JPH07258178A - 天然型スフィンゴシン類の製造方法とその合成中間体 - Google Patents

天然型スフィンゴシン類の製造方法とその合成中間体

Info

Publication number
JPH07258178A
JPH07258178A JP6074085A JP7408594A JPH07258178A JP H07258178 A JPH07258178 A JP H07258178A JP 6074085 A JP6074085 A JP 6074085A JP 7408594 A JP7408594 A JP 7408594A JP H07258178 A JPH07258178 A JP H07258178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
general formula
compound
following general
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6074085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2560250B2 (ja
Inventor
Teiichi Murakami
悌一 村上
Hiroyuki Namikawa
博之 南川
Masakatsu Hado
正勝 羽藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP6074085A priority Critical patent/JP2560250B2/ja
Publication of JPH07258178A publication Critical patent/JPH07258178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2560250B2 publication Critical patent/JP2560250B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 安価で入手容易な出発原料及び中間工程の反
応試薬を用いて、短工程で収率良く目的物を生産しう
る、工業的に実施するのに有利な天然型スフィンゴシン
の製造法及びその製造に有用な合成中間体を提供する。 【構成】 N−ベンゾイル−D−グルコサミンに対して
選択的アセタール化、還元、スルホニル化及びオキサゾ
リン化、脱アセタール化、ヨウ素化及び還元的脱離、エ
ポキシ化、アルキル化、脱保護の各工程の反応を順次行
うことを特徴とする一般式(1) で表わされる天然型スフィンゴシン(式中のR1、R2
3は水素)の製造方法及びその合成中間体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は後記する一般式(1)で
表わされる天然型スフィンゴシン{(2S,3R,4
E)−2−アミノ−1,3−ジヒドロキシ−4−オクタ
デセン(式中のR1、R2、R3は水素)}及びそのアシ
ル誘導体の製造方法とその合成中間体に関するものであ
る。さらに詳しくは、動物細胞及び一部の植物細胞の膜
構成成分であり、細胞表層における様々な認識作用等に
関与すると考えられているスフィンゴ糖脂質、及びスフ
ィンゴリン脂質の疎水部共通基本骨格である該化合物
(スフィンゴシン)を効率良く製造する方法とその製造
方法での合成中間体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医学・生化学分野における研究に
より、生体内におけるスフィンゴ糖脂質の重要性が明ら
かになってきた。すなわち、細胞間相互認識、細胞増殖
調節、発生・分化の調節、感染及び細胞の悪性化等にお
いて重要な役割を果たすことが示唆され、また、毒素等
のレセプター機能、抗潰瘍性、抗ウィルス性、神経突起
の伸展促進等の生理・薬理活性を有するスフィンゴ糖脂
質も相次いで発見されている(サイエンティフィク アメリカン(Scient
ific American) 第254巻、44頁(1986年))。これらの
疎水部共通骨格である長鎖塩基スフィンゴシン自身にも
細胞内情報伝達に必須の酵素であるプロテインキナーゼ
Cの活性調節作用があることが見出された(サイエンス(Sci
ence)第243巻、500頁(1989年))。また、スフィンゴ
シンのN−長鎖アシル体であるセラミドが皮膚角質層の
保湿作用を有することも知られている。以上のようにス
フィンゴシン類は大変興味深い性質を有している物質で
あるが、生体膜中では複雑な混合物として存在するた
め、単一構造の純粋な脂質を天然から大量に抽出するこ
とは困難である。そこで、化学的に純粋な脂質をまとま
った量得るために、基本骨格として最も多く存在するD
−エリスロ−C18−スフィンゴシンの化学合成法が研究
され、今まで20例以上の報告がなされている。しかし
ながら、スフィンゴシンには2個の不斉炭素と1つの二
重結合があるので、天然型と同じ立体配置のものを化学
的に合成することは未だ容易ではない。たとえば、出発
原料から10工程以上を要する方法(シ゛ャーナル・オフ゛・オーカ゛ニ
ック・ケミストリー(J. Org. Chem.)第35巻、4127頁(1970
年))や非天然型異性体との混合物として得られる方法
(シ゛ャーナル・オフ゛・オーカ゛ニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)第46
巻、4393頁(1981年))が多い。その中で、D−ガラク
トースを出発原料として7工程・通算収率約25%で得る
方法(テトラヘト゛ロン・レタース゛(Tetrahedron Lett.)第27巻、4
81頁(1986年))、L−セリンを原料として6工程・通
算収率約35%で得る方法(シ゛ャーナル・オフ゛・オーカ゛ニック・ケミストリー
(J. Org. Chem.)第53巻、4395頁(1988年))、及び
L−バリンを原料として7工程・通算収率約30%で得る
方法(シ゛ャーナル・オフ゛・シ゛・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J. Am. Chem.
Soc.)第110巻、7910頁(1988年))が比較的効率の高
いものとして知られている。しかしながら、途中の工程
で用いる試薬が高価である、別途調製する必要がある、
あるいは煩雑な操作を要することなど工業的に製造する
ためには改善すべき点が残されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で入手容易な出発原料及び中間工程の反応試薬を用い
て、短工程で収率良く目的物を生産しうる、工業的に実
施するのに有利な天然型スフィンゴシンの製造法及びそ
の製造に有用な合成中間体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、N−ベンゾイル−D−グルコサミンを出発
原料とする新規な効率的合成経路及びその合成中間体が
目的に適合しうることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明によれば、N−ベンゾイ
ル−D−グルコサミンを出発原料として用いて、下記一
般式(1)
【0006】
【化16】
【0007】(式中のR1、R2、R3は水素原子を表
す)で表わされる天然型スフィンゴシンを製造する方法
において、(i)N−ベンゾイル−D−グルコサミンに
アセタール化剤を反応させて、一般式(2)
【0008】
【化17】
【0009】(式中、Bzはベンゾイル基、R4は炭素
数1〜4個のアルキル基、又は置換されていてもよいフ
ェニル基、R6は水素原子又は炭素数1〜4個のアルキ
ル基を示すか、あるいはR4とR6はその末端が結合した
炭素数4〜7個のメチレン基を示す)で表される4,6
ーアセタールを得る第1工程、(ii)前記第1工程で得
られた4,6−アセタールを還元して、下記一般式
(3)
【0010】
【化18】
【0011】(式中、Ph、R4、R6は前記と同じ意味
を有する)で表される2−ベンズアミド−2−デオキシ
−D−グルシトール誘導体を得る第2工程、(iii)前
記第2工程で得られた2−ベンズアミド−2−デオキシ
−D−グルシトール誘導体をスルホニル化と同時にオキ
サゾリン化して、下記一般式(4)
【0012】
【化19】
【0013】(式中、Phはフェニル基、Rは炭素数1
〜4のアルキル基又は置換されていてもよいアリール基
を示し、R4及びR6は前記と同じ意味を有する)で表さ
れるフェニルオキサゾリン誘導体を得る第3工程、(i
v)前記第3工程で得られたファエニルオキサゾリン誘
導体を脱アセタール化して、下記一般式(5)
【0014】
【化20】
【0015】(式中、Ph及びRは前記と同じ意味を有
する)で表されるジオール化合物を得る第4工程、
(v)前記第4工程で得られたジオール化合物をヨウ素
化すると同時に還元的脱離させて、下記一般式(6)
【0016】
【化21】
【0017】(式中、Ph及びRは前記と同じ意味を有
する)で表される末端ビニル化合物を得る第5工程、
(vi)前記第5工程で得られたビニル化合物を塩基で処
理して、下記一般式(7)
【0018】
【化22】
【0019】(式中、Phは前記と同じ意味を有する)
で表されるエポキシドを得る第6工程、(vii)前記第
6工程で得られたエポキシドを一価銅塩の存在下でドデ
シルグリニャール試薬と反応させて、下記一般式(8)
【0020】
【化23】
【0021】(式中、Phは前記と同じ意味を有する)
で表されるドデシル基含有化合物を得る第7工程、(vi
ii)前記第7工程で得られたドデシル基含有化合物を酸
性条件下でそのオキザゾリン環を開裂させると共に、そ
のベンゾイル基を脱離させて、前記一般式(1)で表さ
れる天然型スフィンゴシンを得る第8工程、からなるこ
とを特徴とする天然型スフィンゴシンの製造方法が提供
される。
【0022】また、本発明によれば、前記一般式(7)
で表されるエポキシドに、一価銅塩の存在下でドデシル
グリニャール試薬と反応させることを特徴とする前記一
般式(8)で表されるドデシル基含有化合物の製造方法
が提供される。
【0023】さらにまた、前記一般式(3)で表される
2−ベンズアミド−2−デオキシ−D−グルシトール誘
導体が提供される。
【0024】さらにまた、前記一般式(4)で表される
フェニルオキサゾリン誘導体が提供される。
【0025】さらにまた、前記一般式(5)で表される
ジオール化合物が提供される。
【0026】さらにまた、前記一般式(6)で表される
末端ビニル化合物が提供される。
【0027】さらにまた、前記一般式(7)で表される
エポキシドが提供される。
【0028】天然型スフィンゴシン類は以下の各工程の
反応を順次行うことにより製造することができる。出発
原料となる下記式(9)で表されるN−ベンゾイル−D
−グルコサミンは、キトサン加水分解物として安価で大
量に入手できるD−グルコサミン塩酸塩と、塩化ベンゾ
イル等のベンゾイル化剤とから、容易に合成することが
でき(シ゛ャーナル・オフ゛・シ゛・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J. Am. Chem.
Soc.) 第78巻、4722頁(1956年))、また、市販品を
用いることもできる。
【0029】
【化24】
【0030】(第1工程)本工程は、N−ベンゾイルグ
ルコサミンの4位と6位の水酸基を公知の方法によりア
セタール化剤を反応させて、一般式(2)で表される
4,6−O−アセタールを得る工程である。ここでは大
別して2つのアセタール化方法が知られている。第一の
方法は、式(9)で表される原料化合物(9)とアルデ
ヒド類を酸触媒の存在下、反応させる方法(アクタ・ケミカ・スカ
ンシ゛ナヒ゛ア(Acta. Chem. Scand.)第24巻、173頁(1970
年))で、脂肪族アルデヒドの場合は濃塩酸又は濃硫酸
を触媒としてアセトニトリル中で反応を行い、芳香族ア
ルデヒドの場合は塩化亜鉛を触媒として無溶媒又はジオ
キサン中で反応を行うことが好ましい。第二の方法は式
(9)で表される原料化合物(9)とアルデヒド類又は
ケトン類のジアルキルアセタール誘導体(1〜2当量)
を酸触媒の存在下、溶媒中、特に好ましくはN,N-ジメチ
ルホルムアミド(DMF)中でアセタール交換させる方
法(カーホ゛ハイト゛レート・リサーチ(Carbohydr. Res.)第29巻、209
頁(1973))である。この方法により一般式(2)で表
される化合物(2)のイソプロピリデン体(式中の
4、R6はメチル基)、ベンジリデン体(式中のR4
フェニル基、R6は水素原子)、シクロヘキシリデン体
(式中のR4〜R6は炭素数5個のメチレン鎖)等を得る
ことができる。しかしながら、本法の収率は70〜80%程
度で、反応後、未反応原料を分離する工程が必要になる
こと、及び比較的高沸点のDMFを留去する必要がある
という難点がある。第一の方法の改良法として、化合物
(9)と大過剰のパラアルデヒド(アセトアルデヒドの
環状3量体)を酸触媒、特に好ましくは濃硫酸存在下室
温で反応させる方法(テトラヘト゛ロン(Tetrahedron)第44
巻、7177頁(1988年))があり、エチリデンアセタール
体化合物(2)(式中のR4はメチル基、R6は水素原
子)が得られる。この方法では反応中に生成した結晶を
濾過、洗浄するだけで次の工程の反応に用いることがで
きるので極めて簡便である。
【0031】(第2工程)化合物(2)のC−1位のヘ
ミアセタール性アルデヒドの還元を行い、一般式(3)
で表される2−ベンズアミド−2−デオキシ−D−グル
シトール誘導体を得る工程である。反応は溶媒中、還元
剤の存在下で実施することができる。還元剤としては水
素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の水素
化ホウ素アルカリ金属が好適である。溶媒としては水、
メタノール、エタノール、プロパノール等のプロトン性
溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、又はこれらの混合溶媒が用いられる。反応は-20℃
から室温で行う。特に、2−プロパノール/水=6:1
混合溶媒中、1〜2当量の水素化ホウ素ナトリウムを用
いると0℃、約1時間で反応は完了し、化合物(3)が
90%以上の高い収率で得られる。
【0032】(第3工程)化合物(3)のC−1,3,
5位の水酸基をスルホニル化し、一般式(4)で表され
るフェニルオキサゾリン誘導体へ導く工程である。スル
ホニル化剤としては塩化メタンスルホニル、塩化p-トル
エンスルホニル等が好適である。塩基としてはトリエチ
ルアミン、ピリジン等の3級アミンが好適である。溶媒
としては塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶
媒が最も好ましい。塩化メタンスルホニルとトリエチル
アミンの組合せを用いると0℃以下で30分以内にスルホ
ニル化が完結する。さらにこの反応液を室温下数時間攪
はんするとC−1位のスルホニルオキシ基が脱離して2-
フェニルオキサゾリン環が形成され、化合物(4)(式
中のRはメチル基)が90%以上の収率で得られる。
【0033】(第4工程)化合物(4)のアセタール保
護基を除去し、一般式(5)で表されるジオール化合物
を得る工程である。反応は溶媒中、酸触媒とチオールを
用いることにより行われる。酸としては四塩化チタン、
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等のルイス酸が好
適である。チオールとしては、エタンチオール、エチレ
ンジチオール等の脂肪族チオール、チオフェノール等の
芳香族チオール等を用いることができる。反応は-20℃
〜室温で行うことができるが、0℃付近で円滑に進行
し、反応時間は約2時間で充分である。エチリデンアセ
タールの場合は四塩化チタンを用いる方が収率よい結果
を与える。それ以外のアセタールでは、冷却下三フッ化
ホウ素エーテル錯体を用いて除去することができる。一
方、この工程で酸性加水分解を行うとオキサゾリン環の
開裂が起こり、目的を達し得ない。
【0034】(第5工程)化合物(5)に対してヨウ素
化剤を反応させ、一般式(6)で表される末端ビニル化
合物を得る工程である。ヨウ素化剤としてはヨウ素が好
適である。溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の炭化
水素系、塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン系
溶媒が好ましい。本反応にはトリフェニルホスフィン、
トリブチルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機
リン剤、及びピリジン、イミダゾール等のアミン系塩基
が必要である。反応温度は0〜80℃、特に60〜70℃が好
ましく、加熱する場合の反応時間は1時間が適当であ
る。この方法により目的とする化合物(6)が収率60〜
70%で得られる。
【0035】(第6工程)本工程は化合物(6)を塩基
により処理して、式(7)で表されるエポキシドを得る
工程である。塩基としてはアルカリ金属の水酸化物、炭
酸塩、アルコキサイド、水素化物等を用いることができ
る。溶媒としては、用いる塩基の性質に応じて、水、メ
タノール、エタノール等のプロトン性溶媒、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチレン等
のハロゲン系、DMF、又はこれらの混合溶媒を用いる
ことができる。アルカリ金属炭酸塩を塩基としてメタノ
ール中、0℃から室温で反応を行う方法が簡便であり、
収率約90%で化合物(7)が得られる。
【0036】(第7工程)化合物(7)のC−6位にド
デシル基を導入して、式(8)で表される化合物を得る
工程である。反応は溶媒中、グリニャール試薬と一価銅
塩を用いて行う。溶媒としては、エーテル、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒が好ま
しい。グリニャール試薬(臭化ドデシルマグネシウム)
は市販品(1モル濃度エーテル溶液)を用いることがで
き、また、エーテル系溶媒中で臭化ドデシルとマグネシ
ウムから容易に調製することもできる。一価銅塩として
はハロゲン化第一銅、シアン化第一銅等を用いることが
でき、量は化合物(7)の0.02〜0.5当量で十分であ
る。反応は-80〜-20℃、特に-70〜-50℃で行うことが望
ましい。これにより天然型スフィンゴシンと同じ立体配
置を有する化合物(8)が選択的に収率90%以上で得ら
れる。出発原料・化合物(9)から本工程で得られる化
合物(8)までの通算収率は30〜40%である。この化合
物(8)はスフィンゴシンの1位水酸基と2位アミノ基
が保護されたものであり、文献公知の化合物である(シ゛
ャーナル・オフ゛・オーカ゛ニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)第46巻、43
93頁(1981年))。
【0037】(第8工程)化合物(8)の脱保護を行
い、天然型スフィンゴシン(一般式(1)中のR1
2、R3は水素原子)を得る工程である。一般式(8)
で表される化合物のオキサゾリン環は酸性加水分解によ
り開裂させることができる。反応は塩酸、硫酸、p-トル
エンスルホン酸等を触媒として用い、水と有機溶媒との
混合中、室温又は加熱下、数十分から二十数時間で行う
ことができる。こうして得られる1−O−ベンゾイルス
フィンゴシン(一般式(1)、中のR1はベンゾイル
基、R2、R3は水素原子)の塩酸塩は公知物質であり、
公知の方法(シ゛ャーナル・オフ゛・オーカ゛ニック・ケミストリー(J. Org. Che
m.)第46巻、4393頁(1981年))により、炭素数12〜
18の二重結合を有してもよい直鎖アシル化剤を反応さ
せて、セラミド(一般式(1)中のR1、R3は水素原
子、R2は炭素数12〜18個の二重結合を有してもよ
い直鎖アシル基)へ容易に変換することができる。すな
わち、1−O−ベンゾイルスフィンゴシンに対して弱塩
基性条件下で活性アシル化剤を作用させると種々のアミ
ドが得られ、ベンゾイル基を除去することによりセラミ
ド(一般式(1)中のR1、R3は水素原子、R2は炭素
数12〜18の二重結合を有してもよい直鎖アシル基)
を得ることができる。この1-O-ベンゾイルスフィンゴシ
ンに水酸化アルカリを作用させるとベンゾイル基が転位
してN−ベンゾイルスフィンゴシン(一般式(1)中の
1、R3は水素原子、R2はベンゾイル基)となり、そ
の塩基性水溶液(約1規定濃度)を長時間加熱(95℃、
12時間以上)することにより、天然型D-エリスロ−C18
−スフィンゴシン(一般式(1)中のR1、R2、R3
水素原子)が得られる。一方、1-O-ベンゾイルスフィン
ゴシンのアミノ基に対して塩基性で加水分解されやすい
保護基、たとえば、トリフルオロアセチル基、トリクロ
ロアセチル基のようなアシル基、又はエトキシカルボニ
ル基、ベンジルオキシカルボニル基のようなカルボネー
ト基を導入すると短時間(3時間以内、90℃)で加水分
解が完了し、スフィンゴシンを得ることができる。こう
して、出発原料・化合物(9)より8工程・通算収率25
〜30%で得られた天然型スフィンゴシンは公知の方法に
よりトリアセチル化して構造を確認することができる
(一般式(1)中のR1、R2、R3はアセチル基)。
【0038】本発明において合成中間体である化合物
(3)、化合物(4)、化合物(5)、化合物(6)、
化合物(7)は文献未載の新規化合物であり、その構造
は各種スペクトル分析及び元素分析により同定確認され
た。また、化合物(1)、化合物(2)、化合物
(3)、化合物(8)は一部を除き文献記載の公知物質
であり、それらの物性値は文献値にほぼ一致した。
【0039】
【実施例】つぎに、実施例及び参考例により本発明をさ
らに詳細に説明する。 実施例1 (第1工程)N−ベンゾイル−D−グルコサミン(化合
物(9))4.0g(14.1ミリモル)をパラアルデヒド40mlに
懸濁させ、氷冷しながら、濃硫酸0.1ml(1.8ミリモル)を加
え、室温下20時間攪はんした。トリエチルアミン 1mlを
加えて中和した後、エーテル40mlを加えて希釈し、生じ
た白色固体を濾取した。エーテルで十分洗浄後、減圧乾
燥すると4,6−O−エチリデン−N−ベンゾイル−D
−グルコサミン(化合物(2)、式中のR4はメチル
基、R6は水素原子)が4.10g(収率94%)得られた。 融点 225〜228℃ Rf値 0.50 (AcOEt)1 H-NMR (CDCl3/CD3OD)(α−アノマーが主)δ 1.39
(3H, d, J=5.0 Hz), 3.40(1H, t, J=9.5 Hz), 3.57 (1
H, t, J=10.2 Hz), 3.95 (1H, dt, J=4.8, 9.5 Hz), 3.
97 (1H, t, J=9.8 Hz), 4.09 (1H, dd, J=4.8, 9.5 H
z), 4.22 (1H, dd, J=3.7, 10.1 Hz), 4.80 (1H, q, J=
5.0 Hz), 5.25 (1H, d, J=3.6 Hz), 7.30 (1H, d, J=8.
4 Hz), 7.44 (2H, m), 7.51 (1H, m), 7.83 (2H, m).
【0040】(第2工程)4,6−O−エチリデン−N
−ベンゾイル−D−グルコサミン 930mg(3.0ミリモル)を2
−プロパノール24mlと水4mlに溶かし、氷冷しながら水
素化ホウ素ナトリウム180mg(4.7ミリモル)を少しずつ加
え、さらに1時間攪はんした。反応混合液に1モル濃度塩
酸水を加えて中和後、濃縮すると白色固体が約1.4g残
った。これを塩化メチレン−メタノール混合液に溶か
し、シリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン/メ
タノール=7:1 → 5:1)で精製することによ
り、2−ベンズアミド−2−デオキシ−4,6−O−エ
チリデン−D−グルシトール(化合物(3)、式中のR4
はメチル基、R6は水素原子)が870mg(収率93%)得ら
れた。 融点 165〜167℃ [α]D 23 -13.3゜(c 0.65, CHCl3
/CH3OH = 1:1) Rf値 0.35 (CH2Cl2/CH3OH = 1:1)1 H-NMR (CDCl3/CD3OD)δ 1.17 (3H, d, J=4.9 Hz), 3.
39 (1H, t, J=10.8 Hz),3.48 (1H, dd, J=1.5, 9.3 H
z), 3.77 (3H, m), 4.11 (1H, dd, J=5.3, 10.8 Hz),
4.22 (1H, m), 4.29 (1H, m), 4.65 (1H, q, J=4.9 H
z), 7.44 (2H, m), 7.51 (1H, m), 7.82 (2H, m).
【0041】(第3工程)化合物(3)(式中のR4
メチル基、R6は水素原子)625mg(2.0ミリモル)を塩化メ
チレン10mlとトリエチルアミン2.5mlを加え、氷塩浴で-
15℃に冷却した。そこへ塩化メタンスルホニル870mg
(7.5ミリモル)の塩化メチレン溶液5mlを10分間かけて
滴下した。氷水冷下約2時間攪はんした後、橙黄色にな
った反応液を室温でさらに一晩攪はんした。反応液に塩
化メチレン30mlを加えて希釈し、少量の炭酸水素ナトリ
ウムを含む氷水20mlを加えて有機層を抽出した。水層を
塩化メチレン20ml×2回で抽出した後、有機層をまと
め、水、飽和食塩水の順にそれぞれ20mlで洗浄した。有
機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、濃縮乾固すると
橙色固体が約1g残った。それをシリカゲルクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル=3:1)で精製
することにより化合物(4)(式中のR、R4はメチル
基、R6は水素原子)が840mg(収率93%)得られた。 融点 161〜164℃ [α]D 23 -19.8゜(c 0.65, CHCl3) Rf値 0.42 (hexane/AcOEt=1:1) IR (KBr) 164
0 cm-1 1 H-NMR (CDCl3) δ 1.30(3H, d, J=5.0 Hz), 3.13 (3H,
s), 3.34 (3H, s), 3.63 (1H, dd, J=10.2, 10.8 Hz),
3.90 (1H, dd, J=2.2, 9.6 Hz), 4.48-4.56 (4H, m),
4.85 (1H, dt, J=5.3, 9.7 Hz), 4.93 (1H, dt, J=7.5,
10 Hz), 5.05 (1H, dd, J=2.2, 7.1 Hz), 7.43 (2H,
m), 7.52 (1H, m), 7.92 (2H, m).
【0042】(第4工程)窒素雰囲気下、化合物(4)
(式中のR、R4はメチル基、R6は水素原子)360mg
(0.8ミリモル)を塩化メチレン8mlに溶かし、チオフェノー
ル0.7mlを加えて氷浴で冷却した。そこへ四塩化チタン
の1モル濃度塩化メチレン溶液2.4ml(2.4ミリモル)を約10
分間かけて滴下し、さらに氷冷下約2時間攪はんを続け
た。褐色に懸濁した反応液にクロロホルム5mlを加えて
希釈した後、冷却した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10
mlを少しずつ加えると有機層はほぼ無色になり、水層は
白色懸濁液に変わった。さらにクロロホルム5ml、メタ
ノール2ml、炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えて有
機層を抽出し、残った水層をクロロホルム/メタノール
=87:13混合液20ml×3回で抽出を行った。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮したところ、淡黄色固
体が1.06g残った。この残さをヘキサン/酢酸エチル=
4:1混合液約40mlで十分洗浄すると化合物(5)(式
中のRはメチル基)が白色固体として280mg(収率83
%)得られた。 融点 150℃以上(分解) Rf値 0.60 (AcOEt)1 H-NMR (CDCl3/CD3OD) δ 3.20 (3H, s), 3.26 (3H,
s), 3.99 (1H, dd, J=3.9,13.0 Hz), 4.12 (1H, dd, J=
3.6, 13.0 Hz), 4.29 (1H, dd, J=2.5, 6.8 Hz),4.57
(1H, d, J=2.4 Hz), 4.59 (1H, s), 4.76-4.82 (2H,
m), 4.99 (1H, dd, J=2.7, 4.4 Hz), 7.43 (2H, m), 7.
52 (1H, m), 7.91 (2H, m).
【0043】(第5工程)窒素雰囲気下、化合物(5)
(式中のRはメチル基)85mg(0.2ミリモル)とトリフェニ
ルホスフィン160mg(0.6ミリモル)にトルエン6mlとピリジ
ン0.1ml(1.2ミリモル)を加えた。そこへヨウ素102mg(0.4
ミリモル)を3回に分けて加え、油浴上60〜70℃で約1時間
加熱攪はんした。褐色に懸濁した反応液を放冷後、酢酸
エチル約10mlで希釈した後、5%亜硫酸ナトリウム水溶
液10mlを加えると急速に退色した。酢酸エチル−水系で
抽出を行った後、有機層を乾燥後濃縮すると黄色固体が
280mg残った。それをシリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=3:2)で精製することによ
り化合物(6)(式中のRはメチル基)が白色固体とし
て42mg(収率68%)得られた。 融点 126〜128℃ [α]D 26 +35.1゜(c 0.90, CHCl3) Rf値 0.58 (haxane/AcOEt = 1:2)1 H-NMR (CDCl3) δ 3.14 (3H, s), 3.90 (1H, broad),
4.53 (2H, m), 4.67 (2H, m), 4.76 (1H, t, J=3.8 H
z), 5.36 (1H, dt, J=1.4, 10.5 Hz), 5.56 (1H, dt, J
=1.5, 17.1 Hz), 6.02 (1H, ddd, J=5.2, 10.6, 17.1 H
z), 7.41 (2H, m),7.50 (1H, m), 7.93 (2H, m).
【0044】(第6工程)化合物(6)(式中のRはメ
チル基)69mg(0.22ミリモル)をメタノール3mlに溶かし、
氷冷しながら炭酸カリウム43mg(0.3ミリモル)を加え、氷
冷下30分、さらに室温下5時間攪はんを続けた。再び氷
水冷しながら飽和塩化アンモニウム水溶液1mlを加えて
中和し、酢酸エチル10mlと希釈食塩水10mlを加えてしば
らく攪はんした。層を分離し、有機層を飽和食塩水約10
mlで洗浄した後、水層をまとめて酢酸エチル10mlで2回
抽出した。有機層をまとめて無水硫酸ナトリウムを加え
て乾燥し、濾過・濃縮乾固を行うと淡黄色オイルが48mg
残った。これをシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル=3:1)で精製することにより化合物
(7)が無色固体として42mg(収率88%)得られた。 融点 38〜40℃ [α]D 26 +159.6゜(c 0.67, CHCl3) Rf 0.34 (hexane/AcOEt = 3:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 3.15 (1H, dd, J=4.1, 8.3 Hz), 3.
63 (1H, dd, J=4.2, 6.3Hz), 4.19 (1H, dt, J=7.8, 9.
6 Hz), 4.53 (2H, m), 5.46 (1H, dt, J=1.4, 10.5 H
z), 5.55 (1H, dt, J=1.0, 17.1 Hz), 5.93 (1H, ddd,
J=6.4, 10.6, 17.1Hz), 7.41 (2H, m), 7.50 (1H, m),
7.96 (2H, m).
【0045】(第7工程)窒素雰囲気下、化合物(7)
43mg(0.20ミリモル)とシアン化第一銅2mg(0.02ミリモル)に
無水テトラヒドロフラン4mlを加え、ドライアイス−エ
タノール浴にて-70℃に冷却した。そこへ1.0モル濃度臭化
ドデシルマグネシウムのジエチルエーテル溶液0.4ml
(0.40ミリモル)を約5分かけて滴下すると反応液は黄色溶
液になった。約1時間かけて-10℃まで昇温させた後、
塩化アンモニウム水溶液2mlを加えて中和し、さらに酢
酸エチル20mlと塩化アンモニウム水溶液10mlを加えて0
℃付近で攪はんすると水層はうすい紫色になった。層を
分離し、水層を酢酸エチル10ml×2回で抽出した後、有
機層をまとめ、食塩水20mlで洗浄後、硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮乾固すると白色固体が135mg残った。そ
れをシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エ
チル=7:2)で精製することにより化合物(8)が無
色固体として72mg(収率94%)得られた。 融点 91〜93℃ [α]D 26 -1.8゜(c 1.0, CHCl3) Rf 0.28 (hexane/AcOEt = 3:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.7 Hz), 1.26 (20
H, s-like), 1.38 (2H,m), 2.06 (2H, q, J=6.9 Hz),
4.38 (3H, m), 4.55 (1H, d-like, J=4.9 Hz), 5.44 (1
H, dd, J=5.6, 15.4 Hz), 5.83 (1H, dt, J=6.9, 15.4
Hz), 7.36 (2H, m), 7.45 (1H, m), 7.86 (2H, m).
【0046】(第8工程)(A) 化合物(8) 46mg(0.12ミリモル)をテトラヒドロフラン
2.7mlに溶かし、2規定濃度塩酸0.3mlを加えて室温下20
時間攪はんした。そこへ、水酸化ナトリウム160mg(4.0
ミリモル)を水1.5mlとエタノール1.5mlに溶かした溶液を加
え、95℃で16時間攪はんした。放冷後、希釈塩酸水10ml
を加えて弱塩基性とし、エーテル約15mlで3回抽出を行
った。エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾
過、濃縮すると、黄色ろう状物が40mg残った。これをシ
リカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル→塩化メチレ
ン/メタノール=9:1→塩化メチレン/メタノール/
2モル濃度アンモニア水=40:10:1)で精製する
ことにより、天然型スフィンゴシン(化合物(1)、式
中のR1、R2、R3は水素原子)が白色固体として25mg
(収率70%)得られた。 融点 72〜74℃ [α]D 24 -1.2°(c 1.0, CHCl3) Rf 0.36 (CH2Cl2/MeOH/2N-NH4OH = 40 : 10 : 1)1 H-NMR (CDCl3/CD3OD) 0.88 (3H, t, J=6.7 Hz), 1.25
(20H, s-like), 1.36 (2H, m), 2.06 (2H, q, J=6.8 H
z)), 2.87 (1H, m) 3.67 (1H, m), 4.07 (1H, m),5.45
(1H, dd, J=6.9, 15.0 Hz), 5.75 (1H, dt, J=7.5, 15.
0 Hz).
【0047】(第8工程)(B) 化合物(8) 19mg(0.05ミリモル)をテトラヒドロフラン
1.8mlに溶かし、2規定濃度塩酸0.2mlを加えて室温下20
時間攪はんした。反応液を氷冷し、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加えて中和しながら、クロロ炭酸エチル50
mg(0.46ミリモル)のTHF溶液1mlを5分間かけて加え
た。1時間後、水酸化ナトリウム100mg(2.5ミリモル)水溶
液1mlを加え、さらにエタノール1mlを加えて油浴上90℃
で2時間加熱した。放冷後、実施例1の第8工程(A)
において示したのと同様の後処理を行うことによりスフ
ィンゴシン(化合物(1)、 式中のR1、R2、R3
水素原子)が白色固体として10mg(収率70%)得られ、
各物性値も一致した。
【0048】
【参考例1】スフィンゴシン(化合物(1)、式中のR
1、R2、R3は水素原子)21mg(0.07ミリモル)を塩化メチ
レン2mlに溶かし、氷冷しながらピリジン0.1mlと無水酢
酸0.1mlを加えた。室温下攪はんしながらジメチルアミ
ノピリジン2mgを加えると反応は完結した。反応液を酢
酸エチル10mlで希釈後、少量の炭酸水素ナトリウムを含
む氷水10mlを加え、しばらく攪はんした。酢酸エチル−
水系で常法の抽出操作を行った後、有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濃縮すると白色固体が35mg残った。そ
れをシリカゲルクロマトグラフィーで精製することによ
り、N,O,O−トリアセチルスフィンゴシン(一般式
(1)中のR1、R2、R3はアセチル基)が無色固体と
して27mg(収率91%)得られた。 融点 105〜106℃ [α]D 24 -12.9゜(c 1.0, CHCl3) Rf値 0.25 (haxane/AcOEt = 1:2) IR 3300, 1740,
1670, 1555 cm-1 1 H-NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.8 Hz), 1.25 (20
H, s-like), 1.33 (2H,m), 1.98, 2.06, 2.07 (each 3
H, each s), 2.02 (2H, m), 4.04 (1H, dd, J=3.9 and
11.6 Hz), 4.30 (1H, dd, J=6.0, 11.6 Hz), 4.43 (1H,
m) 5.28 (1H, t-like, J=6.7 Hz), 5.39 (1H, dd, J=
7.4, 15.3 Hz), 5.70 (1H, d, J=9.1 Hz),5.83 (1H, d
t, J=6.8, 15.3 Hz).
【0049】
【参考例2】化合物(8) 50mg(0.13ミリモル)をメタノー
ル2.7mlに溶かし、2規定濃度塩酸0.3mlを加えて室温下
20時間攪はんした。反応液にクロロホルム/メタノール
=87:13混合液20mlと水10mlを加えてしばらく攪はんし
た後、層を分離し、水層をさらにクロロホルム/メタノ
ール混合液10ml×2回で抽出した。有機層を硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、濃縮すると1−O−ベンゾイルスフィン
ゴシン(一般式(1)中のR1はベンゾイル基、R2、R
3は水素原子)塩酸塩を主とする無色オイルが55mg残っ
た。これをテトラヒドロフラン3mlに溶かし、パルミチ
ン酸サクシイミドエステル60mg(0.17ミリモル)とトリエチ
ルアミン20mgを加え、室温下16時間攪はんした。その反
応液に1規定濃度水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え、
さらに室温下3時間攪はん後、希塩酸で中和し、塩化メ
チレン20mlと水10mlを加えてしばらく攪はんした。層を
分離後、水層を塩化メチレン10ml×2回で抽出した。有
機層を乾燥後、濃縮すると白色固体が110mg残った。こ
れをシリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン/メ
タノール=40:1)で精製することによりN−パルミ
トイルスフィンゴシン(一般式(1)中のR1、R3は水
素原子、R2はパルミトイル基)が58mg(収率83%)得
られた。 融点 90〜92℃ [α]D 24 -3.0°(c 1.0, CHCl3) Rf値 0.36 (AcOEt) IR (KBr) 3330, 1655, 1555 cm
-1 1 H-NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.7 Hz), 1.17 -
1.40 (48H, broad s), 2.05 (2H, q, J=6.9 Hz), 2.23
(2H, t, J=7.6 Hz), 2.65 (2H, broad s), 3.69(1H,
m), 3.90 (2H, m), 4.32 (1H, m), 5.53 (1H, dd, J=6.
4, 15.3 Hz), 5.78(1H, dt, J=6.6, 15.3 Hz), 6.22 (1
H, d J=7.6 Hz).
【0050】
【発明の効果】本発明により天然型スフィンゴシン及び
セラミドをグラムスケールで得ることができる。これら
の化合物及びその前駆物質の化合物(8)からスフィン
ゴ糖脂質を合成する方法はすでに確立されているので、
本発明により該糖脂質も比較的容易に得られるようにな
り、それらの機能解明及び医学分野への応用に役立つも
のと期待される。また、セラミドの水酸基に種々の親水
性基を導入することにより、簡便に広範囲の機能性界面
活性剤、両親媒性物質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然型スフィンゴシン類の製造工程を示した図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 319/20 413/06 319 // C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ベンゾイル−D−グルコサミンを出
    発原料として用いて、下記一般式(1) 【化1】 (式中のR1、R2、R3は水素原子を表す)で表わされ
    る天然型スフィンゴシンを製造する方法において、
    (i)N−ベンゾイル−D−グルコサミンにアセタール
    化剤を反応させて、一般式(2) 【化2】 (式中、Bzはベンゾイル基、R4は炭素数1〜4個の
    アルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基、R
    6は水素原子又は炭素数1〜4個のアルキル基を示す
    か、あるいはR4とR6はその末端が結合した炭素数4〜
    7個のメチレン基を示す)で表される4,6ーアセター
    ルを得る第1工程、(ii)前記第1工程で得られた4,
    6−アセタールを還元して、下記一般式(3) 【化3】 (式中、Bz、R4、R6は前記と同じ意味を有する)で
    表される2−ベンズアミド−2−デオキシ−D−グルシ
    トール誘導体を得る第2工程、(iii)前記第2工程で
    得られた2−ベンズアミド−2−デオキシ−D−グルシ
    トール誘導体をスルホニル化と同時にオキサゾリン化し
    て、下記一般式(4) 【化4】 (式中、Phはフェニル基、Rは炭素数1〜4のアルキ
    ル基又は置換されていてもよいアリール基を示し、R4
    及びR6は前記と同じ意味を有する)で表されるフェニ
    ルオキサゾリン誘導体を得る第3工程、(iv)前記第3
    工程で得られたファエニルオキサゾリン誘導体を脱アセ
    タール化して、下記一般式(5) 【化5】 (式中、Ph及びRは前記と同じ意味を有する)で表さ
    れるジオール化合物を得る第4工程、(v)前記第4工
    程で得られたジオール化合物をヨウ素化すると同時に還
    元的脱離させて、下記一般式(6) 【化6】 (式中、Ph及びRは前記と同じ意味を有する)で表さ
    れる末端ビニル化合物を得る第5工程、(vi)前記第5
    工程で得られたビニル化合物を塩基で処理して、下記一
    般式(7) 【化7】 (式中、Phは前記と同じ意味を有する)で表されるエ
    ポキシドを得る第6工程、(vii)前記第6工程で得ら
    れたエポキシドを一価銅塩の存在下でドデシルグリニャ
    ール試薬と反応させて、下記一般式(8) 【化8】 (式中、Phは前記と同じ意味を有する)で表されるド
    デシル基含有化合物を得る第7工程、(viii)前記第7
    工程で得られたドデシル基含有化合物を酸性条件下でそ
    のオキザゾリン環を開裂させると共に、そのベンゾイル
    基を脱離させて、前記一般式(1)で表される天然型ス
    フィンゴシンを得る第8工程、からなることを特徴とす
    る天然型スフィンゴシンの製造方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(7) 【化9】 (式中、Phはフェニル基を示す)で表されるエポキシ
    ドに、一価銅塩の存在下でドデシルグリニャール試薬と
    反応させることを特徴とする下記一般式(8) 【化10】 (式中、Phは前記と同じ意味を有する)で表されるド
    デシル基含有化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(3) 【化11】 (式中、Bz、R4、R6は前記と同じ意味を有する)で
    表される2−ベンズアミド−2−デオキシ−D−グルシ
    トール誘導体。
  4. 【請求項4】 下記一般式(4) 【化12】 (式中、Phはフェニル基、Rは炭素数1〜4のアルキ
    ル基又は置換されていてもよいアリール基を示し、R4
    及びR6は前記と同じ意味を有する)で表されるフェニ
    ルオキサゾリン誘導体。
  5. 【請求項5】 下記一般式(5) 【化13】 (式中、Ph及びRは前記と同じ意味を有する)で表さ
    れるジオール化合物。
  6. 【請求項6】 下記一般式(6) 【化14】 (式中、Ph及びRは前記と同じ意味を有する)で表さ
    れる末端ビニル化合物。
  7. 【請求項7】 下記一般式(7) 【化15】 (式中、Phは前記と同じ意味を有する)で表されるエ
    ポキシド。
JP6074085A 1994-03-18 1994-03-18 天然型スフィンゴシン類の製造方法とその合成中間体 Expired - Lifetime JP2560250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6074085A JP2560250B2 (ja) 1994-03-18 1994-03-18 天然型スフィンゴシン類の製造方法とその合成中間体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6074085A JP2560250B2 (ja) 1994-03-18 1994-03-18 天然型スフィンゴシン類の製造方法とその合成中間体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07258178A true JPH07258178A (ja) 1995-10-09
JP2560250B2 JP2560250B2 (ja) 1996-12-04

Family

ID=13536989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6074085A Expired - Lifetime JP2560250B2 (ja) 1994-03-18 1994-03-18 天然型スフィンゴシン類の製造方法とその合成中間体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2560250B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999012890A1 (fr) * 1997-09-11 1999-03-18 Takara Shuzo Co., Ltd. Derives de sphingosine et composition medicamenteuse

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999012890A1 (fr) * 1997-09-11 1999-03-18 Takara Shuzo Co., Ltd. Derives de sphingosine et composition medicamenteuse

Also Published As

Publication number Publication date
JP2560250B2 (ja) 1996-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1035820C (zh) 一种制备氨基磺酸酯衍生物的改进方法
JPS6058982A (ja) グアニン誘導体及びその製造方法及びそれを含有する製薬組成物
JPH0899989A (ja) 新規糖脂質誘導体およびその製造用中間体
CA1298579C (en) Glycolipid containing n-glycolylneuraminic acid and method of producingthe same
JP2560250B2 (ja) 天然型スフィンゴシン類の製造方法とその合成中間体
EP0204344A2 (en) Sialosylcerebrosides and a preparation method thereof
EP0638586A2 (en) Nucleoside derivatives and methods for producing them
CN1326864C (zh) 6r-(3,6-双脱氧-l-阿糖基-己吡喃糖基氧基)庚酸、其制备方法及其持久作用
EP0222172B1 (en) N-glycolylneuraminic acid derivative
EP0819697A2 (fr) 1-C-perfluoroalkyl glycosides, procédé de préparation et utilisations
JPH02292295A (ja) エトポシドの製造方法
IL117225A (en) Preparation of T4D from 5 methyluridine, and several intermediates for this
EP0640613A1 (en) OLIGOSIALYL-1,2-DIALKYL-Sn-GLYCEROL AND INTERMEDIATE FOR ITS SYNTHESIS
JP2003146957A (ja) バリオールアミン製造法およびその中間体
JPS62252788A (ja) 13−ヒドロキシミルベマイシン誘導体およびその製造法
JP3051213B2 (ja) マルトオリゴ糖誘導体、その合成中間体及びその製造方法
Khan et al. Synthesis, Characterization, X-Ray Crystallography, and Antileishmanial Activities of N-Linked and O-Linked Glycopyranosides.
JPS58206554A (ja) 新規なポリプレニル化合物
JP2005538080A (ja) 2−デオキシ−l−リボースの合成方法
JP2001131194A (ja) ヒノキチオールアセトグルコシドの製造方法
JP2756135B2 (ja) ムラミルトリペプチド誘導体の製造法
KR100550160B1 (ko) 알부틴 및 알파형 알부틴 제조용 중간체의 제조방법
JPH0689041B2 (ja) オリゴガラクチュロン酸の製造法
JPH03173891A (ja) レボグルコセノンの製造方法
CN116891415A (zh) 2-[2-(2-氨乙氧基)乙氧基]乙醇的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term