JPH07258436A - 複層イオン交換膜およびその製造方法 - Google Patents

複層イオン交換膜およびその製造方法

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JPH07258436A
JPH07258436A JP6049478A JP4947894A JPH07258436A JP H07258436 A JPH07258436 A JP H07258436A JP 6049478 A JP6049478 A JP 6049478A JP 4947894 A JP4947894 A JP 4947894A JP H07258436 A JPH07258436 A JP H07258436A
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JP
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ion exchange
polymer
ion
membrane
layer
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Withdrawn
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JP6049478A
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English (en)
Inventor
Ichiro Terada
一郎 寺田
Takeshi Komatsu
健 小松
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、拡散透析性能に優れた複
層イオン交換膜およびそれを多孔体膜の損傷を生じるこ
となく簡単に製造することのできる複層イオン交換膜の
製造法を提供することにある。 【構成】 この発明は、主鎖に芳香環を有する重合体を
ベースポリマーとするイオン交換体層と、多孔体膜に特
定のイオン交換容量を有する含フッ素スルホン酸重合体
で親水化処理してなる親水化多孔膜とが積層状態にある
ことを特徴とする複層イオン交換膜であり、またその新
規な製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複層イオン交換膜お
よびその製造方法に関し、さらに詳しくは、拡散透析性
能に優れた複層イオン交換膜およびそのように優れた拡
散透析性能を備え、かつ使用時に不純物質としての低分
子物質の溶出のない複層イオン交換膜を、簡単な装置
で、しかも多孔体膜の損傷を生じることなく製造するこ
とのできる複層イオン交換膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決使用とする課題】イオン交換
膜に関して数多くの文献、特許が報告されているが、最
も実用的で有益なものとして、スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体のスルホン化陽イオン交換膜およびクロロ
メチル化重合体のアミノ化陰イオン交換膜があげられ
る。これらは、優れた耐薬品性および耐熱性という特性
を有する外に、架橋剤であるジビニルベンゼンの含有量
を変えることによりイオン交換特性や選択透過性を制御
することのできることから、あらゆる用途に対し多種の
品種が合成され、発展してきた。
【0003】しかしながら、新しい用途、例えば工業塩
並の安価な食塩を製造する海水濃縮、レドックスフロー
電池やメタノール電池用セパレータなどに有用な超低抵
抗イオン交換膜に対し、従来のスチレン−ジビニルベン
ゼン系の重合体では対応できない欠点がある。
【0004】すなわち、抵抗を低下させるには、膜厚を
薄くする必要があるが、スチレン−ジビニルベンゼン系
樹脂は、機械的強度、特に脆さがあるので100μm以
下のイオン交換膜に形成することができない。さらに、
スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂は、機械的性質がさ
ほど良好でない上に、加工性が悪く、ホローファイバー
型や多孔性イオン交換膜などのような膜に形成すること
ができないと言う欠点がある。
【0005】そこで我々は、スチレン−ジビニルベンゼ
ン系陰イオン交換膜のそれらの欠点を補い、高い透過性
能を発現する膜として、特開平2−265929号公報
に開示されたように、主鎖に芳香環を含有する重合体を
用いたイオン交換体膜と親水化処理したポリオレフィン
またはフルオロポリオレフィンの多孔体膜とを複層化し
てなるイオン交換膜を提示した。このイオン交換膜は、
耐蝕性や耐熱性という観点から従来のスチレン−ジビニ
ルベンゼン系膜より優れた特性を有し、またイオン交換
体の機械的強度が高いことと、孔径の比較的小さい多孔
膜上に積層することとによりイオン交換体層の薄膜化が
可能で、従来の膜よりも酸透過性の高い膜が得られるよ
うになった。
【0006】しかしながら弗酸、硝酸、過酸化水素、酸
化性金属等の酸化力の高い物質を含む系などに前記イオ
ン交換膜を使用すると、イオン交換膜中の親水性物質が
酸化による劣化をおこしてイオン交換膜から溶出し、そ
れによってイオン交換膜の親水性が著しく低下する。そ
の結果、気泡がイオン交換膜の表面に付着してその性能
が低下したり、トラブル等の何らかの原因でイオン交換
膜を一旦乾燥してしまうとその後のイオン交換膜には液
が浸入しなくなるという欠点がある。
【0007】この発明の目的は、従来の技術が有してい
た前述の欠点を解消することにある。この発明の目的
は、低抵抗であって透過性が高く、しかも性能が安定的
に発現し、酸化力の高い物質を含む系に対しても支持体
多孔膜の親水性が失われないと言う性能の優れたイオン
交換膜を提供することにある。この発明の目的は、以下
の記述あるいはこの出願人が本願出願後に提出する書類
たとえば意見書等によっても、明らかにされることがで
きる。
【0008】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
ためのこの発明は、主鎖に芳香環を有する重合体をベー
スポリマーとするイオン交換体層と、多孔体膜にイオン
交換容量が0.6〜2.5ミリ当量/g樹脂の含フッ素
スルホン酸重合体を付着させてなる親水化多孔体層とを
積層してなることを特徴とする複層イオン交換膜であ
り、また、多孔体膜にイオン交換容量が0.6〜2.5
ミリ当量/g樹脂の含フッ素スルホン酸重合体を付着さ
せて親水化多孔体層を形成し、この親水化多孔体層と主
鎖に芳香環を有する重合体からなるイオン交換体層とを
積層することを特徴とする複層イオン交換膜の製造方法
である。
【0009】この発明は、原理的に言うと、主鎖に芳香
環を有する重合体をベースポリマーとする特定のイオン
交換体層と多孔体膜に特定の含フッ素スルホン酸重合体
を付着させてなる特定の親水化多孔体層とを組み合せた
ものであり、イオン選択性例えば陽イオン選択性または
陰イオン選択性はイオン交換体層に依存させ、親水化多
孔体層はもっぱらイオン交換体層を支持補強するという
発想に基づく。
【0010】この発明の好ましい態様では、電気抵抗の
高いイオン交換体層はイオン選択透過性を発現させるの
に必要な最小限の厚みに調製し、このイオン交換体層
は、電気抵抗が低く、かつ機械的強度の大きい多孔体層
をもって支持せしめるという原理に基づく。この場合多
孔体層はそれ自体疎水性であるので、この複層イオン交
換膜を水溶液系に使用するのであれば、その多孔体層を
親水化処理することが必要になる。しかしながら、通常
の親水性高分子物質で親水化処理をされた多孔体層を有
する複層イオン交換膜を、酸化力の高い物質を含む系に
使用すると、親水性高分子が酸化による劣化を起こして
複層イオン交換膜から溶出する。したがって、この発明
においては、多孔体層の親水化処理は、特定の親水性ポ
リマーすなわち特定のイオン交換容量を有する含フッ素
スルホン酸重合体を用いて行われる。
【0011】この発明におけるイオン交換体層として
は、実質的に芳香環を有し、かつイオン交換基が導入さ
れた重合体をベースポリマーとして使用する限り特に制
限がなく、実質的に芳香環と連結基とを有し、かつイオ
ン交換基が導入されてなる重合体が好ましい。
【0012】前記イオン交換体層としては、たとえばス
チレンとクロロメチルスチレンとジビニルベンゼンとの
共重合体、ビニルピリジン系重合体、ビニルアニリン系
重合体、ビニルイミダゾール系重合体、ポリフェニレン
オキサイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホン等のエンジニアリングプラスチクをベ
ースポリマーとし、その芳香環中にスルホン酸基、1〜
3級アミノ基および4級アンモニウム塩基よりなる群か
ら選択される少なくとも一種のイオン交換基が導入され
てなる重合体を挙げることができる。
【0013】上記の他に好ましい前記イオン交換体層と
しては、機械的性質、耐熱性、耐薬品性および薄膜成形
性に優れている点からして、主鎖中に芳香環を有し、か
つ少なくとも一の繰り返し単位が一般式(化2)
【0014】
【化2】
【0015】で示される芳香族系重合体であって、その
芳香環中にスルホン酸基、1〜3級アミノ基および4級
アンモニウム塩基よりなる群から選択される少なくとも
一種のイオン交換基が導入されてなる重合体を挙げるこ
とができる。
【0016】このイオン交換体層が、イオン交換基が導
入されたセグメントとイオン交換基が実質的に導入され
ていないセグメントとからなる芳香族系ブロック共重合
体であるときには、この発明における複層イオン交換膜
の機械的性質が優れ、薄膜化が可能であるのでイオン透
過性が高くなるから好ましい。
【0017】前記芳香族系ブロック共重合体としては、
主鎖中に芳香環を有し、かつ少なくとも一の繰り返し単
位が一般式(化3)
【0018】
【化3】
【0019】で示される芳香族系ブロック共重合体を挙
げることができる。
【0020】前記芳香族系ブロック共重合体として、例
えば、ポリフェニレンオキシド/ポリエーテルスルホン
ブロック共重合体、ポリフェニレンスルフィド/ポリエ
ーテルスルホンブロック共重合体、ポリアリールエーテ
ルエーテルスルホン/ポリエーテルスルホンブロック共
重合体、ポリアリールエーテルアリレート/ポリアクリ
レートブロック共重合体、およびポリアリールエーテル
スルホン/ポリチオエーテルスルホンブロック共重合体
を挙げることができる。
【0021】前記イオン交換体層の中でも好ましいの
は、一般式(化4)
【0022】
【化4】
【0023】で示される芳香族系ブロック共重合体であ
って、その芳香環中にスルホン酸基、1〜3級アミノ基
および第4級アンモニウム塩基よりなる群から選択され
る少なくとも一種のイオン交換基が導入されてなる重合
体を挙げることができる。
【0024】このような芳香族系ブロック共重合体を有
するイオン交換体層は、耐薬品性、イオン選択性、成形
加工性および機械的性質に優れ、さらに薄膜化が可能で
あり、低抵抗であると言う優れた特性を有する。
【0025】芳香環を有する重合体における少なくとも
一部の芳香環に、スルホン酸基を導入する方法、1〜3
級アミノ基および/または第4級アンモニウム塩基を導
入する方法は、本出願人による特開平1−215348
号公報および特開平2−21257号公報および特開平
5−228344号公報に記載されている。
【0026】さらに詳述すると、芳香環を有する重合体
における、少なくとも一部の芳香環に1〜3級アミノ基
および/または4級アンモニウム塩基を導入する方法と
しては、(a)芳香族環例えばベンゼン環またはナフタ
レン環にアミノアルキル基を導入し、必要によりハロゲ
ン化アルキルとの反応により4級アンモニウム塩に転換
する方法、(b)芳香族環例えばベンゼン環またはナフ
タレン環の水素をハロアルキル基に置換し、NH3 、1
〜2級アミンまたは3級アミンと反応させる方法、
(c)芳香族環例えばベンゼン環またはナフタレン環に
アルキル基が導入されている場合には、そのアルキル基
をハロアルキル基に転換した後に、アミンと反応させる
方法等を挙げることができる。
【0027】これら各種の方法の内、反応が容易に進行
し、イオン交換容量の調整を容易に行えること、および
ハロアルキル基の反応性を利用して架橋を導入すること
ができることという点で、前記(b)方法および(c)
のハロアルキル化−アミノ化反応を利用した方法が好ま
しい。
【0028】ハロアルキル基の導入方法としては、
(b)方法であって、クロルメチルメチルエーテル、
1,4−ビス(クロルメトキシ)ブタン、1−クロルメ
トキシ−4−クロロブタン、ホルマリン−塩化水素、パ
ラホルムアルデヒド−塩化水素等を使用する親電子置換
反応性のクロルメチル化反応を利用する方法、ならびに
(c)方法であって、塩素や臭素により直接にアルキル
基をハロゲン化する方法、N−ブロモスクシンイミドを
用いて光の存在下で臭素化する方法、および相間移動触
媒の存在下でハロゲン化する方法等を挙げることができ
る。
【0029】かくしてハロアルキル化例えばクロルメチ
ル化された重合体、すなわちハロアルキル化重合体は、
好ましくは以下の方法にて複層イオン交換膜にすること
ができる。
【0030】(A) ハロアルキル化重合体例えばクロルメ
チル化重合体を溶媒に溶解し、得られる溶液にアミンを
添加してアミノ基を導入する。(B) ハロアルキル化重合
体例えばクロルメチル化重合体を溶媒に溶解し、得られ
る溶液を流延し、膜状に形成した後、NH3 または1〜
3級アミンと接触させる。(C) ハロアルキル化重合体例
えばクロルメチル化重合体を溶媒に溶解し、ハロアルキ
ル基例えばクロルメチル基の一部例えば20〜80%の
3級アミンを添加し、陰イオン交換樹脂溶液とし、これ
を流延し、膜状に形成してから、残余のハロアルキル基
例えばクロルメチル基を加熱処理し、ルイス酸と接触さ
せ、あるいは少なくとも2個以上のアミノ基を有するア
ミンと反応させて架橋構造を導入する。
【0031】芳香環を有する重合体における、少なくと
も一部の芳香環にスルホン酸基を導入する方法として
は、(1) 主鎖中に芳香環を有する前記各種の重合体のい
ずれか一種またはその二種以上を所定の形状に形成し、
硬化した後にスルホン化する方法、(2) 主鎖中に芳香環
を有する前記各種の重合体の内のいずれか一種またはそ
の二種以上を所定の形状に成形した後に、スルホン化
し、その後に硬化する方法、(3) 主鎖中に芳香環を有す
る前記各種の重合体のいずれか一種またはその二種以上
をスルホン化し、その後に成形および硬化する方法を挙
げることができる。これらの中でもスルホン化反応およ
び硬化反応の制御の容易な前記(3) が好ましい。
【0032】以上の記述は、主鎖中に芳香環を有する重
合体にスルホン酸基を導入することと、スルホン酸基を
導入してなるイオン交換体の形成とに及んでいる。主鎖
中に芳香環を有する重合体あるいはその硬化体にスルホ
ン酸基を導入するには、主鎖中に芳香環を有する重合体
の膜状物とスルホン化剤とを接触させる方法も有効では
あるが、主鎖中に芳香環を有する重合体を溶解すること
ができ、しかもスルホン化剤に対して安定である溶剤
に、主鎖中に芳香環を有する重合体およびスルホン化剤
を溶解し、液状でこれらを反応させるのが好ましい。
【0033】その場合の溶剤としては、ハロゲン化炭化
水素類たとえばトリクロロエタン、テトラクロエタン等
を挙げることができる。
【0034】また、スルホン化剤として、濃硫酸、発煙
硫酸、クロロスルホン酸、無水硫酸、無水硫酸−トリエ
チルホスフェート錯体等いずれも制限なく使用すること
ができる。
【0035】このようにして、たとえば、主鎖中に芳香
環を有する重合体およびスルホン化剤を溶剤中で反応さ
せることによりスルホン酸基を導入することができ、反
応物の濃度、反応温度およ反応時間を適宜に設定するこ
とにより、所望するイオン交換容量を有するイオン交換
体を得ることができる。
【0036】主鎖に芳香環を有する重合体からなるイオ
ン交換体層のイオン交換容量は、通常0.5〜3.5ミ
リ当量/g乾燥樹脂、好ましくは1.0〜3.0ミリ当
量/g乾燥樹脂、更に好ましくは1.5〜2.5ミリ当
量/g乾燥樹脂である。また、このイオン交換容量は、
この明細書の実施例で採用されたイオン交換体層の内最
小のイオン交換容量から他の実施例で採用されたイオン
交換体層の内最大のイオン交換容量までの範囲を好適な
イオン交換容量範囲とすることもできる。また場合によ
っては、この明細書の実施例で採用されたイオン交換体
層の内最大のイオン交換容量を上限値とし、前記0.5
ミリ当量/g乾燥樹脂、1.0ミリ当量/g乾燥樹脂ま
たは1.5ミリ当量/g乾燥樹脂を下限値とするイオン
交換容量の範囲を好ましい範囲とし、あるいは、この明
細書の実施例で採用されたイオン交換体層の内最小のイ
オン交換容量を下限値とし、前記3.5ミリ当量/g乾
燥樹脂、3.0ミリ当量/g乾燥樹脂または2.5ミリ
当量/g乾燥樹脂を上限値とする範囲を好ましいイオン
交換容量の範囲とすることもできる。一般的に言うとイ
オン交換容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂より小さい
と膜抵抗が急激に上昇し、前述の各イオン交換容量の下
限値よりも小さいと、場合によっては膜抵抗が急激に上
昇し、また、一般的に言うと3.5ミリ当量/g乾燥樹
脂より高いと選択性および機械的強度が急激に低下し、
前述の各イオン交換容量の上限値よりも大きいと選択性
および機械的強度が急激に低下することがある。
【0037】このイオン交換体層の膜厚は、通常1〜3
0μmであり、好ましくは5〜25μmであり、さらに
好ましくは7〜20μmである。また、このイオン交換
体の膜厚は、この明細書の実施例で採用されたイオン交
換体層の内最小の膜厚から他の実施例で採用されたイオ
ン交換体層の内最大の膜厚までの範囲を好適な膜厚範囲
とすることもできる。また場合によっては、この明細書
の実施例で採用されたイオン交換体層の内最大の膜厚を
上限値とし、前記1μm、5μm、または7μmを下限
値とする膜厚の範囲を好ましい範囲とし、あるいは、こ
の明細書の実施例で採用されたイオン交換体層の内最小
の膜厚を下限値とし、前記30μm、25μm、または
20μmを上限値とする範囲を好ましい膜厚の範囲とす
ることもできる。一般的に言うと、膜厚が1μmより小
さいとピンホールフリーの緻密膜が形成されにくくて選
択性が低下し、前述の各膜厚の下限値よりも小さいと、
場合によってはピンホールフリーの緻密膜が形成されに
くくて選択性が低下し、また一般的に言うと、30μm
より厚いと膜抵抗が高くなって透過性が低下し、前述の
各膜厚の上限値よりも大きいと、場合によっては膜抵抗
が高くなって透過性が低下するので好ましくない。
【0038】前記イオン交換体層を積層する多孔体膜と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、
ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレンと炭素数3以
上特に炭素数3〜6のオレフィンとのエチレン共重合
体、プロピレンと炭素数4以上特に炭素数4〜6のオレ
フィンとのプロピレン共重合体、およびエチレン−酢酸
ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合
体、ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレ
ン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合
体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、クロ
ロトリフルオロエチレン/エチレン共重合体、フルオロ
オレフィン系モノマー/オレフィン系モノマー共重合体
等のフルオロポリオレフィンを挙げることができる。
【0039】前記ポリオレフィンの中でもポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペ
ンテン−1等のオレフィン単独重合体が好ましく、特に
炭素数2〜4のオレフィンから得られるオレフィン単独
重合体がより好ましく、ポリプロピレンが特に好まし
い。
【0040】好適なポリオレフィンの分子量としては、
ポリエチレンについては50,000〜200,00
0、ポリプロピレンでは100,000〜300,00
0、ポリ−4−メチルペンテン−1では分子量の指標と
なるメルトインデックス値で20〜200g/10分
(ASTM−D1238,260℃,5kg)である。
【0041】前記フルオロポリオレフィンの中でもポリ
フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン/パーフロロアルキルビニルエーテ
ル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオ
ロエチレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレ
ン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合
体、クロロトリフルオロエチレン/エチレン共重合体が
好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン等が好まし
い。
【0042】好適なフルオロポリオレフィンの分子量と
しては、ポリフッ化ビニリデンでは50,0000〜1
20,000、ポリテトラフルオロエチレンでは2,0
00,000〜80,000,000、ポリクロロトリ
フルオロエチレンでは100,000〜500,00
0、ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレ
ン共重合体では100,000〜500,000、エチ
レン/テトラフルオロエチレン共重合体では500,0
00〜1,000,000である。
【0043】この発明における多孔体膜の孔径は通常
0.01〜5μm、好ましくは0.02〜3μm、さら
に好ましくは0.04〜2μmである。また、この多孔
体膜の孔径は、この明細書の実施例で採用された多孔体
膜の内最小の孔径から他の実施例で採用された多孔体膜
の内最大の孔径までの範囲を好適な膜厚範囲とすること
もできる。また場合によっては、この明細書の実施例で
採用された多孔体膜の内最大の孔径を上限値とし、前記
0.01μm、0.02μm、または0.04μmを下
限値とする孔径の範囲を好ましい範囲とし、あるいは、
この明細書の実施例で採用された多孔体膜の内最小の孔
径を下限値とし、前記5μm、3μm、または2μmを
上限値とする範囲を好ましい孔径の範囲とすることもで
きる。
【0044】この発明における多孔体膜の空孔率(多孔
度とも称される。)は通常30〜90%、好ましくは4
0〜85%である。また、この多孔体膜の空孔率は、こ
の明細書の実施例で採用された多孔体膜の内最小の空孔
率から他の実施例で採用された多孔体膜の内最大の空孔
率までの範囲を好適な空孔率の範囲とすることもでき
る。また場合によっては、この明細書の実施例で採用さ
れた多孔体膜の内最大の空孔率を上限値とし、前記30
%、または40%を下限値とする空孔率の範囲を好まし
い範囲とし、あるいは、この明細書の実施例で採用され
た多孔体膜の内最小の空孔率を下限値とし、前記90%
または85%を上限値とする範囲を好ましい空孔率の範
囲とすることもできる。
【0045】この発明における多孔体膜の膜厚は通常1
0〜200μm、好ましくは25〜160μm、更に好
ましくは40〜140μmである。また、この多孔体膜
の膜厚は、この明細書の実施例で採用された多孔体膜の
内最小の膜厚から他の実施例で採用された多孔体膜の内
最大の膜厚までの範囲を好適な膜厚範囲とすることもで
きる。また場合によっては、この明細書の実施例で採用
された多孔体膜の内最大の膜厚を上限値とし、前記10
μm、25μm、または40μmを下限値とする膜厚の
範囲を好ましい範囲とし、あるいは、この明細書の実施
例で採用された多孔体膜の内最小の膜厚を下限値とし、
前記200μm、160μm、または140μmを上限
値とする範囲を好ましい膜厚の範囲とすることもでき
る。
【0046】多孔体膜の孔径が0.01μmより小さい
か、空孔率が30%より低い、または膜厚が200μm
より厚いと膜の抵抗が上昇し高い透過性が得られず、孔
径が5μmより大きいとその上に積層するイオン交換膜
の厚みが薄くできないため高い透過性が得られず、また
空孔率が90%より高いか、膜厚が10μmより薄いと
膜の強度が低下してしまうので好ましくない。
【0047】多孔体膜の製法としては種々の方法がある
が、延伸開孔法が好ましい方法として用いられる。延伸
開孔法は、高分子を中空糸またはフィルム状に成形した
後、延伸により開孔し、多孔体構造にする方法である。
この延伸開孔法は、物理的手段によって多孔体膜を得る
ことができ、孔径が比較的に小さくなるので表面の平滑
性および空孔率が高く、しかも機械的強度の大きな膜を
得ることができるので、この発明に使用される多孔体膜
の製造方法として好適である。
【0048】このような多孔膜上にイオン交換層を積層
する方法としては、イオン交換層と多孔体を溶融積層す
る方法やイオン交換体ポリマー溶液を多孔体上にコーテ
ィングする方法、イオン交換体ポリマー溶液を接着剤と
してイオン交換層と多孔体をはりあわせ、次いで乾燥す
る方法、モノマーを塗布した後に重合またはグラフトさ
せる方法等が考えられるが、イオン交換体ポリマー溶液
を多孔体膜上にコーティングする方法とイオン交換体ポ
リマー溶液を接着剤としてイオン交換層と多孔体膜をは
りあわせ乾燥する方法は緻密な薄膜が形成できるのでこ
の発明に好ましく使用される。
【0049】複層イオン交換膜の支持体である多孔体膜
を親水化処理する方法として、多孔体膜に親水性の高分
子物質を物理的に吸着させることが考えられる。また、
多孔体膜に親水性の低分子物質を物理的に吸着させる方
法もあるが、使用時に親水性低分子物質が容易に溶出す
るので好ましくない。また親水性物質を電子線や紫外線
等の放射線により固定化する方法、発煙硫酸、クロルス
ルホン酸、クロム酸、プラズマガス、オゾンガス等によ
り多孔体膜自体を表面修飾して親水化する方法もある
が、装置が大がかりになり、多孔体膜が損傷を受けるの
で好ましくない。
【0050】この発明に好ましい親水性高分子物質とし
ては、含フッ素スルホン酸重合体が挙げられる。含フッ
素スルホン酸重合体以外の親水性の高分子物質を使用し
ても、この発明の目的を達成することができない。
【0051】
【化1】
【0052】で示されるパーフルオロスルホン酸重合体
は、耐酸化性に優れておりこの発明で使用するのに好適
である。
【0053】前記(化1)で示される含フッ素スルホン
酸重合体の中でも、その平均分子量の指標であるTQ
(フローテスター装置により、長さ1mmおよび直径1
mmのノズルから30kgの荷重でポリマーを押し出す
ときに、0.1ml/秒の割合でポリマーが押し出され
るときの温度)が120〜350℃(JIS K−72
10、L/D=1、30kg)であり、特に150〜2
50℃であるのが好ましい。また別の表現をすると、前
記(化1)で示される含フッ素スルホン酸重合体の中で
も、前記(化1)中のpが60〜95モル%、特に75
〜90モル%であり、qが5〜40モル%、特に10〜
25モル%であり、rが0〜1であり、sが1〜5であ
り、特に1〜3である含フッ素スルホン酸重合体が好ま
しい。Xは、水素原子、アルカリ金属原子(例えばN
a、Kなど)、またはアルカリ土類金属原子である。
【0054】上記親水性高分子物質を多孔体膜に吸着さ
せる方法としてポリマー溶液コーティング法は緻密な薄
膜を多孔体内表面に形成できるので好ましい方法であ
る。この発明ではイオン交換膜と多孔体膜とを溶液を使
用して積層、あるいは多孔体膜上にイオン交換体溶液を
キャスト製膜するため、多孔体膜を親水化処理した後積
層すると、積層の際の溶媒により親水性高分子が一部溶
出する場合があるので、性能を安定的に発現させるため
には積層膜形成後親水化処理することが好ましい。
【0055】
【実施例】次にこの発明を実施例により説明するが、こ
の発明は、かかる実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0056】(実施例1)特開昭61−168629に
記載された合成法と同様にして、4,4’−ジフェノー
ル0.36モルとジクロロジフェニルスルホン0.39
6モルとを反応させ、芳香族ポリスルホンのユニットか
らなるm=10のプリカーサー0.36モルを合成し、
次いで該プリカーサー0.36モルとジクロロジフェニ
ルスルホン0.324モルと硫化ナトリウム0.378
モルとを反応させることによって、次式で示される芳香
族ポリスルホン−ポリチオエーテルスルホン共重合体2
20gを得た。
【0057】
【化5】
【0058】(ただし、m/nは1/1である。この芳
香族ポリスルホン−ポリチオエーテルスルホン共重合体
の固有粘度は0.50である。) 得られた共重合体75gを1,1,2,2−テトラクロ
ロエタン1,020mlに溶解し、クロルメチルメチル
エーテル400gおよび無水塩化スズ4.5gを添加し
て110℃で、4時間反応させた。反応後にメチルアル
コール5,000mlで沈殿し、洗浄することによって
クロルメチル化共重合体85gを得た。
【0059】得られたクロルメチル化共重合体50gを
N,N−ジメチルホルムアミド300mlに溶解して1
5重量%溶液を調製した。冷却撹拌しながら−10℃で
1NトリメチルアミンのN,N−ジメチルホルムアミド
溶液115mlをゆっくりと滴下し、滴下後所定量の2
−メトキシエタノールを添加した。このようにして、イ
オン交換容量が2.0ミリ当量/gの4級アミノ化ポリ
マーのN,N−ジメチルホルムアミド溶液A520ml
を得た。
【0060】アミノ化ポリマー溶液A30mlをポリエ
ステルフィルム上にキャスト製膜し、厚さ7μmのイオ
ン交換体層Bを形成した。
【0061】また、アミノ化ポリマー溶液A30mlを
N,N−ジメチルホルムアミド42mlで希釈し、ポリ
マー濃度5重量%のアミノ化ポリマー接着液C72ml
を得た。
【0062】前記イオン交換体層B上に前記アミノ化ポ
リマー接着液Cを液膜厚みが20μmになるようにコー
トし、延伸開孔法で調製したところの、乾燥膜厚(単に
膜厚とも称される。)が50μmであり、孔径が0.1
μmであり、空孔率が50%であるポリプロピレン製多
孔体膜Dを貼り合わせた。次いで50℃で2時間乾燥す
ることにより複層膜Eを得た。なお、多孔体膜Dを構成
するポリプロピレンの分子量は200,000であっ
た。
【0063】一方、アゾビスイソブチロニトリルを開始
剤としてテトラフルオロエチレン0.2モルとCF2
CFOCF2 CF(CF3 )O(CF22 SO2
0.045モルとを重合温度70℃および重合時間5時
間の重合条件下で共重合し、イオン交換容量1.1ミリ
当量/gのフッ化ポリオレフィン共重合体を得た。これ
を20%KOH水溶液中で90℃で16時間かけて加水
分解した後、1Nの塩酸に室温で16時間浸漬して酸型
に変換し、エタノールに溶解することにより濃度1%の
親水化溶液F1,500mlを得た。
【0064】前記複層膜Eの多孔体膜側に、前記親水化
溶液Fをコーティングした。コーティングされた液の膜
厚は100μmであった。次いで、温度50℃で30分
間乾燥して親水化処理を行って、複層イオン交換膜を得
た。
【0065】親水化処理後の複層イオン交換膜を透析セ
ルにはさみ、一方の面に3Mの硫酸と0.5Mの硫酸鉄
とを含有する水溶液を、他方の面にイオン交換水を接触
させた。このときのイオン交換水側に移動した硫酸およ
び鉄イオンの量から、この複層イオン交換膜の初期酸透
過係数および選択性を求めた。その結果を表1の初期酸
拡散透析性能の欄に示す。
【0066】また、この複層イオン交換膜を、3Mの弗
酸、3Mの硝酸及びこれらの混合水溶液それぞれに、9
0℃で1ヶ月浸漬した。浸漬後に複層イオン交換膜を取
り出して乾燥させた後、水面に浮かべた。いずれの酸で
浸漬処理した場合にも、液が多孔体膜内に侵入し、親水
性が失なわれていないことが確認された。また弗酸と硝
酸との混合水液中に90℃で1ケ月浸漬した後、乾燥し
た膜の拡散透析性能を上記と同様の方法により測定し
た。その測定値を表1の浸漬乾燥後酸拡散透析性能の欄
に示す。
【0067】(実施例2)実施例1において、1Nトリ
メチルアミンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液11
5mlを1NトリメチルアミンのN,N−ジメチルホル
ムアミド溶液69mlに変えることにより、イオン交換
容量を1.2ミリ当量/gの4級アミノ化ポリマーの
N,N−ジメチルホルムアミド溶液A475mlを得、
延伸開孔法で調製した孔径が0.1μmであり、空孔率
が50%であり、膜厚が50μmであるポリプロピレン
製多孔体膜Dの代わりに、延伸開孔法で調製した孔径が
1μmであり、空孔率が80%であるポリテトラフルオ
ロエチレン製多孔膜Dを多孔体膜として使用した以外は
実施例1と同様にして複層膜Eを得た。
【0068】得られた複層膜Eを5NのN,N,N’,
N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパンのエタ
ノール溶液に50℃で16時間浸漬し、イオン交換体層
に残存するクロロメチル基を架橋させることにより架橋
型の複層膜Eaを得た。この複層膜Eaを前記実施例1
におけるのと同じ親水化溶液Fで実施例1と同様の親水
化処理を行った。
【0069】親水化処理後の複層イオン交換膜を透析セ
ルにはさみ、一方の面に3Mの硫酸と0.5Mの硫酸鉄
とを含有する水溶液を、他方の面にイオン交換水を接触
させた。このときのイオン交換水側に移動する硫酸およ
び鉄イオンの量から、この複層イオン交換膜の酸透過係
数および選択性を求めた。
【0070】また、この複層イオン交換膜を、3Mの弗
酸、3Mの硝酸及びこれらの混合水溶液それぞれに、9
0℃で1ヶ月浸漬した。浸漬後に複層イオン交換膜を取
り出して乾燥させた後、水面に浮かべた。いずれの酸で
浸漬処理した場合にも、液が多孔体膜内に侵入し、親水
性が失なわれていないことが確認された。また弗酸と硝
酸との混合水液中に浸漬した膜の拡散透析性能を以下の
方法により測定した。拡散透析性能の測定値を表1に示
す。
【0071】(比較例1)実施例1において、親水化溶
液Fとして1%ポリビニルアルコールの水/メタノール
溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層された複
層イオン交換膜を調製した。
【0072】調製した積層された複層イオン交換膜につ
いて、実施例1におけるのと同様にして膜の酸拡散透析
性能測定および浸漬試験を実施した。浸漬試験ではいず
れの場合にも液が多孔体膜内に侵入せず、親水性が失な
われていた。拡散透析性能測定値を表1に示す。
【0073】(比較例2)実施例2において、親水化溶
液Fとして1%ポリエチレンイミンの水/メタノール溶
液を用いた以外は実施例2と同様にして積層されたイオ
ン交換膜を調製した。調製された積層されたイオン交換
膜について、実施例1におけるのと同様にして膜の酸拡
散透析性能測定および浸漬試験を実施した。浸漬試験で
はいずれの場合にも液が多孔体膜内に侵入せず、親水性
が失なわれていた。拡散透析性能測定値を表1に示す。
【0074】(実施例3)実施例2において、多孔体膜
を親水化処理した後に積層した以外は実施例2と同様に
して積層されたイオン交換膜を調製した。調製された積
層されたイオン交換膜について、実施例1におけるのと
同様にして膜の酸拡散透析性能測定および浸漬試験を実
施した。浸漬試験では弗酸と硝酸の混合液の場合に一部
液が多孔体膜内に侵入しない部分があった。拡散透析性
能測定値を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】上記実施例1、2および3ならびに比較例
1および2の結果から、主鎖に芳香環を有する重合体か
らなるイオン交換体層として、主鎖に芳香環を有する重
合体をベースポリマーとし、特に芳香族ポリスルホン−
ポリチオエーテルスルホン共重合体をベースポリマーと
し、このベースポリマーにアミノ基を初めとするイオン
交換基を導入してなるイオン交換体層を使用し、多孔体
膜として、ポリオレフィン特にポリプロピレンまたはフ
ルオロポリオレフィン特にポリテトラフルオロエチレン
であり、しかも膜厚が10〜200μm、特に40〜1
40μm、孔径が0.01〜5μm、特に0.04〜2
μmおよび空孔率が30〜90%、特に40〜85%で
ある多孔体膜を使用し、(化1)で示され、かつイオン
交換容量が0.6〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂である
含フッ素スルホン酸重合体、特に1.1ミリ当量/g乾
燥樹脂を中心として0.9〜1.2ミリ当量/g乾燥樹
脂のイオン交換容量を有するところの、テトラフルオロ
エチレンとCF2 =CF2OCF(CF3j O(CF2
k SO2 F(ただし、jは0〜1であり、kは1〜
5である。)とを共重合して得られる含フッ素スルホン
酸重合体を親水化処理に使用すると、得られる複層イオ
ン交換体は、酸透過係数および選択性が高く、また強酸
中に長時間浸漬されてもその親水性が失われず、したが
って耐酸化性にも優れ、強酸による溶出物もないことが
理解される。
【0077】前記実施例および比較例を比較すると、親
水化処理をしていない多孔体膜を、主鎖に芳香環を有す
る重合体をベースポリマーとするイオン交換体層に積層
し、次いで親水化処理をして得られる複層イオン交換体
膜(実施例1、2)のほうが、多孔体膜を親水化処理し
て得られる親水化多孔膜と主鎖に芳香環を有する重合体
をベースポリマーとするイオン交換体層とを積層して得
られる複層イオン交換体膜(実施例3)よりも、親水性
保持に優れている。
【0078】
【発明の効果】この発明によると、親水化処理された複
層イオン交換膜は、機械的強度が高く比較的孔径の小さ
い多孔体膜の上に酸の透過性能と耐酸化性に優れたイオ
ン交換薄膜を積層し、本来疎水性である多孔体層を耐酸
化性に優れた親水性ポリマーで親水化処理を行なって得
られるので、低抵抗で透過性が高く性能が安定的に発現
され、しかも酸化力の高い物質を含む系に対しても支持
体多孔膜の親水性が失われず性能が優れたイオン交換
膜、およびその簡単な製造方法を提供することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖に芳香環を有する重合体をベースポ
    リマーとするイオン交換体層と、多孔体膜にイオン交換
    容量が0.6〜2.5ミリ当量/g樹脂の含フッ素スル
    ホン酸重合体を付着してなる親水化多孔体層とが積層状
    態にあることを特徴とする複層イオン交換膜。
  2. 【請求項2】 前記多孔体膜が膜厚10〜200μm、
    孔径0.01〜5μm、多孔度30〜90%のポリオレ
    フィンおよび/またはフッ化ポリオレフィンからなる前
    記請求項1に記載の複層イオン交換膜。
  3. 【請求項3】 前記イオン交換体層が、 【化2】 で示される繰り返し単位を含有する芳香族系重合体にス
    ルホン酸基、1〜3級アミノ基および4級アンモニウム
    塩基よりなる群から選択される少なくとも一種のイオン
    交換基が導入されてなる前記請求項1または2に記載さ
    れた複層イオン交換膜。
  4. 【請求項4】 前記イオン交換体層が、 【化3】 で示される繰り返し単位を含有する芳香族系ブロック共
    重合体にスルホン酸基、1〜3級アミノ基および4級ア
    ンモニウム塩基よりなる群から選択される少なくとも一
    種のイオン交換基が導入されてなる前記請求項1〜3の
    いずれかに記載された複層イオン交換膜。
  5. 【請求項5】 前記イオン交換体層が、 【化4】 で示される繰り返し単位を含有するポリスルホン−ポリ
    スルホンチオエーテル共重合体にスルホン酸基、1〜3
    級アミノ基および4級アンモニウム塩基よりなる群から
    選択される少なくとも一種のイオン交換基が導入されて
    なる前記請求項1〜5のいずれかに記載された複層イオ
    ン交換膜。
  6. 【請求項6】 多孔体膜にイオン交換容量が0.6〜
    2.5ミリ当量/g樹脂の含フッ素スルホン酸重合体を
    付着させて親水化多孔体層を形成し、この親水化多孔体
    層と主鎖に芳香環を有する重合体からなるイオン交換体
    層とを積層することを特徴とする複層イオン交換膜の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 主鎖に芳香環を有する重合体をベースポ
    リマーとするイオン交換体層と多孔体膜とを積層一体化
    し、次いでイオン交換容量が0.6〜2.5ミリ当量/
    g樹脂の含フッ素スルホン酸重合体で親水化処理するこ
    とを特徴とする複層イオン交換膜の製造方法。
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