JPH0987246A - 1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル及びその用途 - Google Patents

1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル及びその用途

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JPH0987246A
JPH0987246A JP24795995A JP24795995A JPH0987246A JP H0987246 A JPH0987246 A JP H0987246A JP 24795995 A JP24795995 A JP 24795995A JP 24795995 A JP24795995 A JP 24795995A JP H0987246 A JPH0987246 A JP H0987246A
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JP
Japan
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tetramethylpropyl
peroxy ester
compound
mol
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JP24795995A
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English (en)
Inventor
Shuji Suyama
修治 須山
Toru Nishikawa
徹 西川
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Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重合体中の残存単体量及びオリゴマー量を低
減できる有機過酸化物としての新規な1,1,2,2−
テトラメチルプロピルペルオキシエステル、およびそれ
のビニル単量体の重合開始剤や不飽和ポリエステル樹脂
の硬化剤としての用途を提供する。 【解決手段】 一般式(1)の新規な1,1,2,2−
テトラメチルプロピルペルオキシエステル。 〔nは1又は2であり、nが1の場合Rはシクロアルキ
ル基、未置換及びメチル置換フェニル基又はCH
(R1 )R2 (R1 は水素又はC1〜4のアルキル基、
2 は水素又はC1〜10のアルキル基を示す)を、n
が2の場合Rはシクロアルキレン基、フェニレン基又は
CH(R1 )R2 CH(R3 )(R1 、R3 は水素又は
C1〜4のアルキル基、R2 はC0〜10のアルキレン
基を示す)を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビニル単量体の
重合開始剤や不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として使
用される新規な1,1,2,2−テトラメチルプロピル
ペルオキシエステル及びその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】80〜120℃という中高温域における
スチレン、メタクリル酸メチル等のビニル単量体の重
合、あるいはこれらのビニル単量体と共重合可能なビニ
ル単量体との共重合における重合開始剤として、また不
飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として、次のような過酸
化物が知られている。
【0003】すなわち、そのような過酸化物として、t
−ブチルヒドロペルオキシドから誘導されるt−ブチル
ペルオキシエステル、t−ヘキシルヒドロペルオキシド
から誘導されるt−ヘキシルペルオキシエステル、1,
1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシドか
ら誘導される1,1,3,3−テトラメチルブチルペル
オキシエステル類が知られている(例えば、特開昭62
−43409号公報、特開平3−139507号公報、
特開平5−51422号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有機過酸化
物を用いて得られる重合体あるいは硬化物に求められる
性能としては、引張強度、衝撃強度、曲げ強度等の機械
的強度、透明性、無着色性等の光学的性質、その他経日
安定性、耐溶剤性、耐薬品性等が挙げられる。
【0005】重合体の機械的強度は、重合体の分子量が
大きいほど良好であるとされているが、機械的強度を含
め、光学的性質や経日安定性等の諸性能を満足させる為
には、平均分子量が大きいことに加え、残存する単量体
及びオリゴマーの含有量を少なくすることが必要であ
る。
【0006】残存する単体量を低減させるためには、重
合開始剤の使用量を多くするか、あるいは、より高温活
性な重合開始剤を組み合わせて用いる必要があった。し
かし、重合開始剤の使用量を多くした場合、得られる重
合体の分子量が低下し、機械的強度を低下させるという
問題があった。
【0007】また、熱分解温度の異なる有機過酸化物の
組み合わせからなる重合開始剤を用いる方法がある。例
えば、特公昭47−7891号、特公昭63−4292
1号公報等には低温側有機過酸化物としてベンゾイルペ
ルオキシドを、高温側有機過酸化物としてtーブチルペ
ルオキシベンゾエート等のペルオキシエステルを用いる
重合開始剤が示されている。
【0008】しかしながら、従来から用いられている有
機過酸化物は、重合体の分子切断(開裂)を起こすとい
う性質も持っており、特に重合後期において、重合開始
剤残存量に対して単量体の残存量が少なくなると重合体
の開裂が優先して起こることが知られている。さらに、
これらの手法を取った場合、重合体中に重合開始剤であ
る有機過酸化物が多く残存し、重合体を成形加工する
際、この有機過酸化物が分解することにより、重合体を
開裂させることも知られている。
【0009】重合体の開裂は分子量を低下させてオリゴ
マーを生じ、機械的強度を低下させるとともに、重合体
の末端に不飽和結合を生じさせ、熱安定性や経日安定性
を低下させる原因となる。このように、従来の有機過酸
化物を重合開始剤として使用した重合法により得られた
重合体には、なお実用的に改善すべき点が残っている。
すなわち、特に残存単量体及びオリゴマー量を低減でき
る有機過酸化物が望まれている。
【0010】一方、不飽和ポリエステル樹脂の硬化分野
では、特に中高温域の硬化において、10時間半減期温
度が70〜100℃程度の有機過酸化物が用いられてい
る。しかし、これらの有機過酸化物を用いた硬化系は、
主に硬化速度の面から提案されたものであり、樹脂硬化
物中の残存単量体量についてはあまり考慮されてないの
が実状である。樹脂硬化物中の残存単量体は、成型品に
臭気をもたらし、末端ユーザーにおける臭気上のトラブ
ルが発生するとともに、成型品の機械的強度、透明性、
無着色性等の光学的性質、その他耐溶剤性、耐薬品性等
の悪化の原因となっていた。
【0011】このように、従来の有機過酸化物を硬化剤
として使用する硬化により得られた硬化物には、なお実
用的に改善すべき点が残っている。すなわち、特に残存
単量体及びオリゴマー量を低減できる有機過酸化物が望
まれている。
【0012】この発明は、以上のような従来技術に存在
する問題に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、重合体中の残存単量体及びオリゴマーを低
減できる有機過酸化物としての新規な1,1,2,2−
テトラメチルプロピルペルオキシエステルを提供するこ
とにある。その他の目的とするところは、ビニル単量体
の重合開始剤や不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として
好適に使用できる1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ルペルオキシエステルの用途を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために長期にわたって研究した結果、特定の
有機過酸化物を用いることにより、上記の問題点が解決
されることを知りこの発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、第1の発明は、前記一般式
(1)で表される1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ルペルオキシエステルである。但し、一般式(1)中の
nは1又は2であり、nが1の場合、Rはシクロアルキ
ル基、未置換及びメチル置換フェニル基又はCH
(R1 )R2 (式中R1 は水素又は炭素数1〜4のアル
キル基、R2 は水素又は炭素数1〜10のアルキル基を
示す)を表し、nが2の場合、Rはシクロアルキレン
基、フェニレン基又はCH(R1 )R2 CH(R3
(式中R1 、R3 は水素又は炭素数1〜4のアルキル
基、R2 は炭素数0〜10のアルキレン基を示す)を表
す。
【0015】第2の発明は、第1の発明の一般式(1)
で表される1,1,2,2−テトラメチルプロピルペル
オキシエステルよりなるビニル単量体の重合開始剤であ
る。第3の発明は、第1の発明の一般式(1)で表され
る1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエ
ステルよりなる不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態につ
いて詳細に説明する。この発明の前記一般式(1)で表
されるペルオキシエステルは、t−アルキルペルオキシ
基において、ペルオキシ基が結合する炭素(α位炭素)
にメチル基及びt−ブチル基を有する構造のものであ
り、文献未記載の新規化合物である。
【0017】一般式(1)中のnやRは、新規有機過酸
化物として取得が容易であり、この化合物を単量体の重
合に使用した場合、得られる重合体中の残存単量体やオ
リゴマーを少なくできるように設定される。
【0018】前記ペルオキシエステルは、モノペルオキ
シエステル(n=1)及びジペルオキシエステル(n=
2)に分けることができる。次に、このペルオキシエス
テルの製造法について述べる。
【0019】すなわち、ペルオキシエステルは、下記一
般式(2)で示される酸クロリドと1,1,2,2−テ
トラメチルプロピルヒドロペルオキシドとを、アルカリ
性化合物又は第三級アミンの存在下において、生成物で
あるペルオキシエステルの分解温度より低い温度にて反
応させることにより得られる。
【0020】
【化2】
【0021】〔式中nは1又は2であり、nが1の場
合、R′はシクロアルキル基、未置換及びメチル置換フ
ェニル基、又はCH(R1 )R2 (式中R1 は水素又は
炭素数1〜4のアルキル基、R2 は水素又は炭素数1〜
10のアルキル基を示す)を表し、nが2の場合、R′
はシクロアルキレン基、フェニレン基又はCH(R1
2 CH(R3 )(式中R1 、R3 は水素又は炭素数1
〜4のアルキル基、R2 は炭素数0〜10のアルキレン
基を示す)を表す。〕 前記のアルカリ性化合物としては、無機塩基、例えばN
aOH、KOH、LiOH、Na2 CO3 等であり、第
三級アミンとしては、例えば、ピリジン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン等である。
【0022】前記反応において溶媒を用いてもよい。溶
媒を用いると、反応時間の短縮、あるいは収率の向上を
図ることができる。溶媒として芳香族炭化水素、例えば
トルエン、エチルベンゼン又は脂肪族炭化水素、例えば
ヘキサン、オクタン、石油ナフサ、ミネラルスピリット
又はイソパラフィンを主成分とする脂肪族炭化水素、例
えば商品名「シェルゾール」(シェル化学社製)が好適
である。
【0023】前記の反応における酸クロリドと1,1,
2,2−テトラメチルプロピルヒドロペルオキシドの比
はモノペルオキシエステルの場合モル比で1:0.8〜
1.4の範囲であり、ジペルオキシエステルの場合モル
比で1:1.6〜2.8の範囲である。この範囲外のモ
ル比では得られるペルオキシエステルの品質及び収率低
下を招き好ましくない。
【0024】反応温度は合成されるペルオキシエステル
の分解温度以下であり、通常−10〜40℃程度であ
る。この範囲外の温度では得られるペルオキシエステル
の品質及び収率低下を招き好ましくない。
【0025】ペルオキシエステルを合成するのに用いら
れる1,1,2,2−テトラメチルプロピルヒドロペル
オキシドは、下記構造式(3)で示される。
【0026】
【化3】
【0027】このヒドロペルオキシドは強酸触媒、例え
ば硫酸、リン酸、過塩素酸、イオン交換樹脂の酸体又は
p−トルエンスルホン酸の存在下において、1,1,
2,2−テトラメチルプロパノールを過剰の過酸化水素
で処理することにより得られる。
【0028】このヒドロペルオキシドは白色結晶であ
り、赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルによ
り同定され、その化学構造が決定される。また、ヨード
メトリーによる活性酸素量からペルオキシ基の含有量を
求めることができる。
【0029】ペルオキシエステルは、先に述べたヒドロ
ペルオキシドの場合と同様に赤外吸収スペクトル、及び
核磁気共鳴スペクトルによってその構造が決定される。
このペルオキシエステルは、単量体を重合する際に添加
されたとき、分解されて生成した活性種に基づいて重合
後期においても高い活性が維持される。従って、ペルオ
キシエステルは、ビニル単量体の重合開始剤、架橋剤や
不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としての用途に好適で
ある。
【0030】そこで、まずペルオキシエステルをビニル
単量体の重合開始剤としての使用する場合について説明
する。ペルオキシエステルは、ビニル単量体の重合又は
共重合に有効な重合開始剤である。適用できるビニル単
量体としては、例えばエチレン、プロピレン、スチレ
ン、α−メチルスチレン及びクロルスチレン等のオレフ
ィン類、1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプ
レン等のジオレフィン類、酢酸ビニル及びプロピオン酸
ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル及びメ
タクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、アクリル酸、
メタクリル酸及びこれらのエステル類及びアミド類、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン
及びフッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物及び
ハロゲン化ビニリデン化合物、四フッ化エチレン等のパ
ーハロオレフィン類、メチルビニルエーテル及びブチル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、及びこれらの混
合物、例えば、スチレン−ブタジエン及びアクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン等が挙げられる。
【0031】ペルオキシエステルをビニル重合の重合開
始剤として使用する場合の添加量は、ビニル単量体の仕
込量100重量部に対して純品換算で0.001〜5重
量部であり、好ましくは0.01〜2重量部である。そ
の量が0.001重量部未満では重合速度が遅くなる傾
向にある。また、5重量部を越えると重合反応の制御が
困難となり、得られる重合体の物性も低下する傾向にあ
るので好ましくない。
【0032】さらに、ペルオキシエステルを用いるビニ
ル単量体の重合及び共重合の方法としては、通常用いら
れる懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等、あるいは
それらを組み合わせた重合方法のどの方法でも使用する
ことができ、使用するビニル単量体の種類によって、適
宜選択することが可能である。また、バッチ式及び連続
式のいずれでも良い。重合温度は20〜250℃、好ま
しくは30〜200℃の範囲である。重合温度が20℃
未満では重合時間が長くなる傾向にあり、一方250℃
を越えると重合開始剤の寿命が短くなり、高重合転化率
に到達させることが困難となるので好ましくない。
【0033】次に、ペルオキシエステルを不飽和ポリエ
ステル樹脂の硬化剤として使用する場合について説明す
る。ペルオキシエステルは、不飽和ポリエステル樹脂の
硬化剤としても優れた性質を有している。ペルオキシエ
ステルを硬化剤として利用できる不飽和ポリエステル樹
脂は、通常、不飽和ポリエステル及び1種又はそれ以上
のビニル単量体を含む。
【0034】不飽和ポリエステルとしては、例えば少な
くとも1種のエチレン系不飽和ジ−又はポリカルボン
酸、酸無水物又は酸ハロゲン化物、例えばマレイン酸、
フマル酸、グルタル酸、フタル酸、イタコン酸、テレフ
タル酸、テトラヒドロフタル酸等を飽和又は不飽和ジ−
又はポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,2−、
1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、
2−ブテン−1,4−ジオール、グリセリン等でエステ
ル化することによって得られるようなポリエステル等が
挙げられる。
【0035】不飽和ポリエステル樹脂組成物に含まれる
ビニル単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン、ジアリルフタレート、アクリ
ロニトリル、メチルメタクリレート等、又はこれらの混
合物で、該不飽和ポリエステルと共重合し得るものであ
る。
【0036】硬化剤として用いる場合のペルオキシエス
テルの添加量は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部
に対して通常0.1〜3重量部であり、好ましくは0.
5〜2重量部である。その添加量が0.1重量部未満で
は硬化速度が遅くなる傾向にある。また、3重量部を越
えると硬化反応の制御が困難となり、得られる硬化物の
物性も低下する傾向にあるので好ましくない。また、硬
化温度は約20〜200℃の範囲である。硬化温度が2
0℃未満では硬化時間が長くなる傾向にあり、一方20
0℃を越えると硬化剤の寿命が短くなり、高硬化度に到
達させることが困難となるので好ましくない。
【0037】ペルオキシエステルを上記重合開始剤ある
いは硬化剤として使用する際、単独で使用可能である
が、他の有機過酸化物と併用して使用することも可能で
ある。他の有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビ
ス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)−シクロヘキサン等のペルオキシケタール類、ベン
ゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等のジア
シルペルオキシド類、t−ブチルペルオキシイソプロピ
ルカーボネート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、
t−ブチルペルオキシー2ーエチルヘキサノエート等の
ペルオキシエステル類、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物等が挙げられる。
【0038】これらの重合開始剤の添加量は適宜選択す
ればよいが、通常ペルオキシエステルの添加量の1/4
〜4倍量である。添加量が1/4未満では併用の効果が
発現せず、一方4倍を越えるとペルオキシエステルの効
果が発現されず好ましくない。
【0039】また、ペルオキシエステルを用いるビニル
単量体の重合及び不飽和ポリエステル樹脂の硬化におい
て、重合、硬化速度の調整、あるいは分子量を調整する
ために連鎖移動剤、例えばメルカプタン類、α−メチル
スチレンダイマー、ターピノーレン等を用いることが可
能である。
【0040】なお、ペルオキシエステルは、通常合成品
そのまま用いるが、必要により適宜希釈して使用しても
よい。以上詳述したように、実施形態によれば、次のよ
うな利点を有する。 (1)従来存在しなかった新規な有機過酸化物としての
1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエス
テルを提供することができる。 (2)このペルオキシエステルを使用して重合を行った
とき、特に重合後期における活性が高く重合後期に単量
体の重合を維持することができることから、残存単量体
を低減させることができる。従って、重合体を加熱して
所定形状に成形する場合に生成するオリゴマー量を低減
させることができる。 (3)引張強度、伸びなどの機械的強度が高く、物性の
良好なビニル重合体や不飽和ポリエステル樹脂を得るこ
とができる。 (4)ペルオキシエステルは、重合開始能に優れ、残存
単量体を低減させることができるため、ビニル単量体の
重合開始剤として有用である。 (5)ペルオキシエステルは、所定の硬化能を有し、残
存単量体を低減させることができることから、不飽和ポ
リエステル樹脂の硬化剤として有用である。
【0041】
【実施例】次に、この発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。なお、各例中の略号は以下の化合物を示
す。 4MIB:1,1,2,2−テトラメチルプロピルペル
オキシイソブチレート 4MO:1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオ
キシ−2−エチルヘキサノエート 4MZ:1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオ
キシベンゾエート 4MA:1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオ
キシアセテート 4MAZ:1,7−ビス( 1,1,2,2−テトラメチ
ルプロピルペルオキシ)−ヘプタメチレンジエステル 4MCH:1,4−ビス(1,1,2,2−テトラメチ
ルプロピルペルオキシ)−シクロヘキシルジエステル BuIB:t−ブチルペルオキシイソブチレート BuO:t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート BuZ:t−ブチルペルオキシベンゾエート BuA:t−ブチルペルオキシアセテート OcZ:1、1、3、3−テトラメチルブチルペルオキ
シベンゾエート OcO:1、1、3、3−テトラメチルブチルペルオキ
シ−2−エチルヘキサノエート BPO:ベンゾイルペルオキシド (実施例1、4MIBの合成例)撹拌機及び温度計を備
えた容量1リットルの四つ口フラスコに、20%水酸化
カリウム水溶液336.7g(1.2モル)と純度97
%の1,1,2,2,−テトラメチルプロピルヒドロペ
ルオキシド149.9g(1.1モル)を入れて撹拌
し、外部から氷浴にて冷やし、内温を10〜15℃に保
った。そこに、イソ酪酸クロリド106.6g(1.0
モル)を30分かけて滴下した。
【0042】その後、15〜20℃で2時間反応を継続
した。撹拌を止め、内容物を分離ロートに移して分液
し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液300gで2
回洗浄し、次いで水で中性になるまで洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。そして、液状生成物181g
を得た。
【0043】ヨードメトリーにより、この液状生成物の
活性酸素量を求めた結果、7.81%で純度98.7
%、収率88.3%であった。この物質の同定は、赤外
線吸収スペクトル分析法(IR)、核磁気共鳴スペクト
ル分析法(NMR)及び質量分析法 (Exact Mass) によ
り行った。
【0044】 Exact Mass:202.15867(理論値:202.1
5689)1 H−NMRスペクトル Ha 1.04,s,9H Hb 1.22,s,6H Hc 1.61,d,6H Hd 5.29,m,1H この結果、この化合物は下記化学式(4)で表されるペ
ルオキシエステルであることがわかった。
【0045】
【化4】
【0046】さらに、この化合物について、ベンゼンを
溶媒として熱分解テストを行った(濃度:0.1モル/
リットル)。その結果、このペルオキシエステルの10
時間半減期温度(T10)は70.1℃であった。 (実施例2、4MOの合成例)実施例1のイソ酪酸クロ
リドの代わりに、2−エチルヘキサン酸クロリド16
2.7g(1.0モル)を用いた以外は実施例1に準じ
て反応を行った。そして、液状生成物224gを得た。
【0047】ヨードメトリーにより、この液状生成物の
活性酸素量を求めた結果、6.10%で純度98.6
%、収率85.3%であった。この物質の同定は、I
R、NMRスペクトル及び質量分析法 (Exact Mass) に
より行った。
【0048】 Exact Mass:258.21953(理論値:258.2
1950)1 H−NMRスペクトル Ha 0.85,m,6H Hb 1.02,s,9H Hc 1.27,s,6H Hd 1.54,m,8H He 2.24,m,1H この結果、この化合物は下記化学式(5)で表されるペ
ルオキシエステルであることがわかった。
【0049】
【化5】
【0050】さらに、この化合物について、ベンゼンを
溶媒として熱分解テストを行った(濃度:0.1モル/
リットル)。その結果、このペルオキシエステルのT10
は65.0℃であった。 (実施例3、4MZの合成例)実施例1のイソ酪酸クロ
リドの代わりに、安息香酸クロリド140.6g(1.
0モル)を用いた以外は実施例1に準じて反応を行っ
た。そして、液状生成物211gを得た。
【0051】ヨードメトリーにより、この液状生成物の
活性酸素量を求めた結果、6.92%で純度97.9
%、収率87.3%であった。この物質の同定は、I
R、NMRスペクトル及び質量分析法 (Exact Mass) に
より行った。
【0052】 Exact Mass:236.14111(理論値:236.1
4124)1 H−NMRスペクトル Ha 1.01,s,9H Hb 1.26,s,6H Hc 7.43,m,2H Hd 7.58,m,1H He 7.95,m,2H この結果、この化合物は下記化学式(6)で表されるペ
ルオキシエステルであることがわかった。
【0053】
【化6】
【0054】さらに、この化合物について、ベンゼンを
溶媒として熱分解テストを行った(濃度:0.1モル/
リットル)。その結果、このペルオキシエステルのT10
は97.4℃であった。 (実施例4、4MAの合成例)実施例1のイソ酪酸クロ
リドの代わりに、酢酸クロリド78.5g(1.0モ
ル)を用いた以外は実施例1に準じて反応を行った。そ
して、液状生成物150gを得た。
【0055】ヨードメトリーにより、この液状生成物の
活性酸素量を求めた結果、8.76%で純度95.4
%、収率82.4%であった。この物質の同定は、I
R、NMRスペクトル及び質量分析法 (Exact Mass) に
より行った。
【0056】 Exact Mass:174.12590(理論値:174.1
2559)1 H−NMRスペクトル Ha 1.06,s,9H Hb 1.16,s,6H Hc 1.81,s,3H この結果、この化合物は下記化学式(7)で表されるペ
ルオキシエステルであることがわかった。
【0057】
【化7】
【0058】さらに、この化合物について、ベンゼンを
溶媒として熱分解テストを行った(濃度:0.1モル/
リットル)。その結果、このペルオキシエステルのT10
は94.2℃であった。 (実施例5、4MAZの合成例)実施例1のイソ酪酸ク
ロリドの代わりに、アゼライン酸クロリド112.6g
(0.5モル)を用いた以外は実施例1に準じて反応を
行った。そして、液状生成物179gを得た。
【0059】ヨードメトリーにより、この液状生成物の
活性酸素量を求めた結果、7.10%で純度92.4
%、収率79.4%であった。この物質の同定は、I
R、NMRスペクトル及び質量分析法 (Exact Mass) に
より行った。
【0060】 Exact Mass:416.31388(理論値:416.3
1379)1 H−NMRスペクトル Ha 1.03,s,9H Hb 1.17,s,6H Hc 1.31,m,6H Hd 1.72,m,4H He 2.31,t,4H この結果、この化合物は下記化学式(8)で表されるペ
ルオキシエステルであることがわかった。
【0061】
【化8】
【0062】さらに、この化合物について、ベンゼンを
溶媒として熱分解テストを行った(濃度:0.1モル/
リットル)。その結果、このペルオキシエステルのT10
は91.3℃であった。 (実施例6、4MCHの合成例)実施例1のイソ酪酸ク
ロリドの代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸クロリド104.5g(0.5モル)を用いた以外は
実施例1に準じて反応を行った。そして、液状生成物1
45gを得た。
【0063】ヨードメトリーにより、この液状生成物の
活性酸素量を求めた結果、7.22%で純度90.4
%、収率80.1%であった。この物質の同定は、I
R、NMRスペクトル及び質量分析法 (Exact Mass) に
より行った。
【0064】 Exact Mass:400.28261(理論値:400.2
8249)1 H−NMRスペクトル Ha 1.04,s,9H Hb 1.09,s,6H Hc 2.06,m,8H Hd 2.48,m,2H この結果、この化合物は下記化学式(9)で表されるペ
ルオキシエステルであることがわかった。
【0065】
【化9】
【0066】さらに、この化合物について、ベンゼンを
溶媒として熱分解テストを行った(濃度:0.1モル/
リットル)。その結果、このペルオキシエステルのT10
は80.4℃であった。 (実施例7〜14、その他の1,1,3,3−テトラメ
チルプロピルペルオキシエステルの合成)酸クロリドの
種類及び量を表1及び表2に示すように変更した以外、
実施例1と同様に処理した。得られた物質はすべて無色
の液体であり、実施例1と同様の方法で同定し、それぞ
れの化合物を確認した。さらに、実施例1と同様の方法
で各化合物のT10を求めた。それらの結果を表3〜6に
示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】(実施例15、スチレンの懸濁重合例)内
容量5000mlの撹拌機を有する反応器にイオン交換
水2000ml、スチレン1000ml、ラウリルベン
ゼンスルホン酸ソーダ0.2g、第三燐酸カルシウム2
0g及び重合開始剤として4MZ9.6(0.04モ
ル)gを仕込んだ。そして、110℃で3時間重合後、
1時間で130℃まで昇温し、その温度で2時間重合を
続けた。得られた重合体を濾過し、希塩酸で洗浄し、次
いで水洗した後、風乾した。
【0074】得られた重合体をガスクロマトグラフ(G
LC)及びゲルパーミエーションクロマトグラフ(GP
C)により重合転化率と分子量を測定した。その結果、
重合転化率は99.87%、数平均分子量(Mn)17
5000、重量平均分子量(Mw)356000であっ
た。得られた重合体中に残存するスチレン量を測定した
ところ、0.18%であった。
【0075】また、得られた重合体から射出成形機を用
いて機械強度測定用の試料を作成した。そして、引張強
度を測定した。その結果、引張強度は530kg/cm2
あった。また、破断時の伸び率は8%であった。 (比較例1)実施例15の4MZの代わりに、BuZ8
g(0.04モル)を使用した以外は実施例15と同様
に重合を行った。
【0076】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は98.76%、Mn152000、Mw29
8000であった。得られた重合体中に残存するスチレ
ン量を測定したところ、0.44%であった。
【0077】得られた重合体から射出成形機を用いて機
械強度測定用の試料を作成した。そして、引張強度を測
定した。その結果、引張強度は480kg/cm2 であっ
た。破断時の伸び率は6%であった。 (比較例2)実施例15の4MZの代わりに、OcZ1
0g(0.04モル)を使用した以外は実施例15と同
様に重合を行った。
【0078】得られた重合体をGLC及びGPCにより
重合転化率と分子量を測定した。その結果、重合転化率
は99.38%、Mn168000、Mw327000
であった。得られた重合体中に残存するスチレン量を測
定したところ、0.31%であった。
【0079】得られた重合体から射出成形機を用いて機
械強度測定用の試料を作成した。そして、引張強度を測
定した。その結果、引張強度は500kg/cm2 であっ
た。破断時の伸び率は7.2%であった。
【0080】実施例15及び比較例1及び2より、この
発明の方法により得られた重合体は、従来の方法により
得られた重合体と比べ、分子量が大きく、また重合体中
に残存する単量体が低減することにより、引張強度、破
断伸びが大きく、機械的強度に優れることが判る。 (実施例16)実施例15の4MZの代わりに、4MA
7g(0.04モル)を使用した以外は実施例15と同
様に重合を行った。
【0081】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は99.85%、Mn178000、Mw33
8000であった。 (比較例3)実施例15の4MZの代わりに、BuA
5.3g(0.04モル)を使用した以外は実施例15
と同様に重合を行った。
【0082】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は99.02%、Mn170000、Mw32
9000であった。 (実施例17)実施例15と同じ装置に、イオン交換水
2000ml、スチレン1000ml、ラウリルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ0.2g、第三燐酸カルシウム20
g及び重合開始剤として4MIB15.9g(0.08
モル)を仕込んだ。そして、80℃で3時間重合後、1
時間で100℃まで昇温し、その温度で2時間重合を続
けた。得られた重合体を濾過し、希塩酸で洗浄し、次い
で水洗した後、風乾した。
【0083】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は99.65%、Mn123000、Mw23
8000であった。 (実施例18)実施例17の4MIBの代わりに、4M
O20.7g(0.08モル)を使用した以外は実施例
17と同様に重合を行った。
【0084】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は99.63%、Mn124000、Mw23
6000であった。 (実施例19)実施例17の4MIBの代わりに、重合
開始剤として4MO10.4g(0.04モル)とBP
O9.7g(0.04モル)を使用した以外は実施例1
7と同様に重合を行った。
【0085】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は99.69%、Mn123000、Mw23
2000であった。 (比較例4)実施例17の4MIBの代わりに、BuI
B12.8g(0.08モル)を使用した以外は実施例
17と同様に重合を行った。
【0086】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は99.27%、Mn119000、Mw28
8000であった。 (比較例5)実施例17の4MIBの代わりに、BuO
17.3g(0.08モル)を使用した以外は実施例1
7と同様に重合を行った。
【0087】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は99.15%、Mn113000、Mw28
5000であった。 (比較例6)実施例17の4MIBの代わりに、重合開
始剤としてBuO8.7g(0.04モル)とBPO
9.7g(0.04モル)を使用した以外は実施例17
と同様に重合を行った。
【0088】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は98.81%、Mn114000、Mw28
5000であった。
【0089】実施例16〜19及び比較例3〜6の結果
から、この発明のペルオキシエステルが、従来使用され
ている比較例3〜6の有機過酸化物に比べ重合活性が高
いことがわかる。 (実施例20、スチレン−アクリロニトリルの共重合)
容量500mlのステンレス製オートクレーブに、イオ
ン交換水200mlとポリビニルアルコール0.1gを
入れ溶解させた。その後、スチレン140g、アクリロ
ニトリル60g、n−ドデシルメルカプタン0.3g及
び重合開始剤として4MIB2.0g(0.01モル)
を添加した。オートクレーブの空間部分を窒素ガスで十
分に置換した後密栓した。それを撹拌しながら恒温油槽
中、100℃で10時間重合させた。重合を行った後、
冷却し、重合物をメタノール中に投入し再沈澱を行い、
濾別して乾燥した。
【0090】得られた重合体について、GLC及びGP
Cにより重合転化率と分子量を測定した。その結果、重
合転化率は91.6%、Mn152000、Mw298
000であった。 (比較例7)実施例20の4MIBの代わりにBuIB
1.6g(0.01モル)を使用した以外は実施例20
と同様に重合を行った。その結果、重合転化率は80.
7%、Mn155000、Mw294000であった。 (実施例21、メタクリル酸メチルの重合)容量20m
lのガラスアンプルにメタクリル酸メチル10g、n−
ドデシルメルカプタン0.02g及び重合開始剤として
4MIB0.0040g(2×10 -5モル)を添加し
た。アンプルを真空脱気した後、溶融して封管した。そ
れを恒温油槽中で80℃で5時間重合し、さらに100
℃で2時間重合させた。このアンプルを開封し、GLC
及びGPCにより重合転化率と分子量を測定した。その
結果、重合転化率は99.59%、Mn165000、
Mw323000であった。 (比較例8)実施例21の4MIBの代わりに、BuI
B0.0032g(2×10-5モル)を使用した以外は
実施例21と同様に重合を行った。その結果、重合転化
率は99.05%、Mn165000、Mw31600
0であった。 (実施例22、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチル
の共重合)容量20mlのガラスアンプルにメタクリル
酸メチル9.9g、アクリル酸ブチル0.1g、n−ド
デシルメルカプタン0.02g及び実施例2で合成した
4MO0.0052g(2×10-5モル)を添加し、ア
ンプルを真空脱気した後、溶融して封管した。それを恒
温油槽中90℃で7時間重合させた。アンプルを開封
し、GLC及びGPCにより重合転化率と分子量を測定
した。その結果、重合転化率は98.6%、Mn135
000、Mw280000であった。 (比較例9)実施例22の4MIBの代わりに、BuO
0.0043g(2×10-5モル)を使用した以外は実
施例22と同様に重合を行った。その結果、重合転化率
は97.3%、Mn137000、Mw288000で
あった。
【0091】実施例20〜22及び比較例7〜9の結果
より、ビニル単量体の共重合においても、各実施例のペ
ルオキシドが、通常使用される比較例7〜9のペルオキ
シドに比べ重合活性が高いことがわかる。 (実施例23、不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として
の使用)不飽和ポリエステル樹脂(エポラックG−11
0AL、日本触媒化学工業(株)製)100重量部に、
硬化剤として4MO1重量部を添加して均一に溶解し
た。2枚のガラス板(160×160×5mm)を軟質塩
化ビニルチューブで枠取りして、留め金で5mm間隔とな
るように固定し、これに上記調製した樹脂を注入した。
次いで、注入口を上にして、70℃の恒温器中に30分
間放置して硬化させた。硬化後、室温まで冷却し硬化物
を取り出し、バーコール硬度計を用いて表面の硬度を測
定した結果、その値は51であった。また、残存するス
チレン量を測定したところ、0.21%であった。 (比較例10)硬化剤として実施例23で用いたペルオ
キシドの代わりに、BuOを用いた以外は実施例23に
準じて不飽和ポリエステル樹脂の硬化を行い、実施例2
3と同じ方法で表面硬度を測定した。その結果、表面硬
度の値は46、残存スチレン量は0.93%であった。 (比較例11)硬化剤として実施例23で用いたペルオ
キシドの代わりに、OcOを用いた以外は実施例23に
準じて不飽和ポリエステル樹脂の硬化を行い、実施例2
3と同じ方法で表面硬度を測定した。その結果、表面硬
度の値は49、残存スチレン量は0.40%であった。
【0092】実施例23及び比較例10、11の結果よ
り、この発明のペルオキシドが、従来使用されている有
機過酸化物に比べ活性が高く、また残存スチレン量が少
ないことがわかる。
【0093】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 (a)前記一般式(2)で表される酸クロリドと1,
1,2,2−テトラメチルプロピルヒドロペルオキシド
とを、アルカリ性化合物又は第三級アミンの存在下に反
応させる請求項1に記載の一般式(1)で表される1,
1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル
の製造方法。この方法によれば、新規な1,1,2,2
−テトラメチルプロピルペルオキシエステルを容易に、
しかも収率良く得ることができる。 (b)前記酸クロリドと1,1,2,2−テトラメチル
プロピルヒドロペルオキシドのモル比は、前記一般式
(1)で表される1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ルペルオキシエステルがモノペルオキシエステルの場
合、1:0.8〜1.4である上記(a)に記載の1,
1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル
の製造方法。この製造方法によれば、得られるペルオキ
シエステルの品質と収率を高めることができる。 (c)前記酸クロリドと1,1,2,2−テトラメチル
プロピルヒドロペルオキシドのモル比は、前記一般式
(1)で表される1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ルペルオキシエステルがジペルオキシエステルの場合、
1:1.6〜2.8である上記(a)に記載の1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステルの製
造方法。この方法によれば、生成するペルオキシエステ
ルの品質と収率を高めることができる。
【0094】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。第1の発明によれ
ば、新規かつ有用な有機過酸化物である1,1,2,2
−テトラメチルプロピルペルオキシエステルを提供する
ことができる。
【0095】第2の発明によれば、第1の発明のペルオ
キシエステルを、ビニル単量体の重合開始剤として使用
した場合、重合体中の残存単量体及びオリゴマーを低減
できるとともに、得られるビニル重合体の引張強度、伸
びなどの機械的強度や、その他の物性を良好に維持する
ことができる。
【0096】第3の発明によれば、不飽和ポリエステル
樹脂の硬化剤として使用したとき、重合体中の残存単量
体及びオリゴマーを低減できるとともに、不飽和ポリエ
ステル樹脂の引張強度、伸びなどの機械的強度や、その
他の物性を良好に維持することができる。
【0097】従って、新規物質に関するこの発明は工業
的利用価値が極めて高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される1,1,
    2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル。 【化1】 〔式中nは1又は2であり、nが1の場合、Rはシクロ
    アルキル基、未置換及びメチル置換フェニル基又はCH
    (R1 )R2 (式中R1 は水素又は炭素数1〜4のアル
    キル基、R2 は水素又は炭素数1〜10のアルキル基を
    示す)を表し、nが2の場合、Rはシクロアルキレン
    基、フェニレン基又はCH(R1 )R2 CH(R3
    (式中R1 、R3 は水素又は炭素数1〜4のアルキル
    基、R2 は炭素数0〜10のアルキレン基を示す)を表
    す。〕
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(1)で表され
    る1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエ
    ステルよりなるビニル単量体の重合開始剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(1)で表され
    る1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエ
    ステルよりなる不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤。
JP24795995A 1995-09-26 1995-09-26 1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル及びその用途 Pending JPH0987246A (ja)

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