JPH0726156B2 - 磁気特性および表面性状に優れた方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性および表面性状に優れた方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0726156B2
JPH0726156B2 JP63287520A JP28752088A JPH0726156B2 JP H0726156 B2 JPH0726156 B2 JP H0726156B2 JP 63287520 A JP63287520 A JP 63287520A JP 28752088 A JP28752088 A JP 28752088A JP H0726156 B2 JPH0726156 B2 JP H0726156B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、磁気特性に優れしかも表面欠陥の少ない方
向性電磁鋼板の有利な製造方法に関するものである。
(従来の技術) 一方向性電磁鋼板は、主に変圧器や発電機の鉄心材料と
して使用され、磁束密度が高く、かつ鉄損が低いことが
必要とされる。
ところで近年、省エネルギーに対する強い要請を反映し
て、特性の優れた方向性電磁鋼板の安価な供給が強く望
まれており、特性を安定させることと共に、製造コスト
を如何に低減させるかが重要な課題となっている。
磁気特性に優れた方向性電磁鋼板を得るには、基本的に
{110}<001>方位いわゆるゴス方位に高度に集積した
2次再結晶組織を得ることが必要である。ゴス方位の2
次再結晶粒を発達させるためには粒界移動を適度に抑制
する分散析出相いわゆるインヒビターの存在が必要であ
り、かようなインヒビターとしてMnSe,MnS,AlNなどが一
般的に利用されている。この場合、熱延に先だつスラブ
加熱時にMnSe,MnSなどを十分に解離固溶させた後、適切
な条件で熱間圧延ついで冷却を行うことによって微細か
つ均一に分散析出させることが非常に重要であり、かか
るMnSe,MnS等の固溶解離のためには高いスラブ加熱温度
を必要とする。したがって特性向上を目的とした高温ス
ラブ加熱方法に関しては、これまでにも多くの技術が提
案されている。
例えば特公昭47−14627号、特公昭57−41526号、特公昭
54−27820号、特公昭61−0530号、特公昭59−37330号、
特開昭61−69724号、特開昭61−246317号および特開昭6
1−288020号各公報。
上記の技術はいずれも、スラブを高温で加熱することに
よって特性の向上を狙ったものである。このようにスラ
ブを高温加熱すればインヒビターが十分に溶解し、特性
がある程度向上することは良く知られており、その点に
ついて多大の努力が払われてきた。しかしながら既存の
設備,操業技術では、加熱温度を上げるとはいってもそ
れには自ら限界があった。また従来、インヒビターを十
分に固溶、均一化するためには高温のみならず長時間の
加熱が必要であるとされ、一般的に1〜2時間の均熱が
必要とされたが、この点にも難があった。
(発明が解決しようとする課題) 上述のとおり、従来の技術ではスラブを高温に加熱する
ことは設備的に困難であり、またSi含有鋼は高温で酸化
溶融し易く加熱効率も良好とはいえなかった。したがっ
て加熱温度を高くするために多大な努力が払われてきた
にもかかわらず、その実現可能な温度はせいぜい1400℃
までとされていた。
また一方で、温度確保のためにスラブを高温域で長時間
加熱するとスラブ結晶粒の異常成長を誘発、粗大化した
結晶粒は熱間圧延においても十分に破壊再結晶せず、し
ばしば2次再結晶不良の原因となるだけでなく、表面粒
界酸化等により致命的な表面欠陥を生成してしまうこと
も多い。
このように従来のスラブ加熱技術では、磁気特性および
表面特性を同時に満足させることは極めて困難であっ
た。
なお上記の問題を解決するものとして、最近、特開昭63
−109115号公報において、低酸化雰囲気の誘導加熱炉に
てスラブ表面温度が1420〜1495℃の温度域に短時間加熱
する方法が提案された。しかしながらこの方法でも、表
面温度を中心温度より高くすることを前提としているの
で、スラブ表層部をこのような高温に加熱した場合の結
晶粒粗大化に起因する2次再結晶不良が避けられなかっ
た。そのためかかる高温加熱に起因した不良発生を避け
るべくスラブ再圧処理すなわちスラブ加熱前に10〜30%
程度の歪を加え再結晶させ組織を均一化する処理の如き
特別な処理を別途必要とし、大幅なコスト上昇の原因と
なっていた。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、とく
にスラブ加熱を適切な条件で行うことによって、磁気特
性および表面特性に優れた方向性電磁鋼板を安価に得る
ことができる製造法を提案することを目的とする。
(課題を解決するための手段) さて発明者らは、種々検討した結果、上記の諸問題の原
因が、必要とされる適正なスラブ内加熱温度分布と実際
に付与される加熱温度分布とが、うまく合致していなか
ったことによるものであることを知見し、かかる知見に
基づいてこの発明を完成させるに至ったものである。
以下、この発明の解明経緯について説明する。
発明者らはまず、けい素を含有した一方向性電磁鋼板の
内部性状の調査から始めた。
Si:3.4wt%(以下単に%で示す)、Se:0.02% を含有する連続鋳造スラブの粗大析出物すなわち直径が
5μm以上の(Mn,Fe)Seなどの析出物のスラブ厚み方
向における分布を調べた。その結果を第1図に示す。
同図より明らかなように、解離固溶が非常に困難な粗大
析出物(インヒビター)は、スラブ表層より厚みで約1/
5付近までは少なく、それより中心部にかけて急激に増
加しているのが確認された。
このような粗大析出物はスラブ凝固時に生成するが、通
常のスラブ厚みが100〜300mm程度のスラブ連続鋳造方法
においては、多くの努力をしたにもかかわらずかかる粗
大析出物の生成を避けることにいまだ成功していない。
実際、通常の鋳込み条件においては、冷却水比の増加や
凝固部に対する電磁撹拌処理の付与によってもこれら析
出物の大きさと分散状態には顕著な変化がないことが確
認された。もちろん中心偏析部や内部割れ発生部におい
てはさらに大きな析出物が偏在しているのが観察され
た。
これらの析出物が存在していても、通常のマクロ的化学
分析方法では、その有無によるスラブ厚み方向の成分変
化は検出できないものであり、従来から知られているマ
クロ的中心偏析とは異なる分布を持ったものである。
一般に溶解温度以上では、析出物の解離溶解過程は析出
物を構成する溶質元素の拡散速度に律速される。したが
って析出物の大きさが大きくなると溶解時間は析出物の
大きさのほぼ2乗に比例して大きくなる。それ故表層に
比べ中心層に存在する粗大なインヒビターは非常に溶解
しにくいことになる。
とくに短時間でインヒビターを完全に溶解させようとす
るならば、中心層は表層より一層の高温度が必要とな
る。
しかしながら一方では、けい素鋼スラブは、高温加熱時
に結晶粒が粗大化し易く、それが2次再結晶不良あるい
は表面欠陥の原因となることが知られている。とくにス
ラブ表層部は柱状晶になっているので結晶粒の異常成長
が極めて起き易い。従ってスラブ組織の変化を防止する
ためのインヒビターの溶解とは逆に鋼板表面は低温が好
ましい。
第2図に、一般的なスラブ加熱方式で加熱処理を施した
場合のスラブ厚み方向の温度分布を示す。
最新の高温加熱タイプのウオーキングビーム式ガス加熱
炉で加熱されたスラブの典型的な断面温度分布は、曲線
(2)で示したとおりであり、中心部に比べて表面の温
度が少なくとも数10℃は高くなっている。一方第1図か
ら予想されるスラブ内部組織を考慮した最適加熱温度分
布は曲線(1)のとおりである。従ってとくに加熱時間
を可能な限り短くしようとする場合には加熱温度確保が
絶対となる。
設備能力を無視して従来のウオーキングビーム式ガス加
熱炉(これは主として表層からのふく射で加熱される)
でスラブ中心部の温度をインヒビターが十分溶解する温
度まで上げた場合のスラブ内温度分布は曲線(3)のよ
うになる。この場合にはスラブ表面はけい素鋼の溶融温
度となってしまい原理的に不可能となってしまう。ある
いは溶融しないまでも、粒界部分等がぜい弱となり、著
しい表面欠陥を生成してしまう。
このように既存の加熱方法ではインヒビターの完全溶解
とスラブ組織粗大化の防止を両立させることは極めて難
しかったのである。
そこで発明者らは、従来の加熱方法とは異なった原理的
にもそして経済的にも好ましい加熱方法の開発に着手し
た。
その結果、スラブ加熱手段として電磁誘導加熱を適用し
て、特定の条件下で処理した場合に、所期した目的の達
成に関して、望外の成果が得られたのである。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明は、 C:0.01〜0.08%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.03〜0.10%、 SおよびSeのうちいずれか一種又は二種合計:0.01〜0.0
6%を含有し、 ときにはさらに Sb,Mo,CuおよびSnのうちから選ばれる少なくとも一種:
0.005〜0.2% 又は/及び Al:0.01〜0.1% を含有し、残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼スラ
ブを、熱間圧延後、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間
圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結晶焼
鈍を施し、ついで最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程によ
って方向性電磁鋼板を製造するに当り、熱間圧延に先立
ち、周波数:30Hz以上、300Hz未満の電磁誘導加熱によ
り、スラブ中心を1400〜1470℃に昇温する一方、スラブ
表面については、該表面からの抜熱を強化して、中心温
度よりも10〜100℃低い温度となる、スラブ加熱処理を
施すことを特徴とする磁気特性および表面性状に優れた
方向性電磁鋼板の製造方法である。
この発明は、電磁誘導加熱方式を適用しかつ周波数及び
投入電力を適正に制御することにより第3図に示すよう
なスラブ内温度分布が達成されることの知見に基づいて
開発されたものである。
すなわち従来の方式は、加熱方式が主に輻射によるので
あったため、あるいは誘導加熱方式を採用した場合でも
加熱能率にのみ注目するあまり、表層部のみが集中的に
加熱されるという状態になっていた。
これに対し発明者らは、スラブ中心部分を高温度に加熱
することがとくに重要であることを知見し、中心部分を
加熱する方法について検討した結果、誘導加熱時の周波
数を適当に制御し、かつスラブ表面からの放熱を適当に
制御することにより従来必要とされる温度分布を得るこ
とに成功したものである。
誘導加熱の周波数を30Hz以上、300Hz(未満)として熱
をできるだけスラブ内部まで浸透させるようにするこ
と、そして1400℃以上の超高温に加熱すると共に表面か
らの熱放散をある程度大きくするよう炉内壁温度と雰囲
気温度を制御することが重要であり、この2つの因子の
組み合わせによりスラブ厚み方向の温度分布の制御が可
能となったのである。
鋼板表面からの具体的抜熱手段としては、 (1)炉内雰囲気のガス流量を増し、表面の冷却効果を
高めること、 (2)炉周辺部耐火物への輻射放熱を若干大きくするこ
と、具体的には、断熱耐火物内あるいはその外層に冷却
管を配し、抜熱の大きさを制御できるようにすること、
あるいは周辺断熱材をガスで冷却し抜熱を制御するこ
と、さらには厚さを機械的に変えること、 等が効果的である。
そして上記の手段を組み合わせることにより表面温度を
中心より0〜50℃低い範囲に制御することが可能となっ
たのである。
この発明において、上記の効果を十分高めるためには、
加熱時のスラブ表面温度は中心温度より少なくとも10℃
は低くする必要がある。とはいえあまり低くするとかえ
ってコストの上昇を招くので、その下限を中心温度より
100℃低い値とした。より好ましい表面温度は中心温度
より20〜50℃低い温度範囲である。
なお方向性けい素鋼板用スラブの加熱に電磁誘導加熱を
適用することに関しては、すでに特開昭62−103322号公
報にて提案されている。同公報に開示の技術は、誘導加
熱時の周波数を制御することによりスラブ中心部の温度
を1300〜1400℃に昇温し、表面から中心部に至るまでを
均一に加熱する方法の改良に関するものである。このよ
うに上記の技術は、スラブ内の加熱温度分布を均一にす
ることを最大かつ唯一の目的としており、さらにその前
提のもとに最適なスラブ中心加熱温度の上限を1400℃と
している。したがってこの技術は、スラブ中心部のみを
1400℃以上に加熱し優れた特性を得ようとするこの発明
とは技術内容が全く異なります。
さて、一般にインヒビターを均一溶解させるためには高
温で長時間均熱することが不可欠であることはよく知ら
れており、長時間加熱が通常適用されていた。しかし一
方ではスラブを高温長時間加熱することにより結晶粒が
粗大化して2次再結晶不良と表面欠陥の原因となってい
た。
そこで通常のスラブ加熱条件においてはやむなく結晶粒
粗大化は犠牲にしてインヒビターの均一溶解を達成せざ
るを得なかった。
この点発明者らは、結晶粒粗大化防止とインヒビターが
完全溶解する条件を種々検討した結果、均熱時間につい
ては第4図に示すような範囲で、インヒビターの溶解な
らびに結晶粒の粗大化防止が併せて達成できることを究
明した。したがってこの発明では、スラブ中心加熱温度
は1400〜1470℃の範囲に限定されるものとした。またス
ラブ表面温度は前述したとおり、中心温度よりも10〜10
0℃低い温度とし、さらに均熱時間は5〜20分の範囲と
することが望ましい。
(作 用) この発明において素材の成分組成を上記の範囲に限定し
た理由について説明する。
C:熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化とゴス方位
の発達に有用な元素であり、少なくとも0.01%以上の添
加を必要とする。しかしながら0.08%を超えて含有され
るとかえってゴス方位に乱れが生じるので上限を0.08%
に定めた。
Si:鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与する
が、4.0%を上まわると冷延性が損なわれ、一方2.5%に
満たないと比抵抗が低下するだけでなく、純化2次再結
晶のために行われる最終高温焼鈍中にα−γ変態によっ
て結晶方位のランダム化を生じ、十分な鉄損改善効果が
得られないので、Si量は2.5〜4.0%の範囲に限定した。
Mn:熱間脆化を防止するため少なくとも0.03%を必要と
するが、あまりに多すぎると磁気特性を劣化させるので
上限を0.10%とした。
Se,S:いずれも方向性けい素鋼板の2次再結晶を制御す
るインヒビターとして不可欠な元素である。抑制力確保
の観点からは少なくとも0.01%の含有が必要であるが0.
06%を超えるとその効果が損なわれるのでその下限、上
限はそれぞれ0.01%,0.06%とした。
インヒビターとしては上記S,Seの他にSb,Mo,CuおよびSn
なども有効に適合する。
とくにSb,Moの共存は実用的に重要でありその効果は良
く知られているところである。さらにAlを添加したこと
場合は一回圧延法で良好な特性が得られることが知られ
ている。これらの元素の共存は原理的に言ってこの発明
の効果を何ら損なうものではない。
ここにCu,Sn,Sb,Moはその総量が0.005〜0.2%の範囲
で、そしてAlは0.01〜0.1%の範囲でその効果が利用さ
れているので、この発明でも上記の成分範囲で活用する
ものとした。
(実施例) 実施例1 C:0.045%,Si:3.20%,Mn:0.08%,Se:0.025%,Sb:0.02%
およびMo:0.01%を含有し、残部は実質的にFeの組成に
なる240mm厚の連続鋳造スラブを、スラブ温度が800℃を
下回らない間に、以下の各加熱方式 (1)ウオーキングビーム式従来タイプのガス加熱方
式、 (2)従来型の電磁誘導加熱方式(周波数:300Hz)、 (3)この発明に従う改良型の電磁誘導加熱方式(周波
数:100Hz) で、スラブ中心温度が1350℃以上になるように加熱し
た。
加熱後のスラブは、常法に従う熱間圧延で2.0mm厚に仕
上げ、さらに1次冷延で0.5mmとし、ついで1000℃で5
分間の中間焼きなまし後、2次冷延で0.23mmの製品厚に
仕上げたのち、50%H2+50%N2雰囲気(露点60℃中で80
0℃)、3分の脱炭焼鈍を行い、焼鈍分離剤MgOを塗布し
た後、水素中で1200℃、10時間の箱焼鈍を行って製品と
した。
スラブ内推定温度分布と製品コイルの磁気特性分布、方
面性状について調べた結果を表1に示す。
(1)ウオーキングビーム方式の従来型加熱では、スラ
ブ加熱に長時間を要しかつ表面からの輻射によってのみ
加熱されるので、表面温度が中心より常にかなり高くな
っている。また加熱中の雰囲気制御ができないので表面
酸化が避けられず、高温加熱により著しく表面欠陥が発
生した。
実際スラブ中心温度を確保するため高温加熱に努力した
がスラブ中心温度は1370℃まであげるのがせいぜいであ
り、その時点で表面温度は1410℃で1時間以上も雰囲気
にさらされてしまった。また磁束密度や鉄損の値も不十
分であった。この原因は、インヒビターの固溶、とくに
スラブ中心部や通常の鋳込みでは不可避の内部割れ付近
の粗大析出物の固溶が不十分だったことが推定される。
さらに高温長時間加熱によりスラブ組織が粗大化し、そ
れが2次再結晶不良を起こしたことも原因となってい
る。
なお表面不良は表面が高温で長時間酸化性雰囲気にさら
されたことに起因すると推定される。
一方、最近電磁誘導方式のスラブ加熱方法が検討されて
きておりその典型的な加熱ヒートパターンで加熱した結
果が表1(2)の結果である。
この場合、温度は十分高くできたものの、やはり電磁誘
導加熱の特徴として表面近傍のみがとくに高温になっ
た。その結果、スラブ結晶粗大化に起因する2次再結晶
不良とそれに伴う磁気特性の低下が認められ、スラブを
このように高温に加熱した時に期待される磁気特性は得
られなかった。また表層粗大粒に起因する表面欠陥に伴
う絶縁被膜の不均一も観察された。
これに対し、この発明法すなわち(3)改良型電磁誘導
加熱方式で加熱した場合には、表面温度は1410℃ながら
中心部温度は1430℃に達し、中心部のインヒビターは十
分に溶解しかつ表層付近は必要以上に高温に加熱されな
いという理想的な温度分布が達成された。
なおこの場合には中心より表面の温度を低くするために
誘導加熱方式による急熱を採用すると同時に加熱後期に
断熱材の温度を強制冷却することによって低くし(抜熱
を大きくし)、スラブ表層のみの温度を効果的に制御し
低下させた。参考までにつけ加えるならば1400℃程度の
超高温においては輻射による放熱は非常に大きくなり、
(その大きさは加熱物温度と周囲の温度の絶対温度の4
乗の差に比例することが知られているように)外周の断
熱材の温度を変えるのみで加熱スラブ表面の温度を容易
に変化させ得た。
その結果磁束密度、鉄損ともに十分良好な値が得られ、
しかも通常ある程度発生する磁気特性不良部もきわめて
少なくすることができた。また表面が必要以上に高温に
加熱されなかったために、表面欠陥発生率も非常に小さ
かった。
実施例2 表2に示す種々の成分組成になる溶鋼をそれぞれ、150m
m厚の鋳型に鋳造後、100mm厚まで分塊圧延し、ついで得
られたスラブに実施例1の加熱方式(3)と同様な周囲
温度・制御による厚み方向温度制御を伴う電磁誘導加熱
(周波数:100Hz)および通常の電気抵抗加熱を施し、表
3に示すような温度分布とした後、5パスの熱間圧延で
板厚:2.4mmの熱延板に仕上げた。
その後、鋼A〜DおよびH〜Jについては、通常の2回
冷延・2回焼鈍法によって、また鋼E〜Gについては通
常の1回冷延・1回焼鈍法によって0.23mm厚の冷延板と
した。
ついで露点:60℃の(50%H2+50%N2)雰囲気中で800
℃、3分間の脱炭・1次再結晶焼鈍を施したのち、MgO
を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、乾水素中で
1200℃、10時間の最終仕上げ焼鈍を施した。
得られた各製品板の磁気特性、2次再結晶異常発生率お
よび表面欠陥発生率について調べた結果を表4にまとめ
て示す。
表4に示した成績から明らかなように、この発明に従う
スラブ加熱処理を施した場合に、すぐれた磁気特性と良
好な表面性状の両者が同時に得られている。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、磁気特性が優れるだけでな
く表面欠陥の少ない方向性電磁鋼板を、特殊な処理など
の必要なしに安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、粗大析出物のスラブ厚み方向における分布状
態を示したグラフ、 第2図は、従来法に従うスラブ加熱処理後のスラブ厚み
方向における温度分布図、 第3図は、この発明法に従うスラブ加熱後のスラブ厚み
方向における温度分布図、 第4図は、結晶粒の粗大化条件とインヒビターの完全溶
解条件を、スラブ加熱温度と均熱時間との関係で示した
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 嘉明 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭63−100128(JP,A) 特開 昭62−10214(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.01〜0.08wt%、 Si:2.5〜4.0wt%、 Mn:0.03〜0.10wt%、 SおよびSeのうちいずれか一種又は二種合計:0.01〜0.0
    6wt%、を含有し、残部は実質的にFeの組成になるけい
    素鋼スラブを、熱間圧延後、1回又は中間焼鈍を挟む2
    回の冷間圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次
    再結晶焼鈍を施し、ついで最終仕上げ焼鈍を施す一連の
    工程によって方向性電磁鋼板を製造するに当り、熱間圧
    延に先立ち、周波数:30Hz以上、300Hz未満の電磁誘電加
    熱により、スラブ中心を1400〜1470℃に昇温する一方、
    スラブ表面については、該表面からの抜熱を強化して、
    中心温度よりも10〜100℃低い温度となる、スラブ加熱
    処理を施すことを特徴とする磁気特性および表面性状に
    優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】C:0.01〜0.08wt%、 Si:2.5〜4.0wt%、 Mn:0.03〜0.10wt%、 SおよびSeのうちのいずれか一種又は二種合計:0.01〜
    0.06wt%、Sb,Mo,CuおよびSnのうちから選ばれる少なく
    とも一種:0.005〜0.2wt%、 を含有し、残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼スラ
    ブを、熱間圧延後、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間
    圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結晶焼
    鈍を施し、ついで最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程によ
    って方向性電磁鋼板を製造するに当り、熱間圧延に先立
    ち、周波数:30Hz以上、300Hz未満の電磁誘導加熱によ
    り、スラブ中心を1400〜1470℃に昇温する一方、スラブ
    表面については、該表面からの抜熱を強化して、中心温
    度よりも10〜100℃低い温度となる、スラブ加熱処理を
    施すことを特徴とする磁気特性および表面性状に優れた
    方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】C:0.01〜0.08wt%、 Si:2.5〜4.0wt%、 Mn:0.03〜0.10wt%、 SおよびSeのうちいずれか一種又は二種合計:0.01〜0.0
    6wt%、 Al:0.01〜0.1wt%、 を含有し、残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼スラ
    ブを、熱間圧延後、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間
    圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結晶焼
    鈍を施し、ついで最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程によ
    って方向性電磁鋼板を製造するに当り、熱間圧延に先立
    ち、周波数:30Hz以上、300Hz未満の電磁誘導加熱によ
    り、スラブ中心を1400〜1470℃に昇温する一方、スラブ
    表面については、該表面からの抜熱を強化して、中心温
    度よりも10〜100℃低い温度となる、スラブ加熱処理を
    施すことを特徴とする磁気特性および表面性状に優れた
    方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】C:0.01〜0.08wt%、 Si:2.5〜4.0wt%、 Mn:0.03〜0.10wt%、 SおよびSeのうちいずれか一種又は二種合計:0.01〜0.0
    6wt%、Sb,Mo,CuおよびSnのうちから選ばれる少なくと
    も一種:0.005〜0.2wt%、 Al:0.01〜0.1wt%、 を含有し、残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼スラ
    ブを、熱間圧延後、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間
    圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結晶焼
    鈍を施し、ついで最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程によ
    って方向性電磁鋼板を製造するに当り、熱間圧延に先立
    ち、周波数:30Hz以上、300Hz未満の電磁誘導加熱によ
    り、スラブ中心を1400〜1470℃に昇温する一方、スラブ
    表面については、該表面からの抜熱を強化して、中心温
    度よりも10〜100℃低い温度となる、スラブ加熱処理を
    施すことを特徴とする磁気特性および表面性状に優れた
    方向性電磁鋼板の製造方法。
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