粒子の分散性に優れ、かつ色調の
経時変化に対する安定性を兼ね備えたマグネタイト粒子
を複雑な工程を経ることなく容易に製造することができ
る。
【0008】
【課題解決のための手段】本発明者らは、第一鉄イオン
と第二鉄イオンとの混合液にアルカリを添加してマグネ
タイトを生成させる方法において、マグネタイト生成時
のpH、温度条件、濃度、反応時間を特定することによ
り粒径0.01〜0.05μmのマグネタイトを生成させること
が可能であり、かかる粒径の粒子が懸濁している液中に
脂肪酸またはその塩を添加すると、形状の比較的整っ
た、分散性に優れた粒子が得られ、しかもかかる粒子は
経時変化に対して優れた分散安定性を示すことを見出し
本発明に至った。
と第二鉄イオンとの混合液にアルカリを添加してマグネ
タイトを生成させる方法において、マグネタイト生成時
のpH、温度条件、濃度、反応時間を特定することによ
り粒径0.01〜0.05μmのマグネタイトを生成させること
が可能であり、かかる粒径の粒子が懸濁している液中に
脂肪酸またはその塩を添加すると、形状の比較的整っ
た、分散性に優れた粒子が得られ、しかもかかる粒子は
経時変化に対して優れた分散安定性を示すことを見出し
本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、以下の構成からなる
マグネタイト粒子およびその製造方法を提供する。 (1) 粒子表面が脂肪酸またはその塩で被覆されてい
る平均粒径0.01〜0.05μmの球状マグネタイト粒子。 (2) 粒子表面が脂肪酸またはその塩で被覆され、さ
らに酸化ケイ素層で被覆されている上記(1)に記載の
球状マグネタイト粒子。 (3) 第一鉄イオンと第二鉄イオンとの混合水溶液に
1.3 当量以下のアルカリを添加し、生成した平均粒径0.
01〜0.05μmのマグネタイト微粒子が懸濁している液中
に脂肪酸または脂肪酸塩を添加し撹拌することにより脂
肪酸またはその塩で被覆された平均粒径0.01〜0.05μm
の球状マグネタイト粒子を製造する方法。 (4) 第一鉄イオンと第二鉄イオンとの含有比が1:
1.2 〜1:2である混合水溶液を用いる上記(3)に記
載の方法。 (5) アルカリ添加後、液温を80〜100℃に加熱し
てマグネタイト微粒子を生成させる上記(3)または
(4)に記載の方法。 (6) 脂肪酸または脂肪酸塩の脂肪酸部分が12〜2
2個の炭素を含む直鎖の脂肪酸である上記(3)〜
(5)のいずれかに記載の方法。 (7) 脂肪酸またはその塩で被覆された球状マグネタ
イト粒子を含有する懸濁液に可溶性ケイ酸塩水溶液を添
加して、さらに酸化ケイ素層を形成する上記(3)〜
(6)のいずれかに記載の方法。
マグネタイト粒子およびその製造方法を提供する。 (1) 粒子表面が脂肪酸またはその塩で被覆されてい
る平均粒径0.01〜0.05μmの球状マグネタイト粒子。 (2) 粒子表面が脂肪酸またはその塩で被覆され、さ
らに酸化ケイ素層で被覆されている上記(1)に記載の
球状マグネタイト粒子。 (3) 第一鉄イオンと第二鉄イオンとの混合水溶液に
1.3 当量以下のアルカリを添加し、生成した平均粒径0.
01〜0.05μmのマグネタイト微粒子が懸濁している液中
に脂肪酸または脂肪酸塩を添加し撹拌することにより脂
肪酸またはその塩で被覆された平均粒径0.01〜0.05μm
の球状マグネタイト粒子を製造する方法。 (4) 第一鉄イオンと第二鉄イオンとの含有比が1:
1.2 〜1:2である混合水溶液を用いる上記(3)に記
載の方法。 (5) アルカリ添加後、液温を80〜100℃に加熱し
てマグネタイト微粒子を生成させる上記(3)または
(4)に記載の方法。 (6) 脂肪酸または脂肪酸塩の脂肪酸部分が12〜2
2個の炭素を含む直鎖の脂肪酸である上記(3)〜
(5)のいずれかに記載の方法。 (7) 脂肪酸またはその塩で被覆された球状マグネタ
イト粒子を含有する懸濁液に可溶性ケイ酸塩水溶液を添
加して、さらに酸化ケイ素層を形成する上記(3)〜
(6)のいずれかに記載の方法。
【0010】以下、本発明の各構成要件について、その
詳細を説明する。本発明の方法は第一鉄イオンと第二鉄
イオンの混合水溶液を用いる。第一鉄イオンを生じさせ
る化合物の例としては、塩化第一鉄のようなハロゲン化
物、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、過塩素酸第一鉄等が挙げ
られる。また、第二鉄イオンを生じさせる化合物として
はこれらに対応する第二鉄塩が挙げられる。工業的製造
においては価格の安い塩化第一鉄や硫酸第一鉄、塩化第
二鉄や硫酸第二鉄が好ましい。
詳細を説明する。本発明の方法は第一鉄イオンと第二鉄
イオンの混合水溶液を用いる。第一鉄イオンを生じさせ
る化合物の例としては、塩化第一鉄のようなハロゲン化
物、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、過塩素酸第一鉄等が挙げ
られる。また、第二鉄イオンを生じさせる化合物として
はこれらに対応する第二鉄塩が挙げられる。工業的製造
においては価格の安い塩化第一鉄や硫酸第一鉄、塩化第
二鉄や硫酸第二鉄が好ましい。
【0011】第一鉄イオン含有の水溶液中の濃度は特に
限定されないが、0.5〜1.5mol/リットル程度の濃度が好ま
しい。0.5mol/リットル未満では生産効率が悪く、1.5mol/
リットルを超えても生産性が向上する割合はわずかで経済性
がむしろ低下する。第二鉄イオン含有化合物の種類およ
びその液中濃度についても同様である。一般には第一鉄
塩に対応した第二鉄塩を用いることが好ましい。マグネ
タイトの理想的な組成は Fe IIFeIII 2O4であるため、
水溶液中の第一鉄イオンと第二鉄イオンとの含有比は原
則的には1:2となるが、実際の組成には幅があるた
め、1:1.2〜1:2の範囲であれば良い。
限定されないが、0.5〜1.5mol/リットル程度の濃度が好ま
しい。0.5mol/リットル未満では生産効率が悪く、1.5mol/
リットルを超えても生産性が向上する割合はわずかで経済性
がむしろ低下する。第二鉄イオン含有化合物の種類およ
びその液中濃度についても同様である。一般には第一鉄
塩に対応した第二鉄塩を用いることが好ましい。マグネ
タイトの理想的な組成は Fe IIFeIII 2O4であるため、
水溶液中の第一鉄イオンと第二鉄イオンとの含有比は原
則的には1:2となるが、実際の組成には幅があるた
め、1:1.2〜1:2の範囲であれば良い。
【0012】本発明においては、第一鉄イオンと第二鉄
イオンの混合水溶液にアルカリを添加してマグネタイト
微粒子を生成させる。一般に第一鉄イオンにアルカリを
添加すると水酸化物の沈殿が生じるが、第一鉄塩と第二
鉄塩の混合水溶液にアルカリを添加するとマグネタイト
の沈殿が生じることが知られている。用いるアルカリと
しては水酸化アルカリが好ましい。具体的には、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸
化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような
アルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。アンモニア
のようなアルカリ性物質も用いることができる。なお、
第一鉄イオンと第二鉄イオンとの混合液に水酸化ナトリ
ウムを添加した場合の反応は以下の式にしたがうものと
考えられる。
イオンの混合水溶液にアルカリを添加してマグネタイト
微粒子を生成させる。一般に第一鉄イオンにアルカリを
添加すると水酸化物の沈殿が生じるが、第一鉄塩と第二
鉄塩の混合水溶液にアルカリを添加するとマグネタイト
の沈殿が生じることが知られている。用いるアルカリと
しては水酸化アルカリが好ましい。具体的には、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸
化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような
アルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。アンモニア
のようなアルカリ性物質も用いることができる。なお、
第一鉄イオンと第二鉄イオンとの混合液に水酸化ナトリ
ウムを添加した場合の反応は以下の式にしたがうものと
考えられる。
【化1】FeCl2 +2FeCl3 +8NaOH →Fe3O4+8NaCl+4H2O 水酸化アルカリの量は、全鉄イオンに対して1.3当量以
下とする。1.3当量以上では、針状ゲータイトが生じ
る。水酸化アルカリは、好ましくは、1.0当量以上とす
る。1.0当量を下回るとマグネタイトの生成効率が悪
い。
下とする。1.3当量以上では、針状ゲータイトが生じ
る。水酸化アルカリは、好ましくは、1.0当量以上とす
る。1.0当量を下回るとマグネタイトの生成効率が悪
い。
【0013】本発明においてはアルカリを添加後のpH
を5〜12とすることが必要であり、好ましくはpH5
〜11、より好ましくは7〜9とする。アルカリ添加後
のpHを上記範囲に保ち、後述のように加熱・撹拌する
ことにより、平均粒径0.01〜0.05μmの球状のマグネタ
イト粒子が得られる。pH5よりも酸性側ではマグネタ
イトが生じない。また、pHが12以上であると、生じ
るマグネタイトが板状となり二次凝集が生じやすい。さ
らにまた、後述の通り、脂肪酸を添加した際にマグネタ
イト表面に鉄イオンが存在していることが必要であるた
め、アルカリは過剰でないことが好ましい。これらの理
由からpHの上限はおよそ12、好ましくは11、より
好ましくは9である。反応を円滑にし溶液pHが均一に
なるように、水酸化アルカリは、通常、水溶液として添
加する。この際の濃度としては、好ましくは1〜4mol/
リットル、より好ましくは1.5〜2.5mol/リットル、最も好ましく
は2〜2.1mol/リットル程度である。アルカリを添加した
後、液を加熱・撹拌して反応を進行させる。液温を80
〜100℃の範囲とすることが好ましい。液温が低いと酸
化速度が低く、生成するマグネタイトの粒径が大きくな
る。但し、液温を 100℃以上としても酸化速度は大差な
く、経済的観点から 100℃以下がよい。
を5〜12とすることが必要であり、好ましくはpH5
〜11、より好ましくは7〜9とする。アルカリ添加後
のpHを上記範囲に保ち、後述のように加熱・撹拌する
ことにより、平均粒径0.01〜0.05μmの球状のマグネタ
イト粒子が得られる。pH5よりも酸性側ではマグネタ
イトが生じない。また、pHが12以上であると、生じ
るマグネタイトが板状となり二次凝集が生じやすい。さ
らにまた、後述の通り、脂肪酸を添加した際にマグネタ
イト表面に鉄イオンが存在していることが必要であるた
め、アルカリは過剰でないことが好ましい。これらの理
由からpHの上限はおよそ12、好ましくは11、より
好ましくは9である。反応を円滑にし溶液pHが均一に
なるように、水酸化アルカリは、通常、水溶液として添
加する。この際の濃度としては、好ましくは1〜4mol/
リットル、より好ましくは1.5〜2.5mol/リットル、最も好ましく
は2〜2.1mol/リットル程度である。アルカリを添加した
後、液を加熱・撹拌して反応を進行させる。液温を80
〜100℃の範囲とすることが好ましい。液温が低いと酸
化速度が低く、生成するマグネタイトの粒径が大きくな
る。但し、液温を 100℃以上としても酸化速度は大差な
く、経済的観点から 100℃以下がよい。
【0014】マグネタイト粒子が生成・成長して平均粒
径0.01〜0.05μm程度の微粒子が液中に懸濁してきたら
これに脂肪酸または脂肪酸塩を添加する。平均粒径が上
記範囲に達したか否かの確認は種々の方法によることが
できるが、上述した反応条件下ではおよそ1時間以内で
この値に達する。反応条件を調整することにより、反応
時間を短縮・延長することも可能である。脂肪酸または
脂肪酸塩の脂肪酸部分としては、炭素数12〜22個の
脂肪酸が好ましい。安定性の面からは飽和脂肪酸がより
好ましいが、不飽和脂肪酸を用いることもできる。この
ような脂肪酸の例としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸等の飽和脂
肪酸やオレイン酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。脂肪
酸塩に含有される金属イオンとしては、Na、Caを挙げる
ことができる。本発明の効果を損なわない限りで鉄塩を
用いてもよい。溶解性と入手のし易さの点でナトリウム
塩が好ましい。
径0.01〜0.05μm程度の微粒子が液中に懸濁してきたら
これに脂肪酸または脂肪酸塩を添加する。平均粒径が上
記範囲に達したか否かの確認は種々の方法によることが
できるが、上述した反応条件下ではおよそ1時間以内で
この値に達する。反応条件を調整することにより、反応
時間を短縮・延長することも可能である。脂肪酸または
脂肪酸塩の脂肪酸部分としては、炭素数12〜22個の
脂肪酸が好ましい。安定性の面からは飽和脂肪酸がより
好ましいが、不飽和脂肪酸を用いることもできる。この
ような脂肪酸の例としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸等の飽和脂
肪酸やオレイン酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。脂肪
酸塩に含有される金属イオンとしては、Na、Caを挙げる
ことができる。本発明の効果を損なわない限りで鉄塩を
用いてもよい。溶解性と入手のし易さの点でナトリウム
塩が好ましい。
【0015】脂肪酸の添加量は、マグネタイト粒子の表
面に単分子膜を形成するに必要な量以上とすることが好
ましい。本発明により得られるマグネタイトのBET値
は20〜100m2/g程度であり、マグネタイト1g
当り4.3×10-4モル程度以上であればよい。かかる量
を下回るとL値(黒色度)が低下し本発明の効果が発揮
されない。また、必要以上に脂肪酸を添加しても効果に
変わりはなく却って製品の品質に悪影響を及ぼすおそれ
があることから、単分子膜形成に必要な量の2倍以下と
することが好ましい。
面に単分子膜を形成するに必要な量以上とすることが好
ましい。本発明により得られるマグネタイトのBET値
は20〜100m2/g程度であり、マグネタイト1g
当り4.3×10-4モル程度以上であればよい。かかる量
を下回るとL値(黒色度)が低下し本発明の効果が発揮
されない。また、必要以上に脂肪酸を添加しても効果に
変わりはなく却って製品の品質に悪影響を及ぼすおそれ
があることから、単分子膜形成に必要な量の2倍以下と
することが好ましい。
【0016】脂肪酸の添加は、脂肪酸を懸濁させた水溶
液または上記脂肪酸塩を溶解させた水溶液をマグネタイ
トの生成・懸濁している液中に添加して行なう。好まし
い濃度は0.025〜0.15mol/リットル程度である。0.025mol/
リットル未満では生産効率が悪い。また、0.15mol/リットルを
上回ると、脂肪酸や脂肪酸塩の溶解が不可能になる。脂
肪酸添加の後、懸濁液を引き続き、または50〜100
℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱撹拌して反応を進行さ
せる。かかる処理によって、脂肪酸は、マグネタイト粒
子の表面近傍に存在する鉄イオンと反応して鉄塩とな
り、疎水基を外側に向けて粒子表面に吸着する。粒子表
面の脂肪酸またはその塩の存在により空気との接触が断
たれ酸化による色調の変化が防止される。また、マグネ
タイト粒子の二次凝集が防止される。
液または上記脂肪酸塩を溶解させた水溶液をマグネタイ
トの生成・懸濁している液中に添加して行なう。好まし
い濃度は0.025〜0.15mol/リットル程度である。0.025mol/
リットル未満では生産効率が悪い。また、0.15mol/リットルを
上回ると、脂肪酸や脂肪酸塩の溶解が不可能になる。脂
肪酸添加の後、懸濁液を引き続き、または50〜100
℃の温度範囲で0.5〜3時間加熱撹拌して反応を進行さ
せる。かかる処理によって、脂肪酸は、マグネタイト粒
子の表面近傍に存在する鉄イオンと反応して鉄塩とな
り、疎水基を外側に向けて粒子表面に吸着する。粒子表
面の脂肪酸またはその塩の存在により空気との接触が断
たれ酸化による色調の変化が防止される。また、マグネ
タイト粒子の二次凝集が防止される。
【0017】上記の脂肪酸による処理の後に、可溶性ケ
イ酸塩を添加し、脂肪酸またはその塩で被覆された粒子
表面にケイ酸被膜を形成することにより、脂肪酸処理に
よる疎水性を緩和し、かつツヤ消しによるマット感のあ
る黒色顔料を得ることができる。具体的には、0.025〜
0.15mol/リットル程度の濃度のケイ酸塩を添加した後、5
0〜120℃で0.5〜1時間程度、撹拌を続ける。温度が低
いと反応の進行が遅い。一方、温度が120℃を超える
とケイ酸塩のゲル化が問題となる。かかる処理により、
経時安定性が一層改善される。水可溶性ケイ酸塩の例と
しては、ナトリウム、カリウムのケイ酸塩が挙げられ
る。添加量は、Feに対してSi換算で0.2〜0.5原子%であ
る。0.2原子%未満である場合には疎水性緩和効果が見
られない。一方、0.5原子%を超える場合には、生産性
が低下するとともに黒色度も低下する。
イ酸塩を添加し、脂肪酸またはその塩で被覆された粒子
表面にケイ酸被膜を形成することにより、脂肪酸処理に
よる疎水性を緩和し、かつツヤ消しによるマット感のあ
る黒色顔料を得ることができる。具体的には、0.025〜
0.15mol/リットル程度の濃度のケイ酸塩を添加した後、5
0〜120℃で0.5〜1時間程度、撹拌を続ける。温度が低
いと反応の進行が遅い。一方、温度が120℃を超える
とケイ酸塩のゲル化が問題となる。かかる処理により、
経時安定性が一層改善される。水可溶性ケイ酸塩の例と
しては、ナトリウム、カリウムのケイ酸塩が挙げられ
る。添加量は、Feに対してSi換算で0.2〜0.5原子%であ
る。0.2原子%未満である場合には疎水性緩和効果が見
られない。一方、0.5原子%を超える場合には、生産性
が低下するとともに黒色度も低下する。
【0018】本発明により得られたマグネタイト微粒子
は、上記処理を経た後に濾別・水洗し、40〜130℃
で24〜48時間乾燥させて粉末粒子として得ることが
できる。あるいは、デカンテーションによって水洗しス
ラリーとした後、必要に応じて含水率を調整して用いて
もよい。
は、上記処理を経た後に濾別・水洗し、40〜130℃
で24〜48時間乾燥させて粉末粒子として得ることが
できる。あるいは、デカンテーションによって水洗しス
ラリーとした後、必要に応じて含水率を調整して用いて
もよい。
【0019】本発明によって製造されるマグネタイト
は、乾燥粉末としてのL値が4〜12程度である。ま
た、粒径が可視光の波長よりも小さいため、透明感があ
る。このため、黒色顔料、特に深みのある黒色を与える
化粧品用黒色顔料として有用である。また、粒径が小さ
いため、静電複写機用の磁性トナーに用いることができ
る。その他にも、塗料、インキ、合成樹脂の着色剤等、
顔料として各種の分野に使用できる。なお、これらの用
途に使用する場合には、当該技術分野において既知の成
分を添加して組成物として使用される。例えば、化粧用
顔料として用いる場合には、パラベン等の防腐剤を0.01
〜0.3%添加し、水中分散のスラリーまたはスラリー中
の水を非水系溶媒に置換して用いられる。かかる非水系
溶媒の例としては、イソパラフィン等の炭化水素油やオ
クタメチルシクロテトラシロキサンやメチルシクロペン
タンシロキサン等のシリコーン油が挙げられる。
は、乾燥粉末としてのL値が4〜12程度である。ま
た、粒径が可視光の波長よりも小さいため、透明感があ
る。このため、黒色顔料、特に深みのある黒色を与える
化粧品用黒色顔料として有用である。また、粒径が小さ
いため、静電複写機用の磁性トナーに用いることができ
る。その他にも、塗料、インキ、合成樹脂の着色剤等、
顔料として各種の分野に使用できる。なお、これらの用
途に使用する場合には、当該技術分野において既知の成
分を添加して組成物として使用される。例えば、化粧用
顔料として用いる場合には、パラベン等の防腐剤を0.01
〜0.3%添加し、水中分散のスラリーまたはスラリー中
の水を非水系溶媒に置換して用いられる。かかる非水系
溶媒の例としては、イソパラフィン等の炭化水素油やオ
クタメチルシクロテトラシロキサンやメチルシクロペン
タンシロキサン等のシリコーン油が挙げられる。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をより
具体的に説明する。なお、得られた粒子の平均粒子径、
色調の測定およびTEM(透過型電子顕微鏡)写真の撮
影は以下の方法および条件によった。 (1)平均粒子径:BET法により求めた。 (2)色調の測定:マグネタイトの色調は、粉末、分散
液、分散液塗布紙のL値、a値及びb値をカラーコンピ
ューターMS-7-IS-2B(スガ試験機(株)製)を用いて測
定し評価した。 (i)粉末:45℃以下で48時間以上、マグネタイト粒
子を乾燥し、乳鉢にて粉砕した。この粉末約5gをペレ
ット用セルに入れ、カラーコンピュータによりL値、a
値およびb値を測定した。測定は静置状態とタップ充填
した状態とで2回行ない、その算術平均値を測定値とし
た。 (ii)分散液:マグネタイト粒子、イオン交換水および分
散剤をサンプル瓶に入れ、スパーテルで撹拌しながら超
音波に約20分間かけた。マグネタイト固形分は10%
とした。また、分散剤を後から添加した場合と比較する
目的で、分散剤(C17H33COONa)を3%含有する
分散液1と分散剤を含有しない分散液2の2種類の試料
を調製した。分散液の総量は各50gとした。この分散
液をペレット用セルに20ml入れ、カラーコンピュー
タ−によりL値、a値及びb値を測定した。 (iii) 分散液塗布紙:(ii)の分散液1を0.ml、20μ
m厚さで、白紙(上質紙)に塗布した。これを24〜4
8時間乾燥し、カラーコンピューターによりL値、a値
及びb値を測定した。測定時には白紙を分散液塗布紙の
上に重ね、光の透過を防いだ。2点で測定を行ないその
算術平均値を測定値とした。 (3)TEM写真撮影条件 (i) 試料作成方法:極微量のマグネタイト粒子と極微量
のアマニ油を乳鉢に入れ、乳棒で一定方向のみに10分
間以上撹拌し、マグネタイト粒子を分散させた。この操
作により、乳棒先端分に付着したマグネタイトは一次粒
子の状態まで分散される。これをコロジオン膜添付メッ
シュに取り、トルエンで洗浄してアマニ油を除去し、T
EM観察試料とした。 (ii)TEM撮影条件:加速電圧200kVで撮影(日立
H-800 透過型電子顕微鏡)。
具体的に説明する。なお、得られた粒子の平均粒子径、
色調の測定およびTEM(透過型電子顕微鏡)写真の撮
影は以下の方法および条件によった。 (1)平均粒子径:BET法により求めた。 (2)色調の測定:マグネタイトの色調は、粉末、分散
液、分散液塗布紙のL値、a値及びb値をカラーコンピ
ューターMS-7-IS-2B(スガ試験機(株)製)を用いて測
定し評価した。 (i)粉末:45℃以下で48時間以上、マグネタイト粒
子を乾燥し、乳鉢にて粉砕した。この粉末約5gをペレ
ット用セルに入れ、カラーコンピュータによりL値、a
値およびb値を測定した。測定は静置状態とタップ充填
した状態とで2回行ない、その算術平均値を測定値とし
た。 (ii)分散液:マグネタイト粒子、イオン交換水および分
散剤をサンプル瓶に入れ、スパーテルで撹拌しながら超
音波に約20分間かけた。マグネタイト固形分は10%
とした。また、分散剤を後から添加した場合と比較する
目的で、分散剤(C17H33COONa)を3%含有する
分散液1と分散剤を含有しない分散液2の2種類の試料
を調製した。分散液の総量は各50gとした。この分散
液をペレット用セルに20ml入れ、カラーコンピュー
タ−によりL値、a値及びb値を測定した。 (iii) 分散液塗布紙:(ii)の分散液1を0.ml、20μ
m厚さで、白紙(上質紙)に塗布した。これを24〜4
8時間乾燥し、カラーコンピューターによりL値、a値
及びb値を測定した。測定時には白紙を分散液塗布紙の
上に重ね、光の透過を防いだ。2点で測定を行ないその
算術平均値を測定値とした。 (3)TEM写真撮影条件 (i) 試料作成方法:極微量のマグネタイト粒子と極微量
のアマニ油を乳鉢に入れ、乳棒で一定方向のみに10分
間以上撹拌し、マグネタイト粒子を分散させた。この操
作により、乳棒先端分に付着したマグネタイトは一次粒
子の状態まで分散される。これをコロジオン膜添付メッ
シュに取り、トルエンで洗浄してアマニ油を除去し、T
EM観察試料とした。 (ii)TEM撮影条件:加速電圧200kVで撮影(日立
H-800 透過型電子顕微鏡)。
【0021】実施例1 Fe2+1.0mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH1
0.43、温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタ
イト粒子を生成した。次いで、上記マグネタイトを含む
懸濁液に0.1mol/リットルのオレイン酸ナトリウム水溶液2
リットルを加え、温度90℃で撹拌した。生成した粒子を常
法により水洗し濾別し、45℃で118時間乾燥して黒色
の粉末(含水率0.62%)を得た。得られた粉末のBET
値は59.1m2 /gであり、これより計算された平均粒子
径は19.5nmであった。得られた粉末及びこれを表1の
条件にしたがって塗布液としたものの色調を上記の測色
法により測定した。結果を併せて表1に示す。また、こ
の粉末のTEM写真を図1に示す。
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH1
0.43、温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタ
イト粒子を生成した。次いで、上記マグネタイトを含む
懸濁液に0.1mol/リットルのオレイン酸ナトリウム水溶液2
リットルを加え、温度90℃で撹拌した。生成した粒子を常
法により水洗し濾別し、45℃で118時間乾燥して黒色
の粉末(含水率0.62%)を得た。得られた粉末のBET
値は59.1m2 /gであり、これより計算された平均粒子
径は19.5nmであった。得られた粉末及びこれを表1の
条件にしたがって塗布液としたものの色調を上記の測色
法により測定した。結果を併せて表1に示す。また、こ
の粉末のTEM写真を図1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】比較例1 以下のように脂肪酸処理を行なわないほかは実施例1と
ほぼ同様の条件でマグネタイト粒子を製造した。Fe2+1.
0mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+2.0mol
/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混合溶液
を8mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH7.76、
温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタイト粒
子を生成した。生成した粒子を常法により水洗し濾別
し、40℃で48時間乾燥して黒色の粉末を得た。得ら
れた粉末のBET値は75.5m2 /gであり、これより計
算された平均粒子径は16.1nmであった。得られた粉末
及びこれを表2の条件にしたがって塗布液としたものの
色調を上記の通り測定した。結果を併せて表2に示す。
また、この粉末のTEM写真を図2に示す。
ほぼ同様の条件でマグネタイト粒子を製造した。Fe2+1.
0mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+2.0mol
/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混合溶液
を8mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH7.76、
温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタイト粒
子を生成した。生成した粒子を常法により水洗し濾別
し、40℃で48時間乾燥して黒色の粉末を得た。得ら
れた粉末のBET値は75.5m2 /gであり、これより計
算された平均粒子径は16.1nmであった。得られた粉末
及びこれを表2の条件にしたがって塗布液としたものの
色調を上記の通り測定した。結果を併せて表2に示す。
また、この粉末のTEM写真を図2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】実施例2 Fe2+1.2mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2.4mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH
9.24、温度90℃において約1時間間撹拌を続けた。引
き続き、上記マグネタイトを含む懸濁液に0.1mol/リットル
のオレイン酸ナトリウム水溶液2リットルを加え、温度29
℃で撹拌した。生成した粒子を常法により水洗し濾別
し、45℃で55時間乾燥して黒色の粉末(含水率0.20
%)を得た。得られた粉末のBET値は36.2m2 /gで
あり、これより計算された平均粒子径は31.8nmであっ
た。得られた粉末及びこれを表3の条件にしたがって塗
布液としたものの色調を上記の測色法により測定した。
結果を併せて表3に示す。また、この粉末のTEM写真
を図3に示す。
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2.4mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH
9.24、温度90℃において約1時間間撹拌を続けた。引
き続き、上記マグネタイトを含む懸濁液に0.1mol/リットル
のオレイン酸ナトリウム水溶液2リットルを加え、温度29
℃で撹拌した。生成した粒子を常法により水洗し濾別
し、45℃で55時間乾燥して黒色の粉末(含水率0.20
%)を得た。得られた粉末のBET値は36.2m2 /gで
あり、これより計算された平均粒子径は31.8nmであっ
た。得られた粉末及びこれを表3の条件にしたがって塗
布液としたものの色調を上記の測色法により測定した。
結果を併せて表3に示す。また、この粉末のTEM写真
を図3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】比較例2 以下のように脂肪酸処理を行なわないほかは実施例2と
ほぼ同様の条件でマグネタイト粒子を製造した。Fe2+1.
0mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+2.0mol
/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混合溶液
を2.1mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH10.38
、温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタイ
ト粒子を生成した。生成した粒子を常法により水洗し濾
別し、40℃で48時間乾燥して黒色の粉末を得た。得
られた粉末のBET値は73.1m2 /gであり、これより
計算された平均粒子径は16.6nmであった。得られた粉
末及びこれを表2の条件にしたがって塗布液としたもの
の色調を上記の通り測定した。結果を併せて表4に示
す。また、この粉末のTEM写真を図4に示す
ほぼ同様の条件でマグネタイト粒子を製造した。Fe2+1.
0mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+2.0mol
/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混合溶液
を2.1mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH10.38
、温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタイ
ト粒子を生成した。生成した粒子を常法により水洗し濾
別し、40℃で48時間乾燥して黒色の粉末を得た。得
られた粉末のBET値は73.1m2 /gであり、これより
計算された平均粒子径は16.6nmであった。得られた粉
末及びこれを表2の条件にしたがって塗布液としたもの
の色調を上記の通り測定した。結果を併せて表4に示
す。また、この粉末のTEM写真を図4に示す
【0028】
【表4】
【0029】実施例3 Fe2+1.0mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH1
1.67、温度90℃において1時間撹拌を行なった。引き
続き、上記マグネタイトを含む懸濁液に0.1mol/リットルの
オレイン酸ナトリウム水溶液2リットルを加え、温度90℃
で30分撹拌した後、Si換算で0.3 mol 含むように二ケ
イ酸ナトリウム水和物(SiO2 :52.75 %)水溶液2リット
ルを加え、温度90℃で撹拌した。生成した粒子を常法
により水洗し濾別し、45℃で 163時間乾燥して黒色の
粉末(含水率0.70%)を得た。得られた粉末のBET値
は74.5m2 /gであり、これより計算された平均粒子径
は15.5nmであった。得られた粉末及びこれを表5の条
件にしたがって塗布液としたものの色調を上記の測色法
により測定した。結果を併せて表5に示す。また、この
粉末のTEM写真を図5に示す。
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH1
1.67、温度90℃において1時間撹拌を行なった。引き
続き、上記マグネタイトを含む懸濁液に0.1mol/リットルの
オレイン酸ナトリウム水溶液2リットルを加え、温度90℃
で30分撹拌した後、Si換算で0.3 mol 含むように二ケ
イ酸ナトリウム水和物(SiO2 :52.75 %)水溶液2リット
ルを加え、温度90℃で撹拌した。生成した粒子を常法
により水洗し濾別し、45℃で 163時間乾燥して黒色の
粉末(含水率0.70%)を得た。得られた粉末のBET値
は74.5m2 /gであり、これより計算された平均粒子径
は15.5nmであった。得られた粉末及びこれを表5の条
件にしたがって塗布液としたものの色調を上記の測色法
により測定した。結果を併せて表5に示す。また、この
粉末のTEM写真を図5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】実施例4 Fe2+1.0mol/リットルを含む塩化第一鉄水溶液1リットルをFe3+
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH
8.68、温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタ
イト粒子を生成した。次いで、上記マグネタイトを含む
懸濁液に0.1mol/リットルのステアリン酸ナトリウム水溶液
2リットルを加え、温度90℃で撹拌した。生成した粒子を
常法により水洗し濾別し、45℃で79時間乾燥して黒
色の粉末(含水率0.24%)を得た。得られた粉末のBE
T値は39.5m2 /gであり、これより計算された平均粒
子径は29.2nmであった。得られた粉末及びこれを表6
の条件にしたがって塗布液としたものの色調を上記の測
色法により測定した。結果を併せて表6に示す。
2.0mol/リットルを含む塩化第二鉄水溶液1リットルに加えた混
合溶液を2mol/リットルのNaOH水溶液4リットルに加え、pH
8.68、温度90℃において約1時間撹拌を続けマグネタ
イト粒子を生成した。次いで、上記マグネタイトを含む
懸濁液に0.1mol/リットルのステアリン酸ナトリウム水溶液
2リットルを加え、温度90℃で撹拌した。生成した粒子を
常法により水洗し濾別し、45℃で79時間乾燥して黒
色の粉末(含水率0.24%)を得た。得られた粉末のBE
T値は39.5m2 /gであり、これより計算された平均粒
子径は29.2nmであった。得られた粉末及びこれを表6
の条件にしたがって塗布液としたものの色調を上記の測
色法により測定した。結果を併せて表6に示す。
【0032】
【表6】
【0033】上記各実施例・比較例で得られた粒子のT
EM写真に示されるように、比較例の粒子は微細粒子が
不規則に凝集して形成されたものであることがわかる。
すなわち、各二次粒子を構成する一次粒子が容易に識別
でき、各一次粒子の大きさや形状も極めて不均一であ
る。これに対し、本発明の粒子は、球形性が高く、大き
さも均一な一次粒子である。
EM写真に示されるように、比較例の粒子は微細粒子が
不規則に凝集して形成されたものであることがわかる。
すなわち、各二次粒子を構成する一次粒子が容易に識別
でき、各一次粒子の大きさや形状も極めて不均一であ
る。これに対し、本発明の粒子は、球形性が高く、大き
さも均一な一次粒子である。
【0034】試験例(経時変化測定試験) 実施例および比較例で得られたマグネタイト、イオン交
換水および分散剤をサンプル瓶に入れ、スパーテルで撹
拌しながら超音波に約20分間かけ、マグネタイトを固
形分濃度で10%、分散剤(C17H33COONa)を3
%含有する水分散液を調製した。分散液の総量は50g
とした。この分散液をペレット用セルに20ml入れ、
約150時間に亘って、L値、a値及びb値の変化を測
定した。図6に示す結果より、本発明のマグネタイト粒
子を用いた分散液は長期に亘って良好な安定性を示すこ
とがわかる。
換水および分散剤をサンプル瓶に入れ、スパーテルで撹
拌しながら超音波に約20分間かけ、マグネタイトを固
形分濃度で10%、分散剤(C17H33COONa)を3
%含有する水分散液を調製した。分散液の総量は50g
とした。この分散液をペレット用セルに20ml入れ、
約150時間に亘って、L値、a値及びb値の変化を測
定した。図6に示す結果より、本発明のマグネタイト粒
子を用いた分散液は長期に亘って良好な安定性を示すこ
とがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明のマグネタイト粒子は、粒径が0.
01μm〜0.05μmと従来のマグネタイト粒子よりも小さ
いため、分散性が良く、なおかつ可視光の波長以下であ
るため、黒色に深みがある、また、本発明のマグネタイ
ト粒子は、脂肪酸被覆されているため、酸化などの経時
的変化を受けにくく、色調の経時変化がない。このた
め、黒色顔料として特に有用である。また、本発明のマ
グネタイトは、比較的簡単に製造することができ、従来
のような煩雑な工程を必要としない。
01μm〜0.05μmと従来のマグネタイト粒子よりも小さ
いため、分散性が良く、なおかつ可視光の波長以下であ
るため、黒色に深みがある、また、本発明のマグネタイ
ト粒子は、脂肪酸被覆されているため、酸化などの経時
的変化を受けにくく、色調の経時変化がない。このた
め、黒色顔料として特に有用である。また、本発明のマ
グネタイトは、比較的簡単に製造することができ、従来
のような煩雑な工程を必要としない。
【図1】本発明のマグネタイト粒子の粒子構造を示すT
EM写真。
EM写真。
【図2】脂肪酸被覆処理を施さないマグネタイト粒子の
粒子構造を示すTEM写真。
粒子構造を示すTEM写真。
【図3】本発明のマグネタイト粒子の粒子構造を示すT
EM写真。
EM写真。
【図4】脂肪酸被覆処理を施さないマグネタイト粒子の
粒子構造を示すTEM写真。
粒子構造を示すTEM写真。
【図5】本発明のマグネタイト粒子の粒子構造を示すT
EM写真。
EM写真。
【図6】本発明および比較例のマグネタイト粒子の分散
液についてL値の経時変化を示すグラフ。
液についてL値の経時変化を示すグラフ。
Claims (7)
- 【請求項1】 粒子表面が脂肪酸またはその塩で被覆さ
れている平均粒径0.01〜0.05μmの球状マグネタイト粒
子。 - 【請求項2】 粒子表面が脂肪酸またはその塩で被覆さ
れ、さらに酸化ケイ素層で被覆されている請求項1に記
載の球状マグネタイト粒子。 - 【請求項3】 第一鉄イオンと第二鉄イオンとの混合水
溶液に1.3 当量以下のアルカリを添加し、平均粒径0.01
〜0.05μmのマグネタイト微粒子を生成させ、生成した
マグネタイト微粒子が懸濁している液中に脂肪酸または
脂肪酸塩を添加し撹拌することにより脂肪酸またはその
塩で被覆された平均粒径0.01〜0.05μmの球状マグネタ
イト粒子を製造する方法。 - 【請求項4】 第一鉄イオンと第二鉄イオンとの含有比
が1:1.2 〜1:2である混合水溶液を用いる請求項3
に記載の方法。 - 【請求項5】 アルカリ添加後、液温を80〜 100℃に
加熱してマグネタイト微粒子を生成させる請求項3また
は4に記載の方法。 - 【請求項6】 脂肪酸または脂肪酸塩の脂肪酸部分が1
2〜22個の炭素を含む直鎖の脂肪酸である請求項3〜
5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 脂肪酸またはその塩で被覆された球状マ
グネタイト粒子を含有する懸濁液に可溶性ケイ酸塩水溶
液を添加して、さらに酸化ケイ素層を形成する請求項3
〜6のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07537194A JP3651017B2 (ja) | 1994-03-22 | 1994-03-22 | 球状マグネタイト粒子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07537194A JP3651017B2 (ja) | 1994-03-22 | 1994-03-22 | 球状マグネタイト粒子およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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