JPH0725924A - 有機過酸化物及びその用途 - Google Patents

有機過酸化物及びその用途

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JPH0725924A
JPH0725924A JP19388493A JP19388493A JPH0725924A JP H0725924 A JPH0725924 A JP H0725924A JP 19388493 A JP19388493 A JP 19388493A JP 19388493 A JP19388493 A JP 19388493A JP H0725924 A JPH0725924 A JP H0725924A
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JP
Japan
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polymer
polymerization
organic peroxide
formula
compound
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JP19388493A
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English (en)
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Shuji Suyama
修治 須山
Tomoyuki Nakamura
知之 中村
Mieko Takei
美枝子 武井
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NOF Corp
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度でありながら可撓性、流動性に優れた
高分子量ポリマーを効率よく製造する。 【構成】 一般式 【化8】 (但し、式中のRは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐の
アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、あるいは
置換フェニル基の何れかであり、l,mはいずれか一方
が少なくともlであり、更にl+mが6から220であ
る。)で示される有機過酸化物、該有機過酸化物を有効
成分とするビニル単量体のラジカル重合開始剤、及び該
有機過酸化物を重合開始剤とするビニル単量体の重合方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な構造をもつ有機過
酸化物、前記有機過酸化物を有効成分とするラジカル重
合開始剤、及びその重合開始剤を用いたビニル単量体の
重合方法に関するものである。更に詳しくは、ビニル単
量体を前記有機過酸化物をラジカル重合開始剤として重
合させることにより効率よく高分子量ポリマーを得るこ
とができ、得られたポリマーは高強度で、可撓性、流動
性に優れているという特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子材料の利用分野が多様化す
るのに伴い、種々の物性をもつポリマーが要求されてい
る。例えば、ラジカル重合においては、多官能開始剤や
ポリメリック開始剤等の特殊な重合開始剤を用いること
によって、改質されたポリマーが得られることが知られ
ている。そのようなポリマー物性を改質できる重合開始
剤として、例えば1,1−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)シクロヘキサンを用いることによって耐熱性や耐衝
撃性が改良されることが特開昭54−107994号公
報に、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリアジン及び
過トリメリット酸トリ−t−ブチルエステルを用いるこ
とによってポリマー骨格が星状となり高強度で且つ流動
性が良好なポリマーが得られることが特開昭58−83
008号公報、特開昭61−231005号公報に開示
されている。又、ポリ過酸化フタロイルなどのポリメリ
ック重合開始剤を用いれば新たな物性をもつブロックポ
リマーが製造されることも知られている(「工業化学雑
誌」第69巻、718頁、(1966))。更に、特開
平3−174460号公報では、一般式
【化2】 (式中、l、nは1〜20の整数で、mは0又は1〜5
の整数で、R1 、R2 、R3 、R4 は夫々水素又は炭素
数1〜5のアルキル基、シクロアルキル基、或いはフェ
ニル基である。)で示される繰り返し単位を有する低温
分解型ジアシル系有機過酸化物により脆性破壊挙動及び
繰り返し衝撃強度が改良されたポリマーが得られること
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近、
ポリマーの用途が益々多様化し、各用途で成形体に対す
る要求性能が高度化しており、従来法による方法では充
分には要求に応じることができなくなった。例えば、ポ
リマーの機械的強度を高めるための方法として、上述し
たように多官能開始剤やポリメリック開始剤等の特殊な
重合開始剤を用いてポリマーを高分子量化する方法は、
剛性の高いポリマーが得られるが、可撓性、耐衝撃性あ
るいは、流動性に劣り、得られるポリマーの成形性が低
下する欠点があり、機械的強度が高く、しかも成形性に
優れたポリマーは、単に高分子量化するのみでは得られ
ない。更に、特開平3−174460号公報による方法
においても、高強度で耐衝撃性の良好なポリマーが得ら
れるが、可撓性、流動性がなく、高度化した市場要求に
対して、その効果は充分満足できるものとは言えず、こ
のため、成形性に優れ、しかも従来品以上の機械的強度
をもつポリマーの開発が要求されており、そのような改
質が可能な重合開始剤の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記要求に応ずる目的で鋭意研究を重ねた結果、ビニル
単量体を重合させる際、重合開始剤として用いることに
より高分子量で高強度でありながら可撓性、流動性の優
れたポリマーを得ることのできる新規な有機過酸化物を
見出し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は一般式
【化3】 (但し、式中のRは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐の
アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、あるいは
置換フェニル基の何れかであり、l,mはいずれか一方
が少なくともlであり、更にl+mが6から220であ
る。)で示される有機過酸化物、該有機過酸化物を有効
成分とするビニル単量体のラジカル重合開始剤、及びそ
の重合開始剤を用いたビニル単量体の重合方法に関する
ものである。
【0006】本発明の有機過酸化物は、前記分子鎖両末
端にクロロホルミル基を有する液状ポリブタジエンの水
素化物とアルキルヒドロペルオキシドとを、アルカリ性
化合物又は第三級アミンの存在下において、過酸化物結
合の分解温度より低い温度で脱塩化水素反応を行い、ペ
ルオキシエステル結合させることにより得られる。
【0007】前述の分子鎖両末端にクロロホルミル基を
有する液状ポリブタジエンの水素化物は、一般式
【化4】 (但し、式中のl,mは何れか一方が少なくとも1であ
り、l+mが6〜220である。)で示される、過酸化
水素を開始剤としてブタジエンを重合して得られた分子
鎖両末端に水酸基を有する液状ポリブタジエンに水素添
加し、更に分子鎖両末端の水酸基を酸化してカルボキシ
ル基とし、常法に従って塩素化することによって得られ
る。
【0008】前述の分子鎖両末端に水酸基を有する液状
ポリブタジエンは、ブタジエンが1,2位で付加重合し
たものと1,4位で付加重合したものの混合物として得
られるが、それら1,2位付加物と1,4位付加物の組
成比は最終的に得られるポリマーに付与したい物性にあ
わせて適宜選択できる。即ち、一般式(化4)におい
て、l及びmは何れか一方が少なくとも1であればよ
く、lとmの比は制約されない。
【0009】又、一般式(化4)で示される分子鎖両末
端にカルボキシル基を有する液状ポリブタジエンの水素
化物は、平均分子量が300〜12000、好ましくは
500〜9000の範囲である。即ち、一般式(化4)
においてl+mが6〜220、好ましくは9〜160で
ある。分子量が300より低いと得られるポリマーに充
分な物性を付与することができず、又12000より高
くなると本発明の有機過酸化物の合成が困難となり、又
合成した場合は収率が低くなるので好ましくない。
【0010】本発明の有機過酸化物を得るために用いる
アルキルヒドロペルオキシドとしては、t−ブチルヒド
ロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−
ヘキシルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラ
メチルブチル(以下、t−オクチルと略記する)ヒドロ
ペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、m−イソプ
ロピルクミルヒドロペルオキシドなどが挙げられる。
【0011】本発明の有機過酸化物を合成するのに有用
なアルカリ性化合物として、無機塩基としては例えばN
aOH、KOH、LiOH、Na2 CO3 等が、第三級
アミンとしては、例えばピリジン、トリエチルアミン、
トリブチルアミン等が挙げられる。
【0012】更に溶媒として、ハロゲン化炭化水素(例
えばクロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例
えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン)又は脂肪族
炭化水素(例えばヘキサン、オクタン、石油エーテル、
ミネラルスピリット)を用いて合成することができ、又
合成後希釈して用いることもできる。
【0013】反応温度はヒドロペルオキシ基が分解する
温度以下で通常−10℃〜40℃程度である。
【0014】本発明の有機過酸化物は、赤外吸収スペク
トル及び核磁気共鳴スペクトルによってその構造が確認
され、又、ヨードメトリーによる活性酸素量からペルオ
キシ基の含有量を求めることができる。
【0015】本発明の有機過酸化物は、ビニルモノマー
のラジカル重合開始剤として有用である。本発明の有機
過酸化物を用いてラジカル重合できるビニルモノマーと
しては、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン
類、スチレン、α−メチルスチレン及びクロルスチレン
等の芳香族ビニル類、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニ
ル等のビニルエステル類、アクリロニトリル及びメタク
リロニトリル等の不飽和ニトリル類、アクリル酸、メタ
クリル酸及びこれらのエステル類及びアミド類、塩化ビ
ニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、及
びフッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物及びハ
ロゲン化ビニリデン化合物、四フッ化エチレン等のパー
ハロオレフィン類、メチルビニルエーテル及びブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、及びこれらの混合
物、例えばスチレン−メタクリル酸メチル、α−メチル
スチレン−アクリロニトリル及び、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン等が挙げられる。
【0016】本発明の有機過酸化物を開始剤として用い
る重合方法は、通常の塊状重合、懸濁重合、溶液重合等
公知の方法に何ら支障なく用いることができる。
【0017】本発明の有機過酸化物の添加量は、所望の
重合速度及び得られるポリマーの物性などに応じて適宜
決めることができるが、通常、ビニルモノマーの仕込量
1重量部に対して純品換算で1×10-5〜10重量部で
あり、好ましくは1×10-4〜1重量部である。
【0018】本発明の有機過酸化物を用いる場合の重合
温度は、40℃〜180℃、好ましくは60℃〜160
℃の範囲である。重合温度が40℃より低いと重合速度
が遅くなり経済的に不利で、又180℃より高いと、開
始剤の寿命が短くなり、高重合転化率に到達させること
が困難となるので好ましくない。
【0019】本発明の有機過酸化物は、単独で又は他の
重合開始剤と組み合わせて用いることができ、組み合わ
せて用いる他の重合開始剤としては、重合温度等に応じ
て従来の重合開始剤、即ち、他の有機過酸化物又はアゾ
化合物などの中から適宜選択できる。又、その使用量な
どについては所望の重合速度及び得られるポリマーの物
性などに応じて適宜決めることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の有機過酸化物は新規化合物であ
り、スチレンやメタクリル酸エステルをはじめとする各
種ビニル単量体の重合開始剤として有用であり、ビニル
単量体の重合に際して存在させることにより、効率よく
高分子量ポリマーが得られる。更にポリマー中に特定の
構造式で示される長鎖脂肪族飽和炭化水素骨格が導入さ
れているので、ポリマーは高強度でありながら可撓性及
び流動性などが改良されている。得られたポリマーは不
飽和ポリエステル硬化時の低収縮剤及びポリマーアロイ
用相溶化剤などとして用いることが可能である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。尚、有機過酸化物の合成実施例において
原料として用いた分子鎖両末端にクロロホルミル基を有
する液状ポリブタジエンの水素化物の平均分子量は、塩
素化に供した分子鎖両末端にカルボキシル基を有する液
状ポリブタジエンの水素化物の酸価から求めた平均分子
量から算出した。
【0022】実施例 1(有機過酸化物の合成) 攪拌装置、温度計を備えた500mlの4つ口フラスコ
中にt−ブチルヒドロペルオキシド8.1g(0.09
モル)、平均分子量2272の分子鎖両末端にクロロホ
ルミル基を有する液状ポリブタジエンの水素化物68.
2g(0.03モル)とクロロホルム140gを添加し
て、内容物を攪拌し、液温を35℃に保ちながらピリジ
ン23.7g(0.30モル)を滴下し、滴下終了後室
温で6時間反応させた。反応終了後、反応液を5%塩酸
250mlで2回洗浄して過剰のピリジンを除去し、5
%NaOH水溶液で1回洗浄した後、中性になるまで水
洗した。次いで、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネ
シウムで脱水し、吸引濾過後減圧濃縮し、55.9gの
薄灰色粘稠液を得た。
【0023】この物質の同定を、IR及び 1H−NMR
スペクトルで行ったところ、IRスペクトルにおいて1
780cm-1にペルオキシエステル化合物のカルボニル
吸収が確認された。更に 1H−NMRスペクトルにおい
て液状ポリブタジエンの水素化物に帰属されるメチレン
基及びメチル基のプロトンのピークがδ=1.24とδ
=0.84に夫々確認された。
【0024】1H−NMRスペクトルのプロトン比から
解析した結果、次の構造であることがわかった。
【化5】
【0025】ヨードメトリーで活性酸素量を測定した結
果、1.29%で、計算の結果、純度96.3%、収率
75.5%であった。
【0026】実施例 2〜4 アルキルヒドロペルオキシドの種類及びその使用量を表
1に示すようにかえた以外は実施例1に準じて有機過酸
化物の合成を行った。その結果、これらすべての物質の
IRスペクトルにおいてペルオキシエステル化合物のカ
ルボニル吸収が確認され、更に 1H−NMRスペクトル
において液状ポリブタジエンの水素化物に帰属されるメ
チレン基及びメチル基のプロトンのピークが確認され
た。得られた合成物の構造式、収量、活性酸素量、純度
及び収率を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例 5 分子鎖両末端にクロロホルミル基を有する液状ポリブタ
ジエンの水素化物として平均分子量753のものを2
2.6g(0.03モル)を用いた以外は実施例1に準
じて有機過酸化物の合成を行った。その結果、21.8
gの薄灰色粘稠液体が得られた。IRスペクトルにおい
てペルオキシエステル化合物のカルボニル吸収が確認さ
れ、更に 1H−NMRスペクトルにおいて液状ポリブタ
ジエンの水素化物に帰属されるメチレン基及びメチル基
のプロトンのピークが確認された。
【0029】1H−NMRスペクトルのプロトン比から
解析した結果、次の構造であることがわかった。
【化6】
【0030】ヨードメトリーによって求めたこの化合物
の活性酸素量は3.60%であり、純度96.8%、収
率81.8%であった。
【0031】実施例 6 分子鎖両末端にクロロホルミル基を有する液状ポリブタ
ジエンの水素化物として平均分子量8893のものを2
66.8g(0.03モル)を用いた以外は実施例1に
準じて重合開始剤の合成を行い、165.1gの薄灰色
粘稠液体を得た。IRスペクトルにおいてペルオキシエ
ステル化合物のカルボニル吸収が確認され、更に、 1
−NMRスペクトルにおいて液状ポリブタジエンの水素
化物に帰属されるメチレン基及びメチル基のプロトンの
ピークが確認された。
【0032】1H−NMRスペクトルのプロトン比から
解析した結果、次の構造であることがわかった。
【化7】
【0033】ヨードメトリーによって求めたこの化合物
の活性酸素量は0.33%であり、純度92.7%、収
率56.7%であった。
【0034】実施例 7(スチレンの重合) スチレン1500重量部及びエチルベンゼン500重量
部に対し、重合開始剤として実施例1の方法により合成
した本発明の有機過酸化物を12.4g(過酸化物結合
のモル数は0.010)添加した溶液を、内容量300
0mlの4つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、110
℃、10時間でスチレンの溶液重合を行った。次いで、
更に反応物にエチルベンゼンを加え希釈した後、再沈殿
溶剤をメタノールとして再沈殿法によりポリマーの精製
を2回行った。
【0035】得られたポリマーの乾燥重量から求めた重
合転化率は74.6%で、得られたポリマーの分子量を
GPCにより求めた結果、ポリマーの重量平均分子量は
37.3万であった。また、 1H−NMRによりポリマ
ーの構造を確認したところ、有機過酸化物の炭化水素骨
格に帰属されるメチル基の存在が確認され、明らかに長
鎖炭化水素骨格がポリスチレンに導入されていることが
確認された。又、 1H−NMRスペクトルの解析から、
計算によって求められた長鎖炭化水素骨格の導入率は
1.1重量%であった。
【0036】更に、重合体の物性を下記の方法で調べ
た。 (機械物性の測定)得られたポリマーをコールドプレス
により圧縮した後、射出成形機により幅12.62m
m、厚さ3.08mmの試験片を作成し、以下に示す機
械物性の測定を行い、重合体の物性を調べた。その結果
を表2に示す。 引張り試験 試験温度23℃において、JIS K−7113に準ず
る。引張り速さ5mm/min、チャック間距離115
mm。 曲げ試験 試験温度23℃において、JIS K−7203に準ず
る。曲げ速さ1.5mm/min、支点間距離50m
m。 メルトフローレート JIS K−7210に準ずる。試験温度200℃、荷
重5kgf。
【0037】
【表2】
【0038】実施例 8〜10 本発明の有機過酸化物である重合開始剤を表2に示すよ
うに変えた以外は、実施例7に準じてスチレンの溶液重
合を行い、得られたポリマーを実施例7に準じて精製し
た。更に、実施例7と同様にして試験片を作成し、物性
の評価を行った。その重合結果及び物性評価結果を表2
に示す。
【0039】比較例 1 実施例7の重合開始剤にかえて、t−ブチルペルオキシ
ラウレートの1.4g(0.005モル)を用いた以外
は、実施例7に準じてスチレンの溶液重合を行った。そ
の結果、重量平均分子量が37.6万のポリスチレンが
重合転化率67.6%で得られた。
【0040】本発明の重合開始剤は、表2に示されるよ
うに同分子量のポリマーと比べた場合に機械物性が向上
したポリマー、即ち、引張り及び曲げなどに対して高強
度でありながら、伸びやたわみで示される可撓性に優
れ、同時に流動性が良好なポリマーを得ることができ
る。
【0041】実施例 11(メタクリル酸メチルの重
合) メタクリル酸メチル60g及びベンゼン40gに対し重
合開始剤として実施例4で合成した、本発明の有機過酸
化物を26.5g(過酸化物結合のモル数は0.02
0)添加した試料溶液10mlを内容量20mlのガラ
スアンプルに添加しアンプルを真空脱気した後、溶融し
て封管した。次いで、アンプルを100℃の恒温油槽中
に入れ、5時間重合を行い、その後、反応物を取り出し
ガスクロマトグラフィーを用いて内部標準法により未反
応の単量体を定量して重合転化率を算出した。その結
果、重合転化率は98.5%であった。更に反応物にベ
ンゼンを加え希釈した後、再沈殿溶剤をメタノールとし
て再沈殿法によりポリマーの精製を2回行った。
【0042】得られたポリマーの分子量をGPCにより
求めた結果、重量平均分子量は10.0万であった。 1
H−NMRによりポリマーの構造を確認したところ、有
機過酸化物の炭化水素骨格に帰属されるメチレン基及び
メチル基の存在が確認され、明らかに長鎖脂肪族飽和炭
化水素骨格がポリメタクリル酸メチルに導入されている
ことが確認された。又、 1H−NMRスペクトルの解析
から、計算によって求められた長鎖炭化水素骨格の導入
率は5.1重量%であった。
【0043】更に、以下に示す試験により、重合体の塗
膜の性質を調べた。 (重合体による被膜の構造)実施例11で得た重合体を
トルエンに溶解し、その重合体溶液を幅50mm、長さ
150mm、厚さ0.3mmのボンデライト板(テスト
パネル社製)に塗布、風乾し、乾燥器にてトルエンを除
去し試験板を得た。
【0044】(塗膜の性質測定)前記試験板について折
り曲げ試験を行った。折り曲げ試験は、試験板の両端を
両手に持って折り曲げた時の、ボンデライト板と塗膜層
との剥れ具合を観察することによって行った。その結
果、塗膜上に剥離、クラック及び濁りは生じなかった。
【0045】比較例 2 重合開始剤として、t−ブチルペルオキシラウレートの
2.8g(0.01モル)を用い、実施例11に準じて
メタクリル酸メチルの溶液重合を行い、得られたポリマ
ーを実施例11に準じて精製したところ、重合転化率は
95.9%であり、ポリマーの重量平均分子量は10.
2万であった。実施例11に従い、重合体を塗布した試
験板を作成し、折り曲げ試験を行った。その結果、塗膜
上にクラックの発生を確認した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (但し、式中のRは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐の
    アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、あるいは
    置換フェニル基の何れかであり、l,mはいずれか一方
    が少なくともlであり、更にl+mが6から220であ
    る。)で示される有機過酸化物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有機過酸化物からなるビ
    ニル単量体の重合開始剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の有機過酸化物を重合開始
    剤とするビニル単量体の重合方法。
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