JPH07262986A - 非水電解液電池およびその製造方法 - Google Patents
非水電解液電池およびその製造方法Info
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- JPH07262986A JPH07262986A JP5536194A JP5536194A JPH07262986A JP H07262986 A JPH07262986 A JP H07262986A JP 5536194 A JP5536194 A JP 5536194A JP 5536194 A JP5536194 A JP 5536194A JP H07262986 A JPH07262986 A JP H07262986A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 コイン形、ボビン形、スパイラル形の非水電
解液電池において、部品点数を増やすことなく重負荷放
電時の放電性能を安定化する。 【構成】 正極活物質に昇華性物質を該正極活物質に対
して1〜5%添加し、次いで、これを混合・造粒して所
定の形状に成形する。その後、これを加熱乾燥して当該
昇華性物質を気化させて多孔質の正極合剤5を調製す
る。更に、正極合剤5にセパレータ6を介して負極7を
対向させて発電要素8を組み立て、発電要素8に非水電
解液を注入する。 【効果】 成形時に含まれる昇華性物質が加熱乾燥によ
って気化し、多孔質の正極合剤5として非水電解液を迅
速に吸液し、多量(正極合剤1g当り0.18g以上)
の非水電解液を安定して保持できる。
解液電池において、部品点数を増やすことなく重負荷放
電時の放電性能を安定化する。 【構成】 正極活物質に昇華性物質を該正極活物質に対
して1〜5%添加し、次いで、これを混合・造粒して所
定の形状に成形する。その後、これを加熱乾燥して当該
昇華性物質を気化させて多孔質の正極合剤5を調製す
る。更に、正極合剤5にセパレータ6を介して負極7を
対向させて発電要素8を組み立て、発電要素8に非水電
解液を注入する。 【効果】 成形時に含まれる昇華性物質が加熱乾燥によ
って気化し、多孔質の正極合剤5として非水電解液を迅
速に吸液し、多量(正極合剤1g当り0.18g以上)
の非水電解液を安定して保持できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正極合剤と負極とをセ
パレータを介して対向させた発電要素に非水電解液を注
入して構成されるコイン形、ボビン形、或いはスパイラ
ル形の非水電解液電池およびその製造方法に関するもの
である。
パレータを介して対向させた発電要素に非水電解液を注
入して構成されるコイン形、ボビン形、或いはスパイラ
ル形の非水電解液電池およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の非水電解液電池(例え
ば、リチウム電池)の正極合剤を製造する際には、二酸
化マンガンを主剤とし、黒鉛またはカーボンブラックを
導電材とし、ポリテトラフルオロエチレンをバインダー
とする正極活物質を湿式または乾式で混合・造粒し、所
定の成形圧力でペレット状またはボビン状に成形し、こ
れを真空乾燥して正極合剤を製造していた。
ば、リチウム電池)の正極合剤を製造する際には、二酸
化マンガンを主剤とし、黒鉛またはカーボンブラックを
導電材とし、ポリテトラフルオロエチレンをバインダー
とする正極活物質を湿式または乾式で混合・造粒し、所
定の成形圧力でペレット状またはボビン状に成形し、こ
れを真空乾燥して正極合剤を製造していた。
【0003】この際、正極合剤の成形圧力が低すぎる
と、正極合剤として必要な強度が不足し、割れや欠けが
生じやすくなるため、実用性に乏しく、逆に正極合剤の
成形圧力が高すぎると、正極合剤の空孔率が不足して非
水電解液の保持量が少なくなるので、放電性能が不安定
になる。そのため、正極合剤の成形圧力は3〜4トンの
範囲内とするのが通常である。
と、正極合剤として必要な強度が不足し、割れや欠けが
生じやすくなるため、実用性に乏しく、逆に正極合剤の
成形圧力が高すぎると、正極合剤の空孔率が不足して非
水電解液の保持量が少なくなるので、放電性能が不安定
になる。そのため、正極合剤の成形圧力は3〜4トンの
範囲内とするのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これでは、真
空乾燥後の正極合剤の成形密度が2.90〜3.05g
/ccとなるため空孔率が32〜34%となり、また空孔
利用率(即ち、空孔のうち実際に非水電解液が保持され
る吸液空間の比率)が80%に達しないので、非水電解
液の保持量は正極合剤1g当り0.18g未満となる。
その結果、通常の放電性能は安定するものの、パルス放
電などの重負荷放電時の放電性能が不安定なものとなっ
てしまう危険性が高い。
空乾燥後の正極合剤の成形密度が2.90〜3.05g
/ccとなるため空孔率が32〜34%となり、また空孔
利用率(即ち、空孔のうち実際に非水電解液が保持され
る吸液空間の比率)が80%に達しないので、非水電解
液の保持量は正極合剤1g当り0.18g未満となる。
その結果、通常の放電性能は安定するものの、パルス放
電などの重負荷放電時の放電性能が不安定なものとなっ
てしまう危険性が高い。
【0005】また、こうした事態を回避するため、放電
に伴なう正極合剤の膨張を負極側に規制するようなリン
グ等を用いることにより、非水電解液の保持量が正極合
剤1g当り0.16g程度でも重負荷放電時の放電性能
を安定化せんとする方法があるが、この場合、上記リン
グ等を使用する必要があるため部品点数が増加するとい
う不都合があった。
に伴なう正極合剤の膨張を負極側に規制するようなリン
グ等を用いることにより、非水電解液の保持量が正極合
剤1g当り0.16g程度でも重負荷放電時の放電性能
を安定化せんとする方法があるが、この場合、上記リン
グ等を使用する必要があるため部品点数が増加するとい
う不都合があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み、部品点数を増
やすことなく重負荷放電時の放電性能を安定化すること
が可能な非水電解液電池およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
やすことなく重負荷放電時の放電性能を安定化すること
が可能な非水電解液電池およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明のうち非水
電解液電池の発明は、多孔質の正極合剤(5)と負極
(7)とをセパレータ(6)を介して対向させた発電要
素(8)に非水電解液を注入して構成される非水電解液
電池(1)において、前記正極合剤が、34〜40%の
空孔率を有し、かつ80%以上の空孔利用率を有するよ
うにして構成される。また、本発明のうち非水電解液電
池の製造方法の発明は、正極活物質に昇華性物質を該正
極活物質に対して1〜5%添加し、次いで、これを混合
・造粒して所定の形状に成形し、その後、これを加熱乾
燥して当該昇華性物質を気化させて多孔質の正極合剤
(5)を調製し、更に、前記正極合剤にセパレータ
(6)を介して負極(7)を対向させて発電要素(8)
を組み立てると共に、前記発電要素に非水電解液を注入
するようにして構成される。更に、正極活物質に分解・
蒸発性物質を該正極活物質に対して1〜5%添加し、次
いで、これを混合・造粒して所定の形状に成形し、その
後、これを真空乾燥して当該分解・蒸発性物質を分解ま
たは蒸発させて多孔質の正極合剤(5)を調製し、更
に、前記正極合剤にセパレータ(6)を介して負極
(7)を対向させて発電要素(8)を組み立てると共
に、前記発電要素に非水電解液を注入するようにして構
成される。
電解液電池の発明は、多孔質の正極合剤(5)と負極
(7)とをセパレータ(6)を介して対向させた発電要
素(8)に非水電解液を注入して構成される非水電解液
電池(1)において、前記正極合剤が、34〜40%の
空孔率を有し、かつ80%以上の空孔利用率を有するよ
うにして構成される。また、本発明のうち非水電解液電
池の製造方法の発明は、正極活物質に昇華性物質を該正
極活物質に対して1〜5%添加し、次いで、これを混合
・造粒して所定の形状に成形し、その後、これを加熱乾
燥して当該昇華性物質を気化させて多孔質の正極合剤
(5)を調製し、更に、前記正極合剤にセパレータ
(6)を介して負極(7)を対向させて発電要素(8)
を組み立てると共に、前記発電要素に非水電解液を注入
するようにして構成される。更に、正極活物質に分解・
蒸発性物質を該正極活物質に対して1〜5%添加し、次
いで、これを混合・造粒して所定の形状に成形し、その
後、これを真空乾燥して当該分解・蒸発性物質を分解ま
たは蒸発させて多孔質の正極合剤(5)を調製し、更
に、前記正極合剤にセパレータ(6)を介して負極
(7)を対向させて発電要素(8)を組み立てると共
に、前記発電要素に非水電解液を注入するようにして構
成される。
【0008】ここで、「分解・蒸発性物質」とは、真空
乾燥によって分解または蒸発する無機または有機物質を
意味する。
乾燥によって分解または蒸発する無機または有機物質を
意味する。
【0009】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本発
明は図面上の記載に限定拘束されるものではない。この
ことは、「特許請求の範囲」及び「作用」の欄について
も同様である。
応する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本発
明は図面上の記載に限定拘束されるものではない。この
ことは、「特許請求の範囲」及び「作用」の欄について
も同様である。
【0010】
【作用】上記した構成により、本発明は、成形時に含ま
れる昇華性物質、分解・蒸発性物質が乾燥によって気
化、分解または蒸発し、多孔質の正極合剤(5)として
非水電解液を迅速に吸液し、多量(正極合剤1g当り
0.18g以上)の非水電解液を安定して保持し得るよ
うに作用する。
れる昇華性物質、分解・蒸発性物質が乾燥によって気
化、分解または蒸発し、多孔質の正極合剤(5)として
非水電解液を迅速に吸液し、多量(正極合剤1g当り
0.18g以上)の非水電解液を安定して保持し得るよ
うに作用する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明による非水電解液電池の一実施例を
示す正面図、図2は非水電解液電池の重負荷放電特性を
示すグラフである。
する。図1は本発明による非水電解液電池の一実施例を
示す正面図、図2は非水電解液電池の重負荷放電特性を
示すグラフである。
【0012】本発明による非水電解液電池であるコイン
形のリチウム電池1は、図1に示すように、正極缶2を
有しており、正極缶2内には、集電体3、正極合剤5、
セパレータ6及びリチウム負極7からなる発電要素8が
載置されている。即ち、正極缶2の内面中央部には、ペ
レット状に成形された多孔質の正極合剤5が集電体3を
介して載置されており、正極合剤5の上側には、ポリプ
ロピレン不織布からなるセパレータ6を介して円盤状の
リチウム負極7が載置されている。また、リチウム負極
7の上側には負極端子9が載置されており、負極端子9
の周縁部は、ポリプロピレンからなるリング状のガスケ
ット10を介して前記正極缶2の立上り部に把持されて
いる。なお、正極合剤5、セパレータ6及び正極合剤5
の周囲の空間には、プロピレンカーボネートとジメトキ
シエタンとの混合溶液にLiClO4 を溶解した非水電
解液が保持されている。
形のリチウム電池1は、図1に示すように、正極缶2を
有しており、正極缶2内には、集電体3、正極合剤5、
セパレータ6及びリチウム負極7からなる発電要素8が
載置されている。即ち、正極缶2の内面中央部には、ペ
レット状に成形された多孔質の正極合剤5が集電体3を
介して載置されており、正極合剤5の上側には、ポリプ
ロピレン不織布からなるセパレータ6を介して円盤状の
リチウム負極7が載置されている。また、リチウム負極
7の上側には負極端子9が載置されており、負極端子9
の周縁部は、ポリプロピレンからなるリング状のガスケ
ット10を介して前記正極缶2の立上り部に把持されて
いる。なお、正極合剤5、セパレータ6及び正極合剤5
の周囲の空間には、プロピレンカーボネートとジメトキ
シエタンとの混合溶液にLiClO4 を溶解した非水電
解液が保持されている。
【0013】ここで、前記正極合剤5は、その空孔率が
34〜40%、空孔利用率が80%以上となっている。
そのため、非水電解液の保持量は正極合剤1g当り0.
18g以上が確保されるので、通常の放電性能のみなら
ずパルス放電などの重負荷放電時の放電性能も安定す
る。
34〜40%、空孔利用率が80%以上となっている。
そのため、非水電解液の保持量は正極合剤1g当り0.
18g以上が確保されるので、通常の放電性能のみなら
ずパルス放電などの重負荷放電時の放電性能も安定す
る。
【0014】ところで、コイン形のリチウム電池1を製
造する際には、まず正極合剤5を調製する。それには、
二酸化マンガン(主剤)と、黒鉛またはカーボンブラッ
ク(導電材)と、ポリテトラフルオロエチレン(バイン
ダー)とからなる正極活物質に、粉末状の樟脳、ナフタ
リン等の昇華性物質を添加する。昇華性物質の添加量は
正極活物質に対して1〜5%とする。次いで、これを混
合・造粒してペレット状に成形した後、加熱乾燥する。
すると、昇華性物質が気化し、その結果、空孔率が34
〜40%で空孔利用率が80%以上の多孔質の正極合剤
5が調製される。
造する際には、まず正極合剤5を調製する。それには、
二酸化マンガン(主剤)と、黒鉛またはカーボンブラッ
ク(導電材)と、ポリテトラフルオロエチレン(バイン
ダー)とからなる正極活物質に、粉末状の樟脳、ナフタ
リン等の昇華性物質を添加する。昇華性物質の添加量は
正極活物質に対して1〜5%とする。次いで、これを混
合・造粒してペレット状に成形した後、加熱乾燥する。
すると、昇華性物質が気化し、その結果、空孔率が34
〜40%で空孔利用率が80%以上の多孔質の正極合剤
5が調製される。
【0015】こうして、多孔質の正極合剤5が調製され
たところで、この正極合剤5を用いて公知の手法でコイ
ン形のリチウム電池1を組み立てる。即ち、正極缶2の
内面中央部に集電体3を溶接し、該集電体3に前記正極
合剤5を圧着する。次に、正極合剤5の上側にセパレー
タ6を載置し、この上から非水電解液を注入する。一
方、円盤状に打抜き加工されたリチウム負極7を負極端
子9の内面中央部に圧着すると共に、負極端子9の周縁
部にガスケット10を嵌着する。そして、正極缶2の上
に負極端子9を被せてリチウム負極7がセパレータ6を
介して正極合剤5に対向するようにした後、正極缶2の
立上り部を内方にかしめて封口する。ここで、コイン形
のリチウム電池1の組立が終了する。
たところで、この正極合剤5を用いて公知の手法でコイ
ン形のリチウム電池1を組み立てる。即ち、正極缶2の
内面中央部に集電体3を溶接し、該集電体3に前記正極
合剤5を圧着する。次に、正極合剤5の上側にセパレー
タ6を載置し、この上から非水電解液を注入する。一
方、円盤状に打抜き加工されたリチウム負極7を負極端
子9の内面中央部に圧着すると共に、負極端子9の周縁
部にガスケット10を嵌着する。そして、正極缶2の上
に負極端子9を被せてリチウム負極7がセパレータ6を
介して正極合剤5に対向するようにした後、正極缶2の
立上り部を内方にかしめて封口する。ここで、コイン形
のリチウム電池1の組立が終了する。
【0016】なお、上述の実施例においては、空孔率が
34〜40%で空孔利用率が80%以上の多孔質の正極
合剤5を調製するのに昇華性物質を用いた場合について
説明したが、昇華性物質の代わりに分解・蒸発性物質
(真空乾燥によって分解または蒸発する無機または有機
物質であり、例えば、氷、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニルブチラール等)を用いることも可能である。以
下、分解・蒸発性物質を用いて多孔質の正極合剤5を調
製する場合について説明する。
34〜40%で空孔利用率が80%以上の多孔質の正極
合剤5を調製するのに昇華性物質を用いた場合について
説明したが、昇華性物質の代わりに分解・蒸発性物質
(真空乾燥によって分解または蒸発する無機または有機
物質であり、例えば、氷、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニルブチラール等)を用いることも可能である。以
下、分解・蒸発性物質を用いて多孔質の正極合剤5を調
製する場合について説明する。
【0017】即ち、分解・蒸発性物質として氷を用いる
場合には、二酸化マンガン(主剤)と、黒鉛またはカー
ボンブラック(導電材)と、ポリテトラフルオロエチレ
ン(バインダー)とからなる正極活物質に、水を添加し
た後、−10℃に冷却することにより、水を凝固させて
氷の状態にする。水の添加量は正極活物質に対して1〜
5%とする。次いで、これを混合・造粒してペレット状
に成形した後、真空乾燥する。すると、氷が蒸発し、そ
の結果、空孔率が34〜40%で空孔利用率が80%以
上の多孔質の正極合剤5が調製される。
場合には、二酸化マンガン(主剤)と、黒鉛またはカー
ボンブラック(導電材)と、ポリテトラフルオロエチレ
ン(バインダー)とからなる正極活物質に、水を添加し
た後、−10℃に冷却することにより、水を凝固させて
氷の状態にする。水の添加量は正極活物質に対して1〜
5%とする。次いで、これを混合・造粒してペレット状
に成形した後、真空乾燥する。すると、氷が蒸発し、そ
の結果、空孔率が34〜40%で空孔利用率が80%以
上の多孔質の正極合剤5が調製される。
【0018】また、分解・蒸発性物質としてポリビニル
ピロリドン(以下「PVP」と略記する)又はポリビニ
ルブチラール(以下「PVB」と略記する)を用いる場
合には、二酸化マンガン(主剤)と、黒鉛またはカーボ
ンブラック(導電材)と、ポリテトラフルオロエチレン
(バインダー)とからなる正極活物質に、PVP又はP
VBを添加する。PVP又はPVBの添加量は正極活物
質に対して1〜5%とする。次いで、これを混合・造粒
してペレット状に成形した後、真空乾燥する。すると、
PVP又はPVBが分解または蒸発し、その結果、空孔
率が34〜40%で空孔利用率が80%以上の多孔質の
正極合剤5が調製されるのである。
ピロリドン(以下「PVP」と略記する)又はポリビニ
ルブチラール(以下「PVB」と略記する)を用いる場
合には、二酸化マンガン(主剤)と、黒鉛またはカーボ
ンブラック(導電材)と、ポリテトラフルオロエチレン
(バインダー)とからなる正極活物質に、PVP又はP
VBを添加する。PVP又はPVBの添加量は正極活物
質に対して1〜5%とする。次いで、これを混合・造粒
してペレット状に成形した後、真空乾燥する。すると、
PVP又はPVBが分解または蒸発し、その結果、空孔
率が34〜40%で空孔利用率が80%以上の多孔質の
正極合剤5が調製されるのである。
【0019】上述の効果を確認するため、樟脳、氷、P
VPをそれぞれ正極活物質に1、3、5%添加し、金型
を用いて4、6トンの成形圧力で成形して多孔質の正極
合剤(実施例)を調製した。なお、樟脳、氷、PVPの
添加量が5%を越えると、成形時に正極合剤が金型に貼
り付く現象がみられた。また、比較例として、正極活物
質に昇華性物質も分解・蒸発性物質も添加せず、金型を
用いて2、3、4、5、6トンの成形圧力で成形した従
来の正極合剤(従来例)を調製した。これらの正極合剤
について、成形密度および空孔率を求めた。空孔率は、
合剤粒子を非水電解液の成分(溶質を含まないプロピレ
ンカーボネート、ジメトキシエタン)中で真空引きして
求めた正極合剤の真比重と成形密度から、数1に示す数
式を用いて算出した。また、正極合剤を非水電解液中に
浸漬したとき(通常の電池組立時の非水電解液の吸液状
態を想定)の吸液量から求めた吸液できる空孔、即ち吸
液空間を求め、この吸液空間と空孔率から、数2に示す
数式を用いて空孔利用率を算出した。
VPをそれぞれ正極活物質に1、3、5%添加し、金型
を用いて4、6トンの成形圧力で成形して多孔質の正極
合剤(実施例)を調製した。なお、樟脳、氷、PVPの
添加量が5%を越えると、成形時に正極合剤が金型に貼
り付く現象がみられた。また、比較例として、正極活物
質に昇華性物質も分解・蒸発性物質も添加せず、金型を
用いて2、3、4、5、6トンの成形圧力で成形した従
来の正極合剤(従来例)を調製した。これらの正極合剤
について、成形密度および空孔率を求めた。空孔率は、
合剤粒子を非水電解液の成分(溶質を含まないプロピレ
ンカーボネート、ジメトキシエタン)中で真空引きして
求めた正極合剤の真比重と成形密度から、数1に示す数
式を用いて算出した。また、正極合剤を非水電解液中に
浸漬したとき(通常の電池組立時の非水電解液の吸液状
態を想定)の吸液量から求めた吸液できる空孔、即ち吸
液空間を求め、この吸液空間と空孔率から、数2に示す
数式を用いて空孔利用率を算出した。
【0020】
【数1】 空孔率(%)=100×(1−成形密度÷真比重)
【0021】
【数2】 空孔利用率(%)=100×(吸液空間÷空孔率)
【0022】これらの結果をまとめて表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、従来例では、成
形圧力の増大に伴ない、成形密度が高くなると共に、空
孔率が低下する傾向にある。また、空孔率と吸液空間と
の差が増大しており、高圧力ほど非水電解液が保持され
ない空孔が多くなっていることが分かる。これに対して
実施例では、成形圧力が高くても、昇華性物質または分
解・蒸発性物質の添加により非水電解液が充填されない
空孔(隠蔽空間)が少なくなっており、空孔の有効利用
が図られていると言える。
形圧力の増大に伴ない、成形密度が高くなると共に、空
孔率が低下する傾向にある。また、空孔率と吸液空間と
の差が増大しており、高圧力ほど非水電解液が保持され
ない空孔が多くなっていることが分かる。これに対して
実施例では、成形圧力が高くても、昇華性物質または分
解・蒸発性物質の添加により非水電解液が充填されない
空孔(隠蔽空間)が少なくなっており、空孔の有効利用
が図られていると言える。
【0025】また、上記の実施例と従来例について重負
荷放電特性(2.7kΩ)を比較した。その結果を図2
に示す。図2において、は樟脳、は氷、はPVP
を用いた場合の放電曲線であり、は従来例の放電曲線
である。図2から、従来例(図2の)に比べて実施例
(図2の、、)は重負荷放電時の放電性能が安定
化していることが判る。
荷放電特性(2.7kΩ)を比較した。その結果を図2
に示す。図2において、は樟脳、は氷、はPVP
を用いた場合の放電曲線であり、は従来例の放電曲線
である。図2から、従来例(図2の)に比べて実施例
(図2の、、)は重負荷放電時の放電性能が安定
化していることが判る。
【0026】なお、上述の実施例においては、コイン形
のリチウム電池1について説明したが、ボビン形やスパ
イラル形のリチウム電池に本発明を適用することも可能
である。
のリチウム電池1について説明したが、ボビン形やスパ
イラル形のリチウム電池に本発明を適用することも可能
である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
成形時に含まれる昇華性物質、分解・蒸発性物質が乾燥
によって気化、分解または蒸発し、多孔質の正極合剤5
として非水電解液を迅速に吸液し、多量(正極合剤1g
当り0.18g以上)の非水電解液を安定して保持し得
ることから、部品点数を増やすことなく重負荷放電時の
放電性能を安定化することが可能となる。
成形時に含まれる昇華性物質、分解・蒸発性物質が乾燥
によって気化、分解または蒸発し、多孔質の正極合剤5
として非水電解液を迅速に吸液し、多量(正極合剤1g
当り0.18g以上)の非水電解液を安定して保持し得
ることから、部品点数を増やすことなく重負荷放電時の
放電性能を安定化することが可能となる。
【図1】本発明による非水電解液電池の一実施例を示す
正面図である。
正面図である。
【図2】非水電解液電池の重負荷放電特性を示すグラフ
である。
である。
1……非水電解液電池 5……多孔質の正極合剤 6……セパレータ 7……負極 8……発電要素
Claims (3)
- 【請求項1】 多孔質の正極合剤(5)と負極(7)と
をセパレータ(6)を介して対向させた発電要素(8)
に非水電解液を注入して構成される非水電解液電池
(1)において、 前記正極合剤が、34〜40%の空孔率を有し、かつ8
0%以上の空孔利用率を有することを特徴とする非水電
解液電池。 - 【請求項2】 正極活物質に昇華性物質を該正極活物質
に対して1〜5%添加し、 次いで、これを混合・造粒して所定の形状に成形し、 その後、これを加熱乾燥して当該昇華性物質を気化させ
て多孔質の正極合剤(5)を調製し、 更に、前記正極合剤にセパレータ(6)を介して負極
(7)を対向させて発電要素(8)を組み立てると共
に、 前記発電要素に非水電解液を注入するようにして構成し
た非水電解液電池の製造方法。 - 【請求項3】 正極活物質に分解・蒸発性物質を該正極
活物質に対して1〜5%添加し、 次いで、これを混合・造粒して所定の形状に成形し、 その後、これを真空乾燥して当該分解・蒸発性物質を分
解または蒸発させて多孔質の正極合剤(5)を調製し、 更に、前記正極合剤にセパレータ(6)を介して負極
(7)を対向させて発電要素(8)を組み立てると共
に、 前記発電要素に非水電解液を注入するようにして構成し
た非水電解液電池の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5536194A JPH07262986A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 非水電解液電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5536194A JPH07262986A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 非水電解液電池およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07262986A true JPH07262986A (ja) | 1995-10-13 |
Family
ID=12996359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5536194A Pending JPH07262986A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 非水電解液電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07262986A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006100280A (ja) * | 2000-10-20 | 2006-04-13 | Massachusetts Inst Of Technol <Mit> | 網状で、制御された有孔率の電池構造 |
| US8999571B2 (en) | 2007-05-25 | 2015-04-07 | Massachusetts Institute Of Technology | Batteries and electrodes for use thereof |
| US9065093B2 (en) | 2011-04-07 | 2015-06-23 | Massachusetts Institute Of Technology | Controlled porosity in electrodes |
| US10569480B2 (en) | 2014-10-03 | 2020-02-25 | Massachusetts Institute Of Technology | Pore orientation using magnetic fields |
| US10675819B2 (en) | 2014-10-03 | 2020-06-09 | Massachusetts Institute Of Technology | Magnetic field alignment of emulsions to produce porous articles |
| CN112687834A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-04-20 | 珠海冠宇动力电池有限公司 | 一种电芯、电芯的制作方法和电池 |
| JP2022078959A (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-25 | リキャップ テクノロジーズ、インコーポレイテッド | 複合バインダを用いた乾式電極の製造 |
-
1994
- 1994-03-25 JP JP5536194A patent/JPH07262986A/ja active Pending
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| US10164242B2 (en) | 2011-04-07 | 2018-12-25 | Massachusetts Institute Of Technology | Controlled porosity in electrodes |
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| CN112687834A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-04-20 | 珠海冠宇动力电池有限公司 | 一种电芯、电芯的制作方法和电池 |
| CN112687834B (zh) * | 2020-12-25 | 2022-11-15 | 珠海冠宇动力电池有限公司 | 一种电芯、电芯的制作方法和电池 |
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